JP2001141008A - 遊星ローラ動力伝達装置 - Google Patents

遊星ローラ動力伝達装置

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JP2001141008A
JP2001141008A JP32305699A JP32305699A JP2001141008A JP 2001141008 A JP2001141008 A JP 2001141008A JP 32305699 A JP32305699 A JP 32305699A JP 32305699 A JP32305699 A JP 32305699A JP 2001141008 A JP2001141008 A JP 2001141008A
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oil
rollers
synthetic
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Tomoaki Makino
智昭 牧野
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NTN Corp
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    • F16H57/00General details of gearing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基油のトラクション特性の向上を図ると共
に、温度上昇による増ちょう剤の流動特性の変化を未然
に防止することにある。 【解決手段】 サンローラ21とその外周側に同心配置
されたアウターリング22との間に円周方向で等間隔に
それぞれ配置された複数の第一ローラ23および第二ロ
ーラ24を半径方向に多段に配置し、前記サンローラ2
1、第一ローラ23および第二ローラ24、アウターリ
ング22を相互に圧接させ、かつ、第一ローラ23に異
なる回転半径を有する複数の外周面を形成し、潤滑剤に
より各摩擦接触面間に形成された油膜を介してその油膜
の剪断力により動力を伝達させる遊星ローラ動力伝達装
置において、前記潤滑剤は、合成系基油にウレア系増ち
ょう剤を組み合わせたものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遊星ローラ動力伝達
装置に関し、例えば、ローラを径方向に多段に配置して
入力回転を減速または増速する摩擦式多段ローラ変速機
などの遊星ローラ動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクションドライブは摩擦伝動装置の
一種であり、滑らかな表面を有する二面間に形成された
油膜を介してその油膜の剪断力により動力が伝達され
る。そのため、歯車よりも低振動・低騒音での運転が可
能である。一定の変速比を有するトラクションドライブ
の代表的なものに、例えば、図4(a)(b)に示すよ
うな遊星ローラ動力伝達装置がある。
【0003】この動力伝達装置は、その軸心が一致する
ように配置されたサンローラ1及びリング2と、このサ
ンローラ1とリング2の間に形成された空間に圧接状態
で配置された複数の遊星ローラ3と、その遊星ローラ3
を円周方向に等間隔かつ回転自在に保持するキャリア4
とで構成されている。ハウジング5に対して軸受6で支
持された高速回転軸7の一端にサンローラ1を同軸的に
設け、リング2は、その回転が拘束されるようにハウジ
ング5にボルト8で固定されている。
【0004】一方、ハウジング9に対して軸受10で支
持された低速回転軸11の一端にキャリア4が設けられ
ている。そのキャリア4には、四つの遊星ローラ支持軸
12が植設されており、遊星ローラ3が軸受13を介し
て遊星ローラ支持軸12に支持されている。遊星ローラ
3がサンローラ1の外周面とリング2の内周面に摩擦接
触することにより、高速回転軸7と低速回転軸11の間
で動力が伝達される。なお、リング2の両側に二枚の側
板14を配置することにより、遊星ローラ3の軸方向移
動が規制されている。
【0005】以上のような一組の遊星ローラ動力伝達装
置は、その変速比を10以上に設定することも可能であ
るが、サンローラ1と遊星ローラ3の接触面圧とリング
2と遊星ローラ3の接触面圧のバランスから、通常、そ
の変速比は3〜6が適当である。
【0006】そこで、さらに大きな変速比をとれる動力
伝達装置として、例えば図5(a)(b)または図6に
示すような摩擦式多段ローラ変速機がある。この多段ロ
ーラ変速機は、その軸心が一致するように配置されたサ
ンローラ1及びアウターリング2と、そのサンローラ1
とアウターリング2の間に形成された空間に円周方向に
等間隔に配置された二種類以上のローラ、例えば図5
(a)(b)の多段ローラ変速機では、二種類のローラ
3a,3b、また図6の多段ローラ変速機では、三種類
のローラ3a,3b,3cとで構成される。
【0007】後述するようにローラ3a,3b,3cの
それぞれの個数は三個以上である。それらのローラ3
a,3b,3cのうち、少なくとも一種類のローラを複
数の円筒で構成してそのローラに二つの異なる回転半径
を有する摩擦接触部の転走面を持たせることにより、一
層大きな変速比を確保することができる。
【0008】すなわち、図5(a)(b)の多段ローラ
変速機は、サンローラ1とアウターリング2の間に二種
類の第一ローラ3aおよび第二ローラ3bをそれぞれ四
個ずつ設け、第一ローラ3aにのみ二種類の回転半径R
1LとR1Sを有する転走面を形成したものである。第一ロ
ーラ3aと第二ローラ3bのサンローラ周りの回転(公
転)が拘束される場合、変速比eは、e=(RO 1L
/(RS 1S)となる。一方、第一ローラ3aおよび第
二ローラ3bのサンローラ周りの回転(公転)を拘束す
る代わりに、アウターリング2の回転を拘束する場合に
は、変速比eは、e=(RO 1L)/(RS 1S)−1
となる。
【0009】図6の多段ローラ変速機は、サンローラ1
とアウターリング2の間に三種類の第一〜第三ローラ3
a〜3cをそれぞれ五個ずつ設け、そのうち第一ローラ
3aおよび第二ローラ3bのそれぞれに二種類の回転半
径R1LとR1Sおよび回転半径R2LとR2Sを有する転走面
を形成したものである。第一〜第三ローラ3a〜3cの
サンローラ周りの回転(公転)が拘束される場合、変速
比eは、e=(RO 1L2L)/(RS 1S2S)とな
る。一方、第一〜第三ローラ3a〜3cのサンローラ周
りの回転(公転)を拘束する代わりに、アウターリング
2の回転を拘束する場合には、変速比eは、e=(RO
1L2L)/(RS 1S2S)+1となる。
【0010】このように径方向に多段化させることで軸
方向のサイズが大きくなることを避けて大きな変速比を
得ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述したようにトラク
ションドライブでは、滑らかな表面を有する二面間に形
成された油膜を介してその油膜の剪断力により動力が伝
達される。このトラクションドライブに使用される油
(トラクション油)は、できるだけ大きなトラクション
係数(トラクション/法線荷重)を具備していることが
望まれる。また、トラクションドライブを構成する転が
り要素の疲労寿命は、法線荷重の約三乗に反比例すると
いわれている。そのため、トラクション係数の高い油を
使用すれば、法線荷重を低く設定できるので装置の寿命
を延ばすことができる。
【0012】トラクションドライブの潤滑方式として
は、油浴潤滑または圧送された潤滑油を供給する強制潤
滑を採用した場合は十分な潤滑油を各摩擦接触部に供給
できるが、シール機構の付加などにより装置の大型化お
よびコストの増大を招来する。装置の小型化および製作
コストの低減のためには、潤滑方式をグリース潤滑にす
ることが望ましい。
【0013】トラクションドライブの動力伝達部である
摩擦接触部では、二物体が転がりすべり接触することで
動力伝達に必要な摩擦力が発生する。そのため、摩擦接
触部では二物体間のすべりに起因する発熱が生じ、その
近傍に存在する潤滑剤(グリース)は温度上昇の影響を
受けることになる。潤滑油の高温劣化は、高温の環境に
おいて酸化や熱分解による化学変化が生じ、そのため、
基油の成分劣化を生じるが、グリースの場合、温度上昇
による増ちょう剤の構造が変化し、流動特性が変化する
ことでも装置の耐久性に悪影響を与える。
【0014】例えば、温度上昇により一時的にもグリー
スが軟化すると、外部への漏洩が進み、グリース不足に
よる寿命低下が引き起こされる。逆に、温度上昇によっ
てグリースが固化する特性を有する場合、摩擦接触部へ
の潤滑剤の供給が妨げられて損傷に至る。そのため、ト
ラクションドライブの潤滑にグリースを使用した場合、
その基油のトラクション特性だけでなく、増ちょう剤の
温度上昇による流動特性にも注意を払うことが必要にな
る。
【0015】そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、グリース潤滑
を採用するに際して、基油のトラクション特性の向上を
図ると共に、温度上昇による増ちょう剤の流動特性の変
化を未然に防止し得る多段ローラ変速機を提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明は、サンローラと、サンロ
ーラの外周側に同心配置されたアウターリングと、前記
サンローラとアウターリングの間に圧接状態で介装され
た複数の遊星ローラと、前記遊星ローラを円周方向で等
間隔に回転自在に保持するキャリアとを備え、潤滑剤に
より各摩擦接触面間に形成された油膜を介してその油膜
の剪断力により動力を伝達させるものにおいて、前記潤
滑剤は、合成系基油にウレア系増ちょう剤を組み合わせ
たものとしたことを特徴とする。
【0017】前記合成系基油としては、二個以上のシ
クロヘキシル環を有する化合物より生成される合成ナフ
テン油、縮合脂環構造を有する化合物より生成される
合成ナフテン油、gem−ジメチル構造を有するポリ
α−オレフィンより生成される合成パラフィン油があ
り、これら〜のうちのいずれかを使用することが望
ましい。
【0018】本発明では、潤滑剤として合成系基油にウ
レア系増ちょう剤を組み合わせたものを使用したことに
より、合成系基油が高いトラクション係数を有するた
め、法線荷重を低く設定しても動力が伝達できて結果的
に寿命の向上が図れ、さらに、ウレア系増ちょう剤の持
つ優れた耐熱性でもって、温度上昇による増ちょう剤の
流動特性の変化を抑制する。
【0019】鉱油は原油中に含まれる潤滑油として有効
な成分を、常圧蒸留および減圧蒸留などの分離精製によ
って得ることで生成される。鉱油は雑多な炭化水素を主
成分とし、さらに硫黄や窒素の化合物を含む複雑な混合
物である。それに対し、合成潤滑油は単一物質もしくは
同族体の混合物であり、分子設計により有効な化学構造
を作り出すことで、鉱油では得られない諸特性を与える
ことが可能である。
【0020】二個以上のシクロヘキシル環を有する化
合物より生成される合成ナフテン油、縮合脂環構造を
有する化合物より生成される合成ナフテン油、gem
−ジメチル構造を有するポリα−オレフィンより生成さ
れる合成パラフィン油のいずれの合成系基油は、高いト
ラクション係数を有し、また、ウレア系増ちょう剤は、
耐熱性に優れているだけでなく、基油との親和性が良好
で、かつ、剪断安定性に優れ油分離が少ない長所を有す
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を以下に詳述す
る。
【0022】まず、図1(a)(b)に示す実施形態の
摩擦式多段ローラ変速機の構造は以下の通りである。こ
の多段ローラ変速機は、サンローラ21とアウターリン
グ22の間に二種類の第一ローラ23および第二ローラ
24がそれぞれ四個ずつ設けられ、一端をサンローラ2
1とした高速回転軸25と、その高速回転軸25と同軸
状に配置されたアウターリング22との間に、サンロー
ラ21の外周面および第二ローラ24に摩擦接触する第
一ローラ23と、第一ローラ23およびアウターリング
22の内周面に摩擦接触する第二ローラ24がそれぞれ
円周等間隔に圧接状態で配置されている。
【0023】この実施形態では、第一ローラ23が複数
の円筒で形成されることで二種類の転走面を有してい
る。前記高速回転軸25を軸受支持するハウジング26
(キャリア)には、四つの第二ローラ支持軸27が植設
されており、第二ローラ24が軸受28を介して第二ロ
ーラ支持軸27に支持されることで第二ローラ24のサ
ンローラ周りの回転(公転)が拘束され、その結果、第
一ローラ23のサンローラ周りの回転も拘束される。ア
ウターリング22と低速回転軸29をボルト30とナッ
ト31によって結合することにより、アウターリング2
2の回転を低速回転軸29に伝達させる。なお、アウタ
ーリング22の両側に二枚の側板32を配置することに
より、第二ローラ24の軸方向移動が規制されている。
【0024】この実施形態では、アウターリング22と
低速回転軸29とは別部材であり、両者をボルト30と
ナット31で結合した構造であるが、低速回転軸29の
一端内周面が転走面となるような摩擦接触部を有するよ
うに、低速回転軸29とアウターリング22とを一体に
形成したものであってもよい。
【0025】その他の実施形態として、第一ローラ23
および第二ローラ24のサンローラ周りの回転(公転)
を拘束する代わりに、アウターリング22の回転を拘束
する実施形態の摩擦式多段ローラ変速機の構造を図2
(a)(b)に示す。
【0026】この実施形態の多段ローラ変速機は、図1
(a)(b)に示す実施形態の場合と同様、アウターリ
ング22とサンローラ21の間に、それぞれ四個の第一
ローラ23および第二ローラ24が円周等間隔に圧接状
態で配置されている。アウターリング22は、高速回転
軸25と同軸状になるようにハウジング26にボルト3
0で固定されている。また、低速回転軸29の一端には
キャリアが設けられ、そのキャリアには、四つの第二ロ
ーラ支持軸27が植設されており、第二ローラ24が軸
受28を介して第二ローラ支持軸27に支持されてい
る。動力はサンローラ21の回転と第一ローラ23およ
び第二ローラ24のサンローラ周りの回転(公転)によ
って伝達される。なお、アウターリング22の両側に二
枚の側板32を配置することにより、第二ローラ24の
軸方向移動が規制されている。
【0027】これら二つの実施形態の多段ローラ変速機
では、サンローラ21、第一及び第二ローラ23,2
4、アウターリング22の各摩擦接触面間に形成された
油膜を介してその油膜の剪断力により動力を伝達させ
る。トラクションドライブに使用される油(トラクショ
ン油)は、できるだけ大きなトラクション係数(トラク
ション/法線荷重)を具備していることが望まれる。ま
た、トラクションドライブを構成する転がり要素の疲労
寿命は、法線荷重の約三乗に反比例するといわれてい
る。そのため、トラクション係数の高い油を使用するこ
とで法線荷重を低く設定できるため、装置の寿命を延ば
すことができる。
【0028】また、装置の小型化および製作コストの低
減化のためには、潤滑方式をグリース潤滑にすることが
望ましい。トラクションドライブの動力伝達部である摩
擦接触部では、二物体が転がりすべり接触することで動
力伝達に必要な摩擦力が発生する。そのため、摩擦接触
部では二物体間のすべりに起因する発熱が生じ、その近
傍に存在する潤滑剤(グリース)は温度上昇の影響を受
けることになる。
【0029】そこで、前記潤滑剤としては、合成系基油
にウレア系増ちょう剤を組み合わせたものが好適であ
る。前記合成系基油としては、二個以上のシクロヘキ
シル環を有する化合物より生成される合成ナフテン油、
縮合脂環構造を有する化合物より生成される合成ナフ
テン油、gem−ジメチル構造を有するポリα−オレ
フィンより生成される合成パラフィン油があり、これら
〜のうちのいずれかを使用することが望ましい。
【0030】本発明では、潤滑剤として合成系基油にウ
レア系増ちょう剤を組み合わせたものを使用することに
より、合成系基油が高いトラクション係数を有するた
め、法線荷重を低く設定しても動力が伝達できて結果的
に寿命の向上が図れ、さらに、ウレア系増ちょう剤の持
つ優れた耐熱性でもって、温度上昇による増ちょう剤の
流動特性の変化を抑制する。
【0031】鉱油は原油中に含まれる潤滑油として有効
な成分を、常圧蒸留および減圧蒸留などの分離精製によ
って得ることで生成される。鉱油は雑多な炭化水素を主
成分とし、さらに硫黄や窒素の化合物を含む複雑な混合
物である。それに対し、合成潤滑油は単一物質もしくは
同族体の混合物であり、分子設計により有効な化学構造
を作り出すことで、鉱油では得られない諸特性を与える
ことが可能である。
【0032】図3は各種の潤滑油のトラクション係数を
示す表である。同図に示すようにナフテン系鉱油ではト
ラクション係数が0.058〜0.065であるのに対
して、高トラクション係数を得るように生成された合成
ナフテン油では、0.09〜0.095となっている。
合成ナフテン油において高いトラクション係数を示す分
子構造は、シクロヘキシル環などのシクロアルカン構造
である。特に、二個以上のシクロヘキシル環を有する化
合物(例えば2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペ
ンタン)または縮合脂環構造を有する化合物(例えば
1,1,3−トリメチル−3−シクロヘキシルヒドリン
ダン)より生成される合成ナフテン油は、高いトラクシ
ョン係数を有する。また、gem−ジメチル構造を有す
るポリα−オレフィン(例えばポリイソブチレン)より
生成される合成パラフィン油も、高いトラクション係数
を有する。
【0033】一方、グリース用増ちょう剤は、金属石
鹸系、コンプレックス石鹸系、非石鹸系の三種類に
大別される。金属石鹸系の代表的なものに、カルシウム
石鹸、ナトリウム石鹸、リチウム石鹸があり、カルシウ
ム石鹸は耐熱性が劣り(常用60℃まで)、トラクショ
ンドライブの使用には不適である。リチウム石鹸は比較
的耐熱性が良好であるが(常用120〜130℃)、増
ちょう剤成分であるリチウムステアレートがトラクショ
ン係数を低下させるので適さない。
【0034】このような金属石鹸系の増ちょう剤の耐熱
性を向上させたものとして、コンプレックス石鹸系の増
ちょう剤があるが、さらに耐熱性に優れたものに非石鹸
系の増ちょう剤がある。なかでもウレア系増ちょう剤
は、耐熱性に優れているだけでなく、基油との親和性が
良好で、かつ、剪断安定性に優れ油分離が少ない長所を
有する。また、分子中に酸化の触媒となる金属元素を含
まず、合成系基油と組み合わせて広く使用されている。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、サンローラ、遊星ロー
ラ及びアウターリングの各摩擦接触面間に油膜を形成す
るための潤滑剤として、合成系基油、すなわち、二個
以上のシクロヘキシル環を有する化合物より生成される
合成ナフテン油、縮合脂環構造を有する化合物より生
成される合成ナフテン油、gem−ジメチル構造を有
するポリα−オレフィンより生成される合成パラフィン
油のうちのいずれかに、ウレア系増ちょう剤を組み合わ
せたものを使用することにより、合成系基油が高いトラ
クション係数を有するため、法線荷重を低く設定しても
動力が伝達できて結果的に寿命の向上が図れ、さらに、
ウレア系増ちょう剤の持つ優れた耐熱性でもって、温度
上昇による増ちょう剤の流動特性の変化を抑制すること
ができ、装置の小型化および製作コストの低減化と共
に、遊星ローラ動力伝達装置の耐久性が大幅に向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態を示すもので、(a)
は(b)のB−B線に沿う断面図、(b)は(a)のA
−A線に沿う断面図
【図2】本発明の他の実施形態を示すもので、(a)は
(b)のD−D線に沿う断面図、(b)は(a)のC−
C線に沿う断面図
【図3】各種の潤滑油のトラクション係数を示す表
【図4】遊星ローラ動力伝達装置の一例を示すもので、
(a)は(b)のF−F線に沿う断面図、(b)は
(a)のE−E線に沿う断面図
【図5】(a)は多段ローラ変速機の一部構造例を示す
断面図、(b)は(a)のG−G線に沿う断面図
【図6】多段ローラ変速機の他の一部構造例を示す断面
【符号の説明】
21 サンローラ 22 アウターリング 23 遊星ローラ(第一ローラ) 24 遊星ローラ(第二ローラ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンローラと、サンローラの外周側に同
    心配置されたアウターリングと、前記サンローラとアウ
    ターリングの間に圧接状態で介装された複数の遊星ロー
    ラと、前記遊星ローラを円周方向で等間隔に回転自在に
    保持するキャリアとを備え、潤滑剤により各摩擦接触面
    間に形成された油膜を介してその油膜の剪断力により動
    力を伝達させるものにおいて、前記潤滑剤は、合成系基
    油にウレア系増ちょう剤を組み合わせたものとしたこと
    を特徴とする遊星ローラ動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 前記合成系基油が、二個以上のシクロヘ
    キシル環を有する化合物より生成される合成ナフテン油
    であることを特徴とする請求項1記載の遊星ローラ動力
    伝達装置。
  3. 【請求項3】 前記合成系基油が、縮合脂環構造を有す
    る化合物より生成される合成ナフテン油であることを特
    徴とする請求項1記載の遊星ローラ動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 前記合成系基油が、gem−ジメチル構
    造を有するポリα−オレフィンより生成される合成パラ
    フィン油であることを特徴とする請求項1記載の遊星ロ
    ーラ動力伝達装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015517641A (ja) * 2012-05-25 2015-06-22 ジェネシス アドバンスド テクノロジー インコーポレイテッド. 変速装置

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