JP2001143604A - 電子放出素子及びこれを用いた画像表示装置 - Google Patents

電子放出素子及びこれを用いた画像表示装置

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JP2001143604A JP2000073243A JP2000073243A JP2001143604A JP 2001143604 A JP2001143604 A JP 2001143604A JP 2000073243 A JP2000073243 A JP 2000073243A JP 2000073243 A JP2000073243 A JP 2000073243A JP 2001143604 A JP2001143604 A JP 2001143604A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリッド電極への必要印加電圧を小さくし、
かつカソード電極からの電子放出を的確かつきめ細かく
制御できる電子放出素子を提供する。 【解決手段】 グリッド電極3とアノード電極との間に
存在する電界がグリッド電極3の電子通過用開口よりカ
ソード電極2側に滲み出し、当該滲み出した電界が前記
カソード電極2とグリッド電極3の間に存在する電界と
相互作用を及ぼし合って複合電界を形成するようにし、
かつ前記カソード電極2と前記アノード電極と前記グリ
ッド電極3の少なくとも1つの電極の電位を変化させる
ことにより前記複合電界の強度を変化させる電子放出制
御手段を具備したことを特徴とする電界放出型の電子放
電素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子を電界放出
させる冷陰極型の電子放出素子、およびこれを用いて構
成した画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディスプレイの薄型・コンパクト
化の要望の高まりとともに、高速動作が可能な微小電子
放出素子の開発が活発化している。電子放出素子の開発
は、「熱放出型」が先行していたが、高温に加熱する必
要が無く、低電圧でも電子を放出することができるとい
うことで、近年、「冷陰極型」の微小電子放出素子の研
究開発が盛んになっている。
【0003】このような背景にあって、特開平10−1
99398号公報では、従来に増して低電圧・低消費電
力駆動で安定的に高電流が得られ、かつ選択的に選ばれ
た位置から電子を放出させることのできる冷陰極型の素
子構造が提案されている。この素子は、図8aに示すよ
うに、基板211上にカソード電極であるグラファイト
層212をライン状に配置し、その上にカーボンナノチ
ューブ層からなる電子放出層213を設け、更に電子放
出層213の両側に絶縁領域214を設け、その上にラ
イン状のグリッド電極215を電子放出層213に直交
するように配置する構造を採用している。
【0004】このような構造であると、グリッド電極2
15に正、カソード電極212に負の電圧を印加した場
合、両者の交差する部分に電界が発生し交差部分のカソ
ード電極より電子が引き出される。したがって、電圧を
印加するラインを選択することにより、選択的に選ばれ
た位置から電子を放出させることができる。また、この
素子は、放出特性に優れたカーボンナノチューブで電子
放出層が構成されているので、低真空、低電圧で安定し
て大電流が得られるとされる。
【0005】しかしながら、この素子構造には次のよう
な課題が内在している。すなわち、 1)この素子は、電子引き出しの制御をカソードとグリ
ッドとの間の電位差のみで行っているので、電子引き出
しのために、グリッド電極に十分な電圧を印加しなけれ
ばならない。よって、十分な低駆動電圧を実現し難い。
【0006】2)この素子では、カソード電極とグリッ
ド電極が交差する対向面間に電界を発生させるので、カ
ソード電極面から放出された電子の多くは、その対向面
であるグリッド電極に流入してしまう。したがって、グ
リッド電極の上方に配置されるアノードに到達する電子
は電子通過孔の中心部を通るごく一部に過ぎない。よっ
て、放出電子の利用効率が悪い。
【0007】3)この素子では、グリッド電極の上方に
アノード電極が配置されることになるが、アノード電極
に電位が付加されると、グリッド電極のエッジ部に電界
集中が起きるので、グリッド215のエッジ部からの異
常放電が発生し易い。異常放電は、電子放出素子の信頼
性を著しく低下させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、アノ
ード電極とカソード電極の間、及びグリッド電極とカソ
ード電極の間の電界を複合させると、極めて効率よく電
子放出材料(カソード電極)から電子を引き出すことが
できること、及びグリッド電極の配置と形状を工夫する
ことにより、グリッド電極のエッジ部分からの異常放電
を防止できることを見い出し、本発明を完成させた。
【0009】本発明は、グリッド電極への印加電圧が小
さくとも大電流が取り出せ、かつカソード電極からの電
子放出量を的確かつきめ細かく制御できる電子放出素子
を提供すること、及びこの素子を用いて低消費電力で高
輝度表示の可能な薄型平面画像表示装置を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の構成
の本発明により解決できる。 (1)電子搬送部材と、前記電子搬送部材に固着された
電子放出部材からなるカソード電極と、前記カソード電
極から離隔して配置されたアノード電極と、前記カソー
ド電極と前記アノード電極との間に配置された、電子通
過用開口を有するグリッド電極と、を備えた電子放出素
子であって、前記カソード電極とアノード電極とグリッ
ド電極の3者の空間的位置及びそれぞれの形状は、前記
グリッド電極と前記アノード電極との間に存在する電界
が前記電子通過用開口よりカソード電極側に滲み出し、
当該滲み出した電界が前記カソード電極とグリッド電極
の間に存在する電界と相互作用を及ぼし合って複合電界
を形成するように構成されており、前記カソード電極と
前記アノード電極と前記グリッド電極の少なくとも1つ
の電極の電位を変化させることにより前記複合電界の強
度を変化させ、前記カソード電極からの電子放出量を制
御する電子放出制御手段を備える。
【0011】この構成は、カソード電極側に滲み出した
電界と、カソード電極とグリッド電極の間で発生された
電界とで複合電界を形成させ、この複合電界の強度を変
化させることにより、カソード電極からの電子の電界放
出を制御することを特徴とする。この制御方式の素子
は、従来の電界放出素子に比較し、格段に効率よく電界
放出させることができる。よって、低電圧駆動で応答性
よく、安定的に電子放出を行わせることができる。この
ような本発明電子放出素子の基本原理を図1に基づいて
説明する。
【0012】本発明電子放出素子は、複合電界が形成さ
れるように、カソード電極とアノード電極とグリッド電
極の3者の空間的位置及びそれぞれの形状が適正に規制
されており、さらに電子放出制御手段により上記複合電
界の強度を制御してカソード電極からの電子の放出量を
制御するが、この複合電界の特性および技術的意義は図
1によって明らかになる。
【0013】図1は、グリッド電極にアノード電極より
も遙に低い同一極性の電圧を印加した場合を想定し、こ
の場合における複合電極の状態を等電位面10・・で表
現した概念図である。図1に示すように、グリッド電極
3とアノード電極との間に存在する電界は、グリッド電
極3の電子通過用開口からカソード電極側に滲み出し、
かつこの滲み出した電界が、カソード電極2とグリッド
電極3の間で発生した電界と相互作用を及ぼし合って、
カソード電極側に凸の等電位面集合群を形成する。この
等電位面集合群が複合電界である。
【0014】図1の複合電界領域11は滲み出し電界の
影響範囲、すなわち複合電界の範囲を示す。複合電界領
域11内の等電位面集合群の各々の間隔は、図1に示す
ように、各々の等電位面の先端(谷)を結ぶ線上(谷線
上)で最も狭く、谷線から左右に離れるに従って等電位
面間隔が広くなっている。つまり、谷線上が最も電位差
の大きい点の集合となっており、谷線から左右に離れる
に従って電位差が小さくなっている。また、この谷線
は、アノード電極面およびカソード電極に直交してい
る。複合電界のこのような性状は、電子放出に際し次の
ような効果を生む。
【0015】先ず、谷線は他の部位よりも電位差が大き
いので、谷線がカソード電極と交わる谷線部分におい
て、カソード電極からの電子引き出し効果が大きくな
る。そして、引き出された電子は、最も電位差の大きい
谷線に誘導され、アノード電極にまで到達する。よっ
て、グリッド電極に吸収されることによる電子利用効率
の低下が少ない。つまり、複合電界を利用する本発明方
式によると、谷線がカソード電極から放出された電子を
安定的にアノード電極にまで導く、言わば電子飛行用ト
ンネルとして機能するので、より低いグリッド電極電圧
でもって電子を引き出すことができるとともに、引き出
した電子を効率よくアノード電極にまで到達させること
ができる。
【0016】複合電界を利用すると、カソード電極から
の電子引き出し効果等が顕著に高まることは、実験的に
確認されているが、個々の電界と複合電界との関係や複
合電界内の電位分布状態等については現在のところ十分
に明らかになっていない。なお、複合電界を利用しない
従来の素子における電位差は、図1の複合電界領域11
の外側に示した等電位面間隔となる。
【0017】以上に説明したように、上記本発明構成に
よると、アノード電極及びグリッド電極に印加する電圧
をカソード電極からの電子引き出しに極めて有効に活用
できるので、従来構造の電界放出型の素子に比較し、よ
り少ない電力でもってより多くの電子を安定的に引き出
すことができる。
【0018】(2)本発明は、更に次のように構成する
ことができる。前記グリッド電極の少なくともアノード
電極がわ面の仕事関数は、前記カソード電極の仕事関数
よりも大きいものとすることができる。この構成である
と、グリッド電極面よりアノード電極方向に電子が異常
放電されることを防止できる。
【0019】また、前記グリッド電極は、接地側から電
子が流れない電気回路を介して接地されたものとするこ
とができる。この構成であると、グリッド電極からの異
常放電を防止することができる。
【0020】また、グリッド電極の電子通過用開口の最
大開口長をdとし、カソード電極面より前記グリッド電
極のカソード電極側の面までの垂直距離をZ1とすると
き、前記グリッド電極は、少なくともd≧Z1 なる関係
が成立するように、前記カソード電極とアノード電極の
間に配置されているものとすることができる。この構成
であると、アノード電極とグリッド電極の間の電界をグ
リッド電極の電子通過用開口より滲み込ませ易い。
【0021】また、前記グリッド電極の電子通過用開口
近傍には、前記アノード電極からの電界集中を緩和する
電界集中緩和手段が施されているものとすることがで
き、この電界集中緩和手段としては、前記グリッド電極
の電子通過用開口のアノード電極側の周縁角部の仕事関
数を、グリッド電極の他の部分の仕事関数よりも大きく
する構成を採用することができる。また、前記グリッド
電極の電子通過用開口の少なくともアノード電極側の周
縁角部を面取りする構成を採用することができる。これ
らの構成の採用により、電子通過用開口近傍からの異常
放電を防止できる。
【0022】また、本発明構成における前記電子放出制
御手段は、前記カソード電極に対する前記アノード電極
の電位を一定とし、前記グリッド電極の電位を変化させ
ることにより、前記複合電界の強さを変化させるものと
することができる。本発明では、アノード電極側の電界
をグリッド電極の開口よりカソード電極側に滲み出さ
せ、グリッド電極とカソード電極との間に発生させた電
界とを複合化させる構成を採用しているが、この構成で
あると、グリッド電極の電位のみを変化させることによ
って、複合電界の特性や強度を変化させることができ、
これによってカソード電極からの電子の放出量を変化さ
せることができる。よって、アノード電極の電位を適切
に設定することにより、カソード電極からの電子放出量
を制御する電位としてのグリッド電極電位を極めて小さ
くできる。
【0023】また、前記電子放出制御手段は、前記カソ
ード電極に対する前記アノード電極の電位を、当該電位
のみでは前記カソード電極から前記アノード電極方向に
電子を電界放出させることのできない電位とし、前記グ
リッド電極の電位を前記アノード電極と同極性とし、当
該電位を変化させることにより、前記複合電界の強さを
変化させるものとすることができる。
【0024】カソード電極に対する前記アノード電極の
電位が当該電位のみでは前記カソード電極からアノード
電極方向に電子を電界放出させることのできない電位で
あっても、カソード電極とアノード電極とグリッド電極
の3者の空間的位置及びそれぞれの形状を適正に配置等
することにより、グリッド電極の電子通過用開口より電
界を滲み出させ、この滲み出し電極をグリッド電極とア
ノード電極との間の電界に作用させて複合電界を形成さ
せることができる。そして、この複合電界の強度等は、
電子放出制御手段でグリッド電極電位を変化させること
により変化させることができる。これにより、円滑にカ
ソード電極からの電子放出を制御することができる。
【0025】また、前記電子放出制御手段は、前記カソ
ード電極に対する前記アノード電極の電位を、当該電位
のみで前記カソード電極から前記アノード電極方向に電
子を電界放出させることのできる電位とし、前記グリッ
ド電極の電位を変化させることにより、前記複合電界の
強さを変化させるものとすることができる。この構成に
おいても上記と同様にカソード電極からの電子放出を制
御することができるが、この構成ではグリッド電極に印
加する電圧をプラス〜0〜マイナスの範囲で変化させて
電界放出を制御することができる。具体的には、カソー
ド電極からの電子の放出を制限する場合には、グリッド
電極にアノード電極と逆極性の電圧を印加し、引き出し
電子量をさらに増強させたい場合には、同極性の電圧を
印加することになる。
【0026】また、本発明構成における前記カソード電
極が、柱状に形成された電子放出部材からなり、前記柱
状の電子放出部材が、その先端方向の延長線が前記電子
通過用開口を通り前記アノード電極面に直交するように
配置されているものとすることができる。本発明による
と、前記図1に示すように電位差の大きい谷線がアノー
ド電極に対して垂直に形成される。よって、電子放出部
材を柱状とし、この部材を好ましくは谷線に一致させて
配置すると、柱状の電子放出部材の先端部分に電界集中
が生じるので、当該部分からの電子放出が容易となると
ともに、柱の側面においても等電位面密度が高いので効
率よく放電させることができる。つまり、上記構成であ
ると電位差の大きいゾーンを有効に活用できるので、よ
り低い駆動電圧でもって大電流の放電が可能になる。な
お、図1の複合電界の概念形状からして、柱状の電子放
出部材を複合電界領域内で谷線に並行に配置すれば、平
面状の電子放出部材を使用する場合よりも放電効率が良
くなる。
【0027】また、前記柱状の電子放出部材は、先端角
部の曲率半径をrとし、柱の最大幅をDとするとき、r
≦0.3Dなる関係が成立する形状とするのがよい。こ
の形状であると、電子放出部材の先端に電界集中が起き
るので好ましい。
【0028】また、グリッド電極の電子通過用開口の最
大開口長をdとし、柱状の電子放出部材の先端から前記
グリッド電極面までの垂直距離をZ1とするとき、前記
グリッド電極と前記カソード電極とは、d≧Z1 なる関
係が成立するように構成することができる。d≧Z1 と
すると、アノード電位の滲み込みが大きくなるので、好
ましい。
【0029】また、前記柱状の電子放出部材の前記電子
搬送部材面からの高さをLとし、その先端より前記グリ
ッド電極面までの垂直距離をZ1とするとき、前記グリ
ッド電極と前記カソード電極とは、Z1≦0.25Lな
る関係が成立するように構成するのがよい。この条件で
あると、アノード電位の滲み込みを一層有効に活用で
き、電子放出部材に対する電界集中を高めることができ
る。
【0030】また、前記柱状の電子放出部材は、その先
端角部の曲率半径をrとし、柱の最大幅をDとすると
き、r≦0.3Dなる関係が成立する形状であり、前記
柱状の電子放出部材の前記電子搬送部材面からの高さを
Lとし、その先端部より前記グリッド電極面までの垂直
距離をZ1とするとき、前記グリッド電極は、Z1≦
0.25Lなる関係が成立するように配置されており、
更にグリッド電極の電子通過用開口の最大開口長をdと
するとき、d≧Z1 なる関係が成立するように、前記電
子通過用開口の大きさが規定された構成とすることがで
きる。この構成であると、複合電界を極めて有効に活用
できるので、低電圧駆動で大電流放電を得ることができ
る電子放出素子を実現することができる。
【0031】また、前記カソード電極を構成する電子放
出部材は、カーボン系材料からなるものとすることがで
きる。
【0032】また、前記カソード電極を構成する電子放
出部材は、六炭素環のσ結合の切れたグラファイトを主
成分とするものとできる。六炭素環のσ結合の切れたグ
ラファイトは電子放出に指向性があり、電子放出材とし
て好都合である。
【0033】また、前記カソード電極を構成する電子放
出部材は、ひげ結晶性の物質を主成分とすることができ
る。ひげ結晶性の物質は電子放出性に優れるので好まし
い。
【0034】また、前記カソード電極を構成する電子放
出部材は、炭素繊維を主成分とすることができる。炭素
繊維は放出特性に優れかつ安価である点で好ましい。
【0035】また、前記カソード電極を構成する電子放
出部材は、カーボンナノチューブを主成分とすることが
できる。カーボンナノチューブは先端が丸く電子放出性
に優れるので好ましい。
【0036】また、前記カソード電極は、柱状の電子放
出部材が前記電子搬送部材面に複数固着されてなるもの
であり、前記複数の柱状の電子放出部材相互の間隔をP
とし、垂直高さが最も高い柱状の電子放出部材の先端か
ら前記グリッド電極面までの垂直距離をZ1とすると
き、前記複数の柱状の電子放出部材と前記グリッド電極
の間に、P≧0.5L、Z1≦0.25Lなる関係が成
立するように構成されたものとすることができる。複数
の電子放出部材を配したカソード電極を用いると、単一
の場合に比較し同一駆動電圧下において電子放出量を増
加させることができる。しかし、複数の電子放出部材の
配列間隔がその長さの半分未満となると、各々の電子放
出部材に対する電界集中が弱まるので、複数の電子放出
部材を設けた効果が相殺されてしまう。このため、複数
の電子放出部材を設けた効果を十分に得るためには、好
ましくはP≧0.5L、Z1≦0.25Lが成立するよ
うに構成する。
【0037】また、電子放出部材を複数配置した場合に
おいても、前記グリッド電極の少なくともアノード電極
がわ面の仕事関数は、前記カソード電極の仕事関数より
も大きいものとすることができる。グリッド電極のアノ
ード電極側の仕事関数を大きくすると、グリッド電極か
らの異常放電を防止できる。
【0038】また、電子放出部材を複数配置した場合に
おいても、グリッド電極の電子通過用開口の最大開口長
をdとし、垂直高さがLの柱状の前記電子放出部材の先
端より前記グリッド電極面までの垂直距離をZ1とする
とき、前記グリッド電極の電子通過用開口の最大開口長
dが、d≧Z1 なる関係が成立するように形成されたも
のとすることができる。
【0039】また、電子放出部材を複数配置した場合に
おいても、前記グリッド電極の電子通過用開口には、前
記アノード電極からの電界集中を緩和する電界集中緩和
手段が施されたものとすることができる。
【0040】また、電子放出部材を複数配置した場合に
おいても、前記電界集中緩和手段が、前記グリッド電極
の電子通過用開口のアノード電極側の周縁角部の仕事関
数を、グリッド電極の他の部分の仕事関数よりも大きく
したものとすることができる。
【0041】また、電子放出部材を複数配置した場合に
おいても、前記電界集中緩和手段が、前記グリッド電極
の電子通過用開口の少なくともアノード電極側の周縁角
部に面取りを施したものとすることができる。
【0042】また、電子放出部材を複数配置した場合に
おいても、前記グリッド電極は、接地側から電子が流れ
ない電気回路を介して接地されているものとすることが
できる。
【0043】また、電子放出部材を複数配置した場合に
おいても、前記カソード電極を構成する電子放出部材
は、カーボン系材料からなるものとすることができる。
【0044】また、電子放出部材を複数配置した場合に
おいても、前記カソード電極を構成する電子放出部材
は、六炭素環のσ結合の切れたグラファイトを主成分と
することができる。
【0045】また、電子放出部材を複数配置した場合に
おいても、前記カソード電極を構成する電子放出部材
は、ひげ結晶性の物質を主成分とするものとすることが
できる。
【0046】また、電子放出部材を複数配置した場合に
おいても、前記カソード電極を構成する電子放出部材
は、炭素繊維を主成分とするものとすることがきる。
【0047】また、電子放出部材を複数配置した場合に
おいても、前記カソード電極を構成する電子放出部材
は、カーボンナノチューブを主成分とするものとでき
る。
【0048】(3)本発明の画像表示装置は、次のよう
に構成される。複数の電子放出素子と、前記電子放出素
子の各々に接続され且つ前記各々の電子放出素子に電子
放出のための電気信号を伝達する回路と、前記電子放出
素子より放出された電子により画像を形成する画像形成
部と、を備えた画像表示装置において、前記電子放出素
子が前記請求項1ないし32の何れかに記載の電子放出
素子を用いる。
【0049】この構成であると、前記請求項1ないし3
2の何れかに記載の電子放出素子が上記した作用効果を
発揮するので、低駆動電圧で高精度の画像を得ることが
できる画像表示装置を実現することができる。
【0050】
【実施の形態】本発明の典型的な実施の形態について説
明する。なお、以下で使用する各図面においては、同一
機能の構成部材には同一の符号を付し、各実施例ごとで
の説明を省略する。
【0051】(実施の形態1)図2に基づいて実施の形
態1の電子放出素子を説明する。図2は素子の概略断面
図である。図中、5はソーダガラス等からなる絶縁性の
基板である。1は、基板5の上に形成された導電層から
なる電子搬送部材である。2は、電子搬送部材1の上に
固着された電子放出部材からなるカソード電極である。
3は、カソード電極2とアノード電極4との間に配置さ
れたグリッド電極である。6は、カソード電極からの電
子放出量を制御するための電子放出制御部(電子放出制
御手段)である。電子放出制御部6は、外部入力信号や
予め設定されたプログラムに基づいて各電極に印加する
電圧を可変する電気回路を有する。この回路は、同一極
性内で電圧を変化させるだけでなく、極性の反転を含む
正から負までの広い範囲で電圧を可変できるように構成
されている。
【0052】上記各部材の空間配置および形状は次のよ
うである。電子放出部材よりなるカソード電極2は、長
さ(高さ)L、最大幅Dの柱状物であり、その先端部分
はR形状である。そして、このR形状の曲率半径rは、
幅Dとの間にr≦0.3Dが成立するように構成されて
いる。
【0053】グリッド電極3は、直径dの電子通過用開
口を有しており、この開口が柱状のカソード電極2の先
端の延長線上に来るように位置合わせされ、更にカソー
ド電極2の先端からグリッド電極がわ面までの垂直距離
がZ1となるように位置合わせされて配置されている。
更にまた、上記開口径dは、垂直距離Z1との間にd≧
Z1が成立するように予め設計されており、カソード電
極2の長さLは、上記Z1との間には、Z1≦0.25
Lが成立するように予め設計されている。
【0054】アノード電極4は、上記グリッド電極3の
上面から垂直距離Z2の位置に配置されている。
【0055】更に実施の形態1の電子放出素子を詳細に
説明する。電子搬送部材1は、カソード電極2に電子を
搬送・供給する導電性の層であり、金属等の薄膜・厚膜
で構成され、その構造は一層、多層の何れでもよいが、
この実施例では一層のアルミニウム膜で構成されてい
る。
【0056】カソード電極2は、電子放出能力を有する
種々な材料を使用でき、このような材料としては例えば
炭素繊維、グラファイト、カーボンナノチューブ、ダイ
ヤモンドなどが例示できる。カソード電極2の形状につ
いては、平面的であってもよいが、電子放出効率の点か
ら柱状(角柱状、円柱状、または針状)とするのが好ま
しく、またその先端部分を丸くするのがよい。更に、カ
ソード電極(電子放出部材)の形状を柱状とした場合に
は、柱状のカソード電極の中心軸を含む線がアノード電
極と直交するように配置するのがよく、より好ましくは
上記中心軸線が前記図1の谷線に一致するように配置す
るのがよい。このように配置した場合、既に説明したよ
うに、カソード電極の先端部分に電界集中が起きるの
で、電子引き出しが容易であるとともに、電子が途中の
グリッド電極に流入することなく、谷線に沿ってアノー
ド電極にまで導かれるので、格段に電子の利用効率が高
まる。
【0057】ここで、この実施例では、カーボンナノチ
ューブ同士を結着してL=2mm、D=0.2mmの棒
状となし、その先端部を曲率半径r=0.04mm程度
のR形状に形成した柱状のカソード電極が使用されてい
る。また、グリッド電極3としては、直径3mmの電子
通過用開口(孔)の形成された板厚0.1mmのSUS
板(Ni−Cr鋼板)が使用されている。そして、この
グリッド電極3はカソード電極2の先端からZ1=0.
5mm(Z1≦0.25L)の位置に配置されている。
【0058】また、アノード電極4は、例えばITO
(indium tin oxide) などの透明導電体で構成され、そ
の表面に例えば高速蛍光体P22の層が形成されてい
る。カソード電極からの電子を受けて発光させるためで
ある。また、この実施例のアノード電極4は、グリッド
電極3から距離Z2を1mmとしてある。なお、上記の
高速蛍光体は、6〜10kVの高電圧で電子を引っ張
り、発光させるのに都合のよい発光体である。
【0059】電子搬送部材1に対する電子放出部材(カ
ソード電極2)の固着方法については特段の制限はない
が、例えば真空中での使用実績が多いビークルを用いて
結着するのがよい。また、例えば印刷法やフォトマスク
法、エンチング法などを用いて、直接電子搬送部材1上
に電子放出部材を形成することもできる。なお、上記ビ
ークルとしては、例えば酢酸イソアミル99%とニトロ
セルロース1%の混合物を例示できる。
【0060】次にこのようにして作製した電子放出素子
を実際に動作させて、その性能を検証した。具体的には
上記で作製した素子のアノード電極4に、単独でカソー
ド電極から電子を電界放出させることのできる電位を僅
かに下回る電位として8kV(一定)の電圧を印可し
た。そしてこの条件の下で、グリッド電極の電圧を0か
ら100V程度の範囲で変化させた。その結果、グリッ
ド電極3に40Vの正電圧を印加したとき、カソード電
極の放出電流が1μAとなった。
【0061】他方、アノード電極4に電圧を印加せず、
グリッド電極3にのみ電圧を印加する条件、すなわちア
ノード電極からの滲み込み電界が全くない条件で、グリ
ッド電極3の印加電圧を可変したところ、カソード電極
から電子を放出させるためには、600Vの電圧の印加
が必要であった。
【0062】以上の実験結果の比較から、実施の形態1
の電子放出素子は、複合電界を利用しない従来方式に比
べ、低電圧で駆動させることができることが確認され
た。
【0063】ところで、上記動作例のようにアノード電
極に、単独でカソード電極から電子を電界放出させるこ
とのできる電位を僅かに下回る電位を与えておき、この
条件の下でグリッド電極3の電圧を変化させると、低電
圧の印加でカソード電極1からの電子放出量を容易に変
化させることができるが、この理由は、次のように考え
られる。
【0064】カソード電極2から電子を引き出すには、
電界放出するしきい値以上の電界をカソード電極(電子
放出部材)に作用させることが必要であるが、上記構成
の素子では、アノード電極4に印加された電極により発
生する電界が、グリッド電極の電子通過用開口よりカソ
ード電極側に滲み出している。そして、この滲み出した
電界は、グリッド電極への電圧印加により発生した電界
と複合して複合電界を形成している。この複合電界は、
前記図1で説明したように、等電位面が密な谷線を有し
ており、この谷線がカソード電極面から電子を引き出す
のに寄与するので、小さいグリッド電極電位で極めて効
率よくカソード電極面から電子を引き出すことができ
る。また電子を効率よくアノード電極にまで到達させる
ことができる。
【0065】以上に説明したように実施の形態1の電子
放出素子は、アノード電極とグリッド電極の双方に電圧
を印加することにより、複合電界が形成されるように構
成されており、またこの複合電界の分布状態や強度を電
子放出制御手段6で制御できるように構成されている。
このような構造の素子であると、従来にない優れた電界
放出特性を得ることができる。
【0066】(実施の形態2)実施の形態2では、カソ
ード電極2を柱状の電子放出部材を複数用いて構成し
た。具体的には、図3に示すように長さL、最大幅Dの
電子放出部材を各々の柱の中心軸までの間隔をPとし、
複数個の電子放出部材2’を電子搬送部材1上に固着し
てカソード電極2となした。更に詳しくは最大幅D=
0.2mm、長さL=2mm、先端の曲率半径r=0.
04mmのカーボンナノチューブからなる円柱状の電子
放出部材を5本用意し、各々の電子放出部材間の中心軸
までの間隔P=1mmとして、電子搬送部材1上に並行
に固着した。このようにして作製したカソード電極2を
用い、他の条件については実施の形態1と同様にして、
実施の形態2にかかる電子放出素子を作製した。
【0067】ここで、上記間隔Pは、隣り合った電子放
出部材相互の干渉を少なくし、各々の電子放出部材に電
界を効果的に集中させる観点から、好ましくはP≧0.
5Lを満たすように構成する。この条件を充足する場合
には、そうでない場合に比較し、電界放出が効率よく進
行することが実験的に確認されているからである。
【0068】P≧0.5Lを満たすように構成した実施
の形態2にかかる電子放出素子に対し、実施の形態1に
おけると同様の条件、すなわちアノード電極の電圧を8
kV(一定)とし、グリッド電極に電圧を印加したとこ
ろ、同一のグリッド電極電圧においては、実施の形態1
の素子の約3倍の放電電流が得られることが確認され
た。なお、複数本の柱状の電子放出部材を配置したカソ
ード電極は、電子放出部材を1つ配置したカソード電極
に比較し、素子の組み立てのおける位置合わせ(電子放
出部材先端とグリッド電極の電子通過用開口との位置合
わせ等)精度の許容範囲が大きくなるので、その分、製
造作業性がよくなる。
【0069】(実施の形態3)実施の形態3の電子放出
素子は、アノード電極4の電位のみでカソード電極から
電子を電界放出させることのできる電位をアノード電極
4に付加する構成とした点で前記実施の形態1と異な
る。その他の事項については実施の形態1と同様であ
る。なお、この構成は電子放出制御手段6を介してアノ
ード電極4に所定の電圧を印加するようにすることによ
り実現される。
【0070】アノード電極4の電位のみでカソード電極
から電子を電界放出させることのできる電位がアノード
電極4に付加されている場合には、グリッド電極3に電
圧を印加しなくともカソード電極2からアノード電極4
に向かって電子が放出される。したがって、電子放出量
を抑制するには、グリッド電極3にアノード電極と異な
る極性の電位(負電位)を付加することになる。他方、
カソード電極からの放出量を更に増大させたい場合に
は、グリッド電極3にアノード電極と同極性の電位(正
電位)を付加する。このことからして、この構成の素子
は、グリッド電極3に印加する電位の種類、大きさを変
化させることにより、カソード電極からの電子放出量を
大きく変化させることが可能となる。つまり、この構成
によると、極めて応答性のよい電界放出素子を実現する
ことができる。
【0071】また、グリッド電極に付与された逆極性の
電位(負)は、グリッド電極の電子通過用開口に電子ビ
ームを収束させるように作用するので、この構成による
と、放出電子を効率よくアノード電極にまで到達させる
ことができる。
【0072】次に、実施の形態3の素子を実際に駆動し
その性能を検証した。すなわち、その電圧のみでカソー
ド電極2から電子を電界放出させることができる電位よ
りも若干高い電位である10kVをアノード電極4に印
可し、グリッド電極3の電位を変化させた。その結果、
グリッド電極3に50Vの負電圧を印加したとき、カソ
ード電極2から1μAの電流が放出されることが確認さ
れた。他方、アノード電極の電圧を0Vとし、カソード
電極から電子を引き出すに必要なグリッド電極の電圧を
調べたところ、その電圧は600Vであった。
【0073】この実験結果の比較により、実施の形態3
の素子構成によると、極めて小さい駆動電圧で電子の引
き出しを制御できることが実証できた。
【0074】(実施の形態4)実施の形態4では、グリ
ッド電極3の電子通過用開口3aの周縁に面取りを施
し、その他の事項については、実施の形態1と同様な構
造の電子放出素子を作製した。
【0075】この素子の概略断面図を図4に示す。ここ
で、面取りとは、角に斜面または丸味を付けることであ
る。このような面取りを電子通過用開口3aの周縁角に
施すと、周縁角における電界の集中が緩和される。よっ
て、開口角からの異常放電が抑制されるとともに、開口
角に優先してカソード電極2の先端に電界集中が起きる
ので、カソード電極2からの放電が円滑になされるよう
になる。
【0076】上記面取りの方法については特段の制限が
ないが、角に斜面を施す面取りにおいては、アノード電
極側の角に施すのが効果的である。異常放電はアノード
電極側で生じ易いからである。なお、面取り方法として
は、例えばグリッド電極の開口部分をエッチング液に浸
す方法が例示できる。
【0077】実施の形態4の電子放出素子について、実
施の形態1と同様な条件、すなわちアノード電極4に、
単独ではカソード電極2から電子を引き出すことができ
ない電位(8KV)を付加し、グリッド電極2に種々の
正電圧を印加する条件で、実際に駆動してその性能を検
証した。その結果、グリッド電極2に40Vの電圧を印
加したとき、カソード電極2に1μAの放電電流が生じ
ること、及び電子通過用開口3aから異常放電が全く発
生しないことが確認された。
【0078】ところで、実施の形態4では、電界集中緩
和手段として面取りを施したが、電界集中による開口角
の異常放電は、開口の周縁の仕事関数を他の部分よりも
大きくすることによっても防止できる。仕事関数が大き
ければ放電し難いからである。部分的に仕事関数を変え
る方法としては、例えば電子通過用開口3aの近傍に仕
事関数の大きい部材を張り付け(塗布を含む)ればよ
い。また、面取りした面に仕事関数の大きい部材を張り
付けることもできる。
【0079】(実施の形態5)実施の形態4と同様の構
造とし、単独でカソード電極より電子を放出させること
のできる電圧をアノード電極に印加し、グリッド電極3
に印加する電圧を可変する電子放出制御手段を備えた電
子放出素子を構成した。この素子を実働させてその性能
を検証した。
【0080】具体的には、単独でカソード電極より電子
が放出する電圧を若干上回る10KVの電圧をアノード
電極に印加し、グリッド電極3の印加電圧を変化させ
た。その結果、グリッド電極3に50Vの負電圧(アノ
ードと逆極性)を印加したとき、カソード電極2に1μ
Aの放出電流が確認された。また、グリッド電極の電圧
を負から正の範囲で変化させても、電子通過用開口3a
からの異常放電は全く発生しなかった。
【0081】(実施の形態6)実施の形態6にかかる電
子放出素子は、基本的には実施の形態1と同様な構造で
あるが、カソード電極とグリッド電極の仕事関数を規定
した点において、実施の形態1と異なる。すなわち、グ
リッド電極3の材料として、仕事関数がカソード電極2
を構成する電子放出部材の仕事関数より大きいものを用
いて素子を構成した。具体的には、カーボンナノチュー
ブで構成されたカソード電極2に対し、ニッケル板でグ
リッド電極3を構成した。
【0082】ここで、グリッド電極3の仕事関数をカソ
ード電極との仕事関数より大きくする条件は、必ずしも
単一材料で充足させる必要はない。例えば、カソード電
極がカーボンナノチューブ等の炭素系の電子放電部材で
構成されているとき、電子通過用開口を形成した板厚
0.1mmのSUS板(NI−Cr鋼板)の片面に厚み
5000Åの酸化アルミニウム膜を形成したものをグリ
ッド電極とする。そして、このグリッド電極の酸化アル
ミニウム膜側面をアノード電極に対向配置してグリッド
電極3とする。これにより上記条件を充足させることが
できる。この場合、電子通過用開口3aの内周面には、
酸化アルミニウム膜を形成しないようにするのがよい。
酸化アルミニウムは誘電体であるので、電子軌道の近
傍、すなわち電子通過用開口の内側面に酸化アルミニウ
ムが存在すると、帯電が発生する場合があり、この場合
には電子引き出し能力が低下するからである。
【0083】他方、上記とは逆に、電子通過用開口を形
成した板厚0.5mmの酸化アルミニウム板の片面にの
み5000Å厚のアルミニウム膜形成し、アルミニウム
膜面をカソード電極側に配置しグリッド電極3とするこ
ともできる。この場合には、電子通過用開口3aの内周
面にアルミニウム膜を形成するのがよい。但し、異常放
電を防止する観点から、アルミニウム膜は、酸化アルミ
ニウム板のアノード電極側の上端面より若干下がった位
置までとするのがよい。
【0084】このようにして作製した実施の形態6の素
子は、グリッド電極3の少なくともアノード電極がわ面
の仕事関数をカソード電極よりも大きくしてあるので、
電界集中による電子のトンネリングはカソード電極2
(電子放出部材)に起こり易い。つまり、グリッド電極
からの異常放電が生じにくいが、このことは駆動実験に
よっても確認した。
【0085】(実施の形態7)実施の形態7の電子放出
素子は、グリッド電極3に接地側から電子が流入しない
ようにする電気回路が組み込まれている点に特徴を有す
る。その他の構成については前記実施の形態1と同様と
した。
【0086】実施の形態7の素子の概略断面図を図5に
示す。この図に示すように、グリッド電極3には、接地
側から電子が流入しないように、ダイオード等の電気回
路が組み込まれている。
【0087】この構成の素子の製造方法を図6に基づい
て説明する。先ず、ソーダガラスからなる基板5上にア
ルミニウム膜(電子搬送部材1)を形成した(図7
a)。次に、電子搬送部材1の上にカーボンナノチュー
ブからなる電子放出部材を固着し、これをカソード電極
2となした(図7b)。
【0088】上記電子放出部材は、複数のカーボンナノ
チューブを長さ(高さ)L=2mm、最大幅D=0.2
mmの形状に結着し、その先端を曲率半径r=0.04
mmに加工したものであり、電子搬送部材1への固着
は、酢酸イソアミル99%とニトロセルロース1%の混
合物を電子搬送部材1上に塗布し、その上にカーボンナ
ノチューブからなる電子放出部材を配設する方法によっ
た。
【0089】更に図7cに示すように、電子放出部材
(カソード電極2)の先端から垂直距離Z1=0.5m
mを隔ててグリッド電極3を配置した。グリッド電極3
は、板厚0.1mm、電子通過用開口孔の孔径d=φ3
mmのSUS板(Ni−Cr鋼板)を用いた。
【0090】更に、カソード電極との対向面に蛍光体が
塗布されたアノード4を、グリッド電極3から垂直距離
Z2=0.5mmで配置した。最後に、各電極への印加
電圧を制御する電子放出制御部(電子放出制御手段)を
電子搬送部材1、グリッド電極3、アノード電極4に接
続し、実施の形態7の電子放出素子を完成させた。
【0091】ここで、上記電子放出制御部は、アノード
電極4に、電子加速電圧として、それ単独(グリッド電
極電圧0の場合)でカソード電極2から電子を電界放出
させることのできる電位よりも若干低い電位が印加され
るように構成されており、グリッド電極3には、電子引
き出しに対して順方向となるような可変電圧(正電圧)
が印加されるように構成され、更にグリッド電極3に接
地側から電子が流入しない構成(ダイオードの組み込
み)になっている。
【0092】以上のようにして構成した実施の形態7の
素子は、アノード電極4に印加した電圧により発生する
電界が電子通過用開口3aよりカソード電極側に滲み出
し、グリッド電極3に印加した電圧により発生する電界
と複合して複合電界を形成し、この複合電界の分布形状
や強度が変化して、カソード電極2から放出される電子
量を制御する構成になっている。複合電界を利用して電
子放出を制御するこの素子は、複合電界を用いない従来
の電子放出素子に比較し、格段に低い駆動電圧で安定的
に電子放出を制御できる。しかも、この素子はグリッド
電極3に接地側から電子が流入しない構成になっている
ので、異常放電が生じることもない。
【0093】(実施の形態8)実施の形態8は、画像表
示装置に関する実施例であり、この実施例の装置には、
実施の形態1〜7に記載した電子放出素子が使用でき
る。ここでは実施の形態1の素子を使用した。
【0094】先ず、図7cに基づいて、実施の形態8の
画像表示装置の概要を説明する。図7中、101は電子
搬送部材、102は電子放出部材(カソード電極)、1
03はグリッド電極、104はアノード電極を兼ねるア
ノード側基板、105はカソード側基板、106は側壁
である。この装置は、カソード側基板105とアノード
側基板104と側壁106とで密閉構造が構築されてお
り、装置内部は真空に保たれている。
【0095】また、この装置は、各々の電子放出素子1
10・・を個別に制御する個別制御手段を有しており、
個別制御手段により選択されたグリッド電極103に電
圧が印加され、当該グリッド電極103が属する電子放
出素子110において、電子放出がなされるように構成
されている。
【0096】また、アノード電極104の内側面(カソ
ード電極がわ面)には蛍光体層が形成されている。よっ
て、カソード電極102から放出された電子がアノード
電極104に到達すると、アノード電極面が発光する。
そして、この装置では、前記個別制御手段により個々の
素子ごとに発光の有無や程度を制御できるように構成さ
れているので、全体として任意の映像が表示できる。
【0097】次にこの装置の製造方法を図7a〜cを参
照しながら説明する。先ずカソード側基板105上に電
子搬送部材101・・を所定の間隔で形成し(図7
a)、それぞれの電子搬送部材101・・の上に柱状の
電子放出部材(カソード電極102・・)を固着する。
次いでグリッド電極103・・を前記電子放出部材に位
置合わせして配置し、更に側壁106を配置する(図7
b)。この後、外囲器の一部を兼ねるアノード側基板1
04を配置し、各々の電極に個別制御手段を接続し、密
閉容器を完成する(図7c)。その後、容器内の空気を
抜き、画像表示装置を完成させる。
【0098】この装置は、低電圧駆動で大電流を取り出
すことができる複合電界方式の実施の形態1の電子放出
素子を用いているので、低い消費電力で高輝度画像を得
ることができる。
【0099】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明では、ア
ノード電極からの滲み出し電界とグリッド電極で発生さ
せた電界とを複合させた複合電界を利用して、カソード
電極から電子を引き出す方式を採用し、更に電子放出手
段を設けて、上記複合電界の分布形状および強度を適正
に変化させ、カソード電極からの電子の放出を制御する
構成を採用する。
【0100】このような構成の本発明によると、複合電
界が電子の引き出しに極めて有効に作用するので、低電
圧でもって的確かつきめ細かく電子放出を制御できる電
子放出素子を実現することができる。
【0101】また、この電子放出素子を用いることによ
り、低消費電力で高輝度表示が可能な薄型平面画像表示
装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための概念図である。
【図2】実施の形態1にかかる電子放出素子の断面模式
図である。
【図3】実施の形態2にかかる電子放出素子のカソード
電極部分の断面模式図である。
【図4】実施の形態4にかかる電子放出素子の断面模式
図である。
【図5】実施の形態7にかかる電子放出素子の断面模式
図である。
【図6】実施の形態7にかかる電子放出素子の製造工程
を説明するための断面模式図である。
【図7】実施の形態8にかかる画像表示装置の製造工程
を説明するための断面模式図である。
【図8】従来技術にかかる電子放出素子の構造を示す図
であり、aは全体構造を示す斜視図、bは部分断面図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 浩二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C031 DD17 5C036 EE01 EE19 EF01 EF06 EF08 EG02 EG12

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子搬送部材と、 前記電子搬送部材に固着された電子放出部材からなるカ
    ソード電極と、 前記カソード電極から離隔して配置されたアノード電極
    と、 前記カソード電極と前記アノード電極との間に配置され
    た、電子通過用開口を有するグリッド電極と、 を備えた電子放出素子であって、 前記カソード電極とアノード電極とグリッド電極の3者
    の空間的位置及びそれぞれの形状は、 前記グリッド電極と前記アノード電極との間に存在する
    電界が前記電子通過用開口よりカソード電極側に滲み出
    し、当該滲み出した電界が前記カソード電極とグリッド
    電極の間に存在する電界と相互作用を及ぼし合って複合
    電界を形成するように構成されており、 前記カソード電極と前記アノード電極と前記グリッド電
    極の少なくとも1つの電極の電位を変化させることによ
    り前記複合電界の強度を変化させ、前記カソード電極か
    らの電子放出量を制御する電子放出制御手段を備えたこ
    とを特徴とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】前記グリッド電極の少なくともアノード電
    極がわ面の仕事関数は、前記カソード電極の仕事関数よ
    りも大きい、 請求項1に記載の電子放出素子。
  3. 【請求項3】前記グリッド電極は、接地側から電子が流
    れない電気回路を介して接地されている、 請求項1又は2に記載の電子放出素子。
  4. 【請求項4】グリッド電極の電子通過用開口の最大開口
    長をdとし、カソード電極面より前記グリッド電極のカ
    ソード電極側の面までの垂直距離をZ1とするとき、 前記グリッド電極は、少なくともd≧Z1 なる関係が成
    立するように、前記カソード電極とアノード電極の間に
    配置されている、 請求項1、2、又は3に記載の電子放出素子。
  5. 【請求項5】前記グリッド電極の電子通過用開口近傍に
    は、前記アノード電極からの電界集中を緩和する電界集
    中緩和手段が施されている、 請求項1、2、3、又は4に記載の電子放出素子。
  6. 【請求項6】前記電界集中緩和手段は、前記グリッド電
    極の電子通過用開口のアノード電極側の周縁角部の仕事
    関数を、グリッド電極の他の部分の仕事関数よりも大き
    くすることである、 請求項5に記載の電子放出素子。
  7. 【請求項7】前記電界集中緩和手段は、前記グリッド電
    極の電子通過用開口の少なくともアノード電極側の周縁
    角部を面取りすることである、 請求項5に記載の電子放出素子。
  8. 【請求項8】前記電子放出制御手段は、前記カソード電
    極に対する前記アノード電極の電位を一定とし、前記グ
    リッド電極の電位を変化させることにより、前記複合電
    界の強さを変化させるものである、 請求項1乃至7の何れかに記載の電子放出素子。
  9. 【請求項9】前記電子放出制御手段は、前記カソード電
    極に対する前記アノード電極の電位を、当該電位のみで
    は前記カソード電極から前記アノード電極方向に電子を
    電界放出させることのできない電位とし、 前記グリッド電極の電位を前記アノード電極と同極性と
    し、当該電位を変化させることにより、前記複合電界の
    強さを変化させるものである、 請求項1乃至7の何れかに記載の電子放出素子。
  10. 【請求項10】前記電子放出制御手段は、前記カソード
    電極に対する前記アノード電極の電位を、当該電位のみ
    で前記カソード電極から前記アノード電極方向に電子を
    電界放出させることのできる電位とし、 前記グリッド電極の電位を変化させることにより、前記
    複合電界の強さを変化させるものである、 請求項1乃至7の何れかに記載の電子放出素子。
  11. 【請求項11】前記グリッド電極の電位が、前記アノー
    ド電極の電位と逆極性である、 請求項10に記載の電子放出素子。
  12. 【請求項12】前記カソード電極は、柱状に形成された
    電子放出部材からなり、 前記柱状の電子放出部材は、その先端方向の延長線が前
    記電子通過用開口を通り前記アノード電極面に直交する
    ように配置されている、 請求項1乃至11の何れかに記載の電子放出素子。
  13. 【請求項13】前記柱状の電子放出部材は、先端角部の
    曲率半径をrとし、柱の最大幅をDとするとき、r≦
    0.3Dなる関係が成立する形状である、 請求項12に記載の電子放出素子。
  14. 【請求項14】グリッド電極の電子通過用開口の最大開
    口長をdとし、柱状の電子放出部材の先端から前記グリ
    ッド電極面までの垂直距離をZ1とするとき、 前記グリッド電極と前記カソード電極とは、d≧Z1 な
    る関係が成立するように構成されている、 請求項12に記載の電子放出素子。
  15. 【請求項15】前記柱状の電子放出部材の前記電子搬送
    部材面からの高さをLとし、その先端より前記グリッド
    電極面までの垂直距離をZ1とするとき、 前記グリッド電極と前記カソード電極とは、Z1≦0.
    25Lなる関係が成立するように構成されている、 請求項12に記載の電子放出素子。
  16. 【請求項16】前記柱状の電子放出部材は、その先端角
    部の曲率半径をrとし、柱の最大幅をDとするとき、r
    ≦0.3Dなる関係が成立する形状であり、 前記柱状の電子放出部材の前記電子搬送部材面からの高
    さをLとし、その先端部より前記グリッド電極面までの
    垂直距離をZ1とするとき、前記グリッド電極は、Z1
    ≦0.25Lなる関係が成立するように配置されてお
    り、 更にグリッド電極の電子通過用開口の最大開口長をdと
    するとき、d≧Z1なる関係が成立するように、前記電
    子通過用開口の大きさが規定されている、 請求項12に記載の電子放出素子。
  17. 【請求項17】前記カソード電極を構成する電子放出部
    材は、カーボン系材料からなる、 請求項16に記載の電子放出素子。
  18. 【請求項18】前記カソード電極を構成する電子放出部
    材は、六炭素環のσ結合の切れたグラファイトを主成分
    とする、 請求項16に記載の電子放出素子。
  19. 【請求項19】前記カソード電極を構成する電子放出部
    材は、ひげ結晶性の物質を主成分とする、 請求項16に記載の電子放出素子。
  20. 【請求項20】前記カソード電極を構成する電子放出部
    材は、炭素繊維を主成分とする、 請求項16に記載の電子放出素子。
  21. 【請求項21】前記カソード電極を構成する電子放出部
    材は、カーボンナノチューブを主成分とする、 請求項16に記載の電子放出素子。
  22. 【請求項22】前記カソード電極は、柱状の電子放出部
    材が前記電子搬送部材面に複数固着されてなるものであ
    り、 前記複数の柱状の電子放出部材相互の間隔をPとし、垂
    直高さが最も高い柱状の電子放出部材の先端から前記グ
    リッド電極面までの垂直距離をZ1とするとき、前記複
    数の柱状の電子放出部材と前記グリッド電極の間に、P
    ≧0.5L、Z1≦0.25Lなる関係が成立するよう
    に構成されている、 請求項1乃至11の何れかに記載の電子放出素子。
  23. 【請求項23】グリッド電極の電子通過用開口の最大開
    口長をdとし、垂直高さがLの柱状の前記電子放出部材
    の先端より前記グリッド電極面までの垂直距離をZ1と
    するとき、 前記グリッド電極の電子通過用開口の最大開口長dが、
    d≧Z1 なる関係が成立するように形成されている、 請求項22に記載の電子放出素子。
  24. 【請求項24】前記カソード電極を構成する電子放出部
    材は、カーボン系材料からなる、 請求項22又は23の何れかに記載の電子放出素子。
  25. 【請求項25】前記カソード電極を構成する電子放出部
    材は、六炭素環のσ結合の切れたグラファイトを主成分
    とする、 請求項22又は23の何れかに記載の電子放出素子。
  26. 【請求項26】前記カソード電極を構成する電子放出部
    材は、ひげ結晶性の物質を主成分とする、 請求項22又は23の何れかに記載の電子放出素子。
  27. 【請求項27】前記カソード電極を構成する電子放出部
    材は、炭素繊維を主成分とする、 請求項22又は23の何れかに記載の電子放出素子。
  28. 【請求項28】前記カソード電極を構成する電子放出部
    材は、カーボンナノチューブを主成分とする、 請求項22又は23の何れかに記載の電子放出素子。
  29. 【請求項29】複数の電子放出素子と、前記電子放出素
    子の各々に接続され且つ前記各々の電子放出素子に電子
    放出のための電気信号を伝達する回路と、前記電子放出
    素子より放出された電子により画像を形成する画像形成
    部と、を備えた画像表示素子において、 前記電子放出素子が前記請求項1乃至28の何れかに記
    載の電子放出素子であることを特徴とする画像表示装
    置。
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WO2009031755A1 (en) * 2007-09-07 2009-03-12 Electronics And Telecommunications Research Institute The field emission device
KR100989420B1 (ko) * 2003-11-28 2010-10-26 삼성에스디아이 주식회사 전계 방출 표시장치

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