JP2001140189A - フッ素樹脂繊維混抄紙及びその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂繊維混抄紙及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気特性が優れていると共に、生産速度を向
上した低コストのフッ素樹脂繊維混抄紙を提供するこ
と。 【解決手段】 ビスコースを含有しないフッ素樹脂繊維
とポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維を主
成分とする混抄紙に於いて、該混抄紙の繊維間が熱融着
及び繊維同士の絡み合いにより結合され、かつ該混抄紙
の全重量中に占める該フッ素樹脂繊維の量が5〜95重
量%、該ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊
維の量が95〜5重量%であることを特徴とするフッ素
樹脂繊維混抄紙、及び混抄シートを熱焼結することな
く、熱圧着処理することによって繊維間を結着させるフ
ッ素樹脂繊維混抄紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低誘電率・低誘電
損失率(以下、低誘電性と称する)の絶縁紙特に安価で
不純物を含まない絶縁紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、絶縁体の誘電損失は誘電
率及び誘電正接に依存し、電磁波伝送の減衰率や伝送速
度も伝送路の誘電特性に左右される。近年、コンピュー
ター等の高速伝送や衛星放送・通信、移動無線等に要求
される高度の低伝送損失や伝送速度の高速化に対処する
ために、それらに使用する機器の絶縁材、特にプリント
回路板のより一層の低誘電率化及び低誘電損失化が要求
されている。又、高電圧機器の分野では、電力損失の低
減等のために、伝統的に低誘電率化及び低誘電損失化が
求められている。
【0003】有機絶縁材料中、ポリテトラフルオロエチ
レンで代表されるフッ素樹脂は、その誘電率は2.1以
下、誘電正接は0.02%以下であり、高分子絶縁材料
中で最も優れている。
【0004】そのフッ素樹脂繊維を湿式抄造法によりシ
ート化する方法として、フッ素樹脂繊維とポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを湿式抄造して得
た混抄紙を、フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱するこ
とによって、繊維間を結着させて混抄紙を得る方法があ
る。その場合、フッ素樹脂繊維の熱収縮によって混抄紙
が収縮するのを防ぐ骨材としての役割をポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール繊維が担っている。すなわ
ち、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維は
耐熱性が優れているために、フッ素樹脂繊維の融点以上
で、繊維間を結着するのに必要な温度域では、分解及び
溶融せず、また、誘電率3.0、誘電正接0.01とい
う電気的に優れた繊維であるために、混抄しても混抄紙
の低誘電率の特徴を損なうことがない。また更にその製
造段階で、フッ素樹脂繊維の融点以上の温度で加熱処理
することは、繊維間をフッ素樹脂により結着すると共に
フッ素樹脂繊維中の不純物を熱分解除去することが達成
される。
【0005】フッ素樹脂繊維の中で電気特性及び物性で
優れているポリテトラフルオロエチレン繊維は、ビスコ
ース中にポリテトラフルオロエチレン粉末を分散させ、
エマルジョン紡糸することによって得られるため、ポリ
テトラフルオロエチレン繊維中にはビスコースが含まれ
ている。このビスコースはフッ素樹脂繊維の融点以上の
温度での加熱処理によって、熱分解除去することができ
る。本発明者は先にポリテトラフルオロエチレン繊維で
代表されるフッ素樹脂繊維とポリパラフェニレンベンゾ
ビスオキサゾール繊維とを混抄して得た混抄紙を、フッ
素樹脂繊維の融点以上の温度での加熱処理によって、繊
維間を結着すると共に、フッ素樹脂繊維中の不純物を熱
分解処理することによってフッ素樹脂混抄紙を得ること
を発明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の発明はポリテト
ラフルオロエチレン樹脂繊維とポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾール繊維との混抄紙が優れた電気特性を
有する点で、非常に期待される紙状の絶縁物を提供する
ものであるが、該ポリテトラフルオロエチレン樹脂繊維
とポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを
混抄して得た混抄紙を、フッ素樹脂繊維の融点以上の温
度での加熱処理によって繊維間を結着するとともに、フ
ッ素樹脂繊維中の不純物を熱分解処理する焼結工程は、
十分に繊維間を結着させるために、処理工程速度が遅
く、生産性が悪い工程となっている。その生産性の悪さ
が製品であるフッ素樹脂繊維混抄紙の価額を上げる原因
となっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決するために種々の検討の結果、不純物のない10
0%のフッ素樹脂繊維としてビスコースを含有しないテ
トラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体繊維、テトラフルオロエチレン/ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体繊維、エチレン/テトラフ
ルオロエチレン共重合体繊維から選択使用することと
し、その1種類あるいは2種類以上のフッ素樹脂繊維と
ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを混
抄し、その混抄紙を熱圧着処理することによって、従来
の焼結工程では得られない生産性の向上により、安価
で、低誘電率、低誘電正接のフッ素樹脂繊維混抄紙を提
供するものである。
【0008】本発明は具体的には下記のとおりである。
請求項1の発明は、ビスコースを含有しないフッ素樹脂
繊維とポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維
を主成分とする混抄紙に於いて、該混抄紙の繊維間が熱
融着及び繊維同士の絡み合いにより結合され、かつ該混
抄紙の全重量中に占める該フッ素樹脂繊維の量が5〜9
5重量%、該ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾー
ル繊維の量が95〜5重量%であることを特徴とするフ
ッ素樹脂繊維混抄紙であり、請求項2の発明は、ポリパ
ラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の少なくとも
一部がフィブリル化されていることを特徴とする請求項
1記載のフッ素樹脂繊維混抄紙であり、請求項3の発明
は、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維が
フィブリル化されていないことを特徴とする請求項1記
載のフッ素樹脂繊維混抄紙であり、請求項4の発明は、
ビスコースを含有しないフッ素樹脂繊維がテトラフルオ
ロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体繊維、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体繊維、エチレン/テトラフルオロエチ
レン共重合体繊維から選択された繊維であり、その繊維
を1種類あるいは2種類以上用いることを特徴とする請
求項1記載のフッ素樹脂繊維混抄紙であり、又、請求項
5の発明は、ビスコースを含有しないフッ素樹脂繊維と
ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを湿
式抄造法により混抄し、乾燥して得られた混抄シート
が、熱圧着処理して繊維間を結着されていることを特徴
とする請求項1記載のフッ素樹脂繊維混抄紙低誘電性絶
縁紙である。
【0009】又、請求項6の発明は、ビスコースを含有
しないフッ素樹脂繊維とポリパラフェニレンベンゾビス
オキサゾール繊維とを湿式抄造法により混抄し、乾燥し
て得た混抄シートを、熱圧着処理して繊維間を結着させ
ることを特徴とするフッ素樹脂繊維混抄紙の製造方法で
ある。
【0010】本発明に於て、特定するビスコースを含有
しないフッ素樹脂繊維とは、テトラフルオロエチレン/
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体繊維、テ
トラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重
合体繊維、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体
繊維から選択された繊維であり、これらのフッ素樹脂繊
維は溶融紡糸によって得ることができ、不純物であるビ
スコースを含有しない100%のフッ素樹脂繊維であ
る。中でも、耐熱性、耐薬品性、電気特性をフッ素樹脂
繊維混抄紙に活かすためには、フッ素樹脂繊維としてテ
トラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体繊維を用いることが最も好ましい。
【0011】又、熱圧着処理工程での混抄紙は、引張強
度等の混抄紙の強度を上げるためには、フィブリル化し
たものを使用することが好ましい。フィブリル化のため
の手段としては、一般的な叩解機であるボールミル、ビ
ーター、ランプミル、PFIミル、SDR、DDR、そ
の他リファイナー等を使用することができる。叩解の度
合いは、混抄紙の強度との関係で決定される。より強い
混抄紙の強度を必要とする場合には、叩解の程度を進め
た繊維を用いることが好ましい。
【0012】また、熱圧着処理工程での混抄紙の熱収縮
を防止するためには、フィブリル化をしない方が好まし
い。フィブリル化していない繊維が骨材の役割を果た
し、混抄紙の熱収縮を抑える働きをする。混抄紙の強度
と熱収縮防止のバランスを持たせるためには、フィブリ
ル化した繊維と、フィブリル化していない繊維とを混ぜ
て使用することもできる。フィブリル化した繊維と、フ
ィブリル化していない繊維の混抄比率は、混抄紙の強度
を強くする場合にはフィブリル化した繊維の比率を多く
し、熱収縮を抑える場合には、フィブリル化してない繊
維の比率を多くすればよい。目的に応じてフィブリル化
した繊維とフィブリル化してない繊維の混抄比率を変え
て混抄すればよい。
【0013】なお、上記のビスコースを含有しないフッ
素樹脂繊維やポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾー
ル繊維の直径は、通常5μm〜50μm、長さは0.1
mm〜10mm、好ましくは3mm〜6mmのものを用
いる。
【0014】本発明では、ビスコースを含有しないフッ
素樹脂繊維の量が95〜5重量%、ポリパラフェニレン
ベンゾビスオキサゾール繊維の量が5〜95重量%であ
ることが好ましい。より好ましくはビスコースを含有し
ないフッ素樹脂繊維の量が90〜10重量%で、ポリパ
ラフェニレンベンゾビスオキサゾールの量が10〜90
重量%である。
【0015】本発明者の検討したところによれば、ビス
コースを含有しないフッ素樹脂繊維が95重量%より多
く、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維が
5重量%より少ない場合は、熱圧着処理工程で混抄紙が
熱収縮するのを防ぐ骨材としてポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾールが少ないために、混抄紙の熱収縮が
大きいので好ましくない。又逆にビスコースを含有しな
いフッ素樹脂繊維が5重量%より少なく、ポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール繊維が95重量%より多
い場合は、熱圧着処理工程でビスコースを含有しないフ
ッ素樹脂繊維の溶融による結着部分が少なくなり、混抄
紙の強度が低下するので好ましくない。
【0016】本発明のフッ素樹脂繊維混抄紙の製造方法
は、通常の製紙に用いられる湿式抄造法が用いられる。
すなわち、本発明の製造方法は、原材料であるビスコー
スを含有しないフッ素樹脂繊維及びポリパラフェニレン
ベンゾビスオキサゾール繊維をそれぞれ規定量秤量し、
水中で攪拌し、混合離解し、好ましくは、固形分濃度が
0.5%以下になるように濃度調整したスラリーを長網
式、円網式等の湿式抄造機に適用し、連続したワイヤー
メッシュ状の脱水パートで脱水し、その後、多筒式ドラ
イヤーやヤンキードライヤーで乾燥して混抄シートを得
る。次に該混抄シートを熱圧着ロールに適用することに
よって、フッ素樹脂繊維の溶融による繊維間の結着及び
繊維間の絡み合いを強固にして、混抄紙の強度を向上さ
せて、フッ素樹脂繊維の混抄紙を得る。
【0017】また、本発明のフッ素樹脂繊維混抄紙には
通常の製紙に用いられる各種の紙力増強剤、分散剤、消
泡剤、合成粘剤や顔料成分等の添加剤を配合することが
できる。このようにして得られた本発明のフッ素樹脂繊
維混抄紙は、不織布の製造に使用される乾式法と比較し
て、薄くて地合が均一という優れた特徴を有している。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例について説
明する。
【0019】(実施例1)テトラフルオロエチレン/パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体繊維(東洋
ポリマー社製、商品名:ハステックス、繊維長6mm)
(PFA繊維)50重量%と、フィブリル化していない
ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(東洋
紡績社製、商品名:ザイロン、繊維長6mm)(PBO
繊維)50重量%とを水に分散させ、この水分散液を長
網抄紙機にて抄紙して混抄シートを得て、この混抄シー
トを約300℃にて加熱調整した熱カレンダーを用い
て、圧力200Kg/cmの条件で熱圧着処理を行っ
て、厚さ150μmの本発明のフッ素樹脂繊維混抄紙を
得た。
【0020】(実施例2)混抄シートの配合比率をテト
ラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体繊維90重量%と、フィブリル化していな
いポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維10
重量%とした以外は実施例1と同様にして本発明のフッ
素樹脂繊維混抄紙を得た。
【0021】(実施例3)混抄シートの配合比率をテト
ラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体繊維10重量%と、フィブリル化していな
いポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維90
重量%とした以外は実施例1と同様にして本発明のフッ
素樹脂繊維混抄紙を得た。
【0022】(実施例4)混抄シートの配合比率をテト
ラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体繊維97重量%と、フィブリル化していな
いポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維3重
量%とした以外は実施例1と同様にして本発明のフッ素
樹脂繊維混抄紙を得た。
【0023】(実施例5)混抄シートの配合比率をテト
ラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体繊維3重量%と、フィブリル化していない
ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維97重
量%とした以外は実施例1と同様にして本発明のフッ素
樹脂繊維混抄紙を得た。
【0024】(実施例6)混抄シートの配合比率をテト
ラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体繊維50重量%と、フィブリル化したポリ
パラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維50重量%
とした以外は実施例1と同様にして本発明のフッ素樹脂
繊維混抄紙を得た。
【0025】(実施例7)実施例1のテトラフルオロエ
チレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
繊維を、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体繊維(東洋ポリマー社製、商品名:ハス
テックス、繊維長6mm)(FEP繊維)に代え、熱カ
レンダーの処理温度を約270℃とした以外は、実施例
1と同様にして本発明のフッ素樹脂繊維混抄紙を得た。
【0026】(実施例8)実施例2のテトラフルオロエ
チレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
繊維を、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体繊維(東洋ポリマー社製、商品名:ハス
テックス、繊維長6mm)(FEP繊維)に代え、熱カ
レンダーの処理温度を約270℃とした以外は、実施例
2と同様にして本発明のフッ素樹脂繊維混抄紙を得た。
【0027】(実施例9)実施例3のテトラフルオロエ
チレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
繊維を、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体繊維(東洋ポリマー社製、商品名:ハス
テックス、繊維長6mm)(FEP繊維)に代え、熱カ
レンダーの処理温度を約270℃とした以外は、実施例
3と同様にして本発明のフッ素樹脂繊維混抄紙を得た。
【0028】(実施例10)実施例1のテトラフルオロ
エチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体繊維を、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体
繊維(東洋ポリマー社製、商品名:ハステックス、繊維
長6mm)(ETFE繊維)に代え、熱カレンダーの処
理温度を約270℃とした以外は、実施例1と同様にし
て本発明のフッ素樹脂繊維混抄紙を得た。
【0029】(比較例1)実施例1のテトラフルオロエ
チレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
繊維を、ポリテトラフルオロエチレン繊維(東レファイ
ンケミカル社製、商品名:トヨフロン、繊維長6mm)
(PTFE繊維)に代えた以外は、実施例1と同様にし
て比較例のフッ素樹脂繊維混抄紙を得た。
【0030】これらの実施例及び比較例の各フッ素樹脂
繊維混抄紙について、混抄紙の強度及び熱処理前後の寸
法変化率を測定したところ、表1のとおりであった。こ
の場合の混抄紙の強度はJIS P8113に準拠した
方法により測定し、一方、寸法変化率は下記の方法によ
り測定した。すなわち、試料を200mm(ヨコ)×2
50mm(タテ)に裁断し、熱カレンダー処理後のタテ
方向の寸法(X)を測定し、下記式で算出した。 寸法変化率(%)=(250−X)×100/250 なお、試験片を以下シートという。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果、次の諸点が確認された。すな
わち、実施例1〜5のデータより、フッ素樹脂繊維の配
合量が増加すると共に、シート強度が強くなっている。
しかし、フッ素樹脂繊維が90重量%を超える実施例4
では、寸法安定性が悪くなっている。一方実施例3及び
5から明らかなとおりフッ素樹脂繊維の配合量が減少す
ると共にシート強度が弱くなっている。これはフッ素樹
脂繊維の溶融による繊維間の接着が少なくなっているた
めである。又、寸法安定性に関しても、実施例1〜5の
データから明らかなとおりシートの収縮を押さえる骨材
としてのPBO繊維が少なくなると寸法安定性が悪くな
っている。実施例6では、フィブリル化したPBO繊維
を用いているために、繊維間の絡み合いが増し、シート
強度が増加している。ただ、寸法安定性は骨材としての
役割が少なくなり、若干悪化している。実施例1、7、
10よりフッ素樹脂繊維としてPFA繊維、FEP繊
維、ETFE繊維の何れもシート強度は同等であること
がわかる。比較例1では、実施例1と同様の温度条件で
の熱処理を行ったために、融点が高いPTFE繊維では
溶融が進まずシート強度が弱くなっており、シートには
PTFE繊維に含まれるビスコースが残ったままであ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明に係るフッ素樹脂繊維混抄紙にお
いては、フッ素樹脂繊維にビスコースを含有しない(不
純物を含まない)テトラフルオロエチレン/パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体繊維、テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体繊維、
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体繊維を用
い、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維と
混抄して得た混抄紙を、焼結することなく、熱圧着処理
することによって、簡易な製造工程で、生産速度が向上
し、安価で、かつ不純物を含まない電気特性の優れたフ
ッ素樹脂繊維混抄紙を得ることが可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスコースを含有しないフッ素樹脂繊維
    とポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを
    主成分とする混抄紙に於いて、該混抄紙の繊維間が熱融
    着及び繊維同士の絡み合いにより結合され、かつ該混抄
    紙の全重量中に占める該フッ素樹脂繊維の量が5〜95
    重量%、該ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール
    繊維の量が95〜5重量%であることを特徴とするフッ
    素樹脂繊維混抄紙。
  2. 【請求項2】 ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
    ール繊維の少なくとも一部がフィブリル化されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のフッ素樹脂繊維混抄紙。
  3. 【請求項3】 ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
    ール繊維がフィブリル化されていないことを特徴とする
    請求項1記載のフッ素樹脂繊維混抄紙。
  4. 【請求項4】 ビスコースを含有しないフッ素樹脂繊維
    がテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニ
    ルエーテル共重合体繊維、テトラフルオロエチレン/ヘ
    キサフルオロプロピレン共重合体繊維、エチレン/テト
    ラフルオロエチレン共重合体繊維から選択された繊維で
    あり、その繊維を1種類あるいは2種類以上用いること
    を特徴とする請求項1記載のフッ素樹脂繊維混抄紙。
  5. 【請求項5】 ビスコースを含有しないフッ素樹脂繊維
    とポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを
    湿式抄造法により混抄し、乾燥して得られた混抄シート
    が、熱圧着処理により繊維間が結着されていることを特
    徴とする請求項1記載のフッ素樹脂繊維混抄紙。
  6. 【請求項6】ビスコースを含有しないフッ素樹脂繊維と
    ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを湿
    式抄造法により混抄し、乾燥して得た混抄シートを、熱
    圧着処理して繊維間を結着させることを特徴とするフッ
    素樹脂繊維混抄紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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