JP2001143620A - 電子線装置用スペーサの製造方法と電子線装置の製造方法 - Google Patents
電子線装置用スペーサの製造方法と電子線装置の製造方法Info
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Abstract
有するスペーサを簡単な工程にて、低価格に製造する方
法を提供することを目的とする。 【解決手段】 気密容器と、前記気密容器内に配置され
た、電子源及びスペーサとを備える電子線装置のスペー
サを製造するにあたり、スペーサの基材501をヒータ
ー502により加熱延伸する工程において、表面に凹凸
を有する引き出しローラー503を用いて基材の表面に
所望の凹凸を形成したり、あるいは、表面に凹凸を有す
るスペーサの基材を加熱延伸する。
Description
像形成装置等の電子線装置に用いられるスペーサの製造
方法およびスペーサを備えた電子線装置の製造方法に関
する。
装置として、冷陰極電子放出素子を多数形成した電子源
基板と、透明電極および蛍光体を具備した陽極基板とを
平行に対向させ、真空に排気した平面型の電子線表示パ
ネルが知られている。このような画像形成装置におい
て、電界放出型電子放出素子を用いたものは、例えば、
I.Brodie, ”Advanced techn
ology : flat cold−cathode
CRTs” , Information Disp
lay, 1/89, 17(1989) に開示され
たものがある。また、表面伝導型電子放出素子を用いた
ものは、例えば、USP5066883等に開示されて
いる。平面型の電子線表示パネルは、現在広く用いられ
ている陰極線管(cathode ray tube
: CRT)表示装置に比べ、軽量化、大画面化を図
ることができ、また、液晶を利用した平面型表示パネル
やプラズマ・ディスプレイ、エレクトロルミネッセント
・ディスプレイ等の他の平面型表示パネルに比べて、よ
り高輝度、高品質な画像を提供することができる。図5
に電子放出素子を利用した画像形成装置の一例として、
従来の平面型電子線表示パネルの一部を切り欠いた斜視
図を示す。ここで、図5に示される電子線表示パネルの
構成について詳述すると、図中、1015はリアプレー
ト、1017はフェースプレート、1016は側壁であ
り、これらにより真空外囲器を構成している。また、1
011は電子源基板、1012は電子放出素子であり、
本例では、1つの電子放出素子に対して1つの蛍光体が
対応している。また、1013(走査電極)および10
14(信号電極)は配線電極であり、それぞれ、電子放
出素子1012に接続されている。さらに、1019は
メタルバック、1018は蛍光体である。また、102
0はスペーサで、電子源基板1011とフェースプレー
ト1017を所定間隔に保持するとともに、大気圧に対
する支持部材として真空外囲器内部に配置されている。
尚、フェースプレート1017、側壁1016、リアプ
レート1015、スペーサ1020の各接合部は低融点
ガラスフリットにより封着されている。
するには、マトリクス状に配置された走査電極1013
と信号電極1014に所定の電圧を順次印加すること
で、マトリクスの交点に位置する所定の電子放出素子1
012を選択的に駆動し、放出された電子を蛍光体10
18に照射して所定の位置に輝点を得る。なお、メタル
バック1019は、放出電子を加速してより高い輝度の
輝点を得るために、電子放出素子1012に対して正電
位となるように高電圧が印加される。ここで、印加され
る電圧は、蛍光体1018の性能にもよるが、数百Vか
ら数十kV程度の電圧である。従って、電子源基板10
11とフェースプレート1017間の距離dは、この印
加電圧によって真空の絶縁破壊(即ち放電)が生じない
ようにするため、数百μmから数mm程度に設定される
のが一般的である。
なるに従い、真空外囲器内部の真空と外部の大気圧差に
よるプレート基板の変形を抑えるためには、リアプレー
ト1015およびフェースプレート1017を厚くする
必要がでてきた。プレート基板を厚くすることは表示パ
ネルの重量を増加させるだけでなく、斜め方向から見た
ときに歪みを生じ、視野角の縮小ともなる。そこで、ス
ペーサ1020を配置することにより、両プレート10
15、1017の強度負担を軽減でき、軽量化、低コス
ト化、大画面化が可能となるので、平面型電子線表示パ
ネルの利点を十分に発揮することができるようになる。
しては、(1)十分な耐大気圧強度(圧縮強度)を有す
ること、(2)製造工程および高真空形成工程における
加熱工程に耐え得る耐熱性を有し、(3)表示パネルの
基板、側壁等との熱膨張係数の整合が取れていること、
(4)高電圧印加に耐え得る絶縁耐圧を有する高抵抗体
であること、(5)高真空を維持するために、ガス放出
レートが小さいこと、(6)寸法を精度良く加工でき、
量産性に優れること、等が要求され、一般的にはガラス
材料が用いられる。
たような画像形成装置の表示パネルにおいては、以下の
ような問題点があった。
の一部がスペーサに当たることにより、あるいは放出電
子の作用でイオン化したイオンがスペーサに付着するこ
とにより、スペーサ帯電をひきおこす可能性がある。さ
らには、フェースプレートに到達した電子が一部反射、
散乱され、その一部がスペーサに当たることによりスペ
ーサ帯電をひきおこす可能性がある。
てなされたものであり、表面帯電を抑制できる表面構造
を有するスペーサを簡単な工程にて、低価格に製造する
方法を提供することを目的とする。また本発明は、その
ようにして製造されるスペーサ、さらにこのような機能
を有するスペーサを用いて、十分な表示輝度を有しなが
ら低価格を実現する画像形成装置等の電子線装置を提供
することを目的とする。
果、気密容器内に、電子源及びスペーサを備える電子線
装置の前記スペーサ表面に凹凸構造を設けると、スペー
サ表面が平滑である場合よりも実効的な二次電子放出係
数を小さくすることができるため、スペーサ表面の帯電
を効果的に抑えることができることを見出した。そし
て、このような凹凸表面を有するスペーサの製造方法
で、スペーサの製造に費やされる工程時間の大幅な短縮
が図れ、しかも再現性良くスペーサを製造し得る製造方
法として、次のような方法を見出した。
器内に配置された、電子源及びスペーサとを備える電子
線装置の前記スペーサの製造方法であって、前記スペー
サの基材を加熱延伸する工程を有し、前記加熱延伸する
工程において前記基材の表面に所望の凹凸を形成するこ
とを特徴とする電子線装置用スペーサの製造方法であ
る。
に、前記加熱延伸する工程を経て形成された前記スペー
サの基体の表面に導電性膜を形成する工程を有すること
をも含むものである。
器内に配置された、電子源及びスペーサとを備える電子
線装置の前記スペーサの製造方法であって、前記スペー
サの基材を加熱延伸する工程を有し、前記加熱延伸する
工程において前記基材の表面に所望の凹凸と導電性膜と
を形成することを特徴とする電子線装置用スペーサの製
造方法である。
器内に配置された、電子源及びスペーサとを備える電子
線装置の前記スペーサの製造方法であって、その表面に
凹凸を有する前記スペーサの基材を加熱延伸する工程を
有することを特徴とする電子線装置用スペーサの製造方
法である。
前記加熱延伸する工程を経て形成された前記スペーサの
基体の表面に導電性膜を形成する工程を有してもよく、
あるいは、前記加熱延伸する工程において前記基材の表
面に導電性膜を形成してもよい。
器内に配置された、電子源及びスペーサとを備える電子
線装置の前記スペーサの製造方法であって、前記スペー
サの基材の表面に凹凸を形成する工程と、前記凹凸が形
成された基材を加熱延伸する工程とを有することを特徴
とする電子線装置用スペーサの製造方法である。
に、前記凹凸を形成する工程と前記加熱延伸する工程と
を経て形成された前記スペーサの基体の表面に導電性膜
を形成する工程を有してもよく、あるいは、前記加熱延
伸する工程において前記基材の表面に導電性膜を形成し
てもよい。
造方法は、前記電子線装置が、気密容器と、前記気密容
器内に配置された、電子源、前記電子源からの電子の照
射により画像を形成する画像形成部材、及び、スペーサ
とを備える画像形成装置であることをも含むものであ
る。
器内に配置された、電子源及びスペーサとを備える電子
線装置の製造方法であって、前記スペーサが、以上述べ
たいずれかのスペーサの製造方法にて製造されることを
特徴とする電子線装置の製造方法である。
記電子線装置が、気密容器と、前記気密容器内に配置さ
れた、電子源、前記電子源からの電子の照射により画像
を形成する画像形成部材、及び、スペーサとを備える画
像形成装置であることをも含むものである。
基材を加熱延伸する工程において基材の表面に所望の凹
凸を形成することは、前記凹凸の形成が前記加熱延伸時
の熱を利用することができ、さらには、基材からのスペ
ーサ基体の成形工程と成形されたスペーサ基体への凹凸
形成工程とを別個、設ける必要がなく、スペーサの製造
に費やされる工程時間の大幅な短縮が図れる。
る工程において基材の表面に所望の凹凸と導電性膜とを
形成することは、前記凹凸の形成のみならず、導電性膜
の形成も前記加熱延伸時の熱を利用することができ、さ
らには、導電性膜の形成工程をも別個、設ける必要がな
く、スペーサの製造に費やされる工程時間の大幅な短縮
が図れる。
凹凸を有するスペーサの基材を加熱延伸する工程を有す
ること、あるいは、スペーサの基材の表面に凹凸を形成
する工程と、前記凹凸が形成された基材を加熱延伸する
工程とを有することは、上述同様の工程時間の大幅な短
縮に加え、予め基材表面に形成された凹凸に精度誤差が
あっても、その後の加熱延伸によりその精度誤差は問題
のない程度まで大幅に縮小されるため、所望の凹凸を有
するスペーサ基体を再現性良く作成することができる
他、予め基材表面に形成される凹凸の形成の際の精度マ
ージンが大きく取れ、歩留まりが向上する。
伸する工程を有することは、形成されたスペーサ基体の
研磨工程を省け、また、1度の加熱にて複数を同時に並
行処理できるので量産効果が大きい。
さが0.1μm以上100μm以下となるようにすると
表面に成形する導電性膜の連続性が良く、凸部における
先鋭な形状による電界集中効果も抑制できるので好まし
い。
サ表面のシート抵抗は、帯電防止および消費電力から1
07から1014Ω/□であることが好ましい。
て以下に説明する。
て説明する。
と相似形状を有するスペーサの基材501を使用する。
このとき所望のスペーサ基体の断面積をs1、スペーサ
基材の断面積をs2とし、s1、s2はs1/s2<1
を満たす。
手方向の一部を軟化点以上の温度にヒーター502で加
熱するとともに、一方の端部を加熱部位方向に送り込み
ローラー504で速度v2で送り込み、もう一方の端部
をv2と同一方向に引き出しローラー503にて速度v
1で引き出す。このとき、これら速度v1、v2はs1
v1=s2v2を満たす。また、加熱温度は基材501
の種類、加工形状によるが通常500℃以上とする。こ
こで、引き出しローラー503の表面には凹凸が形成さ
れており、加熱延伸にともなって、引き出された基材の
表面には順次凹凸が形成されていく。
ド505にて所望の長さに切断して、スペーサ基体1を
作製する。
する工程時に、該基材の表面に所望の凹凸を形成するこ
とは、前記凹凸の形成が前記加熱延伸時の熱を利用する
ことができ、さらには、基材からのスペーサ基体の成形
工程と成形されたスペーサ基体への凹凸形成工程とを別
個、設ける必要がなく、スペーサの製造に費やされる工
程時間の大幅な短縮が図れる。
基体の表面に導電性膜を形成する。この導電性膜とは、
後述する高抵抗膜あるいは低抵抗膜であり、いずれもス
パッタ法、真空蒸着法、印刷法、エアゾール法、あるい
はディッピング法等を用いて形成される。
て説明する。
と相似形状を有するスペーサの基材161を使用する。
尚、このスペーサの基材の表面には予め凹凸が形成され
ている。また、所望のスペーサ基体の断面積をs1、ス
ペーサの基材の断面積をs2とし、s1、s2はs1/
s2<1を満たす。
手方向の一部を軟化点以上の温度にヒーター502で加
熱するとともに、一方の端部を加熱部位方向に、不図示
ではあるが前述の第1の実施形態と同様の送り込みロー
ラーで速度v2で送り込み、もう一方の端部をv2と同
一方向に引き出しローラー163にて速度v1で引き出
す。このとき、これら速度v1、v2はs1v1=s2
v2を満たす。また、加熱温度は基材の種類、加工形状
によるが通常500℃以上とする。加熱延伸にともなっ
て、引き出された基材162の表面には所望の凹凸が形
成されていく。
示ではあるが前述の第1の実施形態と同様のブレードに
て所望の長さに切断して、スペーサ基体を作製する。
るスペーサ基材を加熱延伸し、かかる加熱延伸する工程
時に、スペーサ基材の表面に、上記凹凸を所望の形状の
凹凸となし形成することは、上述同様の工程時間の大幅
な短縮に加え、予め基材表面に形成された凹凸に精度誤
差があっても、その後の加熱延伸によりその精度誤差は
問題のない程度まで大幅に縮小されるため、所望の凹凸
を有するスペーサ基体を再現性良く作成することができ
る他、予め基材表面に形成される凹凸の形成の際の精度
マージンが大きく取れ、歩留まりが向上する。
体の表面に、前述の第1の実施形態にて述べた導電性膜
を形成する。
ように、上記の工程において、ヒーター502と引き
出しローラー163との間に設けられた成膜手段(17
4,175)によって、上述のスペーサ基材161の加
熱延伸工程時に行われても良い。尚、図3に示される成
膜手段は、後述の高抵抗膜の成膜手段であり、高抵抗膜
の形成材料を含有する液体を引き出されたスペーサ基材
162に塗布するスプレーヘッド部174とスプレーヘ
ッド174のコントローラ175から成る。
する工程時に、基材の表面に所望の凹凸と導電性膜とを
形成することは、前記凹凸の形成のみならず、導電性膜
の形成も前記加熱延伸時の熱を利用することができ、さ
らには、導電性膜の形成工程をも別個、設ける必要がな
く、スペーサの製造に費やされる工程時間の大幅な短縮
が図れる。
た実施形態にて得られるスペーサの一例を示す模式図で
あり、図4の(b)は図4の(a)中の縦方向B−B’
を含む断面であり、図4の(c)は、図4の(a)中の
横方向C−C’を含む断面の模式図である。1は、少な
くとも表面に所望の凹凸が形成されたスペーサ基体、1
1はスペーサ基体1の表面に形成された、帯電防止を目
的とした高抵抗膜である。高抵抗膜11は、前記スペー
サ基体の表面凹凸にならい最終的な表面に凹凸を形成し
ている。21は電子線装置内の電極とスペーサとの間の
オーミックなコンタクトを得るために、必要に応じて設
けられた低抵抗膜である。
サに用いた平面型の表示装置(電子線装置)の構造概略
を、図5に示すように(詳細は後述)、複数の冷陰極素
子1012を形成した基板1011と発光材料である蛍
光膜1018を形成した透明なフェースプレート101
7とをスペーサ1020を介して対向させた構造を有す
る表示装置であり、スペーサ1020がその表面に凹凸
形状を有しており、その凹凸の平均的振幅値より大きく
ない膜厚で形成された帯電防止を目的とする高抵抗膜で
被覆されていることを特徴とする表示装置である。
度依存性について)以上述べた実施形態よって製造した
スペーサ表面に形成した凹凸形状により下記のような効
果を得ることができる。
する高入射角度モードの入射電子の入射角度を減少させ
る効果である。この形状の工夫による効果によって、二
次電子放出係数の入射角度増倍成分の減少効果は、平滑
表面に対して1/3以下のレベルに抑制させることが可
能となる。この効果は、特に、80度以上の高入射角と
なる最近接の電子放出素子からの直接入射電子に対して
特に有効である。
態として、深い凹凸を形成した場合には、微細なファラ
デーカップの集積体のように、二次電子を閉じ込める効
果が得られる。
次電子の抑制効果が挙げられる。放出された二次電子
は、加速電界によりエネルギーを受け加速しながら陽極
方向に軌道をとるが、放出直後のエネルギーが比較的小
さいので、局所的な帯電領域に引っ張られスペーサ上に
再突入し正電荷を生成してしまう。このとき、平滑基板
に対して粗面化処理を施すことにより、飛程距離を分断
することが可能となり、正電荷の蓄積を抑制する効果を
提供することができる。
入射角度抑制効果があげられる。
まに分布しており、特にフェースプレートからの反射電
子の再入射(以降FP反射電子と記述)においては、そ
の放出方向は、ほぼ同心円状の分布が存在しているた
め、反射電子は周囲の多方向に分布している。本発明者
等の素子ごとのスペーサ帯電のスペーサ、放出素子間距
離および陽極印加電圧依存検討の結果、陽極基板からの
輻射電子は再近接のみならず第3、第4近接の電子素子
からの放出電子であることがわかった。上記の飛程距離
は、表示装置ごとに変調を受けその影響度は一様ではな
いが、一般に高輝度を得ようとする目的から、蛍光体か
らの発光の利用効率を上げるために設けられたアルミ電
極などの部材の設置や加速電圧の高圧化でその影響は増
倍し、帯電の原因の一つとなっている。この現象は、F
P反射電子はスペーサからの距離に依存し、近い素子ほ
ど再入射量が多いことを意味するだけではなく、発光点
からのFP反射のうちスペーサと近距離位置からのもの
であるほど、遠方への入射点への再入射時の入射角が増
倍されていることを意味する。このような理由から、斜
めモードの反射電子に対する二次電子放出抑制効果とし
て、多方向に形成した凹凸形状が有効に機能する。
ち凹凸表面の帯電抑制に関する主たる機能である。
機能を、帯電防止膜と分離したため、面内の場所による
表面形状の制御などが簡便に行うことができるなどの効
果が生まれる。
けるスペーサの凹凸形状の配置は、前述の二次電子放出
抑制効果を得るためには、必ずしも周期的な配置をとる
必要はなく、ランダムな周期の配置であっても良い。ど
のような、配置構造をとるかは、たとえば作成工程の利
便性等から決定して良い。特に周期的である場合は、二
次電子や反射電子のエネルギー分布、入射角分布を考慮
して、その繰返し周期として、複数の周期構造から構成
される凹凸を形成していることが好ましい。
数の入射角度依存緩和効果の観点からは、凹凸の間隔や
振幅は大きく影響しなく任意に選択されて良いが、多重
放出二次電子が陽極陰極ギャップ間の電界からエネルギ
ーを得て、正帯電領域の加速エネルギーを得る前にトラ
ップする効果を考慮すると、加速電圧によるが100μ
m程度の間隔もしくはピッチを持っていることが好まし
い。さらに好ましくは、10μm以下の間隔であること
が好ましい。また、同様の理由から、凹凸形状の振幅値
は、二次電子の入射角度依存抑制の観点からは、任意の
値を選択できるが、多重放出二次電子の抑制効果を得る
点では、表面粗さ(Ra)が0.05μm以上の大きい
値であることが好ましいが、表面に形成する膜の連続性
と、凸部における先鋭な形状による電界集中効果を抑制
するためには、上限として100μm以下の平均粗さで
あることが好ましい。
ガラス等の絶縁材料を用いた場合は、帯電防止機能を高
めるために、表面に帯電防止機能を有する高抵抗膜を設
けることが好ましい。この高抵抗膜は、下層の凹凸形状
をならい表面に凹凸を作成できればよく、基本的に種々
の膜を使用することができる。
形成するためには、基本的には、下層あるいは基板凹凸
の所望の振幅値より、著しく大きな膜厚で形成しないこ
とが重要であり、好ましくは下層の振幅値以下の膜厚と
なるように形成する。ただし極端に薄膜化すると、シー
ト抵抗が増大し、また凹凸の曲率が大きい(曲がりのき
つい)領域で、膜の連続が失われやすいため、スペーサ
に所望の導電性を付与できない場合には、少なくとも1
00Å以上、好ましくは500Å以上の膜厚にすること
が好ましい。
防止膜作成プロセスが適用できる。たとえば、スパッタ
法、真空蒸着法、印刷法、エアゾール法、ディッピング
法等を適用することができる。作成プロセスのローコス
ト化という観点からはディッピング法などの液相プロセ
スが好ましい。このとき、レベリング性を低くするため
に、膜厚と塗工液の粘度を小さい値に制御することが重
要である。
低い方が好ましく、平滑膜の二次電子放出係数として、
3.5以下であることがより好ましい。さらには、膜の
化学的安定性という観点から、表面層が膜内部に比較し
て高酸化状態にあることが好ましい。
ペーサ1020の一方の辺は冷陰極素子を形成した基板
1011上の配線に電気的に接続されている。また、そ
の対向する辺は冷陰極素子より放出した電子を高いエネ
ルギで発光材料(蛍光膜1018)に衝突させるための
加速電極(メタルバック1019)に電気的接続され
る。すなわち、スペーサの表面に形成された帯電防止膜
にはほぼ加速電圧を帯電防止膜の抵抗値で除した電流が
流される。
および消費電力からその望ましい範囲に設定される。帯
電防止の観点から表面抵抗R/□は1013[Ω/□]以
下であることが好ましい。十分な帯電防止効果を得るた
めには1011[Ω/□]以下がさらに好ましい。シート
抵抗の下限はスペーサ形状とスペーサ間に印加される電
圧により左右されるが、105[Ω/□]以上であるこ
とが好ましい。
囲が望ましい。材料の表面エネルギーおよび基板との密
着性や基板温度によっても異なるが、一般的に10nm
以下の薄膜は島状に形成され、抵抗が不安定で再現性に
乏しい。一方膜厚tが1μm以上では膜応力が大きくな
って膜はがれの危険性が高まり、かつ成膜時間が長くな
るため生産性が悪い。従って、膜厚は50〜500nm
であることが望ましい。シート抵抗R/□はρ/tであ
り、以上に述べたR/□とtの好ましい範囲から、高抵
抗膜の比抵抗ρは0.1〜108Ωcmが好ましい。さ
らに表面抵抗と膜厚のより好ましい範囲を実現するため
には、ρは102〜106Ωcmとするのが良い。スペー
サは上述したようにその上に形成した高抵抗膜を電流が
流れることにより、あるいはディスプレイ全体が動作中
に発熱することによりその温度が上昇する。高抵抗膜の
抵抗温度係数が大きな負の値であると温度が上昇した時
に抵抗値が減少し、スペーサに流れる電流が増加し、さ
らに温度上昇をもたらす。そして電流は電源の限界を越
えるまで増加しつづける。このような電流の暴走が発生
する抵抗温度係数の値は経験的に負の値で絶対値が1%
以上である。すなわち、高抵抗膜の抵抗温度係数は−1
%より大きいこと(負の時は絶対値が1%未満であるこ
と)が望ましい。
化物が優れている。金属酸化物の中でも、クロム、ニッ
ケル、銅の酸化物が好ましい材料である。その理由はこ
れらの酸化物は二次電子放出効率が比較的小さく、電子
放出素子から放出された電子がスペーサに当たった場合
においても帯電しにくいためと考えられる。金属酸化物
以外にも炭素は二次電子放出効率が小さく好ましい材料
である。特に、非晶質カーボンは高抵抗であるため、ス
ペーサ抵抗を所望の値に制御しやすい。しかしながら、
上記金属酸化物、あるいはカーボンはその抵抗値が高抵
抗膜として望ましい比抵抗の範囲に調整することが難し
かったり、雰囲気により抵抗が変化しやすいため、これ
らの材料のみでは抵抗の制御性が乏しい。アルミと遷移
金属合金の窒化物は遷移金属の組成を調整することによ
り、良伝導体から絶縁体まで広い範囲に抵抗値を制御で
きる。さらには後述する表示装置作製の工程において抵
抗値の変化が少なく安定な材料である。かつ、その抵抗
温度係数が−1%より大きいので、実用的に使いやすい
材料である。遷移金属元素としてはTi,Cr,Ta等
があげられる。
ミ遷移金属合金窒化膜(以下合金窒化膜と略す)表面に
トップコート層の酸化金属膜あるいはカーボン膜を積層
したものであってもよい。高抵抗膜全体の抵抗値は概ね
合金窒化膜の抵抗値で規定され、トップコート層は帯電
防止を抑える効果がある。トップコート層は前述したよ
うに抵抗値が雰囲気に左右されるため、トップコート層
の抵抗値が高抵抗膜の抵抗値の1/2を越えるようにト
ップコート層の厚みを決定すべきである。トップコート
層の比抵抗が高い場合、その表面に蓄積した電荷を速や
かに逃がすことが難しくなるため、トップコート層の厚
みが制限され、20nmを越えない値が好ましい。
での反応性スパッタ、電子ビーム蒸着、イオンプレーテ
ィング、イオンアシスト蒸着法等の薄膜形成手段により
スペーサ基板上に形成される。金属酸化膜も同様の薄膜
形成法で作製することができるが、この場合窒素ガスに
代えて酸素ガスを使用する。その他、CVD法、アルコ
キシド塗布法でも金属酸化膜を形成できる。カーボン膜
は蒸着法、スパッタ法、CVD法、プラズマCVD法で
作製され、特に非晶質カーボンを作製する場合には、成
膜中の雰囲気に水素が含まれるようにするか、成膜ガス
に炭化水素ガスを使用する。合金窒化膜とトップコート
層は別の装置により作製しても良いが、連続的に積層す
ることにより、トップコート層の密着性が強くなる。本
実施形態の帯電防止膜を平面型の表示装置のスペーサ帯
電防止に対して説明したが、これに限らず他の用途にお
ける高抵抗膜として使用できることができる。
下基板との接触部に低抵抗膜を有することを特徴とする
ことにより、横方向の帯電電荷の分布を抑制することが
可能となる。また、低抵抗膜の抵抗値は、上下基板との
電気的接合が良好にする目的から、その面積抵抗として
前記高抵抗膜の抵抗値の1/10以下であり、かつ10
7[Ω/□]以下であることが望ましい。さらには、前
記電子放出素子は、冷陰極素子であり、さらには、電極
間に電子放出部を含む導電性膜を有する電子放出素子で
あり、さらに、表面伝導型電子放出素子であることを特
徴とすることが素子の構造が簡単でかつ高輝度がえられ
ることからより好ましい。
て前記電子放出素子から放出された電子を照射して画像
を形成する画像形成装置として、本提案を適用した電子
線装置を応用することができる。前記ターゲットとして
は、画像記録という観点からさまざまな材料により、潜
像を形成できるが、蛍光体から成ることにより安価に動
画像を記録表示できる。
態により製造したスペーサを適用した画像形成装置の表
示パネルの構成と製造法について、具体的な例を示して
説明する。
図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切り欠
いて示している。
は側壁、1017はフェースプレートであり、1015
〜1017により表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器を形成している。気密容器を組み立てるに
あたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保
持させるため封着する必要があるが、たとえばフリット
ガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中
で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することに
より封着を達成した。気密容器内部を真空に排気する方
法については後述する。また、上記気密容器の内部は1
0のマイナス6乗[Torr]程度の真空に保持される
ので、大気圧や不意の衝撃などによる気密容器の破壊を
防止する目的で、耐大気圧構造体として、スペーサ10
20が設けられている。
が固定されているが、該基板上には冷陰極素子1012
がn×m個形成されている(n、mは2以上の正の整数
であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定され
る。たとえば、高品位テレビジョンの表示を目的とした
表示装置においては、n=3000、m=1000以上
の数を設定することが望ましい。)。前記n×m個の冷
陰極素子は、m本の行方向配線1013とn本の列方向
配線1014により単純マトリクス配線されている。前
記、1011〜1014によって構成される部分をマル
チ電子ビーム源と呼ぶ。
は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子源であれ
ば、冷陰極素子の材料や形状あるいは製法に制限はな
い。したがって、たとえば表面伝導型放出素子やFE
型、あるいはMIM型などの冷陰極素子を用いることが
できる。
子(後述)を基板上に配列して単純マトリクス配線した
マルチ電子ビーム源の構造について述べる。
たマルチ電子ビーム源の平面図である。基板1011上
には、表面伝導型放出素子1012が配列され、これら
の素子は行方向配線1013と列方向配線1014によ
り単純マトリクス状に配線されている。行方向配線10
13と列方向配線1014の交差する部分には、電極間
に絶縁層(不図示)が形成されており、電気的な絶縁が
保たれている。
す。
あらかじめ基板上に行方向配線1013、列方向配線1
014、電極間絶縁層(不図示)、および表面伝導型放
出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行方向配
線1013および列方向配線1014を介して各素子に
給電して通電フォーミング処理(後述)と通電活性化処
理(後述)を行うことにより製造した。
1015にマルチ電子ビーム源の基板1011を固定す
る構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板1011が
十分な強度を有するものである場合には、気密容器のリ
アプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板1011自
体を用いてもよい。
は、蛍光膜1018が形成されている。本例はカラー表
示装置であるため、蛍光膜1018の部分にはCRTの
分野で用いられる赤、緑、青、の3原色の蛍光体が塗り
分けられている。各色の蛍光体は、たとえば図8の
(a)に示すようにストライプ状に塗り分けられ、蛍光
体のストライプの間には黒色の導電体1010が設けて
ある。黒色の導電体1010を設ける目的は、電子ビー
ムの照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが生
じないようにすることや、外光の反射を防止して表示コ
ントラストの低下を防ぐこと、電子ビームによる蛍光膜
のチャージアップを防止することなどである。黒色の導
電体1010には、黒鉛を主成分として用いたが、上記
の目的に適するものであればこれ以外の材料を用いても
良い。
図8(a)に示したストライプ状の配列に限られるもの
ではなく、たとえば図8(b)に示すようなデルタ状配
列や、それ以外の配列(例えば図8(c))であっても
よい。
る場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1018に用い
ればよく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくともよ
い。
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1019
を設けてある。メタルバック1019を設けた目的は、
蛍光膜1018が発する光の一部を鏡面反射して光利用
率を向上させることや、負イオンの衝突から蛍光膜10
18を保護することや、電子ビーム加速電圧を印加する
ための電極として作用させることや、蛍光膜1018を
励起した電子の導電路として作用させることなどであ
る。メタルバック1019は、蛍光膜1018をフェー
スプレート基板1017上に形成した後、蛍光膜表面を
平滑化処理し、その上にAlを真空蒸着する方法により
形成した。なお、蛍光膜1018に低電圧用の蛍光体材
料を用いた場合には、メタルバック1019は用いな
い。また、本例では用いなかったが、加速電圧の印加用
や蛍光膜の導電性向上を目的として、フェースプレート
基板1017と蛍光膜1018との間に、たとえばIT
Oを材料とする透明電極を設けてもよい。
り、各部の番号は図5に対応している。スペーサ102
0はスペーサ基体1の表面に低抵抗部材による電子源基
板に平行な電極16を成膜し、さらにその上に帯電防止
を目的とした高抵抗膜11を成膜し、かつフェースプレ
ート1017の内側(メタルバック1019等)および
基板1011の表面(行方向配線1013または列方向
配線1014)に面したスペーサの当接面3および接す
る側面部5に低抵抗膜21を成膜した部材からなるもの
で、上記目的を達成するのに必要な数だけ、かつ必要な
間隔をおいて配置され、フェースプレートの内側および
基板1011の表面に接合材1041により固定され
る。また、高抵抗膜は、スペーサ基体1の表面のうち、
少なくとも気密容器内の真空中に露出している面に成膜
されており、スペーサ1020上の低抵抗膜21および
接合材1041を介して、フェースプレート1017の
内側(メタルバック1019等)および基板1011の
表面(行方向配線1013または列方向配線1014)
に電気的に接続される。ここで説明される態様において
は、スペーサ1020の形状は薄板状とし、行方向配線
1013に平行に配置され、行方向配線1013に電気
的に接続されている。
上の行方向配線1013および列方向配線1014とフ
ェースプレート1017内面のメタルバック1019と
の間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、
かつスペーサ1020の表面への帯電を防止する程度の
導電性を有する必要がある。
は、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少し
たガラス、ソーダライムガラス、アルミナ等のセラミッ
クス部材等が挙げられる。なお、スペーサ基体1はその
熱膨張率が気密容器および基板1011を成す部材と近
いものが好ましい。
は、高抵抗膜11を高電位側のフェースプレート101
7(メタルバック1019等)および低電位側の基板1
011(配線1013、1014等)と電気的に接続す
るために設けられたものであり、以下では、中間電極層
(中間層)という名称も用いる。中間電極層(中間層)
は以下に列挙する複数の機能を有することができる。
17および基板1011と電気的に接続する。
ーサ1020表面での帯電を防止する目的で設けられた
ものであるが、高抵抗膜11をフェースプレート101
7(メタルバック1019等)および基板1011(配
線1013、1014等)と直接あるいは当接材104
1を介して接続した場合、接続部界面に大きな接触抵抗
が発生し、スペーサ表面に発生した電荷を速やかに除去
できなくなる可能性がある。これを避けるために、フェ
ースプレート1017、基板1011および当接材10
41と接触するスペーサ1020の当接面3あるいは当
接面と共に当接面に近い側面部5に低抵抗の中間層を設
けた。
る。
は、フェースプレート1017と基板1011の間に形
成された電位分布に従って電子軌道を成す。スペーサ1
020の近傍で電子軌道に乱れが生じないようにするた
めには、高抵抗膜11の電位分布を全域にわたって制御
する必要がある。高抵抗膜11をフェースプレート10
17(メタルバック1019等)および基板1011
(配線1013、1014等)と直接あるいは当接材1
041を介して接続した場合、接続部界面の接触抵抗の
ために、接続状態のむらが発生し、高抵抗膜11の電位
分布が所望の値からずれてしまう可能性がある。これを
避けるために、スペーサ1020がフェースプレート1
017および基板1011と当接するスペーサ端部(当
接面3あるいは側面部5)の全長域に低抵抗の中間層を
設け、この中間層部に所望の電位を印加することによっ
て、高抵抗膜11全体の電位を制御可能とした。
は、フェースプレート1017と基板1011の間に形
成された電位分布に従って電子軌道を成す。スペーサ近
傍の冷陰極素子から放出された電子に関しては、スペー
サを設置することに伴う制約(配線、素子位置の変更
等)が生じる場合がある。このような場合、歪みやむら
の無い画像を形成するためには、放出された電子の軌道
を制御してフェースプレート1017上の所望の位置に
電子を照射する必要がある。フェースプレート1017
および基板1011と当接する面の側面部5に低抵抗の
中間層を設けることにより、スペーサ1020近傍の電
位分布に所望の特性を持たせ、放出された電子の軌道を
制御することができる。
に低い抵抗値を有する材料を選択すればよく、Ni、C
r、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等
の金属、あるいは合金、およびPd、Ag、Au、Ru
O2、Pd−Ag等の金属や金属酸化物とガラス等から
構成される印刷導体、あるいはIn2O3−SnO2等の
透明導体およびポリシリコン等の半導体材料等より適宜
選択される。
向配線1013およびメタルバック1019と電気的に
接続するように、導電性をもたせる必要がある。すなわ
ち、導電性接着材や金属粒子や導電性フィラーを添加し
たフリットガラスが好適である。
nおよびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路と
を電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用
端子である。
方向配線1013と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビー
ム源の列方向配線1014と、Hvはフェースプレート
のメタルバック1019と電気的に接続している。
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10-7[Torr]程度
の真空度まで排気する。その後、排気管を封止するが、
気密容器内の真空度を維持するために、封止の直前ある
いは封止後に気密容器内の所定の位置にゲッター膜(不
図示)を形成する。ゲッター膜とは、たとえばBaを主
成分とするゲッター材料をヒーターもしくは高周波加熱
により加熱し蒸着して形成した膜であり、該ゲッター膜
の吸着作用により気密容器内は10-5〜10-7[Tor
r]の真空度に維持される。
装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないし
Dynを通じて各冷陰極素子1012に電圧を印加する
と、各冷陰極素子1012から電子が放出される。それ
と同時にメタルバック1019に容器外端子Hvを通じ
て数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上記
放出された電子を加速し、フェースプレート1017の
内面に衝突させる。これにより、蛍光膜1018をなす
各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示される。
型放出素子への1012への印加電圧は12〜16
[V]程度、メタルバック1019と冷陰極素子101
2との距離dは0.1[mm]から8[mm]程度、メ
タルバック1019と冷陰極素子1012間の電圧0.
1[kV]から10[kV]程度である。
び画像形成装置の概要を説明した。
子ビーム源として、前述した電極間の導電性膜に電子放
出部を有するタイプのn×m個(n=3072、m=1
024)の表面伝導型放出素子を、m本の行方向配線と
n本の列方向配線とによりマトリクス配線した電子ビー
ム源を用いた。
は以下のようにして得た。図1を用いて説明する。スペ
ーサの基材501としてS2=18mm2(9mm×2
mm)をもつガラス母材をv2=1mm/minの速度
でローラー504を用い送り込み、ヒーター502で約
700℃で軟化させ、ヒーター付近に配置された引き出
しローラー503にてv1=100mm/minとなる
ように引き出し、ブレード505にて長さが40mmに
なるように切断した。ここで引き出しローラー503の
表面には、#4000のサンドペーパーにより凹凸面が
形成されており、加熱延伸されると同時にガラスの基材
表面に凹凸を付けスペーサ基体を得るような一貫プロセ
スとなっている。次に、以上のようにしてその表面に凹
凸が形成されたスペーサ基体の表面に、帯電防止用の高
抵抗膜として、CrおよびAlのターゲットを高周波電
源で同時スパッタすることにより、Cr−Al合金窒化
膜を膜厚200nm形成した。スパッタガスはAr:N
2が1:2の混合ガスで全圧力は1mTorrである。
上記条件で同時成膜した膜のシート抵抗はR/□=2×
1010Ω/□であった。これに限らず本発明では種々の
帯電防止膜を使用することができる。
の方法により低抵抗膜を形成した。接続部となる領域
に、200μmの帯状に10nm厚のTi膜と200n
m厚のPt膜をどちらもスパッタにより気相形成した。
この際、Ti膜は、Pt膜の膜密着性を補強する下地層
として必要であった。こうして低抵抗膜付きスペーサを
得た。この時の低抵抗膜の膜厚は210nmであり、シ
ート抵抗は10Ω/□であった。
れており、凹凸形成部の膜の被覆性、連続性共に良好で
あった。
前述した図5に示す表示パネルを作成した。以下、図5
および図9を用いて記述する。まず、予め基板上に行方
向配線電極1013、列方向配線電極1014、電極間
絶縁層(不図示)、および表面伝導型放出素子の素子電
極と導電性薄膜を形成した基板1011をリアプレート
1015に固定した。次に、前記スペーサをスペーサ1
020として基板1011の5mm上方に、内面に蛍光
膜1018とメタルバック1019が付設されたフェー
スプレート1017を側壁1016を介し配置し、リア
プレート1015、フェースプレート1017、側壁1
016およびスペーサ1020の各接合部を固定した。
基板1011とリアプレート1015の接合部、リアプ
レート1015と側壁1016の接合部、およびフェー
スプレート1017と側壁1016の接合部は、フリッ
トガラス(不図示)を塗布し、大気中で400℃乃至5
00℃で10分以上焼成することで封着した。また、ス
ペーサ1020は、基板1011側では行方向配線10
13上に、フェースプレート1017側ではメタルバッ
ク1019面上に、導電性のフィラーあるいは金属等の
導電材を混合した導電性フリットガラス(不図示)を介
して配置し、上記気密容器の封着と同時に、大気中で4
00℃乃至500℃で10分以上焼成することで、接着
し、かつ電気的な接続もおこなった。
8は、図10に示すように、各色蛍光体31aが列方向
(Y方向)に延びるストライプ形状を採用し、黒色の導
電体31bは各色蛍光体(R,G、B)31a間だけで
なく、Y方向の各画素間をも分離するように配置された
蛍光膜が用いられ、スペーサ1020は、行方向(X方
向)に平行な黒色の導電体31b領域に内にメタルバッ
ク1019を介して配置された。なお、前述の封着を行
う際には、各色蛍光体21aと基板1011上に配置さ
れた各素子とを対応させなくてはいけないため、リアプ
レート1015、フェースプレート1017およびスペ
ーサ1020は十分な位置合わせを行った。
気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真
空度に達した後、容器外端子Dx1〜DxmとDy1〜
Dynを通じ、行方向配線1013および列方向配線1
014を介して各素子に給電して通電フォーミング処理
と通電活性化処理を行うことによりマルチ電子ビーム源
を製造した。次に10-6Torr程度の真空度で、不図
示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着し外囲器
(気密容器)の封止を行った。最後に、封止後の真空度
を維持するために、ゲッター処理を行った。
示されるような表示パネルを用いた画像形成装置におい
て、各冷陰極素子(表面伝導型放出素子)1012に
は、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通
じ、走査信号および変調信号を不図示の信号発生手段よ
りそれぞれ印加することにより電子を放出させ、メタル
バック1019には高圧端子Hvを通じて高圧を印加す
ることにより放出電子ビームを加速し、蛍光膜1018
に電子を衝突させ、各色蛍光体31aを励起・発光させ
ることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加
電圧Vaは3〜12kVの範囲で徐々に放電が発生する
限界電圧まで印加し、各配線1013、1014間への
印加電圧Vfは14Vとした。高圧端子Hvへの8kV
以上電圧を印加して連続駆動が1時間以上可能な場合
に、耐電圧は良好と判断した。
ペーサ近傍では耐電圧は良好と判断した。さらに、スペ
ーサに近い位置にある冷陰極素子1012からの放出電
子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光
スポット列が形成され、鮮明で色再現性の良いカラー画
像表示ができた。このことは、スペーサを設置しても電
子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかっ
たことを示している。
得る方法として、加熱延伸後に再加熱を施す点以外は実
施例1と同様にして、高抵抗膜付きスペーサを作製し
た。
11を用いて説明する。スペーサの基材501としては
実施例1と同様であり、実施例1と異なるのは、引き出
し側のローラー503の表面には実施例1で述べたよう
な凹凸は形成されておらず、このローラー503の下方
に補助加熱用ヒーター506とその表面に凹凸が形成さ
れた凹凸形成用ローラー507が設けられている点であ
るが、本実施例もまた一貫プロセスによってスペーサ基
体を得ようとするものである。
ドペーパーにより凹凸面が形成されており、ローラー5
03と507は等速度で回転するものである。この時、
実施例1と同様の加工によりローラー503によって引
き出されてきたガラス板を、切断前に補助加熱用のヒー
ター506により、約600℃に加熱し、凹凸形成用ロ
ーラー507で引き出しながら凹凸を転写する。その
後、ブレード505により40mmになるように切断
し、スペーサ基体を得た。
ペーサを形成した。
1と同様に画像表示パネルに組み込み,性能としても実
施例1と同等の結果が得られた。この場合、実施例1の
ように加熱延伸法の余熱のみを利用する構成に比べ、加
熱延伸装置と凹凸形成装置の装置設計のマージンが広が
る。
き出しローラー503を加熱したこと以外は実施例1と
同様にスペーサ基体を作成した。本実施例においては、
ローラー503を補足的に600℃に加熱し、凹凸を転
写した。
スペーサを形成した。
1と同様に画像表示パネルに組み込み、性能としても実
施例1と同等の結果が得られた。この場合、加熱延伸の
余熱だけを利用する構成よりも、装置の設計マージンが
広がる。
体は以下のようにして得た。図12を用いて説明する。
基材は実施例1と同様であり、実施例1と異なるのは、
引き出し側のローラー503の表面には実施例1で述べ
たような凹凸は形成されておらず、このローラー503
の後(下方)でサンドブラストによって凹凸を形成した
ことである。図12において、508はブラストノズル
で,それ以外は図1と同じである。ブラスト砥材は#2
000のアルミナ粒子でエアー圧200kPa(2.0
kgf/cm2)で20mmの位置からブラストしてい
る。
り込むことによってスペーサ基体を得た。得られた基板
の平均粗さは1200Åであった。
スペーサを形成した。
1と同様に画像表示パネルに組み込み、性能としても実
施例1と同等の結果が得られた。
図であり、図2はスペーサ基体の形成方法の概要図を示
す。
あるガラス母材、162は加熱延伸して引き出された基
材、502はヒーター、S2は基材161の断面積、ま
た、S1は基材162の断面積、V2は母材の送り速
度、V1はスペーサの引き出し速度である。
ペーサ断面S1と相似形に形成される。本実施例におい
ては、形成されるスペーサ断面サイズは、1.8mm×
0.2mmとし、基材は50倍のサイズで行った。ま
た、基材であるガラスにはPD200(旭硝子製)をも
ちい、炉の温度は約760℃とした。
2、及び基材の引き出し速度V1はガラス材の種類、加
工形状によるが、相似形比率は数倍から数百倍、温度は
ガラス母材の軟化点以上の温度であれば適用することが
可能であるが、一般的に用いる範囲といては500から
800℃である。また、基材の送り速度は、基材の引き
出し速度より少なくとも小さいことが必要であるが、最
適条件は任意に決められる。本実施例においては、V2
は1m/min、V1は10m/minで行った。
め金型を用いて溝を形成したものを用いた。
望の溝を形成することが出来た。
1と同様に画像表示パネルに組み込み,性能としても実
施例1と同等の結果が得られた。
161に予め凹凸溝を形成した場合、加熱延伸により引
き出された基材部分162には高精細な所望の凹凸溝が
形成されるので好ましい。また、基材161での凹凸溝
形成に若干の誤差が生じても、引き出された基材部分1
62の凹凸溝には問題ない程度まで誤差がキャンセルさ
れているため、基材161に予め凹凸溝を形成する際の
精度マージンが大きく取れ、歩留まり向上の効果が得ら
れる。
5は、本実施例を説明する図であり、図13はスペーサ
基体の形成方法の概要図を示す。図14は高抵抗膜形成
部の説明図、図15は中間電極層(中間層:低抵抗膜)
の説明図である。
162はスペーサ形状に引き出されたガラス材、502
は加熱装置、174はスプレーヘッド部、175はスプ
レーのコントローラ、176は転写ローラー、177は
転写用塗布液、163は引き出しローラである。また、
S2は母材161の断面積、また、S1はスペーサ16
2の断面積、V2は母材の送り速度、V1はスペーサの
引き出し速度である。
サ断面S1は相似形に形成される。本実施例において
は、形成されるスペーサ断面サイズは、1.6mm×
0.2mmとし、母材は12倍のサイズで行った。ま
た、ガラスにはPD200(旭硝子製)をもちい、炉の
温度は約720℃とした。
in、V1は6m/minで行った。
について説明する。
あり、図中181はスプレーヘッド、182は塗布溶液
供給ライン、183はガス供給ライン、184はスプレ
ーにより霧状なった塗布溶液、185は形成された高抵
抗膜を示す。
は、珪素と酸化すずのカルボン酸塩を金属の混合モル比
率で2:1にオクタン溶媒に10mol/リットルのカ
ルボン酸濃度で溶解した塗布液を用いた。スプレーヘッ
ド174より、スプレーのコントローラ175により制
御された窒素ガスにより、スペーサ162の両面に塗付
した。本実施例においては、重力の方向は引き出し方向
と略一致させ、スプレーヘッド181はスペーサ162
の塗布面に対し、約40℃に傾けてスプレーを行った。
なお、本実施例において、高抵抗膜形成部のスペーサの
表面温度を測定したところ400℃であった。
であり、且つ比抵抗105〜109Ωcm程度の値を示す
材料であれば、単一材料、複合材料とも各種材料を適用
することができる。
法について説明する。この中間電極層は、図9において
低抵抗膜21として示したものである。図15におい
て、191は転写用塗布液177を転写ローラ176の
表面に塗布するためのブレード、192は転写用塗布液
177の容器の一部、193は中間電極層である。
ーストを用いた。また、転写ローラには10μmピッチ
で深さ4μmのライン状溝を紙面と垂直方向に形成した
ものを用いた。なお、溝のピッチ及び転写ローラーの大
きさ、回転速度は、転写塗布液の粘度や粒子等の特性、
塗布厚さ、スペーサ基板の引っ張り速度V2により任意
の値を適宜選択することが可能である。なお、本実施例
において、中間電極層193を形成する高抵抗膜形成部
のスペーサの表面温度を測定したところ360℃であっ
た。
であり且つ105Ωcm以下の比抵抗を示すのであれば
各種材料を適宜選択して適用することが可能である。
さに切断し、実施例1と同様にして画像形成装置に適用
したところ、色ずれの少ない高品位の画像形成が実現さ
れた。
抗膜及び中間電極層(低抵抗膜)の形成に利用すること
により、熱利用効率を高めることが可能となった。ま
た、連続プロセスによりタクトタイムの低減が計られ
た。
中間電極層の形成を基板成形時の熱を利用して行った
が、乾燥にのみ熱を利用することも可能である。例え
ば、酸化物の粒子を分散させた液を塗布して高抵抗膜を
形成する様な場合などは、機能を得るために酸化物の結
晶成長が必要になる場合がしばしば生じる。このような
場合等は、乾燥のみ連続工程で行った後、別途焼成する
ことにより形成させることも可能である。この場合に
も、乾燥工程を連続して行うため、量産効率を上げるこ
とが可能である。
成したが、多層で形成する場合には、積層数にあわせ
て、スプレー塗布を行うことも可能である。
切削加工により溝を形成したものを用いた。本製法によ
り、スペーサ162の表面にも溝を形成することが出来
た。
を逆にすることも可能である。尚、以上のようにして得
られたスペーサを実施例1と同様に画像表示パネルに組
み込み、性能としても実施例1と同等の結果が得られ
た。
表面帯電を抑制できる表面構造を有するスペーサを簡単
な工程にて、低価格に製造する方法を提供することがで
きる。また、製品ばらつきの無いスペーサを低コストで
作製することができる。さらに、適当な高抵抗膜を成膜
することにより帯電を抑制したスペーサを提供すること
ができる。
を抑制した優れた表示品位の優れた画像形成装置等の電
子線装置を提供することができる。
の例を説明する図である。
の別の例を説明する図である。
の別の例を説明する図である。
スペーサの例を示す概略図である。
備えた画像形成装置の例を示す図である。
面図である。
部断面図である。
例示した平面図である。
面図である。
る。
を説明する図である。
施例を説明する図である。
施例を説明する図である。
る。
説明する図である。
素子) 1013 行方向配線(走査電極) 1014 列方向配線(信号電極) 1015 リアプレート 1016 側壁 1017 フェースプレート 1018 蛍光体 1019 メタルバック 1020 スペーサ 1102、1103 素子電極 1104 導電性薄膜 1105 電子放出部 1113 薄膜 1010 黒色導電材 1041 接合材
Claims (8)
- 【請求項1】 気密容器と、前記気密容器内に配置され
た、電子源及びスペーサとを備える電子線装置の前記ス
ペーサの製造方法であって、前記スペーサの基材を加熱
延伸する工程を有し、前記加熱延伸する工程において前
記基材の表面に所望の凹凸を形成することを特徴とする
電子線装置用スペーサの製造方法。 - 【請求項2】 更に、前記加熱延伸する工程を経て形成
された前記スペーサの基体の表面に導電性膜を形成する
工程を有する請求項1に記載の電子線装置用スペーサの
製造方法。 - 【請求項3】 気密容器と、前記気密容器内に配置され
た、電子源及びスペーサとを備える電子線装置の前記ス
ペーサの製造方法であって、前記スペーサの基材を加熱
延伸する工程を有し、前記加熱延伸する工程において前
記基材の表面に所望の凹凸と導電性膜とを形成すること
を特徴とする電子線装置用スペーサの製造方法。 - 【請求項4】 気密容器と、前記気密容器内に配置され
た、電子源及びスペーサとを備える電子線装置の前記ス
ペーサの製造方法であって、その表面に凹凸を有する前
記スペーサの基材を加熱延伸する工程を有することを特
徴とする電子線装置用スペーサの製造方法。 - 【請求項5】 気密容器と、前記気密容器内に配置され
た、電子源及びスペーサとを備える電子線装置の前記ス
ペーサの製造方法であって、前記スペーサの基材の表面
に凹凸を形成する工程と、前記凹凸が形成された基材を
加熱延伸する工程とを有することを特徴とする電子線装
置用スペーサの製造方法。 - 【請求項6】 前記電子線装置は、気密容器と、前記気
密容器内に配置された、電子源、前記電子源からの電子
の照射により画像を形成する画像形成部材、及び、スペ
ーサとを備える画像形成装置である請求項1〜5のいず
れかに記載の電子線装置用スペーサの製造方法。 - 【請求項7】 気密容器と、前記気密容器内に配置され
た、電子源及びスペーサとを備える電子線装置の製造方
法であって、前記スペーサが、請求項1〜5のいずれか
に記載の方法にて製造されることを特徴とする電子線装
置の製造方法。 - 【請求項8】 前記電子線装置は、気密容器と、前記気
密容器内に配置された、電子源、前記電子源からの電子
の照射により画像を形成する画像形成部材、及び、スペ
ーサとを備える画像形成装置である請求項7に記載の電
子線装置の製造方法。
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-
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