JP2001144536A - 同軸共振器およびそれを備える発振回路 - Google Patents

同軸共振器およびそれを備える発振回路

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JP2001144536A JP2000293700A JP2000293700A JP2001144536A JP 2001144536 A JP2001144536 A JP 2001144536A JP 2000293700 A JP2000293700 A JP 2000293700A JP 2000293700 A JP2000293700 A JP 2000293700A JP 2001144536 A JP2001144536 A JP 2001144536A
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oscillation
signal
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Charles T Nicholls
チャールズ・ティー・ニコルス
Johan M Grundlingh
ヨハン・エム・グランドリン
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03BGENERATION OF OSCILLATIONS, DIRECTLY OR BY FREQUENCY-CHANGING, BY CIRCUITS EMPLOYING ACTIVE ELEMENTS WHICH OPERATE IN A NON-SWITCHING MANNER; GENERATION OF NOISE BY SUCH CIRCUITS
    • H03B5/00Generation of oscillations using amplifier with regenerative feedback from output to input
    • H03B5/18Generation of oscillations using amplifier with regenerative feedback from output to input with frequency-determining element comprising distributed inductance and capacitance
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03BGENERATION OF OSCILLATIONS, DIRECTLY OR BY FREQUENCY-CHANGING, BY CIRCUITS EMPLOYING ACTIVE ELEMENTS WHICH OPERATE IN A NON-SWITCHING MANNER; GENERATION OF NOISE BY SUCH CIRCUITS
    • H03B2201/00Aspects of oscillators relating to varying the frequency of the oscillations
    • H03B2201/02Varying the frequency of the oscillations by electronic means
    • H03B2201/0208Varying the frequency of the oscillations by electronic means the means being an element with a variable capacitance, e.g. capacitance diode

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  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)
  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】セラミック同軸共振器によって得られる利点を
維持しながら高発振周波数要件を満足するVCOの代替
実施形態を提供する。 【解決手段】4つのセラミック同軸共振器400をリン
グ構成に結合した発振器が提供される。各同軸共振器4
00は、90°の電気的長さを持ち、並列に結合された
増幅器402を備える。増幅器402は、90°にほぼ
等しい移相を有し、同調電圧によって制御される。動作
中、4つの発振信号は、同じ周波数であるが90°の倍
数だけ位相がずれるよう生成される。これらの発振信号
が組み合わされたとき、得られる信号は、元の発振信号
の周波数の4倍の発振信号である。同時に、その組合せ
に使用された発振信号のうちの1つがサンプリングさ
れ、帰還のためにPLL−FS内で使用され、全体とし
て帰還に関する低周波数サンプリング能力に加え、この
出力周波数の増大が、PLL−FS内の周波数逓倍およ
び分割の必要性を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に同軸共振器
に関し、より具体的には、同軸共振器の発振回路設計の
改善に関する。
【0002】
【従来の技術】発振器は、多くの様々な技術分野、特に
拡大する通信業界で必要とされている。通信の適用分野
では、発振器は一般に、その後に情報信号が変調される
特定の周波数の搬送波信号を生成するのに使用される。
例えば、パーソナル・コミュニケーション・システム
(PCS)内での電圧制御発振器(VCO)は通常、約
1900MHzで同調される。
【0003】図1は、通信装置内のVCOに関する標準
実装形態である典型的な位相ロック・ループ周波数シン
セサイザ(PLL−FS:Phase Locked Loop-Frequenc
y Synthesizer)を示すブロック図である。図1に示さ
れるケースでは、PLL−FSは、第1の分周器22
と、位相検波器24と、ループ・フィルタ26と、電圧
制御型同軸共振発振器(VC−CRO:Voltage Contro
lled-Coaxial ResonatorOscillator)28の形のVCO
と、VC−CRO28から出力された信号のサンプルを
生成するカプラ30と、信号SOUT(t)を出力する
増幅器32とに直列に結合された、この場合8MHzで
動作する水晶基準発振器20を備える。さらに、PLL
−FSは、カプラ30および位相検波器24の間に結合
された第2の分周器36を備える位相帰還経路を備え
る。
【0004】図1のブロック図では、水晶基準発振器2
0は8MHzで水晶基準信号を出力し、その信号がその
後、第1の分周器22によって160KHzに分割され
る。位相検波器24は、分割された水晶基準信号を受け
取り、その位相を帰還信号と比較する。帰還信号の生成
は本明細書で以下に記述する。位相検波器24の出力
は、ベースバンド信号であり、その振幅は、位相検波器
24に入力される2つの信号の位相差に比例する(しか
し、位相検波器24の出力は、160KHzの正数倍で
の比較周波数のスプリアスをも伴う)。ループ・フィル
タ26(これは、受動または能動であることができる)
は、位相検波器24からの出力を受け取り、比較周波数
(160KHz)の倍数(n×160KHz)における
成分を拒絶することによって信号内のスプリアスを除去
し、ベースバンド信号のみを残す。このフィルタリング
された結果は、VC−CRO28の同調ポート34に制
御電圧として供給され、その周波数は、バラクタ・ダイ
オード装置(図示せず)によって制御される。この場
合、VC−CRO28は、セラミック同軸共振器によっ
て安定化されるコルピッツ発振器を備え、該コルピッツ
発振器は、使用される特定の共振器の共振周波数および
同調ポート34に印加される制御電圧に基づく発振周波
数で信号を生成する。発振周波数は通常、共振周波数よ
りもわずかに小さい(典型的には200MHzと5GH
zの間)。
【0005】VC−CRO28から出力される高周波数
信号は、カプラ30によってサンプリングされ、第2の
分周器36によって周波数分割されて、位相検波器24
に入力される帰還信号を生成する。帰還信号の周波数が
第2の分周器36内で分割される量が、位相検波器26
から出力される制御電圧を決定する、ということを理解
されたい。その後、この電圧レベルによって、VC−C
RO28が同調される発振周波数が決定され、分割係数
を変更することにより、発振周波数のステップを変更す
ることができるようになる。図1に示されるように、V
C−CRO28からの出力は、信号を増幅して該増幅さ
れた結果を信号SOUT(t)として出力する増幅器3
2において受け取られる。全体として、PLLシンセサ
イザのアーキテクチャは、VC−CRO周波数について
のデジタル制御を可能にし、また基準水晶発振器に対し
てVC−CROをロックして、温度、エージング(agei
ng)、機械的応力などのすべてのシステム条件について
発生源の周波数安定性を保証する。
【0006】PLL−FS内でVC−CROを安定化さ
せるためにセラミック同軸共振器を使用することにはい
くつかの利点がある。これらの利点は、セラミック同軸
共振器の物理設計に関連する。典型的には、セラミック
同軸共振器は、直方体として形成されたセラミック誘電
体材料を備え、同軸穴が該直方体を介して長手方向に通
り、電気コネクタが一端に接続されている。電気コネク
タに接続されたその端部、および場合によってはその向
かい合う2つの端部を除いた直方体の外側および内側の
面が、銅や銀などの金属で被覆される。このようにして
形成されたデバイスは、実質上、キャパシタンス、イン
ダクタンス、および抵抗を含む、TEM(Transv
erse Electromagnetic)モードの
ときに発振する共振高周波(RF)回路を形成する(コ
ルピッツ発振器を安定化する場合)。この設計で得られ
る利点は、高いQ値(典型的には約800)、したがっ
て共振器に関連する低ノイズ発振、およびセラミック同
軸共振器を特徴付ける温度安定性およびマイクロホニッ
クス(microphonic)に対する抵抗を含む。これらの利
点は、低コストというさらなる重要な利点をもたらす。
現在では、共振器当たり約65セントである。
【0007】残念ながら、現在設計されているセラミッ
ク同軸共振器の使用には重要な問題がある。セラミック
同軸共振器の共振周波数は、物理的制限のために、出力
することができる最大周波数を有する。セラミック同軸
共振器の共振周波数は、特定の共振器の物理的サイズお
よび形状に基づいている。一般に、共振器のサイズが小
さくなると、それだけ共振周波数が高くなり、逆も同様
である。問題は、セラミック同軸共振器が、製造するこ
とのできる最小サイズを有し、それが最大値以下の共振
周波数に制限することである。これは、現在設計されて
いるように、同軸共振発振器(CRO:Coaxial Resona
tor Oscillator)が電圧制御されているか否かに関わら
ず、セラミック同軸共振器を使用する典型的なCROの
出力を約5GHzに制限する物理的な制限となる。
【0008】近年までは、以前の通信装置の動作の周波
数が典型的にこのレベルよりも低かったため、この5G
Hzの制限がVC−CROまたはCRO内でのセラミッ
ク同軸共振器の使用に大きく影響しなかった。例えば、
PCS装置は、約1900MHzで動作する。現在、5
GHzよりも大きい発振周波数を有するVCOを必要と
するいくつかの異なる通信標準がある。例えば、OC−
192ファイバ光信号は約10GHzで伝送され、無線
を介してインターネットに使用されるように予定されて
いる新たに開発されたローカル・マルチポイント分散シ
ステム(LMDS:Local Multi-point Distribution S
ystem)は、28〜30GHで動作するよう設定されて
いる。さらに高い発振周波数を必要とするさらなる開発
および標準が設計されると考えられる。
【0009】図1に示される標準VCOを使用するシス
テム内で信号の発振周波数を増大させるための1つのよ
く知られた技術は、VCOの後の段で、発振周波数を2
倍にする分周波ポンプ・ミキサ(subharmonically pump
ed mixer)を使用するものである。残念ながら、分周波
ポンプ・ミキサを使用しても、セラミック同軸共振器に
よって動作する標準VCOを使用するシステムは依然と
して、LMDS適用分野には不十分な10GHzの最大
発振周波数に制限される。したがって、実際のVCO内
部で発振周波数を増大させる技術が必要とされる。
【0010】図1に示されるPLL−FSから出力され
る発振周波数を5GHzの制限を超えて増大させるため
に試みられてきた一技術は、増幅器32の後に周波数逓
倍段を追加するものである。そのような逓倍段の例が図
2に示されている。これを見るとわかるように、周波数
逓倍器38は、増幅器32の出力に結合され、さらに第
1のフィルタ40、増幅器42、および第2のフィルタ
44と直列に結合されている。この設計では、逓倍器3
8は、信号の発振周波数を、増幅器32から出力された
周波数出力の3倍に増大する。したがって、VCOの元
の周波数が5GHzであるならば、これは、(分周波ポ
ンプ・ミキサを使用した後に)得られるシステム周波数
を30GHzにすることを可能にする。フィルタ40、
44および増幅器42を使用して、逓倍器38の結果と
して信号に付加されるノイズ・スプリアスおよび他の望
ましくない特性を減少させる。この実装形態の1つの問
題は、フィルタ40、44および増幅器42が、逓倍器
38から出力されるスプリアス、および望ましくないミ
キシング生成物を完全に除去することができなくなり、
それにより、発振信号を使用するシステム内のさらなる
構成要素に対してこれらの理想的でない特性を与えるこ
とである。他の問題は、逓倍器38のような逓倍器の効
率が通常低いことであり、逓倍器38によって回路内部
で高電流消費を生じさせることがある。さらに、追加構
成要素38、40、42、44も、PLL−FS全体に
関する構成要素数およびコストを増大させる。
【0011】VCOから出力される発振周波数を増大さ
せるために使用される他の技術は、標準VC−CRO2
8の代わりに、セラミック同軸共振器に対する代替の共
振デバイスによって安定化される発振器を用いるもので
ある。一実装形態では、この代替の発振器は、20GH
zよりも高い周波数を出力することを可能にすることが
できる誘電体共振発振器(DRO:Dielectric Resonat
or Oscillator)である。DROも通常コルピッツ発振
器を使用するが、それとともに、セラミック同軸共振器
に代えて誘電体共振器を使用する。誘電体共振器は、キ
ャビティ内に収納された誘電体材料のパック(puck、円
盤)で構成される。パックの物理的な寸法が、DROの
周波数範囲を設定し、キャビティ内でのパックの位置付
けが、中心周波数の同調に重要となる。DRO実装形態
の重要な欠点の1つは、中心周波数を同調するコストで
ある。DROのパックはキャビティ内でのその位置に関
して敏感なため、DROは全体として、共振器のハウジ
ングの機械的振動であるマイクロホニックスを受けやす
い。DROで使用される実際の部品のコストは安いが、
特別な技術を用いるケーシングを必要とするため、マイ
クロホニックスおよび周波数センタリングに関連する起
こり得る問題が、DROにかなりの製造コストを追加す
る。この結果、DROは現在、約500〜600ドルの
コストがかかる。一方、本明細書で上述したよく知られ
ているCROのコストは、10未満ドルであることがで
きる。
【0012】図1におけるVCOに関する他の代替実装
形態は、セラミック同軸共振器によって安定化されるV
C−CRO28に代えて、イットリウム・イオン・ガー
ネット(YIG:Yttrium Ion Garnet)安定化発振器を
用いるものである。これらの発振器は、同調帯域幅全体
にわたって低ノイズで十分に高い周波数で動作すること
ができる。残念ながら、これらの使用には受け入れがた
いいくつかの欠点がある。その1つとして、同調回路内
部でインダクタを使用するために、これらのYIGデバ
イスの同調が比較的遅くなる(VC−CROの典型的な
2MHz変調帯域幅に対して、300KHzの変調帯域
幅)ことがある。他の欠点として、VC−CROと比較
したとき、これらの発振器の高電流消費およびそれらの
比較的高いコストが挙げられる。YIG安定化発振器に
関する最小コストは、約90ドルである。これらの問題
のために、YIG安定化発振器は、測定装置以外では業
界でめったに使用されない。
【0013】PLL周波数シンセサイザ内にある発振器
を安定させるためにセラミック同軸共振器を使用する利
点は、上述した代替の設計と比較したときに特に明らか
である。セラミック同軸共振器の単純な設計は、誘電体
共振器の実装形態と異なり、位置決めまたはキャビティ
要件がないためにマイクロホニックスに敏感でない。さ
らに、VC−CROの同調は、YIG安定化発振器の同
調と異なり、様々なアプリケーションで使用するのに十
分な速さである。他の利点の結果として、重要なのは、
低コストで高性能品質であるという利点である。前述し
たように、その欠点は、達成可能な発振周波数に対する
制限を生じさせる、セラミック共振器のサイズに対する
物理的な制限である。
【0014】CROの設計全体に対する他の重要な制限
は、本明細書で以下に記述するように、PLL−FS内
で使用される構成要素に関係する。図1および図2のブ
ロック図は、PLL−FS設計に関する典型的なブロッ
ク図を正確に示すが、実際は、PLL−FS設計は通
常、1つの構成要素内部に組み合わされた第1の分周器
22、位相検波器24、および第2の分周器36の少な
くとも一部を有する。これを、本明細書で以下「PLL
シンセサイザ・チップ」と呼ぶ。図3は、PLLシンセ
サイザチップ45が、第1の分周器22と、位相検波器
24と、内部分周器46とを組み込む場合に関する図1
の修正ブロック図を示す。この場合、第2の分周器36
は、内部分周器46と、カプラ30および内部分周器4
6の間に結合された外部分周器47との組み合わせであ
る。このシンセサイザPLLチップ45についての主な
入出力には、水晶発振器20からの基準入力と、外部分
周器47からの帰還入力と、フィルタ・ループ26への
出力とがある。
【0015】図3のPLL−FS全体の設計に関する重
要な問題は、PLLシンセサイザ・チップ45の帰還入
力に関連する周波数動作パラメータからもたらされ、こ
の動作パラメータが、帰還入力についての最大周波数レ
ベルを設定する。現在、この最大周波数レベルは約2.
8GHzに制限される。技術の発達により、今後数年の
うちにこの値が、4.0または6.0GHzといった値
まで増加すると予想されている。残念ながら従来の設計
では、外部分周器47のように、分周器がCRO28お
よびPLLシンセサイザ・チップ45の間で実現されな
い限り、この制限がCRO28の出力周波数を制約す
る。外部分周器を使用する難点には、PLL−FS全体
の位相ノイズ、コスト、および物理的サイズが、結果と
して増大することが含まれる。この増大された位相ノイ
ズは特に、外部分周器が帰還経路内で実現されるために
問題となり、PLL−FSは、位相ノイズに特に敏感で
ある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】したがって、セラミッ
ク同軸共振器の使用によって得られる利点を維持しなが
ら、高い発振周波数要件を満足することができるVCO
の代替実装形態が必要とされている。そのような設計は
さらに、PLLシンセサイザ・チップ内での制限を補償
し、それにより外部分周器が必要でなくなることが好ま
しい。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの側
面によると、2つのCROについて単一の同軸共振器を
使用する発振器設計に関する新しい設計である。典型的
には、これらの2つのCROは、2つの分離した同軸共
振器を使用する。本発明のこの側面においては、2つの
分離した同軸共振器を使用するのではなく、本発明は、
その両端に取り付けられた電気コネクタを有する単一の
同軸共振器を使用し、その両端を、それぞれの発振器に
結合する。これにより、共振器は差動モードで駆動され
ることとなり、本質的に、コネクタ間の共振器の中間に
仮想接地を形成する。本発明の発振器設計では、共振器
の中間で生成された仮想接地は、該共振器デバイスを効
率的に半分に分割し、こうして、共振器のそれぞれの半
分について可能な共振周波数を倍にする。このように、
有利なセラミック同軸共振器の使用範囲を、この発明の
使用により2倍に拡張することができる。
【0018】第1の広範な側面によると、本発明は同軸
共振器である。この共振器は、向かい合う端部と、一方
の端部から突出した第1のコネクタおよび他方の端部か
ら突出した第2のコネクタからなる2本の電気コネクタ
とを有する。同軸共振器は、一方の端から他方の端まで
長手方向に伸びる内部導体と、導電材料の外部層で覆わ
れた外面とを有する誘電体材料部材を備えるのが好まし
い。
【0019】好ましい実施形態では、共振器は、一方の
端から他方の端まで伸びる穴を有するセラミック材料か
ら成る。この穴は、導電材料の層で覆われた内面を形成
し、この導電材料の層が内部導体として作用する。電気
コネクタを、内面を覆う導電材料の層に取り付けること
によって、該電気コネクタを共振器に接続するのが好ま
しい。これは、電気コネクタを導電材料の層と一体的に
形成することにより、またははんだ付けを行うことによ
り行うことができる。
【0020】第2の広範な側面によると、本発明は、同
軸共振器と、第1および第2の負性抵抗セルとを備える
発振回路である。これらの負性抵抗セルは、共振器のそ
れぞれの端部に結合され、これらの負性抵抗セルがゼロ
(度)より大きい位相角だけずれるよう設計される。こ
の広い側面においては、動作中、同軸共振器を、第1お
よび第2の負性抵抗セルの両方の発振周波数を、該同軸
共振器の半分のサイズである別の同軸共振器に関連する
共振周波数にほぼ等しくなるよう設定するのが好まし
い。さらに、共振器は、発振周波数を安定化させるもの
であるのが好ましい。
【0021】好ましい実施形態においては、これらの負
性抵抗セルは、平衡(バランス)をとられ、かつコルピ
ッツ型である。また、好ましい実施形態によっては、負
性抵抗セルによって生成された発振信号が組み合わさ
れ、出力発振信号を生成する。位相角がおよそ180°
に設定された一実施形態では、出力発振信号は、負性抵
抗セルのそれぞれに関連する周波数の倍である発振周波
数を有する。
【0022】第3の広範な側面によると、本発明は、上
記第2の広い側面に従う発振回路を備える位相ロックル
ープ周波数シンセサイザ(PLL−FS)である。この
シンセサイザは、さらに、水晶共振器、2つの分周器、
位相検波器、1つの増幅器および能動または受動のルー
プフィルタを備えるのが好ましい。
【0023】さらに第4の広範な側面によると、本発明
は、上記第3の広い側面に従うPLL−FSのような他
の広い側面のうちの1つの構成要素を有する通信装置で
ある。ある実施形態においては、この通信装置は、ロー
カル・マルチポイント分散システム(LMDS)に従っ
て動作する。
【0024】また、本発明は、リング構成内で複数の同
軸共振器を使用する発振器設計の新規の構成である。典
型的には、CROは、その一端において負性抵抗セルに
結合されるコネクタを有する1つの同軸共振器を使用す
る。代わりに、本発明は、両端部に取り付けられた電気
コネクタを有する一組の同軸共振器を使用し、該共振器
のそれぞれの端部が、発振器内の他の1つの共振器の端
部に結合されて、リングを形成する。
【0025】動作中、それぞれと並列な増幅器と組合わ
さされたこの共振器構成により、発振器全体が、組み合
わされた場合に同様のサイズの1つの同軸共振器を使用
して通常生成されるよりも高い周波数の信号を生成する
ことができる複数の移相信号を生成するようになること
が好ましい。同時に、個々の移相信号のうちの1つをP
LL−FS設計内に帰還することができ、こうしてより
高い周波数信号が帰還される場合に必要な分周器の必要
性を減らす。全体として、有利なセラミック同軸共振器
に関する使用範囲を、本発明の使用によって拡大するこ
とができる。
【0026】他の広範な側面によると、本発明は、いく
つかの同軸共振器からなる発振回路であり、少なくとも
1つの増幅装置が、これらの同軸共振器のうちの1つに
並列に結合される。この側面では、同軸共振器のそれぞ
れが、第1および第2の向かい合う端部にそれぞれ結合
された第1および第2の電気コネクタを有し、共振器の
総数は2よりも大きく、少なくとも1つの増幅器が、入
力から出力への移相を有する。さらに、この広範な側面
では、少なくとも1つの増幅装置の結合利得が発振回路
についての損失よりも大きく、リング内の同軸共振器の
全電気的長さが360°に等しくなるように、同軸共振
器がリング内に直列に結合される。
【0027】上記他の広範な側面の発振器回路内で、同
軸共振器のそれぞれに並列な増幅装置が存在するのが好
ましい。好ましい実施形態では、増幅装置は、増幅器、
および同調電圧によって制御される移相器からなる。さ
らに、好ましい実施形態では、発振回路は、サンプリン
グされるそれぞれの隣接する同軸共振器間のノードを有
し、さらに同調回路に結合されたノードにおいてこれら
のサンプルが組み合わされる。このようにして、好まし
い実施形態の発振回路は、同様のサイズの同軸共振器を
有する従来の回路を使用して可能な信号よりも大きな発
振信号を生成することができる。
【0028】さらに他の広範な側面によると、本発明
は、上記他の広範な側面の発振回路を有する位相ロック
ループ周波数シンセサイザ(PLL−FS)である。好
ましくは、このシンセサイザはさらに、水晶共振器、位
相ロックループ(PLL)シンセサイザ構成要素、増幅
器、および能動または受動のループ・フィルタを備え
る。好ましくは、PLLシンセサイザ構成要素内に含ま
れるもの以外の分周器は必要とされない。
【0029】本発明の他の態様および特徴は、本発明の
特定の実施形態の以下の記述を図面に関連して検討すれ
ば当業者には明らかになろう。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態を図面
を参照しながら以下に説明する。本発明の好ましい実施
形態は、高い発振周波数を可能にすると共に、発振器を
安定化させるためにセラミック同軸共振器を使用する発
振器設計を対象とし、したがってこれらの共振器に関連
する利点が維持される。これらの発振器設計は、図1の
よく知られているVC−CRO28を置き換えて、LM
DSアプリケーションのような高周波の適用分野に図1
のPLL−FSを使用することができるようなものであ
ることが好ましい。例示の実施形態において、この発振
器設計の使用は、PLLシンセサイザ・チップに入力さ
れる周波数を低下させる分周器を必要としない。
【0031】本発明の実施形態に従う発振器設計は、ど
ちらの端部にも電気コネクタを有する単一の共振器を使
用し、動作中に負の抵抗値を有するように見える2つの
装置(以下、「負性抵抗セル」と呼ぶ)を安定化させる
ことによって、セラミック同軸共振器に関連付けられる
最小サイズ要件を補償する。本質的に、本明細書で以下
詳細に説明されるように、これによりセラミック同軸共
振器が、動作している状態で2つの共振器に効率良く分
割される。したがって、共振器は、単一の共振器の半分
のサイズの2つの共振器として動作し、その結果、単一
のセラミック同軸共振器によって生成される典型的な周
波数と比較すると共振周波数を2倍にする。
【0032】他の好ましい実施形態では、どちらの端部
にも電気コネクタを有する同様の同軸共振器が利用され
る。これらの好ましい実施形態では、端部がそれぞれ負
性抵抗セルに結合された単一の共振器を有するのではな
く、複数の共振器が、リング構成に、好ましくは1つの
円内に4つの共振器があるリング構成に結合される。本
明細書で以下に説明するように、好ましくは、それぞれ
の共振器と並列に、発振を引き起こすよう同調された増
幅器がある。
【0033】好ましい実施形態による発振器の動作に関
する説明を助けるため、まず、単一の負性抵抗セルおよ
び単一の同軸共振器を有する典型的な発振器の動作を図
4を参照しながら詳細に記述する。この場合、負性抵抗
セルはコルピッツ設計である。続いて、複数の発振器が
単一の共振器を使用する発振器の説明を、図5、図6、
図8、図10の好ましい実施形態を参照しながら記述
し、複数の共振器がリング構成に結合された発振器の説
明を、図12および図13を参照しながら記述する。
【0034】図4は、セラミック同軸共振器を使用して
安定化されたコルピッツ型の負性抵抗セルを備えるVC
−CROの概略図を示す。図4を見てわかるように、V
C−CROは、インピーダンス制御抵抗53を介して電
源レール(power rail)Vccに結合されたコレクタ
と、ノード52に結合されたベースと、ノイズ抑制抵抗
54を介してノード56に結合されたエミッタとを有す
るトランジスタ50を備える。
【0035】インピーダンス制御抵抗53は、トランジ
スタ50のコレクタ上において、制御されたインピーダ
ンスを維持する。ノイズ抑制抵抗54は、トランジスタ
50に存在するベースバンドのフリッカ雑音のアップ・
コンバージョン(up conversion)を低減することによ
って、トランジスタ50に対応する相互コンダクタンス
の線形性を高め、さらにトランジスタの利得を減少させ
る。また、ノード56には、ノード52および56の間
に結合された第1の帰還コンデンサ58と、ノード56
および接地の間に結合された第2の帰還コンデンサ60
とが結合されており、これらは一体となって動作して、
発振器についてのループ利得を決定するコンデンサ分圧
器を生成する。動作中、トランジスタ50およびコンデ
ンサ58、60が、コルピッツ型の負性抵抗セル内で必
要とされる基本構成要素を備える、ということを理解さ
れたい。
【0036】さらに、図4の負性抵抗セル内には、ノー
ド52および電源レールの間に結合された第1のバイア
ス抵抗68と、ノード52および接地の間に結合された
第2のバイアス抵抗70と、トランジスタ50のコレク
タおよび接地の間に結合されたコンデンサ72と、ノー
ド56に結合されたチョーク・インダクタ(チョーク・
コイル)74、チョーク・インダクタ74および接地の
間に結合された抵抗76と、ノード56および回路用の
出力端子80の間に結合された結合コンデンサ78とが
含まれている。
【0037】第1および第2のバイアス抵抗68、70
を使用して、トランジスタ50のベースのバイアス電圧
を維持する。コンデンサ72は、高周波スペクトルの観
点から電源レール(Vcc)が短絡回路としてみえるこ
とを保証するよう動作する。抵抗76は、直流(dc)バイ
アス・レベルを設定し、チョーク・インダクタ74は、
高周波スペクトルに関してはこの回路から抵抗76を本
質的に除去する。全体として、デバイス68、70、5
3、54、72、74、76が、トランジスタ50およ
びコンデンサ58、60の適切な動作を助ける、という
ことを理解されたい。
【0038】また、ノード52には、結合コンデンサ6
4を介してセラミック同軸共振器62および周波数調節
装置150と、ノード52および接地の間に結合された
位相ノイズ最適化コンデンサ66とが結合されている。
結合コンデンサ64は、共振状態において、共振器62
のインピーダンス軌跡を発振器の残りの共振器のインピ
ーダンス軌跡と合わせるよう動作する。本明細書で以下
に記述されるように、周波数調節装置は、回路全体につ
いての発振周波数の同調を制御する。
【0039】図4に示される回路が発振するために満た
さなければならない2つの条件がある。第1に、コンデ
ンサ58、60、抵抗54、共振器62に対応する損
失、および出力ノード80での負荷を備える、トランジ
スタ50に関する帰還経路の全ループ利得が1よりも大
きくなければならない。第2に、矢印82から見る第1
のリアクタンスは、矢印84から見る第2のリアクタン
スの複素共役でなければならない。この制約は、セラミ
ック同軸共振器62およびコンデンサ64、66から生
じるリアクタンスが、トランジスタ50およびコンデン
サ58、60(負性抵抗セル)から生じるリアクタンス
の複素共役でなければならないことを示す。これらのデ
バイスのリアクタンスは周波数と共に変化するため、第
1および第2のリアクタンスの周波数対リアクタンス特
性が等しく、かつ逆であるときに発振周波数が生じる。
トランジスタ50のリアクタンスは、トランジスタのノ
イズの関数として変動するので、トランジスタ50のリ
アクタンスの変動が回路全体の発振周波数に及ぼす影響
を減らすために、共振器62の発生源の周波数対リアク
タンス特性のスロープ(勾配)は大きくなるべきである
(このスロープが、共振器に関するQ値を表す)。
【0040】前述したように、図4のVC−CROは、
回路の発振周波数を調整するために使用される周波数調
節装置150を備える。図4に示される場合、周波数調
節装置150は、共振器62の電気コネクタおよびノー
ド154の間に結合された結合コンデンサ152と、カ
ソードがノード154に結合され、アノードが接地に結
合されたバラクタ・ダイオード156と、ノード154
およびノード160の間に結合されたチョーク・インダ
クタ158と、ノード160および接地の間に結合され
たコンデンサ162とを備える。この構成において、正
の同調電圧(V TUNE)がノード160に印加された
場合に、ダイオード156は逆バイアス状態になる。こ
の逆バイアスが、デバイスの空乏領域の増大をもたら
し、よってダイオード156のキャパシタンスの減少を
もたらす。バラクタ・ダイオードが結合コンデンサ15
2を介して共振器62に結合されているので、ダイオー
ドのキャパシタンスを調節することにより、共振器62
上の負荷を調整することができるようになる。全体とし
て、同調電圧(VTUNE)を変更することによって、
発振周波数を直接変更する共振器62上の負荷インピー
ダンスを調整することができるようになる。
【0041】周波数調節装置150がないとすると、図
4のVC−CROが電圧制御されないことに留意された
い。また、他のVC−CRO実装形態は、他のバラクタ
・ダイオード構成または完全に異なる技術を使用して、
VC−CROの発振周波数を調節することができるとい
うことを理解されたい。
【0042】本明細書で前に論じたように、図4のVC
−CROに対応する発振周波数は、セラミック同軸共振
器62の物理的な制約により、5GHz以下に制限され
る。
【0043】図5は、2つの平衡発振器について1つの
共振器を使用する発振器設計の概略図を示す。この実装
形態では、発振器設計は、1つの同軸共振器92(この
場合はセラミック同軸共振器)の向かい合う端部におい
て電気コネクタに結合された第1および第2の負性抵抗
セル90a、90b(この場合はどちらもコルピッツ発
振器タイプ)を備える。共振器92と組み合わされたこ
れら第1および第2の負性抵抗セル90a、90bは、
第1および第2の発振信号SOSC1(t)、S
OSC2(t)を出力する第1および第2の発振器をそ
れぞれ形成する。
【0044】図5におけるこれらの負性抵抗セル90
a、90bのそれぞれは、図4に示される負性抵抗セル
と同一である。事実上、これらの負性抵抗セル内の構成
要素は、図4のよく知られている負性抵抗セルに関して
前述された構成要素と同様のやり方で動作する。
【0045】図5の第1および第2の負性抵抗セル90
a、90bは、逆相で動作する。すなわち、同じ周波数
であるが位相が約180°ずれた状態で動作するように
平衡がとられている。これは、第2の負性抵抗セル90
b内のノード52を横切る電流が減少するときに第1の
負性抵抗セル90a内のノード52を横切る電流が増加
することを意味し、逆も同様である。2つの負性抵抗セ
ル内でのこの逆相動作により、セラミック同軸共振器9
2は差動モードで動作する。この差動モードの動作が、
共振器92の中心に仮想接地96を形成することによっ
て、共振器92を第1および第2の半分94a、94b
に効果的に分割する。
【0046】動作中の、セラミック同軸共振器92の2
つの半分94a、94bへの分割により、それぞれの負
性抵抗セル90a、90bを安定化させる共振器の実効
長が半分に減少する。セラミック同軸共振器の物理的な
サイズは共振周波数に反比例するため、最終的には、第
1および第2の発振器内の発振周波数が2倍になる。し
たがって、第1および第2の発振器の出力端子80にお
いて結果として生じる発振信号SOSC1(t)、S
OSC2(t)はそれぞれ、図4のVC−CRO内で実
現された場合に共振器92内で通常達成される共振周波
数の約2倍の発振周波数を有する。
【0047】図4のCROと、図5に示される第1およ
び第2の発振器の特定の実装形態との間での1つの変更
点は、コンデンサ66の除去である。本発明を使用して
発振周波数が2倍になると、コンデンサ66に起因する
損失が増大する。このコンデンサ66は、ノード52お
よび接地の間に結合された場合に共振器92のQ値を増
加させることができるが、高周波数ではコンデンサが作
り出すループ利得が減少するため、図5に示される設計
には含まれてない。代わりに、第1および第2の発振器
両方で、ノード52および接地の間にコンデンサが備え
られる。このコンデンサに起因する損失は、特定の設計
パラメータおよび使用されるデバイスの特性により、お
よび/またはより低い周波数で操作される発振器によ
り、これらの代替実装形態で受入れ可能であると考える
ことができる。
【0048】図4と同様に、図5における第1および第
2の発振器が電圧制御発振器であることに留意された
い。図5に示されるように、周波数調節装置180が、
共振器92の両方の導線に結合される。この周波数調節
装置180は、共通の同調電圧(VTUNE)を有する
図4に示される2つの周波数調節装置150からなるこ
とが好ましい。図5に示されるように、周波数調節装置
180は、共振器92の両半分94a、94bについ
て、共振器92の電気コネクタのうちの1つおよびノー
ド184の間に結合された結合コンデンサ182と、カ
ソードがノード184に結合され、アノードが接地に結
合されたバラクタ・ダイオード186と、ノード184
およびノード190の間に結合されたチョーク・インダ
クタ188と、ノード190および接地の間に結合され
た減結合コンデンサ192とを備える。結合コンデンサ
182は、共振器92に負荷を与えることによりバラク
タ・ダイオード186での損失を減少させるよう動作
し、減結合コンデンサ192は、同調信号上のノイズを
除去するために、低周波数で同調電圧(VTUNE)を
減結合するよう動作する。この実装形態では、装置15
0について上述したのと同様に、正の同調電圧(V
TUNE)により両ダイオードが逆バイアスされる。こ
れは、ダイオードの対応する空乏領域の増大、およびダ
イオードのキャパシタンスの減少をもたらす。したがっ
て、同調電圧VTUNEは、共振器92の両側の負荷を
調整することができ、最終的には第1および第2の共振
器に対応する発振周波数を制御することができる。この
実装形態では、第1および第2の発振器の発振周波数
は、共通同調電圧があるために、互いに追跡し合う。代
替の実装形態では、印加される電圧で発振器の周波数を
調節するためのよく知られている技術を、周波数調節装
置180の代わりに図5において利用することができ
る。
【0049】図5に示される発振器設計内では、出力端
子が、低インピーダンス・ノードであるノード56に結
合されているが、他の可能な出力端子位置もあることを
理解されたい。例えば、第1および第2の発振器の出力
端子は、トランジスタ50のコレクタ側にあってもよ
い。さらに、これらの発振器の出力段は、図6に示され
るカスコード(cascode)実装形態を備えることがで
き、カスコード装置220a、220bは、第1および
第2の発振器内でトランジスタ50のコレクタにそれぞ
れ結合される。この場合、これらのカスコード装置はそ
れぞれ、コレクタがノード224に結合され、ベースが
ノード226に結合され、エミッタが対応するトランジ
スタ50のコレクタに結合されたトランジスタ222を
備える。
【0050】図6では、ノード224がさらに結合コン
デンサ230を介して出力端子228に結合され、かさ
らにはノード224と、電源レールおよび接地されたコ
ンデンサ234に結合されたノードとの間に結合された
チョーク・コンデンサ232に結合されている。ノード
226はさらに、電源レールおよびノード226の間に
結合された第1のバイアス抵抗236と、ノード226
および接地の間に結合された第2のバイアス抵抗238
と、接地されたコンデンサ240とに結合されている。
図6における装置220a、220bのようなカスコー
ド装置を使用して、それぞれのトランジスタ50のコレ
クタに低インピーダンスを提供し、かつそれぞれの出力
発振信号SOSC1(t)、SOSC2(t)の信号電
圧を上げる(これは、場合によってはさらなる増幅段の
必要性に取って代わる)。
【0051】図5または図6に示される発振器設計が、
図1のPLL−FS内にある図4に示される標準VC−
CROに取って代わることができることを理解された
い。この変更は、ダブラー(doubler)および/または
フィルタを必要とせずに、PLL−FSの発振周波数を
効果的に2倍にする。図5のVC−CROの後で出力パ
ワーレベルを高めるためには、せいぜい図1に示される
増幅器32および/または図6に示されるカスコード段
が必要とされる。
【0052】図7の(A)および(B)はそれぞれ、電
気コネクタが取り付けられていない状態の典型的なセラ
ミック同軸共振器の断面および長手方向図108、11
0を示す。図7の(A)および(B)に示される共振器
は、長手方向に延びる穴112(この場合は円形の穴)
を有するセラミック誘電体材料の直方体である。この共
振器は、穴112の開口が位置している第1および第2
の端部114、116と、他の4つの長手方向外面とを
有する。
【0053】図7の(C)は、第1の端部114で穴1
12の内面に接続された第1の電気コネクタ118を有
する図7の(A)の共振器の長手方向図を示す。この共
振器は、図4における共振器62の実装形態に典型的な
ものである。この実装形態では、長手方向の外面、穴1
12の内面、および場合によっては第2の端部116
が、追加の導電材料層を有し、この導電材料は通常、銅
や銀のような金属である。第1の電気コネクタ118
は、好ましくは、第1の端部114付近の穴112の内
面上の導電材料の層を介してセラミック誘電体材料に取
り付けられることができる。
【0054】図7の(D)に示される本発明の好ましい
実施形態によれば、図4における共振器62のような標
準セラミック同軸共振器に対して行われる改良は、第2
の端部面116に第2の電気コネクタ120を追加する
ものである。第1および第2の電気コネクタ118、1
20は、図5および図6のそれぞれの第1および第2の
発振器内のコンデンサ64に共振器92を接続する必要
がある。この第2の電気コネクタ120は、第1の電気
コネクタ118と同様に、しかし第2の端部116付近
にある穴112の内面上の導電材料層を介して、セラミ
ック誘電体材料に接続されることが好ましい。代わり
に、第1および/または第2の電気コネクタを取り付け
るのにはんだ付けのような他の技術が使用される。電気
コネクタは、共振器92がいずれの端部114、116
においても発振器の一部になることを可能にする導電タ
ブまたはさらなる他の構成要素であってもよいことに留
意されたい。
【0055】図7の(A)〜(D)に示されるセラミッ
ク同軸共振器は直方体の形状であり、穴112は円形と
して示されているが、これらの特徴は、本発明の範囲を
制限することを意図するものではない。共振器の向かい
合う端部を負性抵抗セルに結合させることが可能である
限り、共振器は、依然として適切に共振する異なる形状
をとることができる。例えば、共振器は、円筒であって
もよく、および/または穴ではなく単に共振器の向かい
合う端部間に導電リンクを有するものであってもよい。
さらに、同軸共振器内のセラミック誘電体材料の使用
は、本発明の範囲を制限することを意図するものではな
い。より良い性能特性のため、現在ではセラミック材料
が好ましいが、セラミック材料を他の誘電体材料に置き
換えることもできる。
【0056】図7の(D)のセラミック同軸共振器を使
用する他の共振器設計を、図8に示す。この設計は、図
5に関連して本明細書で上述したものと同様の2つの平
衡負性抵抗セル90a、90bを備え、これらのセル
は、位相が約180°だけずれた第1および第2の発振
器として共振器92と共に動作する。図5および図8の
実装形態の重要な相違点は、発振器全体からの発振信号
の出力である。図8を見るとわかるように、平衡負性抵
抗セル90a、90b内で、抵抗53、コンデンサ7
2、結合コンデンサ78、および出力端子80が除去さ
れている。これらのデバイスの代わりに、図8における
複数のトランジスタ50に対応する複数のコレクタが、
ノード98にまとめて結合され、さらに同調回路100
に、かつ結合コンデンサ122を介して出力端子124
に結合されている。
【0057】同調回路100は、電源レールおよびノー
ド98の間に並列に結合された、コンデンサ102、イ
ンダクタ104、および抵抗106を備えることが好ま
しい。この同調回路100は、発振器の第2次高調波の
周波数に同調される。この周波数は、基本周波数を除去
して第2次高調波を選び出すために、第1および第2の
発振器に対応する発振周波数の2倍である。図8では同
調回路100がいくつかのデバイスを並列に備えるが、
代わりに、1つのインダクタまたは四分の一波長共振線
のような特定の同調周波数を有する他の回路を使用する
こともできる。
【0058】実際、図8の出力端子124における信号
出力は、位相が約180°だけずれた第1および第2の
発振器からの発振信号の組み合わせである。図9の
(A)および(B)は、それぞれ、第1および第2の負
性抵抗セル90a、90b内のトランジスタ50によっ
て生成される、起こり得る電圧波形の図を示す。さら
に、図9の(C)は、図9の(A)および(B)に示さ
れた波形の、起こり得る電圧波形組合せを示し、この組
み合された波形が、図8における同調回路100を駆動
する。図9の(A)および(B)を見てわかるように、
トランジスタ50によって生成された波形は、位相が1
80°だけずれたクリッピングされた正弦波信号であ
る。これらの信号のクリッピングは、信号電圧を電源レ
ールによって制限するというように、トランジスタ50
を圧縮させることによるものでもよく、またはトランジ
スタをカットオフを介して制限するというように、ある
期間の間トランジスタ50を遮断することによるもので
もよい。
【0059】図9の(C)に示されるように、図9の
(A)および(B)に示される電圧波形の組合せの結果
は、第1および第2の発振器のそれぞれの周波数の2倍
の総発振周波数を有する電圧波形である。2つの平衡発
振器が2つの逆相クリップ信号を第1の周波数で生成
し、該クリップ信号を組み合わせて第1の周波数の値の
2倍の第2の周波数で信号を生成するこのタイプの回路
は、プッシュプッシュ発振器(push-push oscillator)
として知られている。図8に示されるように、プッシュ
プッシュ発振器設計を使用することにより、図4の発振
器内の共振器92を使用して達成される共振周波数と比
較したときに、結果として得られる発振周波数を4倍に
することが可能となる。
【0060】上述した発振器の実装形態は、コルピッツ
型の負性抵抗セルに関連しているが、代わりに、他の負
性抵抗セルを使用することもできる。発振器を生成する
のに同軸共振器のどちらの側にも結合することができ、
動作中に負性抵抗セルとして働く多くのよく知られてい
る装置がある。例えば、図10は、コルピッツ型の負性
抵抗セルが、代替の負性抵抗セル300a、300bで
置き換えられた図8のプッシュプッシュ・アーキテクチ
ャを示す。この場合、負性抵抗セル300a、300b
のそれぞれは、コレクタがノード98に結合され(さら
に他のコレクタに結合され)、ベースがノード306に
結合され、エミッタがノード308に結合されたトラン
ジスタ302を備える。ノード308はさらに、それぞ
れ、結合コンデンサ64を介して共振器92のそれぞれ
の端部に結合される。ノード306はさらに、それぞ
れ、ノード306および接地の間に結合されたインダク
タ312と、ノード306および電源レールの間に結合
された第1のバイアス抵抗314と、ノード306およ
び接地の間に結合された第2のバイアス抵抗316とに
結合される。これらの負性抵抗セル300a、300b
におけるエミッタ・バイアスは、直列にあるそれぞれの
チョーク・インダクタ320によって高周波(RF)回路
から離隔されたそれぞれの抵抗318によって達成され
る。図10に示される残りの構成要素は、他の実装形態
に関連して本明細書で前に上述した。図10に示される
プッシュプッシュ発振器全体の動作は図8の設計と同様
であるが、平衡負性抵抗セルについて異なる構成を有す
る。最終的な結果は同様であり、図4に示される構成時
の共振器92に関する従来の共振周波数と比較して、出
力端子124において4倍の発振周波数を得る。
【0061】図5、図6、図8、および図10に関連し
て上述したVCOは、同様の寸法のセラミック同軸共振
器を使用する典型的なVCOよりも高い周波数の信号を
生成する。これらのより高い周波数の信号は、VCOの
後に周波数逓倍段をおくという必要性を減らすことがで
き、その一方で依然としてセラミック同軸共振器を使用
することができる。残念ながら、残っている、しかも実
際に重要性を増している1つの重要な問題は、周波数制
限されたPLLシンセサイザ・チップに入力することの
できるレベルにまで帰還信号の周波数を減少させる分周
器が必要なことに関する。
【0062】この問題は、図8のプッシュプッシュ発振
設計内での図5の第1または第2の発振信号SOSC1
(t)、SOSC2(t)のサンプリングによっていく
らか緩和することができる。図11は、VC−CRO2
8が(図5に示されるのと同様の)個々の発振信号S
OSC1(t)、SOSC2(t)のうちの1つ、およ
び総発振信号SOSC(t)をサンプリングするプッシ
ュプッシュ発振器である場合の、図3のPLL−FSを
示すブロック図である。図11に示されるように、VC
−CRO28は、必然的に、第1の周波数で信号S
OSC1(t)を生成する第1の発振器350と、第1
の周波数の2倍の第2の周波数で信号SOSC(t)を
生成する第2の発振器352とを備える。したがって、
この状況において外部分周器47内で必要とされる周波
数分割のレベルは、帰還のために総周波数信号SOSC
(t)が使用される場合と比較して2分の1に減少す
る。周波数分割のこの減少は、外部分割器をより簡単に
し、この外部分割器のようなデバイスに起因する位相ノ
イズ、コスト、および物理的なサイズを低減することが
できる。いくつかの特定の場合には、必要とされる設計
特性、およびPLLシンセサイザ・チップ45の動作パ
ラメータに依存するけれども、プッシュプッシュ発振器
設計に関する上述の技術を使用することによって、外部
分周器47の必要性を完全になくすことができる。
【0063】次に、本発明の好ましい実施形態に従う他
の発振器設計を、図12および図13を参照しながら記
述する(図13は、図12の続きの図である)。本発明
のこの好ましい実施形態において、この発振器設計は、
図8のプッシュプッシュ発振器設計と同様の周波数範囲
でサンプリングされた第1の出力信号と、第1の出力信
号の4分の1の周波数でサンプリングされた第2の出力
信号とを有する。この第2の出力信号のサンプリング
は、本明細書で以下に記述するように、上述したプッシ
ュプッシュ発振器設計と比較したときでさえも、外部分
周器の必要性を低減することができる。
【0064】図12および図13の発振器設計は4つの
セラミック同軸共振器400を備え、共振器のそれぞれ
が、1波長の4分の1の電気的長さ、すなわち換言する
と90°の電気的長さを有する。以下に記述するよう
に、この電気的長さに対応する波長は、発振器の出力周
波数の4分の1に反比例する。これらの共振器400の
それぞれは、図7の(D)に示される同軸共振器と構造
が同様である、すなわちそれぞれの共振器は、どちらの
端部にも取り付けられた電気コネクタを備える。この場
合、電磁波は、90°の移相が導入された状態で、一方
の電気コネクタから他方の電気コネクタに共振器400
を横切ることができる。図12および図13に示される
ように、4つの共振器400がリング構成内に直列に結
合され、それにより、合計してリングを一周する360
°の移相が導入される。このリング構成では、それぞれ
の共振器400の両端部にある電気コネクタが、共振器
400の他の電気コネクタに直列に結合される。
【0065】さらに、図12および図13に示されるよ
うに、移相器403と直列に結合された増幅器402は
それぞれの共振器400と並列に結合され、それによ
り、それぞれの増幅器402に、4つの共振器400か
らなる負荷が提供されることとなる。増幅器402およ
び移相器403のこれらの組合せのそれぞれは、発振器
の出力周波数の4分の1に対応する周波数において、増
幅器402の入力および移相器403の出力の間に約9
0°の移相を導入するよう設計されていることが好まし
い。代わりに、増幅器402および移相器403を逆の
順序にすることができ、または1つの位相調節可能な増
幅構成要素に統合することができることに留意された
い。一般に、増幅器402、または、増幅器402およ
び移相器402の組合せを、増幅装置と呼ぶことができ
る。
【0066】移相器403は、特定の移相に同調され、
使用される共振器の物理的長さによって定義される事前
定義された範囲内に発振器の総周波数を調節することが
できる。好ましい実施形態では、移相器403は、増幅
器402/移相器403の組合せによって提供された移
相を変調する同調電圧VTUNEの挿入によって調節さ
れる。
【0067】図14は、1つの好ましい実施形態による
移相器403の概略図である。この実施形態において、
移相器403は2つのバラクタ・ダイオード450a、
450bを備える。これらのダイオードのアノードは、
一緒に結合され、さらにインダクタ452を介して接地
に結合され、それらのカソードは、結合コンデンサ45
4a、454bを介して、移相器403のそれぞれの入
出力ノードNODE1、NODE2にそれぞれ結合され
る。入出力ノードNODE1、NODE2は、それぞれ
移相器403の入力および出力であるが、それらが交換
可能であることを理解されたい。図14の移相器403
はさらに、一端で同調電圧VTUNE用の入力端子45
8に一緒に結合され、他端でバラクタ・ダイオード45
0a、450bのそれぞれのカソードに結合された抵抗
456a、456bと、同調電圧VTUNE用の入力端
子458および接地の間に結合された減結合コンデンサ
460とを備える。
【0068】結合コンデンサ454a、454bは、共
振器400または増幅器402に負荷を与えることによ
り、バラクタ・ダイオード450a、450bでの損失
を減らすよう動作する。減結合コンデンサ460は、同
調信号におけるノイズを除去するために、低周波数で同
調電圧VTUNEを減結合するよう動作する。この実施
形態では、正の同調電圧VTUNEが、両ダイオード4
50a、450bを逆バイアス状態にする。これは、ダ
イオードの対応する空乏領域の増大、およびそのキャパ
シタンスの減少をもたらす。したがって、同調電圧V
TUNEは、移相器403を横切る信号のキャパシタン
ス負荷を調整することができ、それにより、増幅器40
2/移相器403組合せの移相を制御することができ、
こうして最終的には、この移相が発振器全体の発振周波
数を制御する。
【0069】それぞれの増幅器402/移相器403組
合せについて、2つの帰還経路が存在する。第1の帰還
経路は、特定の増幅器402/移相器403組合せと並
列な単一の90°同軸共振器400を含み、第2の帰還
経路は、特定の増幅器402/移相器403組合せと並
列な3つの他の直列接続された同軸共振器を含む。直列
な3つの同軸共振器の組合せは、上記増幅器402/移
相器403の組合せの入力および出力の間に270°の
移相を導入する。増幅器402および移相器403の組
合せはまた、好ましくは約90°の移相を導入するの
で、第2の帰還経路を横切る波の全移相が約360°に
なる。他の3つの増幅器/移相器組合せのそれぞれにつ
いても、同一の状況、すなわち図12および図13の構
成に起因する360°の帰還経路が生じる。増幅器42
0の結合利得が全体として発振回路によって与えられる
損失を超えることを条件として、共振器400内での発
振条件を、同軸共振器400の物理的寸法によって設定
される周波数範囲で確立することができる。
【0070】図12および図13の回路内で4つの増幅
器402を使用することにより、共振器400を横切る
発振信号が、共振器400のリング全体を通じて常に高
電力を有することが保証される。図12および図13の
発振器から増幅器402/移相器403組合せの1つま
たは複数を除去したとしても、残りの増幅器402の結
合利得が全体として発振回路によって提供される損失を
依然として超えている限り、依然として発振条件を満た
すことができる、ということに留意されたい。図12お
よび図13の発振器内の増幅器402の数の減少によ
り、コストを低減することができ、しかも多くの場合、
共振器400のリング内のどの点においても発振信号の
有意な劣化をもたらすことがない。
【0071】図12および図13に示されるように、共
振器400のリング内で確立される発振モード(oscill
atory mode)は、図12および図13におけるノードA
〜Dの4つの共振器接続ノードのそれぞれにおいてサン
プリングされる。それぞれの共振器接続ノードA〜D
は、90°同軸共振器のうちの1つによって次のノード
から分離される。したがって、共振器接続ノードでサン
プリングされた4つの信号間の移相は、90°の倍数で
ある。図13の(A)、(B)、(C)、および(D)
は、図12および図13の発振器の動作中に、ノードA
〜Dのそれぞれで生成される起こり得る電圧波形のグラ
フ表示を示す。これの図からわかるように、一実施形態
において共振器接続ノードで生成される波形は、位相が
90°だけずれたクリッピングされた正弦波信号であ
る。このクリッピングは、増幅器402内の電源レール
および/またはトランジスタについての起こりうる最大
/最小値を圧縮させるというように、増幅器402内の
制限から生じさせることができる。この場合、増幅器4
02はすべて、4つの共振器接続ノードA〜Dのすべて
において、クリッピングが、信号のサイクルの同じ半分
で、すなわち正または負のどちらかの半サイクルで生じ
るようにバイアスされる。他の場合には、以下に記述す
るように、サンプリングされた信号内のクリッピング
は、ほとんどまたは全く必要とされない。
【0072】図12および図13に示されるように、発
振器はさらに、共振器接続ノードA〜Dのそれぞれ1つ
およびそれぞれのノード409の間に結合された4つの
結合コンデンサ404と、負の電圧源−VEおよびノー
ド409のそれぞれ1つの間に結合された4つのバイア
ス抵抗405と、接地レールおよびノード409のそれ
ぞれ1つの間に結合された4つの減結合コンデンサ40
7と、ノード409のそれぞれ1つおよびそれぞれのノ
ード411の間に結合された4つのインパルス生成イン
ダクタ406と、ノード411のそれぞれ1つおよびノ
ード412の間に結合された4つの直流(dc)阻止コンデ
ンサ410と、接地レールに結合されたアノードおよび
ノード411のそれぞれ1つに結合されたカソードをそ
れぞれが有する4つのステップ・リカバリ・ダイオード
と、を備える。さらに、直流阻止コンデンサ410のそ
れぞれに結合されたノード412は、同調回路414に
結合され、さらに結合コンデンサ422を介して出力端
子424に結合される。
【0073】同調回路414は、図8の同調回路100
と同様であることが好ましく、この場合、接地レールお
よびノード412の間に並列に結合されたコンデンサ4
16と、インダクタ418と、抵抗420とを備える。
この同調回路414は、基本周波数を除去してノード4
12において信号の第4次高調波を選び出すために、図
15の(A)〜(D)に示される個々の発振信号の第4
次高調波の周波数に同調される。同調回路414はいく
つかのデバイスを並列に備えるが、このことは、本発明
の範囲を限定するものではない。代わりに、1つのイン
ダクタまたは四分の一波長共振線のような、特定の同調
周波数を有する他の回路を使用することもできる。
【0074】図12および図13に示される本発明の好
ましい実施形態では、インパルス生成インダクタ406
およびパルス・リカバリ・ダイオード408は、組み合
わさって、同調回路414によって使用される高調波の
パルスチェーン(pulse chain)を生成する櫛形関数発
生器として動作し、所望の高調波を「ピック・オフする
(pick off、取り出す)」。この動作により、ノード4
11における発振信号の中で、ノードA〜Dについてそ
れぞれ図15の(A)〜(D)に示された最小の傾斜
(dip)よりも、もっと顕著に狭く定義された電圧ピー
ク(電圧の尖頭)が生じる。図16の(A)、(B)、
(C)、および(D)は、ステップ・リカバリ動作が行
われた後の図15の(A)〜(D)の起こり得る波形を
それぞれ示す。
【0075】ステップ・リカバリ・ダイオード408を
使用するときは、電圧ピーク間の区別が十分に明確であ
るので、図15の(A)〜(D)に示されるクリッピン
グを低減する、または除去することができる、というこ
とに留意されたい。このクリッピングの低減により、共
振器400は、発振サイクルの増大される割合に関して
負荷を与えられることができるようになり、それによ
り、共振器400が提供することのできるQが増大し、
位相ノイズを減少させることができる。
【0076】図16の(A)〜(D)に示される4つの
発振信号は、ノード412で組み合わされる。この場
合、前述したように、同調回路414は、組合せ中に生
成された基本信号および高調波信号を、第4次高調波を
除いて大幅に除去することが好ましい。このようにし
て、結果として得られる組合せの周波数は、共振器リン
グ内で確立される発振モードの4倍の周波数を有する。
ノード412におけるサンプルの組合せ結果は、図16
の(A)〜(D)に示される波形の組合せについては図
17の(A)に示されている。したがって、図12およ
び図13に示される好ましい実施形態による発振器は、
従来の発振器設計が同じセラミック同軸共振器によって
達成することができる周波数の4倍の周波数で動作する
出力信号S SC(t)を発生させる。
【0077】さらに、共振器接続ノードA〜Dのうちの
1つで生成された発振信号を使用して、発振器全体の出
力周波数と比較して4分の1の周波数の発振信号をサン
プリングすることができる。これは、図12および図1
3ではノードDで示されている。この場合、結合コンデ
ンサ426は、ノードDを第2の出力端子428に結合
して、該端子を、より低い周波数の帰還信号SOSC1
(t)をPLLシンセサイザ・チップに送るために使用
することができる。このより低い周波数の帰還信号は、
端子424における出力周波数の4分の1である。
【0078】図12および図13に関連して上述した本
発明の好ましい実施形態は、第4次高調波の生成効率を
改善して、増幅器402におけるクリッピングの必要性
を低減させるためにステップ・リカバリ・ダイオード4
08を使用するが、そのようなダイオードは必要とされ
ない。例えば、図15の(A)〜(D)に示される共振
器接続ノードA〜Dでの発振信号を、ステップ・リカバ
リ動作を行わずにノード412で組み合わせることがで
きる。そのような組合せによって生成される、起こりう
るサンプル波形を、図17の(B)に示す。この場合、
電圧ピークははっきりと定義されたものではないが、そ
れでも十分である。ステップ・リカバリ・ダイオードを
使用しない利点は、コストおよび物理的な空間の低減に
関係し、ステップ・リカバリ・ダイオードを使用する利
点は、出力共振回路に印加することができるはっきりと
定義された電圧ピークによって効率が向上するというこ
とに関係する。
【0079】上述した本発明の好ましい実施形態は、そ
れぞれの共振器が、対応する増幅器および移相器を有し
て、リング構成で構成されたときに4つの直交信号を生
成する4つの共振器の使用に特定のものである。組み合
わせられたとき、これらの直交信号は、同一の寸法の同
軸共振器を使用するよく知られている発振器の周波数を
4倍にする。しかし、本発明をこの特定の実装形態を超
えて拡張することができ、より多い、またはより少ない
同軸共振器および/または増幅器/移相器組合せを有す
るリング構成に適用することができる、ということを理
解されたい。あるケースでは、単に3つの共振器が存在
していればよく、共振器の少なくとも1つが、並列に結
合された増幅器/移相器組合せを有する。この場合、そ
れぞれの共振器は120°の電気的長さを有することが
好ましく、移相器と組み合わされた増幅器は、それぞれ
約120°の移相を有する。一般に、リングの全電気的
長さが360°であって、増幅器の結合利得が、発振回
路全体での損失よりも大きい限り、共振器の数は3個か
ら4個、またはそれ以上に拡張することができる。
【0080】N個の同軸共振器が存在する場合、それぞ
れ個々の同軸共振器の電気的長さは、360°をNで割
った値に等しいことが好ましい。さらに、増幅器/移相
器組合せの移相は、好ましい実施形態では同調電圧V
TUNEによって調節することができるが、それぞれ約
「360°÷N」であることが好ましい。この場合、N
個のサンプリングされた発振信号が組み合わされた後、
発振器全体の周波数は、同じ寸法のセラミック同軸共振
器を使用する典型的な発振器の周波数のN倍となる。
【0081】2つの共振器の実装形態が理想的には動作
しないこと、および4個より多い同軸共振器を有する実
装形態が、図12および図13の好ましい実施形態で実
現されるステップ・リカバリ・ダイオードに対して高い
必要性を有すること、に留意されたい。さらに、上述し
たように、増幅器および移相器を1つの装置に組み合わ
せることができ、または代わりに、電圧制御されない発
振器について以下に述べるように、1つの移相器をも実
現しないことができる、ということに留意されたい。
【0082】本発明の重要な利点は、依然としてセラミ
ック同軸共振器を使用しながら、セラミック同軸共振器
について一般に考えられている物理的制限を超えて発振
器周波数を増大させることができる、ということであ
る。プッシュプッシュ発振設計において使用され、シス
テムが、さらに周波数を2倍にするために分周波ポンプ
・ミキサを備える場合、本発明は、VC−CROの使用
範囲を約20GHz(5×2×2)から約40GHz
(5×2×2×2)に高めることができる。同様に、図
12および図13のリング発振設計において使用され、
システムが、さらに周波数を2倍にするために分周波ポ
ンプ・ミキサを備える場合も、本発明は、VC−CRO
の使用範囲を約40GHz(5×4×2)まで高めるこ
とができる。4つよりも多い共振器が使用される場合、
上述したように、発振の周波数をさらに高めることがで
きる。
【0083】周波数のこの拡張により、LMDSのアプ
リケーションのような高周波数適用分野は、依然として
有利なセラミック同軸共振器を使用しながら、必要な周
波数を達成することが可能となる。特に20GHzより
も高い周波数を必要とするアプリケーションを考慮する
と、本明細書で上述したセラミック同軸共振器の利点す
べてが本発明の利点となる。LMDSのアプリケーショ
ンに対して、分周波ポンプ・ミキサまたはダブラーがシ
ステム内で実現されると仮定すると、現在のコストが約
500〜600ドルであるDROを、コストが20ドル
未満である図12および図13に示されるリング発振器
によって置き換えることができる。
【0084】発振周波数を20GHzよりも高いレベル
まで上げるために、セラミック同軸共振器を使用するシ
ステムによって本発明を利用されることができるが、本
発明はまた、より低い周波数を必要とする実装形態にも
利用されることができる、ということを理解されたい。
本発明は、最小サイズのセラミック同軸共振器によって
操作される必要はなく、また任意の他の周波数倍増技術
によって操作される必要もない。他の発振器設計と比較
したとき、これらのより低い周波数においてさえも、本
発明には可能な有利な点が存在する。
【0085】例えば、図4に示される標準CRO内でサ
イズが半分の2つの共振器を使用せずに、または図4に
示される標準CRO内でサイズが4分の1の1つの共振
器を使用せずに、図8に示されるプッシュプッシュ発振
器設計内でより大きな1つの共振器を使用することに
は、いくつかの有利な点がある。1つには、より大きな
量のエネルギーを蓄積することができる物理的により大
きなサイズの共振器を使用することによって、共振器の
Qを増大させることができる。本発明の好ましい実施形
態のプッシュプッシュ・アーキテクチャに1つの大きな
共振器を使用し、次いで目的のレベルまで周波数を倍増
するように上述の技術を使用すると、共振器のQレベル
を向上させ、続いて位相ノイズを減少させることができ
る。第2に、平衡またはプッシュプッシュ発振器設計に
関する現在の欠点は、動作中に共振器の浮動接地が生成
されることを可能にするためには、共有の離隔された接
地面が必要とされることである。これらの実施形態で
は、共振器自身の内に仮想接地があるので、離隔接地面
の必要性は、図5、図6および図8に示される本発明の
好ましい実施形態が有しない欠点である。さらに、離隔
接地面がないことにより、本発明の好ましい実施形態に
従う共振器の外側を接地することが可能となり、これに
より、製造される共振器の能力を高めることができる。
【0086】同様に、この発明の好ましい実施形態のう
ちの1つであるリング発振器アーキテクチャに、より大
きな共振器を使用することによっても、これらの有利な
点を得ることができる。
【0087】上記の好ましい実施形態について、負性抵
抗セル90a、90bを、平衡がとられ、かつ180°
だけ位相がずれた発振信号が結果として出力されるもの
として説明してきたが、このことは、本発明の範囲を制
限することを意図するものではない。負性抵抗セルが、
平衡はとられているが位相のずれが180°ではなく、
代わりにそれより多くまたはそれより少なくずれている
(一般的に言うと、ゼロより大きい位相角だけずれてい
る)実施形態においても、本発明を実現することができ
る。例えば、180°位相がずれた共振器を持たない本
発明の代替の実施形態に従うと、発振器設計は、リング
構成に結合された4つの共振器を備え、該共振器のそれ
ぞれの端部は、該共振器のうち別の共振器の端部に結合
される。さらに、共振器は、それぞれ、負性抵抗セルと
して動作することができる増幅器と並列である。この場
合、4つの発振信号、すなわち共振器のそれぞれの対の
間で1つの信号が生成され、それぞれの信号の間には、
90°の位相差がある。これらの信号が組み合わされる
と、発振信号は、図4のVC−CRO内で実現された場
合に使用される共振器の1つについての共振周波数の4
倍の発振周波数で生成される。
【0088】さらに、平衡発振器の実施形態の上記の好
ましい実施形態にかかわらず、2つの負性抵抗セルが平
衡をとられない本発明の実施形態を有することに、可能
な有利な点がある。現在、本発明を使用する平衡がとら
れていない発振器設計が、本発明の出願人によって研究
されている。一方の負性抵抗セルが、他方の負性抵抗セ
ルよりも高い周波数に同調され、仮想接地96が共振器
92の中心になくてもよいようにすることには、現在い
くつかの可能な利点があるように考えられている。仮想
接地96のこの移動により、セラミック同軸共振器を、
半分より小さい部分に効果的に分割することが可能とな
り、よって、セラミック同軸共振器の動作の潜在的な周
波数を拡張することができる。
【0089】本発明の好ましい実施形態を、VC−CR
Oとして説明した。図8に示されるプッシュプッシュ発
振器アーキテクチャにおいて、周波数調節装置180を
除去したならば、発振器は、電圧制御を有しない単なる
CROになる、ということを理解されたい。同様に、図
12および図13のリング発振器アーキテクチャにおい
て移相器403を除去すると、発振器は、単に電圧制御
を有しないCROであることを理解されたい。この場
合、増幅装置は、増幅器402のみを含むこととなる。
【0090】本発明の実装形態によってもたらされる周
波数の増大が、図2に示されるもののような周波数逓倍
段の必要性を取り除かないとしても、必要とされる周波
数逓倍係数が低減される場合には依然として利点が存在
することができる。これは一般に、逓倍段の変換効率
が、典型的には「1÷逓倍係数」の値であるためであ
る。
【0091】さらに、逓倍器を実現するために一般に使
用される技術が2つ存在するが、これらの逓倍器は、異
なる欠点を有する。周波数の倍増のみを必要とする逓倍
段については、比較的低い位相ノイズのショットキー障
壁ダイオードを使用することができ、大きな周波数逓倍
操作が必要とされる場合は、典型的には、ステップ・リ
カバリ・ダイオードが必要とされるるが、このステップ
・リカバリ・ダイオードは、PLL−FSの位相ノイズ
全体を増大させる。このステップ・リカバリ・ダイオー
ドが逓倍段として使用される場合には、ステップ・リカ
バリ・ダイオードによって生成される電圧パルス・チェ
ーンの中の複数の高調波が、周波数を高めるために、同
調回路によって「ピックオフ(picked off)」される。
【0092】図12および図13に示される本発明の好
ましい実施形態、およびより小さい規模ではプッシュプ
ッシュ発振器設計の実施形態のさらなる利点は、帰還の
ためにサンプリングすることができる低周波数信号から
生じる。発振器設計からサンプリングすることができる
最低周波数の低減は、前述したように、PLL−FS実
装形態における外部分割器の必要性を大幅に低減させ、
したがってそのような外部分周器に関連する位相ノイ
ズ、コストおよび物理的サイズを低減させる。本発明の
実施形態に従うPLL−FSから外部分割器が除去され
ることが好ましいが、他の実施形態では、低減した分割
係数を有するそのような分割器が依然として使用される
ことができる、ということに留意されたい。
【0093】図12および図13に示される本発明の好
ましい実施形態のさらなる利点は、従来のVCO設計に
ついて達成可能な同調帯域幅の減少に関係する。増幅器
402の1つについてのN KHzの同調電圧範囲内の
変更が、出力周波数に関して、図4に示されるような従
来のVCOにおける4×N KHzの同調電圧範囲内の
変更と同じ結果を有することがわかる。発振器の同調帯
域幅が本質的に減少し、それが、発振器についての位相
ノイズの対応する減少をもたらすので、これは、図12
および図13のリング発振構成に関する利点である。
【0094】本明細書で上述した本発明の発振器回路
は、共振器の基本モードで動作するが、代わりに、共振
器のより高次のモードにおける発振に耐えるよう設計す
ることもできる。
【0095】本発明を実施するために可能なより多くの
代替実施形態および修正形態があること、および上記の
実施形態は、本発明の実施形態の例示にすぎないことを
当業者は理解できよう。したがって、本発明の範囲は、
特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】周知の位相ロックループ周波数シンセサイザ
(PLL−FS)を示すブロック図。
【図2】追加の周波数逓倍段を有する、図1の周知のP
LL−FS構成を示すブロック図。
【図3】PLLシンセサイザ・チップ構成を有する、図
1のPLL−FS構成を示すブロック図である。
【図4】セラミック同軸共振器を使用する周知のコルピ
ッツ発振器を示す詳細なブロック図。
【図5】本発明の1つの実施形態に従う平衡発振器を示
すブロック図。
【図6】追加のカスコード・トランジスタ構成を伴う図
5のブロック図。
【図7】(A):セラミック同軸共振器の断面図、
(B):セラミック同軸共振器の長手方向図、(C):
周知の単一コネクタ構成を有する(A)および(B)の
セラミック共振器の長手方向図、(D):本発明の好ま
しい実施形態による二重コネクタ構成を有する(A)お
よび(B)のセラミック共振器の長手方向図を示す詳細
図である。
【図8】本発明の1つの実施形態に従うプッシュプッシ
ュ発振器を示すブロック図。
【図9】(A)および(B):図8の第1および第2の
負性抵抗セル内のトランジスタによって生成される起こ
り得る電圧波形の図、(C):(A)および(B)に示
される波形を組み合わせた起こり得る電圧波形の図。
【図10】本発明の1つの実施形態に従う代替のプッシ
ュプッシュ発振器を示すブロック図。
【図11】PLLシンセサイザ・チップを有する、PL
L−FS構成内で実現される図8のプッシュプッシュ発
振器を示す図。
【図12】本発明の好ましい実施形態に従うリング発振
器を示すブロック図。
【図13】図12に続きであり、本発明の好ましい実施
形態に従うリング発振器を示すブロック図。
【図14】図12および図13のリング発振器内で実現
される移相器を示すブロック図。
【図15】図12および図13のそれぞれのノードA〜
Dで生成される、起こり得る電圧波形のグラフ。
【図16】図12および図13におけるステップ・リカ
バリ・ダイオードによって生成される、起こり得る電圧
波形のグラフ図。
【図17】(A):好ましくは図12および図13の同
調回路を駆動する、図16の(A)〜(D)に示される
波形を組み合わせた起こり得る電圧波形のグラフ、
(B):ステップ・リカバリ・ダイオードが使用されな
い場合に、図12および図13の同調回路を交互に駆動
する、図15の(A)〜(D)に示される波形を組み合
わせた電圧波形のグラフ。
【符号の説明】
400 セラミック同軸共振器 402 増幅器 403 移相器 A、B、C、D ノード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チャールズ・ティー・ニコルス カナダ、ケイ2ジー、5シー6、オンタリ オ、ネピアン、アーボデイル・クレセント 18 (72)発明者 ヨハン・エム・グランドリン カナダ、ケイ0エー、2エイチ0、オンタ リオ、キンバーン、カープ 5313 アール アールナンバー 2

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】向かいあう端部および2つの電気コネクタ
    有する同軸共振器であって、一方の端部からは第1の電
    気コネクタが突出し、他方の端部からは第2の電気コネ
    クタが突出する同軸共振器。
  2. 【請求項2】前記一方の端部から前記向かい合う他方の
    端部まで長手方向に伸びる内部導体、および導電材料の
    外部層で少なくとも部分的に覆われた外面を有する誘電
    体材料部材を備える請求項1に記載の同軸共振器。
  3. 【請求項3】前記誘電体材料が、セラミックから成る請
    求項2に記載の同軸共振器。
  4. 【請求項4】前記一方の端部から前記向かい合う端部ま
    で長手方向に伸び、導電材料の内部層で少なくとも部分
    的に覆われる内面を形成し、前記内部導体を備える穴
    を、前記誘電体材料部材が有する請求項2に記載の同軸
    共振器。
  5. 【請求項5】前記電気コネクタを、前記それぞれの端部
    付近の前記導電材料の内部層に取り付けることにより、
    前記第1および第2の電気コネクタが、前記端部のそれ
    ぞれ1つに結合される請求項4に記載の同軸共振器。
  6. 【請求項6】前記導電材料の内部層が、前記それぞれの
    端部付近で前記第1および第2の電気コネクタと一体的
    に形成される材料層である請求項5の記載の同軸共振
    器。
  7. 【請求項7】前記電気コネクタが、前記導電材料の内部
    層にはんだ付けされる請求項5に記載の同軸共振器。
  8. 【請求項8】前記導電材料の内部層および外部層が、銀
    から構成される請求項4に記載の同軸共振器。
  9. 【請求項9】前記導電材料の内部層および外部層が、銅
    から構成される請求項4に記載の同軸共振器。
  10. 【請求項10】前記部材が直方体であり、前記穴が円形
    である請求項4に記載の同軸共振器。
  11. 【請求項11】前記電気コネクタが、銅から構成される
    請求項1に記載の同軸共振器。
  12. 【請求項12】前記電気コネクタが、銀から構成される
    請求項1に記載の同軸共振器。
  13. 【請求項13】請求項1の同軸共振器を備える発振回路
    であって、前記第1および第2の電気コネクタにそれぞ
    れ電気的に接続された第1および第2の負性抵抗セルを
    備える発振回路。
  14. 【請求項14】向かいあう第1および第2の端部を有
    し、該第1および第2の端部のそれぞれに結合された第
    1および第2の電気コネクタを有する同軸共振器と、 前記第1および第2の電気コネクタにそれぞれ結合され
    た第1および第2の負性抵抗セルとを備え、 前記第1および第2の負性抵抗セルが、0°より大きい
    位相角だけ位相がずれている発振回路。
  15. 【請求項15】前記同軸共振器が、動作中、前記第1お
    よび第2の負性抵抗セルの両方の発振周波数を、前記同
    軸共振器の半分のサイズである別の同軸共振器に関連す
    る共振周波数にほぼ等しくなるよう設定し、該発振周波
    数を安定化させる請求項14に記載の発振回路。
  16. 【請求項16】前記第1および第2の負性抵抗セルが、
    設定された発振周波数であり、かつ所定の位相角だけ位
    相がずれている第1および第2の発振信号を生成し、 前記第1および第2の発振信号が、前記発振回路内で組
    み合わされて、出力発振信号を生成する請求項15に記
    載の発振回路。
  17. 【請求項17】前記第1および第2の負性抵抗セルは、
    位相角が約180°に設定されるよう平衡がとられ、こ
    れにより、前記出力発振信号が、前記設定された発振周
    波数の2倍の発振周波数を持つようにする請求項16に
    記載の発振回路。
  18. 【請求項18】前記第1および第2の負性抵抗セルが、
    コルピッツ型である請求項15に記載の発振回路。
  19. 【請求項19】前記第1および第2の負性抵抗セルが、
    それぞれ、ベース、エミッタおよびコレクタを有するト
    ランジスタを備えており、第1の帰還コンデンサは、前
    記ベースおよびエミッタの間に結合され、第2のコンデ
    ンサは、前記エミッタおよび接地の間に結合されてお
    り、前記トランジスタのベースは、それぞれ、前記同軸
    共振器のそれぞれの電気コネクタに結合され、前記トラ
    ンジスタのコレクタは、それぞれ電源レールに接続され
    る請求項18に記載の発振回路。
  20. 【請求項20】前記第1および第2の負性抵抗セルが、
    共通の周波数であるが所定の位相角だけ位相がずれてい
    る第1および第2の出力発振信号をそれぞれ生成し、 前記出力発振信号は、前記それぞれのトランジスタのエ
    ミッタに結合された出力ノードにおいて、前記それぞれ
    の負性抵抗セルから出力されるよう構成された請求項1
    9に記載の発振回路。
  21. 【請求項21】出力端子に結合され、前記出力発振信号
    の電圧を増大するカスコード段を備える請求項20に記
    載の発振回路。
  22. 【請求項22】前記第1および第の負性抵抗セルが、共
    通の周波数であるが所定位相角だけ位相がずれている第
    1および第2の出力発振信号をそれぞれ生成し、 前記出力発振信号は、前記それぞれのトランジスタのコ
    レクタに結合された出力ノードにおいて、前記それぞれ
    の負性抵抗セルから出力されるよう構成されており、前
    記コレクタが、前記ノードおよびコレクタ抵抗を介して
    前記電源レールに結合される請求項19に記載の発振回
    路。
  23. 【請求項23】出力端子に結合され、前記出力発振信号
    の電圧を増大するカスコード段を備える請求項22に記
    載の発振回路。
  24. 【請求項24】前記それぞれの負性抵抗セル内の第1お
    よび第2の帰還コンデンサが、エミッタ抵抗を介してそ
    れぞれのエミッタに結合され、 前記負性抵抗セルのそれぞれが、前記電源レールおよび
    対応するそれぞれのベースの間に結合された第1のバイ
    アス抵抗と、接地および対応するそれぞれのベースの間
    に結合された第2のバイアス抵抗と、チョーク・インダ
    クタに直列に接続された直流(dc)バイアス抵抗とを備
    え、該直流バイアス抵抗およびチョーク・インダクタ
    が、対応するそれぞれのエミッタおよび接地の間に接続
    されており、前記第1および第2のバイアス抵抗は、対
    応するそれぞれのベースにおいてバイアス電圧を生成す
    るよう動作し、前記直流バイアス抵抗は、対応するそれ
    ぞれのエミッタにおいて直流バイアス電圧を生成するよ
    う動作し、前記チョーク・インダクタは、高周波スペク
    トル内において、対応するそれぞれの前記直流バイアス
    抵抗を開放するよう動作する請求項19に記載の発振回
    路。
  25. 【請求項25】前記第1および第2の負性抵抗セルが、
    それぞれ、ベース、エミッタおよびコレクタを有するト
    ランジスタを備えており、第1の帰還コンデンサは、前
    記ベースおよびエミッタの間に結合され、第2のコンデ
    ンサは、前記エミッタおよび接地の間に結合されてお
    り、前記トランジスタのベースは、それぞれ、前記同軸
    共振器のそれぞれの電気コネクタに結合され、 前記トランジスタのコレクタは、共通ノードにまとめて
    結合され、該共通ノードは、前記負性抵抗セルの両方に
    対応する発振周波数の第2次高調波に同調された同調回
    路に結合され、さらに該共通ノードは、出力発振信号を
    出力するよう配置された出力端子に結合される請求項1
    8に記載の発振回路。
  26. 【請求項26】前記出力端子に結合され、前記出力発振
    信号の電圧を増大するカスコード段を備える請求項25
    に記載の発振回路。
  27. 【請求項27】前記負性抵抗セルは、位相角が約180
    °に設定されるよう平衡がとられており、これにより、
    前記出力発振信号は、前記設定された発振周波数の2倍
    の発振周波数を有する請求項25に記載の発振回路。
  28. 【請求項28】前記それぞれの負性抵抗セル内の第1お
    よび第2の帰還コンデンサは、エミッタ抵抗を介してそ
    れぞれのエミッタに結合され、 前記負性抵抗セルのそれぞれは、電源レールおよび対応
    するそれぞれのベースの間に結合された第1のバイアス
    抵抗と、接地および対応するそれぞれのベースの間に結
    合された第2のバイアス抵抗と、チョーク・インダクタ
    と直列に結合された直流(dc)バイアス抵抗と、対応する
    それぞれのエミッタおよび接地の間に結合された前記チ
    ョーク・インダクタとを備えており、 前記第1および第2の抵抗は、対応するそれぞれのベー
    スにおいてバイアス電圧を生成するよう動作し、前記直
    流バイアス抵抗は、対応するそれぞれのエミッタにおい
    て直流バイアス電圧を生成するよう動作し、前記チョー
    ク・インダクタは、高周波スペクトル内において、対応
    するそれぞれの前記直流バイアス抵抗を開放するよう動
    作する請求項25に記載の発振回路。
  29. 【請求項29】前記第1および第2の負性抵抗セルが、
    それぞれ、ベース、エミッタおよびコレクタを有するト
    ランジスタと、該ベースおよび接地の間に結合されたイ
    ンダクタとを備えており、前記トランジスタのエミッタ
    は、前記同軸共振器のそれぞれの電気コネクタに結合さ
    れ、 前記トランジスタのコレクタは、共通ノードにおいてま
    とめて結合され、該共通ノードは、前記負性抵抗セルの
    両方に対応する発振周波数の第2次高調波に同調された
    同調回路に結合され、さらに該共通ノードは、出力発振
    新語を出力するよう配置された出力端子に結合される請
    求項15に記載の発振器。
  30. 【請求項30】前記負性抵抗セルのそれぞれが、前記電
    源レールおよび対応するそれぞれのベースの間に結合さ
    れた第1のバイアス抵抗と、接地および対応するそれぞ
    れのベースの間に結合された第2のバイアス抵抗と、チ
    ョーク・インダクタに直列に接続された直流(dc)バイア
    ス抵抗とを備え、該直流バイアス抵抗およびチョーク・
    インダクタは、対応するそれぞれのエミッタおよび接地
    の間に結合されており、 前記第1および第2のバイアス抵抗は、対応するそれぞ
    れのベースにおいてバイアス電圧を生成するよう動作
    し、前記直流バイアス抵抗は、対応するそれぞれのエミ
    ッタにおいて直流バイアス電圧を生成するよう動作し、
    前記チョーク・インダクタは、高周波スペクトル内で対
    応するそれぞれの直流バイアス抵抗を開放するよう動作
    する請求項29に記載の発振回路。
  31. 【請求項31】前記第1および第2の負性抵抗セルが、
    それぞれ、ベース、エミッタおよびコレクタを有するト
    ランジスタと、該ベースおよび接地の間に結合されたイ
    ンダクタとを備えており、前記トランジスタのエミッタ
    は、前記同軸共振器のそれぞれの電気コネクタに結合さ
    れ、 前記トランジスタのコレクタは、コレクタ抵抗を介して
    電源レールに結合され、結合コンデンサを介して出力端
    子に結合される請求項15に記載の発振器。
  32. 【請求項32】前記負性抵抗セルのそれぞれが、前記電
    源レールおよび対応するそれぞれのベースの間に結合さ
    れた第1のバイアス抵抗と、接地および対応するそれぞ
    れのベースの間に結合された第2のバイアス抵抗と、チ
    ョーク・インダクタと直列に結合された直流(dc)バイア
    ス抵抗とを備え、前記直流バイアス抵抗およびチョーク
    ・インダクタは、対応するそれぞれのエミッタおよび接
    地の間に結合されており、 前記第1および第2のバイアス抵抗は、対応するそれぞ
    れのベースにバイアス電圧を生成するよう動作し、前記
    直流バイアス抵抗は、対応するそれぞれのエミッタに直
    流バイアス電圧を生成するよう動作し、前記チョーク・
    インダクタは、高周波(RF)スペクトル内に対応するそ
    れぞれの直流バイアス抵抗を開放するよう動作する請求
    項31に記載の発振回路。
  33. 【請求項33】前記同軸共振器の第1および第2の電気
    コネクタが、結合コンデンサを介して前記それぞれの負
    性抵抗セルに結合される請求項14に記載の発振回路。
  34. 【請求項34】前記位相角が、約180°になるよう設
    定される請求項14に記載の発振回路。
  35. 【請求項35】前記同軸共振器の第1および第2の電気
    コネクタが、周波数調節装置に結合され、該周波数調節
    装置が、動作中同調電圧を受け取って、前記同軸共振器
    に印加される負荷を調節する請求項14に記載の発振回
    路。
  36. 【請求項36】前記周波数調節装置が、バラクタ・ダイ
    オードを使用して動作する請求項35に記載の発振回
    路。
  37. 【請求項37】請求項14に記載の発振回路を組み込む
    位相ロックループ周波数シンセサイザ(PLL−FS)
    であって、 第1の周波数で第1の発振信号を生成する水晶共振発振
    器と、 前記水晶共振発振器に結合され、前記第1の発振信号を
    受け取り、該第1の発振信号の周波数を、前記第1の周
    波数より低い第2の周波数に低減させる第1の分周器
    と、 前記第1の分周器に結合され、前記第1の発振信号およ
    び帰還発振信号を受け取り、該受け取った信号を位相を
    比較して、エラー信号を生成する位相検波器と、 前記位相検波器に結合され、前記エラー信号を受け取
    り、該エラー信号をフィルタリングして前記比較中に生
    成された成分を除去し、フィルタリングされた信号の中
    にベースバンド信号のみを残すループ・フィルタと、 前記ループ・フィルタに結合され、前記フィルタリング
    された信号を受け取り、前記第1の周波数より高い第3
    の周波数で予め決められた位相を持つ第2の発振信号を
    生成する発振回路と、 前記発振回路および位相検波器の間に結合され、前記第
    2の発振信号を受け取り、該第2の発振信号の周波数を
    第4の周波数に低減して前記帰還発振信号を生成する第
    2の分周器と、 を備える位相ロックループ周波数シンセサイザ(PLL
    −FS)。
  38. 【請求項38】前記発振回路に結合され、前記第2の発
    振信号を受け取り、該第2の発振信号を増幅して、前記
    PLL−FSの出力信号を生成する増幅器を備える請求
    項37に記載の位相ロックループ周波数シンセサイザ
    (PLL−FS)。
  39. 【請求項39】前記発振回路がカスコード段を備え、該
    カスコード段が、前記第2の発振信号が出力される前に
    該第2の発振信号を増幅する請求項37に記載の位相ロ
    ックループ周波数シンセサイザ(PLL−FS)。
  40. 【請求項40】請求項37に記載の位相ロックループ周
    波数シンセサイザ(PLL−FS)を組み込む通信装
    置。
  41. 【請求項41】向かい合う端部を持つ同軸共振器であっ
    て、該共振器が、動作中形成される仮想接地によって2
    つの部分に効果的に分割されるよう前記両方の端部にお
    いてTEMモード波を生成する同軸共振器。
  42. 【請求項42】同軸共振器の第1および第2の向かい合
    う端部にそれぞれ結合された第1および第2の電気コネ
    クタをそれぞれが有するN個の同軸共振器を備える発振
    回路であって、前記Nは2より大きく、 前記N個の同軸共振器のうちの1つに並列に結合され
    た、入力から出力への移相を有する少なくとも1つの増
    幅装置を備え、該少なくとも1つの増幅装置の結合利得
    が前記発振回路に関する損失よりも大きく、 リング内の前記同軸共振器の合計した電気的長さが36
    0°に等しくなるように、前記同軸共振器がリング内に
    直列に結合されている発振回路。
  43. 【請求項43】前記少なくとも1つの増幅装置に対応す
    る移相が、該増幅装置と並列な前記同軸共振器の電気的
    長さにほぼ等しい請求項42に記載の発振回路。
  44. 【請求項44】前記少なくとも1つの増幅装置が、該増
    幅装置に対応する移相を調節する同調信号を受け取る増
    幅器を備える請求項42または請求項43に記載の発振
    回路。
  45. 【請求項45】前記少なくとも1つの増幅装置が、直列
    に結合された増幅器および移相器を備え、該移相器が、
    前記増幅装置に対応する移相を調節する同調信号を受け
    取る請求項42または請求項43に記載の発振回路。
  46. 【請求項46】前記少なくとも1つの増幅装置が、N個
    の増幅装置であり、該N個の増幅装置のそれぞれが、前
    記N個の同軸共振器のそれぞれ1つに並列に結合され、
    前記N個の増幅装置の結合利得が、前記発振回路に関す
    る損失よりも大きい請求項42に記載の発振回路。
  47. 【請求項47】前記N個の増幅装置のそれぞれに対応す
    る移相が、該増幅装置のそれぞれの同軸共振器の電気的
    長さにほぼ等しい請求項46に記載の発振回路。
  48. 【請求項48】前記N個の増幅装置のそれぞれが、特定
    の増幅装置に対応する移相を調節する同調信号を受け取
    る増幅器を備える請求項46または請求項47に記載の
    発振回路。
  49. 【請求項49】前記N個の増幅装置のそれぞれが、直列
    に結合された増幅器および移相器を備え、該移相器が、
    前記特定の増幅装置に対応する移相を調節する同調信号
    を受け取る請求項46または請求項47のいずれかに記
    載の発振回路。
  50. 【請求項50】動作中、2つの同軸共振器の間にある少
    なくとも1つのノードから発振信号がサンプリングされ
    る請求項42から請求項49のいずれかに記載の発振回
    路。
  51. 【請求項51】前記Nが3に等しく、前記同軸共振器の
    それぞれが120°の電気的長さを有し、前記増幅器の
    それぞれの移相が約120°である請求項46から請求
    項50のいずれかに記載の発振回路。
  52. 【請求項52】前記Nが4に等しく、前記同軸共振器の
    それぞれが90°の電気的長さを有し、前記増幅器のそ
    れぞれの移相が約90°である請求項46から50のい
    ずれかに記載の発振回路。
  53. 【請求項53】前記N個の同軸共振器のそれぞれが、3
    60°を前記Nで割った電気的長さを有する請求項42
    から52のいずれかに記載の発振回路。
  54. 【請求項54】N個の接続ノードを備え、該接続ノード
    のそれぞれが異なる2つの同軸共振器の間に結合されて
    おり、 動作中、N個の発振信号のうちの1つが、前記N個の接
    続ノードのうちのそれぞれ1つからサンプリングされ、
    前記N個の発振信号が、共通周波数を持ち、かつ360
    °をNで割った値だけ位相がずれている請求項53に記
    載の発振回路。
  55. 【請求項55】前記N個の接続ノードのそれぞれ1つに
    結合された第1の端部と、第N次高調波に同調された同
    調回路に結合された共有ノードにまとめて結合された第
    2の端部とを有するN個の結合コンデンサを備え、 動作中に、前記共有ノードにおいて、前記共通周波数の
    N倍の出力周波数で出力発振信号が生成されるようにし
    た請求項54に記載の発振回路。
  56. 【請求項56】前記N個の接続ノードのそれぞれ1つに
    結合され、かつN個のインダクタのそれぞれ1つに直列
    に結合されたN個の第1のコンデンサと、 第N次高調波に同調された同調回路に結合された共有ノ
    ードにまとめて結合された第2のコンデンサと、 低電力端子に結合されたアノード、および前記N個のイ
    ンダクタのそれぞれ1つおよび前記N個の第2のコンデ
    ンサのそれぞれ1つの間に結合されたカソードとを有す
    るN個のステップ・リカバリ・ダイオードとを備え、 動作中に、共有ノードにおいて、前記共通周波数のN倍
    の出力周波数において出力発振信号が生成されるように
    した請求項54に記載の発振回路。
  57. 【請求項57】それぞれが、低電力端子と、前記第1の
    コンデンサのうちの1つおよび対応するそれぞれのイン
    ダクタの間にあるそれぞれのノードとの間に結合された
    N個の第3のコンデンサを備える請求項56に記載の発
    振回路。
  58. 【請求項58】それぞれが、第2の低電力端子と、前記
    第1のコンデンサのうちの1つおよび対応するそれぞれ
    のインダクタの間にあるそれぞれのノードとの間に結合
    されたN個の抵抗を備え、前記第2の低電力端子が、前
    記第1の低電力端子よりも低い電力にある請求項56ま
    たは請求項57に記載の発振回路。
  59. 【請求項59】前記接続ノードのうちの1つが、帰還結
    合コンデンサを介して帰還ノードに結合され、前記共有
    ノードが、出力結合コンデンサを介して出力ノードに結
    合されている請求項55から請求項58のいずれかに記
    載の発振回路。
  60. 【請求項60】前記少なくとも1つの増幅装置が、移相
    を調節する同調信号を受け取る請求項55から請求項5
    8のいずれかに記載の発振回路。
  61. 【請求項61】請求項60に記載の発振回路を組み込む
    位相ロックループ周波数シンセサイザ(PLL−FS)
    であって、 第1の発振信号を生成する水晶共振発振器と、 前記水晶共振発振器に結合され、前記第1の発振信号お
    よび帰還発振信号を受け取り、エラー信号を生成する位
    相ロックループ(PLL)シンセサイザ構成要素と、 前記PLLシンセサイザ構成要素に結合され、前記エラ
    ー信号を受け取ってフィルタリングし、該フィルタリン
    グされた信号の中にベースバンド信号のみを残すループ
    ・フィルタとを備え、 前記発振回路は、前記ループ・フィルタに結合され、前
    記フィルタリングされた信号を前記同調信号として受け
    取り、前記出力周波数において前記出力発振信号を出力
    し、前記共通周波数において、前記N個の発振信号のう
    ちの1つを帰還発振信号として出力する位相ロックルー
    プ周波数シンセサイザ(PLL−FS)。
  62. 【請求項62】前記発振回路に結合された増幅器であっ
    て、前記出力発振信号を受け取り、該発振信号を増幅し
    て、前記PLL−FSについて増幅された出力信号を生
    成する増幅器を備える請求項61に記載のPLL−F
    S。
  63. 【請求項63】請求項60に記載の発振回路を組み込む
    位相ロックループ周波数シンセサイザ(PLL−FS)
    であって、 第1の発振信号を発生する水晶共振発振器と、 前記水晶共振発振器に結合され、前記第1の発振信号お
    よび帰還発振信号を受け取り、エラー信号を生成する位
    相ロックループ(PLL)シンセサイザ構成要素と、 前記PLLシンセサイザ構成要素に結合され、前記エラ
    ー信号を受け取ってフィルタリングし、該フィルタリン
    グされた信号の中にベースバンド信号のみを残すループ
    ・フィルタとを備え、 前記発振回路は、前記ループ・フィルタに結合され、該
    フィルタリングされた信号を前記同調信号として受け取
    り、前記出力周波数において前記出力発振信号を出力
    し、前記共通周波数において、前記N個の発振信号のう
    ちの1つを出力し、 前記発振回路および前記PLLシンセサイザ構成要素の
    間に結合され、前記N個の発振信号のうちの1つを受け
    取り、該受け取った発振信号の周波数を低減して前記帰
    還発振信号を生成する分周器と、 を備える位相ロックループ周波数シンセサイザ(PLL
    −FS)。
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