JP2001141197A - 高圧気体貯蔵施設および高圧気体貯蔵施設における漏洩検知方法 - Google Patents
高圧気体貯蔵施設および高圧気体貯蔵施設における漏洩検知方法Info
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Abstract
トで、なおかつ、適用条件に制約なく実現可能であるよ
うな高圧気体貯蔵施設を提供する。 【解決手段】 ライニング材3の外面に沿って、非良導
体により形成されたモニタリング管5,5,…を配置
し、これらモニタリング管5,5,…に、岩盤R内に向
けて開口した孔部を形成して、この孔部により、岩盤R
中の地下水Wを内部に導入可能な構成とし、モニタリン
グ管5の一端5aおよび他端5bの内部に、それぞれ電
極10,10を地下水Wに浸漬した状態で配置し、電極
10,10を、比抵抗測定手段11に対して接続した。
Description
空洞を形成し、この空洞の内面をライニング材により覆
うことにより、ライニング材の内部を、圧縮空気や天然
ガスなどの高圧気体を貯蔵するためのタンクとして形成
した高圧気体貯蔵施設、および、このような施設におけ
る高圧気体の漏洩検知方法に関するものである。
この空洞内を圧縮空気や天然ガスなどの高圧気体を貯蔵
するタンクとして利用する施設が、近年実現している。
この種の施設においては、高圧気体が施設外部に拡散す
ることを防止するために、高度な漏洩防止の管理が必要
とされている。
防止の管理の方法としては、以下に示すようなものが提
案されている。 受入/払出量管理 施設の貯蔵圧、貯蔵温度より算出される高圧気体の貯蔵
量と、高圧気体の受入/払出量の累計量を比較し、これ
らの値の差により漏洩を検知する方法。 ガス検知センサー 貯蔵施設周辺の地盤内にガス検知用のセンサーを埋設
し、漏洩したガスを検知する方法。または、貯蔵した高
圧気体にトレーサーを添加しておき、このトレーサーを
センサーにより検知する方法。 地下水、地中ガスモニタリング 貯蔵施設周辺に観測用の坑井、ボーリング孔を設置して
おき、ここで採取した地下水、地中ガスに含まれる貯蔵
ガスの濃度により漏洩を検知する方法。 その他 漏洩に伴って発生する音を検知する方法(アコースティ
ックエミッション)、温度変化などを計測することによ
り漏洩を検知する方法。
ような漏洩防止の管理方法は、それぞれ以下のような問
題点を有している。まず、の方法については、漏洩の
検知精度が、貯蔵圧、貯蔵温度、受入/払出流量の計測
精度に依存するために、一般に検知精度が低く、また、
漏洩の有無は検知できても、漏洩箇所については、全く
情報が得られないという問題点がある。
捉できる点で、の方法より検知精度が高く、検出位置
により漏洩箇所をある程度予測することが可能である
が、漏洩したガスがセンサー、または観測孔まで到達す
るまでは漏洩が検出されないため、漏洩発生から検知ま
でにタイムラグがある。また、漏洩したガスを高い確率
で捕捉するためには、センサー、観測孔を高い密度で配
置する必要があり、設備が高額となる可能性がある。
に検知する点で有利であるが、漏洩に伴って大きな音、
温度変化が生じるような条件の場合にのみ有効であり、
適用上の制限がある。
磁探査などによって地盤の比抵抗分布を計測することに
より、漏洩気体の拡散領域(不飽和領域)を間接的に検
知する方法も考えられるが、これらの手法では、地盤内
のかなりの部分が不飽和にならないと比抵抗の変化が検
出できず、少量、または、局所的な漏洩を検知すること
は困難と考えられる。
ものであり、貯蔵気体の漏洩の検知が、高精度に、低コ
ストで、なおかつ、適用条件に制約なく実現可能である
ような高圧気体貯蔵施設および漏洩検知方法を提供する
ことを課題とする。
に本発明においては以下の手段を採用した。すなわち、
請求項1記載の発明は、地盤内を掘削して空洞を形成
し、該空洞の内面をライニング材により覆うことによ
り、該ライニング材の内部を、高圧気体を貯蔵するため
のタンクとして形成した高圧気体貯蔵施設であって、前
記ライニング材の外面に沿って、モニタリング管が配置
され、該モニタリング管は、非良導体により形成される
とともに、前記地盤内に向けて開口した孔部により前記
地盤中の地下水を内部に導入可能な構成とされ、該モニ
タリング管の両端の内部には、それぞれ電極が配置さ
れ、該電極は、前記地下水に浸漬されるとともに、これ
ら電極間の比抵抗を測定するための比抵抗測定手段に対
して接続されていることを特徴としている。
から気体の漏洩が生じた場合に、漏洩気体がモニタリン
グ管の内部に侵入すると、モニタリング管内部に満たさ
れた地下水が漏洩気体により分断されることにより、モ
ニタリング管の両端で測定される比抵抗が増加すること
となる。したがって、この比抵抗の増加を検出すること
により、逆に、気体の漏洩を検知することができる。
圧気体貯蔵施設であって、複数の独立した前記モニタリ
ング管を備えてなり、これらモニタリング管は、前記ラ
イニング材の外面における互いに異なる位置にそれぞれ
配置されていることを特徴としている。
モニタリング管における比抵抗を比較することにより、
ライニング材のどの部分において気体の漏洩が生じてい
るかを検知することが可能である。
空洞を形成し、該空洞の内面をライニング材により覆う
ことにより、該ライニング材の内部を、高圧気体を貯蔵
するためのタンクとして形成した高圧気体貯蔵施設にお
いて適用されて、前記高圧気体の漏洩を検知するための
方法であって、非良導体によって形成されたモニタリン
グ管を、前記ライニング材の外面に沿って配置するとと
もに、該モニタリング管の内部に、前記地盤中の地下水
を導入し、さらに、前記モニタリングの両端の内部に、
電極を前記地下水に浸漬された状態でそれぞれ配置し
て、これら電極間の比抵抗を測定しておき、前記比抵抗
が増大したことにより、前記高圧気体の漏洩を検知する
ことを特徴としている。
気体が、モニタリング管の内部に満たされた地下水を分
断することにより、モニタリング管の両端において検出
される比抵抗を増大させることを利用して、気体の漏洩
を検出するものであり、簡便な設備により実現可能であ
る。
面に基づいて説明する。図1は、地中に形成された貯蔵
施設1の概略構成を模式的に示す図である。この貯蔵施
設1は、岩盤R内に高圧気体Gを貯蔵するためのもので
あり、岩盤R内を掘削して空洞2を形成し、この空洞2
の内面をライニング材3により覆うとともに、ライニン
グ材3の内部を高圧気体(圧縮空気、天然ガスなど)を
貯蔵するためのタンク4として形成したものとなってい
る。
ング材3と岩盤Rとの間に、裏込めコンクリートCが充
填されており、さらに、裏込めコンクリートCの外側に
は、複数の互いに独立したモニタリング管5,5,…
が、ライニング材3の外面に沿った状態で配置されてい
る。
下端3aの外面から上端3bの外面を通って再び下端3
aの外面に沿った位置に至るループ部6と、ループ部6
の両端6a,6aにその一端7a,7aが接続された一
対の延出部7,7とを備えた構成となっている。また、
延出部7の他端7b,7bは、貯蔵施設1にアクセスす
るための坑道8内に配置されており、モニタリング管5
は、延出部7の他端7b(モニタリング管5の一端5
a)から、ループ部6を通って、再び延出部7の他端7
b(モニタリング管5の他端5b)へ循環する構成とな
っている。さらに、これら複数のモニタリング管5,
5,…のループ部6,6,…は、ライニング材3の外面
の互いに異なる位置に沿って配置されている。
極めて小さい非良導体(ポリ塩化ビニル、プラスチック
など)を材質とする有孔管からなるものであり、その図
示しない孔部が岩盤R内に向けて開口し、この孔部によ
り岩盤Rに滞留する地下水Wを内部に導入可能となって
いる。これにより、モニタリング管5は、地下水Wによ
ってその内部が満たされた状態となっている。
他端5bの内部には電極10,10が、地下水Wに浸漬
された状態で配置されている。これら電極10,10
は、電極10,10間の比抵抗を測定するための比抵抗
測定手段11に対して接続されている。
12に直列に接続された電流計13と、これら電源12
および電流計13と並列に接続された電圧計14とを備
えてなるものであり、電極10,10に対して通電を行
い、この際の電圧値、電流値と電極の表面積等から、電
極10,10間の比抵抗を測定することが可能となって
いる。
圧気体の漏洩があった際には、以下のように機能する。
図3は、タンク4内の貯蔵気体の圧力により、岩盤R内
に亀裂15が生じた際の状況を模式的に示す図である。
このような亀裂15が、裏込めコンクリートCにまで到
達した場合、図中に示すように、亀裂15と裏込めコン
クリートCの外側に設けられたモニタリング管5とが連
通することとなる。
大して、ライニング材3を破損させ、ライニング材3に
漏洩箇所16が形成された場合、高圧気体Gが亀裂15
を通じてモニタリング管5の内部に進入し、これによ
り、モニタリング管5の内部に満たされた地下水Wが高
圧気体Gにより、漏洩箇所16の近傍において互いに分
断されることとなる。
比較した場合、比抵抗測定手段11により測定される電
極10,10間の比抵抗は、モニタリング管5内部の地
下水Wが高圧気体Gにより分断された図4の状態の方が
図3に比較して高くなる。したがって、貯蔵施設1の稼
働時に、常時、もしくは、一定期間毎に電極10,10
に通電し、電圧値、電流値からモニタリング管5内部の
比抵抗を測定することによって、比抵抗の増加を検出し
た場合に、高圧気体Gが漏洩していると推定することが
できる。
ぞれライニング材3の外面のそれぞれ異なる位置を循環
しているので、どのモニタリング管5がどの位置に配置
されているかの対応関係を予め把握しておくことによ
り、比抵抗の増加が生じた電極10,10が配置されて
いるモニタリング管5がどのモニタリング管5であるか
を特定し、これにより、ライニング材3のどの部分にお
いて高圧気体Gの漏洩が生じているかを検知することが
できる。
は、ライニング材3の外面に沿ってモニタリング管5,
5,…が配置され、モニタリング管5,5,…の内部に
地下水Wが導入されるとともに、モニタリング管5の内
部に配置されて地下水Wに浸漬された一対の電極10,
10間の比抵抗が比抵抗測定手段11により測定される
こととなるために、タンク4からの漏洩気体がモニタリ
ング管5の内部に侵入することにより、モニタリング5
管内部に満たされた地下水Wが分断され、その結果電極
10,10間の比抵抗が上昇することを利用して、貯蔵
気体の漏洩を検知することができる。この場合、従来と
異なり、少量、または、局所的な貯蔵気体の漏洩を簡便
な設備で検知することが可能であり、また、漏洩にあた
って大きな音や温度変化などが生じるなどの適用上の条
件がないため、高精度に、低コストで、なおかつ、適用
条件に制約なく、高圧気体Gの漏洩の検知が可能であ
る。
したモニタリング管5,5,…が、ライニング材3の外
面の互いに異なる位置に沿って配置されているために、
どのモニタリング管5,5,…内の比抵抗が増加したか
を特定することにより、ライニング材3のどの部分にお
いて漏洩が生じているかを容易に把握することができ、
緊急時の対応が容易となる。
においては、タンク4から漏洩した気体が、モニタリン
グ管5,5,…の内部に満たされた地下水Wを分断する
ことにより、モニタリング管5の両端5a,5aにおい
て検出される比抵抗を増大させることを利用して、気体
の漏洩を検出するものであるために、簡便な設備により
実現可能であり、貯蔵施設1の管理に係るコストを削減
させることが可能となる。
趣旨を逸脱しない範囲内において他の構成を採用するよ
うにしてもよい。例えば、上記実施の形態においては、
複数の独立したモニタリング管5,5,…がライニング
材3の外面に沿って配置されているが、これに代えて、
モニタリング管5が全体で一つのループを形成するよう
になっていても良い。
蔵施設には、ライニング施工時に地下水圧を低下させる
ための排水管が必要であり、この排水管を、上述のモニ
タリング管5として使用するようにしても良い。
圧気体貯蔵施設は、ライニング材の外面に沿ってモニタ
リング管が配置され、モニタリング管の内部に地下水が
導入されるとともに、モニタリング管の両端の内部に配
置されて地下水に浸漬された一対の電極間の比抵抗が比
抵抗測定手段により測定されることとなるために、タン
クからの漏洩気体がモニタリング管の内部に侵入するこ
とにより、モニタリング管内部に満たされた地下水が分
断され、その結果電極間の比抵抗が上昇することを利用
して、貯蔵気体の漏洩を検知することができる。この場
合、従来と異なり、少量、または、局所的な貯蔵気体の
漏洩を簡便な設備で検知することが可能であり、また、
漏洩にあたって大きな音や温度変化などが生じるなどの
適用上の条件がないため、高精度に、低コストで、なお
かつ、適用条件に制約なく、高圧気体の漏洩の検知が可
能である。
は、複数の独立したモニタリング管が、ライニング材の
外面の互いに異なる位置に沿って配置されているため
に、どのモニタリング管内の比抵抗が増加したかを特定
することにより、ライニング材のどの部分において漏洩
が生じているかを容易に把握することができ、緊急時の
対応が容易となる。
知方法においては、タンクから漏洩した気体が、モニタ
リング管の内部に満たされた地下水を分断することによ
り、モニタリング管の両端において検出される比抵抗を
増大させることを利用して、気体の漏洩を検出するもの
であるために、簡便な設備により実現可能であり、高圧
気体貯蔵施設の管理に係るコストを削減させることが可
能となる。
施設の立面図である。
て、岩盤および裏込めコンクリートに亀裂が生じた際の
状況を示す概念図である。
る、タンクから気体の漏洩が生じた際の作用を示す概念
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 地盤内を掘削して空洞を形成し、該空洞
の内面をライニング材により覆うことにより、該ライニ
ング材の内部を、高圧気体を貯蔵するためのタンクとし
て形成した高圧気体貯蔵施設であって、 前記ライニング材の外面に沿って、モニタリング管が配
置され、 該モニタリング管は、非良導体により形成されるととも
に、前記地盤内に向けて開口した孔部により前記地盤中
の地下水を内部に導入可能な構成とされ、 該モニタリング管の両端の内部には、それぞれ電極が配
置され、 該電極は、前記地下水に浸漬されるとともに、これら電
極間の比抵抗を測定するための比抵抗測定手段に対して
接続されていることを特徴とする高圧気体貯蔵施設。 - 【請求項2】 請求項1記載の高圧気体貯蔵施設であっ
て、 複数の独立した前記モニタリング管を備えてなり、 これらモニタリング管は、前記ライニング材の外面にお
ける互いに異なる位置にそれぞれ配置されていることを
特徴とする高圧気体貯蔵施設。 - 【請求項3】 地盤内を掘削して空洞を形成し、該空洞
の内面をライニング材により覆うことにより、該ライニ
ング材の内部を、高圧気体を貯蔵するためのタンクとし
て形成した高圧気体貯蔵施設において適用されて、前記
高圧気体の漏洩を検知するための方法であって、 非良導体によって形成されたモニタリング管を、前記ラ
イニング材の外面に沿って配置するとともに、該モニタ
リング管の内部に、前記地盤中の地下水を導入し、さら
に、前記モニタリングの両端の内部に、電極を前記地下
水に浸漬された状態でそれぞれ配置して、これら電極間
の比抵抗を測定しておき、 前記比抵抗が増大したことにより、前記高圧気体の漏洩
を検知することを特徴とする高圧気体貯蔵施設の漏洩検
知方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32464899A JP4423628B2 (ja) | 1999-11-15 | 1999-11-15 | 高圧気体貯蔵施設および高圧気体貯蔵施設における漏洩検知方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP32464899A JP4423628B2 (ja) | 1999-11-15 | 1999-11-15 | 高圧気体貯蔵施設および高圧気体貯蔵施設における漏洩検知方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001141197A true JP2001141197A (ja) | 2001-05-25 |
JP4423628B2 JP4423628B2 (ja) | 2010-03-03 |
Family
ID=18168179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32464899A Expired - Fee Related JP4423628B2 (ja) | 1999-11-15 | 1999-11-15 | 高圧気体貯蔵施設および高圧気体貯蔵施設における漏洩検知方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4423628B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008070922A1 (en) * | 2006-12-14 | 2008-06-19 | Co2Crc Technologies Pty Ltd | Flux chamber |
CN114737755A (zh) * | 2022-04-21 | 2022-07-12 | 江苏光跃节能科技有限责任公司 | 一种混凝土检测修复监测一体化防护系统及实现方法 |
-
1999
- 1999-11-15 JP JP32464899A patent/JP4423628B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008070922A1 (en) * | 2006-12-14 | 2008-06-19 | Co2Crc Technologies Pty Ltd | Flux chamber |
CN114737755A (zh) * | 2022-04-21 | 2022-07-12 | 江苏光跃节能科技有限责任公司 | 一种混凝土检测修复监测一体化防护系统及实现方法 |
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---|---|
JP4423628B2 (ja) | 2010-03-03 |
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