JP2001139829A - 熱可塑性エラストマー組成物及びこれを用いたホース - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物及びこれを用いたホースInfo
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Abstract
でき、焼却処分された場合も有害物質が生成しないガス
ホース1の提供。 【解決手段】 ガスホース1は、熱可塑性エラストマー
組成物から構成された外層2、ワイヤーから構成された
補強層3及び熱可塑性ポリマーを主成分とする内層4を
備えている。外層2の熱可塑性エラストマー組成物で
は、熱可塑性ポリマーのマトリックス中に、動的架橋さ
れたEPDMが分散している。この熱可塑性ポリマー
は、オレフィン系樹脂又は水素添加スチレン系熱可塑性
エラストマーを主成分としている。この熱可塑性エラス
トマー組成物には、赤燐及び水酸化物が配合されてい
る。熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量100部に対す
る、赤燐の配合量は5部以上であり、水酸化物の配合量
は25部以上であり、赤燐と水酸化物との合計の配合量
は50部以下である。
Description
に好適に用いられる熱可塑性エラストマー組成物に関す
るものであり、特に、熱可塑性ポリマーとゴムとを含
み、このゴムが樹脂架橋剤によって動的架橋されてなる
熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
は、難燃性及び耐オゾン性が要求される。これらの要求
を満たす材料として、ポリ塩化ビニルが用いられること
がある。ポリ塩化ビニルには塩素等のハロゲンが含まれ
ており、このハロゲンによって難燃性が発現される。ま
た、ポリ塩化ビニルは熱可塑性樹脂であるので、使用後
のガスホース等が加熱・溶融によって原料ポリマーとし
て再利用され得るという利点も有する。
めにポリ塩化ビニルが高温で溶融されると、有毒である
塩素ガスが発生してしまうという問題がある。また、ポ
リ塩化ビニルが焼却処分されると、塩素等のハロゲンが
ダイオキシン等の有害物質の原因となり、環境破壊を起
こしてしまうおそれがある。
ものであり、難燃性及び耐オゾン性に優れ、安全に再利
用でき、焼却処分された場合も有害物質が生成しないポ
リマー材料の提供を目的とするものである。
めになされた発明は、熱可塑性ポリマー、ゴム、赤燐及
び水酸化物を含んでおり、この熱可塑性ポリマーがオレ
フィン系樹脂又は水素添加スチレン系熱可塑性エラスト
マーを主成分としており、ゴムがエチレン−プロピレン
−ジエン共重合体を主成分としており、ゴムは樹脂架橋
剤にて動的架橋されることによって熱可塑性ポリマーの
マトリックス中に粒子として分散しており、熱可塑性ポ
リマーとゴムとの合計量100部に対する、赤燐の配合
量が5部以上であり、水酸化物の配合量が25部以上で
あり、赤燐と水酸化物との合計の配合量が50部以下で
ある熱可塑性エラストマー組成物、である。
架橋によって得られる。動的架橋では、熱可塑性ポリマ
ー、ゴム、架橋剤、その他の各種添加剤が混練されつつ
加熱され、ゴムが架橋される。そして、架橋されたゴム
は微細粒子として熱可塑性ポリマー中に分散する。この
熱可塑性エラストマー組成物は、マトリックスとなる熱
可塑性ポリマーの特性と、分散質である架橋ゴムの特性
とを併せ持つ。この熱可塑性エラストマー組成物は加熱
されることによって溶融するので、再利用が可能であ
る。加熱・溶融時に、塩素ガス等の有害物質は生成しな
い。また、この熱可塑性エラストマー組成物は、エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)が用いら
れているので耐オゾン性に優れ、しかも柔軟である。ま
た、この熱可塑性エラストマー組成物は所定量の赤燐及
び水酸化物を含むので、難燃性に優れる。しかも、この
熱可塑性エラストマー組成物では赤燐及び水酸化物によ
って難燃性が発現され、ハロゲンは配合される必要がな
いので、焼却処分時にダイオキシン類が発生しない。
質量比は10/90以上60/40以下である。これに
より、熱可塑性エラストマー組成物の熱可塑性と柔軟性
との両立が、よりよく達成される。
00部に対して1部以上20部以下である。これによ
り、熱可塑性エラストマー組成物から得られる成形体の
機械的物性が向上する。なお、本明細書において「部」
で示される数値は、質量が基準とされたときの比を意味
する。
ム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムであり、
これらは単独で用いられてもよく、また、2種以上が併
用されてもよい。
性及び耐オゾン性が要求され、再利用の要望が強いホー
スの外層、特にガスホースの外層に好適である。この熱
可塑性エラストマー組成物が外層に用いられたホースに
おいて、内層の主成分が熱可塑性ポリマーとされれば、
ホース全体が熱可塑性となり、加熱・溶融による再利用
が促進される。
本発明の実施形態が説明される。図1は本発明の一実施
形態にかかるガスホース1が示された斜視図であり、図
2は図1のII−II線に沿った断面図である。このガスホ
ース1は、外層2、補強層3及び内層4を備えている。
このガスホース1の外周直径は、一般的には10mmか
ら20mm程度である。このガスホース1の内周直径
は、一般的には6mmから8mm程度である。
ら形成されている。この熱可塑性エラストマー組成物は
動的架橋によって得られる。この熱可塑性エラストマー
組成物では、熱可塑性ポリマーのマトリックス中に架橋
ゴム粒子が分散している。従って、この熱可塑性エラス
トマー組成物は、熱可塑性ポリマーの特性とゴムの特性
とを併せ持つ。
オレフィン系樹脂又は水素添加スチレン系熱可塑性エラ
ストマーが主成分とされている。これにより、動的架橋
後の組成物が可塑化される。もちろん、これら以外の熱
可塑性ポリマーが併用されても良い。他の熱可塑性ポリ
マーが併用される場合でも、全熱可塑性ポリマーに占め
る、オレフィン系樹脂及び水素添加スチレン系熱可塑性
エラストマーの合計量の比率は50質量%以上、特には
75質量%以上が好ましい。
は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマ
ー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体等が挙げられ、これらは単独
で用いられてもよく、また、2種以上が混合されて用い
られてもよい。特に好適なオレフィン系樹脂は、ポリエ
チレン、ポリプロピレン及びアイオノマー樹脂である。
オレフィン系樹脂は分子鎖が飽和状態であり動的架橋時
に樹脂架橋剤によって架橋させてしまうことがないの
で、前述のように動的架橋後の組成物が可塑化される。
また、オレフィン系樹脂は可塑化温度が比較的低温であ
るので動的架橋時の温度が低温となり、ゴムの熱劣化が
抑制される。さらに、オレフィン系樹脂は一般的に安価
で入手が容易であるので、ガスホース1の製造コストが
抑制される。
塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−エチレン
/ブチレン−スチレントリブロック共重合体(SEB
S)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレントリ
ブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。水素添
加スチレン系熱可塑性エラストマーは、ハード成分とし
てのポリスチレン末端ブロックとソフト成分としてのゴ
ム中間ブロックとからなるブロック共重合体を主成分と
しているもので、中間ブロックが水素添加されているも
のである。水素添加により二重結合が消滅しているの
で、動的架橋時に樹脂架橋剤によって架橋させてしまう
ことがない。このため、前述のように動的架橋後の組成
物が可塑化される。また、水素添加スチレン系熱可塑性
エラストマーが用いられることにより、外層2の柔軟性
が向上する。
脂と水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとが併用
されても良い。これにより、ガスホース1の低コストと
柔軟性との両立が、よりよく達成される。オレフィン系
樹脂と水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとが併
用される場合、両者の質量比は1/9以上9/1以下、
特には3/7以上7/3以下が好ましい。
分としている。EPDMは主鎖が化学的に安定な飽和炭
化水素からできているので、主鎖切断による劣化が生じ
にくく、耐オゾン性及び強度に優れるゴムである。EP
DMを含む熱可塑性エラストマー組成物が外層2に用い
られることによって、ガスホース1の耐オゾン性及び強
度が高まる。
架橋が円滑に進行するENB系(エチリデンノルボルネ
ン系)のEPDMが好ましい。また、同様の理由から、
ヨウ素価が12以上36以下、特には20以上36以下
のEPDMが好ましい。
展タイプのEPDMと、ゴム成分とともに親展油を含む
油展タイプのEPDMとが存在する。本発明の熱可塑性
エラストマー組成物にはいずれもタイプのEPDMも使
用可能であり、また、両者が併用されてもよい。なお、
油展タイプのEPDMが用いられる場合、親展油が除か
れたゴム成分のみの質量が、配合比率の算出に用いられ
る。
PDMの特性を損なわない範囲で、加工性向上、強度向
上、コスト低減等の目的で他のゴムが併用されてもよ
い。用いられるゴムとしては、例えば天然ゴム、ブタジ
エンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリ
エチレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。他のゴ
ムが併用される場合でも、耐オゾン性維持の観点から、
全ゴムに占めるEPDMの比率は50質量%以上、特に
は75質量%以上が好ましい。
可塑性ポリマーとゴムとの質量比は10/90以上60
/40以下が好ましく、30/70以上55/45以下
が特に好ましい。配合比が上記範囲未満であると、熱可
塑性エラストマー組成物の可塑化が困難となってしまう
ことがある。配合比が上記範囲を超えると、ガスホース
1の硬度及び永久伸びが大きくなってしまうことがあ
る。
ムは樹脂架橋剤によって架橋されている。これにより、
架橋剤として硫黄等が用いられた場合に比べて、ガスホ
ース1の強度が向上する。また、硫黄架橋のように加硫
促進剤が用いられる必要がないので、この加硫促進剤の
ブルーミングの問題も生じない。
ゲン化アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール・
ホルムアルデヒド縮合物、トリアジン・ホルムアルデヒ
ド縮合物、硫化−p−第三ブチルフェノール樹脂、アル
キルフェノール・スルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチ
ル・メラミン樹脂等が挙げられる。
して1部以上20部以下が好ましく、5部以上15部以
下が特に好ましい。配合量が上記範囲未満であると、架
橋不足によってガスホース1の圧縮永久歪みが大きくな
ってしまうことがある。配合量が上記範囲を超えると、
架橋過剰によってガスホース1の引張物性が低下してし
まうことがある。
橋活性剤が配合されてもよい。好適な架橋活性剤として
は、酸化亜鉛、炭酸亜鉛又は金属ハライドが挙げられ、
これらは単独で用いられてもよく、また、2種以上が併
用されてもよい。また、アルキルベンゼンスルホン酸又
はその塩も、架橋活性剤として好適である。但し、架橋
阻害防止のためには、アルキルベンゼンスルホン酸及び
その塩は、酸化亜鉛、炭酸亜鉛及び金属ハライドとは併
用されない方が好ましい。
して0.1部以上15部以下が好ましく、3部以上5部
以下が特に好ましい。配合量が上記範囲未満であると、
架橋不足によってガスホース1の圧縮永久歪みが大きく
なってしまうことがある。配合量が上記範囲を超える
と、架橋過剰によってガスホース1の引張物性が低下し
てしまうことがある。
燐及び水酸化物が配合されている。赤燐及び水酸化物は
難燃剤として機能する。この熱可塑性エラストマー組成
物が外層2に用いられることによって、ガスホース1が
難燃性となる。赤燐及び水酸化物の配合量が多いほどガ
スホース1の難燃性が高まるが、配合量が多すぎると熱
可塑性エラストマー組成物の引張強度が低下してしまう
ことがあるので、赤燐と水酸化物との合計の配合量は、
熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量100部に対して5
0部以下とされ、特には45部以下とされる。
難燃性発現のためには多量の赤燐が配合される必要があ
り、熱可塑性エラストマー組成物の引張強度が低下して
しまう。同様に、難燃剤として水酸化物のみが用いられ
る場合、難燃性発現のためには多量の水酸化物が配合さ
れる必要があり、熱可塑性エラストマー組成物の引張強
度が低下してしまう。本発明の熱可塑性エラストマー組
成物では赤燐と水酸化物とが併用されているので、両者
の相乗効果によって難燃性が発現される。従って、難燃
剤の合計配合量がさほど多くされなくても熱可塑性エラ
ストマー組成物の難燃性が達成され、引張強度も維持さ
れる。
表面に水酸化アルミニウム、水酸化チタン等の無機物が
被覆されたものも好適に用いられる。十分な難燃性が達
成されるためには、赤燐の配合量は、熱可塑性ポリマー
とゴムとの合計量100部に対して5部以上とされる必
要があり、特に8部以上が好ましい。
アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム
等が挙げられる。十分な難燃性が達成されるためには、
水酸化物の配合量は、熱可塑性ポリマーとゴムとの合計
量100部に対して25部以上とされる必要があり、特
に30部以上が好ましい。
工性向上、硬度調整等の目的でオイル等の軟化剤が配合
されてもよい。配合されるオイルとしては、例えばパラ
フィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油、芳香族系鉱物油、
炭化水素系オリゴマーからなる合成油等が挙げられる。
オイルが配合される場合、その配合量は熱可塑性ポリマ
ーとゴムとの合計量100部に対して10部以上100
部以下が好ましい。オイルは、熱可塑性エラストマー組
成物の混練に先立って、あらかじめ熱可塑性ポリマー又
はゴムと混合されるのが好ましい。
EPDMにあらかじめオイルが含まれているので、軟化
剤は添加されなくてもよい。もちろん、油展EPDMが
用いられる場合でも、必要に応じてさらに軟化剤が添加
されてもよい。この場合は、油展EPDM中のオイルと
添加された軟化剤との合計量が上記範囲内とされるのが
好ましい。
述の樹脂架橋剤、難燃剤、軟化剤の他、充填剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤等の添加剤が、必要
に応じ適量添加されてもよい。
成されている。ワイヤーは、通常は異なる2つの方向に
伸びるように設けられており、いずれの方向もガスホー
ス1の長手方向に対して斜めとなっている。用いられる
ワイヤーの材質としては、スチール等が挙げられる。補
強層3によって、ガスホース1の強度が高められる。な
お、ワイヤーに代えてレーヨン等の繊維で補強層3が形
成されてもよい。
る組成物から形成されている。すなわち、このガスホー
ス1では外層2と内層4との両方が熱可塑性である。従
って、加熱によって外層2及び内層4が溶融し、ともに
補強層3から離脱する。よって、ポリマー分と補強層と
が分別回収され、それぞれ再利用されたり、廃棄され得
る。
レフィン系樹脂を主成分とする熱可塑性ポリマーのマト
リックス中に、樹脂架橋剤によって架橋されたアクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及びEPDMが分
散した熱可塑性エラストマー組成物が挙げられる。この
熱可塑性エラストマー組成物では、NBRとEPDMと
の質量比は75/25以上99/1以下が好ましい。ま
た、この熱可塑性エラストマー組成物では、熱可塑性ポ
リマーとゴムとの質量比は20/80以上50/50以
下が好ましい。さらに、この熱可塑性エラストマー組成
物では、樹脂架橋剤の配合量はゴム100部に対して1
部以上20部以下が好ましい。
組成物では、熱可塑性ポリマーとして、オレフィン系樹
脂とともに水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー又
は熱可塑性ポリエステルエラストマーが併用されてもよ
い。また、NBRとして、固形NBRとともに液状NB
Rが用いられてもよい。
るが、内層が2以上の層から形成されてもよい。例え
ば、中間層と最内層とから、内層が形成されてもよい。
この場合は、中間層及び最内層が熱可塑性ポリマーを主
成分とする組成物から形成される。また、中間層と最内
層との間に、他の補強層が形成されてもよい。
にされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定
的に解釈されるべきでないことはもちろんである。
の商品名「2TR−75」)に、100%油展のEPD
M(住友化学社の商品名「エスプレン670F」)を投
入し、直径約4mmで長さが約4mmのペレットとし
た。一方、パラフィン系鉱物油(出光興産社の商品名
「ダイアナプロセスオイルPW−380」)20部とS
EPS(クラレ社の商品名「セプトン4055」)14
部とを混練した後、タンブラーに投入した。このタンブ
ラーに、さらに前述のEPDMペレット90部(ゴム成
分は45部)と、ポリプロピレン(日本ポリケム社の商
品名「ノバテックPP MG05BS」)41部と、樹
脂架橋剤としてのアルキルフェノールホルムアルデヒド
縮合物(田岡化学社の商品名「タッキロール250−
3」)5.4部(ゴム100部に対して12部)と、架
橋活性剤としての酸化亜鉛(三井金属鉱業社の商品名
「酸化亜鉛2種」)1.6部(ゴム100部に対して
3.6部)とを投入し、混合した。この混合物を二軸押
出機(アイペック社の商品名「HTM38」)に連続投
入し、同時に、別の投入口から赤燐(日本化学工業社の
商品名「ヒシガードCP」)5部と、水酸化マグネシウ
ム(協和化学工業社の商品名「キスマ5A」)25部も
連続投入した。これを厚さが約3mmで幅が約30mm
のリボン状に押し出して冷却し、実施例1の熱可塑性エ
ラストマー組成物を得た。なお、この熱可塑性エラスト
マー組成物に含まれるオイルの合計量(油展EPDM中
のオイルと添加されたパラフィン系鉱物油との合計量)
は、65部である。
水酸化物の配合量を下記の表1に示されるように変量さ
せた他は実施例1と同様にして、実施例2及び比較例1
から7の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
トマー組成物の両面をスライスし、厚みが約2mmの試
験片を得た。また、参照例として、軟質ポリ塩化ビニル
(住友ベークライト社の商品名「スミフレックス676
0C」)からなる試験片を作成した。これらの試験片を
用い、JIS−K6253に準拠して、A型スプリング
式硬さ試験器にて硬度(Hs)を測定した。この結果
が、下記の表1に示されている。
を、JIS−K6251に準拠した引張試験に供した。
そして、切断時伸び(Eb)と引張強さ(Tb)とを測
定した。なお、試験片の形状は、ダンベル状3号形とし
た。この結果が、下記の表1に示されている。
トマー組成物及びPVCから試験片を作成し、JIS−
K6262に準拠して、圧縮永久歪み(CS)を測定し
た。なお、圧縮率は25%とし、加熱は70℃で22時
間行った。この結果が、下記の表1に示されている。
組成物及びPVCから、幅が10mmで、厚みが2mm
で、長さが10cmの試験片を作製した。一方、炎口内
径が約10mmのブンゼンバーナーを用意し、ガスを燃
焼させて炎の長さを約40mmとした。そして、還元炎
の先端から約10mm離れた酸化炎中に試験片を水平に
置き、5秒間保持した。その後炎を取り除き、試験片の
燃焼時間を測定した。5秒以内に消炎したものを「○」
とし、5秒を超えて燃焼し続けたものを「×」とした。
この結果が、下記の表1に示されている。
例2、比較例4、比較例5及び比較例6の熱可塑性エラ
ストマー組成物は、難燃性に劣っている。また、比較例
3及び比較例7の熱可塑性エラストマー組成物は、難燃
性には優れるものの、引張強さ(Tb)等の物性が劣っ
ている。これに対し、各実施例の熱可塑性エラストマー
組成物は難燃性に優れ、しかも物性も良好である。これ
らの評価より、本発明の優位性が確認された。
とされて本発明の熱可塑性エラストマー組成物が詳説さ
れたが、優れた特性を備えた本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物は、ガスホースのみならず、他のホース、電
線被覆材、電気部品等、種々の用途に用いられ得る。
性エラストマー組成物は難燃性、機械的物性及び耐オゾ
ン性に優れ、また、加熱されたり焼却されたときでも有
害物質が生成しない。この熱可塑性エラストマー組成物
が用いられた成形体は、安全に再利用され得る。
スが示された斜視図である。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 熱可塑性ポリマー、ゴム、赤燐及び水酸
化物を含んでおり、この熱可塑性ポリマーがオレフィン
系樹脂又は水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを
主成分としており、ゴムがエチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体を主成分としており、ゴムは樹脂架橋剤にて
動的架橋されることによって熱可塑性ポリマーのマトリ
ックス中に粒子として分散しており、熱可塑性ポリマー
とゴムとの合計量100部に対する、赤燐の配合量が5
部以上であり、水酸化物の配合量が25部以上であり、
赤燐と水酸化物との合計の配合量が50部以下である熱
可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項2】 上記熱可塑性ポリマーとゴムとの質量比
が10/90以上60/40以下である請求項1に記載
の熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項3】 上記樹脂架橋剤の配合量がゴム100部
に対して1部以上20部以下である請求項1又は請求項
2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項4】 上記水酸化物が水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムから選択される
1種又は2種以上である請求項1から請求項3のいずれ
か1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか1項に
記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる外層を備え
たホース。 - 【請求項6】 熱可塑性ポリマーを主成分とする内層を
さらに備えた請求項5に記載のホース。 - 【請求項7】 ガスの供給に用いられる請求項5又は請
求項6に記載のホース。
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