JP2001139534A - バリン誘導体およびその用途 - Google Patents

バリン誘導体およびその用途

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JP2001139534A
JP2001139534A JP32618999A JP32618999A JP2001139534A JP 2001139534 A JP2001139534 A JP 2001139534A JP 32618999 A JP32618999 A JP 32618999A JP 32618999 A JP32618999 A JP 32618999A JP 2001139534 A JP2001139534 A JP 2001139534A
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cysteine protease
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JP32618999A
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English (en)
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Yoshimitsu Nagao
善光 長尾
Nobuhiko Katsunuma
信彦 勝沼
Atsushi Inoue
淳 井上
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Senju Pharmaceutical Co Ltd
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたシステインプロテアーゼ(特にカテプ
シンおよびカルパイン)阻害活性を有するバリン誘導体
およびその用途を提供すること。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 〔式中、R1は低級アルキル基、シクロ低級アルキル基お
よびアリール基からなる群より選ばれる基を表す〕で示
されるバリン誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、システインプロテ
アーゼ阻害剤として有用な新規バリン誘導体およびその
用途に関する。
【0002】
【従来の技術】プロテアーゼは生理活性タンパク質やペ
プチドが活性を発現する際に必須の酵素であり、正常に
機能しない場合には多くの疾病を惹起する。システイン
プロテアーゼにおいては、腎糸球体におけるタンパク尿
症、破骨細胞における骨吸収(H. Kakegawa et al., FE
BS Lett., 321, 247(1993)、K. Tagami et al., FEBS
Lett., 342, 308(1994)、掛川寿夫ら, Molecular Med
icine, 30, 1310(1993))、MHC分子群による抗原提示
(K. Tagami et al., FEBS Lett., 324, 325(1993)、
癌転移、心筋梗塞による組織の損傷、筋ジストロフィー
などへの関与が示唆されており(鈴木紘一編,「プロテ
アーゼと生体機能−分子から病態まで−」(現代化学増
刊22)(東京化学同人)(1993))、個々のプロテアー
ゼに対する特異的阻害剤の合成開発は、それらが分担し
ている生理活性の解明と新たな医薬品の開発に寄与する
ものである。
【0003】カテプシンKは骨代謝における骨吸収を司
る破骨細胞に特異的に発現する新規システインプロテア
ーゼとして見出された。その非常に特異的な組織分布に
より、骨粗鬆症など骨吸収が亢進する疾患における骨吸
収抑制剤の新しいターゲットとして有望視され、現在で
はヒト、ウサギ、マウスのカテプシンK cDNAのクローニ
ング及びヒト組換え酵素の発現が報告されている(十亀
弘子ら, ファルマシア, Vol.33, No.8, 857(199
7))。
【0004】一方、カルパインは細胞質に存在するカル
シウム依存性のシステインプロテアーゼである。生体内
でのカルパイン活性の異常亢進が、筋ジストロフィー、
虚血性疾患、炎症、アルツハイマー病、白内障などの疾
患に関与することが知られている。
【0005】しかし、上記カテプシンKおよびカルパイ
ンに対して、現在まだ十分な効果をあげている阻害剤は
無く、有効な阻害剤が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、優れ
たシステインプロテアーゼ(特にカテプシンおよびカル
パイン)阻害活性を有するバリン誘導体を提供すること
である。本発明の他の課題は、当該バリン誘導体の用途
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねてきた結果、下記の一
般式(I)で表される新規バリン誘導体がシステインプ
ロテアーゼ(特にカテプシンおよびカルパイン)に対し
て高い阻害活性を有することを見出し、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は、以下の通りである。 (1) 一般式(I)
【0008】
【化2】
【0009】〔式中、R1は低級アルキル基、シクロ低級
アルキル基およびアリール基からなる群より選ばれる基
を表す〕で示されるバリン誘導体。 (2) R1がイソプロピル基、シクロヘキシル基および
フェニル基からなる群より選ばれる前記(1)記載のバ
リン誘導体。 (3) (1S)-N-((1S)-シクロヘキシルメチル-2-
オキソエチル)-1-(4-ビフェニルカルボニルアミノ)-
2-イソペンタンアミド、N-(1S-ベンジル-2-オキソエチ
ル)-1S-(4-ビフェニルカルボニルアミノ)-2-イソペ
ンタンアミド、および(1S)-N-((1S)-イソブチル-2
-オキソエチル)-1-(4-ビフェニルカルボニルアミノ)
-2-イソペンタンアミドからなる群から選ばれる前記
(1)または(2)記載のバリン誘導体。 (4) 前記(1)記載の一般式(I)で示されるバリ
ン誘導体を有効成分とするシステインプロテアーゼ阻害
剤。 (5) システインプロテアーゼがカルパインである前
記(4)記載の阻害剤。 (6) システインプロテアーゼがカテプシンである前
記(4)記載の阻害剤。 (7) 前記1記載の一般式(I)で示されるバリン誘
導体を有効成分とする、システインプロテアーゼに起因
して発症する疾患の予防・治療剤。 (8) システインプロテアーゼがカルパインである前
記(7)記載の予防・治療剤。 (9) システインプロテアーゼがカテプシンである前
記(7)記載の予防・治療剤。
【0010】
【発明の実施の形態】
【0011】以下に、本明細書で使用される各定義につ
いて説明する。
【0012】R1における「低級アルキル基」とは、炭素
数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基をいい、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert
-ブチル基、ペンチル基、2-メチルブチル基、2,2-ジメ
チルプロピル基、ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-
メチルペンチル基、2,2-ジメチルブチル基等が挙げられ
る。好ましくは、イソプロピル基が挙げられる。
【0013】R1における「シクロ低級アルキル基」と
は、炭素数3〜6の単環式のアルキル基をいい、例え
ば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。好ましくは、
シクロヘキシル基が挙げられる。
【0014】R1における「アリール基」としては、例え
ば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、好ましくは
フェニル基が挙げられる。
【0015】本発明の化合物(I)の好ましい立体配位
は、次の化合物(Ia)である。
【0016】
【化3】
【0017】〔式中、R1は前記と同義〕
【0018】本発明の化合物(I)の製造方法を以下の
スキーム1に示す。
【0019】
【化4】
【0020】〔式中、R1は前記と同義であり、R2はアル
キル基を、Xはハロゲンを示す〕
【0021】まず、バリン(II)を化合物(III)で処
理し、バリンのエステル体(IV)を得る。この反応は常
法に従って行うことができるが、好適な方法として、例
えばバリン(II)をチオニルクロライドと加熱還流した
後に、化合物(III)としてエタノールを使用して行う
ことができる。
【0022】次いで、エステル体(IV)を、活性化カル
ボン酸誘導体(V)と反応させて、ビフェニルアミド体
(VI)に導く。この反応は常法に従って行うことができ
る。好適には、例えばジクロロメタン中で、ピリジンの
存在下、活性化カルボン酸誘導体(V)として4-ビフェ
ニルカルボニルクロライドを使用して行うことができ
る。
【0023】得られたビフェニルアミド体(VI)のエス
テル部分を常法に従って加水分解することにより化合物
(VII)が得られる。好適な方法として、例えば1 N NaO
Hを含有するエタノール中で、室温にて行うことができ
る。
【0024】次いで、化合物(VII)を、アミノアルコ
ール(VIII)と脱水縮合させて化合物(IX)を得る。こ
の反応において、化合物(VII)のカルボン酸部分を活
性化する縮合剤としては、公知のものを使用することが
できるが、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC)、カルボニルジイミダゾール(CDI)等が挙げら
れる。また、この反応は通常、ジクロロメタン、N,N-ジ
メチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(TH
F)等の不活性化溶媒中で、−30〜80℃の温度で行うこ
とができる。好適には、例えばジクロロメタンとN,N-ジ
メチルホルムアミドとの混合溶媒中で、縮合剤としてDC
Cを使用して室温にて行うことができる。なお、アミノ
アルコール(VIII)の製造法は、後述する(スキーム
3)。
【0025】上記のようにして得られる化合物(IX)の
ヒドロキシル基を酸化することにより、本発明の化合物
(I)を得ることができる。この酸化反応の好適な方法
としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)中
で、触媒として三酸化硫黄ピリジン錯体を使用して室温
にて行うことができる。
【0026】スキーム2に化合物(IX)の別の製造方法
を示す。
【0027】
【化5】
【0028】〔式中、R1およびXは前記と同義であり、R
3はベンジルオキシカルボニル(以下Zと表す)、tert-
ブトキシカルボニル等のアミノ保護基を示す〕
【0029】まず、化合物(X)をアミノアルコール(V
III)と脱水縮合させて化合物(XI)を得る。この脱水
縮合反応は、スキーム1で述べた方法と同様に行うこと
ができる。好適には、THF中CDIの存在下、室温にて行う
ことができる。
【0030】次いで、化合物(XI)のR3基を除去(脱保
護)して化合物(XII)に導く。好適には、例えばパラ
ジウム炭素触媒を使用して、水素雰囲気下にて接触還元
を行うことによりR3基を除去することができる。
【0031】次いで、化合物(XII)を活性化カルボン
酸誘導体(V)と反応させて、化合物(IX)を得る。こ
の反応は、スキーム1で述べた方法と同様に行うことが
できる。
【0032】以上のようにして得られる化合物(IX)
は、スキーム1で述べた方法により化合物(I)へ誘導
される。
【0033】スキーム3にアミノアルコール(VIII)の
製造方法を示す。
【0034】
【化6】
【0035】〔式中、R1は前記と同義〕
【0036】アミノアルコール(VIII)は、アミノ酸
(XIII)を適当な還元剤を用いて還元することにより得
られる。好適には、THF中でI2の存在下、還元剤として
水素化ホウ素ナトリウムを使用し、加熱還流することに
より行うことができる。
【0037】上記のようにして得られる本発明の化合物
(I)は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、抽出、
クロマトグラフィー、再沈殿、再結晶等の手段を適宜施
すことによって、任意の純度のものとして採取できる。
【0038】また、本発明の化合物(I)の各種異性体
等も公知の方法により製造することができる。
【0039】本発明の化合物(I)は、哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、サル、ヒト
等)に対して、優れたシステインプロテアーゼ(特にカ
テプシンおよびカルパイン)阻害作用を有する。従っ
て、本発明の化合物(I)は、システインプロテアーゼ
阻害剤、特にカテプシン阻害剤およびカルパイン阻害剤
として有用であり、システインプロテアーゼ(特にカテ
プシンおよびカルパイン)が関与していると考えられる
種々の疾患、例えば、筋ジストロフィー、筋萎縮症、心
筋梗塞、脳卒中、アルツハイマー病、頭部外傷時の意識
障害や運動障害、多発性硬化症、末梢神経のニューロパ
シー、白内障、炎症、アレルギー、劇症肝炎、腎炎、高
カルシウム血症、乳癌、前立腺癌、前立腺肥大、骨粗鬆
症、血管新生(創傷治癒、炎症、腫瘍の増殖等に伴う血
管新生、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜静脈閉塞
症、老人性円板状黄斑変性症等でみられる血管新生
等)、虚血性疾患、免疫疾患、本態性高血圧、クモ膜下
出血等の予防・治療剤、あるいは腫瘍の増殖抑制、転移
予防剤、血小板の凝集阻害剤として用いることができ
る。
【0040】本発明の化合物(I)を医薬品として用い
る場合、薬理学上許容されうる添加剤(例えば、担体、
賦形剤、希釈剤等)等の製薬上必要な成分を用い、顆
粒、錠剤、カプセル剤、注射剤、軟膏クリーム、エアロ
ゾル等の態様で医薬組成物とし、経口的または非経口的
に投与することができる。上記製剤中には化合物(I)
を有効量配合する。
【0041】当該化合物(I)の投与量は、投与ルー
ト、患者の症状、体重あるいは年齢等によっても異な
り、投与目的に応じて適宜設定することができる。通
常、成人に経口投与する場合、10〜1,000 mg/日、好ま
しくは100〜500 mg/日を、一日1回〜数回に分けて投
与する。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0043】(分析機器および試薬)各生成物の融点は
柳本微量融点測定器で測定し、補正は行わなかった。1H
NMRスペクトルはJEOL-FX200 NMR、JEOL-AL300 NMR、JE
OL JNM-GSX 400、BRUKER ARX-400 NMR装置で測定し、化
学シフトはテトラメチルシラン(TMS)を内部標準とし
てppmで表示した。IRスペクトルは、PERKIN-ELMER 1720
Infrared Fourier Transform Spectrometerにて測定
し、cm-1で表示した。質量スペクトル(HREI-MS,HRFAB-
MS, FAB-MS)はJEOL JMS SX-102Aにて測定した。元素分
析は、柳本CHN-Corderを使用して実施した。旋光度はJa
sco DIP-370にて測定した。すべての反応は、薄層クロ
マトグラフ法(E.Merck:0.25 mm シリカゲルプレート60
F254使用)により紫外光照射及び発色試薬(10%リンモ
リブデン酸、パラアニスアルデヒドに浸してからホット
プレートで加熱)を用いてモニターした。分取薄層クロ
マトグラフ法では、0.5 mmシリカゲルプレート(E.Merc
k:60 F25 4)を用いた。カラムクロマトグラフ法におい
ては、シリカゲル60K070(片山化学工業:70〜230 mes
h)を用いた。溶出溶媒の混合比は容量比で表した。常
法処理とは、有機層を洗浄(飽和食塩水を使用)、乾燥
(無水硫酸ナトリウムを使用)し、濾紙濾過した後、減
圧下に濾液の溶媒を留去する一連の操作を意味する。反
応に用いたTHF、ジエチルエーテルはそれぞれベンゾフ
ェノンと金属ナトリウムより得られるケチルラジカルで
用時調製し、無水としたものを用いた。無水塩化メチレ
ンはCaH2を用いて用時調製して使用した。
【0044】参考例1 (2S)-アミノ-3-シクロヘキシルプロパン-1-オール 水素化ホウ素ナトリウム(3.03 g, 8.0×10-2 mol)の
無水THF(150 ml)溶液を、窒素雰囲気下にて、2S-アミ
ノ-3-シクロヘキシルプロパン酸(1.71 g, 4.0×10-2 m
ol)を加えた後、0℃とした。ヨウ素(10.2 g, 4.0×10
-2 mol)の無水THF(50 ml)溶液を30分以上かけて滴下
し、2日間還流した。室温に戻した後に氷冷下、メタノ
ールを加え30分間撹拌した。減圧下において濃縮し20%
水酸化カリウム溶液(50 ml)を加え4時間撹拌した。ク
ロロホルムにて抽出し常法処理することにより得た粗生
成物を減圧蒸留にて精製し、表題化合物(0.41g, 26%)
を得た。
【0045】1H NMR(200 MHz, CDCl3)0.80-1.00(m,
2H), 1.00-1.50(m, 6H), 1.68(brd, 5H), 2.19(b
rs, 3H), 2.88-3.00(m, 1H), 3.23(dd, J=7.8 Hz,
J=10.5 Hz, 1H), 3.55(dd, J=3.7 Hz, J=10.5 Hz, 1
H).
【0046】参考例2 L-フェニルアラニノール L-フェニルアラニン(5.00g, 3.0×10-2 mol)を原料と
して用い、参考例1と同様の方法で合成し、表題化合物
(3.99g, 87%)を得た。
【0047】1H NMR(200 MHz, CDCl3)2.18(brs, 3
H), 2.51(dd, J=8.6 Hz, J=13.3 Hz,1H), 2.79(dd,
J=5.1 Hz, J=13.3 Hz, 1H), 3.05-3.17(m, 1H), 3.
39(dd, J=7.1 Hz, J=10.5 Hz, 1H), 3.63(dd, J=3.8
Hz, J=10.6 Hz, 1H), 7.17-7.41(m, 5H).
【0048】参考例3 L-ロイシノール L-ロイシン(2.62 g, 2.0×10-2 mol)を原料として用
い、参考例1と同様の方法で合成し、表題化合物(1.56
g, 67%)を得た。
【0049】1H NMR(200 MHz, CDCl3)0.90(d, J=6.1
Hz, 3H), 0.93(d, J=6.1 Hz, 3H), 1.21(dd, J=6.
8, 7.1 Hz, 2H), 1.61-1.81(m, J=1H), 2.35(brs,
3H), 2.86-3.00(m, 1H), 3.25(dd, J=8.1 Hz, J=1
0.5 Hz, 1H), 3.58(dd, J=3.7 Hz, J=10.5 Hz, 1H).
【0050】参考例4 エチルL-バリネート 窒素雰囲気下のエタノール(50 ml)に氷冷下、塩化チ
オニル(11.25 ml, 1.5×10-1 mol)を4分間で滴下し45
分間撹拌した後、L-バリン(5.0g, 4.3×10-2 mol)を
加え、3日間還流した。減圧下において溶媒を留去した
後、残渣をエーテルにて洗浄した。結晶を飽和炭酸水素
ナトリウム溶液に溶かしてクロロホルムにて抽出し常法
処理することにより得た粗生成物を減圧蒸留にて精製
し、表題化合物(6.13g, 98%)を得た。
【0051】1H NMR(200 MHz, CDCl3)0.91(d, J=6.8
Hz, 3H), 0.98(d, J=6.8 Hz, 3H), 1.28(t, J=7.1
Hz, 3H), 1.45(brs, 2H), 1.91-2.17(m, 1H), 3.
28(d, J=4.9 Hz, 1H), 4.19(q, J=7.1 Hz, 2H);HRE
I-MS m/z 145.1119(calcd for C7H15NO2 145.1103)
M+.
【0052】参考例5 エチル(1S)-(4-ビフェニルカルボニルアミノ)-2-イ
ソペンタノエート 窒素雰囲気下にて、参考例4の化合物(2.6g, 1.8×10
-2 mol)の無水塩化メチレン(60 ml)溶液に、氷冷下
ピリジン(7.3 ml, 9.0×10-2 mol)を加えた後、4-ビ
フェニルカルボニルクロライド(4.3g, 2.0×10-2 mo
l)の無水塩化メチレン(40 ml)溶液をカニューレを用
いて加え、室温にて17時間撹拌した。反応溶液に5%塩
酸水溶液を加え、クロロホルムにて抽出し常法処理する
ことにより得た結晶性粗生成物を酢酸エチル(AcOEt)-
n-ヘキサンで再結晶することにより、表題化合物(3.1
g, 53%)を得た。
【0053】1H NMR(200 MHz, CDCl3)1.01(d, J=6.6
Hz, 3H), 1.04(d, J=6.6 Hz, 3H), 1.32(t, J=7.1
Hz, 3H), 2.20-2.44(m, 1H), 4.26(q, J=7.1 Hz,
2H), 4.80(dq, J=4.9 Hz, J=8.6 Hz, 1H), 6.71(br
d, J=8.3 Hz, 1H), 7.35-7.50(m, 3H), 7.60-7.70
(m, 4H), 7.86-7.99(m, 2H);HREI-MS m/z 325.1656
(calcd for C20H23NO3 325.1678)M+;Anal. Calcd for
C20H23NO3:C, 73.81;H, 7.13;N, 4.31. Found:C, 73.8
7; H, 7.13; N, 4.21.
【0054】参考例6 (1S)-(4-ビフェニルカルボニルアミノ)-2-イソペン
タン酸 参考例5の化合物(1.6g, 5.0×10-3 mol)のエタノー
ル(73 ml)溶液に、1N水酸化ナトリウム水溶液(40 m
l, 4.0×10-2 mol)を加え、室温にて18時間撹拌した。
減圧下において溶媒を留去した後、残渣に5%塩酸水溶
液を加え、酢酸エチルにて抽出し常法処理することによ
り得た結晶性粗生成物をAcOEt-n-ヘキサンで再結晶する
ことにより、表題化合物(1.5 g, quant.)を得た。
【0055】1H NMR(200 MHz, CDCl3)1.04(d, J=6.6
Hz, 3H), 1.07 (d, J=6.6 Hz, 3H), 2.28-2.54(m,
1H), 4.84(dd, J=4.6 Hz, J=8.1 Hz, 1H), 6.85(b
rd, J=8.6 Hz, 1H), 7.42-7.49(m, 3H), 7.57-7.67
(m, 4H), 7.83-8.09(m, 2H), 8.72(brs, 1H);HRE
I-MS m/z 297.1374(calcd for C18H19NO3 297.1365)M
+.
【0056】参考例7 (1S)-N-((1S)-シクロヘキシルメチル-2-ヒドロキ
シエチル)-1-(4-ビフェニルカルボニルアミノ)-2-イ
ソペンタンアミド 窒素雰囲気下にて、参考例1の化合物(207 mg, 1.3×1
0-3 mol)の無水塩化メチレン(4 ml)+無水DMF(1 m
l)溶液に、参考例6の化合物(356 mg, 1.2×10-3 mo
l)と1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(178 mg, 1.3×
10-3 mol)を加えた後、氷冷下1,3-ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(272 mg, 1.3×10-3 mol)を加え、すぐ
に室温に戻して40時間撹拌した。反応溶液に水を加え、
クロロホルムにて抽出し常法処理することにより得た粗
生成物を分取薄層クロマトグラフ法〔クロロホルム-メ
タノール(95:5)〕にて精製し、表題化合物(52.5 mg,
10%)を得た。
【0057】1H NMR(200 MHz, CDCl3)0.69-1.90(m,
13H), 1.06(d, J=6.6 Hz, 6H), 2.15-2.36(m, 1
H), 3.28-3.59(m, 2H), 3.62-3.76(m, 1H), 4.08-
4.24(m,1H), 4.42-4.60(m, 1H), 6.87(d, J=8.5 H
z, 1H), 7.22(d, J=8.1 Hz, 1H), 7.34-7.49(m, 3
H), 7.55-7.66(m, 4H), 7.80-8.02(m, 2H).
【0058】参考例8 (1S)-N-((1S)-ベンジル-2-ヒドロキシエチル)-1-
(フェニルメトシキカルボニルアミノ)-2-イソペンタ
ンアミド 窒素雰囲気下にて、N-カルボベンゾキシ-L-バリン(55
4.8 mg, 2.2×10-3 mol)ならびに1,1'-カルボニルビス
-1H-イミダゾール(430 mg, 2.6×10-3 mol)の無水THF
(22 ml)溶液を室温にて30分間撹拌した後、参考例2
の化合物(401 mg, 2.6×10-3 mol)を加えて2日間撹拌
した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し常法
処理することにより得た粗生成物をカラムクロマトグラ
フ法〔クロロホルム-メタノール(9:1)〕にて精製し、
表題化合物(729 mg, 86%)を得た。
【0059】1H NMR(200 MHz, CDCl3)0.84(d, J=6.6
Hz, 3H), 0.91(d, J=6.8 Hz, 3H), 1.98-2.19(m,
1H), 2.84(d, J=6.6 Hz, 2H), 3.10(brs, 1H), 3.
50-3.70(m, 2H), 3.90-4.25(m, 2H), 5.08(s, 2
H), 5.51(d, J=8.6 Hz, 1H), 6.63(brd, J=6.8 Hz,
1H), 7.13-7.50(m, 10H).
【0060】参考例9 (1S)-N-((1S)-ベンジル-2-ヒドロキシエチル)-1-
アミノ-2-イソペンタンアミド アルゴン雰囲気下、参考例8の化合物(93.4 mg, 2.4×
10-4 mol)ならびに10%パラジウム炭素(Pd-C)(25.9
mg, 2.4 ×10-5 mol)にメタノール(4 ml)をゆっくり
と加えた後、水素雰囲気下、室温にて21時間撹拌した。
Pd-Cを濾過除去した後、減圧下において溶媒を留去する
ことにより得た粗生成物を分取薄層クロマトグラフ法
〔クロロホルム-メタノール(9:1)〕にて精製し、表題
化合物(61.0 mg, quant.)を得た。
【0061】1H NMR(200 MHz, CDCl3)0.59(d, J=6.8
Hz, 3H), 0.87(d, J=7.1 Hz, 3H), 2.00-2.40(m,
4H), 2.69-3.09(m, 2H), 3.17(d, J=3.7 Hz, 1H),
3.53-3.88(m, 2H), 4.19(brs, 1H), 7.15-7.40
(m, 5H), 7.56(brd, J=7.8 Hz, 1H).
【0062】参考例10 (1S)-N-((1S)-ベンジル-2-ヒドロキシエチル)-1-
(4-ビフェニルカルボニルアミノ)-2-イソペンタンア
ミド 窒素雰囲気下にて、参考例9(164.5 mg, 6.5×10-4 mo
l)の無水塩化メチレン(2 ml)溶液に氷冷下において
ピリジン(266 μl, 3.3×10-3 mol)を加えた。4-ビフ
ェニルカルボニルクロライド(214 mg, 9.9×10-4 mo
l)の無水塩化メチレン(2 ml)溶液を加えて同温度に
て15分間撹拌したのち、室温にて5時間撹拌した。反応
溶液に5%塩酸水溶液を加え、クロロホルムにて抽出し
常法処理することにより得た粗生成物を分取薄層クロマ
トグラフ法〔クロロホルム-メタノール(95:5)〕にて
精製し、表題化合物(181 mg, 64%)を得た。
【0063】1H NMR(200 MHz, CDCl3)0.97-0.99(m,
6H), 2.11-2.27(m, 1H), 2.72-2.94(m, 2H), 3.47
(s, 2H), 3.52-3.66(m, 2H), 4.14(brs, 1H), 4.
29-4.34(m, 1H), 7.06-7.19(m, 5H), 7.34-7.54
(m, 4H), 7.62-7.70(m, 4H),7.81-7.94(m, 2H).
【0064】参考例11 (1S)-N-(2-ヒドロキシ-(1S)-イソブチルエチル)-
1-(フェニルメトキシカルボニルアミノ)-2-イソペン
タンアミド 窒素雰囲気下にて、N-カルボベンゾキシ-L-バリン(68.
4 mg, 2.7×10-4 mol)ならびに1,1'-カルボニルビス-1
H-イミダゾール(53.0 mg, 3.3×10-4 mol)の無水THF
(4 ml)溶液を室温にて30分間撹拌した後、参考例3の
化合物(38.3mg, 3.3×10-4 mol)を加えて4日間撹拌し
た。反応溶液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し常法処
理することにより得た粗生成物を分取薄層クロマトグラ
フ法〔クロロホルム-メタノール(9:1)〕にて精製し、
表題化合物(84.2 mg, 88%)を得た。
【0065】1H NMR (200 MHz, CDCl3)0.89(d, J=6.
6 Hz, 3H), 0.94(d, J=6.6 Hz, 3H), 0.86-1.10(m,
6H), 1.31-1.40(m, 2H), 1.50-1.73(m, 1H), 2.0
4-2.21(m, 1H), 2.78(brs, 1H), 3.46-3.73(m, 2
H), 3.95(dd, J=6.8, 8.1 Hz, 1H), 3.93-4.12(br
d, 1H), 5.11(s, 2H), 5.45(brd, J=8.1 Hz, 1H),
6.21(brd, J=8.1 Hz, 1H), 7.30-7.44(m, 5H).
【0066】参考例12 (1S)-N-(2-ヒドロキシ-(1S)-イソブチルエチル)-
1-アミノ-2-イソペンタンアミド アルゴン雰囲気下、参考例11の化合物(84.2 mg, 2.4
×10-4 mol)ならびに10%パラジウム炭素(Pd-C)(25.
6 mg, 2.4×10-5 mol)にメタノール(4 ml)をゆっく
りと加えた後、水素雰囲気下、室温にて3日間撹拌し
た。Pd-Cを濾過除去した後、減圧下において溶媒を留去
することにより得た粗生成物を分取薄層クロマトグラフ
法〔クロロホルム-メタノール(9:1)〕にて精製し、表
題化合物(52.0 mg, quant.)を得た。
【0067】1H NMR(200 MHz, CDCl3)0.85-1.08(m,
6H), 0.82(d, J=7.1 Hz, 3H), 1.00(d, J=7.1 Hz,
3H), 1.22-1.48(m, 2H), 1.50-1.75(m, 1H), 2.11
(brs, 3H), 2.15-2.48(m, 1H), 3.27(d, J=3.7 H
z, 1H), 3.52(dd, J=6.6, 11.0 Hz, 1H), 3.67(dd,
J=3.7, 11.0 Hz, 1H), 3.91-4.09(m, 1H), 7.43(b
rd, J=6.8 Hz, 1H).
【0068】参考例13 (1S)-N-(2-ヒドロキシ-(1S)-イソブチル)-1-(4-
ビフェニルカルボニルアミノ)-2-イソペンタンアミド 窒素雰囲気下にて、参考例12の化合物(59.4 mg, 2.8
×10-4 mol)の無水塩化メチレン(1 ml)溶液に氷冷下
においてピリジン(111 μl, 1.4×10-3 mol)を加え
た。4-ビフェニルカルボニルクロライド(65.7 mg, 3.0
×10-4 mol)の無水塩化メチレン(2 ml)溶液を加えて
同温度にて15分間撹拌したのち、室温にて2.5時間撹拌
した。反応溶液に5%塩酸水溶液を加え、クロロホルム
にて抽出し常法処理することにより得た粗生成物を分取
薄層クロマトグラフ法〔クロロホルム-メタノール(95:
5)〕にて精製し、表題化合物(47.3 mg, 40%)を得
た。
【0069】1H NMR(200 MHz, CDCl3)0.83(d, J=6.4
Hz, 3H), 0.84(d, J=6.4 Hz, 3H), 1.07(d, J=6.6
Hz, 3H), 1.08(d, J=6.6 Hz, 3H), 1.29-1.49(m,
2H), 1.54-1.68(m, 1H), 2.22-2.36(m, 1H), 3.17
(brs, 1H), 3.61(q, J=5.7 Hz, 1H), 3.69-3.73
(m, 1H), 4.02-4.15(m, 1H), 4.60(t, J=8.4 Hz,
1H), 7.18(d, J=8.1 Hz, 1H), 7.34-7.46(m, 3H),
7.59-7.64(m, 4H), 7.90(d, J=8.3 Hz, 2H).
【0070】実施例1 (1S)-N-((1S)-シクロヘキシルメチル-2-オキソエ
チル)-1-(4-ビフェニルカルボニルアミノ)-2-イソペ
ンタンアミド 窒素雰囲気下にて、参考例7の化合物(52.5 mg, 1.2×
10-4 mol)の無水DMSO(3 ml)溶液に、トリエチルアミ
ン(168 μl, 1.2×10-3 mol)を加えた後、三酸化硫黄
ピリジン錯体(153 mg, 9.6×10-4 mol)の無水DMSO(2
ml)溶液をカニューレを用いて3分間で滴下し、室温に
て1時間撹拌した。反応溶液に水を加え、エーテルにて
抽出し飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液で洗浄し、常法処理することにより得た粗
生成物を分取薄層クロマトグラフ法〔クロロホルム-メ
タノール(95:5)〕にて精製し、表題化合物(16.1 mg,
31%)を得た。
【0071】1H NMR(200 MHz, CDCl3)0.76-1.97(m,
13H), 1.06(d, J=6.6 Hz, 3H), 1.07(d, J=6.8 Hz,
3H), 3.48-3.56(m, 1H), 4.44-4.60(m, 1H), 4.6
3-4.93(m, 1H), 7.03(d, J=7.6 Hz, 1H), 7.07(d,
J=8.8 Hz, 1H), 7.35-7.52(m, 3H), 7.54-7.70(m,
4H), 7.82-8.10(m, 2H), 9.59(s, 1H). HRFAB-MS m/z 435.2630 (calcd for C27H35N2O3 435.
2648)(M+H)+.
【0072】実施例2 N-(1S-ベンジル-2-オキソエチル)-1S-(4-ビフェニル
カルボニルアミノ)-2-イソペンタンアミド 窒素雰囲気下にて、参考例10の化合物(14.2 mg, 3.3
×10-5 mol)の無水DMSO(4 ml)溶液に、トリエチルア
ミン(46 μl, 3.3×10-4 mol)を加えた後、三酸化硫
黄ピリジン錯体(153 mg, 9.6×10-4 mol)の無水DMSO
(2 ml)溶液をカニューレを用いて3分間で滴下し、室
温にて50分間撹拌した。反応溶液に水を加え、エーテル
にて抽出し飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液で洗浄し、常法処理することにより得
た粗生成物を分取薄層クロマトグラフ法〔クロロホルム
-メタノール(95:5)〕にて精製し、表題化合物(12.9
mg, 91%)を得た。
【0073】1H NMR(200 MHz, CDCl3)0.92(d, J=5.9
Hz, 3H), 1.01(d, J=6.4 Hz, 3H), 1.71(brs, 1
H), 2.11-2.20(m, 1H), 3.02-3.17(m, 2H), 4.52-
4.59(m, 1H), 4.66-4.81(m, 1H), 6.88(brd, J=6.
1 Hz, 1H), 7.16-7.35(m, 4H), 7.39-7.50(m, 4
H), 7.51-7.70(m, 4H), 7.80-7.98(m, 2H), 9.61
(s,1H);HREI-MS m/z 428.2084(calcd for C27H28N2O
3 428.2100)M+.
【0074】実施例3 (1S)-N-((1S)-イソブチル-2-オキソエチル)-1-
(4-ビフェニルカルボニルアミノ)-2-イソペンタンア
ミド 窒素雰囲気下にて、参考例13の化合物(43.1 mg, 1.1
×10-4 mol)の無水DMSO(3 ml)溶液に、トリエチルア
ミン(152 μl, 1.1×10-3 mol)を加えた後、三酸化硫
黄ピリジン錯体(139 mg, 8.2×10-4 mol)の無水DMSO
(3 ml)溶液をカニューレを用いて10分間で滴下し、室
温にて50分間撹拌した。反応溶液に水を加え、エーテル
にて抽出し飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液で洗浄し、常法処理することにより得
た粗生成物を分取薄層クロマトグラフ法〔クロロホルム
−メタノール(95:5)〕にて精製し、表題化合物(28.7
mg, 67%)を得た。
【0075】1H NMR(200 MHz, CDCl3)0.87(d, J=5.1
Hz, 3H), 0.89(d, J=5.3 Hz, 3H), 1.08(d, J=6.1
Hz, 3H), 1.10(d, J=6.1 Hz, 3H), 1.36-1.52(m,
1H), 1.63-1.78(m, 2H), 2.22-2.34(m, 1H), 4.48
-4.60(m, 1H), 4.71(t, J=8.1 Hz, 1H), 7.05(d,
J=8.8 Hz, 1H), 7.11(d, J=7.2 Hz, 1H), 7.48-7.50
(m, 3H), 7.58-7.79(m, 4H), 7.87(d, J=8.1 Hz,
1H), 9.59(s, 1H);HREI-MS m/z 395.2341(calcd fo
r C24H30N2O3 395.2335)
【0076】
【実験例】次に本発明化合物の優れた性質を明らかにす
るために、以下のような酵素阻害実験を行った。
【0077】実験例1(インビトロでのカテプシンB、
L、K、Sに対する酵素阻害実験) 本発明の化合物(実施例1〜3の化合物)を用いてウシ
肝臓カテプシンB、ウシ肝臓カテプシンL、組換えヒトカ
テプシンK及び組換えヒトカテプシンSに対する酵素阻害
活性実験を行った。
【0078】(実験方法)適度な濃度のウシ肝臓カテプ
シンB(0.5単位)、ウシ肝臓カテプシンL(0.5単位)、
組換えヒトカテプシンK(0.5単位)、組換えヒトカテプ
シンS(0.5単位)のいずれか10 μlとDMSOに溶解した本
発明の化合物(実施例1〜3のいずれかの化合物)100
μlと、水1.5 mlと1 N 水酸化ナトリウム水溶液0.45 ml
に溶解させたシステイン70 mgの溶液(8.2×10-3 M)40
μlを、EDTA(4 mM)を含有した0.4 M酢酸緩衝液(p
H 5.5)250 μlと水350 μl中にて混合させ、37℃で5
分間プレインキュベーションする。次いで、基質として
の0.4M酢酸緩衝液(pH 5.5)に溶解させたZ-Phe-Arg-MC
A(Barrett, A. J. et al. (1981) in Methods in Enzy
mology (Lorand, L., ed.) Vol. 80, pp535-561)(80
μM)250 μlを加えて37℃で10分間処理した後、0.1 M
酢酸緩衝液(pH 4.3)1000 μlを加えて酵素反応を停止
させ、さらに水500 μlを加えて、反応液の蛍光強度
(励起波長370 nm,蛍光波長460 nm)を測定した。結果
は、阻害剤を加えない場合の蛍光強度から下記の式より
算出される阻害率で示した。得られた結果を表1〜4に
示す。
【0079】
【数1】
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】表1〜4より、すべての検体化合物(実施
例1〜3の化合物)はカテプシンB、L、K、Sに対して10
-6〜10-8 M濃度で阻害活性を示した。特に実施例1およ
び実施例3の化合物は、カテプシンKに対して10-8 M濃
度でも50%前後の阻害活性を示した。
【0085】実験例2(インビトロでのμ-カルパイン
に対する酵素阻害実験) 本発明の化合物(実施例1〜3の化合物)を用いて以下
に示す測定法にしたがってμ-カルパインに対する酵素
阻害活性実験を行った。
【0086】(実験方法)M. Buroker-Kilgoreらの方法
(Anal. Biochem. 208, 387-392(1993))に準じて、下
記の手順で行った。使用するμ-カルパインの活性はKev
in K.Wangらの方法(Arch Biochem. Biophys. 260, 696
-704(1988))により測定し、1 U=9.67 μgと決定した。
【0087】
【表5】
【0088】上記の反応液のコントロール、サンプルに
は20 mM CaCl2 を50 μl、ブランクには1 mM EDTAを50
μl加えすばやく攪拌し、30℃で60分間反応させた(最
終 0.1 mM DTT, 50 mM Tris, 0.5 mg/mlカゼイン, 4 mM
CaCl2または200 μM EDTA, 0.03 U/250 μl(=1.16 μ
/ml)μ-カルパイン)。反応液100 μlを別のプレート
に移し、そこにBio-Rad dye reagent〔Bio-Rad protein
dye concentrate(Bio-Rad社製)を蒸留水で2倍に希釈
した。〕100 μl、蒸留水50 μlを加え反応を停止した
後、室温で15分間放置した。マイクロプレートリーダー
により、反応液の吸光度を測定した(測定波長595 n
m)。サンプル濃度(M)と阻害率(%)の関係をグラフ
に表し、近似曲線によりIC50を算出した。その結果を表
6に示す。
【0089】
【表6】
【0090】実施例1〜3の化合物はいずれも高いμ-
カルパイン阻害活性を示した。
【0091】製剤例1錠剤 実施例1の化合物 50 mg 乳糖 80 mg デンプン 17 mg ステアリン酸マグネシウム 3 mg 結晶セルロース 10 mg 以上の成分を1錠分の材料として、常法により錠剤を成
形した。この錠剤は必要に応じて通常用いられる腸溶性
剤皮(例えばフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース等)、糖衣およびフィルム(例えばエチルセルロー
ス等)でコーティングしてもよい。
【0092】製剤例2カプセル剤 実施例2の化合物 75 mg マンニトール 75 mg デンプン 17 mg ステアリン酸カルシウム 3 mg 以上の成分を1カプセル剤分の材料として均一に混合
し、常法により顆粒状とし、硬カプセルに充填した。こ
の充填する顆粒は必要に応じて通常用いられる腸溶性剤
皮(例えばフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス等)、糖衣およびフィルム(例えばエチルセルロース
等)でコーティングしてもよい。
【0093】 製剤例3 懸濁注射剤 実施例3の化合物 750 mg カルボキシメチルセルロースナトリウム 500 mg 注射用水 全量 100 ml 以上の成分を常法により無菌的に混和して懸濁注射剤と
した。
【0094】製剤例4懸濁点眼剤 実施例1の化合物 50 mg ホウ酸 700 mg ホウ砂 適量 塩化ナトリウム 500 mg ヒドロキシメチルセルロース 0.5 g エデト酸ナトリウム 0.05 mg 塩化ベンザルコニウム 0.005 mg 滅菌精製水 全量 100 ml 以上の成分を常法により無菌的に混和して懸濁点眼剤と
した。
【0095】
【発明の効果】本発明のバリン誘導体(I)は、優れた
システインプロテアーゼ(特にカテプシンおよびカルパ
イン)阻害活性を有しているため、システインプロテア
ーゼ(特にカテプシンおよびカルパイン)が関与してい
る種々の疾患、例えば、筋ジストロフィー、筋萎縮症、
心筋梗塞、脳卒中、アルツハイマー病、頭部外傷時の意
識障害や運動障害、多発性硬化症、末梢神経のニューロ
パシー、白内障、炎症、アレルギー、劇症肝炎、腎炎、
高カルシウム血症、乳癌、前立腺癌、前立腺肥大、骨粗
鬆症、血管新生(創傷治癒、炎症、腫瘍の増殖などに伴
う血管新生、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、網膜静脈
閉塞症、老人性円板状黄斑変性症などでみられる血管新
生等)、虚血性疾患、免疫疾患、本態性高血圧、クモ膜
下出血などの予防治療剤として、あるいは腫瘍の増殖抑
制、転移予防薬、血小板の凝集阻害剤として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/00 A61P 9/00 9/10 9/10 9/12 9/12 9/14 9/14 13/12 13/12 15/00 15/00 17/02 17/02 19/00 19/00 21/04 21/04 25/00 25/00 25/28 25/28 27/02 27/02 27/12 27/12 29/00 29/00 35/00 35/00 37/00 37/00 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 勝沼 信彦 徳島県徳島市名東町3−246−2 (72)発明者 井上 淳 兵庫県神戸市須磨区白川字不計1−6− 603 Fターム(参考) 4C206 AA01 AA02 AA03 KA17 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA16 ZA33 ZA36 ZA42 ZA54 ZA75 ZA81 ZA89 ZA94 ZA97 ZB01 ZB11 ZB13 ZB26 ZC20 4H006 AA01 AA03 AB20 BJ50 BQ10 BV72

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、R1は低級アルキル基、シクロ低級アルキル基お
    よびアリール基からなる群より選ばれる基を表す〕で示
    されるバリン誘導体。
  2. 【請求項2】 R1がイソプロピル基、シクロヘキシル基
    およびフェニル基からなる群より選ばれる請求項1記載
    のバリン誘導体。
  3. 【請求項3】 (1S)-N-((1S)-シクロヘキシルメチ
    ル-2-オキソエチル)-1-(4-ビフェニルカルボニルアミ
    ノ)-2-イソペンタンアミド、N-(1S-ベンジル-2-オキ
    ソエチル)-1S-(4-ビフェニルカルボニルアミノ)-2-
    イソペンタンアミド、および(1S)-N-((1S)-イソブ
    チル-2-オキソエチル)-1-(4-ビフェニルカルボニルア
    ミノ)-2-イソペンタンアミドからなる群から選ばれる
    請求項1または2記載のバリン誘導体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の一般式(I)で示される
    バリン誘導体を有効成分とするシステインプロテアーゼ
    阻害剤。
  5. 【請求項5】 システインプロテアーゼがカルパインで
    ある請求項4記載の阻害剤。
  6. 【請求項6】 システインプロテアーゼがカテプシンで
    ある請求項4記載の阻害剤。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の一般式(I)で示される
    バリン誘導体を有効成分とする、システインプロテアー
    ゼに起因して発症する疾患の予防・治療剤。
  8. 【請求項8】 システインプロテアーゼがカルパインで
    ある請求項7記載の予防・治療剤。
  9. 【請求項9】 システインプロテアーゼがカテプシンで
    ある請求項7記載の予防・治療剤。
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