JP2001139869A - ガスバリアコーティング剤及びこれを用いたガスバリア性フィルム - Google Patents

ガスバリアコーティング剤及びこれを用いたガスバリア性フィルム

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JP2001139869A
JP2001139869A JP32348099A JP32348099A JP2001139869A JP 2001139869 A JP2001139869 A JP 2001139869A JP 32348099 A JP32348099 A JP 32348099A JP 32348099 A JP32348099 A JP 32348099A JP 2001139869 A JP2001139869 A JP 2001139869A
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gas barrier
weight
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film
coating agent
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JP32348099A
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Atsuhiro Ishikawa
敦浩 石川
Kazunari Nanjo
一成 南條
Toyoki Uyama
豊樹 宇山
Mikio Kusunoki
幹夫 楠
Yosuke Yagi
洋介 八木
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Asahi Kasei Corp
Unitika Ltd
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Asahi Kasei Corp
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性に優れたフィルムを作成するの
に用いるガスバリアコーティング剤を提供する。 【解決手段】 高ニトリル共重合体ラテックスに、メチ
ルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体が添加され
てなる。高ニトリル共重合体ラテックスは、アクリロニ
トリル70〜95重量%とこれと共重合可能な1種以上
のビニル系単量体30〜5重量%とからなる単量体混合
物100重量部を、粘度が2〜50mPa・s、鹸化度
が95.5モル%以上であるポリビニルアルコール3〜
25重量部の存在下で乳化重合して得る。メチルビニル
エーテル−無水マレイン酸共重合体の添加量は、単量体
混合物100重量部に対して、10〜100重量部であ
る。メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の
他に、粘度が2〜50mPa・s、鹸化度が95.5モ
ル%以上であるポリビニルアルコールを40重量部以下
添加しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた塗膜形成能
を持ち、更に形成された塗膜に優れたガスバリア性を与
えるガスバリアコーティング剤、及びこれを基材フィル
ムに塗布してなるガスバリア性フィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリルを高含有率で含む共重
合体(高ニトリル共重合体)は、ニトリル基特有の分子
間結合に基づいて優れたガスバリア性を示し、酸、アル
カリ、有機溶剤等に対する耐薬品性に優れ、しかも曲げ
弾性率、強度及び耐クリープ性等の機械的物性に優れた
熱可塑性樹脂である。従って、食品、農医薬品及び化粧
品等の分野で、フィルム、シート、容器等の包装材料の
素材として、近年、高ニトリル共重合体の利用価値が認
められている。
【0003】しかし、高ニトリル共重合体のガスバリア
性と塗膜形成能は相反した性質であり、アクリロニトリ
ル成分の含有率が多くなるほどガスバリア性は高くなる
が、高ニトリル共重合体ラテックスの塗膜形成能は低下
する傾向がある。また、アクリロニトリル成分の含有率
が高いと、重合安定性が悪くなり、安定にラテックスを
得ることができないという憾みもあった。
【0004】高ニトリル共重合体ラテックスを安定に得
る技術としては、例えば、特公昭54−41638号公
報や特公昭55−2207号公報には、特定の圧力及び
温度条件下で重合し、生成する重合体中に一定量以上の
酸性基を導入する方法が開示されている。しかし、この
方法で得られた高ニトリル共重合体ラテックスは、その
塗膜形成能が充分であるとは言えない。
【0005】また、特開昭57−195770号公報に
は、高ニトリル共重合体ラテックスに、特定のポリビニ
ルピロリドンを増粘剤として添加し、塗膜形成能を向上
させる技術が開示されている。更に、特開昭59−21
3773号公報には、塗膜形成能に優れた高ニトリル共
重合体ラテックスと、乾燥フィルム性質に優れた高ニト
リル共重合体ラテックスの2種を混合して、基材に塗布
する技術が開示されている。しかし、いずれにも、高ニ
トリル共重合体ラテックスを安定に得る技術は開示され
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
高ニトリル共重合体ラテックスを安定に得ることがで
き、しかも、得られたラテックスが優れた塗膜形成能を
持つものを開発すべく、鋭意研究を重ねていたところ、
アクリロニトリルの共重合を特定のポリビニルアルコー
ルの存在下で行うことで、これらを解決しうることを見
出した。この知見に基づき、本発明者は、特願平11−
210676号に係る発明を提案した。本発明は、この
発明の改良に係るものであり、この発明に係る高ニトリ
ル共重合体ラテックスに、更に特定の共重合体を添加す
ることによって、形成される塗膜のガスバリア性をより
向上させたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アクリ
ロニトリル70〜95重量%とこれと共重合可能な1種
以上のビニル系単量体30〜5重量%とからなる単量体
混合物100重量部を、粘度が2〜50mPa・s、鹸
化度が95.5モル%以上であるポリビニルアルコール
3〜25重量部の存在下で乳化重合することにより得ら
れる高ニトリル共重合体ラテックスに、前記単量体混合
物100重量部に対して10〜100重量部のメチルビ
ニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と、前記単量体
混合物100重量部に対して40重量部以下の、粘度が
2〜50mPa・s、鹸化度が95.5モル%以上であ
るポリビニルアルコールとを添加して得られることを特
徴とするガスバリアコーティング剤、及びこのガスバリ
アコーティング剤を用いて得られたガスバリア性フィル
ムに関するものである。
【0008】本発明において使用する単量体混合物は、
アクリロニトリルが70〜95重量%、望ましくは80
〜90重量%と、これと共重合可能な1種以上のビニル
単量体が30〜5重量%、望ましくは20〜10重量%
とよりなる。アクリロニトリルが70重量%未満である
と、得られる塗膜に充分なガスバリア性が得られない。
一方、95重量%を超えると、重合安定性が悪くなる。
【0009】アクリロニトリルと共重合可能なビニル単
量体としては、従来公知若しくは周知の炭素−炭素不飽
和二重結合を有するものであれば、どのようなものでも
使用しうる。具体的には、(メタ)アクリレート類、
(メタ)アクリルアミド類、官能基が結合した(メタ)
アクリレート類、ビニル類、オレフィン類、不飽和カル
ボン酸エステル、ビニリデン類、不飽和結合を有するウ
レタン類、不飽和結合を有するシリコーン類、不飽和結
合を有するフッ素系化合物等を単独で又は混合して使用
しうる。好ましくは、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキ
シル等の不飽和カルボン酸エステル類が使用しうる。
【0010】上記した単量体混合物は、乳化重合によっ
て共重合されるのであるが、本発明においては、この乳
化重合を、特定のポリビニルアルコールの存在下で行
う。特定のポリビニルアルコールとは、粘度が2〜50
mPa・s、望ましくは2〜10mPa・sで、鹸化度
が95.5モル%以上、望ましくは98モル%以上のも
のである。ここで、粘度は、JIS K 6726の
3.5記載の方法に準拠して測定されるものであり、具
体的には、B型粘度計で4重量%濃度の水溶液(20
℃)の粘度で測定したものである。また、鹸化度は、J
IS K 6726の3.11.1記載の方法に準拠し
て測定されるものである。
【0011】ポリビニルアルコールの粘度が50mPa
・sを超えると、乳化重合系の粘度が上がりすぎて、得
られるラテックスの固形分濃度を10重量%以上とする
ような場合には、重合安定性を確保しにくくなる。得ら
れるラテックスの固形分濃度を高くするためには、ポリ
ビニルアルコールの粘度は、ある程度低い方が望まし
い。また、鹸化度が95.5モル%未満になると、重合
安定性が低下し、高ニトリル共重合体の収率が90%未
満になることが多い。
【0012】乳化重合系に配合するポリビニルアルコー
ルの量は、前記単量体混合物100重量部に対して、3
〜25重量部、望ましくは6〜15重量部程度が良い。
ポリビニルアルコールの配合量が3重量部未満になる
と、得られるラテックスに良好な塗膜形成能を与えにく
くなる。また、この配合量が25重量部を超えると、乳
化重合系の粘度が上がりすぎて、重合安定性が確保しに
くい。
【0013】乳化重合時には、従来公知の重合開始剤や
界面活性剤等が使用される。これらの量も従来公知の範
囲で差し支えないが、これらは、得られるラテックスか
ら生成させた塗膜中に残存して、水蒸気や酸素等のガス
遮断性を低下させる要因となりうるので、その使用量は
可能な限り少量であることが望ましい。特に、乳化剤に
ついては、反応性乳化剤、例えば、スルホエチルメタク
リレート、p−スチレンスルホン酸ソーダ等を使用する
のが良い。また、高分子量の高ニトリル共重合体は、溶
融流動性が劣るため、ラテックス粒子の融着及び融着後
の分子拡散が起こりにくくなる。従って、分子量調整剤
を添加して、低分子量とすることが望ましい。
【0014】以上のとおり、高ニトリル共重合体ラテッ
クスは、上述した原料を用いて、一般的に知られた乳化
重合法によって、特別の反応装置等を用いることなく、
製造することができる。単量体混合物、重合開始剤、界
面活性剤(乳化剤)、各種添加剤等の乳化重合系への添
加方法、重合温度等も、従来公知の方法によれば良い。
【0015】本発明に係るガスバリアコーティング剤
は、上記の高ニトリル共重合体ラテックスに、メチルビ
ニルエーテル−無水マレイン酸共重合体を添加してなる
ものである。メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共
重合体は、それ単独ではガスバリア性の向上は図れない
が、高ニトリル共重合体と組み合わせることによって、
塗膜にしたときのガスバリア性の向上が図れる。また、
高ニトリル共重合体ラテックスに、メチルビニルエーテ
ル−無水マレイン酸共重合体を添加することによって、
ラテックスの塗膜形成能も向上する。本発明で用いるメ
チルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体は、溶液
重合法等の公知の方法により製造されたものであればど
のようなものでもよく、一般的に、ビニルエーテルと無
水マレイン酸が等モルの割合で結合したものである。
【0016】メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共
重合体の添加量は、高ニトリル共重合体ラテックスを製
造する際に用いる単量体混合物100重量部に対して、
10〜100重量部、望ましくは20〜60重量部であ
るのが良い。添加量が10重量部未満であったり、或い
は100重量部を超えると、塗膜にしたときのガスバリ
ア性が充分に向上しない。
【0017】本発明においては、高ニトリル共重合体ラ
テックスに、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共
重合体のみを添加しても良いが、更に、ポリビニルアル
コールを添加するのが好ましい。このポリビニルアルコ
ールは、乳化重合時に用いたポリビニルアルコールと同
種のものを用いるのが好ましい。即ち、粘度が2〜50
mPa・sで、鹸化度が95.5モル%以上であるポリ
ビニルアルコールを用いるのが好ましい。同種のポリビ
ニルアルコールを添加した方が、ラテックスの安定性が
低下しないからである。ポリビニルアルコールの添加量
は、高ニトリル共重合体ラテックスを製造する際に用い
る単量体混合物100重量部に対して、40重量部以
下、望ましくは15重量部以下とするのが良い。この添
加量が40重量部を超えると、得られる塗膜の耐水性が
低下する傾向が生じる。
【0018】以上のようにして得られる、メチルビニル
エーテル−無水マレイン酸共重合体を含み、所望により
更に特定のポリビニルアルコールを含んだ高ニトリル共
重合体ラテックスは、ガスバリアコーティング剤として
使用することができる。例えば、基材フィルム、基材シ
ート又は容器等の面に、これを塗布して塗膜を形成すれ
ば、基材フィルム等にガスバリア性を付与することがで
きる。本発明に係るガスバリアコーティング剤は、特に
基材フィルムの少なくとも片面に塗布して、ガスバリア
性フィルムを得るのに適している。基材フィルムとして
は、包装材料等として使用されている従来公知の合成樹
脂製フィルムが用いられ、例えば、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリビニルアルコール、セロハン、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポ
リカーボネート等の合成樹脂製フィルムが用いられる。
また、これらの合成樹脂製フィルムを積層してなる多層
基材フィルムを用いても良い。
【0019】本発明においては、基材フィルムの片面に
ガスバリアコーティング剤を塗布してガスバリア層を形
成し、このガスバリア層面に他のフィルムを積層し、三
層構造の積層フィルムとしても良い。また、基材フィル
ムの片面にガスバリアコーティング剤を塗布して得られ
たガスバリア性フィルムを二枚積層して四層構造の積層
フィルムとしても良い。その他、ガスバリア性フィルム
と他のフィルムとを適宜組み合わせて積層し、多層構造
の積層フィルムとしても良い。
【0020】ガスバリアコーティング剤を基材フィルム
等に塗布する方法としては、従来公知の方法で行えば良
く、例えば、エアーナイフコート法、グラビアコート
法、リバースグラビアコート法、バーコート法、コンマ
コート法等で行えば良い。ガスバリアコーティング剤を
塗布した後、乾燥して水分を蒸発させれば、ガスバリア
層が形成される。乾燥温度は、高ニトリル共重合体中の
アクリロニトリル含量、メチルビニルエーテル−無水マ
レイン酸共重合体の添加量、ポリビニルアルコールの添
加量、基材フィルム等の耐熱性等にもよるが、一般的
に、室温〜210℃の範囲内で、得られる塗膜の透明性
や耐水性を考慮しながら、適宜設定される。また、本発
明のガスバリアコーティング剤を延伸フィルムにコーテ
ィングすることもできるが、未延伸フィルムにガスバリ
アコーティング剤を塗布した後、1軸又は2軸方向(縦
及び横方向)に延伸することもできる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて、更に具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。本発明は、特定の乳化重合法で得られた
高ニトリル共重合体ラテックスに、メチルビニルエーテ
ル−無水マレイン酸共重合体を添加すれば、このラテッ
クスを塗布して得られる塗膜のガスバリア性が向上する
との知見に基づくものとして、解釈されるべきである。
なお、実施例及び比較例で用いる、部及び%は、特に断
らない限り重量基準による。 実施例1 〔高ニトリル共重合体ラテックスの準備〕ガラスライニ
ングを施した耐圧反応器中に、水220部、過硫酸ソー
ダ0.04部を仕込み脱気した後、内容物の温度を80
℃に保った。これとは別の容器に、アクリロニトリル8
0部、アクリル酸メチル18部、メタクリル酸2部を計
量混合して単量体混合物を作成した。前記耐圧反応器中
に単量体混合物を5時間に亙って連続的に定量添加し
た。並行して、過硫酸ソーダ0.6部(但し、濃度1.
48%水溶液として添加した。)、ポリビニルアルコー
ル(クラレ社製:商品名PVA−103、完全鹸化型、
鹸化度98.4モル%、粘度3.5mPa・s)15部
(但し、濃度7.69%水溶液として添加した。)及び
スルホエチルメタクリレート(日本乳化剤社製:商品名
Antox MS−2N)2部(但し、濃度4.76%
水溶液として添加した。)を5時間に亙って連続的に定
量添加した。この間、内容物を80℃に保ち、内圧が十
分に降下するまで反応を進行させた。以上のようにし
て、高ニトリル共重合体ラテックスを得た。高ニトリル
共重合体の重合収率を表1に示した。 〔ガスバリアコーティング剤の調製〕高ニトリル共重合
体ラテックスに、前記単量体混合物100部に対して、
メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体(In
ternational Specialty Pro
ducts社製:商品名GANTRETZ AN−11
9)40部(但し、濃度20%水溶液として添加し
た。)及びポリビニルアルコール(ユニチカ社製:商品
名UF040G、完全鹸化型、鹸化度98モル%、粘度
4mPa・s)25部(但し、濃度11%水溶液として
添加した。)を添加した。以上のようにして、ガスバリ
アコーティング剤を調製した。 〔ガスバリア性フィルムの作成〕基材フィルムとして、
コロナ放電処理を施した2軸延伸ポリエステルフィルム
(厚さ12μm)を準備した。この2軸延伸ポリエステ
ルフィルムに、ガスバリアコーティング剤をメイヤーロ
ッドを用いて、乾燥後塗膜重量が2.5g/m2となる
ように塗布した。その後、熱風循環乾燥機中に導入し、
200℃で300秒間熱風乾燥した。以上のようにし
て、ガスバリア性フィルムを得た。このガスバリア性フ
ィルムは、透明なガスバリア層を持つものであった。ま
た、このガスバリア性フィルムの酸素透過度を測定し、
この結果を表1に示した。なお、酸素透過度は、得られ
たガスバリア性フィルムを20℃で相対湿度が85%の
雰囲気中に放置した後、OX−TRAN2/20(MO
DERN CONTROL社製)を用い、20℃で相対
湿度が85%の雰囲気で測定した。また、酸素透過度の
単位は、〔ml/(m2 ・d・MPa)〕であり、dは
「日」を示す。 実施例2〜5 単量体混合物の組成を表1に記載したとおりに変更した
他は、実施例1と同様にして高ニトリル共重合体ラテッ
クスを準備した。そして、実施例1と同様にして、ガス
バリアコーティング剤を調製した後、ガスバリア性フィ
ルムを作成した。 実施例6 ポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名PVA−1
03、完全鹸化型、鹸化度98.4モル%、粘度3.5
mPa・s)に代えて、ポリビニルアルコール(ユニチ
カ社製:商品名UF050G、完全鹸化型、鹸化度98
モル%、粘度5.5mPa・s)を用いる他は、実施例
1と同様にして、高ニトリル共重合体ラテックスを準備
した。そして、実施例1と同様にして、ガスバリアコー
ティング剤を調製した後、ガスバリア性フィルムを作成
した。 実施例7及び8 実施例1と同様にして高ニトリル共重合体ラテックスを
準備した。そして、メチルビニルエーテル−無水マレイ
ン酸共重合体の添加量を20部又は80部とする他は、
実施例1と同様にして、ガスバリアコーティング剤を調
製した。そして、実施例1と同様にしてガスバリア性フ
ィルムを作成した。 実施例9 実施例1と同様にして高ニトリル共重合体ラテックスを
準備した。そして、ポリビニルアルコール(ユニチカ社
製:商品名UF040G、完全鹸化型、鹸化度98モル
%、粘度4mPa・s)を添加しない他は、実施例1と
同様にして、ガスバリアコーティング剤を調製した。そ
して、実施例1と同様にして、ガスバリア性フィルムを
作成した。 実施例10及び11 実施例1と同様にして、高ニトリル共重合体ラテックス
を準備し、ガスバリアコーティング剤を調製した。そし
て、実施例1で用いたコロナ放電処理を施した延伸ポリ
エステルフィルムに代えて、コロナ放電処理した2軸延
伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)又はコロナ放電処
理した2軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ22μ
m)を用いた他は、実施例1と同様にして、ガスバリア
性フィルムを作成した。 比較例1 単量体混合物の組成を、アクリロニトリル60部、アク
リル酸メチル38部、メタクリル酸2部とした他は、実
施例1と同様にして、高ニトリル共重合体ラテックスを
準備した。そして、実施例1と同様にして、ガスバリア
コーティング剤を調製した後、ガスバリア性フィルムを
作成した。 比較例2 ポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名PVA−1
03、完全鹸化型、鹸化度98.4モル%、粘度3.5
mPa・s)に代えて、ポリビニルアルコール(ユニチ
カ社製:商品名UP240G、部分鹸化型、鹸化度88
モル%、粘度45mPa・s)を用いる他は、実施例1
と同様にして、高ニトリル共重合体ラテックスを準備し
た。このとき、重合が不安定で収率が低かった。そし
て、実施例1と同様にして、ガスバリアコーティング剤
を調製した後、ガスバリア性フィルムを作成した。 比較例3 ポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名PVA−1
03、完全鹸化型、鹸化度98.4モル%、粘度3.5
mPa・s)を用いずに、実施例1と同様にして、高ニ
トリル共重合体ラテックスを準備した。これに、メチル
ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体及びポリビニ
ルアルコールを添加せずに、そのままガスバリアコーテ
ィング剤とした。そして、実施例1と同様にして、ガス
バリア性フィルムを作成した。しかし、ガスバリアコー
ティング剤による塗膜形成能が低く、均一な塗膜は得ら
れなかった。 比較例4 ポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名PVA−1
03、完全鹸化型、鹸化度98.4モル%、粘度3.5
mPa・s)を用いずに、実施例1と同様にして、高ニ
トリル共重合体ラテックスを準備した。これに、メチル
ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体を添加しない
他は、実施例1と同様にして、ガスバリアコーティング
剤を調製した。そして、実施例1と同様にして、ガスバ
リア性フィルムを作成した。しかし、ガスバリアコーテ
ィング剤による塗膜形成能が低く、均一な塗膜は得られ
なかった。 比較例5 ポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名PVA−1
03、完全鹸化型、鹸化度98.4モル%、粘度3.5
mPa・s)を用いずに、実施例1と同様にして、高ニ
トリル共重合体ラテックスを準備した。これに、ポリビ
ニルアルコールを添加しない他は、実施例1と同様にし
て、ガスバリアコーティング剤を調製した。そして、実
施例1と同様にして、ガスバリア性フィルムを作成し
た。 比較例6 ポリビニルアルコール(クラレ社製:商品名PVA−1
03、完全鹸化型、鹸化度98.4モル%、粘度3.5
mPa・s)を用いずに、実施例1と同様にして高ニト
リル共重合体ラテックスを準備した。そして、実施例1
と同様にして、ガスバリアコーティング剤を調製した
後、ガスバリア性フィルムを作成した。 比較例7 実施例1と同様にして、高ニトリル共重合体ラテックス
を準備した。これに、メチルビニルエーテル−無水マレ
イン酸共重合体を添加しない他は、実施例1と同様にし
て、ガスバリアコーティング剤を調製した。そして、実
施例1と同様にして、ガスバリア性フィルムを作成し
た。 比較例8 実施例1と同様にして、高ニトリル共重合体ラテックス
を準備した。これに、メチルビニルエーテル−無水マレ
イン酸共重合体150部添加する他は、実施例1と同様
にして、ガスバリアコーティング剤を調製した。そし
て、実施例1と同様にして、ガスバリア性フィルムを作
成した。
【0022】実施例2〜11及び比較例1〜8において
も、実施例1と同様に、高ニトリル共重合体の重合収率
及びガスバリア性フィルムの酸素透過度を測定し、その
結果を表1に示した。なお、表1中で使用した用語は、
以下のとおりである。 AN・・・アクリロニトリル MA・・・アクリル酸メチル EA・・・アクリル酸エチル BA・・・アクリル酸ブチル MMA・・メタクリル酸 PVA・・ポリビニルアルコール GAN・・メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重
合体 PET・・延伸ポリエステルフィルム(厚さ12μm) ON・・・延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm) OPP・・延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ22μ
m)
【0023】
【表1】 なお、表1中、「−−」で示したものは使用しなかった
ことを意味し、「※」で示したものは、ガスバリアコー
ティング剤を塗布しても、均一な塗膜が形成できなかっ
たことを意味している。
【0024】以上の実施例及び比較例を参照すれば明ら
かなように、実施例に係るガスバリア性フィルムは、比
較例に係るものに比べて、酸素透過度が小さくなってお
り、ガスバリア性が向上していることが分かる。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したとおり、特定の高ニトリル
共重合体ラテックスに、メチルビニルエーテル−無水マ
レイン酸共重合体を所定量添加して得られるガスバリア
コーティング剤を、基材フィルム等に塗布して塗膜を形
成すれば、塗膜形成能が向上すると共に、ガスバリア性
に優れた塗膜を得ることができる。従って、このガスバ
リアコーティング剤を用いれば、ガスバリア性に優れた
フィルム等を容易に得ることができるという効果を奏す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/20 C08L 33/20 4J038 35/00 35/00 51/06 51/06 C09D 5/00 C09D 5/00 Z // C08F 2/44 C08F 2/44 C 261/04 261/04 (72)発明者 南條 一成 京都府宇治市宇治樋ノ尻31−3 ユニチカ 株式会社宇治プラスチック工場内 (72)発明者 宇山 豊樹 京都府宇治市宇治樋ノ尻31−3 ユニチカ 株式会社宇治プラスチック工場内 (72)発明者 楠 幹夫 京都府宇治市宇治樋ノ尻31−3 ユニチカ 株式会社宇治プラスチック工場内 (72)発明者 八木 洋介 宮崎県延岡市旭町6丁目4100番地 旭化成 工業株式会社内 Fターム(参考) 4F006 AA35 AB12 AB20 AB24 BA05 CA07 EA03 4F100 AK02A AK21A AK24A AK27A AK41 AL01A AT00B AT00C BA02 BA03 BA10A BA10C CC00 CC00A EH46 EJ38 JA06A JB20A JD02A JD03 JM01A YY00A 4J002 BE023 BE04X BH02X BN20W GF00 GG02 GH00 4J011 AA05 BA03 PA67 PC02 PC06 4J026 AA30 AC36 BA01 BA11 BA25 BA27 BA31 BA32 BA50 BB02 DB04 DB08 FA04 GA08 GA09 4J038 CE021 CE022 CE052 CG082 CG161 CP021 MA08 MA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル70〜95重量%とこ
    れと共重合可能な1種以上のビニル系単量体30〜5重
    量%とからなる単量体混合物100重量部を、粘度が2
    〜50mPa・s、鹸化度が95.5モル%以上である
    ポリビニルアルコール3〜25重量部の存在下で乳化重
    合することにより得られる高ニトリル共重合体ラテック
    スに、前記単量体混合物100重量部に対して10〜1
    00重量部のメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共
    重合体と、前記単量体混合物100重量部に対して40
    重量部以下の、粘度が2〜50mPa・s、鹸化度が9
    5.5モル%以上であるポリビニルアルコールとを添加
    して得られることを特徴とするガスバリアコーティング
    剤。
  2. 【請求項2】 アクリロニトリル70〜95重量%とこ
    れと共重合可能な1種以上のビニル系単量体30〜5重
    量%とからなる単量体混合物100重量部を、粘度が2
    〜50mPa・s、鹸化度が95.5モル%以上である
    ポリビニルアルコール3〜25重量部の存在下で乳化重
    合して、高ニトリル共重合体ラテックスを得た後、前記
    単量体混合物100重量部に対して10〜100重量部
    のメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と、
    前記単量体混合物100重量部に対して40重量部以下
    の、粘度が2〜50mPa・s、鹸化度が95.5モル
    %以上であるポリビニルアルコールとを前記高ニトリル
    共重合体ラテックスに添加することを特徴とするガスバ
    リアコーティング剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のガスバリアコーティング
    剤が、基材フィルムの少なくとも片面に塗布されてなる
    ことを特徴とするガスバリア性フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のガスバリア性フィルムの
    少なくとも片面に、少なくとも1種以上のフィルムが積
    層されてなる積層フィルム。
JP32348099A 1999-11-15 1999-11-15 ガスバリアコーティング剤及びこれを用いたガスバリア性フィルム Pending JP2001139869A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005132994A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Toppan Printing Co Ltd ガスバリアフィルム積層体
CN106118326A (zh) * 2016-08-05 2016-11-16 雷春生 一种纳米防电晕涂层的制备方法

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