JP2001141030A - 差動装置 - Google Patents

差動装置

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JP2001141030A JP32386899A JP32386899A JP2001141030A JP 2001141030 A JP2001141030 A JP 2001141030A JP 32386899 A JP32386899 A JP 32386899A JP 32386899 A JP32386899 A JP 32386899A JP 2001141030 A JP2001141030 A JP 2001141030A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入力回転軸の回転速度に比べて出力回転軸の回
転速度が減速されても十分なトルクを強力かつ安定して
出力することができる差動装置を提供する。 【解決手段】主動回転部材5を備えた入力回転軸2と、
その軸線の周りを公転あるいは静止した状態で主動回転
部材5の回転動力を順次伝達する複数の仲介回転部材
6、8、10、12と、最終の仲介回転部材12の回転
動力を伝達される従動回転部材13を備えた出力回転軸
3から成る差動装置において、入力回転軸2の回転速度
に比べて出力回転軸3の回転速度が減速されるに伴って
仲介回転部材の公転速度が上昇するように構成すると共
に、これらの仲介回転部材の一部あるいは全部に回転に
よる慣性力を持たせるか、または仲介回転部材と共に公
転及び/又は自転するフライホイール9あるいは錘等の
回転又は非回転の慣性体を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、差動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の差動装置としては、主動回転部材
を備えた入力回転軸と、該入力回転軸の軸線の周りを公
転あるいは静止した状態で上記主動回転部材の回転動力
を順次伝達する複数の仲介回転部材と、最終の仲介回転
部材の回転動力を伝達される従動回転部材を備えた出力
回転軸から構成されたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の差動装置は、上記入力回転軸の回転速度に対して上
記出力回転軸の回転速度が変動するように構成されてい
るものの、該出力回転軸のトルク(回転力)の安定性に
欠け、特に、出力回転軸の回転速度が低下するとトルク
が低下して、動力伝達装置として十分に機能を発揮し得
ない等の問題点があった。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、入力回
転軸の回転速度に比べて出力回転軸の回転速度が減速さ
れても十分なトルクを強力かつ安定して出力することが
できる差動装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の差動装置は、主
動回転部材を備えた入力回転軸と、該入力回転軸の軸線
の周りを公転あるいは静止した状態で上記主動回転部材
の回転動力を順次伝達する複数の仲介回転部材と、最終
の仲介回転部材の回転動力を伝達される従動回転部材を
備えた出力回転軸から成る差動装置において、上記入力
回転軸の回転速度に比べて上記出力回転軸の回転速度が
減速されるに伴って上記仲介回転部材の公転速度が上昇
するように構成すると共に、これらの仲介回転部材の一
部あるいは全部に回転による慣性力を持たせるか、また
は該仲介回転部材と共に公転及び/又は自転するフライ
ホイールあるいは錘等の回転又は非回転の慣性体を設け
ることを特徴とする。また、上記各回転部材が歯車また
は摩擦車であることも特徴とする。さらに、上記慣性体
の質量、形状、公転軸又は自転軸からの距離を単独ある
いは組み合わせて変えることも特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1において、1は
架台であって、2つの支持部1a、1bを有する。一方
の支持部1aには入力回転軸2が、また、他方の支持部
1bには出力回転軸3が、それぞれ回転自在に支持され
ている。図2からも明らかなように、上記入力回転軸2
と上記出力回転軸3の間には、公転主軸4が介挿されて
いる。これら入力回転軸2と出力回転軸3と公転主軸4
の軸線は一致するとともに、相互に拘束されることな
く、それぞれ独立して自由に回転できるようになってい
る。
【0007】図2(A)(B)から明らかなように、上
記入力回転軸2の内端側には主動傘歯車5が一体的に設
けられている。該主動傘歯車5には第1仲介傘歯車6が
噛み合っている。該第1仲介傘歯車6は、上記公転主軸
4と直交する第1公転軸7に回転自在に支持されてい
る。なお、本実施例において、これらの主動傘歯車5と
第1仲介傘歯車6の歯車比は2:1であり、主動傘歯車
5が1回転すると、第1仲介傘歯車6は2回転するよう
になっている。
【0008】上記第1仲介傘歯車6の内側には第2仲介
傘歯車8が一体的に設けられている。また、上記第1仲
介傘歯車6の外側にはフライホイール9が一体的に設け
られている。従って、上記第1仲介傘歯車6と第2仲介
傘歯車8とフライホイール9は、上記第1公転軸7の周
りを一体的に回転するようになっている。
【0009】図2(C)から明らかなように、上記第2
仲介傘歯車8には第3仲介傘歯車10が噛み合ってい
る。該第3仲介傘歯車10は、上記公転主軸4および上
記第1公転軸7のいずれに対しても直交する第2公転軸
11に回転自在に支持されている。なお、本実施例にお
いて、これらの第2仲介傘歯車8と第3仲介傘歯車10
の歯車比は1:2であり、第2仲介傘歯車8が1回転す
ると、第3仲介傘歯車10は1/2回転するようになっ
ている。
【0010】上記第3仲介傘歯車10の外側には第4仲
介傘歯車12が一体的に設けられていて、上記第2公転
軸11の周りを一体的に回転する。なお、相互に直交す
る第1公転軸7と第2公転軸11は、上記公転主軸4と
一体的に構成されていて、該公転主軸4の軸線の周りを
回転するようになっている。
【0011】図2(A)から明らかなように、上記第4
仲介傘歯車12には従動傘歯車13が噛み合っている。
該従動傘歯車13は上記出力回転軸3の内端側に一体的
に設けられている。これらの第4仲介傘歯車12と従動
傘歯車13の歯車比は1:2であり、第4仲介傘歯車1
2が1回転すると、従動傘歯車13は1/2回転するよ
うになっている。
【0012】なお、上記第1公転軸7と対称に設けられ
た第1公転軸7′にも上記第1仲介傘歯車6と第2仲介
傘歯車8とフライホイール9と同じ部材を対称的に設け
て、全体的にバランスを保つように構成するのが好まし
いが、この第1公転軸7′における第1仲介傘歯車6と
第2仲介傘歯車8、或いは、フライホイール9を省略す
ることも可能である。さらに、上記第2公転軸11と対
称的に設けられた第2公転軸11′にも上記第3仲介傘
歯車10と第4仲介傘歯車12と同じ部材を対称的に設
けることが好ましいが、省略することも可能である。
【0013】次に、上記実施例の差動装置の作用につい
て説明する。まず、上記公転主軸4を回転させない(公
転なし)条件で、上記入力回転軸2すなわち主動傘歯車
5を1,000回転させると、これと噛み合っている第
1仲介傘歯車6は2,000回転する(主動傘歯車5と
第1仲介傘歯車6の歯車比は2:1)。上記第1仲介傘
歯車6と第2仲介傘歯車8は一体となっているので、該
第2仲介傘歯車8も2,000回転する。
【0014】上記第2仲介傘歯車8が2,000回転す
ると、これと噛み合っている第3仲介傘歯車10は1,
000回転する(第2仲介傘歯車8と第3仲介傘歯車1
0の歯車比は1:2)。上記第3仲介傘歯車10と第4
仲介傘歯車12は一体となっているので、該第4仲介傘
歯車12も1,000回転する。
【0015】上記第4仲介傘歯車12が1,000回転
すると、これと噛み合っている従動傘歯車13すなわち
出力回転軸3は、500回転する(第4仲介傘歯車12
と従動傘歯車13の歯車比は1:2)。従って、公転な
しの状態では、入力回転軸2を1,000回転させると
出力回転軸3は半分の500回転となる。以上の作用を
整理すると、表1の第1行目のようになる。
【0016】次に、上記公転主軸4が1,000回転す
る条件で、上記入力回転軸2(主動傘歯車5)を1,0
00回転させると、これと噛み合っている第1仲介傘歯
車6は4,000回転する。なぜなら、上記公転主軸4
を固定した状態で、上記主動傘歯車5を1,000回転
させると第1仲介傘歯車6は2,000回転する。ま
た、上記主動傘歯車5を回転停止した状態で、上記公転
主軸4を1,000回転させると第1仲介傘歯車6は
2,000回転する。従って、これらの条件を合わせる
と、第1仲介傘歯車6は4,000回転することにな
る。
【0017】上記第1仲介傘歯車6が4,000回転す
ると、これと一体的の第2仲介傘歯車8も4,000回
転する。さらに、該第2仲介傘歯車8と噛み合う第3仲
介傘歯車10は、共に同じ公転するので、それらの歯車
比1:2にしたがって2,000回転する。該第3仲介
傘歯車10が2,000回転すると、これと一体になっ
た第4仲介傘歯車12も2,000回転する。
【0018】上記第4仲介傘歯車12が2,000回転
すると、これと噛み合っている従動傘歯車13すなわち
出力回転軸3は、0回転となる。なぜなら、上記公転主
軸4を固定した(公転なし)状態で、上記第4仲介傘歯
車12を2,000回転させると従動傘歯車13は、歯
車比にしたがって1,000回転する。また、該第4仲
介傘歯車12を回転停止させた状態で、上記公転主軸4
を1,000回転させると、上記従動傘歯車13は逆方
向に1,000回転する。従って、これらの条件を合わ
せると、上記従動傘歯車13は矢印方向に1,000回
転、逆方向に1,000回転することになり、結局、0
回転となる。以上の作用を整理すると、表1の第6行目
のようになる。
【0019】以上の説明では、公転が0の場合と1,0
00回転の2つの条件の作用について説明したが、これ
らの中間の条件、すなわち、公転が200、400、6
00および800回転の場合は、表1の第2ないし5行
目のようになる。表1から分かるように、入力回転軸2
の回転数が一定であっても、公転主軸4の公転回転数が
大きくなると、出力回転軸3の回転数は減少する。上記
公転主軸4から直交して延びる第1公転軸7の先端部に
はフライホイール9が取り付けられているので、上述の
ように公転主軸4の回転数が大きくなると、上記フライ
ホイール9による慣性力が大きくなって、出力回転軸3
の回転数が減少してもトルク(回転力)が増大する。逆
に、出力回転軸3の回転数が大きいほどトルクは小さく
なる。また、表1から明らかなように、公転主軸4の回
転数が大きいと、フライホイール9の自転の回転数も大
きくなって独楽の原理すなわちジャイロ効果により上記
公転を抑制する力が生じるだけでなく、自転回転数の増
大により慣性力も増大するするため、上記出力回転軸3
のトルクは更に増大する。
【0020】
【表1】
【0021】上記実施例では、相互に噛み合う傘歯車の
歯車比を1:2(または2:1)としたが、本発明はこ
れに限定するものではなく、任意の歯車比(または直径
比)であってもよい。また。上記実施例では傘歯車によ
る動力伝達について説明したが、本発明の差動装置はこ
れに限定するものではなく、例えば、摩擦車による摩擦
接触による動力伝達であってもよい。この場合には、出
力回転軸に過負荷がかかっても、スリップして、入力回
転軸を回転させる原動機などに影響する心配がない。
【0022】さらに、上記実施例では第1公転軸にフラ
イホールを設けたが、歯車や第1公転軸の外端部に錘を
取り付けて、これらの部材に慣性力を持たせるように設
計し、フライホールを省略することも可能である。ま
た、フライホイールは第2公転軸11に取付けたり、両
公転軸7および11に設けるようにしても良い。さらに
また、上記フライホイール等の慣性体の質量、形状、公
転軸又は自転軸からの距離などを変化させることによ
り、そのジャイロ効果による公転の抑制効果、すなわ
ち、出力回転軸のトルクを調整するようになっている。
【0023】
【発明の効果】1)主動回転部材を備えた入力回転軸
と、該入力回転軸の軸線の周りを公転あるいは静止した
状態で上記主動回転部材の回転動力を順次伝達する複数
の仲介回転部材と、最終の仲介回転部材の回転動力を伝
達される従動回転部材を備えた出力回転軸から成る差動
装置において、上記入力回転軸の回転速度に比べて上記
出力回転軸の回転速度が減速されるに伴って上記仲介回
転部材の公転速度が上昇するように構成すると共に、こ
れらの仲介回転部材の一部あるいは全部に回転による慣
性力を持たせるか、または該仲介回転部材と共に公転及
び/又は自転するフライホイールあるいは錘等の回転又
は非回転の慣性体を設けるように構成したので、入力回
転軸の回転速度に比べて出力回転軸の回転速度が減速さ
れても十分なトルクを強力かつ安定して出力することが
できる。 2)上記各回転部材を歯車とすることにより、確実な回
転数が保証され、一方、摩擦車とすることにより過負荷
による装置の破損を防止することができる。 3)フライホイール等の慣性体の質量、形状、公転軸又
は自転軸からの距離などを変化させることにより、その
ジャイロ効果による公転の抑制効果、すなわち、出力回
転軸のトルクを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差動装置の一実施例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の装置の正面図(A)およびそのイ−イ断
面図(B)、ロ−ロ断面図(C)である。
【符号の説明】
1 架台 1a 支持部 1b 支持部 2 入力回転軸 3 出力回転軸 4 公転主軸 5 主動傘歯車 6 第1仲介傘歯車 7 第1公転軸 8 第2仲介傘歯車 9 フライホイール 10 第3仲介傘歯車 11 第2公転軸 12 第4仲介傘歯車 13 従動傘歯車

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主動回転部材を備えた入力回転軸と、該
    入力回転軸の軸線の周りを公転あるいは静止した状態で
    上記主動回転部材の回転動力を順次伝達する複数の仲介
    回転部材と、最終の仲介回転部材の回転動力を伝達され
    る従動回転部材を備えた出力回転軸から成る差動装置に
    おいて、上記入力回転軸の回転速度に比べて上記出力回
    転軸の回転速度が減速されるに伴って上記仲介回転部材
    の公転速度が上昇するように構成すると共に、これらの
    仲介回転部材の一部あるいは全部に回転による慣性力を
    持たせるか、または該仲介回転部材と共に公転及び/又
    は自転するフライホイールあるいは錘等の回転又は非回
    転の慣性体を設けることを特徴とする差動装置。
  2. 【請求項2】 上記各回転部材が歯車または摩擦車であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の差動装置。
  3. 【請求項3】 上記慣性体の質量、形状、公転軸又は自
    転軸からの距離を単独あるいは組み合わせて変えること
    を特徴とする請求項1または2に記載の差動装置。
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