JPH0820597A - トロンビン阻害作用を有する複素環カルボニル化合物 - Google Patents

トロンビン阻害作用を有する複素環カルボニル化合物

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JPH0820597A
JPH0820597A JP15600694A JP15600694A JPH0820597A JP H0820597 A JPH0820597 A JP H0820597A JP 15600694 A JP15600694 A JP 15600694A JP 15600694 A JP15600694 A JP 15600694A JP H0820597 A JPH0820597 A JP H0820597A
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group
compound
amino
heterocycle
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JP15600694A
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English (en)
Inventor
Tsuneo Okonogi
恒夫 小此木
Seiji Tsutsumi
誠司 堤
Yoshihisa Akiyama
佳央 秋山
Shokichi Ouchi
章吉 大内
Emiko Hatsushiba
恵実子 初芝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 【構成】 本発明は、トロンビンに対し阻害活性を有
し、血栓症の予防や治療に用いられる一般式(I)で表
される化合物並びにその薬理学上許容される塩に関す
る。 【化18】 [式中、Aは複素環式基、R1はアルキル基、グアニジ
ノ基、アミジノ基、アミジノチオ基、アミノ基、水酸
基、メルカプト基、低級アルコキシ基、置換されていて
もよいフェニル基、Bはアミノ酸残基、R2はメチル
基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール
基、アリールチオ基、Xは水素原子、水酸基、アミノ
基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アシルアミノ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、mは1〜5の整
数、nは0〜4の整数をそれぞれ示す]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトロンビン阻害作用を有
する新規な複素環カルボニル化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】トロンビン阻害作用を示す化合物として
は、例えば特開昭54−100342、米国特許第43
99065号、4927809号等に記載のものが知ら
れている。 しかしながらこれら従来の化合物はトロン
ビン阻害活性が十分ではなく、より高い活性と酵素選択
性を有する化合物が求められているといえる。 [発明の概要]
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者はプロテアー
ゼ阻害剤の研究からトロンビン阻害作用を有する一群の
新規化合物を見いだした。 従って本発明はトロンビン
阻害作用を有する新規な複素環カルボニル化合物を提供
することを目的としている。 また本発明はトロンビン
阻害作用を有する新規な複素環カルボニル化合物を有効
成分として含有するトロンビン阻害剤の提供をその目的
としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による複素環カル
ボニル化合物は下記の一般式(1)で表される化合物お
よびその薬理学的に許容される塩である。
【0005】
【化4】 [ 式中、Aは少なくとも1個窒素原子を有する5員環も
しくは6員環の飽和、部分飽和または不飽和である単環
式複素環、またはベンゼン環もしくはピリジン環が縮合
している二環式複素環(上記複素環は酸素原子、イオウ
原子または別途3個以下の窒素原子を有してもよく、単
環式複素環では環内の炭素原子または双環式複素環では
ベンゼン環もしくはピリジン環の炭素原子に炭素数1〜
4の低級アルキル基、ハロゲン、水酸基、アミノ基、メ
ルカプト基で置換してもよく、また複素環を構成してい
る何れかの炭素原子を介してカルボニル基に結合してい
る)を示し、R1は炭素数1〜6の分岐してもよいアル
キル基、グアニジノ基、アミジノチオ基、アミジノ基、
アミノ基、水酸基、メルカプト基、低級アルコキシ基、
もしくはグアニジノ基、アミジノ基、アミノ基、水酸
基、メルカプト基、ハロゲン原子で置換されてもよいフ
ェニル基を示し、Bは以下から選択される残基
【0006】
【化5】 (R3は一般式(I)で定義したものと同じ意味を表す)
を示し、R2は置換されてもよいフェニル基、チエニル
基、ピリジル基、インドリル基、ナフチル基、ジフェニ
ルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フ
ェニルチオ基、Xと結合しているメチレンを示し、Xは
水素、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキルアミ
ノ基、アシルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミ
ノ基、アルコキシカルボニルアミノ基を示し、mは1〜
5の整数を示し、nは0〜4の整数を示す。] また本発明によるトロンビン阻害剤および抗凝固剤は前
記一般式(I)の化合物と薬理学上許容される塩を含ん
でなるものである。本発明による上記一般式(I)の化
合物は強いトロンビン阻害活性を有し、医薬として有用
である。
【0007】[発明の具体的説明]一般式(I)におい
てAが表す置換基としては1個の窒素原子を有する5員
環もしくは6員環の飽和、部分飽和である単環式複素
環、またはベンゼン環もしくはピリジン環が縮合してい
る二環式複素環(上記複素環は酸素原子、イオウ原子ま
たは別途3個以下の窒素原子を有してもよく、単環式複
素環では環内の炭素原子または二環式複素環ではベンゼ
ン環もしくはピリジン環の炭素原子に炭素数1〜4の低
級アルキル基、ハロゲン、水酸基、アミノ基、メルカプ
ト基で置換してもよく、また複素環を構成している何れ
かの炭素原子を介してカルボニル基に結合している)で
ある。 好ましくはチアゾール、オキサゾール、イミダ
ゾール、チアゾリン、オキサゾリン、イミダゾリン、ピ
リジン、ピリミジン、ピラゾール、1,2,4-チアジアゾー
ル、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,4-トリアゾール(上
記複素環は構成している何れかの炭素原子を介してカル
ボニル基に結合している)等の単環式複素環、もしくは
ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダ
ゾール、チアゾロ[5,4-b]ピリジン、オキサゾロ[4,5-b]
ピリジン、イミダゾ[4,5-b]ピリジン(上記複素環は2
位の炭素原子を介してカルボニル基に結合している)等
の二環式複素環である。
【0008】また一般式(I)においてR1が表す置換基
としてはメチル基、イソプロピル基、グアニジノ基、ア
ミジノチオ基、アミジノ基、アミノ基、水酸基、メルカ
プト基、低級アルコキシ基、或はグアジニノ基、アミジ
ノ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子
で置換されてもよいフェニル基であり、mは1〜5の整
数である。 好ましくはR1はグアニジノ基、アミジノ
基、アミノ基、もしくはグアニジノ基、アミジノ基、ア
ミノ基で置換されたフェニル基であり、mは3〜5の整
数である。
【0009】また一般式(I)においてBが表す残基と
してはα-アミノ酸、イミノ酸残基あるいは直鎖状また
は環状カルボニル化合物である。 好ましくは下記構造
式から選択される残基があげられる。
【0010】
【化6】 (R3は一般式(I)で定義したものと同じ意味を表す)
【0011】また一般式(I)においてR2が表す置換基
としては分岐してもよいアルキル基、アリール基、置換
してもよいフェニル基、シクロアルキル基、窒素原子を
1または2個含む複素飽和(芳香)環、酸素原子または
硫黄原子を一個含む5または6員の複素飽和(芳香)環
であり、Xと結合しているメチレンであり、nは0〜5
の整数である。 好ましくはR2がフェニル基、ジフェ
ニルメチル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル
基、ピロール基、インドリル基、チエニル基、フラニル
基、フェニルチオ基、Xと結合しているメチレンで形成
される複素環としてはピロリジン、ピペリジンであり、
nは0〜2の整数である。
【0012】また一般式(I)においてXが表す置換基
としては水素、ハロゲン、水酸基、アミノ基、アルキル
アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミ
ノ基である。 好ましくはアミノ基、メチルアミノ基、
アセチルアミノ基、フェニルアセチルアミノ基、ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ基、t-ブトキシカルボニル
アミノ基等が挙げられる。
【0013】本発明の好ましい化合物群としては、一般
式(I)において、Aがチアゾール、R1がグアニジノ
基、Bが次の構造式から選択される残基であり、
【0014】
【化7】 (R3は一般式(I)で定義したものと同じ意味を表す)、
2がアリール基、シクロアルキル基もしくはフェニル
チオ基、Xが水素、アミノ基もしくはベンジルオキシカ
ルボニルアミノ基、mが3、nが0もしくは1である化
合物、Aがチアゾール、R1がアミノ基、Bが次の構造
式から選択される残基であり、
【0015】
【化8】 (R3は一般式(I)で定義したものと同じ意味を表す)、
2がアリール基、シクロアルキル基もしくはフェニル
チオ基、Xが水素、アミノ基もしくはベンジルオキシカ
ルボニルアミノ基、mが4もしは5、nが0もしくは1
である化合物が挙げられる。
【0016】さらに、本発明の好ましい具体的化合物と
しては、例えば、D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チアゾ
リル)カルボニル]-4-グアニジノブチル]-L-プロリンア
ミド、D-シクロヘキシルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリ
ル)カルボニル]-4-グアニジノブチル]-L-プロリンアミ
ド、D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボ
ニル]-4-グアニジノブチル]-L-オクタヒドロインドール
-2-カルボキシアミド、D-フェニルグリシル-N-[1-[(2-
チアゾリル)カルボニル]-4-グアニジノブチル]-L-プロ
リンアミド、(ベンジルオキシカルボニル)-D-フェニル
アラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]-4-グアニ
ジノブチル]-L-プロリンアミド、アセチル-D-フェニル
アラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]-4-グアニ
ジノブチル]-L-プロリンアミド、フェニルプロピオニル
-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]-4-グアニジノブチ
ル]-L-プロリンアミド、2-[N-[2-(フェニルチオアセチ
ル)シクロペンタ-1-イルカルボニル]-L-アルギニル]チ
アゾール、D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)
カルボニル]-5-アミノペンチル]-L-プロリンアミド、D-
フェニルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]-6
-アミノヘキシル]-L-プロリンアミドなどが挙げられ
る。
【0017】本発明による化合物は分子中の炭素原子に
由来する立体異性体が存在し得るが、いずれの異性体も
本発明に包含されるものである。本発明による化合物は
その塩とすることができる。 そのような塩としては、
薬理学上許容される塩が挙げられ、好ましくは塩化水素
酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、
酢酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、乳酸、酒石
酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、p-トルエンスルホン酸等が挙げられる。
【0018】一般式(I)の化合物は種々の方法で合成
することができる。例えば、次の一般式(II)
【0019】
【化9】 (ここで、R2, X, B, nは一般式(I)で定義したも
のとおなじ意味を表す、かつXは保護基を有する基を表
す)で表される化合物と、次の一般式(III)
【0020】
【化10】 (ここで、R1, A, mは一般式(I)で定義したものと
おなじ意味を表す、かつR1は保護基を有する基を表
す。)で表される化合物とを、適当なカップリング試薬
と反応することによって次の一般式(IV)
【0021】
【化11】 (ここで、R1, R2, A, B, X, m, nは前記で定義
したものとおなじ意味を表す)の化合物を得ることがで
きる。 合成上、R1およびXに保護基を必要とする場
合には一般的にペプチド化学で用いられる保護基を用い
ることができる。 好ましくはt-ブトキシカルボニル
基、ベンジルオキシカルボニル基、4-メトキシ-2,3,6-
トリメチルベンゼンスルホニル基等を挙げることができ
る。
【0022】カップリング試薬はペプチド化学で用いら
れる試薬を使用することができる。好ましいカップリン
グ試薬は例えばN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド、1-エチル-3-(3'-ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリ
ス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホス
フェート、N,N'-ビス[2-オキソ-3-オキサゾリジニ
ル]ホスホロジアミド酸クロライド、ジフェニルホスフ
ィニルクロライドである。 これらの試薬存在下に、適
当な溶媒(例えば、酢酸エチル、アセトニトリル、塩化
メチレン、DMF)中で、-70〜30℃、好ましくは-20
〜10℃で反応を行うことができる。
【0023】次いで化合物(IV)の水酸基を酸化してケ
トンとし、必要によって保護基を除去し、一般式(I)
の複素環カルボニル化合物を得ることができる。 酸化
反応はシンセシス(Synthesis) 1990年、857頁に
記載のように種々の添加物を用いたジメチルスルホキシ
ドにより行うことができる。 またテトラ-n-プロピル
アンモニウム パールテネイト、ピリジニウム ジクロメ
イト、ピリジニウムクロロクロメイトによっても酸化す
ることができる。 好ましくはオキザリルクロライドの
存在下ジメチルスルホキシドによる酸化であり、例えば
塩化メチレンを溶媒として-70〜0℃でオキザリルク
ロライドとジメチルスルホキシドから調製した試薬と化
合物(IV)とを反応させ、次いでトリエチルアミンで処
理することによって一般式(I)の化合物を得ることが
できる。
【0024】一般式(I)の化合物を得るために、脱保
護反応を必要とする場合には穏和な反応条件が選択され
る。 例えば前述の保護基が用いられた場合にはパラジ
ウム炭素を触媒とする水素化分解もしくはアニソール、
チオアニソール存在下トリフルオロ酢酸を作用させる酸
分解反応で脱保護が行われる。
【0025】本発明の一般式(I)の化合物は種々の無
機酸または有機酸と酸付加塩を形成する。 上記反応で
得られる化合物(I)は遊離の形態または塩の形態で単
離され、遊離の形態の場合には所望の酸と反応させるこ
とにより酸付加塩を得ることができる。
【0026】出発物質である上記アミン化合物(III)
を得るためにはケミカルレビュー(Chemical Review)1
989年、89巻、149頁に記載の方法で得られるア
ミノアルデヒド化合物(V)
【0027】
【化12】 (R1, mは一般式(II)で定義したものとおなじ意味
を、Allocはアリルオキシカルボニル基を表す)を、ジ
ャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(J
ournal of Heterocyclic Chemistry) 1971年、8
巻、257頁、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミ
ストリー(Journal of Organic Chemistry)1988年、
53巻、1748頁等に記載のシリル化合物(VIa)
【0028】
【化13】 (Aは一般式(I)で定義したものとおなじ意味を表す)
と反応させカルビノール化合物(VII)
【0029】
【化14】 を得ることができる。 好ましくはこの反応は塩化メチ
レンを溶媒としてフッ化セシウム、テトラブチルアンモ
ニウムフルオライドの存在下もしくは非存在下0〜50
℃の温度で反応を行うことができる。もしくは出発物質
である複素環化合物(H-A)を不活性溶媒(例えばテト
ラヒドロフラン、ジメトキシエタン)中、n-ブチルリチ
ウム等の塩基で処理し、化合物(VIb)
【0030】
【化15】 として、次いで上記化合物(V)と反応させ化合物(VI
I)を得ることができる。化合物(VII)のアミノ基保護
基を公知の方法である、例えばPd(Ph3P)4存在下、ピロ
リジンで処理し除去することにより上記アミン化合物
(III)を得ることができる。
【0031】また出発物質である上記カルボン酸化合物
(II)はB-OHがアミノ酸残基の場合にはペプチド化学の一
般的方法で得ることができる。 カルボン酸化合物(VI
II)を反応性誘導体(例えば酸ハライド、酸無水物、活
性エステル)に導き、アミノ酸(IX)のアルカリ金属塩も
しくは有機塩基との塩と反応させることにより化合物(I
I)を得ることができる。 好ましくは化合物(VIII)を
N-ヒドロキシコハク酸イミドと反応させ活性エステルに
変換し、それを有機塩基の存在下にアミノ酸(IX)と反応
させてペプチド結合を形成することによって行われる。
【0032】
【化16】 また上記化合物(II)のB-OHが脂肪族カルボン酸の場合に
は環状または直鎖状ジカルボン酸から得ることができ
る。 例えば環状ジカルボン酸では、そのモノアルキル
エステル(1)をチオニルクロライドもしくはオキザリル
クロライドと反応させ酸クロライド(2a)とし、これをジ
アゾメタンで処理してジアゾメチルケトン(2b)に変換す
る。 このケトンを無水塩化水素と反応させクロルメチ
ルケトン(2c)とし、次いでチオフェノールで処理するこ
とによってフェニルチオメチルケトン(3)に変換する。
この化合物のエステルを加水分解し、カルボン酸化合
物(II)を得ることができる。
【0033】
【化17】 (R4はメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基を
表す)
【0034】本発明の化合物(I)およびその酸付加塩
はトロンビンに対して選択性の高い阻害作用を示すこと
から血中のトロンビンを測定する診断薬、血小板凝集阻
止剤あるいは血栓症の予防および治療に有用である。
【0035】本発明による一般式(I)で表される化合
物およびその薬理学的に許容される塩を有効成分として
含有するトロンビン阻害剤は、経口または非経口投与
(例えば、吸入投与、点鼻、点眼、皮下投与、静注、筋
注など)に適した種々の剤形で使用される。
【0036】例えば、その用途に応じて、錠剤、カプセ
ル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、トローチ剤、シロップ
剤、乳濁剤などの経口剤、吸入剤、点鼻剤、点眼剤など
の外用液剤、静注および筋注などの注射剤などの製剤形
態に調製することができる。これらの各種製剤は、通常
用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩
壊剤、潤滑剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、
防腐剤、安定化剤などを用いて常法により製造すること
ができる。
【0037】薬剤中における本発明の化合物の含有量は
その剤形に応じて異なるが、通常全組成物中1〜70重
量%、好ましくは5〜50重量%である。またその投与
量は用法、患者の年齢、性別、症状の程度などを考慮し
て適宜決定されるが、通常成人1日当たり約0.1〜2
000mg、 好ましくは5〜400mg程度とするの
がよく、これを1日1回または数回に分けて投与するこ
とができる。
【0038】in vitro 阻害活性の測定方法 in vitro の系におけるトロンビン阻害活性はヨーロピ
アン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Europia
n Journal of Biochemistry)1988年、172巻、1
7頁に記載の方法により求めた。0.1Mトリス塩酸緩衝液
(pH 8.0; 0.3 M NaClおよび2 mM CaCl2を含有)100 m
l、本発明化合物のDMSO溶液 10 ml、牛血清アルブミン
溶液(0.4 mg/ml) 50 mlおよび上記トリス塩酸緩衝液に
溶解したトロンビン(0.5 U/ml) 20 mlの混合液を調製
した。 これに基質である5 mM Boc-Asp(OBzl)-Pro-Arg
-メチルクマリンアミド溶液(10%DMSO)20 mlを加え、
37℃で30分間インキュベートしたのち、380nmのUVで励
起された440 nmの蛍光強度(a1)を測定した。同時に、
本発明化合物溶液をDMSOに代えた実験を行い、同様に蛍
光強度(a2)を測定した。またバックグラウンドとして
上記0.1Mトリス塩酸緩衝液 120 ml、DMSO溶液 10 ml、
牛血清アルブミン溶液 50 mlおよび基質溶液 20mlの混
合液の蛍光強度(b)を測定した。 阻害率を次式より計
算し、50%阻害に必要な濃度(IC50)を求めた。 阻害率(%)=[[( a2-b ) - ( a1-b)] / (a2-b)] X 100 本発明の代表的化合物についてこの試験結果を表1に示
す。 表1 トロンビン阻害活性 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 化合物の実施例番号 50%阻害濃度 IC50 (μM/ml) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 0.0015 2 0.16 4 0.012 5 0.32 7 0.007 8 0.002 アルガトロバン* 0.065 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *特公昭61-48829記載の化合物
【0039】
【実施例】本発明の化合物について以下に実施例を挙げ
て詳しく説明するが、これらは単なる例示であってなん
ら本発明を限定するものではない。
【0040】実施例1 D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]
-4-グアニジノブチル]-L-プロリンアミド (a) t-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-N-[1-
[(2-チアゾリル)ヒドロキシメチル]-4-[[N',N"-ビス(t-
ブトキシカルボニル)アミノイミノメチル]アミノ]ブチ
ル]-L-プロリンアミド t-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-L-プロリン
(300 mg, 0.82 mmol)、2-[2-アミノ-5-[N', N"-ビス( t
-ブトキシカルボニル)アミノイミノメチル]アミノ-1-ヒ
ドロキシペンチル]チアゾール(367 mg, 0.82 mmol)、N-
ヒドロキシベンゾトリアゾール(110 mg, 0.82 mmol)を
アセトニトリル15 mlに溶解し、氷冷下1-エチル-3-(3'-
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(187 m
g, 0.98mmol)を加え、同温度で3時間、室温まで昇温し
て15時間攪拌した。 反応混合物を濃縮した後に酢酸
エチルに溶解し、水洗後、MgSO4で乾燥した。溶媒を留
去し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製
して標記化合物(497 mg,77 %)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ 1.42-1.62 (m, 32H), 1.79-1.89 (m,
2H), 2.47-2.50 (m, 1H), 2.93-3.00 (m, 2H), 3.33-
3.43 (m, 4H), 4.01-4.04 (m, 1H), 4.25-4.29 (m, 1
H), 4.43-4.60 (m, 1H), 4.98-5.02 (m, 1H), 5.47-5.5
0 (m, 1H), 7.15-7.29 (m, 6H), 7.71-7.75 (m, 1H),
8.33-8.36 (m, 1H).
【0041】(b) D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チア
ゾリル)カルボニル]-4-グアニジノブチル]-L-プロリン
アミド オキザリルクロライド(79 ml, 0.91 mmol)を塩化メチレ
ン8 mlに溶解し、-40℃でジメチルスルホキシド(129 m
l, 0.91 mmol)を加え、5分間攪拌した。 上記化合物
(480 mg, 0.61 mmol)を含む塩化メチレン溶液5 mlを加
え、-40〜-30℃で30分間攪拌した。 次いでトリエチ
ルアミン(581 ml, 4.1 mmol)を加え、同温度で30分間
攪拌した後に氷水にあけた。 有機層を分液し、水洗
後、MgSO4で乾燥して濃縮した。 生成物をフラッシュ
クロマトグラフィーで精製してt-ブトキシカルボニル-D
-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]-
4-[N', N"-ビス(t-ブトキシカルボニル)アミノイミノメ
チル]アミノブチル]-L-プロリンアミド(407 mg, 85 %)
を得た。この化合物をアニソール1 mlに溶解し、氷冷下
トリフルオロ酢酸4 mlを加え、同温度で30分間、室温
で30分間攪拌した。 反応混合物を濃縮し、水5 mlに
溶解し、エーテルで洗浄した後に凍結乾燥を行い標記化
合物(407 mg)を得た。1H-NMR(D2O)δ 1.59-1.60 (m, 1
H), 1.70-1.91 (m, 5 H), 2.12-2.14 (m, 2 H), 2.75-
2.81 (m, 1 H), 3.15-3.29 (m, 4 H), 3.50-3.54 (m, 1
H), 4.43-4.46(m, 1 H), 4.53-4.61 (m, 1 H), 5.49-
5.55 (m, 1 H), 7.32-7.46 (m, 5 H), 8.11-8.15 (m, 2
H); MS (SIMS) m/z 486 (M+1).
【0042】(c)中間体の合成 この実施例で用いた2-[2-アミノ-5-[N',N"-ビス(t-ブト
キシカルボニル)アミノイミノメチル]アミノ-1-ヒドロ
キシペンチル]チアゾールは以下の方法で合成した。L-
アルギニン(10 g, 57 mmol)を水60mlに溶解し、4N-NaO
HでpH9〜10に保ちながら氷冷下クロルギ酸アリル(8.
99 mg, 74 mmol)を加え、pH7に調整して同温度で2時
間撹拌した。析出する沈澱物を濾取し、小量の氷水とア
セトンで洗浄し、乾燥してN-アリルオキシカルボニル-L
-アルギニン(13.3 g, 90 %)を得た。上記化合物(10 g,
39 mmol)とp-トルエンスルホン酸(7 g, 37 mmol)をメ
タノール250 mlに溶解し、ジフェニルジアゾメタン(15
g, 78 mmol)を1時間かけて加え、室温で3時間撹拌し
た後に濃縮した。 反応生成物をクロロホルムに溶解
し、水洗後、MgSO4で乾燥して濃縮し、N-アリルオキシ
カルボニル-L-アルギニンジフェニルメチルエステル
p-トルエンスルホン酸塩(24 g)を得た。上記粗生成物
(24 g)をアセトニトリル250 mlに溶解し、ジメチルアミ
ノピリジン(4.7 g, 39 mmol)、ビス-t-ブチルジカルボ
ネート(21 g, 97 mmol)を加え、室温で15時間撹拌し
た後に濃縮した。 反応混合物を酢酸エチルに溶解し、
水洗後、MgSO4で乾燥して濃縮し、シリカゲルクロマト
グラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル)で精製しNα-ア
リルオキシカルボニル-N',N"-ビス(t-ブトキシカルボニ
ル)-L-アルギニンジフェニルメチルエステル(14.5 g, 6
0 %)を得た。
【0043】上記化合物(11 g, 18 mmol)をテトラヒド
ロフラン150mlに溶解し、LiBH4(0.75g, 35 mmol)を加え
室温で2時間撹拌する。 反応混合物をpH3の酸性水に
あけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗後、MgSO4
乾燥して濃縮した。 反応生成物をシリカゲルクロマト
グラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル)で精製しNα-ア
リルオキシカルボニル-N',N"-ビス(t-ブトキシカルボニ
ル)-L-アルギニノール( 3.9 g, 50 %)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ 1.35-1.80 (m, 22H), 3.30-3.80 (m,
6H), 4.58 (d, J= 5.02Hz, 1H), 5.22 (dd, J= 1.55,
10.0 Hz, 1H), 5.31 (dd, J= 1.55, 17.6 Hz, 1H), 5.4
9 (d, J= 7.53 Hz, 1H), 5.93 (ddd, J= 5.02, 10.0, 1
7.6 Hz, 1H), 8.38 (t, J= 5.02 Hz, 1H).オキザリルク
ロライド(1.27 g, 10 mmol)を塩化メチレン40 mlに溶解
し、-30℃でジメチルスルホキシド(1.57 g, 20 mmol)を
加え5分後に上記カルビノール化合物(3.0 g, 6.7 mmo
l)を含む塩化メチレン溶液 20 mlを加え-30℃で30分間
撹拌した。 次いでトリエチルアミン(4.62 g, 45 mmo
l)を加えて-30℃で30分間撹拌した後、氷水にあけて分
液する。 有機層を水洗後、MgSO4で乾燥して濃縮し、N
α-アリルオキシカルボニル-N',N"-ビス(t-ブトキシカ
ルボニル)-L-アルギニナール(2.9 g)を得た。
【0044】上記粗生成物(2.9 g)と2-トリメチルシリ
ルチアゾール(1.54 mg, 9.8 mmol)を塩化メチレン50 ml
に溶解し、室温で5時間攪拌する。 1M テトラ-n-ブ
チルアンモニウムフルオライドTHF溶液(10.4 ml)加え、
さらに30分間攪拌し、氷水にあける。 有機層を分液
しMgSO4で乾燥して濃縮した。 シリカゲルクロマトグ
ラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル)で精製し2-[2-ア
リルオキシカルボニルアミノ-5-[N',N"-ビス(t-ブトキ
シカルボニル)アミノイミノメチル]アミノ-1-ヒドロキ
シペンチル]チアゾール(2.1 g, 60 %)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ 1.35-1.86 (m, 22H), 3.30-3.55 (m,
2H), 4.05-4.22 (m, 1H), 4.43-4.65 (m, 2H), 5.06-
5.40 (m, 4H), 5.78-6.02 (m, 2H), 7.28 (d, J=3.0 H
z, 1H), 7.73 (d, J= 3.0 Hz, 1H), 8.48 (t, J= 6.24
Hz, 1H).
【0045】上記化合物(2.1 g)を塩化メチレン35 mlに
溶解し、ピペリジン(1.34 g, 19 mmol), Pd(Ph3P)4 (22
0 mg, 0.19 mmol)を加え、室温で30分間攪拌する。
反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー
(クロロホルム/メタノール)で精製し標記化合物(1.4
2 g. 85%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ 1.40-1.80 (m, 22H), 3.17-3.55 (m,
4.70-4.80 (m, 1H), 4.88-4.98 (m, 1H), 7.40-7.80
(m, 3H), 8.30-8.43 (m, 1H).
【0046】実施例2 2-[2-(フェニルチオアセチル)シクロペンタ-1-イルカル
ボニル]-L-アルギニル]チアゾール (a) 2-[2-[2-(フェニルチオアセチル)シクロペンタ-1-
イルカルボニル]アミノ-5-[N',N"-ビス(t-ブトキシカル
ボニル)アミノイミノメチル]アミノ-1-ヒドロキシペン
チル]チアゾール 2-(フェニルチオアセチル)シクロペンタンカルボン酸(2
49 mg, 0.94 mmol)、2-[2-アミノ-5-[N', N"-ビス(t-ブ
トキシカルボニル)アミノイミノメチル]アミノ-1-ヒド
ロキシペンチル]チアゾール(417 mg, 0.94 mmol)、N-ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール(126 mg, 0.94 mmol)をア
セトニトリル20 mlに溶解し、氷冷下1-エチル-3-(3'-ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(215 mg,
0.98 mmol)を加え、同温度で3時間、室温まで昇温して
15時間攪拌した。 反応混合物を濃縮した後に酢酸エ
チルに溶解し、水洗後、MgSO4で乾燥した。溶媒を留去
し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し
て標記化合物(438 mg, 68 %)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ 1.20-2.10 (m, 28H), 2.87 (m, 1H),
3.30-3.50 (m, 3H), 3.24 (m, 1H), 4.25 (m, 1H), 5.
03 (m, 1H), 6.75 (m, 1H), 7.15-7.40 (m, 5H),7.43-
7.57 (m, 1H), 7.70 (m, 1H), 8.37 (m, 1H).
【0047】(b) 2-[2-(フェニルチオアセチル)シク
ロペンタ-1-イルカルボニル-L-アルギニル]チアゾール オキザリルクロライド(81 ml, 0.93 mmol)を塩化メチレ
ン10 mlに溶解し、-40℃でジメチルスルホキシド(132 m
l, 1.87 mmol)を加え、5分間攪拌した。 上記化合物
(430 mg, 0.62 mmol)を含む塩化メチレン溶液5 mlを加
え、-40〜-30℃で30分間攪拌した。 次いでトリエチ
ルアミン(596 ml, 4.2 mmol)を加え、同温度で30分間
攪拌した後に氷水にあけた。 有機層を分液し、水洗
後、MgSO4で乾燥して濃縮した。 生成物をフラッシュ
クロマトグラフィーで精製して2-[2-(フェニルチオアセ
チル)シクロペンタ-1-イルカルボニル-N', N"-ビス(t-
ブトキシカルボニル)アルギニル]チアゾール(350 mg, 8
3 %)を得た。この化合物をアニソール1 mlに溶解し、氷
冷下トリフルオロ酢酸4 mlを加え、同温度で30分間、
室温で30分間攪拌した。 反応混合物を濃縮し、フラ
ッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノー
ル)で精製し標記化合物(254 mg)を得た。1 H-NMR(CD3OD) δ 1.60-2.20 (m, 10H), 3.05 (m, 1H),
3.24 (m, 2H), 3.53 (m, 1H), 3.90 (m, 2H), 5.56
(m, 1H), 7.10-7.40 (m, 5H), 8.05 (m, 1H), 8.12(m,
1H); MS(FD) m/z 488 (M+).
【0048】(c)中間体の合成 この実施例で用いた2-フェニルチオメチルカルボニルシ
クロペンタン-1-カルボン酸は以下の方法で合成した。
2-[(ジフェニル)メトキシカルボニル]シクロヘキサン-
1-カルボン酸(2.0 g,6.17 mmol)、トリエチルアミン
(0.944 ml, 6.79 mmol)を塩化メチレン20 mlに溶解し、
氷冷下、N,N-ジメチルホルムアミド(1滴)、オキザリル
クロライド(855 mg, 6.79 mmol)を加え、1時間撹拌し
た。 次いで氷冷下、過剰のジアゾメタンを含むエーテ
ル溶液を加え30分間攪拌し、4N-HClジオキサン溶液
(2.31 ml)加え更に30分間攪拌した。 反応混合物
を濃縮し、生成したクロルメチルケトンをテトラヒドロ
フラン30 mlに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(81
5 mg, 6.32 mmol)、チオフェノール(690 mg, 6.32 mmo
l)を加え、室温で3時間撹拌した後に濃縮した。 反応
生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン/酢
酸エチル)で精製してフェニルチオメチルケトン(2.12
g, 86 %)を得た。この生成物をメタノール200 mlに溶解
し、1M 炭酸カリウム水溶液(9.74 ml)を加えて室温で
15時間撹拌した。 反応混合物を濃縮し、残留物を水
に溶解し、エーテルで洗浄した。 水層を酸性とした後
に酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥し、濃縮して標記
化合物(0.97 g, 76 %)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ 1.60-2.10 (m, 6H), 3.20 (m, 1H),
3.58 (m, 1H), 3.80 (s,2H), 7.15-7.40 (m, 5H).
【0049】実施例3 D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]
-5-アミノペンチル]-L-プロリンアミド (a) t-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-N-[1-
[(2-チアゾリル)ヒドロキシメチル]-5-(ベンジルオキシ
カルボニルアミノ)ペンチル]-L-プロリンアミドt-ブト
キシカルボニル-D-フェニルアラニル-L-プロリン(255 m
g, 0.70 mmol)、2-[2-アミノ-6-(ベンジルオキシカルボ
ニル)アミノ-1-ヒドロキシヘキシル]チアゾール(245 m
g, 0.70 mmol)、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール(94 m
g, 0.70mmol)をアセトニトリル15 mlに溶解し、氷冷下1
-エチル-3-(3'-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド塩酸塩(160 mg, 0.84 mmol)を加え、同温度で3時
間、室温まで昇温して15時間攪拌した。 反応混合物
を濃縮した後に酢酸エチルに溶解し、水洗後、MgSO4
乾燥した。 溶媒を留去し、粗生成物をフラッシュクロ
マトグラフィー(酢酸エチル)で精製して標記化合物(3
93 mg, 81 %)を得た。 1 H-NMR(CDCl3) δ 1.20-2.15 (m, 20H), 2.40-2.80 (m,
1H), 2.90-3.47 (m, 3H), 3.65-3.77 (m, 1H), 4.23-
4.58 (m, 3H), 4.95-5.04 (m, 2H), 5.04-5.30 (m, 2
H), 5.30-5.56 (m, 2H), 7.04-7.90 (m, 12H).
【0050】(b) D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チア
ゾリル)カルボニル]-5-アミノペンチル] -L- プロリン
アミド オキザリルクロライド(72 ml, 0.84 mmol)を塩化メチレ
ン8 mlに溶解し、-40℃でジメチルスルホキシド(119 m
l, 1.68 mmol)を加え、5分間攪拌した。 上記化合物
(390 mg, 0.56 mmol)を含む塩化メチレン溶液5 mlを加
え、-40〜-30℃で30分間攪拌した。 次いでトリエチ
ルアミン(394 ml, 2.81 mmol)を加え、同温度で30分
間攪拌した後に氷水にあけた。有機層を分液し、水洗
後、MgSO4で乾燥して濃縮した。 生成物をフラッシュ
クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し
てt-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-N-[1-[(2
-チアゾリル)カルボニル]-5-(ベンジルオキシカルボニ
ル)アミノペンチル]-L-プロリンアミド(388 mg, 73 %)
を得た。この化合物をギ酸(3.5 ml)に溶解し、Pd(150 m
g)を加え室温で3時間攪拌した。 反応混合物を濾過し
た後に濾液を濃縮し、生成物をアニソール1 mlに溶解
し、氷冷下トリフルオロ酢酸(3 ml)を加え、同温度で3
0分間攪拌した。 反応混合物を濃縮し、水5 mlに溶解
し、エーテルで洗浄した後に凍結乾燥を行い標記化合物
(190 mg)を得た。1 H-NMR(D2O)δ 1.25-2.04 (m, 7H), 2.04-2.18 (m, 1
H), 2.64-2.82 (m, 2H), 3.00-3.70 (m, 6H), 4.30-4.4
5 (m, 2H), 5.45-5.55 (dd, J= 4.14, 9.31 Hz, 1H),
7.20-7.55 (m, 5H), 7.70-8.20 (m, 2H); MS(FD) m/z 4
58 (M+).
【0051】(c)中間体の合成 この実施例で用いた2-[2-アミノ-6-(ベンジルオキシカ
ルボニル)アミノ-1-ヒドロキシヘキシル]チアゾ-ルはN
α-アリルオキシカルボニル-Nω-ベンジルオキシカルボ
ニル-L-リジンメチルエステルを出発物質として用い実
施例1cと同様な方法で合成した。1 H-NMR(CDCl3) δ 1.20-1.80 (m, 6H), 1.80-1.95 (m,
1H), 3.10-3.34 (m, 3H), 3.60-3.80 (m, 1H), 4.70
(d, J= 3.78 Hz, 1H), 4.80-4.97 (m, 1H), 5.01 (s, 2
H), 7.29 (d, J= 2.52 Hz, 1H), 7.30-7.38 (m, 5H),
7.73 (d, J= 2.52 Hz, 1H).
【0052】実施例4 D-シクロヘキシルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カル
ボニル]-4-グアニジノブチル]-L-プロリンアミド t-ブトキシカルボニル-D-シクロヘキシルアラニル-L-プ
ロリンと実施例1cの化合物から実施例1と同様な方法
で合成した。1 H-NMR(D2O)δ 1.00-1.55 (m, 4H), 1.55-2.25 (m, 14
H), 2.30-2.40 (m, 1H),3.22-3.30 (m, 2H), 3.58-3.70
(m, 1H), 3.72-3.82 (m, 1H), 4.39 (dd, J= 3.45, 1
3.8 Hz,1H), 4.56 (dd, J= 8.6 Hz, 1H), 4.80-5.80
(m, 1H), 8.10-8.23(m, 2H); MS(SIMS) m/z 492 (M+1).
【0053】実施例5 D-フェニルグリシル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]
-4-グアニジノブチル]-L-プロリンアミド t-ブトキシカルボニル-D-フェニルグリシル-L-プロリン
と実施例1cの化合物から実施例1と同様な方法で合成
した。1 H-NMR(D2O)δ 1.62-1.97 (m, 8H), 2.10-2.20 (m, 1
H), 2.98-3.06 (m, 1H), 3.22-3.30 (m, 1H), 3.63-3.7
2 (m, 1H), 4.58 (dd, J= 3.40, 8.60 Hz, 1H), 5.38-
5.43 (m, 1H), 5.50-5.60 (m, 1H), 7.45-7.60 (m, 5
H), 8.10 (d, 1H), 8.20 (d, 1H); MS(SIMS) m/z 472
(M+1).
【0054】実施例6 D-チロシル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]-4-グア
ニジノブチル]-L-プロリンアミド t-ブトキシカルボニル-D-チロシル-L-プロリンと実施例
1cの化合物から実施例1と同様な方法で合成した。1 H-NMR(D2O)δ 1.75-2.04 (m, 6H), 2.16-2.36 (m, 2
H), 3.04-3.10 (m, 1H), 3.25-3.28 (m, 3H), 3.45-3.4
6 (m, 1H), 3.70-3.76 (m, 1H), 4.52-4.77 (m, 2H),
5.52-5.56 (m, 1H), 6.85-6.96 (m, 2H), 7.19-7.26
(m, 2H), 8.13-8.19 (m, 2H); MS(SIMS) m/z 504
(M+2).
【0055】実施例7 D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]
-4-グアニジノブチル]-L-オクタヒドロインドール-2-カ
ルボキシアミド t-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-L-オクタヒ
ドロインドール-2-カルボン酸と実施例1cの化合物から
実施例1と同様な方法で合成した。1 H-NMR(D2O)δ 0.87-1.05 (m, 2H), 1.10-1.23 (m, 3
H), 1.36-1.49 (m, 3H), 1.58-1.82 (m, 5H), 1.91-2.0
3 (m, 2H), 2.85-3.00 (m, 2H), 3.15-3.20 (m, 3H),
4.20-4.25 (m, 1H), 4.34 (dd, J= 5.4, 10.3 Hz, 1H),
5.38 (dd, J= 4.0,8.4 Hz, 1H), 7.19-7.36 (m, 5H),
7.98-8.04 (m, 2H); MS (SIMS) m/z 540 (M +1).
【0056】実施例8 ベンジルオキシカルボニル-D-フェニルアラニル-N-[1-
[(2-チアゾリル)カルボニル]-4-グアニジノブチル]-L-
プロリンアミド ベンジルオキシカルボニル-D-フェニルアラニル-L-プロ
リンと実施例1cの化合物から実施例1と同様な方法で
合成した。1 H-NMR(CDCl3) δ 1.40-2.20 (m, 7H), 2.59-2.80 (m,
1H), 2.90-3.50 (m, 5H), 3.50-3.80 (m, 1H), 4.28-4.
54 (m, 1H), 4.54-4.70 (m, 1H), 5.04 (ABq, J=13.8,
39.7 Hz, 1H), 5.45-5.70 (m, 1H), 6.18-6.30 (m, 1
H), 6.90-7.50 (m,10H), 7.65 (d, J= 7.36 Hz, 1H),
7.84 (d, J= 7.36 Hz, 1H), 7.94-8.04 (m,1H); MS(SIM
S) m/z 620 (M+1).
【0057】実施例9 アセチル-D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カ
ルボニル]-4-グアニジノブチル]-L-プロリンアミド アセチル-D-フェニルアラニル-L-プロリンと実施例1c
の化合物から実施例1と同様な方法で合成した。1 H-NMR(D2O)δ 1.50-2.50 (m, 11H), 2.52-2.75 (m, 2
H), 2.97-3.13 (m, 2H),3.15-3.50 (m, 2H), 3.65-3.80
(m, 1H), 4.35-4.50 (m, 1H), 5.35-5.50 (m, 1H), 7.
23-7.56 (m, 5H), 8.00-8.22 (m, 2H); MS(SIMS) m/z 5
28 (M+1).
【0058】実施例10 3-フェニルプロピオニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボ
ニル]-4-グアニジノブチル]-L-プロリンアミド 3-フェニルプロピオニル-L-プロリンと実施例1cの化合
物から実施例1と同様な方法で合成した。1 H-NMR(D2O)δ 1.50-2.50 (m, 6H), 2.50-3.25 (m, 8
H), 3.25-3.57 (m, 2H), 4.28-4.38 (m, 1H), 5.40-5.4
6 (m, 1H), 7.20-7.40 (m, 5H), 7.60-7.70 (m, 1H),
8.00-8.10 (m, 1H); MS(SIMS) m/z 471 (M+1).
【0059】実施例11 4-フェニルブタノイル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニ
ル]-4-グアニジノブチル]-L-プロリンアミド 4-フェニルブタノイル-L-プロリンと実施例1cの化合物
から実施例1と同様な方法で合成した。1 H-NMR(CDCl3) δ 1.72-1.75 (m, 2H), 1.89-2.09 (m,
5H), 2.26-2.51 (m, 5H), 2.61-2.68 (m, 2H), 3.13-3.
56 (m, 4H), 4.42-4.53 (m, 1H), 5.59 (brs, 1H), 7.0
8-7.28 (m, 5H), 7.70 (d, J= 3.1 Hz, 1H), 7.77-7.90
(m, 2H), 8.00(d, J= 3.1 Hz, 1H); MS (SIMS) m/z= 4
85 (M+1).
【0060】実施例12 D-プロリル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]-4-グア
ニジノブチル]-L-プロリンアミド t-ブトキシカルボニル-D-プロリル-L-プロリンと実施例
1cの化合物から実施例1と同様な方法で合成した。1 H-NMR(D2O)δ 1.70-2.20 (m, 9H), 2.30-2.45 (m, 1
H), 2.47-2.65 (m, 2H), 3.25-3.35 (m, 1H), 3.40-3.5
5 (m, 2H), 3.60-3.68 (m, 1H), 3.70-3.80 (m,1H), 3.
80-3.90 (m, 1H), 4.58 (dd, J= 3.40, 5.17 Hz, 1H),
4.68 (dd, J= 6.90,7.59 Hz, 1H), 5.51 (dd, J= 5.17,
9.31 Hz, 1H), 8.12 (d, J= 3.40 Hz, 1H), 8.18 (d,
J= 3.40 Hz, 1H); MS(FD) m/z 435 (M+).
【0061】実施例13 2-[2-(フェニルチオアセチル)シクロヘキサ-1-イルカル
ボニル-L-アルギニル]チアゾール 2-(フェニルチオアセチル)シクロヘキサンカルボン酸と
実施例1cの化合物から実施例2と同様な方法で合成し
た。1 H-NMR(CD3OD) δ 1.10-2.20 (m, 12H), 2.63 (m, 1H),
3.02 (m, 1H), 3.09-3.23 (m, 2H), 3.83-4.09 (m, 2
H), 5.47-5.55 (m, 1H), 7.05-7.40 (m, 5H), 8.02 (m,
1H), 8.10 (m, 1H); MS(SIMS) m/z 502 (M+1).
【0062】実施例14 4-フェニルブタノイル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニ
ル]-5-アミノペンチル]-L-プロリンアミド 4-フェニルブタノイル-L-プロリンと実施例3cの化合物
から実施例3と同様な方法で合成した。1 H-NMR(D2O)δ 1.40-2.25 (m, 10H), 2.35 (m, 2H), 2.
65 (m, 2H), 2.99 (m, 2H), 3.42-3.52 (m, 4H), 4.40
(m, 1H), 5.46 (m, 1H), 7.10-7.40 (m, 5H), 8.05 (m,
1H), 8.11 (m, 1H); MS(SIMS) m/z 457 (M+1).
【0063】実施例15 3-フェニルプロピオニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボ
ニル]-5-アミノペンチル]-L-プロリンアミド 3-フェニルプロピオニル-L-プロリンと実施例3cの化合
物から実施例3と同様な方法で合成した。1 H-NMR(D2O)δ 1.20-1.90 (m, 7H), 1.90-2.20 (m, 2
H), 2.50-3.00 (m, 5H), 3.20-3.54 (m, 2H), 4.29-4.3
7 (m, 1H), 5.39 (dd, J= 3.75, 8.00 Hz, 1H), 7.12-
7.35 (m, 5H), 7.98 (d, J= 2.77 Hz, 1H), 8.06 (d, J
= 2.77 Hz, 1H); MS(SIMS) m/z 443 (M+1).
【0064】実施例16 D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]
-6-アミノヘキシル]-L-プロリンアミド t-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-L-プロリン
と2-[2-アミノ-7-(ベンジルオキシカルボニル)アミノ-1
-ヒドロキシヘプチル]チアゾールから実施例3と同様な
方法で合成した。1 H-NMR(D2O)δ 1.20-1.90 (m, 9H), 2.00-2.20 (m, 2
H), 2.74 (ddd, J= 6.90,7.24, 7.59 Hz, 1H), 2.98-3.
10 (m, 2H), 3.10-3.32 (m, 2H), 3.39-3.50 (m,1H),
4.44 (dd, J= 4.83, 9.66 Hz, 1H), 4.50-4.60 (m, 1
H), 5.48 (dd, J= 4.14, 9.66 Hz, 1H), 7.25-7.50 (m,
5H), 8.10 (d, J= 2.41 Hz, 1H), 8.15 (d,J= 2.41 H
z, 1H); MS(SIMS) m/z 471 (M+1).
【0065】実施例17 3-フェニルプロピオニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボ
ニル]-6-アミノヘキシル]-L-プロリンアミド 3-フェニルプロピオニル-L-プロリンと2-[2-アミノ-7-
(ベンジルオキシカルボニル)アミノ-1-ヒドロキシヘプ
チル]チアゾールから実施例3と同様な方法で合成し
た。1 H-NMR(D2O)δ 1.20-1.90 (m, 10H), 1.90-2.08 (m, 1
H), 2.08-2.30 (m, 1H),2.54-2.85 (m, 1H), 2.85-3.06
(m, 6H), 3.25-3.35 (m, 1H), 3.40-3.61 (m, 2H), 4.
41 (d, J= 6.90 Hz, 1H), 5.43 (dd, J= 3.45, 8.60 H
z, 1H), 7.14-7.37(m, 5H), 8.02 (d, J= 24 Hz, 1H),
8.08 (d, J= 24 Hz, 1H); MS(FD) m/z 456(M+).
【0066】実施例18 D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]
-4-メトキシブチル]-L-プロリンアミド t-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-L-プロリン
と2-(2-アミノ-1-ヒドロキシ-5-メトキシペンチル)チア
ゾールから実施例1と同様な方法で合成した。 1 H-NMR(CDCl3) δ 1.57-1.59 (m, 1H), 1.73-1.88 (m,
5H), 2.07-2.14 (m, 2H), 2.75-2.78 (m, 1H), 3.20-3.
33 (m, 2H), 3.35 (s, 3H), 3.49-3.56 (m, 3H),4.42
(dd, J= 4.2, 8.5 Hz, 1H), 4.53 (m, 1H), 5.49 (dd,
J= 4.3, 8.4 Hz,1H), 7.31-7.34 (m, 2H), 7.41-7.46
(m, 3H), 8.09 (d, J= 3.1 Hz, 1H), 8.14(d, J= 3.1 H
z, 1H); MS (FD) m/z 459 (M+1)
【0067】実施例19 D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-ベンゾチアゾリル)カル
ボニル]-4-メトキシブチル]-L-プロリンアミド t-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-L-プロリン
と2-(2-アミノ-1-ヒドロキシ-5-メトキシペンチル)ベン
ゾチアゾールから実施例1と同様な方法で合成した。1 H-NMR(CDCl3) δ 1.74-1.78 (m, 1H), 1.80-1.93 (m,
4H), 2.04-2.19 (m, 2H), 2.73-2.74 (m, 1H), 3.15-3.
28 (m, 2H), 3.35 (s, 3H), 3.54-3.58 (m, 4H),4.40-
4.45 (m, 1H), 4.50-4.54 (m, 1H), 5.56 (dd, J= 4.3,
8.4 Hz, 1H), 7.24-7.43 (m, 5H), 7.67-7.73 (m, 2
H), 8.15-8.26 (m, 2H); MS (SIMS) m/z= 509 (M+1).
【0068】実施例20 t-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-
チアゾリル)カルボニル]-4-メトキシブチル]-L-プロリ
ンアミド t-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-L-プロリン
と2-(2-アミノ-1-ヒドロキシ-5-メトキシペンチル)チア
ゾールから合成される実施例18の中間体として得た。1 H-NMR(D2O)δ 1.51-1.90 (m, 14H), 2.15-2.23 (m, 2
H), 2.62-2.66 (m, 1H),3.01-3.04 (m, 2H), 3.30 (s,
3H), 3.38-3.44 (m, 3H), 3.54-3.57 (m, 1H), 4.49-4.
62 (m, 2H), 5.40-5.43 (m, 1H), 5.75-5.79 (m, 1H),
7.18-7.32 (m, 5H), 7.53-7.61 (m, 2H), 7.95-7.98
(m, 1H), 8.18-8.21 (m, 1H); MS(FD) m/z 558 (M+).
【0069】実施例21 t-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-
ベンゾチアゾリル)カルボニル]-4-メトキシブチル]-L-
プロリンアミド t-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-L-プロリン
と2-(2-アミノ-1-ヒドロキシ-5-メトキシペンチル)ベン
ゾチアゾールから合成される実施例19の中間体として
得た。1 H-NMR(D2O)δ 1.43 (s, 9H), 1.51-1.67 (m, 4H), 1.8
0-1.89 (m, 2H), 2.07-2.21 (m, 2H), 2.61-2.63 (m, 1
H), 2.90-3.05 (m, 2H), 3.30 (s, 3H), 3.33-3.40 (m,
2H), 3.51-3.54 (m, 1H), 4.44-4.48 (m, 1H), 4.62-
4.64 (m, 1H), 5.44-5.47 (m, 1H), 5.55-5.62 (m, 1
H), 7.20-7.31 (m, 5H), 7.63-7.65 (m,1H),7.68 (d, J
= 3.0 Hz, 1H), 8.02 (d, J= 3.0 Hz, 1H); MS(FD) m/z
608 (M+).
【0070】実施例22 D-フェニルアラニル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニル]
-2-フェニルエチル]-L-プロリンアミド t-ブトキシカルボニル-D-フェニルアラニル-L-プロリン
と2-(2-アミノ-1-ヒドロキシ-3-フェニルプロピル)チア
ゾールから実施例1と同様な方法で合成した。 1 H-NMR(CDCl3) δ 1.49-1.54 (m, 2H), 1.60-1.80 (m,
1H), 2.10-2.14 (m, 1H), 2.59-2.67 (m, 1H), 2.85-2.
97 (m, 2H), 3.10-3.19 (m, 1H), 3.28-3.49 (m,2H),
3.64-3.75 (m, 1H), 4.50-4.54 (m, 1H), 5.88-5.93
(m, 1H), 7.20-7.36(m, 10H), 7.67-7.78 (m, 2H), 8.0
6-8.08 (m, 1H); MS (SIMS) m/z 477 (M+1).
【0071】実施例23 4-フェニルブタノイル-N-[1-[(2-チアゾリル)カルボニ
ル]エチル]-L-プロリンアミド 4-フェニルブタノイル-L-プロリンと2-(2-アミノ-1-ヒ
ドロキシプロピル)チアゾールから実施例1と同様な方
法で合成した。1 H-NMR(D2O)δ 1.52 (d, J= 6.90 Hz, 1H), 1.80-2.30
(m, 6H), 2.30-2.38 (m,2H), 2.68-2.74 (m, 2H), 3.30
-3.40 (m, 1H), 3.45-3.52 (m, 1H), 4.62 (dd,J= 2.4
1, 9.31 Hz, 1H), 5.69 (q, J= 6.90 Hz, 1H), 7.18-7.
31 (m, 5H), 7.69 (d, J= 3.10 Hz, 1H), 8.02 (d, J=
3.10 Hz, 1H); MS(FD) m/z 399 (M+).
フロントページの続き (72)発明者 大内 章吉 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 初芝 恵実子 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)で表される複素環カ
    ルボニル化合物およびその薬理学的に許容される塩。 【化1】 [ 式中、Aは少なくとも1個の窒素原子を有する5員環
    もしくは6員環の飽和、部分飽和または不飽和である単
    環式複素環、またはベンゼン環もしくはピリジン環が縮
    合している二環式複素環(上記複素環は酸素原子、イオ
    ウ原子または別途3個以下の窒素原子を有してもよく、
    単環式複素環では環内の炭素原子または二環式複素環で
    はベンゼン環もしくはピリジン環の炭素原子に炭素数1
    〜4の低級アルキル基、ハロゲン、水酸基、アミノ基、
    メルカプト基で置換してもよく、また複素環を構成して
    いる何れかの炭素原子を介してカルボニル基に結合して
    いる)を示し、R1は炭素数1〜4の分岐してもよいア
    ルキル基、グアニジノ基、アミジノチオ基、アミジノ
    基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、低級アルコキシ
    基、もしくはグアニジノ基、アミジノ基、アミノ基、水
    酸基、メルカプト基、ハロゲンで置換されてもよいフェ
    ニル基を示し、Bは以下から選択される残基 【化2】 (R3は水素、炭素数1〜6の分岐してもよいアルキル
    基、フェニル基、フェニルメチル基である)を示し、R
    2はメチル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロ
    アリール基、アリールチオ基、Xと結合しているメチレ
    ンを示し、Xは水素原子、水酸基、アミノ基、ハロゲン
    原子、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、アシルアミノ
    基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカ
    ルボニルアミノ基を示し、mは1〜5の整数を示し、n
    は0〜4の整数を示す。]
  2. 【請求項2】請求項1の一般式(I)において、Aはチ
    アゾール、オキサゾール、イミダゾール、チアゾリン、
    オキサゾリン、イミダゾリン、ピリジン、ピリミジン、
    ピラゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,4-オキサジア
    ゾール、1,2,4-トリアゾール(上記複素環は構成してい
    る何れかの炭素原子を介してカルボニル基に結合してい
    る)、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾ
    イミダゾール、チアゾロ[5,4-b]ピリジン、オキサゾロ
    [4,5-b]ピリジン、イミダゾ[4,5-b]ピリジン(上記複素
    環は2位の炭素原子を介してカルボニル基に結合してい
    る)を示し、R 1はグアニジノ基、アミジノチオ基、ア
    ミジノ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、低級アル
    コキシ基、もしくはグアニジノ基、アミジノ基、アミノ
    基、水酸基、メルカプト基、ハロゲンで置換されてもよ
    いフェニル基を示し、Bは以下の式から選択される残基 【化3】 (R3は一般式(I)で定義したものと同じ意味を表す)を
    示し、R2はメチル基、置換基を有してもよいフェニル
    基、チエニル基、ピリジル基、インドリル基、ナフチル
    基、ジフェニルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘ
    キシル基、フェニルチオ基、Xと結合しているメチレン
    を示し、Xは水素原子、水酸基、アミノ基、ハロゲン原
    子、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、アシルアミノ
    基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカ
    ルボニルアミノ基を示し、mは1〜5の整数を示し、n
    は0〜4の整数を示す複素環カルボニル化合物。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の複素環カ
    ルボニル化合物または薬理学的に許容されるそれらの塩
    を有効成分として含有するトロンビン阻害剤。
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