JP2001140452A - 洗浄可能な室内仕上げ構造 - Google Patents

洗浄可能な室内仕上げ構造

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JP2001140452A
JP2001140452A JP31998599A JP31998599A JP2001140452A JP 2001140452 A JP2001140452 A JP 2001140452A JP 31998599 A JP31998599 A JP 31998599A JP 31998599 A JP31998599 A JP 31998599A JP 2001140452 A JP2001140452 A JP 2001140452A
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Japan
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wall
plate
ceiling
steel plate
skirting board
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JP31998599A
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Yoichi Kawashima
要一 川島
Hideki Mizukami
秀樹 水上
Takaya Takada
孝也 高田
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Maeda Corp
Original Assignee
Maeda Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば食肉市場、食肉加工工場、鮮魚市場、
又は魚介類加工工場等のように食品を扱う施設等の作業
室内の壁を洗浄しやすくすると共に内壁面に結露の発生
を防ぎ、且つ目地材等にカビ等の発生が起こり難く、更
に工事も容易で且つ費用も安い洗浄可能な室内仕上げ構
造を提供すること。 【解決手段】 室としての空間部を区画する建築構造物
の躯体側壁部12に設けられた下地を利用して天井から
床面所定高さ位置までの間に取り付けられた、薄板鋼板
31aに断熱材31bを裏打ちしてなる断熱鋼板31
と、この断熱鋼板の下端と床面所定高さ位置までの間
に、下地を利用して取り付けられた耐腐食性金属板28
と、この金属板28の下端と床面との間に躯体側壁部1
2に沿って設けられた、プレキャスト化された幅木14
とから構成され、幅木14の上端部と金属板28の下端
部との継ぎ目、及び金属板28の上端部と断熱鋼板31
の下端との継ぎ目に目地シーリング材29を充填して室
内の壁構造を仕上げることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗浄可能な室内仕上
げ構造に関し、更に詳細には建築構造物において床や壁
或いは天井を洗浄する必要のある室(空間)の内壁仕上
げ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食肉市場、食肉センター、食肉加
工工場、鮮魚市場、又は魚介類加工工場等のように食品
を扱う施設等の作業室は、衛生上、壁や床を日常業務と
して洗浄している。そのため、この種の施設の作業室で
は、内壁の洗浄が可能で且つ衛生状態を保つことができ
るような室内仕上げ構造とされていることは既によく知
られている。
【0003】従来、この種の施設における作業室の室内
仕上げ構造は、金属製のパネルで仕上げられていた。パ
ネル仕上げの場合には、コンクリート製の躯体基礎上に
比較的にしっかりとした鉄骨を組んで下地とし、この鉄
骨下地材に金属製パネルを張り付ける工法が採用される
のが一般的であった。
【0004】また、パネル仕上げで形成された作業室の
壁面下部には、床面と壁との実質的な縁切り部材とし
て、又は床面を移動する種々の物体即ち例えば市場や工
場等ではフォークリフト、台車、又はハンドリフトをは
じめとして作業員、荷物、道具、又は機材等あらゆるも
のから壁の損傷を防止する保護部材として、或いはデザ
イン上のアクセント部材として幅木が設けられている。
【0005】幅木は、前述した保護部材として機能させ
るために、壁の表面より適宜の長さ突出して設けられる
ことがあり、このような幅木を「出幅木」と称すること
もある。従来、このような出幅木はコンクリートによっ
て現場で形成されるのが一般的であった。すなわち、建
築構造物施工時におけるコンクリート打設の際に、壁下
の部分に幅木を形成すべく型枠を設置し、これにより当
該コンクリートによる幅木基礎部が形成され、その表面
をモルタルで仕上げると共にコンクリート打ち継ぎ部分
にシーリングを施すことで形成されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たように従来のこの種の施設における作業室をパネル仕
上げで構成すると、下地材の施工に非常に費用が掛か
り、そのためコスト的に不経済であるという問題があっ
た。また、従来のパネル仕上げは、断熱性に乏しいため
パネル表面に結露が起こりやすく、この結露がカビ等の
発生を招くという問題もあった。
【0007】更に、従来のパネル仕上げ構造では、天井
もパネルで形成され、パネル間の継ぎ目即ち目地部に充
填されるシーリング材にカビなどが付着しやすく、また
付着したカビを除去するのは非常に大変であった。すな
わち、天井パネルの目地部に充填されている目地材が汚
れると、真下に機械など種々の装置が配置されている関
係上、洗浄が難しいという問題があった。
【0008】一方、従来の出幅木は、前述したようにコ
ンクリートによる幅木基礎部を形成し、その表面をモル
タルで仕上げていることからモルタル部にひび割れが発
生しやすく、壁面や床面を水洗いする食肉市場、食肉セ
ンター、鮮魚市場、食肉加工工場又は食品加工工場等食
品を扱う場所ではひび割れ部分から床洗浄水などが水漏
れしたり、或いはひび割れ部分に汚物が付着したりし
て、衛生上の問題があった。
【0009】また、従来の出幅木は、現場での施行とな
るため、施工性、意匠的な見栄え、或いは品質や精度が
悪いという問題があると共に、施行工程が長く、その結
果建築コストも高くなるという問題があった。そのた
め、特に、食肉市場、食肉センター、鮮魚市場、食肉加
工工場又は食品加工工場等食品を扱い、衛生上、壁面や
床面の洗浄を必要とする工場関係、或いはフォークリフ
ト、台車、又はハンドリフト等が用いられる空間部を備
える建築構造物を建設する際に、この空間部を区画する
壁の下部に形成される出幅木の改良が望まれていた。
【0010】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解
決するためになされたもので、例えば食肉市場、食肉加
工工場、鮮魚市場、又は魚介類加工工場等のように食品
を扱う施設等の作業室内の壁を洗浄しやすくすると共に
内壁面に結露の発生を防ぎ、且つ目地材等にカビ等の発
生が起こり難く、更に工事も容易で且つ費用も安い洗浄
可能な室内仕上げ構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は洗浄可能な室内
仕上げ構造であり、前述した技術的課題を解決するため
に以下のように構成されている。すなわち、本発明に係
る洗浄可能な室内仕上げ構造は、室としての空間部を区
画する建築構造物の躯体壁部に設けられた下地を利用し
て天井から床面所定高さ位置までの間に取り付けられ
た、薄板鋼板に断熱材を裏打ちしてなる断熱鋼板と、こ
の断熱鋼板の下端と床面所定高さ位置までの間に、下地
を利用して取り付けられた耐腐食性金属板と、この金属
板の下端と床面との間に躯体壁部に沿って設けられた、
プレキャスト化された幅木とから構成され、幅木の上端
部と金属板の下端部との継ぎ目、及び金属板の上端部と
断熱鋼板の下端との継ぎ目に目地シーリング材を充填し
て室内の壁構造を仕上げることを特徴とする。
【0012】<本発明における具体的構成>本発明の洗
浄可能な室内仕上げ構造は、前述した必須の構成要素か
らなるが、その構成要素が具体的に以下のような場合で
あっても成立する。その具体的構成要素とは、建築構造
物の躯体壁部における天井側には金属製の天井板が下地
を利用して取り付けられると共に側壁面側に位置する天
井板はその側端部が側面下地に沿って下方へ折り曲げら
れて、断熱鋼板の端部から薄板鋼板のみを張り出して形
成されたフランジ状の端板を重合させ、この重合部をシ
ーリング材で覆って継ぎ目とすることで室内の壁構造を
仕上げることを特徴とする。
【0013】また、本発明の洗浄可能な室内仕上げ構造
では、天井板に当該天井板同士の接続構造として、この
天井板の一側部を裏面側に断面S字形に屈曲して横U字
形に形成された嵌合溝と、この一側部に対向する他側部
に形成され、嵌合溝に差し込み可能な舌片とが形成さ
れ、この舌片を嵌合溝に差し込み、水平板部分を相互に
密着させて接続するようにして天井壁面を仕上げること
を特徴とする。
【0014】更に、本発明の洗浄可能な室内仕上げ構造
では、薄板鋼板に裏打ちされた断熱材として、発泡性樹
脂断熱材を用いることが好ましい。また、本発明の洗浄
可能な室内仕上げ構造においては、幅木の少なくとも下
端部を予め仮固定した上で床形成時に打設されるコンク
リート又はモルタルで埋設して固定したことを特徴とす
る。
【0015】更にまた、本発明の洗浄可能な室内仕上げ
構造において、幅木は予め工場等で、専用の型枠にコン
クリートを打設し、所定時間養生して形成された、いわ
ゆるプレキャスト化された工業製品である。このように
して形成されるコンクリート製の幅木は、その表面に合
成樹脂材の塗装を施することが好まし。この場合、塗装
材としての合成樹脂材は、例えばエポキシ樹脂などを挙
げることができる。
【0016】また、本発明の洗浄可能な室内仕上げ構造
では、コンクリートからなるプレキャスト製の幅木が、
所定の厚みを持った断面四角形の底部と、この底部の後
部から上方へ立ち上がった壁部と、この壁部の上端から
後部側へ曲がった天端部とから構成され、天端部の表面
が約45度の傾斜面で形成され、壁部の表面が垂直面で
形成され、この垂直面から底部の上面に亘っては比較的
に大きなアールの湾曲面で形成されていることを特徴と
する。
【0017】本発明の洗浄可能な室内仕上げ構造による
と、側壁面の構造として床面に沿った部分にプレキャス
ト化された幅木を設けているため、表面にひび割れ等が
発生し難く、また非常に高い精度で形成できることから
幅木と床部及び内壁仕上げ面との間に隙間などの発生す
る余地もなく、床面に水を流してブラシなどで洗浄して
も、水が床部の周囲から建築構造物の躯体内に漏水する
ことがなく、その結果床面を常に清潔に保つことができ
る。
【0018】また、幅木の上部側壁面については、特に
ブラシを使って洗剤で洗浄する部分には例えばステンレ
ス板のような耐腐食性金属板を張り付けて仕上げ、また
これより上部には、薄板鋼板に断熱材を裏打ちしてなる
断熱鋼板を張り付けて仕上げているため、下地としては
軽量鉄骨など簡易な材料を使用することができ、その結
果施工が容易で且つ費用も安く、しかも断熱性もよいた
め結露などの恐れもない。
【0019】更に、洗浄可能な室内の天井壁面は、金属
製の天井板同士を連結する連結部に目地材を使用しない
ような構造とされているため、従来のように目地材にカ
ビの発生などが起こり難く、清掃のし難い天井面の衛生
状態を良好に保つことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の洗浄可能な室内仕
上げ構造を図に示される実施形態について更に詳細に説
明するが、これらの説明はあくまで一実施形態について
の構成を説明するもので施工手順とは何ら関係がない。
【0021】図1及び図2には本発明の一実施形態に係
る洗浄可能な室内仕上げ構造10の主要部が示されてい
る。この実施形態において、洗浄可能な室内の仕上げ構
造が実施される室は、一部に鉄筋コンクリート造を用い
た鉄骨造の躯体壁部における床部、側壁部及び天井部
(それぞれを躯体床部、躯体壁部及び躯体天井部と称す
る)で基本的に区画形成された大空間部を更に小さく分
けた小空間部である。
【0022】この小空間部を形成するに際して、躯体床
部11から所定の高さまで鉄筋コンクリート造の低い壁
が仕切り用躯体側壁部12として造られている。仕切り
用躯体側壁部12の壁面にはモルタル13が塗られてい
る。このモルタル面13には、躯体床部11から所定高
さの位置に、該仕切り用躯体側壁部12に沿って所定長
さの幅木14が設置される。
【0023】この幅木14は、図2及び図3に示される
ように、工場などで専用型枠を使って予め形成されたコ
ンクリート製のプレキャスト製品であり、従って、高精
度で且つ高強度に形成されると共にその表面にはエポキ
シ樹脂などの合成樹脂材が塗装されている。
【0024】この幅木14は前述したようにコンクリー
トによる一体成型品であるが、これを強いて幾つかの構
成要素に分解すると、所定の厚みを持った断面四角形の
底部15と、この底部15の後部(図1で見て右方向)
から上方へ立ち上がった壁部16と、この壁部16の上
端から後部側へ曲がった天端部17とから構成されてい
る。
【0025】底部15、壁部16及び天端部17が一体
的に連続して形成されている幅木14の表面即ち正面形
状について説明すると、天端部17の表面は約45度の
傾斜面17aで形成され、壁部16の表面は垂直面16
aで形成され、垂直面16aから底部15の上面に亘っ
ては比較的に大きなアールの湾曲面16bで連続されて
いる。
【0026】この幅木14は、両端近傍において天端部
17の裏面即ち取付け面側と底部15の下面とにそれぞ
れボルト螺合用のインサート部材18、19が埋め込ま
れて成形されている。この幅木14をモルタル面13の
下端に取り付ける場合には、仕切り用躯体側壁部12の
表面所定位置に予めアンカーボルト20を打ち込むと共
に、それより下方部にはL形状の取付けブラケット21
をアンカーボルト22により固定しておく。
【0027】他方、幅木14の両端近傍における天端部
17の裏面に埋設されたインサート部材18にはボルト
が螺合されて取り付けられる。その後、この幅木14を
モルタル面13に位置決めし、インサート部材18に螺
合されたボルトの頭部をモルタル面13の表面に当接さ
せると共に、幅木14の底部15下面を取付けブラケッ
ト21の上に乗せる。
【0028】次いで、取付けブラケット21のボルト挿
通孔からボルト23を幅木14の下面に設けられたイン
サート部材19に螺合してナット24を締め付けて固定
する。これと同時に、幅木14の両端近傍における上部
裏面に埋設されたインサート部材18に装着されたボル
トの頭部とモルタル面13に予め打ち込まれているアン
カーボルト20とを溶接により接続する。
【0029】幅木14が所定位置に位置決めされた時、
その下面に設けられたインサート部材19を取付けブラ
ケット21のボルト挿通孔に整合させるには、幅木14
の取付け位置を予め設計し、その設計位置に基づいて取
付けブラケット21の取付け位置を決めておく必要があ
る。
【0030】これと同様に、仕切り用躯体側壁部12に
予め打ち込まれているアンカーボルト20と幅木14に
装着されたボルトとを溶接により接続するためには、幅
木14が位置決めされた時に幅木14に装着されたボル
トに隣接する位置にアンカーボルト20打ち込まれてい
る必要がある。また、幅木14と仕切り用躯体側壁部1
2の表面との間隔は、幅木14に装着されたボルトの突
出長さにより決定される。
【0031】なお、幅木14の下端近傍には、この幅木
14を横断貫通して水抜きパイプ25が出口端を入口端
より下側に位置するように傾斜して取り付けられてい
る。その際、この水抜きパイプ25は、その出口端が、
その後躯体床部11にコンクリートを打設して実質的な
床面となる床面レベル線26に接する位置となるように
取り付けられる。
【0032】このようにして幅木14が床面に沿った仕
切り用躯体側壁部12に固定された後、前述したように
躯体床部11にコンクリートが実質的な床面レベル26
まで打設されて床面が形成される。これにより、幅木1
4の底部15は、取付けブラケット21と共にこのコン
クリートに埋設され、より堅固に固定される。
【0033】一方、幅木14の上部におけるモルタル面
13には、耐腐食性金属板として最も好ましいステンレ
ス板27が取り付けられる。このステンレス板27の下
端縁と幅木14の天端部17との隙間及び幅木14同士
の継ぎ目には、それぞれシーリング材28が充填され、
水漏れ防止のための施行がなされ、幅木14の仕切り用
躯体側壁部12への取り付けが完了する。
【0034】ところで、幅木14はモルタル面13との
隙間や幅木相互の継ぎ目にシーリング材28が充填さ
れ、その裏面側は完全な密閉状態に保たれることにな
る。従って、この幅木14に水抜きパイプ25を設ける
意味がないように思われるが、この水抜きパイプ25
は、もしシーリング材28が劣化等によりひび割れを生
じ、そこから洗浄水が幅木14の裏面側に浸入した場合
にこれを排水することで当該部分に水溜まりの発生を防
ぐものである。
【0035】また、この水抜きパイプ25を設けること
により、このパイプ25から水が出てくるということは
幅木14の裏面側に水が回っていることを意味し、直ち
にシーリング材28や幅木14等の点検補修を行うこと
ができるというセンサーとしての機能を発揮する効果が
ある。
【0036】更に、仕切り用躯体側壁面12の上部には
軽量鉄骨29が立てられるが、この軽量鉄骨29は、躯
体天井部及び躯体壁部に沿って設置された他の軽量鉄骨
等と相互に連結される。このようにして組み立てられた
軽量鉄骨郡は、室内仕上げ構造の下地材として利用され
る。
【0037】この軽量鉄骨29を下地材として、ステン
レス板27の上部には断熱鋼板30が取り付けられる。
この断熱鋼板30は、薄い鋼板31aの裏面側に発泡ポ
リスチレンからなる板状の断熱材31bが適当な手段に
よって裏打ちされたものである。このような断熱材31
bは、基本的に鋼板31aに裏打ちされるが、ステンレ
ス板27の裏面にも裏打ちされている。
【0038】このステンレス板21は、図1に示される
ように、室の使用目的によっては仕切り用躯体側壁部1
2の高さより高く設置することがある。これとは反対
に、図4に示されるように、室の使用目的によってはス
テンレス板13は、仕切り用躯体側壁部12の高さより
低い位置に設置されることもある。
【0039】一般的に、図1に示されるように仕切り用
躯体側壁部12の高さより高くステンレス板27を取り
付ける室としては、食肉工場における解体室であり、ま
た図4に示されるように仕切り用躯体側壁部12の高さ
より低くステンレス板27を取り付ける室としては、例
えば白物処理室等の加工室である。このような設計は、
その室の使用目的により室の内壁のどの程度の高さまで
ブラシや洗剤を使用して水洗するかという規定によって
決まる。
【0040】次に、躯体天井部には前述したように軽量
鉄骨によって下地材が設置され、この下地材を利用し
て、図5に示されるように防水石膏(プラスター)ボー
ド32が全面に張り付けられている。そして、この防水
プラスターボード32の表面には、例えばアルミや焼付
カラー鋼板などの金属板からなる長尺のスパンドレル即
ち天井板が取り付けられる。図6に示される1枚のスパ
ンドレル33は基本的な形状のものである。
【0041】室内の天井は、このような多数のスパンド
レル33を平行に並べ且つ相互に連結して下地材に固定
設置することで構成される。基本的な形状の各スパンド
レル33の構造としては、その長尺方向に沿う一方の側
部に、平面部33aから垂直に立ち上がった側板33b
の上部を裏面側に屈曲して形成された横U字形の嵌合溝
33cが設けられている。
【0042】スパンドレル33のこのような側部を、側
板33bを含めて全体として見ると断面S字形に変形さ
れて横U字形の嵌合溝33cが形成されている、とも言
うことができる。他方、この一側部に対向する他側部
は、平面部33aから垂直に立ち上がった側板33bの
上部を外側にほぼ直角に屈曲させて形成され、前述した
嵌合溝33cに差し込み可能な舌片33dを備えてい
る。
【0043】多数のスパンドレル33は図5に示される
ように平行に並べられ且つ一方の側部に形成された嵌合
溝33cに他方の側部に形成された舌片33dを差し込
み、水平板部分を相互に密着させて接続することで室内
の天井壁面を仕上げることができる。
【0044】この時、嵌合溝33c内にはブチルテープ
36が配置され、舌片33dは、実質的にこのブチルテ
ープ36と嵌合溝33cの底面である水平板部分との間
に圧入され、これにより舌片33dが嵌合溝33cの底
面である水平板部分に面部分で圧着するようにされてい
る。
【0045】ところで、断熱鋼板31が設置されている
壁際に位置するスパンドレルについてはその構成を図6
に示される基本形のものと若干異にしている。壁際にお
ける天井に設置されるスパンドレルは2種類あり、一方
は図5で見て最も左側に設置されるスパンドレル34で
あり、他方は図5で見て最も右側に設置されるスパンド
レル35である。
【0046】一方の種類のスパンドレル34では、図7
に示されるように嵌合溝33cが形成されている一側部
に対向する他側部には舌片が形成されてはおらず、これ
に代えて平面部33aの縁部をから下方にほぼ垂直に屈
曲した端板33eが形成されていること以外は基本形の
スパンドレル33と実質的に同じである。
【0047】また、他方の種類のスパンドレル35で
は、特に図示してはいないが、趣旨はスパンドレル34
と同じであって、一側部に嵌合溝33cが形成されては
おらず、これに代えて平面部33aの縁部をから下方に
ほぼ垂直に屈曲した端板33eが形成されていること以
外は基本形のスパンドレル33と実質的に同じである。
【0048】このスパンドレル34又は35を壁際の天
井に取り付ける場合について説明すると、天井際に位置
する最上部の断熱鋼板31は、図5に示されるように端
部から薄板鋼板31aのみを張り出して断熱材31bの
端面を覆うように曲げ、更に断熱材31bの裏面延長方
向外側へ伸長するように屈曲形成されたフランジ状の端
板31cを下地面に密着させて取り付けられている。
【0049】そして、スパンドレル34が下地である防
水プラスターボード32の表面に取り付けられる時、前
述した端板33eが断熱鋼板31の端板31cの上に密
着される。これによりスパンドレル34の平面部33a
と断熱鋼板31の端面とで溝部が形成されることになる
が、この溝部にはコーキング材37が充填されて防水が
施される。
【0050】なお、各スパンドレル33、34、35の
端部(図6及び図7で見て左右側の端部)における壁側
の納まりについては、図8に示されるように各スパンド
レルの端部にゴム系の弾性防水目地材38を装着し、こ
の端部を、下地の防水プラスターボード32と側壁側の
下地面とのコーナー部に配置された別体部品としてのL
形板材(アングル板)39に当接させて構成されてい
る。
【0051】また、スパンドレルの長尺方向における長
さが、室の幅よりも短い場合には継ぎ足す必要がある。
その場合には、図9に示されるように断面形状がH形を
したジョイント部材40を長尺方向に隣接するスパンド
レル間に挟み込んで継ぎ足される。その際にも、各スパ
ンドレルの端部にはゴム系の弾性防水目地材38が装着
され、ジョイント部材40との防水が図られる。
【0052】このようにして室の内壁が仕上げられる
と、この室の仕上げ壁面を蒸気洗浄やお湯などにより洗
浄をしても壁面の裏側に水が浸入することもなく、特
に、洗浄のし難い天井面の目地材については、前述した
ように本実施形態の洗浄可能な室内仕上げ構造では本来
的に目地材を使用しないでスパンドレルを接続している
ためカビなどの発生もないため非常に衛生的である。
【0053】なお、前述した本発明の実施形態に係る洗
浄可能な室内仕上げ構造10では、幅木14がその天端
部17と底部15とを仕切り用躯体側壁部12に、ボル
トや取付けブラケット21等を用いて固定することによ
り取り付けられたが、仕切り用躯体側壁部12の表面側
に断熱材を配置したような場合には、幅木の底部のみを
固定して取り付けることもできる。
【0054】前述したような実施形態に係る洗浄可能な
室内仕上げ構造10によると、予め工場等で形成され
た、所謂プレキャスト化された幅木14を床面に沿って
取り付けるようにしたことから、ひび割れなどが発生す
ることがなく、また非常に高い精度で形成できることか
ら幅木18が取り付けられる各部分との間に隙間などの
発生する余地もなく、壁面や床面に水を流してブラシや
モップなどで洗浄しても、水が床部の周囲から建築構造
物の躯体内に漏水することがなく、その結果壁面や床面
を常に清潔に保つことができる。
【0055】また、この幅木14は、その正面形状が前
述したように天端部17の傾斜面17a、それに続く壁
部16の垂直面16a及びそれに続く底部15上面への
湾曲面16bに形成されているため、内壁面及び幅木1
4に水をかけて洗浄する時、水が滞留する部分がないこ
とから洗浄水が幅木14の表面をスムーズに流れ落ちて
非常に良好な水切りを得ることができる。
【0056】特に、幅木14の表面をモップやブラシで
擦りながら洗浄する際、壁部16の垂直面16aからそ
れに続く底部15上面へ向かって湾曲面16bに形成さ
れているため、モップやブラシが湾曲面全体に均等に当
たってムラなく洗浄することができ、汚れが溜まりやす
い幅木14の正面下部を常に清潔に保つことができる。
【0057】なお、前述した水抜きパイプ25は、出口
端を入口端よりも下方位置におくように傾斜しているた
め、内壁面や床面を洗浄している時に洗浄水が出口端か
ら水抜きパイプ25を逆流して幅木14の裏面側に入り
込むおそれはないが、この水抜きパイプ25の中間部に
仕切り弁(図示せず)等を設けておけば洗浄水の浸入を
完全に防止することができるので好ましい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の洗浄可能
な室内仕上げ構造によれば、幅木が予め工場等で形成さ
れた、いわゆるプレキャスト化されていることに加え
て、薄板鋼板に断熱材を裏打ちした断熱鋼板を使用する
ようにしたことから、下地として軽量鉄骨を使用するこ
とができ、その結果施工性及び経済性に優れた洗浄可能
な室内仕上げ構造を提供することができる。
【0059】また、本発明の洗浄可能な室内仕上げ構造
によれば、天井が多数の天井板を特殊な接続構造で連結
したことから、その継ぎ部に目地材を使用しておらず、
その結果カビなどの発生を防止でき、特に洗浄しにくい
天井面の衛生状態を良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る洗浄可能な室内仕上
げ構造を示す断面図である。
【図2】図1に示される洗浄可能な室内仕上げ構造にお
ける幅木の取付け部分を部分的に示す断面図である。
【図3】図1及び図2に示される洗浄可能な室内仕上げ
構造で使用された1つの幅木を示す正面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る洗浄可能な室内仕
上げ構造を示す断面図である。
【図5】本発明の洗浄可能な室内仕上げ構造における天
井の仕上げ構造及びこの構造と側壁部との納まりを示す
断面図である。
【図6】図5に示される天井の仕上げ構造に使用される
天井板即ちスパンドレルを示す斜視図である。
【図7】図6に示される天井板即ちスパンドレルの変形
例を示す斜視図である。
【図8】スパンドレルの端部と側壁部との納まりを示す
断面図である。
【図9】スパンドレルの端部同士を連結する連結構造を
示す断面図である。
【符号の説明】
10 洗浄可能な室内仕上げ構造 11 躯体床部 12 仕切り用躯体側壁部 13 モルタル面 14 プレキャスト化された幅木 15 幅木の底部 16 幅木の壁部 16a 垂直面 16b 湾曲面 17 幅木の天端部 18 インサート部材 19 インサート部材 20 アンカーボルト 21 取付けブラケット 22 アンカーボルト 23 ボルト 24 ナット 25 水抜きパイプ 26 床面レベル 27 ステンレス板(耐腐食性金属板) 28 シーリング材 29 軽量鉄骨 30 断熱鋼板 31a 薄板鋼板 31b 裏打ち断熱材 32 防水プラスターボード 33 スパンドレル(天井板) 33a 平面部 33b 側板 33c 嵌合溝 33d 舌片 33e 端板 34 スパンドレル(天井板) 35 スパンドレル(天井板) 36 ブチルテープ 37 コーキング材 38 弾性防水目地材 39 L形板材(アングル板) 40 ジョイント部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 孝也 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 Fターム(参考) 2E110 AA02 AA70 AB04 AB23 AB36 AB41 BA12 BA24 DD03 GB02W

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室としての空間部を区画する建築構造物
    の躯体壁部に設けられた下地を利用して天井から床面所
    定高さ位置までの間に取り付けられた、薄板鋼板に断熱
    材を裏打ちしてなる断熱鋼板と、この断熱鋼板の下端と
    床面所定高さ位置までの間に、前記下地を利用して取り
    付けられた耐腐食性金属板と、この金属板の下端と床面
    との間に前記躯体壁部に沿って設けられた、プレキャス
    ト化された幅木とから構成され、 前記幅木の上端部と前記金属板の下端部との継ぎ目、及
    び前記金属板の上端部と前記断熱鋼板の下端との継ぎ目
    に目地シーリング材を充填して室内の壁構造を仕上げる
    ことを特徴とする洗浄可能な室内仕上げ構造。
  2. 【請求項2】 前記建築構造物の躯体壁部における天井
    側には金属製の天井板が前記下地を利用して取り付けら
    れると共に側壁面側に位置する前記天井板はその側端部
    が側面下地に沿って下方へ折り曲げられて、前記断熱鋼
    板の端部から前記薄板鋼板のみを張り出して形成された
    フランジ状の端板を重合させ、この重合部をシーリング
    材で覆って継ぎ目とすることで室内の壁構造を仕上げる
    ことを特徴とする請求項1に記載の洗浄可能な室内仕上
    げ構造。
  3. 【請求項3】 前記天井板には、前記天井板同士の接続
    構造として、この天井板の一側部を裏面側に断面S字形
    に屈曲して横U字形に形成された嵌合溝と、この一側部
    に対向する他側部に形成され、前記嵌合溝に差し込み可
    能な舌片とが形成され、前記舌片を前記嵌合溝に差し込
    み、水平板部分を相互に密着させて接続するようにして
    天井壁面を仕上げることを特徴とする請求項1又2に記
    載の洗浄可能な室内仕上げ構造。
  4. 【請求項4】 前記薄板鋼板に裏打ちされた前記断熱材
    が、発泡性樹脂断熱材であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の洗浄可能な室内仕上げ構造。
  5. 【請求項5】 前記幅木の少なくとも下端部を予め仮固
    定した上で床形成時に打設されるコンクリート又はモル
    タルで埋設して固定したことを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の洗浄可能な室内仕上げ構造。
  6. 【請求項6】 コンクリートからなるプレキャスト製の
    前記幅木の表面に合成樹脂材の塗装が施されていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄可能
    な室内仕上げ構造。
  7. 【請求項7】 前記幅木が、所定の厚みを持った断面四
    角形の底部と、この底部の後部から上方へ立ち上がった
    壁部と、この壁部の上端から後部側へ曲がった天端部と
    から構成され、前記天端部の表面が約45度の傾斜面で
    形成され、前記壁部の表面が垂直面で形成され、この垂
    直面から前記底部の上面に亘っては比較的に大きなアー
    ルの湾曲面で形成されていることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の洗浄可能な室内仕上げ構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6532761B2 (en) * 2000-12-21 2003-03-18 Mayekawa Manufacturing Co., Ltd. Low temperature physical distribution system and method and apparatus for maintaining quality in auction market
CN112177264A (zh) * 2020-09-18 2021-01-05 华装兄弟(北京)装饰工程有限公司 一种不锈钢厨房墙体

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