JP6785659B2 - 異なった抗生物質と一緒の組合せ療法におけるポリミキシン誘導体及びその使用 - Google Patents

異なった抗生物質と一緒の組合せ療法におけるポリミキシン誘導体及びその使用 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2014年3月11日(11/03/2014)に出願されたGB1404301.2及び2014年11月26日(26/11/2014)に出願されたGB1421019.9の優先権及び利益を主張するものであり、これらの両方の内容は、本明細書中に参考文献としてその全てが援用される。
本発明は、新規な化合物、化合物の組合せ、化合物を含んでなる医薬組成物、及び治療のための、例えば、特にグラム陰性細菌によって起こされる微生物感染の治療のための化合物、医薬組成物及び組合せの使用に関する。
感受性の個体において、ある種のグラム陰性細菌、例えばEscherichia coli、Klebsiella pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa及びAcinetobacter baumaniiは、重度の感染、例えば肺炎、尿道感染、皮膚及び皮膚構造感染、例えば創傷感染、耳感染、眼感染、腹腔内感染、消化管中の細菌の異常増殖及び菌血症/敗血症を起こすことができる。臨床治療における重度の細菌感染の治療は、抗生物質耐性によって複雑化されることができる。近年、広い治療範囲の抗生物質、例えばアミノグリコシド、セファロスポリン、そして更にカルバペネムを含む多くの種類の抗細菌剤に対して耐性であるグラム陰性細菌による感染の増加が観察されている。従って、グラム陰性細菌、特に多剤耐性グラム陰性細菌に対して有効である新しい抗細菌剤を特定する必要性が存在する。
ポリミキシンは、グラム陽性細菌のBacillus polymyxaによって産生される抗生物質の一群である。1940年代後期に最初に特定されたポリミキシン、特にポリミキシンB及びポリミキシンE(コリスチン、通常そのプロドラッグコリスチンメタンスルホン酸塩として)は、グラム陰性感染の治療に使用された。然しながら、これらの抗生物質は、副作用、例えば神経毒性及び腎毒性を示した。それにもかかわらず、ポリミキシンは、実現性のある代替物の欠如のために、今やMDRグラム陰性感染の治療において重要な役割を演じている。然しながら、治療におけるその使用は、治療の最後の手段に限られている。
WO2008/017734は、少なくとも二つの、しかし三つより多くない正電荷を保持するポリミキシン誘導体を提供することによってこの毒性の問題に取り組むことを試みている。これらの化合物は、減少した腎毒性を持つ有効な抗細菌剤であると言われている。減少した正電荷の数は、単離されたラットの腎組織に対する化合物の親和性を減少し、これが次に腎毒性の減少に導くことができることが開示中で仮説とされている。
シュードモナス菌に対して良好な活性を保持する一方、マウスにおいて減少した急性の毒性を持つある種の脱脂肪酸アシル(des−fatty acyl)ポリミキシン誘導体が更に開示されている(Katsuma et al.Chem.Pharm.Bull.2009;57,332−336;Sato et al.Chem.Pharm.Bull.2011;59,597−602)。化合物は、E.coli及びK.pneumoniaeに対して、ポリミキシンBより有意に少ない活性であった。
WO2010/075416は、CB182,804を含む尿素結合アリールポリミキシンデカペプチドを提供し、これは、ポリミキシンBと比較して、類似の活性を有するが、しかし減少した腎毒性を有することが報告されている。フェニルシクロプロパンポリミキシン誘導体が更に米国特許第8,415,307号中に記載されている。これらの化合物は、ポリミキシンBと比較して類似の又は減少した活性を有することが示されている。
WO2012/168820は、ポリミキシンBと比較して減少した毒性を有し、そして時には向上した活性を有することが報告されている更なる一連のポリミキシン誘導体を提供し、ここにおいて、トリペプチド側鎖中の3位におけるジアミノ酪酸基は、ジアミノプロピオン酸部分によって置換されている。
標的病原体の至る所で一貫した強力な活性及び受容可能な毒性を持つ治療的製剤を提供するより少ない毒性のポリミキシン誘導体に対する必要性が存在したままである。
本発明人等は、以前に、そのそれぞれの内容が本明細書中にその全てが援用される、WO2013/072695、TW101142961及びGCC2012/22819中に、微生物感染の治療において使用するためのポリミキシン化合物を記載している。
驚くべきことに、本発明人等は、ポリミキシン又はコリスチンと比較して減少した毒性を有し、そしてグラム陰性細菌に対して特に有効である、ある種のポリミキシン誘導体を見出している。
国際特許出願公開WO2008/017734; WO2010/075416; 米国特許第8,415,307号; WO2012/168820; WO2013/072695; TW101142961; GCC2012/22819。
Katsuma et al.Chem.Pharm.Bull.2009;57,332−336;Sato et al.Chem.Pharm.Bull.2011;59,597−602。
一般的な側面において、本発明は、本明細書中に記載されるような式(III)のポリミキシン化合物、及び治療又は予防の方法におけるその使用を提供する。式(III)の化合物は、微生物感染、例えばグラム陰性細菌感染を治療するために使用することができる。
本発明の第1の側面において、式(III)のポリミキシン化合物、並びに医薬的に受容可能な塩、保護された形態、これらの溶媒和物及び水和物、例えば医薬的に受容可能な塩、及びその水和物が提供される。
本発明の第2の側面において、式(III)のポリミキシン化合物を、一つ又はそれより多い医薬的に受容可能な担体を一緒に含んでなる医薬組成物が提供される。
本発明の第3の態様において、予防の治療の方法における使用のための、式(III)のポリミキシン化合物又は式(III)のポリミキシン化合物を含んでなる医薬組成物が提供される。
本発明の四番目において、細菌感染を治療する方法における使用のための、式(III)のポリミキシン化合物又は式(III)のポリミキシン化合物を含んでなる医薬組成物が提供される。
別の側面において、式(III)のポリミキシン化合物又は式(III)のポリミキシン化合物は、真菌感染の治療における使用のために適している。
本発明の更なる側面において、活性剤がグラム陰性細菌に対する活性を有するような活性剤と組合せた治療又は予防の方法における使用のための式(III)のポリミキシン化合物が提供される。
本発明の他の態様は、本明細書中で詳細に考察される。
本発明は、式(III)の化合物及び医学的治療におけるその使用を提供する。
大まかに言えば、式(III)の化合物は、アミノ官能基を含有するN末端基を有するポリミキシン化合物である。更に、又は別に、N末端基は、窒素含有ヘテロシクリル(又はヘテロシクリレン)基及び/又は窒素含有ヘテロアルキレン基を有する。末端基内の塩基性アミノ基の存在は、以下で更に詳細に考察されるように特別な利益を伴う。
式(III)の化合物は、適した抗細菌活性を有し、一方更に、少ない毒性、特に腎毒性を明白に示す。化合物は、一つ又はそれより多いE.coli、P.aeruginosa、K.pneumonia、又はA.baumannii細菌株に対して、ポリミキシンB又はコリスチンと比較して匹敵する又は改善された生物学的活性を有することができる。このような化合物は、当技術において従来記載されているポリミキシン型化合物に対する有用な代替物である。
ポリミキシン化合物又はポリミキシン誘導体の幾つかは、当技術において不良な毒性の特性を有することが知られるか、又は疑われている。例えば、N末端に脂肪酸アシル鎖を有する化合物、例えばポリミキシンB及びコリスチンの使用は、腎毒性を伴う。
Vaara等(Antimicrob.Agents Chemother.2008,52,3229)は、ポリミキシン化合物の薬理学的及び毒性の特性は、ポリミキシンのポリペプチド配列に対する変化に伴って変更することができることを示唆している。特に、Vaara等は、三つの正電荷のみを有するポリミキシン化合物を調製しているが、一方、ポリミキシンBノナペプチドは、五つの正電荷を保持している。
対照的に、本発明人等は、N末端へのポリミキシン化合物の適応が、腎毒性を減少することができることを示している。本明細書中に記載するように、N末端は、アミノ基(これは、窒素含有複素環の形態であることができる)を含有する置換基を有する。
更に、式(III)の化合物は、第2の抗細菌剤、例えばリファンピシンの抗細菌活性を増加することが可能である。このような組合せは、例えば一つ又はそれより多いE.coli、P.aeruginosa、K.pneumonia、又はA.baumannii株に対して、第2の薬剤の、ポリミキシンB又はコリスチンとの組合せと比較して、匹敵する又は改善された生物学的活性を有する。例えば、式(III)の化合物は、一つ又はそれより多いE.coli、P.aeruginosa、K.pneumonia、又はA.baumannii株に対して、ポリミキシンB又はコリスチンと比較して、匹敵する生物学的活性を有することができる。然しながら、このような化合物が第2の活性剤との組合せにおいて使用された場合、組合せは、ポリミキシンB又はコリスチンの同じ活性剤との組合せと比較して、予期しないほど優れた活性を有する。先に記述したように、式(III)の化合物は、更に固有の抗細菌活性を保有する。
更に、本発明人等は、式(III)のそれぞれの化合物が、広い範囲の細菌に対して活性であり、そしてそれぞれの化合物が、例えばE.coli、P.aeruginosa、K.pneumonia、又はA.baumannii株に対する第2の活性剤の活性を増強することが可能であることを見出している。対照的に、当技術において従来記載された化合物は、変化する生物学的活性の特性を有し、そして特定のポリミキシン化合物が、第2の薬剤の活性を増強するものである程度を予測することは困難である。
式(III)の化合物は、優れた微生物活性を有し、一方、更にポリミキシンB又はコリスチンと比較して、例えばHK−2細胞に対して測定されたように、より少ない毒性を示す。幾つかの場合、化合物は、ポリミキシンB又はコリスチンに対して耐性であるか又は減少した感受性を有する微生物株に対してさえ活性である。活性は、N末端基内の特異的位置におけるアミノ官能基の存在に伴う。活性の更なる改善は、更に、ある種の置換基がN末端基中に存在し、そして末端基中のキラル中心が特異的立体化学を有する場合に見出される。
式(III)のポリミキシン化合物
式(III)の化合物は、ポリミキシン系列の化合物のN末端誘導体である。式(III)の化合物の核は、ポリミキシン化合物のノナペプチド版、例えば脱アシル化ポリミキシンBノナペプチド(PMBN、ポリミキシン2−10)である。
本発明人等は、ポリミキシンノナペプチドのN末端に接続している基が、生物学活性及び化合物の毒性の重要な決定因子であることを見出している。本発明人等は、ある種のN末端置換基が、向上した活性を示し及び/又はポリミキシンB又はコリスチンと比較してより少ない活性を示すことを確認している。
ポリミキシン中で、1位におけるアミノ酸残基は、その脂肪酸アシル鎖を伴うN末端でアシル化されたジアミノ酪酸(Dab)残基である。本発明の化合物において、Dab及び脂肪酸アシル鎖を含んでなるポリミキシンのN末端基は、アミノ含有部分によって置換され、これは、更なる置換基に連結されるが、しかしアミド結合によらずに連結される。
従来、ポリミキシンBの1位におけるDabアミノ酸残基の存在は、活性のために重要ではなく、そしてこのアミノ酸は除去することができると考えられていた。従って、ポリミキシンノナペプチドは、微生物の処置における使用のために当技術において知られている。
予備的な作業において、本発明人等は、種々の微生物に対する三つのポリミキシンB類似体の活性を探求した。他の探求者と同様に、本発明人等は、ポリミキシンBの1位のDab残基の除去が、化合物の活性に対して僅かな影響を有することを見出した(以下の表Aの化合物CC4及びCC6を比較されたい)。然しながら、本発明人等が、Dab残基をGlyで置換した更なる類似体を探求した場合、生物学的活性のかなりの悪化が注目された(CC5及びCC4を比較されたい)。本発明人等は、ポリミキシン化合物の末端のアミノ官能基の存在が、活性を維持するために重要であると信じる。従って、本発明の化合物は、ポリミキシン化合物のN末端にアミノ官能基を含む。ポリミキシンBノナペプチドの構造を以下:
Figure 0006785659
に示し、式中−Rは、N末端基の修飾である。
Figure 0006785659
表中、側鎖−RはポリミキシンBノナペプチド(PMBN)のN末端に接続し、そしてデータは、μg/mLのMIC値である。
本発明人等は、最適な活性のために、天然に存在するポリミキシン構造中のDab側鎖を模倣するためにアミノ置換基が必要であると信じる。従って、本発明人等は、ポリミキシンノナペプチドのN末端における−X−基に対してβ又はγにある炭素原子において、アミノ基−NR1617又は−N(R16)−が提供される式(III)の化合物を提供する。−X−基は、1位におけるアミノ酸残基のカルボニル部分−C(O)−と等価と考えることができる。本発明人等は、アミノ基が、−X−基に対してαにある炭素原子において単独で提供される化合物が、劣った生物学的活性を有することを見出している(表BのCC7を、実施例化合物D4及びD6と比較されたい)。
Figure 0006785659
表中、側鎖−RはポリミキシンBノナペプチドのN末端に接続し、そしてデータはμg/mLのMIC値である。
アミン置換基が、PMBNのN末端における−X−基に対してβ又はγにある炭素原子において提供される化合物は、WO2013/072695に記載されている。然しながら、これらの化合物は、置換されている場合、アミンに接続した炭素上に置換基を有する。本発明人等は、更なる置換基が提供され、そして更に、この置換基がアミンに接続した炭素上にないことが重要であることを見出している(表C中の実施例化合物D9及びD37に対してB5及びB6を比較されたく、ここで、B5及びB6は、それぞれWO2013/072695の実施例6及び29である)。従って、式(III)の化合物において、アミノ基−NR1617又は−N(R16)−は、メチレン炭素基(−CH−)に接続している。
Figure 0006785659
表中、側鎖−RはポリミキシンBノナペプチドのN末端に接続し、そしてデータはμg/mLのMIC値である。
幾つかの場合、立体化学は、例えば、更なる置換基が−X−基に対してαにある炭素原子において提供される場合、活性の重要な決定因子である。これらの場合、この位置における立体化学が、ポリミキシンBのL−Dab残基のそれと同じであることが好ましい(表Dの光学的に活性なカルボン酸から調製された化合物D29を、ジアステレオ異性体D24及びD25と比較されたく、ここで、B7は、WO2013/072695の実施例12である)。
Figure 0006785659
表中、側鎖−RはポリミキシンBノナペプチドのN末端に接続し、そしてデータは、μg/mLのMIC値である。絶対立体化学は、太線又は点線の楔形で示す。
アミノ基が−X−基に対してβ−又はγ−のままであることを条件に、アミン基は、窒素含有複素環の一部であることができる。WO2013/072695は、ノナペプチドのN末端に窒素含有複素環を有する化合物を記載している。然しながら、このような化合物は置換されていない。本発現人等は、置換基の添加が活性を改善していることを見出している。従って、アミン−N(R16)−が環構造の一部である本発明の化合物は、環の置換基を有する(表E中のB8を、実施例化合物D2及びD39と比較されたく、ここで、B8は、WO2013/072695の実施例13である)。
Figure 0006785659
表中、側鎖−RはポリミキシンBノナペプチドのN末端に接続し、そしてデータは、μg/mLのMIC値である。相対立体化学は、太線又は点線で示す。絶対立体化学は、太線又は点線の楔形で示す。
式(III)の化合物は、式(III)の化合物が、1位のL−Dab基のα炭素におけるアミノ基及び脂肪酸アシル鎖から形成されるポリミキシンのアミド官能基を保有しないという理由のために、ポリミキシンデカペプチドに対し特徴づけられる。本発明の化合物において、アミノ基がα炭素において提供される場合、これは、アミド基の一部ではない。
アミド結合により1位のL−Dab残基に接続される短いアシル鎖(例えば、ブタノイル)を有するポリミキシンデカペプチド誘導体が、不良な抗細菌活性を有することが知られている。例えば、ペンタノイル及びブタノイル誘導体は、ポリミキシンBより10−20倍低い活性であることが報告されている(de Visser et al.J.Pept.Res.2003,61,298を参照されたい)。化合物D9(表C参照)は、アミノ酪酸部分に接続した短いイソブチル部分を有する。これは、これらの誘導体のアミド基を含まないが、これは、de Visserによって記載されたアルカノイル誘導体の類似体である。化合物D9は、天然のポリミキシンと類似の生物学的活性を有し、そしてこれは、ポリミキシンBより12倍少なく毒性である(HK−2アッセイにおいてIC50に関して測定されたように)。
更なる例は、化合物D36を参考化合物CC8と比較することによって、観察することができる(表F参照)。アミノ基がα炭素において提供される場合、これはアミド基の一部であってはならない。
Figure 0006785659
表中、側鎖−RはポリミキシンBノナペプチドのN末端に接続し、そしてデータは、μg/mLのMIC値である。絶対立体化学は、太線又は点線の楔形で示す。
先に記述したように、α炭素におけるアミノ基の単独の存在は、良好な活性を得るために十分ではない。β又はγ炭素におけるアミノ基が必要である。アミノ基、例えば−NR1617又は−N(R16)−がβ又はγ炭素で提供される場合、更なる置換されたアミノ基を、α炭素に提供することができる(そしてこのアミノ基は、アミド結合の一部を形成しない)。このような化合物は、良好な活性を有する。これは、その活性がポリミキシンBに匹敵する化合物D51において観察することができる(表G)。
Figure 0006785659
表中、側鎖−RはポリミキシンBノナペプチドのN末端に接続し、そしてデータは、μg/mLのMIC値である。
本発明は、式(III)の化合物及び治療の方法におけるこの化合物の使用を提供する。式(III)の化合物、並びに医薬的に受容可能な塩、保護された形態、その溶媒和物及び水和物、例えば医薬的に受容可能な塩、及びその水和物は、以下の式:
Figure 0006785659
[式中:
−X−は、−C(O)−、−NHC(O)−、−OC(O)−、−CH−又は−SO−であり;
−Rは、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、フェニルアラニン、ロイシン又はバリン残基であり;
−Rは、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、ロイシン、イソ−ロイシン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン又はノル−バリン残基であり;
−Rは、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、トレオニン又はロイシン残基であり;
−Rは、一つのヒドロキシル基又は一つのアミノ基で置換されたC1−6アルキルであり;
−R15は、以下の:
Figure 0006785659
[式中:
−Rは、水素又は−L−RAAであり;
−Q−は、共有結合又は−CH(R)−であり;
−Rは、水素又は−L−RBBであり;
或いは、−Q−が−CH(R)−である場合、−R及び−Rは、一緒に5ないし10員の単環式又は二環式の炭素環を形成するか、或いは−R及び−Rは、一緒に5ないし10員の単環式又は二環式の複素環を形成し;
そして、−Q−が共有結合である場合、Rは、−L−RAAであり、そして−Q−が−CH(R)−である場合、−R及び−Rの片方又は両方が水素ではなく;
−R16は、独立に水素又はC1−4アルキルであり;
−R17は、独立に水素又はC1−4アルキルであり;
又は−NR1617は、グアニジン基であり;
或いは−R17及び−Rは、一緒に5ないし10員の窒素含有単環式又は二環式複素環を形成し;
或いは、Qが−CH(R)−である場合、−R17及び−Rは、一緒に5ないし10員の窒素含有単環式又は二環式複素環を形成し;
そして−R17及び−Rが、一緒に単環式窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され、そして単環式複素環は、存在する場合、−R、−R、−RNA及び−L−RBBから選択される少なくとも一つの基で置換され、
そして−R17及び−Rが、一緒に単環式窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され、そして単環式複素環は、存在する場合、−R、及び−Rから選択される少なくとも一つの基で置換され、或いは単環式複素環は、−Rが−L−RAAである場合、所望により置換され、
そして単環式窒素含有複素環は、一つの更なる窒素、酸素又は硫黄の環の原子を所望により含有し、そして更なる窒素の環の原子が存在する場合、−Rで所望により置換され、但し−X−基に対してαにある炭素に接続する更なる窒素の環の原子を除き、その窒素原子は−RNAで所望により置換され;
−R17及び−R又は−R17及び−Rが、一緒に二環式窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R又は−R17及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され;
そして二環式窒素含有環の原子の複素環は、一つ、二つ又は三つの更なる異種原子を所望により含有し、ここで、それぞれの異種原子は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立に選択され、そして更なる窒素の環の原子が存在する場合、それぞれの更なる窒素の環の原子は、−Rで所望により置換され、但し−X−基に対してαにある炭素に接続する更なる窒素の環の原子を除き、その窒素原子は−RNAで所望により置換され;
−R及び−Rが、一緒に5ないし10員の単環式炭素環又は複素環を形成する場合、−R及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され、窒素の環の原子は、単環式複素環中に存在する場合、−Rで所望により置換され、但し−X−基に対してαにある炭素に接続する更なる窒素の環の原子を除き、その窒素原子は−RNAで所望により置換され;
−R及び−Rが、一緒に5ないし10員の二環式炭素環又は複素環を形成する場合、−R及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され、そして二環式複素環中に窒素の環の原子が存在する場合、−Rで所望により置換され、但し−X−基に対してαにある炭素に接続する更なる窒素の環の原子を除き、その窒素原子は−RNAで所望により置換され;
そして−R17及び−R又は−R17及び−Rが、一緒に二環式の窒素含有単環式又は二環式複素環を形成する場合、或いは−R及び−Rが、一緒に5ないし10員の単環式又は二環式炭素環を形成するか、或いは一緒に5ないし10員の単環式又は二環式複素環を形成する場合、−R17及び−R、−R17及び−R、又は−R及び−R中の炭素の環の原子は、オキソ(=O)で所望により別に置換され;
それぞれの−Rは、独立に−L−RCCであり;
それぞれの−Rは、独立に−R、−NO、ハロ、−OH、及び−NHから選択され;
それぞれの−Rは、独立に−L−RNNであり;
それぞれの−RNAは、独立に−R−RNN又は−RNNであり;
存在する場合、−RAA、−RBB、及びそれぞれの−RCC並びに−RNNは、独立にC1−12アルキル、C3−10シクロアルキル、C4−10ヘテロシクリル、及びC5−12アリールから選択され;
それぞれの−L−は、独立に共有結合であるか、又は−R、−O−LAA、−N(R11)−LAA、及び−C(O)−LAAから選択される連結基であり、ここで、星印は、−L−基の−RAAへの接続点を示し;
それぞれの−L−及び−L−は、独立に共有結合であるか、又は−R、−O−LAA、−OC(O)−LAA、−N(R11)−LAA、−N(R11)C(O)−LAA、−C(O)−LAA、−C(O)O−LAA、及び−C(O)N(R11)−LAAから選択され、そして所望により、−N(R11)S(O)−LAA、−N(R11)S(O)−LAA、−S(O)N(R11)−LAA、及び−S(O)N(R11)−LAAから更に選択される連結基であり、ここで、星印は、−L−基の−RBBへの又は−L−基の−RCC基への接続点を示し;
それぞれの−L−は、独立に共有結合であるか、又は−S(O)−LAA、−S(O)−LAA、−C(O)−LAA及び−C(O)N(R11)−LAAから選択される基であり、ここで、星印は、−L−基の−RNN基への接続点を示し;
そしてそれぞれの−LAA−は、独立に共有結合であるか、又は−R−であり;
そしてそれぞれの−R−は、C1−12 アルキレン、C2−12ヘテロアルキレン、C3−10 シクロアルキレン及びC5−10ヘテロシクリレンから独立に選択され、そしてここで、−LAA−は、C1−12アルキル基に接続され、そして−R−は、C1−12 アルキレンではなく;
そしてそれぞれのC1−12アルキル、C3−10シクロアルキル、C4−10ヘテロシクリル、C5−12 アリール、C1−12アルキレン、C2−12 ヘテロアルキレン、C3−10 シクロアルキレン及びC5−10ヘテロシクリレン基は、所望により置換され、ここで、−Rは、炭素に対する所望による置換基であり、そして−R12は、窒素に対する所望による置換基であり;
それぞれの−Rは、−OH、−OR12、−OC(O)R12、ハロ、−R12、−NHR12、−NR1213、−NHC(O)R12、−N(R12)C(O)R12、−SH、−SR12、−C(O)R12、−C(O)OH、−C(O)OR12、−C(O)NH、−C(O)NHR12及びC(O)NR1213から独立に選択されるが;但し、−R12は、C1−12アルキル基に対する置換基ではないことを除外し;又はここで、炭素原子は−Rで二置換されている場合、これらの基は、これらが接続している炭素と一緒に、C3−6炭素環又はC5−6 複素環を形成し、ここで、炭素環及び複素環は、一つ又はそれより多い−R12基で所望により置換され;
それぞれの−R12は、独立にC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、フェニル又はベンジルであり;
それぞれの−R13は、独立にC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、フェニル又はベンジルであり;
或いは−R12及び−R13は、Nに接続する場合、一緒に5又は6員の複素環を形成することができ、これは、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、フェニル又はベンジルで所望により置換され;
それぞれの−R11は、独立に水素又はC1−4アルキルである]
のアミノ含有基であり;そして
−Rは、水素又はメチルである]
のように表される。
一つの態様において、−X−は、−C(O)−である。
一つの態様において、−X−基に対してαにあるR15中の炭素原子は、メチン(−CH−)基の一部であり、即ち−Rは水素ではない。
一つの態様において、−X−基に対してβであるR15中の炭素原子は、メチン(−CH−)基の一部であり、即ち−R−は水素ではない。
一つの態様において、−X−基に対してβにあるR15中の炭素原子は、メチレン基の一部である。従って、−Q−が存在する場合、−Rは水素である。
−Q−が共有結合である場合、−X−基に対してβにあるR15中の炭素原子(−CHNR1617中の炭素)は、常にメチレン基の一部である。
一つの態様において、化合物は、塩の形態であり、例えば化合物は酢酸塩である。
一つの態様において、化合物は、例えばアミノ及びヒドロキシ官能基が保護されている保護された形態である。
ポリミキシンB
ポリミキシンBノナペプチドは、以下に示す構造:
Figure 0006785659
を有し、ここで、2、4及び10位が示され(ポリミキシンBデカペプチドに対して使用される番号付け系を参照して)、そしてアミノ酸残基は、他に示さない限りL−配置である。
本発明の化合物は、ポリミキシンBノナペプチドの誘導体であり、ここで、(i)N末端アミノ基、−NHは、本明細書中に記載されるように−NH−A−X−R又は−NH−X−R15基で置換され、そして所望により(ii)2、3、6、7及び10位のアミノ酸残基は、もう一つのアミノ酸残基で置換されている。
便宜上、本発明の化合物は、式(III)によって表され、ここで、2、3、6、7又は10位のアミノ酸は、それぞれR、R、R、R及びR基の特質によって決定される。先に記載した変種を含む本発明の化合物は、生物学的に活性である。
化合物の変種は、一つ又はそれより多い、例えば1から5個まで、例えば1、2、3又は4個のアミノ酸が、もう一つのアミノ酸によって置換された化合物である。アミノ酸は、2、3、6、7又は10位(ポリミキシンBにおいて使用される残基の番号付けを参照して)から選択される位置であることができる。置換は、もう一つのアミノ酸又は立体異性体に対するものであることができる。
以下に記載するものは、式(III)の化合物に適用される各種の態様である。態様は、如何なる組み合わせでも組合せ可能である。
−Q−
一つの態様において、−Q−は、共有結合である。
一つの態様において、−Q−は、−CH(R)−である。この態様において、−Rは、−L−RBBであることができるか、又は−Rは、−R17と一緒に、以下に更に詳細に記載されるように、5ないし10員の窒素含有単環式又は二環式複素環を形成することができる。
−R17及び−Rが、一緒に窒素含有複素環を形成する場合、−Q−基は、好ましくは共有結合である。
一つの態様において、−Q−は、−CH(R)−であり、そして窒素含有複素環の一部を形成する。この態様において、−Rは、水素であることができる。
−R16及び−R17
一つの態様において、−R16は、水素である。
一つの態様において、−R16は、C1−4アルキル、例えばメチル、エチル又はプロピル、例えばメチルである。
一つの態様において、−R17は、水素である。
一つの態様において、−R17は、C1−4アルキル、例えばメチル、エチル又はプロピル、例えばメチルである。
一つの態様において、−R17及び−Rは、これらが接続している炭素原子と一緒に、窒素含有複素環を形成する。一つの態様において、−R17及び−Rは、これらが接続している炭素原子と一緒に、窒素含有複素環を形成する。これは、以下で更に詳細に考察される。
一つの態様において、−R17が水素、メチル又はエチルである場合、−R16は、エチルではない。
一つの態様において、−R17が水素、メチル又はエチルである場合、−R16は、メチルではない。
一つの態様において、−R17は水素であり、そして−R17は水素である。
一つの態様において、−NR1617は、グアニジン基ではない。
窒素含有複素環
−R17及び−Rは、これらが接続している炭素原子と一緒に、窒素含有複素環を形成することができる。同様に、−R17及び−Rは、これらが接続している炭素原子と一緒に、窒素含有複素環を形成することができる。窒素含有複素環中の窒素は、−N(R16)−中の窒素原子を指す。
窒素含有複素環は、単環式又は二環式窒素含有複素環であることができる。二環式窒素含有複素環は、二つの縮合した環を有する。窒素含有複素環は、合計5ないし10個の環の原子を含有する。窒素含有複素環が単環式である場合、これは、5ないし7個の環の原子、例えば5ないし6個、例えば6個の環の原子を有することができる。窒素含有複素環が二環式である場合、これは、8ないし10個の環の原子、例えば9ないし10個、例えば10個の環の原子を有することができる。二環式複素環のそれぞれの環は、5ないし7個の環の原子、例えば5又は6個、例えば6個の環の原子を有することができる。
窒素含有複素環が二環式である場合、一つの環は、芳香族であるか又は部分的に不飽和であることができる。−X−基に対してα及びβにある炭素原子と一緒に形成される環(第1の環)は、芳香族ではない。芳香族であることができるのは、第1に縮合した環である第2の環である。第1の環は飽和であるが、但し、例えば、第2の環の芳香族環系の一部であることができる第2の環と共有される炭素の環の原子(架橋原子)を除く。
窒素含有複素環が単環式である場合、−R17及び−Rのそれぞれの炭素の環の原子、又は−R17及び−Rのそれぞれの炭素の環の原子は、−Rで所望により一又は二置換される。
窒素含有複素環が二環式である場合、−R17及び−Rはのそれぞれの炭素の環の原子、又は−R17及び−Rのそれぞれの炭素の環の原子は、適宜、−Rで所望により一又は二置換される。炭素の環の原子は、その炭素の環の原子が芳香族環系の一部であるか、又は不飽和結合の一部である場合、非置換であるか又は−Rで一置換されることができる。
−R基は、−R基を含む。一つの態様において、窒素含有複素環が二環式である場合、第2の環のそれぞれの炭素の環の原子は、−Rで所望により一置換又は二置換され、そして第1の環のそれぞれの炭素の環の原子は、−Rで所望により一置換又は二置換されている。
一つの態様において、窒素含有複素環は、単環式窒素含有複素環である。
一つの態様において、窒素含有複素環は、二環式窒素含有複素環である。
一つの態様において、窒素含有複素環中の一つの炭素の環の原子は、−Rで一又は二置換、例えば一置換され、或いは存在する場合、−L−RBBで置換され、例えば−Rで一置換されている。一つの態様において、−R17及び−R又は−R17及び−R中の一つの炭素の環の原子は、−R、例えば−L−RCCで、一又は二置換、例えば一置換されている。これらの態様において、窒素含有複素環中の残りの炭素原子は非置換である。この態様は、窒素含有複素環が、単環式である場合に好ましい。
窒素含有複素環が二環式である場合、窒素含有複素環中のそれぞれの炭素の環の原子は、非置換であることができる。あるいは、窒素複素環が二環式である場合、窒素含有複素環中の一つの炭素の環の原子は、−R又は−L−RBB、例えば−Rで、一又は二置換、例えば一置換されている。例えば、窒素複素環が二環式である場合、−R17及び−R又は−R17及び−R中の一つの炭素の環の原子は、−R、例えば−L−RCCで、一又は二置換、例えば一置換されている。これらの態様において、窒素含有複素環中の残りの炭素原子は非置換である。
窒素含有複素環は、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される更なる異種の環の原子を含有することができる。窒素含有複素環が単環式である場合、複素環は、一つの更なる窒素、酸素又は硫黄の環の原子を所望により含有する。窒素含有複素環が二環式窒素含有複素環である場合、複素環は、一つ、二つ又は三つの更なる異種原子を所望により含有し、ここで、それぞれの異種原子は、窒素、酸素又は硫黄からなる群から独立に選択される。二環系において、更なる異種原子の原子は、第1又は第2の環、例えば第1の環に提供することができる。
一つの態様において、更なる異種原子が提供される場合、この異種原子は窒素である。
一つの態様において、一つの更なる異種原子、例えば一つの更なる窒素の異種原子が提供される。
一つの態様において、窒素含有複素環は、更なる異種原子を含有しない。
一つの環に二つの異種原子が提供される場合、これらは、非置換メチレン基(−CH−)又は一置換メチレン基(例えば−CH(R)−)によって分離されず、そして所望により、これらは、二置換メチレン基(−C(R−)によって分離されない。
更なる窒素の環の原子に対する言及がなされた場合、この環の原子は、−NH−基として提供することができ、そして窒素原子は、適宜、−R又は−RNAで所望により置換されることができる。更なる窒素の環の原子は、これが芳香族環系の一部であるか、又は不飽和結合の一部である場合、非置換であることができる。
更なる硫黄の環の原子に対する言及がなされた場合、この硫黄の環の原子は、−S−、−S(O)−又は−S(O)−、例えば−S−として提供することができる。
それぞれの更なる窒素の環の原子は、適宜、−R基で所望により置換されるが、但し、−X−基に対してαにある炭素に接続された更なる窒素の環の原子は除かれ、この窒素の環の原子は、−RNAで所望により置換される。これは、更なる窒素の環の原子を含有する単環式複素環を含んでなる二つの例示的なR15−X−基に対して略図的に以下に示され:
Figure 0006785659
式中、右の環系は、−X−基に対してαにある炭素原子に接続された窒素の環の原子を有する。このような窒素原子は、−RNAで所望により置換され、そして−RNAで置換されていることが示されている。左の環系は、−X−基に対してαにある炭素原子に接続されない窒素の環の原子を有する(これは、−X−基に対してβにある炭素に接続している)。このような窒素原子は、−Rで所望により置換され、そして−Rで置換されていることが示されている。上記に示した例示的な環構造において、炭素の環の原子は、非置換であることが示されている。本明細書中に記載するように、−R17及び−R中に存在する炭素の環の原子は、所望により一又は二置換される。
−RNAに対する定義は、更なる窒素の環の原子と一緒に、アミド基を形成するものである基を包含しないことを注記する。
第2の環が存在し、そしてこの第2の環が一つ又はそれより多い更なる窒素原子を含有する芳香族環である場合、芳香族環中の窒素原子は、−R基で、適宜、所望により置換することができない。
更なる窒素の環の原子が、適宜、−R又は−RNAで置換されている場合、窒素含有複素環中のそれぞれの炭素の環の原子は、非置換であることができる。
17及びRが、一緒に、単環式窒素含有複素環を形成する場合、複素環は、−R、及び−R、−RNA並びに−L−RBBから選択される少なくとも一つの基で置換され、即ち、これらの基の少なくとも一つが環の置換基として適当な位置に存在しなければならない。従って、この態様において、窒素含有複素環が単環式であり、そして更なる窒素原子を含有しない場合、少なくとも一つの炭素の環の原子は、存在する場合、−R又は−L−RBBで置換されていなければならない。更に、この態様において、窒素含有複素環が単環式であり、そして更なる窒素原子を含有し、そしてこの窒素原子が非置換である場合、少なくとも一つの炭素の環の原子は、存在する場合、−R又は−L−RBBで置換されていなければならない。単環式窒素含有複素環中の更なる窒素原子は、−R又は−RNAで置換されている場合、炭素の環の原子は、非置換であるか、或いは所望により一又は二置換されることができる。
−R17及び−Rが、一緒に、単環式窒素含有複素環を形成する場合、複素環は、−R、及び存在する場合−RNAから選択される少なくとも一つの基で置換される。あるいは、複素環は、−Rが−L−RAAである場合は所望により置換される。一つの態様において、単環式窒素含有複素環は、−R基が−L−RAAである場合は非置換である。
−Rが水素である場合、単環式窒素含有複素環は、−R、及び存在する場合−Rから選択される少なくとも一つの基で置換されなければならない。ここで、窒素含有複素環が単環式であり、そして更なる窒素原子を含有しない場合、少なくとも一つの炭素の環の原子は、−Rで置換されていなければならない。更に、この態様において、窒素含有複素環が単環式であり、そして更なる窒素原子を含有し、そしてこの窒素原子が非置換である場合、少なくとも一つの炭素の環の原子は、−Rで置換されなければならない。単環式窒素含有複素環中の更なる窒素原子が−R基で置換されている場合、炭素の環の原子は、非置換であるか、或いは所望により一又は二置換であることができる。
窒素含有複素環が二環式である場合、それぞれの更なる窒素の環の原子は、非置換であることができる。あるいは、窒素複素環が二環式である場合、一つの更なる窒素の環の原子は、−R基で置換されることができるが、但し、更なる窒素の環の原子が、−X−基に対してαにある炭素に接続する場合、この更なる窒素の環の原子は、−RNA基で置換される。
一つの態様において、単環式窒素含有複素環は、−Rで一置換されている。従って、−R17及び−R又は−R17及び−R基中の一つの炭素の環の原子は、−Rで一置換されている。
一つの態様において、更なる窒素の環の原子を含有する単環式窒素含有複素環は、−R、−R又は−RNA基で一置換され、例えば−R又は−RNA基で一置換されるか、或いは−R基で一置換される。従って、−R17及び−R又は−R17及び−R基中の一つの環の原子は、一置換されている。
窒素含有複素環は、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、1,4−ジアゼピン、インドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、1,2,3,4,6,7,8,8a−オクタヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン、1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン及び1,2,3,4−テトラヒドロ−2,6−ナフチリジンからなる群から選択することができる。二環系において、芳香族環は、存在する場合、第2の環として提供される。
単環式窒素含有複素環のピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、及び1,4−ジアゼピンは、上記で考察したように置換される。
二環式窒素含有複素環のインドール、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン及び1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリンは、上記で考察したように、置換されるか又は非置換であることができる。
窒素含有複素環は、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、及び1,4−ジアゼピンからなる群から選択することができる。
一つの態様において、窒素含有複素環は、ピロリジン、ピペリジン及びピペラジンから選択される。
一つの態様において、二環式窒素含有複素環は、ピロリジン、ピペリジン及びピペラジンから選択される、芳香族であることができる第2の環に縮合した第1の環を有する。第2の環の例は、シクロヘキサン、ベンゼン及びピリジン環を含む。
一つの態様において、−R17及び−R基は、−Q−が共有結合である場合、一緒に、窒素複素環を形成する。ここで、−NR16−基は、−X−基に対してβにある炭素原子上に位置する。
もう一つの態様において、−R17及び−R基は、−Q−が共有結合でない場合、一緒に、窒素複素環を形成する。ここで、−NR16−基は、−X−基に対してγにある炭素原子上に位置する。
一つの態様において、−R17及び−Rは、−CH(RC1)CH(RC1)CH(RC1)−、−CH(RC1)CH(RC1)−、及び−N(RNA)CH(RC1)CH(RC1)−から選択され、ここで、は、−X−基に対してαにある炭素への接続点を示し、−RC1は、水素又は−Rであり、そして少なくとも一つの炭素又は窒素原子は、適宜、−R又はRNAで置換されている。
例示的な窒素含有複素環の構造は、以下の−R15の項で与えられる。
炭素環及び複素環
一つの態様において、−R及び−Rは、一緒に、5ないし10員の炭素環又は複素環である。ここで、−Q−は、共有結合ではない。炭素環又は複素環は、置換されるか、又は非置換であることができる。
炭素環又は複素環は、単環式又は二環式であることができる。二環式炭素環又は複素環は、二つの縮合した環を有する。
炭素環又は複素環は、合計5ないし10個の環の原子を含有する。炭素環又は複素環が単環式である場合、これは、5ないし7個の環の原子、例えば5ないし6個、例えば6個の環の原子を有することができる。炭素環又は複素環が二環式である場合、これは、8ないし10個の環の原子、例えば9ないし10個、例えば10個の環の原子を有することができる。二環系のそれぞれの環は、5ないし7個の環の原子、例えば5又は6個、例えば6個の環の原子を有することができる。
炭素環又は複素環が二環式である場合、一つの環は、芳香族であるか又は部分的に不飽和であることができる。−X−基に対してα及びβにある炭素原子と一緒に形成される環(第1の環)は、芳香族ではない。芳香族であることができるのは、第1の環に縮合した環である第2の環である。第1の環は飽和であるが、但し、第2の環の芳香族環系の一部であることができる第2の環と共有される炭素の環の原子(架橋原子)を除く。
二環式複素環は、第1又は第2のいずれかの環中に異種原子、例えばN、S、又はOを有する複素環である。
一つの態様において、異種原子は、第1の環中に存在する。一つの態様において、異種原子は、第2の環中に存在する。
複素環は、N、S、及びOから独立に選択される一つ又はそれより多い異種原子を含む。一つの態様において、複素環は、一つ又は二つ、例えば一つの異種原子を含む。
一つの態様において、異種原子は、窒素である。
一つの態様において、一つの異種原子、例えば一つの窒素異種原子が存在する。
炭素環又は複素環が単環式である場合、−R及び−R中のそれぞれの炭素の環の原子は、−Rで所望により一又は二置換される。
炭素環又は複素環が二環式である場合、−R及び−R中のそれぞれの炭素の環の原子は、−Rを含む−Rで、所望により一又は二置換される。
窒素の環の原子に対する言及がなされる場合、環の原子は、−NH−基として提供することができ、そして窒素原子は、適宜、−R又は−RNAで、所望により置換することができる。更なる窒素の環の原子は、これが芳香族環系の一部であるか、又は不飽和結合の一部である場合、非置換であることができる。
複素環中の硫黄の環の原子に対する言及がなされた場合、硫黄の環の原子は、−S−、−S(O)−又は−S(O)−、例えば−S−として提供することができる。
一つの態様において、炭素環又は複素環中の一つの炭素の環の原子は、−R又は−Rで、適宜、一又は二置換、例えば一置換される。この態様において、炭素環又は複素環中の残りの炭素原子は、非置換であることができる。この態様は、炭素環又は複素環が単環式である場合に好ましい。
一つの態様において、複素環は、窒素の環の原子を有し、そしてこの原子は、−Rで所望により置換され、但し、−X−基に対してαにある炭素に接続された窒素の環の原子を除き、この窒素の環の原子は、−RNAで所望により置換される。一つの態様において、窒素の環の原子が複素環中に存在する場合、この環の原子は、置換されていることができる。この態様において、炭素環又は複素環中の残りの炭素原子は、非置換であることができる。この態様は、炭素環又は複素環が単環式である場合に好ましい。
−RNAの定義が、窒素の環の原子と一緒にアミド基を形成するものである基を包含しないことは注目される。
第2の環が存在し、そしてこの第2の環が一つ又はそれより多い窒素原子を含有する芳香族環である場合、芳香族環中の窒素原子は、適宜、−R基で置換することができる。
一つの態様において、単環式炭素環は、シクロヘキサン及びシクロペンタンから選択され、これは上記で考察したように置換することができる。
一つの態様において、単環式複素環は、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、ピペラジン、1,4−ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン及び1,4−ジアゼピンから選択され、これは、上記で考察したように置換することができる。
一つの態様において、単環式炭素環は、インダン及びテトラリンから選択される。
一つの態様において、二環式複素環は、インドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、クロマン、及びジヒドロベンゾフランから選択され、これは、上記で考察したように置換することができる。
−R15
−R15基は、−X−と一緒に、式(III)の化合物中のN末端置換基と考えることができる。−R15は、−NR1617基、又は−NR16−基であることができるアミノ基を含有し、ここで、窒素は、窒素含有複素環中の環の原子として存在する。
本発明の化合物において、窒素基−NR1617は、一つのメチレン基(即ち−CH−基)に結合していなければならない。従って、−R15は、−CHNR1617基を含有しなければならない。
窒素基−NR16−が窒素含有複素環(即ち、−R17及び−Rが環を形成し、又は−R17及び−Rが環を形成する)中に提供される場合、窒素原子は、メチレン基の一部である一つの隣接する炭素原子に結合していなければならない。これは、−R15基に対する必要事項である。然しながら、他の隣接する環の炭素原子は、必ずしもメチレン基(これは、メチレン又はメチン基であることができる)の一部ではない。一つの態様において、−NR16−中の窒素原子は、二つの環のメチレン基(即ち、両方の隣接する環の炭素原子がメチレン基中で提供されている)に結合する。一つの態様において、−NR16−中の窒素原子は、メチレン基の一部にある炭素の環の原子及びメチレン又はメチン基の一部にある炭素の環の原子に結合する。
一つの態様において、−R15は、以下に列挙する基から選択される。以下に示す基は、−R17及び−R基が、一緒に、窒素含有複素環を形成する基を含む。
以下の態様において、−RC1は、水素又は−Rであり;−RN1は、水素又は−RNAであり;−RD1は、水素又は−Rであり;−Rは、水素又は−L−RAAであり;−R は、水素又は−L−RBBであり;そして−R16は、独立に水素又はC1−4アルキルであり;−R17は、独立に水素又はC1−4アルキルであり;或いは−NR1617は、グアニジン基である。先に記述したように、−Q−が共有結合である場合、−Rは、−L−RAAであり、そして−Q−が、−CH(R)−である場合、一つ又は両方の−R及び−Rは、水素ではない。窒素含有複素環が単環式である場合、これは、−R、及び−L−RBB、−RNA及び−Rから選択される少なくとも一つの基で置換されているべきである。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
である。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
である。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
である。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
である。
一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
である。
上記に示した構造は、−R15が窒素含有複素環を含有する例を含む。これらは、−R17及び−Rが、これらが接続している炭素原子と一緒に、窒素複素環を形成する化合物である。上記に示す窒素複素環は、単環式窒素複素環である。
−R17及び−R基中のそれぞれの炭素の環の原子は、−RC1で置換することができる。−RC1が水素である場合、炭素の環の原子は非置換である。
−R17及び−R基中の窒素の環の原子は、存在する場合、−RN1で置換される。−RN1が水素である場合、窒素の環の原子は非置換である。
窒素含有複素環が更なる窒素原子を含有する場合、更なる窒素原子が、−R又は−RNAで、適宜、置換されていることが好ましい。この態様において、環の炭素原子は非置換であることができる。窒素含有複素環が更なる窒素原子を含有しない場合、一つの炭素の環の原子は、−R又は−L−RBBで置換され、そして好ましくは、−R17及び−R基の炭素の環の原子は、−Rで置換されている。
本発明の化合物は、更に、−R17及び−Rが、これらが接続している炭素原子と一緒に、二環式窒素複素環を形成する化合物を含む。この態様において、−R17及び−R中の炭素又は窒素の環の原子が置換される必要はない(即ち、それぞれの−R及び−Rは水素であることができる)。
上記に示した−R15基に加えて又はそれとは別に、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
から選択される。
上記に示した−R15基に加えて又はそれとは別に、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
から選択される。
上記に示した−R15基に加えて又はそれとは別に、一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
から選択される。
一つの態様において、−R及び−Rは、一緒に、炭素環又は複素環を形成することができる。炭素環又は複素環の環の原子は、所望により置換することができる。炭素の環の原子は、−Rで所望により一又は二置換することができる。窒素の環の原子は、存在する場合、−Rで所望により置換することができるが、但し、−X−基に対してαにある炭素に接続する窒素の環の原子は、−RNAで所望により置換することができることは除く。
以下の態様において、−RC1は、水素又は−Rであり;−RN1は、水素又は−RNAであり;−RD1は、水素又は−Rであり;そして−R16は、独立に水素又はC1−4アルキルであり;−R17は、独立に水素又はC1−4アルキルであり;或いは−NR1617は、グアニジン基にある窒素含有炭素環複素環が単環式である場合、これは、−R、及び−RNA並びに−Rから選択される少なくとも一つの基で所望により置換される。
上記に示した−R15基に加えて又はそれとは別に、一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
から選択される。
上記に示した−R15基に加えて又はそれとは別に、一つの態様において、−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
から選択される。
−R
一つの態様において、−Rは、水素ではない。一つの態様において、−Rは、−L−RAAである。一つの態様において、−Rは、−RAAである。これらの態様において、−Rは、存在する場合、水素であることができる。
一つの態様において、−Rが水素ではない場合、例えば−Rが−L−RAAであるか、又は−R及び−R17が一緒に窒素含有複素環を形成する場合、−R15は、以下の:
Figure 0006785659
アミノ含有基である。
−Rが−L−RAAである場合、この基が−C(O)N(R11)−基を含有する置換基を包含しないことは注目され、ここで、星印は、−X−基に対してαにある炭素への接続点を示す。本発明人等は、−C(O)N(R11)−基が存在する場合、生物学的活性が減少することを見出している。
一つの態様において、−R及び−R17は、一緒に、5ないし10員の窒素含有単環式又は二環式複素環を形成する。
一つの態様において、−R及び−Rは、一緒に、5ないし10員の炭素環又は複素環を形成する。ここで、−Q−は、共有結合ではない。
一つの態様において、−Rは、−NHEt又は−NEtではなく、例えばここで、−R15−X−は、ポリミキシンBノナペプチド(PMBN)に対するN末端置換基である。
一つの態様において、−Rは、−NHRPA又は−N(RPAではなく、ここで、それぞれの−RPAは、C1−10アルキル、例えばC8−10アルキル、例えばC1−8アルキル、例えばC1−4アルキル、例えばC1−2アルキルであり、例えば、ここで、R15−X−は、ポリミキシンBノナペプチド(PMBN)に対するN末端置換基である。
一つの態様において、−Rは、−X−基に対してαにある炭素に接続した酸素原子を有する基ではない。一つの態様において、−Rは、−X−基に対してαにある炭素に接続した窒素原子を有する基ではない。−L−RAA基に対する定義は、そのように解釈することができる。
−R
一つの態様において、−Rは、存在する場合、水素である。一つの態様において、−Q−は共有結合であり、そして従って、−Rは非存在である。
一つの態様において、−Rは、−L−RBBである。一つの態様において、−Rは、−RBBである。これらの態様において、−Rは、水素であることができる。
一つの態様において、−Rは、C3−10シクロアルキルではなく、例えば、シクロヘキシルではない。
一つの態様において、−R及び−R17は、一緒に、5ないし10員の窒素含有単環式又は二環式複素環を形成する。
一つの態様において、−R及び−Rは、一緒に、5ないし10員の炭素環又は複素環を形成する。ここで、−Q−は、共有結合ではない。
−Q−が存在し、そして窒素含有複素環の一部であり、そして−Rが−L−RBBである場合、窒素含有複素環は、所望により置換されている。従って、−R及び−R17中のそれぞれの炭素の環の原子は、−Rで所望により置換され、そして−R及び−R17中のそれぞれの窒素の環の原子は、−Rで所望により置換されている。
一つの態様において、−R及び−Rの一つは水素である。従って、−R及び−Rの他方は、水素ではない。
−L−RBB基が、−C(O)N(R11)−基を含有する置換基を包含することは注目され、ここで、星印は、−X−基に対してβにある炭素への接続点を示す。
−R、−R及び−RNA
−R及び−R17又は−R及び−R17は、一緒に、5ないし10員の窒素含有単環式又は二環式複素環を形成することができ、そして−R及び−Rは、一緒に、5ないし10員の単環式又は二環式炭素環を形成することができ、又は一緒に、5ないし10員の単環式又は二環式複素環を形成する。窒素含有複素環及び炭素環又は複素環中に存在する環の原子は、本明細書中に記載されるように、置換されるか、又は非置換であることができる。
窒素含有複素環は、−R及び−R17又は−R及び−R17の一部である環の原子を含む。−R及び−R17又は−R及び−R17が、窒素含有単環式又は二環式複素環を形成する場合、−R及び−R17又は−R及び−R17中のそれぞれの炭素の環の原子は、−Rで所望により置換されることができる。これらの炭素の環の原子は、−Rで一又は二置換することができる。一つの態様において、それぞれの炭素の環の原子は、−Rで所望により一又は二置換される。
本明細書中に記載されるように、窒素含有単環式複素環は、置換されていなければならない。置換基は、−R及び−R17又は−R及び−R17の一部である環の原子に対する置換基として存在することができる。従って、−R、−R及び−RNA基は、適宜に存在する。あるいは、置換基は、−X−基への炭素において存在することができ、即ち、−L−RBBが存在する。
窒素含有複素環は、更なる窒素の環の原子を含有することができる。それぞれの更なる窒素の環の原子は、−Rで、適宜、所望により置換することができる。然しながら、更なる窒素原子が、−X−基に対してαにある炭素に結合する場合、この環の窒素原子は、−RNAで所望により置換される。
一つの態様において、−R及び−Rは、一緒に、5ないし10員の単環式又は二環式炭素環又は複素環を形成する。単環式において、−R及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換される。これらの炭素の環の原子は、−Rで一又は二置換することができる。一つの態様において、それぞれの炭素の環の原子は、−Rで所望により一置換される。一つの態様において、それぞれの炭素の環の原子は、−RCで所望により一置換される。二環式において、−R及び−Rのそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換される。これらの炭素の環の原子は、−Rで一又は二置換することができる。
5ないし10員の単環式又は二環式複素環は、窒素の環の原子を含有することができる。それぞれの窒素の環の原子は、−Rで、適宜、所望により置換することができる。然しながら、更なる窒素原子が−X−基に対してαにある炭素に結合する場合、この環の窒素原子は、−RNAで所望により置換される。
−R及び−R17、−R及び−R17、又は−R及び−Rの一部にある炭素の環の原子の一つは、オキソ(=O)で置換することができる。−N(R16)−中の窒素原子に接続する環の炭素原子は、オキソで置換されない。このような炭素の環の原子がオキソで置換される場合、これは、更なる窒素の環の原子(このようなものが存在する場合)に接続して、アミド基を形成することができる。更なる窒素原子が、−X−基に対してαにある炭素原子に接続することができることは注目される。本発明人等は、アミド基が、−X−基に対してβにある炭素に対する置換基として窒素含有複素環内に存在する場合、生物学的活性は減少されないと理解する。
一つの態様において、環の炭素原子が、−X−基に対してαにある炭素原子に接続した更なる窒素の環の原子に接続する場合、この環の炭素原子は、オキソで置換されない。
同様に、このような炭素の環の原子がオキソで置換された場合、これは、更なる酸素の環の原子(このようなものが存在する場合)に更に接続することができ、そしてエステル基を形成することができる。
一つの態様において、窒素含有複素環は、環のアミド、カルバミン酸塩、尿素又はエステル基を含まない。
一つの態様において、−X−基に対してαにある炭素に接続した更なる窒素の環の原子は、アミド、カルバミン酸塩又は尿素基の一部ではない。
一つの態様において、−X−基に対してαにある炭素に接続した更なる酸素の環の原子は、カルバミン酸塩又はエステル基の一部ではない。
−R17及び−Rが単環式窒素含有複素環を形成する場合、一つの環の原子(−X−基に対してα及びβにある炭素原子と一緒に形成された)は、置換されていなければならない。ここで、単環式窒素複素環は、炭素の環の原子又は存在する場合、更なる窒素の環の原子上に存在する置換基を持たなければならない。従って、少なくとも一つの−R、−R、−RNA又は−L−RBB基が、窒素含有複素環に対する置換基として存在しなければならない。一つの態様において、少なくとも一つの−R、−R及び−RNA基が、窒素含有複素環に対する置換基として存在しなければならない。
一つの態様において、−R17及び−Rが、単環式窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R中の一つ又は二つの環の原子は置換されている。−R17及び−R中の残りの環の原子は非置換である。一つの態様において、−R17及び−R中の一つの環の原子は置換されている。
一つの態様において、−R17及び−Rが、単環式窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R中の一つの炭素の環の原子は−Rで置換され、そして−R17及び−R中の残りの環の原子は非置換である。
一つの態様において、−R17及び−Rが、単環式窒素含有複素環を形成し、そして複素環が更なる窒素の環の原子を有する場合、更なる窒素は、−R又は−RNAで、適宜、置換され、そして−R17及び−R中の残りの環の原子は非置換である。一つの態様において、−R17及び−Rが、単環式窒素含有複素環を形成し、そして複素環が更なる窒素の環の原子を有する場合、−R17及び−R中の一つの炭素の環の原子は−Rで置換され、そして−R17及び−R中の残りの環の原子は非置換である。
−R17及び−Rが、単環式窒素複素環を形成する場合、環(−X−基に対してβにある炭素原子と一緒に形成された)中の環の原子は、置換される必要はない。−Rが水素である場合、単環式窒素複素環は、炭素の環の原子又は存在する場合、更なる窒素の環の原子上に存在する置換基を持たなければならない。然しながら、−Rが水素ではない場合、炭素の環の原子又は存在する場合、更なる窒素の環の原子は、置換される必要はない。
一つの態様において、−R17及び−Rが、単環式窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R中の一つ又は二つの環の原子は置換されている。−R17及び−R中の残りの環の原子は、非置換である。一つの態様において、−R17及び−R中の一つの環の原子は置換されている。これらの態様において、−Rは水素であることができる。
一つの態様において、−R17及び−Rが、単環式窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R中の一つの炭素の環の原子は、−Rで置換され、そして−R17及び−R中の残りの環の原子は、非置換である。
一つの態様において、−R17及び−Rが、単環式窒素含有複素環を形成し、そして複素環が更なる窒素の環の原子を有する場合、更なる窒素は、−Rで置換され、そして−R17及び−R中の残りの環の原子は非置換である。
一つの態様において、−R17及び−Rが、単環式窒素含有複素環を形成し、そして複素環が更なる窒素の環の原子を有する場合、−R17及び−R中の一つの炭素の環の原子は−Rで置換され、そして−R17及び−R中の残りの環の原子は非置換である。
二環式窒素含有複素環は、非置換であることができる。ここで、第2の縮合環は、第1の環に対する置換基と考えることができる。
一つの態様において、−R17及び−Rが、二環式窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R中の一つの炭素の環の原子は−Rで置換され、そして−R17及び−R中の残りの環の原子は非置換である。
一つの態様において、−R17及び−Rが、二環式窒素含有複素環を形成し、そして複素環が更なる窒素の環の原子を有する場合、更なる窒素は、−R又は−RNAで、適宜、置換され、そして−R17及び−R中の残りの環の原子は非置換である。一つの態様において、−R17及び−Rが、二環式窒素含有複素環を形成し、そして複素環が更なる窒素の環の原子を有する場合、−R17及び−R中の一つの炭素の環の原子は−Rで置換され、そして−R17及び−R中の残りの環の原子は非置換である。
一つの態様において、−R基は、これが二環式窒素含有複素環の第1の環上の置換基として提供される場合、−Rである。
−R
一つの態様において、それぞれの−Rは、−R、ハロ、−OH、及び−NHから独立に選択される。
一つの態様において、それぞれの−Rは、−R及びハロから独立に選択される。
一つの態様において、それぞれの−Rは、独立に−Rである。
一つの態様において、それぞれの−Rは、独立に−L−RCCでである。
二環式窒素含有複素環は、第1の環及び第2の環を含有する。第1の環は、−X−基に対してβにある炭素原子を含む窒素複素環である。
一つの態様において、第1の環の一部である−R17及び−R中のそれぞれの炭素の環の原子は、−Rで所望により一又は二置換される。
第2の環は、第1の環に縮合する環である。第2の環の一部である−R17及び−R中のそれぞれの炭素の環の原子は、−Rで所望により一又は二置換される。
−L
−L−基は、共有結合であることができる。
あるいは、−L−は、連結基であることができる。星印は、−RAAに対する−L−基の接続の点の基の点を示すために使用される。従って、残りの接続点は、−X−基に対してαにある炭素に接続する。
−L−が、−N(R11)C(O)−基ではないことは注目され、ここで、星印は、−RAAに対する接続点である。本発明人等は、上記で考察したように、このような基が、不良な生物学的活性を有することを見出している。
一つの態様において、連結基は、−R、−O−LAA、−N(R11)−LAA、及び−C(O)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−R、−O−LAA、及び−C(O)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−R、−N(R11)−LAA、及び−C(O)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−R及び−C(O)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−R、−O−LAA、及び−N(R11)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−R及び−O−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−Rである。
−L
−L−基は、共有結合であることができる。
あるいは、−L−は、連結基であることができる。
星印は、−RBBに対する−L−基の接続の点の基の点を示すために使用される。従って、残りの接続点は、−X−基に対してβにある炭素(即ち、−H(R)−中の炭素原子)に接続する。
一つの態様において、連結基は、R、−O−LAA、−OC(O)−LAA、−N(R11)−LAA、−C(O)−LAA、及び−C(O)O−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−R、−O−LAA、−N(R11)−LAA、−C(O)−LAA、−C(O)O−LAA、及び−C(O)N(R11)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−R、−O−LAA、−N(R11)−LAA、−C(O)−LAA、及び−C(O)O−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−R、−O−LAA、及び−N(R11)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−Rである。
更に又は別に、連結基は、−N(R11)S(O)−LAA及び−N(R11)S(O)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−N(R11)S(O)−LAAである。
一つの態様において、連結基は、−N(R11)S(O)である。
更に又は別に、連結基は、−S(O)N(R11)−LAA、及び−S(O)N(R11)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−S(O)N(R11)−LAAである。
一つの態様において、連結基は、−S(O)N(R11)−LAAである。
−L
−L−基は、共有結合であることができる。
あるいは、−L−は、連結基であることができる。
星印は、−RCCに対する−L−基の接続の点の基の点を示すために使用される。従って、残りの接続点は、炭素の環の原子に接続する。
一つの態様において、連結基は、R、−O−LAA、−OC(O)−LAA、−N(R11)−LAA、−C(O)−LAA、及び−C(O)O−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−R, −O−LAA、−N(R11)−LAA、−C(O)−LAA, −C(O)O−LAA、及び−C(O)N(R11)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−R、−O−LAA、−N(R11)−LAA、−C(O)−LAA、及び−C(O)O−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−R、−O−LAA、及び−N(R11)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−Rである。
更に又は別に、連結基は、−N(R11)S(O)−LAA及び−N(R11)S(O)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−N(R11)S(O)−LAAである。
一つの態様において、連結基は、−N(R11)S(O)である。
更に又は別に、連結基は、−S(O)N(R11)−LAA、及び−S(O)N(R11)−LAAから選択される。
一つの態様において、連結基は、−S(O)N(R11)−LAAである。
一つの態様において、連結基は、−S(O)N(R11)−LAAである。
−LAA
一つの態様において、−LAA−基は、独立に共有結合である。
一つの態様において、−LAA−基は、独立に−Rである。
−L
一つの態様において、−L−基は、独立に共有結合である。
一つの態様において、−L−基は、連結基である。
星印は、−RNNに対する−L−基の接続の点を示すために使用される。従って、残りの接続点は、窒素の環の原子に接続する。
連結基は、−S(O)−LAA、−S(O)−LAA、−C(O)−LAA及び−C(O)N(R11)−LAAから独立に選択することができる。従って、連結基は、これらが接続している窒素原子と一緒に、それぞれ、スルフィンアミド、スルホンアミド、アミド及び尿素官能基を形成することができる。
一つの態様において、連結基は、−S(O)−LAA、−C(O)−LAA及び−C(O)N(R11)−LAAから独立に選択することができる。
一つの態様において、連結基は、−S(O)−LAA及び−C(O)N(R11)−LAAから独立に選択することができる。
−L−基は、−X−基に対してαにある炭素に接続していない更なる環の窒素原子に対する置換基としてのみ存在することは注目される。更なる環の窒素原子が、−X−基に対してαにある炭素に接続する場合、これは、−R−RNNで所望により置換される。−R−RNN基は、スルファミド、スルホンアミド、アミド及び尿素基が−X−基に対してαにある炭素に接続することを許容しない。スルファミド、スルホンアミド、アミド及び尿素官能基の存在は、他の環の位置では許容されると信じる。
−R
一つの態様において、それぞれの−R−は、C1−12アルキレン、C2−12ヘテロアルキレン、C3−10シクロアルキレン及びC5−10ヘテロシクリレンから独立に選択される。
然しながら、−LAA−がC1−12アルキル基に接続する場合、−R−は、C1−12アルキレンではない。更なる態様において、−LAA−がC1−12アルキル基に接続する場合、−R−は、C1−12アルキレンではなく、そしてこれは、C2−12ヘテロアルキレンではない。
−R−がヘテロアルキレンである場合、これは、ヘテロアルキレン基の異種原子、例えば存在する場合、N、O又はSを、或いはヘテロアルキレン基の炭素原子を経由して−RAA、−RBB、−RCC、又は−RNNに接続することができる。他の接続点は、例えば、ヘテロアルキレンが炭素原子又は異種原子、例えばN、O又はSに接続する場合、ヘテロアルキレン基の炭素原子を経由して作られる。他の接続の点は、例えばヘテロアルキレンが炭素原子に接続する場合、ヘテロアルキレン基の異種原子を経由して作ることができる。然しながら、他の接続の点は、特に−R−が−LAA−中に存在する場合、ヘテロアルキレン基の炭素原子を経由して作られることが好ましい。
−R−がヘテロシクリレンである場合、これは、存在する場合、ヘテロシクリレン基の窒素異種原子を、又はヘテロシクリレン基の炭素の環の原子を経由して、−RAA、−RBB、−RCC、又は−RNNに接続することができる。他の接続の点は、例えば、ヘテロシクリレンが炭素原子又は異種原子、例えばN、O又はSに接続する場合、ヘテロシクリレン基の炭素原子を経由して作られる。他の接続の点は、例えばヘテロシクリレンが炭素原子に接続する場合、ヘテロシクリレン基の窒素異種原子を経由して作ることができる。
一つの態様において、−R−基は、C1−12アルキレン、及びC2−12ヘテロアルキレンから独立に選択される。
一つの態様において、−R−基は、C1−12アルキレン及びC3−10シクロアルキレンから独立に選択される。
一つの態様において、−R−基は、独立にC1−12アルキレンである。
−R−基は、一つ又はそれより多い−R基で置換することができる。従って、それぞれのC1−12アルキレン、C2−12ヘテロアルキレン、C3−10シクロアルキレン及びC5−10ヘテロシクリレンは、一つ又はそれより多い−R基で所望により置換される。規定された基は、非置換であるか、又は一置換することができる。−R基は、炭素原子に対する置換基として存在することができる。炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換することができる。
窒素原子が、ヘテロシクリレン基又はヘテロアルキレン基のような基中に存在する場合、この窒素は、−R12基で所望により置換することができる。
一つの態様において、−R−基は、非置換である。
一つの態様において、C1−12アルキレン基は、C1−6アルキレン、C1−4アルキレン、C2−6アルキレン、C2−4アルキレンから選択される。
一つの態様において、アルキレン基は、直鎖である。
一つの態様において、C1−12アルキレン基は、−CH−、−CHCH−、及び−CH(CH)−から選択される。
一つの態様において、C1−12アルキレン基は、例えばこれがシクロアルキル、ヘテロシクリル、又はアリール基に接続する場合、−CH−である。
一つの態様において、C2−12ヘテロアルキレン基は、C2−6ヘテロアルキレン、及びC2−4ヘテロアルキレンから選択される。
一つの態様において、C2−12ヘテロアルキレン基は、−CHO−、−CHCHO−、−CHNH−、−CHCHNH−、−CHN(R12)−及び−CHCHN(R12)−から選択され、ここで、星印は、−RAA、−RBB、−RCC、又は−RNNに対する接続の点を示す。従って、ヘテロアルキレン基中の異種原子は、−RAA、−RBB、−RCC、又は−RNNに接続することができる。他の接続の点は、ヘテロアルキレン基の炭素原子を経由して作ることができる。
S原子がヘテロアルキレン中に存在する場合、これは、S、S(O)又はS(O)の形態であることができる。
一つの態様において、C3−10シクロアルキレンは、シクロプロピレン、シクロペンチレン及びシクロヘキシレンから選択される。一つの態様において、C3−10シクロアルキレンは、シクロヘキシレンである。
一つの態様において、C5−10ヘテロシクリレンは、C5−6ヘテロシクリレンである。
一つの態様において、C5−10ヘテロシクリレンは、ピペリジネン、ピペラジネン、モルホリネン及びチオモルホリネンから選択される。ヘテロシクリレンは、環の炭素又は環の窒素原子を経由して−RAA、−RBB、−RCC、又は−RNNに接続することができる。他の接続の点は、ヘテロシクリレン基の炭素原子を経由して作ることができる。
窒素原子は、存在する場合、−R12で所望により置換される。
S原子がヘテロシクリレン基中に存在する場合、これは、S、S(O)又はS(O)の形態であることができる。
−RAA、−RBB、−RCC及び−RNN
それぞれの−RAA、−RBB、−RCC及び−RNNは、存在する場合、C1−12アルキル、C3−10シクロアルキル、C4−10ヘテロシクリル、及びC5−12アリールから独立に選択される。
一つの態様において、C1−12アルキルは、C1−6アルキル、C1−7アルキル、C1−4アルキル、C2−6アルキル、C2−4アルキル、C3−10アルキル、C3−7アルキル、C4−10アルキル及びC6−10アルキルから選択される。
一つの態様において、アルキル基は、直鎖である。
一つの態様において、アルキル基は、分枝鎖である。
一つの態様において、C1−12アルキル基は、Cアルキルを含まない。
一つの態様において、C3−10シクロアルキル基は、C3−6シクロアルキル又はC5−6シクロアルキルである。
一つの態様において、C3−10シクロアルキル基は、シクロヘキシルである。
一つの態様において、C4−10ヘテロシクリル基は、C5−10ヘテロシクリル、C6−10ヘテロシクリル、C5−7ヘテロシクリル及びC5−6ヘテロシクリルから選択される。
一つの態様において、C4−10ヘテロシクリル基は、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル及びピペラジニルから選択される。
一つの態様において、C4−10ヘテロシクリル基は、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピペリジニル及びピぺRジニルから選択される。
ヘテロシクリル基中にS原子が存在する場合、これは、S、S(O)又はS(O)2の形態Dらることができる。
窒素原子は、存在する場合、−R12で所望により置換される。
ヘテロシクリル基は、環の窒素異種原子又は環の炭素原子を経由して接続することができる。ヘテロシクリル基が、窒素原子に対する置換基である場合(例えば、−R−基中に存在)、ヘテロシクリル基は、環の炭素原子を経由してこの窒素原子に接続される。アリール基、特にヘテロアリール基、例えばインドールは、環の窒素異種原子又は環の炭素原子を経由して接続することができる。ヘテロアリール基が窒素原子に対する置換基である場合、ヘテロアリール基は、環の炭素原子を経由してこの窒素に接続される。典型的には、アリール基は、環の炭素原子を経由して接続される。
一つの態様において、C5−12アリールは、C6−12カルボアリール及びC5−12ヘテロアリールから選択される。
一つの態様において、C5−12アリールは、フェニル、ピリジル、及びナフチルから、所望により1,3−ベンゾジオキソリル及びピリドニルと共に選択される。
一つの態様において、C6−12カルボアリールは、フェニル、ナフチル、クロマニル、イソ−クロマニル及び1,3−ベンゾジオキソリルから選択される。クロマニル、イソ−クロマニル及び1,3−ベンゾジオキソリル基は、芳香族環の炭素原子を経由して接続される。用語カルボアリールの意味に関する更なる考察は、−G基に関して以下に提供される。
一つの態様において、C6−12カルボアリールは、フェニル及びナフチルから選択される。
一つの態様において、C5−12ヘテロアリールは、C5−10ヘテロアリール及びC5−6ヘテロアリールから選択される。
一つの態様において、C5−12ヘテロアリールは、独立にフラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル及びピリドニルからなる群から選択される。
用語ヘテロアリールの意味に関する更なる考察は、−G基に関して以下に提供される。
それぞれのC1−12アルキル、C3−10シクロアルキル、C4−10ヘテロシクリル、及びC5−12アリール基は、炭素において−Rで、そして存在する場合窒素において−R12で所望により置換される。それぞれの基は、一つ、二つ、三つ又はそれより多い−R基を有することができる。一つの態様において、ヘテロシクリル基又はヘテロアリール基は、一つ、二つ、三つ又はそれより多い−R12基を有することができる。
一つの態様において、一つの基は一置換される。
一つの態様において、一つの基は非置換である。
−R基は、炭素原子に対する置換基として存在する。炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換される。
ヘテロシクリル基又はヘテロアリール基におけるように、窒素原子が提供される場合、この窒素は、−R12基で所望により置換されることができる。
一つの態様において、−RAAは、C1−12アルキル及びC5−12アリールから独立に選択される。
一つの態様において、−RAAは、独立にC1−12アルキルである。一つの態様において、−RAAは、独立にC2−12アルキル、例えばC3−12アルキルである。
一つの態様において、−RAAは、独立にC5−12アリールである。
一つの態様において、−RBBは、例えば−L−が共有結合である場合、又は例えば−Rが水素である場合、C1−12アルキル、C4−10ヘテロシクリル、及びC5−12アリールから独立に選択される。
一つの態様において、−RBBは、例えば−R−が複素環の炭素原子に対する置換基である場合、C1−12アルキル、C3−10シクロアルキル、C4−10ヘテロシクリル、及びC5−12アリールから独立に選択される。
一つの態様において、−RBBは、C1−12アルキル及びC5−12アリールから独立に選択される。
一つの態様において、−RBBは、C1−12アルキルである。一つの態様において、−RBBは、独立にC2−12アルキル、例えばC3−12アルキルである。
一つの態様において、−RBBは、独立にC5−12アリールである。
一つの態様において、−RNNは、C1−12アルキル及びC5−12アリールから独立に選択される。
一つの態様において、−RNNは、独立にC1−12アルキルである。一つの態様において、−RNNは、独立にC2−12アルキル、例えばC3−12アルキルである。
一つの態様において、−RNNは、独立にC5−12アリールである。
−R
−R基は、それぞれのC1−12アルキル、C3−10シクロアルキル、C4−10ヘテロシクリル、C5−12アリール、C1−12アルキレン、C2−12ヘテロアルキレン、C3−10シクロアルキレン及びC5−10ヘテロシクリレン基に対する所望による置換基である。一つの基が所望により置換される場合、これは、一つ又はそれより多い−R基で所望により置換することができる。一つの基は、−Rで所望により一置換することができる。
−R基は、炭素原子に対する所望による置換基にある炭素原子は、一、二又は三置換することができる。
一つの態様において、それぞれの−Rは、存在する場合、−OH,−OR12、ハロ、−R12、−NHR12、−NR1213、−C(O)R12、−COOH及び−COOR12から独立に選択される。
一つの態様において、それぞれの−Rは、存在する場合、−OR12、ハロ、R12、−NHR12、−NR1213、−C(O)R12、−COOH及び−COOR12から独立に選択される。
一つの態様において、それぞれの−Rは、存在する場合、−OR12、ハロ及びR12から独立に選択される。
−Rが、アルキル基に対する置換基である場合、−Rは、−R12ではない。
−Rがハロである場合、これは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨード、例えばクロロ及びブロモ、例えばクロロから選択することができる。
一つの態様において、炭素原子が−Rで二置換されている場合、これらの基は、これらが接続している炭素と一緒に、C3−6炭素環又はC5−6複素環を形成することができ、ここで、炭素環及び複素環は、一つ又はそれより多い−R12基で所望により置換される。S原子が複素環基中に存在する場合、これは、S、S(O)又はS(O)の形態であることができる。
一つの態様において、C3−6炭素環は、シクロペンタン又はシクロヘキサン、例えばシクロヘキサンである。
一つの態様において、C5−6複素環は、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピランから選択される。
−R12及び−R13
それぞれの−R12及び−R13は、独立にC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、フェニル又はベンジルである。
−R12及び−R13が、両方ともNに接続する場合、これらは、N原子と一緒に、5又は6員の複素環、例えばピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、チオモルホリン又はモルホリンを形成することができる。複素環は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、フェニル又はベンジルで所望により置換される。
一つの態様において、−R12又は−R13基は、独立にC1−6アルキル、フェニル又はベンジルである。
一つの態様において、−R12又は−R13基は、独立にC1−6アルキルである。
一つの態様において、C1−6アルキルは、メチル及びエチルから選択される。
一つの態様において、C1−6ハロアルキルは、−CFである。
−R11
一つの態様において、−R11基は、水素、メチル及びエチルから独立に選択される。
一つの態様において、−R11基は、独立に水素である。
−R
−Rの位置は、ポリミキシン化合物のアミノ酸の6位に対応する。
一つの態様において、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファの窒素と一緒の−Rは、フェニルアラニン残基、例えばD−フェニルアラニン、又はロイシン残基、例えばD−ロイシン残基である。
−R
−Rの位置は、ポリミキシン化合物のアミノ酸の7位に対応する。
一つの態様において、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファの窒素と一緒の−Rは、ロイシン又はトレオニン残基、例えばL−ロイシン又はL−トレオニンである。
−R
−Rの位置は、ポリミキシン化合物の10位のアミノ酸に対応する。
一つの態様において、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファの窒素と一緒の−Rは、トレオニン残基、例えばL−トレオニンである。
−R
−Rの位置は、ポリミキシン化合物のアミノ酸側鎖の3位に対応する。
カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファの窒素と一緒の−Rは、アミノ−又はヒドロキシル−を含有する側鎖を有するアミノ酸残基である。
一つの態様において、−Rは、一つのアミノ又は一つのヒドロキシル置換基を有するC1−4アルキルである。
一つの態様において、−Rは、一つのアミノ置換基を有する
一つの態様において、−Rは、一つのヒドロキシル置換基を有する
アミノ基は、−NH、−NHMe又は−NHEtであることができる。一つの態様において、アミノ基は、−NHである。
一つの態様において、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒の−Rは、α,γ−ジアミノ酪酸(Dab)、セリン残基、トレオニン残基、リシン残基、オルニチン残基、又はα,β−ジアミノプロピオン酸(Dap)である。
一つの態様において、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒の−Rは、α,γ−ジアミノ酪酸(Dab)、セリン残基、リシン残基、又はα,β−ジアミノプロピオン酸(Dap)である。
一つの態様において、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒の−Rは、α,γ−ジアミノ酪酸(Dab)又はα,β−ジアミノプロピオン酸(Dap)、例えばL−Dab又はL−Dapである。
一つの態様において、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒の−Rは、α,γ−ジアミノ酪酸(Dab)又はα,β−ジアミノプロピオン酸(Dap)、例えばL−Dab又はL−Dapである。
一つの態様において、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒の−Rは、リシン残基、例えばL−Lysである。
一つの態様において、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒の−Rは、Dab、例えばL−Dabである。
−RがDab側鎖である本発明の化合物は、ポリミキシンBのような化合物から得ることが可能である。−RがDap側鎖である化合物は、WO2012/168820に記載されている方法を使用して調製することができる。−Rがセリン側鎖である化合物は、Vaara et al.(例えば、Antimicrob.Agents Chemother.2008,52,3229を参照されたい)によって記載された方法を使用して調製することができる。
−R
−R基を含むアミノ酸残基は、ポリミキシンの2位に対応する。
一つの態様において、−Rはメチルである。従って得られるアミノ酸は、Thrである。
一つの態様において、−RはHである。従って得られるアミノ酸は、Serである。
−X−
−X−基は、−NHC(O)−、−C(O)−、−OC(O)−、−CH−及び−SO−から選択することができる。
一つの態様において、−X−は、−C(O)−、−SO−及び−CH−から選択される。
一つの態様において、−X−は、−C(O)−である。
一つの態様において、−X−は、−SO−である。
一つの態様において、−X−は、−CH−である。
−X−基の右手側は、アミノ酸のアミノ末端の2位におけるNHへの接続に点である。−X−基の左手側は、−R又は−R15への接続の点である。
ヘテロシクリル、シクロアルキル、及びアリール
疑義の回避のために、“C4−7ヘテロシクリル”、等のような用語における添え字“Cx−y”は、炭素原子又は異種原子(例えばN、O、S)であることができる環の原子の数を指す。例えば、ピペリジニルは、Cヘテロシクリル基の例である。
−D基に関する用語“ヘテロシクリル”は、(1)環系の一部を形成する一つ又はそれより多い異種原子(例えば、N、O、S)を有し、ここにおいて、環系は一つの環、或いは二つ又は三つの縮合環を含んでなり、ここにおいて、環系の少なくとも一つの環は非芳香族環であり、そして(2)非芳香族環の原子(即ち、環系の一部である非芳香族環の一部である環の原子)によって分子の残りに接続する基を指す。例えば:ピペリジノ及びピペリジン−4−イルは、両方ともCヘテロシクリル基の例であり;2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イルは、Cヘテロシクリル基の例であり;そしてデカヒドロ−キノリン−5−イル及び1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イルの両方は、C10ヘテロシクリル基の例である。
Figure 0006785659
一つの態様において、ヘテロシクリル基が二つ又はそれより多い縮合環を含有する場合、それぞれの環は、非芳香族である。
一つの態様において、ヘテロシクリル基は、一つの環を含んでなる。
疑義の回避のために、“シクロアルキル”は、(1)一つの環或いは二つ又はそれより多い縮合環を含んでなる環系を有し、ここにおいて、縮合環系の一つの環は芳香族環であることができ、そして(2)非芳香族環の原子(即ち、環系の一部である非芳香族環の一部である環の原子)によって分子の残りに接続される基を指す。例えば:シクロアルキルは、Cシクロアルキル基の例であり;そしてテトラリン−2−イルは、C10シクロアルキル基の例である。
Figure 0006785659
芳香族環が存在する場合、これは、所望により置換されていることができる。一つの態様において、シクロアルキルが二つ又はそれより多い縮合環を含んでなる場合、それぞれの環は、非芳香族である。
一つの態様において、シクロアルキル基は、一つの環を含んでなる。
疑義の回避のために、“ヘテロアリール”は、(1)環系の一部を形成する一つ又はそれより多い異種原子(例えば、N、O、S)を有し、ここにおいて、環系は、一つの環或いは二つ又はそれより多い縮合環を含んでなり、ここにおいて、環系の少なくとも一つの環は芳香族環であり、そして(2)芳香族環の原子(即ち、環系の一部である芳香族環の一部である環の原子)によって分子の残りに接続される基を指す。例えば:ピリジルは、Cヘテロアリール基の例であり;イソキノリルは、C10ヘテロアリール基の例であり;そして1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルは、C10ヘテロアリール基の例である。
Figure 0006785659
一つの態様において、ヘテロアリールが二つ又はそれより多い縮合環を含んでなる場合、それぞれの環は、芳香族環である。
一つの態様において、ヘテロアリール基は、一つの芳香族環を含んでなる。
ヘテロアリール基は、更に、ピリドニル基を含むことができ、これは、2−又は4−ヒドロキシル置換基を有するピリジニル基に対応する構造と考えることができる。
一つの態様において、ヘテロアリール基は、ピリドニル基ではない。
同様に、“カルボアリール”は、(1)一つの環或いは二つ又はそれより多い縮合環を含んでなる環系を有し、ここにおいて、環系の少なくとも一つの環は芳香族環であり、そして(2)芳香族環の原子(即ち、環系の一部である芳香族環の一部である環の原子)によって分子の残りに接続される基を指す。例えば:フェニルは、Cカルボアリール基の例であり;そしてテトラリン−6−イルは、C10カルボアリール基の例である。
Figure 0006785659
一つの態様において、カルボアリールが二つ又はそれより多い縮合環を含んでなる場合、それぞれの環は、芳香族環である。
非芳香族環が存在する場合、この環は、カルボシクリル(テトラリンに対して上記に示すように)であることができるか、又は環は、ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル基に対して以下に示すように、ヘテロシクリルであることができる。
Figure 0006785659
塩、溶媒和物及び他の形態
式(III)の化合物の塩の例は、全ての医薬的に受容可能な塩、例えば、制約されるものではないが、強無機酸の酸付加塩、例えばHCl及びHBr塩、並びに強有機酸の付加塩、例えばメタンスルホン酸塩を含む。塩の更なる例は、硫酸塩及び酢酸塩、例えばトリフルオロ酢酸塩又はトリクロロ酢酸塩を含む。
一つの態様において、塩は、酢酸塩を含む。
一つの態様において、本開示の化合物は、硫酸塩又はトリフルオロ酢酸(TFA)塩として提供される。一つの態様において、本開示の化合物は、酢酸塩として提供される。
式(III)の化合物は、更にプロドラッグとして処方することができる。プロドラッグは、本明細書中に記載される、一つ又はそれより多いアミノ基が、in vivoで開裂する基で保護されて、生物学的に活性な化合物を放出することができる抗細菌化合物含むことができる。一つの態様において、プロドラッグは、“アミンプロドラッグ”である。アミンプロドラッグの例は、例えば、Bergen et al,Antimicrob.Agents and Chemotherapy,2006,50,1953中に記載されているようなスルホメチル、又は例えば、Schechter et al,J.Med Chem 2002,45(19)4264中に記載されているようなHSO−FMOC及びその塩を含む。アミンプロドラッグの更なる例は、Krise and Oliyai in Biotechnology:Pharmaceutical Aspects,2007,5(2),101−131によって与えられている。
一つの態様において、式(III)の化合物は、プロドラッグとして提供される。
式(III)の化合物に対する言及は、更にこの化合物の溶媒和物に対する言及でもある。溶媒和物の例は、水和物を含む。
式(III)の化合物は、原子が、天然に存在する又は天然に存在しない同位元素によって置換された化合物を含む。一つの態様において、同位元素は、安定な同位元素である。従って、本明細書に記載される化合物は、例えば重水素を含有する化合物等を含む。例えば、Hは、H、H(D)、及びH(T)を含むいずれもの同位元素の形態であることができ;Cは、12C、13C、及び14Cを含むいずれもの同位元素の形態であることができ;Oは、16O及び18Oを含むいずれもの同位元素の形態であることができる;等である。
式(III)のある種の化合物は、制約されるものではないが、cis及びtrans型;E及びZ型;c、t、及びr型;エンド及びエキソ型;R、S及びメソ型;D及びL型;d及びl型;(+)及び(−)型;ケト、エノール、及びエノラート型;シン及びアンチ型;向斜及び背斜型;α及びβ型;アキシアル及びエクアトリアル型;ボート、イス、ネジレ、封筒、及び半イス型;及びこれらの混合物を含む一つ又はそれより多い特定の幾何、光学、鏡像異性、ジアステレオ異性、エピマー、アトロプ、立体異性、互変異性、配座異性、又はアノマーの形態で存在することができ、本明細書中で、以下集合的に“異性体”(又は異性の形態)と呼ぶ。
互変異性型に対して以下で考察されるようなものを除き、本明細書中で使用されるような“異性体”の用語から特定的に除外されるものは、構造的(構成的)異性体(即ち、単に空間中の原子の位置によるより、むしろ原子間の接続において異なる異性体)であることに注意されたい。例えば、メトキシ基、−OCHに対する言及は、その構造異性体、ヒドロキシメチル基、−CHOHに対する言及とは解釈されない。同様に、オルト−クロロフェニルに対する言及は、その構造異性体、メタ−クロロフェニルに対する言及とは解釈されない。然しながら、構造の群に対する言及は、その群に入る構造的異性の形態を十分に含むことができる(例えば、C1−6アルキルは、n−プロピル及びイソ−プロピルを含み;ブチルは、n−、イソ−、sec−、及びtert−ブチルを含み;メトキシフェニルは、オルト−、メタ−、及びパラ−メトキシフェニルを含む)。
他に規定しない限り、特定の化合物に対する言及は、その混合物(例えば、ラセミ混合物)を含む全てのこのような異性の形態を含む。このような異性の形態の調製(例えば不斉合成)及び分離(例えば、分別結晶化及びクロマトグラフ的手段)の方法は、当技術において既知であるか、又は本明細書中で教示される方法、或いは既知の方法を、既知の様式で適合することによるかのいずれかによって容易に得ることができる。
式(III)の化合物中のある種の置換基の群、例えばR15が、特異的な立体化学の配置で与えられることは注目される。
本発明の一つの側面は、実質的に精製された形態及び/又は実質的に混入物を含まない形態の化合物に関する。
一つの態様において、実質的に精製された形態は、少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%、例えば少なくとも97重量%、例えば少なくとも98重量%、例えば少なくとも99重量%である。
規定されない場合、実質的に精製された形態は、いずれもの立体異性又は鏡像異性の形態の化合物を指す。例えば、一つの態様において、実質的に精製された形態は、即ち、他の化合物に関して精製された、立体異性体の混合物を指す。一つの態様において、実質的に精製された形態は、一つの立体異性体、例えば光学的に純粋な立体異性体を指す。一つの態様において、実質的に精製された形態は、鏡像異性体の混合物を指す。一つの態様において、実質的に精製された形態は、鏡像異性体の等モルの混合物(即ち、ラセミ混合物、ラセミ体)を指す。一つの態様において、実質的に精製された形態は、一つの鏡像異性体、例えば光学的に純粋な鏡像異性体を指す。
一つの態様において、混入物は、50重量%より多くない、例えば40重量%より多くない、例えば30重量%より多くない、例えば20重量%より多くない、例えば10重量%より多くない、例えば5重量%より多くない、例えば3重量%より多くない、例えば2重量%より多くない、例えば1重量%より多くないことを表す。
規定しない限り、混入物は、他の化合物、即ち、立体異性体又は鏡像異性体以外のものを指す。一つの態様において、混入物は他の化合物及び他の立体異性体を指す。一つの態様において、混入物は、他の化合物及び他の鏡像異性体を指す。
一つの態様において、実質的に精製された形態は、少なくとも60%光学的に純粋(即ち、モル基準で化合物の60%が所望の立体異性体又は鏡像異性体であり、そして40%は所望しない立体異性体又は鏡像異性体である)、例えば少なくとも70%光学的に純粋、例えば少なくとも80%光学的に純粋、例えば少なくとも90%光学的に純粋、例えば少なくとも95%光学的に純粋、例えば少なくとも97%光学的に純粋、例えば少なくとも98%光学的に純粋、例えば少なくとも99%光学的に純粋である。
本発明の化合物は、更に、その化学的に保護された形態を含む。例えば、化合物内のアミノ官能基は、tert−ブトキシ(−Boc)の形態として保護することができる。更なる例として、化合物内のヒドロキシル官能基は、tert−ブチル(t−Bu)の形態として保護することができる。保護された形態は、以下の項で詳細に考察される。
保護された形態
式(III)の化合物は、保護された形態で提供することができる。ここで、反応性官能基、例えばアミノ官能基は、合成工程中のその反応を防止するために遮蔽することができる。保護基は、反応性官能基を遮蔽するために提供され、そしてこの保護基は、本来の反応基の官能基を明らかにするために合成の後の段階で除去することができる。
式(IIIa)の化合物、及びその塩、溶媒和物及び水和物が提供され、これは、保護された形態の式(III)の化合物である。例えば、化合物(III)中に存在するアミノ、ヒドロキシル、カルボキシル及びチオール官能基は、本明細書中に記載されるような保護基で保護することができる。式(IIIa)の化合物は、式(III)の化合物の調製のための中間体であることができる。従って、化合物(III)は、化合物(IIIa)から、例えば保護基の除去(“脱保護”)によって、調製することができる。
一つの態様において、保護された形態は、アミノ、ヒドロキシ、チオール及び/又はカルボキシル官能基が、保護基によって保護(遮蔽)された化合物である。一つの態様において、保護された形態は、化合物に伴うアミノ酸残基の側鎖の官能基が保護された化合物である。
式(III)の化合物において、5、8及び9位におけるアミノ酸残基は、Dab残基であり、そしてDab残基の側鎖は、アミノ官能基を含む。それぞれのDab残基のアミノ酸官能基は、本明細書中に記載されるように、アミノ保護基で保護することができる。
本発明のある態様において、−Rは、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファの窒素と一緒に、側鎖がヒドロキシル官能基を含むアミノ酸残基である。−Rを含むアミノ酸残基の例は、トレオニンである。この残基のヒドロキシル官能基は、本明細書中に記載されるように、ヒドロキシル保護基で保護することができる。
−R基は、側鎖がヒドロキシル官能基を含むアミノ酸残基の一部である。−R基を含むアミノ酸残基は、セリン又はトレオニンであることができる。これらの残基のヒドロキシル官能基は、本明細書中に記載されるように、ヒドロキシル保護基で保護することができる。
−Rは、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファの窒素と一緒に、側鎖がヒドロキシル官能基又はアミノ官能基を含むアミノ酸残基である。−Rを含むアミノ酸残基の例は、Dabである。これらの残基のヒドロキシル又はアミノ官能基は、本明細書中に記載されるように、ヒドロキシル又はアミノ保護基で保護することができる。
ある態様において、−R15基は、アミノ、ヒドロキシル カルボキシル又はチオール官能基のような官能基を含有する。アミノ、ヒドロキシル カルボキシル又はチオール官能基は、本明細書中に記載されるように、アミノ、ヒドロキシル カルボキシル又はチオール保護基で保護することができる。
保護基、例えばアミノ酸残基に対するものは、公知であり、そして当技術において十分に記載されている。
側鎖基保護を、所望によりアミノ及びカルボキシ保護と一緒に有するアミノ酸は、商業的に入手可能である。従って、保護されたポリミキシン化合物は、適当に保護されたアミノ酸出発物質から調製することができる。
Velkov et al.は、適当に保護されたアミノ酸を使用する固相のポリミキシン化合物の工程ごとの調製を記載している。トレオニン及びDabの保護された形態の使用が開示されている(補足情報を参照されたい)。
Velkov et al.は、少なくとも−R15基がVelkov et al.中で説明又は例示されていないという理由のために、式(III)の化合物を記載していない。
保護基が使用されている場合、これは、ポリミキシン核の構造を実質的に破壊しない条件、例えばアミノ酸残基の立体化学を変化しない条件下で除去可能である。
一つの態様において、保護基は、酸に不安定、塩基に不安定であるか、又は還元条件下で除去可能である。
アミノ官能基のための例示的保護基は、Boc(tert−ブトキシカルボニル)、Bn(ベンジル、Bzl)、CbZ(Z)、2−CL−Z(2−クロロ)、Dde(1−[4,4−ジメチル−2,6−ジシクロヘキサ−1−イリデン]−3−メチルブチル)、Fmoc(フルオレニルメチルオキシカルボニル)、HSO−Fmoc(スルホニル化Fmoc、例えば2−スルホ−Fmoc、例えばSchechter et al,J.Med Chem 2002,45(19)4264中に記載されているような)、ivDde(1−[4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン]エチル)、Mmt(4−メトキシトリチル)、Mtt(4−メチルトリチル)、Nvoc(6−ニトロベラトロイルオキシカルボニル)、及びTfa(トリフルオロアセチル)を含む。
芳香族窒素官能基のための例示的保護基は、Boc、Mtt、Trt及びDnp(ジニトロフェニル)を含む。
一つの態様において、アミノ官能基のための保護基は、Boc、CbZ、Bn並びにFmoc及びHSO−Fmocから選択される。
一つの態様において、アミノ官能基のための保護基は、Boc、Fmoc又はCbZである。
ヒドロキシル官能基のための例示的な保護基は、Trt(トリチル)Bn(ベンジル)、tBu(tert−ブチル)、及び2−アセトアミド−2−デオキシ−3,4,6−トリ−Oアセチル−α−ガラクトピラノシルを含む。
一つの態様において、ヒドロキシル官能基のための保護基はTrtである。
ヒドロキシル官能基の更なる例示的保護基は、シリルエーテル保護基、例えばTMS、TES、TBS、TIPS、TBDMS、及びTBDPSを含む。このような保護基は、例えばTBAFと共に除去される。
カルボキシル官能基のための例示的な保護基は、Bn(ベンジル、Bz)、tBu(tert−ブチル)、TMSET(トリメチルシリルエチル)及びDmab({1−[4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ(cylcohex)−1−イリデン]−3−メチルブチル}アミノベンジル)を含む。
幾つかの態様において、幾つかの種類の官能基のみが保護される。例えば、アミノ基を、例えばアミノ酸残基の側鎖のアミノ基のみを保護することができる。
一つの態様において、アミノ基及びヒドロキシル基が保護される。
活性剤
式(III)の化合物は、それぞれ、第2の薬剤と一緒に使用することができる。本発明人等は、このような組合せが、両方の化合物の個々の活性から予測されるものであるものより大きい生物学的活性を有することを見出している。式(III)の化合物は、第2の薬剤の活性を増強するために使用することができる。特に、式(III)の化合物は、薬剤の、例えばグラム陰性細菌に対する抗細菌性活性を向上するために第2の薬剤と一緒に使用することができる。
理論によって束縛されることを望むものではないが、式(III)の化合物は、細胞、例えばグラム陰性細菌の細胞の外部膜に作用して、その細胞への第2の薬剤の取込みを容易にすることができると信じる。従って、外部膜を通ることにおいて他の方法では不可能又は不良であった薬剤を、式(III)の化合物の作用によって、標的細胞に取り込むことができる。
一つの態様において、式(III)の化合物の第2の薬剤との組合せは、グラム陰性細菌に対して活性である。ここで、個々の式(III)の化合物又は第2の薬剤のいずれかが、グラム陰性細菌に対する活性を有することは、必須ではない。
一つの態様において、第2の薬剤は、特定の微生物、例えば細菌に対する、10より少ない、5より少ない、又は1マイクログラム/mLより少ない測定されたMICを有する薬剤である。微生物は、グラム陰性細菌、例えばE.coli、S.enterica、K.pneumoniae、K.oxytoca;E.cloacae、E.aerogenes、E.agglomerans、A.calcoaceticus、A.baumannii;Pseudomonas aeruginosa、Stenotrophomonas maltophila、Providencia stuartii,P.mirabilis、及びP.vulgarisからなる群から選択されるグラム陰性細菌であることができる。
グラム陰性細菌に対する活性を有する第2の薬剤の例は、ベータラクタム、テトラサイクリン、アミノグルコシド及びキノロンを含む。
一つの態様において、第2の薬剤は、特定の微生物、例えばグラム陰性細菌に対する、4より大きい、8より大きい、16より大きい、又は32マイクログラム/mLより大きい測定されたMIC値を有する薬剤である。この態様において、第2の薬剤は、グラム陽性細菌に対して活性であることができる。例えば、第2の薬剤は、特定のグラム陽性細菌に対する、10より小さい、5より小さい又は1マイクログラム/mLより小さい測定されたMIC値を有する薬剤である。ここで、式(III)の化合物は、グラム陰性細菌の細胞への第2の薬剤の取込みを容易にするために作用する。従って、第2の薬剤は、グラム陰性細菌の細胞内の標的に作用することが可能であり、この標的は、グラム陽性細菌の細胞中の第2の薬剤の標的と同じであることができる。
グラム陽性細菌は、Staphylococcus及びStreptococcus 細菌、例えばS.aureus(MRSAを含む)、S.epidermis、E.faecalis、及びE.faeciumからなる群から選択することができる。
グラム陽性細菌に対しする活性(例えば、上記で与えたMIC値で)、及びグラム陰性細菌に対して中程度の活性を有する第2の薬剤の例は、リファンピシン、ノボビオシン、マクロライド、プロイロムリチンを含む。一つの態様において、グラム陰性細菌に対して中程度の活性を有する化合物は、32より小さい、64より小さい、又は128マイクログラム/mLより小さいグラム陰性細菌に対する測定されたMIC値を有することができる。
更に、使用のために適したものは、グラム陽性細菌に対する活性を有し、そしてグラム陰性細菌に対して本質的に不活性である薬剤である。例は、フシジン酸、オキサゾリジニン(例えばリネゾリド)、グリコペプチド(例えばバンコマイシン)、ダプトマイシン及びランチビオティックスを含む。
一つの態様において、グラム陰性細菌に対して本質的に活性を持たない化合物は、32より大きい、64より大きい、128より大きい、256マイクログラム/mLより大きいグラム陰性細菌に対する測定されたMIC値を有することができる。
正常な環境下で、このような薬剤は、グラム陰性細菌の細胞の外部膜を通るその比較的不良な活性のために、グラム陰性細菌に対する使用のためには必ずしも適していない。上記で説明したように、式(III)の化合物と一緒に使用する場合、このような薬剤は、使用のために適している。
一つの態様において、活性剤は、リファンピシン(リファンピン)、リファブチン、リファラジン、リファペンチン、リファキシミン、アズトレオナム、オキサシリン、ノボビオシン、フシジン酸、アジスロマイシン、シプロフロキサシン、メロペネム、チゲサイクリン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン及びムピロシン、並びに医薬的に受容可能な塩、溶媒和物及びこれらのプロドラッグの形態からなる群から選択することができる。
本発明人等は、式(III)のポリミキシン化合物を、微生物の感染を治療するためにリファマイシンのファミリー中のある種の化合物と一緒に使用することができることを見出している。リファマイシンのファミリーは、単離したリファマイシンA、B、C、D、E、S及びSV、並びにこれらの化合物の全身性供給変種、例えばリファンピシン(リファンピン)、リファブチン、リファラジル、リファペンチン、及びリファキシミン、並びに医薬的に受容可能な塩及びこれらの溶媒和物を含む。
一つの態様において、活性剤はリファンピシン(リファンピン)並びに医薬的に受容可能な塩、溶媒和物及びこれらのプロドラッグの形態である。
治療の方法
式(III)の化合物、又はこれらの化合物を含有する医薬的製剤は、治療及び予防の方法における使用のために適している。化合物は、それを必要とする被験者に投与することができる。化合物は、活性剤(“第2の活性剤”)、例えば第2の活性剤、即ち、抗細菌剤と一緒の使用のために適している。
式(III)の化合物は、療法によるヒト又は動物の身体の治療の方法における使用のためのものである。本発明の幾つかの側面において、式(III)の化合物は、微生物感染を治療するために、哺乳動物の被験者、例えばヒトに投与することができる。
本発明のもう一つの側面は、治療における使用のための医薬の製造における式(III)の化合物の使用に関する。一つの態様において、医薬は、式(III)の化合物を含んでなる。一つの態様において、医薬は、微生物感染の治療における使用のためのものである。
用語“微生物感染”は、宿主動物の病原性微生物による侵襲を指す。これは、動物の身体中又は身体上に通常存在する微生物の過剰な増殖を含む。更に一般的に、微生物感染は、微生物集団(一つ又は複数)の存在が宿主動物を損傷しているいずれもの状況であることができる。従って、動物は、過剰の数の微生物集団が動物の身体中に又は身体上に存在する場合、或いは微生物集団(一つ又は複数)の存在が動物の細胞又は他の組織を損傷している場合、微生物感染に“罹って”いる。
化合物は、微生物感染、又は微生物、例えば細菌からの感染の危険性を有する被験者を治療するために使用することができる。
微生物感染は、細菌感染、例えばグラム陰性菌感染であることができる。
グラム陰性菌の例は、制約されるものではないが、Escherichia spp.、Klebsiella spp.、Enterobacter spp.、Salmonella spp.、Shigella spp.、Citrobacter spp.、Morganella morganii、Yersinia pseudotuberculosis及び他の腸内細菌科、Pseudomonas spp.、Acinetobacter spp.、Moraxella、Helicobacter、Stenotrophomonas、Bdellovibrio、酢酸バクテリア、Legionella及びアルファ−プロテオバクテリア、例えばWolbachia及び多くの他のものを含む。
医学的に関連するグラム陰性球菌は、性感染症(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎(Neisseria meningitidis)、及び呼吸器症状(Moraxella catarrhalis)を起こす三つの生物体を含む。
医学的に関連するグラム陰性桿菌は、多数の種を含む。その幾つかは、主として、呼吸器の問題(Hemophilus influenzae,Klebsiella pneumoniae,Legionella pneumophila,Pseudomonas aeruginosa)、主として尿の問題(Escherichia coli, Enterobacter cloacae)、及び主として消化器の問題(Helicobacter pylori、Salmonella enterica)を起こす。
院内感染に関係するグラム陰性細菌は、Acinetobacter baumanniiを含み、これは、菌血症、続発性髄膜炎、及び病院施設の集中治療室の人工呼吸器関連肺炎を起こす。
一つの態様において、グラム陰性細菌種は、E.coli、S.enterica、K.pneumoniae、K.oxytoca;E.クロアカ、E.エロゲネス、E.アルロメランス、A.calcoaceticus、A.baumannii;Pseudomonas aeruginosa、Stenotrophomonas maltophila、Providencia stuartii、P.mirabilis、及びP.vulgarisからなる群から選択される。
一つの態様において、グラム陰性細菌種は、E.coli、K.pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、及びA.baumanniiからなる群から選択される。
式(III)の化合物或いは同一物を含んでなる組成物は、皮膚及び軟組織感染、消化器感染、尿路感染、肺炎、敗血症、腹腔内感染及び産/婦人科感染の治療のために有用である。感染は、グラム陽性又はグラム陰性細菌感染であることができる。
式(III)の化合物或いは同一物を含んでなる組成物は、P.aeruginosa感染を含むPseudomonas感染、例えば皮膚及び軟組織感染、消化器感染、尿路感染、肺炎及び敗血症の治療のために有用である。
式(III)の化合物或いは同一物を含んでなる組成物は、肺炎、尿路感染及び敗血症に対する、A.baumanii感染を含むAcinetobacter感染の治療のために有用である。
式(III)の化合物或いは同一物を含んでなる組成物は、肺炎、尿路感染、髄膜炎及び敗血症に対する、K.pneumoniae感染を含むKlebsiella感染の治療のために有用である。
式(III)の化合物或いは同一物を含んでなる組成物は、菌血症、胆嚢炎、胆管炎、尿路感染、新生児髄膜炎、及び肺炎に対する、E.coli感染を含むE.coli感染の治療のために有用である。
治療
用語“治療”は、症状を治療する文脈において本明細書中で使用される場合、ヒト又は動物(例えば獣医学的適用)であるかに関わらず、一般的に、幾つかの所望の治療効果、例えば、症状の進行の阻害が達成される治療及び療法に関係し、そして進行の速度の減少、進行の速度の停止、症状の徴候の軽減、症状の回復、及び症状の治癒を含む。予防的手段(即ち予防法)としての治療も更に含まれる。例えば、症状をいまだ発症していないが、しかし症状を発症する危険性を持つ患者に伴う使用は、用語“治療”に包含される。
用語“治療的に有効な量”は、本明細書中で使用する場合、所望の治療計画によって投与された場合、妥当な利益/危険度比と釣り合った、ある程度の所望の治療効果を産生するために有効な化合物、又は物質、化合物を含んでなる組成物又は剤形の量に関する。
用語“治療”は、本明細書中に記載されるような組合せ治療及び療法を含み、ここにおいて、二つ又はそれより多い治療剤又は療法が、例えば連続的に又は同時に組合される。
組合せ療法
式(III)の化合物は、活性剤と併せて投与することができる。
投与は、同時、別個又は連続であることができる。
投与の方法及び様式は、式(III)の化合物及び第2の薬剤の薬物動態に依存するものである。
“同時” 投与によって、式(III)の化合物及び第2の薬剤が、同一経路の投与による単一投与で被験者に投与されることを意味する。
“別個”投与によって、式(III)の化合物及び第2の薬剤が、同時に起こる二つの異なった経路の投与によって被験者に投与されることを意味する。これは、例えば一つの薬剤が注入によって投与され、そして他方が注入の過程中に経口投与される場合に起こることができる。
“連続”によって、二つの薬剤が異なった時点で投与されることを意味し、但し、最初に投与された薬剤の活性が、第2の薬剤が投与された時点で被験者中に存在し、そして継続していることを条件とする。
一般的に、連続投与は、二つの薬剤の二番目が、最初の薬剤の48時間内に、好ましくは24時間内、例えば12、6、4、2又は1時間(単数又は複数)内に投与されるように起こるものである。あるいは、最初に活性剤を、続いて式(III)の化合物を投与することができる。
最終的に、組合せ治療における化合物及び第2の薬剤の投与の順序並びに時間は、それぞれの薬物動態学的特性に依存するものである。
被験者に投与される式(III)の化合物の量は、最終的に、治療される被験者の特質及び疾病に依存するものである。同様に、被験者に投与される活性剤の量は、最終的に、被験者及び治療される疾病の特質に依存するものである。
製剤
一つの側面において、本発明は、式(III)の化合物を、医薬的に受容可能な担体と一緒に含んでなる医薬組成物を提供する。医薬組成物は、第2の活性剤を更に含んでなることができる。別の態様において、第2の薬剤が治療のために提供される場合、第2の薬剤は、式、所望により(III)の化合物と別個に処方することができる。従って、式、所望により(III)の化合物に関して以下で行われる解説は、別個に処方される場合、第2の薬剤にも適用することができる。
式(III)の化合物を、単独で又は第2の薬剤と一緒に投与することは可能であるが、これを、少なくとも一つの本明細書中に記載するような式(III)の化合物と、制約されるものではないが、医薬的に受容可能な担体、希釈剤、賦形剤、アジュバント、充填剤、緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、潤滑剤、安定剤、可溶化剤、界面活性剤(例えば、湿潤剤)、遮蔽剤、着色剤、芳香剤、及び甘味剤を含む、一つ又はそれより多い当業者にとって公知の他の医薬的に受容可能な成分とを一緒に含んでなる医薬製剤(例えば、組成物、製剤、医薬)として与えることが好ましい。製剤は、更に他の活性剤、例えば、他の治療又は予防剤を含んでなることができる。
従って、本発明は、更に、先に定義したような医薬組成物、及び本明細書中に記載されるような少なくとも一つの式(III)の化合物を、一つ又はそれより多い当業者にとって公知の他の医薬的に受容可能な成分、例えば、担体、希釈剤、賦形剤、等と一緒に混合することを含んでなる医薬組成物を製造する方法を提供する。別々の単位(例えば、錠剤、等)として処方される場合、それぞれの単位は、所定の量(投与量)の化合物を含有する。組成物は、所望により更に、第2の活性剤を所定の量で含んでなる。
用語“医薬的に受容可能”は、本明細書中で使用する場合、健全な医学的判断の範囲において、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、或いは他の問題又は合併症を伴わずに、妥当な利益/危険度の比と釣り合って、当該被験者(例えばヒト)の組織との接触における使用のために適している化合物、成分、物質、組成物、剤形、等に関する。それぞれの担体、希釈剤、賦形剤、等は、更に、製剤の他の成分と適合性であるという意味で“受容可能”でなければならない。
適した担体、希釈剤、賦形剤、等は、標準的な医薬の教科書、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th edition,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990;及びHandbook of Pharmaceutical Excipients,5th edition,2005中に見出すことができる。
製剤は、薬学の技術で公知のいずれもの方法によって調製することができる。このような方法は、式(III)の化合物を、一つ又はそれより多い補助成分を構成する担体と混合する工程を含む。一般的に、製剤は、化合物を担体(例えば、液体担体、微細に分割された担体、等)と共に均一に、そして緊密に混合し、そして次いで、必要な場合、生成物を成形することによって調製される。
製剤は、急速又は緩慢放出;即時、遅延、時限、又は継続放出;或いはこれらの組合せで提供するために調製することができる。
製剤は、適当には、液体、溶液(例えば、水性、非水性)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、乳液(例えば、水中油、油中水)、エリキシル、シロップ、舐剤、口腔洗浄剤、ドロップ、錠剤(例えば、被覆錠剤を含む)、顆粒、粉末、ロゼンジ、トローチ、カプセル(例えば、硬質及び軟質ゼラチンカプセルを含む)、カシェー、丸薬、アンプル、ボーラス、座薬、ペッサリー、チンキ、ゲル、ペースト、軟膏、クリーム、ローション、油、泡、噴霧、霧、又はエアゾールの形態であることができる。
製剤は、適当には、例えば、透過、浸透、及び吸収向上剤を含む一つ又はそれより多い化合物、及び所望により一つ又はそれより多い他の医薬的に受容可能な成分で含浸された貼布、絆創膏、包帯、ドレッシング材、等として提供される。製剤は、更に、適当には、デポー又はリザーバーの形態で提供することができる。
化合物は、一つ又はそれより多い他の医薬的に受容可能な成分中に溶解、懸濁、又は混合することができる。化合物は、化合物が、例えば血液成分或いは一つ又はそれより多い器官を標的とするように設計されたリポソーム又は他の微粒子中で提示されることができる。リポソームが使用される場合、リポソームが、式(III)の化合物及び第2の薬剤の両方を含有することができることが注目される。
経口投与のために適した製剤は(例えば、経口摂取による)、液体、溶液(例えば、水性、非水性)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、乳液(例えば、水中油、油中水)、エリキシル、シロップ、舐剤、錠剤、顆粒、粉末、カプセル、カシェー、丸薬、アンプル、ボーラスを含む。
頬側投与のために適した製剤は、口腔洗浄剤、ロゼンジ、トローチ、並びに、貼布、絆創膏、デポー、及びリザーバーを含む。ロゼンジは、典型的には、通常スクロース及びアラビアゴム又はトラガカントゴムである芳香基剤中の化合物を含んでなる。トローチは、典型的には、不活性基質、例えばゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアラビアゴム中の化合物を含んでなる。口腔洗浄剤は、典型的には、適した液体担体中の化合物を含んでなる。
舌下投与のために適した製剤は、錠剤、ロゼンジ、トローチ、カプセル、及び丸薬を含む。
口腔粘膜経由投与のために適した製剤は、液体、溶液(例えば、水性、非水性)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、乳液(例えば、水中油、油中水)、口腔洗浄剤、ロゼンジ、トローチ、並びに貼布、絆創膏、デポー、及びリザーバーを含む。
非口腔粘膜経由投与のために適した製剤は、液体、溶液(例えば、水性、非水性)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、乳液(例えば、水中油、油中水)、座薬、ペッサリー、ゲル、ペースト、軟膏、クリーム、ローション、油、並びに貼布、絆創膏、デポー、及びリザーバーを含む。
経皮投与のために適した製剤は、ゲル、ペースト、軟膏、クリーム、ローション、及び油、並びに貼布、絆創膏、包帯、ドレッシング、デポー、及びリザーバーを含む。
錠剤は、慣用的手段、例えば、所望により一つ又はそれより多い補助成分と共に、圧縮又は成形することによって製造することができる。圧縮錠剤は、自由流動形態、例えば粉末又は顆粒の化合物を、所望により一つ又はそれより多い結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、アラビアゴム、ソルビトール、トラガカントゴム、ヒドロキシピロピルメチルセルロース);充填剤又は希釈剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロース、リン酸水素カルシウム);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ);崩壊剤(例えば、グリコール酸デンプンナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム);表面活性或いは分散又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム);保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸);芳香剤、芳香向上剤、及び甘味剤と共に混合し、適した機械で圧縮することによって調製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤化された粉末の化合物を、適した機械で成形することによって製造することができる。錠剤は、所望により被覆し、又は刻み目を入れることができ、そして例えば、所望の放出特性を提供するために、各種の比率のヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用して、その中の化合物の遅延又は制御放出を提供するように処方することができる。錠剤は、所望により被覆、例えば、放出に影響するために、例えば胃ではなく腸の一部における放出を提供するための腸溶性被覆を伴って提供することができる。
軟膏は、典型的には、化合物及びパラフィン系又は水混和性の軟膏基剤から調製される。
クリームは、典型的には、化合物及び水中油クリーム基剤から調製される。所望する場合、クリーム基剤の水相は、例えば、少なくとも30重量/重量%の多価アルコール、即ち、二つ又はそれより多いヒドロキシル基を有するアルコール、例えばプロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール及びポリエチレングリコール並びにこれらの混合物を含むことができる。局所製剤は、好ましくは、皮膚又は影響された部位を通る化合物の吸収又は浸透を向上する化合物を含むことができる。このような皮膚透過向上物質の例は、ジメチルスルホキシド及び関連する類似体を含む。
乳剤は、典型的には、化合物及び所望により単に乳化剤(他にエマルジェント(emulgents)として知られる)を含んでなることができる、或いは少なくとも一つの乳化剤の脂肪又は油との、或いは脂肪及び油の両方との混合物を含んでなることができる油性相から調製される。好ましくは、親水性乳化剤が、安定剤として作用する親油性乳化剤と一緒に含まれる。油及び脂肪の両方を含むことが更に好ましい。まとめれば、安定剤(一つ又は複数)を伴う又は伴わない乳化剤(一つ又は複数)は、いわゆる乳化ワックスを作り出し、そして油及び/又は脂肪と一緒のワックスは、いわゆる乳化軟膏基剤を作り出し、これは、クリーム製剤の油分散相を形成する。
適したエマルジェント及び乳化安定剤は、Tween60、Span80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、及びラウリル硫酸ナトリウムを含む。製剤のための適した油又は脂肪の選択は、医薬的な乳化製剤に使用される可能性のある殆どの油中の化合物の溶解度が、非常に低いものであり得るために、所望の美容的特性を達成することに基づく。従って、クリームは、好ましくは、チューブ又は他の容器からの漏洩を回避するための適した稠度を伴う、べたべたせず、染まらない、そして洗浄可能な産物でなければならない。例えばジ−イソアジピン酸の直鎖或いは分枝鎖の一又は二塩基性アルキルエステル、ステアリン酸イソセチル、ココナツ脂肪酸のプロピレングリコールのジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル又はクロダモルCAPとして知られる分枝鎖エステルのブレンドを使用することができ、最後の三つが好ましいエステルである。これらは、必要な特性により、単独で又は組合せて使用することができる。あるいは、高融点脂質、例えば白色軟質パラフィン及び/又は液体パラフィン或いは他の鉱油を使用することができる。
鼻腔内投与のために適した製剤は、担体が液体である場合、例えば鼻腔噴霧、点鼻剤を含み、或いはネブライザーによるエアゾール投与によるものは化合物の水性又は油性溶液を含む。投与の別の方法として、乾燥粉末の送達を、噴霧化エアゾールの代替物として使用することができる。
鼻腔内投与のために適した製剤は、担体が固体である場合、例えば、嗅ぎ薬が摂取される様式で、即ち鼻に密接して保持された粉末の容器からの鼻腔を経由する急速な吸入により投与される、例えば約20ないし約500ミクロンの範囲の粒子サイズを有する粗い粉末として提示されるものを含む。
肺投与(例えば、吸入又は吹送療法による)のために適した製剤は、適した噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロ−テトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の適したガスの使用を伴う、加圧パックからのエアゾール噴霧として提示されるものを含む。更に又は別に、肺投与のための製剤は、ネブライザー又は乾燥粉末吸入器からの投与のために処方することができる。例えば、製剤は、肺組織における保持を向上するために適当な投与量(does)の送達を援助するために、肺の適当な部分に達するために適した粒子サイズを提供するために、担体又はリポソームと共に提供することができる。
眼内投与のために適した製剤は、化合物が適した担体、特に化合物のための水性溶媒中に溶解又は懸濁された点眼剤を含む。
直腸投与のために適した製剤は、例えば天然の又は硬化された油、ワックス、脂肪、半液体又は液体ポリオール、例えば、ココアバター又はサリチル酸塩を含んでなる適した基剤を伴う座薬として;或いは浣腸による治療のための溶液又は懸濁液として提示することができる。
膣投与のために適した製剤は、化合物に加えて、当技術において適当であると知られたような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡又は噴霧製剤として提示することができる。
非経口投与(例えば、注射による)のために適した製剤は、化合物が、溶解、懸濁、又は他の方法で(例えば、リポソーム又は他の微粒子中の)提供される水性又は非水性の、等張の、パイロジェンフリーの、滅菌液体(例えば、溶液、懸濁液)を含む。このような液体は、更に、他の医薬的に受容可能な成分、例えば抗酸化剤、緩衝液、保存剤、安定剤、殺細菌剤、懸濁剤、増粘剤、及び製剤を、意図する受容者の血液(又は他の関連する体液)と等張にする溶質を含有することができる。賦形剤の例は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油、等を含む。このような製剤中の使用のために適した等張の担体の例は、塩化ナトリウム液、リンゲル液、又は乳酸リンゲル液を含む。典型的には、液体中の化合物の濃度は、約1ng/mLから約100μg/mLまで、例えば約10ng/mLから約10μg/mLまで、例えば約10ng/mLから約1μg/mLまでである。製剤は、単位投与又は多回投与の密封容器、例えばアンプル及びバイアル中で提示することができ、そして使用の直前に、滅菌液体担体、例えば注射用水の添加のみを必要とする、水冷凍乾燥(凍結乾燥)条件で貯蔵することができる。即時注射溶液及び懸濁液は、滅菌粉末、顆粒、及び錠剤から調製することができる。
投与量
一般的に、本発明の方法は、抗細菌効果を提供するために、有効な量の式(III)の化合物を被験者に投与することを含んでなることができる。式(III)の化合物は、第2の活性剤の活性を増強するために十分な量で投与することができる。第2の活性剤は、抗細菌効果を提供するように有効な量で被験者に投与される。
式(III)の化合物又は活性剤、及び式(III)の化合物又は活性剤を含んでなる組成物の適当な投与量が、患者によって変更することができることは当業者によって認識されるものである。最適な投与量を決定することは、一般的にいずれもの危険性又は有害な副作用に対する治療の利益のレベルの釣り合いをとることを含むものである。選択される投与量のレベルは、制約されるものではないが、式(III)の特定の化合物又は活性剤の活性、投与の経路、投与の時間、化合物の排出の速度、治療の期間、組合せて使用される他の薬物、化合物、及び/又は物質、症状の重篤度、並びに患者の種、性別、年齢、体重、症状、一般的健康状態、及び従来の病歴を含む各種の因子に依存するものである。式(III)の化合物又は活性剤の量及び投与の経路は、一般的に投与量は、作用の部位における局所濃度を達成し、実質的に危険な又は有害な副作用を起こすことなく所望の効果を達成するために選択されるものであるが、最終的に医師、獣医師、又は臨床医の裁量にあるものである。
投与は、治療の過程を通して、一回投与、連続的又は間欠的に(例えば、適当な間隔の分割投与で)行うことができる。投与の最も有効な手段及び投与量を決定する方法は、当業者にとって公知であり、そして治療のために使用される製剤、治療の目的、治療される標的細胞(一つ又は複数)、及び治療される被験者に伴い変化するものである。一回又は多数回投与は、治療する医師、獣医師、又は臨床医師によって選択される投与量レベル及び様式によって行うことができる。
一般的に、式(III)の化合物又は活性剤の適した投与量は、一日当たり、被験者の体重のキログラム当たり約10μgないし約250mg(更に典型的には、約100μgないし約25mg)の範囲である。式(III)の化合物又は活性剤が、塩、エステル、アミド、プロドラッグ、等である場合、投与される量は、親化合物に基づいて計算され、そして従って使用される実際の重量は、比例的に増加される。
キット
本発明の一つの側面は、例えば、好ましくは適した容器中で及び/又は適した包装を伴って提供される(a)式(III)の化合物、又は式(III)のいずれか一つにおいて定義されたような化合物を含んでなる組成物;及び(b)化合物又は組成物を投与する方法に対する使用のための指示、例えば文書の指示を含んでなるキットに関する。
文書の指示は、更に式(III)の化合物が、適した治療剤である適応症のリストを含むことができる。
一つの態様において、キットは、更に(c)第2の活性剤、又は第2の活性剤を含んでなる組成物を含んでなる。ここで、文書の指示は、更に式(III)の化合物と一緒の第2の活性剤が、治療のために適している適応症のリストを含むことができる。
投与の経路
式(III)の化合物、第2の薬剤、又は式(III)の化合物を含んでなる医薬組成物は、全身的に/末梢的に又は局所的に(即ち、所望の作用の部位において)を問わず、いずれもの慣用的な投与の経路によって被験者に投与することができる。
投与の経路は、制約されるものではないが、口腔(例えば、経口摂取による);頬側;舌下;経皮(例えば、貼布、プラスター、等を含む)、粘膜経由(例えば、貼布、プラスター、等を含む)、鼻腔内(例えば鼻腔噴霧による);眼(例えば、点眼剤による);肺(例えばエアゾールによる、例えば口又は鼻を通して使用する、例えば吸入又は吹送療法による);直腸(例えば、座薬又は浣腸による);膣(例えば、ペッサリーによる);例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、クモ膜下腔内、脊髄内、嚢内、嚢下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、クモ膜下、及び胸骨内を含む注射による非経口;例えば皮下或いは筋肉内的なデポー又はリザーバーのインプラントによるものを含む。
被験者/患者
被験者/患者は、脊索動物、脊椎動物、哺乳動物、有胎盤哺乳動物、有袋類(例えば、カンガルー、ウオンバット)、齧歯類(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス)、ネズミ(例えば、マウス)、ウサギ(例えば、兎)、鳥類(例えば、鳥)、イヌ(例えば、犬)、ネコ(例えば、猫)、ウマ(例えば、馬)、ブタ(例えば、豚)、ヒツジ(例えば、羊)、ウシ(例えば、牛)、霊長動物、サル(例えば、猿又は類人猿)、サル(例えば、マーモセット、ヒヒ)、類人猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、手長猿)、又はヒトであることができる。更に、被験者/患者は、その成長の形態のいずれか、例えば胎児であることができる。
一つの好ましい態様において、被験者/患者は、ヒトである。
本発明が、微生物感染を有する非ヒト動物に対して実行することができることも更に想定されている。非ヒトの哺乳動物は、齧歯類であることができる。齧歯類は、研究所の研究に使用される、ラット、マウス、モルモット、チンチラ及び他の類似のサイズの小さい齧歯類を含む。
調製の方法
式(III)の化合物は、当業者にとって既知の方法を使用する慣用的なペプチド合成法によって調製することができる。適した方法は、Yamada et al,J.Peptide Res.64,2004,43−50によって記載されているような溶液相合成法、又はde Visser et al,J.Peptide Res,61,2003,298−306、及びVaara et al,Antimicrob.Agents and Chemotherapy,52,2008.3229−3236によって記載されているような固相合成法によるものを含む。これらの方法は、適した保護戦略、及び環化行程のための方法を含む。
あるいは、化合物は、容易に入手可能なポリミキシンから、例えばポリミキシンのN末端アミノ酸(残基1)の除去によって調製することができる。このような方法は、ポリミキシンB及びEの残基2−10に基づく化合物の調製のために本明細書中に記載される。
本明細書中に示すように、脱アシル化ポリミキシン化合物、例えば脱アシル化ポリミキシンB及び脱アシル化ポリミキシンBノナペプチドのN末端基を、ポリミキシン化合物の側鎖中に存在するアミノ基を誘導体化することなく、誘導体化することは可能である。本明細書中に記載するように、ポリミキシン化合物中の側鎖は、N末端基を保護することなく、選択的に保護することができる。次いで、N末端基を反応させて、適当なN末端置換基を提供することができる。側鎖の保護は、その後除去することができる。
保護されたポリミキシンは、更に、アミノ酸1−3の開裂によって、対応するヘプタペプチドに開裂することもできる。この開裂の方法は、WO2012/168820、及びWO1988/00950中に記載されている。本明細書中に示すように、これは、適当な置換されたジペプチド又はトリペプチドにカップリングすることによって誘導体化して、新規なポリミキシン誘導体を提供することができる。
他の優先事項
先に記載した態様のそれぞれの及びあらゆる適合性の組合せは、それぞれの及びあらゆる組合せが、個々に、そして明確に引用されているように、本明細書中に明確に開示される。
本発明の各種の更なる側面及び態様は、本開示の観点から、当業者にとって明白であるものである。
“及び/又は”は、本明細書中で使用される場合、二つの具体的な特徴又は成分のそれぞれの、他方を伴う、又は伴わない具体的な開示と解釈されるものである。例えば、“A及び/又はB”は、(i)A、(ii)B並びに(iii)A及びBのそれぞれの、単にそれぞれが本明細書中に個々に記述されたような、具体的な開示と解釈される。
文脈が他に指示しない限り、先に記載した特徴の記載及び定義が、本発明のいずれもの特定の側面又は態様を制約するものではなく、そして記載された全ての側面及び態様に均等に適用される。技術的に適当である場合、態様は組合せることができ、そして従って、開示は、本明細書中に提供される態様の全ての順列及び組合せに拡張される。
本発明のある種の側面及び態様は、ここに、実施例及び先に記載した図に対する言及によって例示されるものである。
略語
略語 意味
PMBN ポリミキシンBノナペプチド
PMB ポリミキシンB
Thr トレオニン
Ser セリン
DSer D−セリン
Leu ロイシン
Ile イソロイシン
Phe フェニルアラニン
Dphe D−フェニルアラニン
Val バリン
Dab α,γ−ジアミノ酪酸
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
BOC−ON 1−(Boc−オキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル
EDC 1−エチル−3−(3−オクタアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
PyBOP ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ)トリピロリジノホスホニウム
HATU ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1−3,3−テトラメチルウロニウム
HOAt 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
DCM ジクロロメタン
TFA トリフルオロ酢酸
ND 決定せず
N/A 適用せず
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
PMBH ポリミキシンBヘプタペプチド(3−10)
PMBD ポリミキシンBデカペプチド
Pro プロリン
Dap α,β−ジアミノプロピオン酸
Gly グリシン
Thr トレオニン
His ヒスチジン
Phe フェニルアラニン。
以下の実施例は、単に本発明を例示するために提供され、そして本明細書中に記載されるような本発明の範囲を制約することを意図していない。
命名法−化合物は、これらが合成的に誘導された天然のポリミキシン核に基づいて命名される。
合成実施例
中間体1− ポリミキシンBノナペプチド
EDTA(1.4g)、塩化カリウム(1.1g)及びL−システイン(0.12g)の混合物を、水(475mL)及びリン酸カリウム緩衝液(pH7、25mL)中に溶解した。反応物を37℃で10分間撹拌し、次いでポリミキシンB(10.3g)を加えた。2時間37℃で撹拌した後、パパイン(3.36U/mg)を加え、そして更に18時間37℃で撹拌した。反応の進行をLC−MSによって表1に概略示した条件を使用してモニターした。粗製の物質を87mLの画分に分離し、そして10gのSCXカートリッジ(6×)を使用し、最初メタノール(100mL)で、次いでメタノール中の20%のアンモニア(水溶液、sp.g0.88)(100mL)で溶出して精製した。アンモニア画分を単離し、そして蒸発して、生成物を、ベージュ色の固体として、収率4.956g、60%、m/z 482[M+2H]2+で得た。
Figure 0006785659
中間体2− テトラ−(Boc)ポリミキシンBノナペプチド
ポリミキシンBノナペプチドのDab残基上の遊離のγ−アミノ基の選択的BOC保護を、H.O’Dowd et al,Tetrahedron Lett.,2007,48,2003−2005の方法を使用して行った。ポリミキシンBノナペプチド(中間体1、1.00g、1.0mmol)を、水(4.4mL)、ジオキサン(4.4mL)、トリエチルアミン(4.4mL)中に溶解し、そして混合物を10分間撹拌してから、1−(Boc−オキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル(Boc−ON)(0.77g;3.11mmol)を加えた。18時間撹拌した後、Boc−ONの更なる増加分(0.1g、0.4mmol)を加え、そして混合物を更に3時間撹拌した。反応の進行をLCMSによって追跡し、完結した時点で、混合物を20%のメタノール性アンモニア(50mL)の添加によってクエンチした。次いで混合物を乾燥状態まで蒸発し、そしてメタノール中に再溶解し、これをその後シリカに装填した。粗製の物質を、シリカゲル(40g)のクロマトグラフィーを使用して精製して(溶出剤、ジクロロメタン中の0−20%メタノール)、テトラ−(Boc)ポリミキシンBノナペプチドを、白色の固体(0.5g、36%)として得た。TLC、R0.2(ジクロロメタン中の10%メタノール)。m/z1362.8[MH]
中間体3− コリスチン(ポリミキシンE)ノナペプチド
コリスチン(ポリミキシンE、5g)を、固定化パパイン(185ELU/g)、リン酸カリウム緩衝液(25mM;pH7、1.25L)、塩化カリウム(30mM)、EDTA(10mM)及びシステイン(1mM)で、37℃で32時間穏やかに撹拌しながら処理して、コリスチン(ポリミキシンE)ノナペプチドを製造した。反応の進行を中間体1、表1に概略示した条件を使用して、LC−MSによってモニターした。固定化パパインを濾過によって除去し、そして濾液を真空中で濃縮して、固体の残渣を残し、これを、10%のメタノール水溶液中に再懸濁し、そして室温で一晩放置した。上清をデカントし、そして真空中で濃縮した。コリスチン(ポリミキシンE)ノナペプチドを、残渣からC18シリカ(10gm)のSPEによって、0−25%メタノール水溶液で溶出して精製した。適当な画分の蒸発により、生成物を、白色の固体として得た。m/z 465.32[M+2H]2+
中間体4− テトラ−(Boc)コリスチン(ポリミキシンE)ノナペプチド
コリスチン(ポリミキシンE)ノナペプチド(2.5g、2.69mmol)を、超音波処理を伴って水(35mL)中に懸濁した。ジオキサン(35mL)及びトリエチルアミン(35mL)を加え、そして混合物を氷中で10分間冷却してから、1−(Boc−オキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル(Boc−ON)(2.65g;10.76mmol)を加えた。反応の進行をLC−MSによって追跡し、そして10分後完結に到達し、この時点で混合物を20%のメタノール性アンモニア(25mL)の添加によってクエンチした。液相をデカントし、そして残留した固体を水中に再溶解し、そしてジクロロメタン及びイソ−ブタノールで連続して抽出した。LC−MS分析の基づき、デカントした液体並びにジクロロメタン及びイソ−ブタノール抽出物の両方を一緒にプールし、続いて真空中で濃縮して、黄色のゴム状物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(Si60A−35−70)に装填した。カラムをジクロロメタン中の0−20%メタノール(2%アンモニア含有)で溶出した。ジクロロメタン中の7−10%メタノール(2%アンモニア含有)で溶出したカラムの画分は、テトラ−(Boc)コリスチン(ポリミキシンE)ノナペプチドを、白色の固体(1.18g、33%)として与えた。m/z 1329.7[M+H]
中間体5− トリ−(Boc)ポリミキシンBヘプタペプチド
PMB硫酸塩(2g)を、水(20mL)中に溶解し、続いて1,4−ジオキサン(40mL)を加え、そして10分間室温で撹拌したままにした。反応混合物に、Boc無水物(4.42g)を固体として加え、そして反応物を室温で撹拌し、そしてHPLCによってモニターした。次いで反応混合物を1MのHClを使用して、pH6に調節し、形成した沈殿物を濾過し、そして水(50mL)及びヘプタン(50mL)で洗浄して、BocPMBを、白色の固体(2.4g、85%)として残した。この物質(1g)を1,4−ブタンジオール(112.5mL)中に溶解し、そして混合物を40℃で一晩撹拌した。溶液に、リン酸カリウム(75mL、0.125M、pH8.0)を1分かけて加え、白色の懸濁物の形成を起こした。反応物を112.5mLのブタンジオール及び75mLのリン酸カリウム(0.125M pH8.0)の添加によって希釈したが、しかし白色の乳濁液が継続した。反応物の温度を37℃に減少し、そして次いでサビナーゼ16L(250μL)を加え、そして反応物を室温で一晩撹拌した。反応が進行するに従って、白色の乳濁液が綺麗になって、より溶解性のPMBH−Bocの形成によって、透明な溶液が形成された。反応混合物を水(50ml)で希釈し、そして次いでDCM(100mL)で抽出した。DCM層を収集し、そして真空中で蒸発して、無色の油状物を得た。得られた油状物を50%メタノール(水溶液)で希釈し、そして四本の前処理済みの10gのVarian Bond Elut SCXカートリッジに装填し、そして通過画分を収集した。カートリッジを2カラム体積分の50%メタノール(水溶液)で洗浄し、そして次いでPMBH−Bocを2カラム体積分のメタノール中の20%アンモニアを使用してカラムから溶出した。得られらた溶出液を真空中で乾燥状態まで蒸発して、精製されたPMBH−Boc(610mg)を得た。m/z 1062.6[M+H]
中間体7− Thr(O−Bu)テトラ−(N−Boc)ポリミキシンBノナペプチド
工程1− (S)−2−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシ−ブチリルアミノ)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−酪酸メチルエステル
(S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシ−酪酸DHCA塩(3.65g、7.4mmol)及び(S)−2−アミノ−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−酪酸メチルエステルHCl塩(2.0g、7.4mmol)のDCM(60mL)及びDMF(120mL)の混合物中の撹拌された懸濁液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.85mL、22.1mmol)を加えた。この撹拌された混合物に、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(1.0g、7.3mmol)を、続いてN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドHCl塩(1.42g、7.4mmol)を加えた。混合物を17時間、周囲温度で撹拌し、次いで吸引下で濾過して、不溶性副産物を除去し、これを廃棄した。濾液を黄色の油状物まで濃縮し、これをEtOAc/EtO(1:1)の溶媒の混合物(250mL)及び0.5Mの塩酸(200mL)間に分配した。水相を新鮮な溶媒混合物(100mL)で再抽出し、そして混合した有機抽出物を、水(150mL)及び飽和NaHCO溶液(150mL)で連続して洗浄し、乾燥(NaSO)し、そして無色の油状物(3.72g)まで濃縮した。この油状物を100gのSepPakカートリッジのシリカゲルクロマトグラフィーによって、EtOAc/i−ヘキサン(0−70%)溶媒の勾配で溶出して精製した。生成物を含有する画分(3:7のEtOAc/i−ヘキサン中でR0.26、KMnO噴霧で可視化)をプールし、そして濃縮して、表題化合物を無色の泡状物(3.58g、6.8mmol、92%収率)として得た。m/z 524(MH、100%)。
工程2− (S)−2−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシ−ブチリルアミノ)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−酪酸
水酸化リチウム一水和物(0.861g、20.5mmol)の水(16mL)中の溶液を、(S)−2−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシ−ブチリルアミノ)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−酪酸メチルエステル(3.58g、6.8mmol)のメタノール(64mL)中の撹拌された溶液に、周囲温度で加え、そして19時間撹拌した。この溶液に、1MのHCl(24mL)を加え、ミルク状の混合物(pH1)を得て、これをDCM(3×135mL)で迅速に抽出した。混合した有機抽出物を乾燥(NaSO)し、そして濃縮して、表題化合物を無色の泡状物(3.27g、6.4mmol、94%収率)として得た。M/z 532[MNa]、1041[2M+Na]
工程3− CbzHNPMBN(OBu)(Boc)
(S)−2−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシ−ブチリルアミノ)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−酪酸(1.73g、3.39mmol)及び中間体5(3.0g、2.8mmol)をフラスコに入れ、これに、乾燥DCM(85mL)及び乾燥DMF(17mL)を撹拌しながら加えた。撹拌された溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.46mL、8.4mmol)を加え、そして5分間撹拌した後、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(1.29g、3.39mmol)を単一部分で加えた。混合物を2分間超音波処理し、次いで周囲温度で18時間撹拌したままにした。次いで反応混合物を蒸発し、そして残渣をトルエン(3×100mL)から再蒸発した。残渣を真空下で3時間乾燥して、トルエンの除去を確実にした。水(50ml)をこの物質に加え、そして混合物を、時々超音波処理を行いながら3時間急速に撹拌した。表題化合物を吸引濾過によって微細な白色の固体として収集し、そして水(2×25mL)で洗浄し、次いで真空下で15時間乾燥した(4.6g、3.0mmol、100%収率)。m/z1554[MH+]。
工程4− 表題化合物
工程3からの生成物(5.41g、3.48mmol)、ギ酸アンモニウム(6.6g、104.4mmol)及び10%Pd−C(2.0g)を、N下でフラスコに入れた。MeOH(270mL)を加え、そして混合物をN下で4.5時間撹拌した。LCMSは、生成物に対するMH及び出発物質の喪失を示した。混合物をセライトのパッドを通して吸引下で濾過し、そしてMeOH(50mL)で洗浄した。濾液及び洗液を無色の油状物まで蒸発し、これを、EtOAc/MeOH(4:1)の溶媒の混合物(250mL)及び水(250mL)間に分配した。水相を同じ新鮮な溶媒混合物(2×100mL)で更に抽出した。混合した有機抽出物を乾燥(NaSO)し、そして無色の油状物(約6g)まで蒸発した。この物質をシリカゲルのクロマトグラフィー(100gのSepPakカラム)によって、MeOH/EtOAc(0−4%)の勾配で溶出して精製した。生成物を含有する画分(95:5:1のEtOAc/MeOH/NHOH880中のR0.30、KMnO噴霧で可視化)をプールし、そして蒸発して、表題化合物を砕けやすい泡状物(4.0g、2.8mmol、81%収率)として得た。m/z 1420[MH+]。
中間体9− トリ(BOC)−ポリミキシンEヘプタペプチド
Figure 0006785659
コリスチン硫酸塩(5.0g、3.95mmol)を、アセトニトリル(50mL)及び水(25mL)中に溶解し、そして室温で10分間撹拌した。トリエチルアミン(3.2mL、23.0mmol)を加え、そして混合物を更に10分間撹拌した。その後、二炭酸ジ−tert−ブチル(5.0g、23.0mmol)を一度に加え、そして混合物を16時間撹拌した。次いでサビナーゼ(15mL)を、続いて4Mの水酸化ナトリウム溶液(0.5mL)を加え、そして反応混合物を室温で5日間撹拌した。混合物を酢酸エチル及び水で希釈した。層の分離後、有機相を0.1Mの水酸化ナトリウム溶液(×2)で、次いで水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧で蒸発した。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって、酢酸エチル中の0−100%の(80:20:2のEtOAc:MeOH:880NH)で溶出して精製して、表題化合物(2.28g、56%)を得た。m/z 1028、[MH]
中間体10− Thr(O−Bu)テトラ(N−Boc)−ポリミキシンEノナペプチド
表題化合物を、(S)−2−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシ−ブチリルアミノ)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−酪酸及び中間体9から、中間体7の工程3及び4のための方法によって調製した。m/z 1385、[MH]
中間体11− テトラ(N−Boc)−L−Thr(O−Bu)−L−Dap−ポリミキシンBヘプタペプチド
表題化合物を、(S)−2−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシ−ブチリルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸及び中間体5から、中間体7の工程3及び4のための方法によって調製した。m/z 1405、[MH]
中間体12− テトラ(N−Boc)−L−Ser(O−Bu)−L−Dap−ポリミキシンBヘプタペプチド
表題化合物を、(S)−2−((S)−2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(tert−ブトキシ)プロパンアミド)−((3−tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピオン酸及び中間体5から、中間体7の工程3及び4のための方法によって調製した。m/z 1391、[MH]
中間体13− テトラ(N−Boc)−L−Thr(O−Bu)−D−Ser−ポリミキシンBヘプタペプチド
表題化合物を、N−(N−((ベンジルオキシ)カルボニル)−O−(tert−ブチル)−L−トレオニル)−O−(tert−ブチル)−D−セリン及び中間体5から、中間体7の工程3及び4のための方法によって調製した。m/z 1362、[MH]
中間体14− テトラ−(N−Boc)−L−Thr(O−Bu)−L−Dap−ポリミキシンEヘプタペプチド
表題化合物を、(S)−2−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシ−ブチリルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸及び中間体9から、中間体7の工程3及び4のための方法によって調製した。m/z 1372、[MH]
中間体15− テトラ−(N−Boc)−L−Thr(O−Bu)−L−Dap−ポリミキシンBヘプタペプチド
表題化合物を、(R)−2−((S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−tert−ブトキシ−ブチリルアミノ)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸及び中間体5から、中間体7の工程3及び4のための方法によって調製した。m/z 1406、[MH]
中間体16− (S)−4−(Boc)アミノ−2−ヒドロキシブタノイルThr(O−Bu)テトラ−(N−Boc)ポリミキシンBノナペプチド[Thr−10(O−トリエチルシリル)]
工程1
中間体7(Thr(O−Bu)テトラ−(N−Boc)ポリミキシンBノナペプチド)(250mg、0.18mmol)を、窒素雰囲気下で、ジクロロメタン(2mL)中に溶解し、2,6−ルチジン(1mL)で処理し、そして0℃に冷却した。溶液をトリフルオロメタンスルホン酸(トリエチルシリル)(0.26mL、3.3当量)で滴下により処理し、次いで一晩で室温まで温まらせた。溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液(10mL)でクエンチし、そして生成物をジエチルエーテル(2×20mL)中に抽出した。有機抽出物を混合し、無水の硫酸マグネシウムで乾燥し、そして減圧下で蒸発した。残渣をシリカのクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン中の0−20%の(メタノール中の10%アンモニウム)で溶出した。生成物を含有する画分を混合し、そして白色の固体(117mg、43%)まで蒸発した。400MHz H nmr(CDCl)(特に)0.46(6H,q,SiCH),0.80−0.88(12H,m,incl t,SiCHCH),1.12(9H,s,OBu),1.34−1,40(36H,m,BOC)。
工程2
工程1からのトリエチルシリルで保護されたノナペプチド(117mg)を、(S)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−ヒドロキシブタン酸(33mg)と、カップリング法2Aの工程1のために記載する条件下で反応させて、表題化合物(95mg、71%)を得た。400 MHz H nmr(CDCl)(特に)0.48(6H,q,SiCH),0.80−0.88(12H,m,incl t,SiCHCH),1.22(9H,s,OBu),1.36−1,42(36H,m,BOC)。
方法1− ノナペプチドアミド誘導体の調製の一般的方法
工程1. 対応するカルボン酸(ポリミキシン基質に対して5当量)を、ジクロロメタン(2mL/mmol)中に溶解した。次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.0当量)及びヘキサフルオロリン酸2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HATU)(5.0当量)を反応混合物に加えた。室温で30分間撹拌した後、中間体2又は中間体4の化合物(1.0当量)を加えた。16時間後、反応の完結をLC−MSによって確認し、そして反応混合物を乾燥状態まで蒸発し、そしてシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶出剤、ジクロロメタン中の0−10%メタノール)を使用して精製した。適当な画分を濃縮して、生成物を無色の油状物(典型的な収率58%)として残した。
工程2− 工程1からの生成物を、ジクロロメタン(20mL/mmol)中に溶解した。トリフルオロ酢酸(60当量)を加え、そして混合物を室温で16時間撹拌し、その時間後、LC−MSは、反応の完結を確認した。反応混合物を真空中で濃縮して、トリフルオロ酢酸塩を無色の油状物として残した。これに、水(10mL/mmol)を加え、そして混合物を5分間超音波処理した。得られた懸濁液に、混合物がpH9に達するまで1MのNaHCOを加えた。次いで混合物を10gのC18SのPEカラムを通して通過させ、0、40、50、60、70、80及び100%メタノール水溶液で連続して溶出した。生成物を含有する画分をプールし、そして蒸発した。残渣を水中に懸濁し、そしてpH7に達するまで0.1MのHSOを加えた。溶液を一晩凍結乾燥して、硫酸塩を白色の固体として得た。化合物の純度は、表2に概略示した条件を使用してHPLCによって評価した。
Figure 0006785659
方法2− ノナペプチドアミドの調製の一般的方法
工程1− BOC保護されたノナペプチドを、方法1の条件を使用して調製した。反応の(if)完結後、粗製の反応混合物をシリカに吸着させ、そしてシリカのカートリッジを、ジクロロメタン中の0−20%メタノールで溶出するクロマトグラフィーにかけた。生成物を含有する画分を混合し、そして白色の泡状物まで蒸発した。このようにして得られた生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって再精製して、生成物を白色の泡状物として得た。
工程2− 工程2からの精製された生成物を、ジクロロメタン(2mL)中に溶解し、TFA(1mL)で処理し、そして混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発し、そして残渣をトルエンと共沸して、白色の固体を残した。これを水(10mL)中に溶解し、そしてジクロロメタン(5mL)で洗浄した。水相を低体積まで蒸発し、そして一晩凍結乾燥して、生成物のTFA塩を白色の固体として得た。
方法2A− ノナペプチドアミドの調製の更なる一般的方法
工程1− 保護されたポリミキシン基質(0.07mmol)をジクロロメタン(4mL)中に溶解し、そして対応するカルボン酸(ポリミキシン基質に対して1.5当量)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.0当量)で、続いてHATU(2.0当量)で処理した。16時間後、反応の完結をLC−MSによって確認し、そして反応混合物を乾燥状態まで蒸発した。水(約10mL)を加え、そして混合物を摩砕し、次いで1時間激しく撹拌した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、そして真空中で一晩乾燥した。
工程2− 工程1からのBoc保護された誘導体を、ジクロロメタン(3mL)中に溶解し、そしてTFA(1mL)で処理した。反応混合物を、LCMSが完全な脱保護を確認するまで室温で撹拌した。溶媒を蒸発し、そして残渣を分離用HPLCによって、方法3、工程6の条件を使用してクロマトグラフィーにかけた。生成物を含有する画分を混合し、低体積まで蒸発し、そして凍結乾燥して、生成物をTFA塩として得た。
方法3− ポリミキシンBヘプタペプチドのジペプチドアミド誘導体の調製の一般的方法
工程1− カルボン酸のアミノ酸1のメチルエステルへのカップリング
適当なカルボン酸(1.1当量)、適当な(N−Boc又はOBu)アミノ酸メチルエステル塩酸塩(1当量)、EDC塩酸塩(1.1当量)及びHOAt(1.1当量)をフラスコに入れた。DCM(アミノ酸メチルエステルに対して8mL/mmol)を加え、そして窒素下で撹拌された混合物に、DIPEA(3当量)を加えて、黄色の溶液を得た。溶液を18時間撹拌し、等体積のDCMで希釈し、そして溶液を水(アミノ酸に関して16mL/mmol)及び炭酸水素ナトリウム溶液(16mL/mmol)で連続して洗浄した。溶液を乾燥(NaSO)し、そして残渣まで蒸発した。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(EtOAc/イソ−ヘキサンによる勾配溶出)によって精製した。関連する画分をプールし、そして蒸発して、所望のメチルエステル生成物(m/z[M+H]はLCMSスペクトル中で検出可能)を得た。ラセミ酸が使用された場合、生成物は、ジアステレオ異性体の混合物として得られる。
工程2− 工程1からのメチルエステル生成物の加水分解
工程1からの生成物(1当量)のメタノール(メチルエステルに対して5mL/mmol)中の撹拌された溶液に、水酸化リチウム一水和物(3当量)の水(0.5mL/試薬のmmol)の溶液を加えた。得られた溶液を周囲温度で24時間撹拌し、次いで水(メチルエステルに対して25mL/mmol)中に注いだ。この溶液を1Mの塩酸(3当量)の添加によってpH1に調節し、そして混合物をDCM(3×)で抽出した。混合した有機抽出物を乾燥(NaSO)し、そして蒸発して、所望のカルボン酸(m/z[M+H]はLCMSスペクトル中で検出可能)を得た。ラセミ酸が工程1で使用された場合、生成物は、ジアステレオ異性体の混合物として得られる。
工程3− 工程2からのカルボン酸生成物の、アミノ酸2のメチルエステルとのカップリング
この工程は、工程2からのカルボン酸及び適当な(N−Boc又はOBu)アミノ酸メチルエステル塩酸塩を使用して、工程1に記載したものと同じ様式で行われた。メチルエステル生成物(m/z[M+H]はLCMSスペクトル中で検出可能)を工程1に記載したように単離した。ラセミ酸が工程1で使用された場合、生成物は、ジアステレオ異性体の混合物として得られる。
工程4− 工程3からのメチルエステル生成物の加水分解
この工程は、工程3からのメチルエステルを使用して、工程2に記載されたものと同じ様式で行われた。カルボン酸生成物(m/z[M+H]はLCMSスペクトル中で検出可能)を、ジアステレオ異性体の混合物として単離した。
工程5− 工程4からのカルボン酸生成物の、トリ−(Boc)ポリミキシンBヘプタペプチド(中間体5)とのカップリング
PyBoP(2当量)を、工程4からのカルボン酸(2当量)の、乾燥DCM(酸に対して15mL/mmol)中の撹拌された溶液に加えた。次いでDIPEA(2当量)を加え、そして溶液を30分間撹拌した。次いでこの溶液に中間体5(1当量)の乾燥DCM(酸に対して12mL/mmol)及び乾燥DMF(酸に対して1.5mL/mmol)中の溶液を加え、そして全体の混合物を16時間撹拌した。次いで混合物を濃厚な油状物まで蒸発し、これをEtOAc及び水間に分配した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で、次いで食塩水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、そして泡状物まで蒸発した。この物質をシリカゲルのクロマトグラフィー(MeOH/EtOAcによる勾配溶出)によって精製して、ポリペプチド生成物(m/z[M+H]はLCMSスペクトル中で検出可能)を得た。ラセミ酸が工程1で使用された場合、生成物は、ジアステレオ異性体の混合物として得られる。
工程6− 工程5からのポリミキシンBヘプタペプチド生成物の脱保護
TFA(ポリペプチドに対して30mL/mmol)を、工程5からのポリペプチドのDCM(60mL/mmol)中の撹拌された溶液に加えた。溶液を3.5時間撹拌し、次いで蒸発し、そして真空下で1時間乾燥した。残渣をHPLC(以下の条件)によって精製し、そして凍結乾燥して、生成物のTFA塩を、白色の固体として得た。ラセミ酸が工程1で使用された場合、生成物は、ジアステレオ異性体の混合物として得られる。(例えば、表4を参照されたい)。
Figure 0006785659
方法3A
カップリングを、工程3におけるCBZで保護されたアミノ酸を使用して、方法3に記載したように行った。更なるCBZ脱保護工程(工程5A)が、工程6の前に含まれていた。
工程5A− CBZ脱保護:
工程5からの保護された中間体(0.0573mmol)及び10%Pd/Cペースト(10mg)の、エタノール(4mL)中の混合物を、18時間、水素の雰囲気下で撹拌した。更なる10%Pd/Cペースト(10mg)を加え、そして撹拌を更に24時間続けた。反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、そして濾過ケーキをエタノール(2×)で洗浄した。混合した有機物を蒸発して、粗製の油状物を得た。これを、逆相分離用クロマトグラフィーによって、方法3工程6の条件を使用して精製して、所望の生成物を無色のガラス状物(20%)として得た。(m/z[M+H]はLCMSスペクトル中で検出可能)。
方法3B
方法3Bは、方法3Aの工程1−2からなり、BOC保護されたPMBN(中間体2)のカップリングがそれに続いて、保護されたデカペプチドが得られる。方法3Aに続く脱保護、CBZ脱保護のための工程5A及びBoc脱保護のための工程6は、所望の化合物を与えた。
酢酸塩の一般的調製
TFA塩(50mg)を、水中に溶解し、そして1MのNaHCOでpH9にした。次いで混合物を1gのC18SPEカラムを通過させ、水(20mL)で、続いて80%メタノール/水によって溶出した。生成物を含有する画分をプールし、0.1Mの酢酸(10当量)で処理した。溶液を減圧下で濃縮し、次いで一晩凍結乾燥して、酢酸塩を白色の固体として得た。化合物の純度は、HPLCによって、表2に概略示したような条件を使用して評価した。
酢酸塩の別の調製
TFA塩(200mg)を、水(0.5mg)中に溶解し、そしてAG1−X2樹脂(BioRad)(1g、酢酸塩型、水中の10%酢酸で、続いて水中の1%酢酸で予備洗浄)のカラムに適用した。カラムを水(8mL)で溶出し、そして溶出物を減圧下で濃縮し、次いで一晩凍結乾燥して、酢酸塩を、白色の固体(14mg)として得た。化合物の純度を、H NMR及びHPLCによって、表2に概略記載した条件を使用して評価した。
カルボン酸の合成
ポリミキシン誘導体の構築のために使用されるカルボン酸を、商業的供給源経由で、又は当業者にとって既知の方法を使用して調製するかのいずれかにより確保した。以下のカルボン酸の実験の詳細は、本発明の化合物の合成において使用される類似の酸の中間体の合成のための代表的な例として役立つ。
Trans−1−tert−ブトキシカルボニル−5−オクチル−ピペリジン−3−カルボン酸(相対立体化学)
Figure 0006785659
(i)− 5−オクタ−1−イニルピリジン−3−カルボン酸エチル
5−ブロモニコチン酸エチル(1.15g、5.0mmol)の酢酸エチル(20ml)中の窒素下の溶液に、トリエチルアミン(1.1mL、7.5mmol)、1−オクチン(1.1mL、7.5mmol)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(176mg、0.25mmol)及びヨウ化銅(10mg、0.05mmol)を加えた。反応混合物を50℃で16時間撹拌し、次いで吸引下でセライトを通して濾過し、そして酢酸エチルで完全に洗浄した。濾液を減圧下で蒸発した。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって、イソ−ヘキサン中の0−50%酢酸エチルで溶出して精製して、表題化合物(1.20g、93%)を得た。m/z 260(MH+)、C16H21NO2の正確な質量は259.157。
(ii)− 5−オクチルピペリジン−3−カルボン酸エチル
5−オクタ−1−イニルピリジン−3−カルボン酸エチル(1.20g、4.60mmol)の酢酸(100mL)中の溶液に、酸化白金(100mg)を加えた。反応混合物を16時間水素化し、次いで吸引下でセライトを通して濾過し、そして酢酸エチルで完全に洗浄した。濾液を減圧で蒸発し、そして次いで残渣を酢酸エチル及び水間に分配した。水層のpHを.880アンモニアの添加によってpH10に調節した。層の分離後、水相を酢酸エチルで再抽出し、そして次いで混合した有機層を疎水性フリットを通過させた。溶媒を減圧で蒸発し、そして残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって、酢酸エチル中の0−100%の(80:20:2の酢酸エチル:メタノール:.880アンモニア)で溶出して精製して、5−オクチルピペリジン−3−カルボン酸エチル(876mg、71%)を得た。m/z 270(MH+)、C16H31NO2の正確な質量は269.235。
(iii)− Cis−5−オクチルピペリジン−1,3−ジカルボン酸O1−tert−ブチルO3−エチル及びtrans−5−オクチルピペリジン−1,3−ジカルボン酸O1−tert−ブチルO3−エチル(相対立体化学)
Figure 0006785659
5−オクチルピペリジン−3−カルボン酸エチル(870mg、3.20mmol)のジクロロメタン(50mL)中の溶液に、トリエチルアミン(680μL、4.8mmol)を、続いて二炭酸ジ−tert−ブチル(1.06g、4.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、そして次いで減圧で濃縮した。残渣をジエチルエーテル中に溶解し、そして塩化アンモニウム溶液で洗浄した。層の分離後、水相をジエチルエーテルで再抽出した。混合した有機相を乾燥(MgSO)し、濾過し、そして減圧で濃縮した。生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって、イソ−ヘキサン中の0−30%のジエチルエーテルで溶出して精製した。溶出した最初の生成物(470mg、40%)にcis立体化学を割当てた{Syn Comm,2008,38,2799中のシクロヘキシル類似体と比較して}。m/z 314(M−tBu)+。カラムの更なる溶出は、trans誘導体(333mg、28%)を与えた。m/z 314(M−tBu)+。
(iv)− Trans−1−tert−ブトキシカルボニル−5−オクチル−ピペリジン−3−カルボン酸(相対立体化学)
Trans−5−オクチルピペリジン−1,3−ジカルボン酸O1−tert−ブチルO3−エチル(330mg、0.89mmol)のジオキサン(5mL)及び水(2mL)中の溶液に、水酸化リチウム一水和物(76mg、1.80mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、そして次いで更なる量の水酸化リチウム一水和物(100mg)で2日間処理した。反応混合物を減圧で濃縮し、そして残渣を酢酸エチル及び水間に分配した。水相を1Mの塩酸の添加によって酸性化し、そして生成物を酢酸エチル中に抽出した。有機相を疎水性フリットを通過させ、そして溶媒を減圧で蒸発して、表題化合物(275mg、91%)を得た。m/z 342(MH+)、C19H35NO4の正確な質量は341.257。
2−(2−Tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−ウンデカン酸
Figure 0006785659
(i)− 2−シアノメチル−ウンデカン酸
THF(30mL)を、n−ブチルリチウム(ヘキサン中の2.5M、9.4mL、23.5mmol)の−78℃の撹拌された溶液に加えた。この溶液に、ジエチルアミン(0.5mL、4.8mmol)を2分かけて加えた。溶液を0℃に15分間で温め、次いで−78℃に再冷却した。ウンデカン酸(2.0g、10.7mmol)のTHF20ml)中の溶液を20分かけて加えた。得られた混合物を0℃に30分で温めて、溶液を得た。溶液を−78℃に再冷却し、そして次いでこの撹拌された混合物に、ブロモアセトニトリル(0.75mL、10.7mmol)のTHF(10mL)中の溶液を25分かけて加えた。混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで周囲温度に温め、そして21時間撹拌したままにした。この時間後、混合物を水(250mL)のゆっくりした添加でクエンチして、pH14を持つ混合物を得た。混合物をジエチルエーテル(2×150mL)で、乳化を最小にするために少量の食塩水を加えながら抽出した。これらの抽出物を廃棄した。抽出からの水相を濃塩酸(概略1.5mL)でpH1に酸性化し、そして酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。抽出中に形成した乳液をセライトを通す濾過によって綺麗にした。有機抽出物を乾燥(MgSO)し、そして真空中で褐色の油状物まで蒸発した。油状物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、アセトン/トルエンの勾配で溶出して精製して、表題生成物をオフホワイト色の固体(0.36g、1.6mmol、15%)、m/z 226(MH)として得た。C1323NOの正確な質量は225.17。
(ii)− 2−(2−Tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−ウンデカン酸
塩化ニッケル六水和物(609mg、2.6mmol)を、2−シアノメチル−ウンデカン酸(577mg、2.6mmol)のメタノール(50mL)中の周囲温度の撹拌された溶液に加えて、溶液を得た。N下の氷浴で冷却されたこの溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(688mg、18.2mmol)を10分かけて分割して加えた。黒色の混合物を周囲温度で16時間撹拌し、次いで吸引下でセライトを通して濾過し、そしてメタノール(2×15mL)で完全に洗浄した。濾液及び洗液を白色の固体(2.6g)まで蒸発し、これを10分間ジクロロメタン/メタノール(3:1)(25mL)の混合物と共に撹拌し、そして再び濾過した。濾液を蒸発して、白色の固体を得て、これを真空下で1時間乾燥した(1.89g)。この固体をメタノール(30mL)中に再溶解し、そして撹拌された溶液に、トリエチルアミン(0.67mL、4.8mmol)を、そして次いで二炭酸ジ−tert−ブチル(590mg、2.7mmol)のメタノール(5mL)中の溶液を加え、そして全体の混合物を16時間撹拌した。この時間後、混合物を蒸発し、そして残渣を水(40ml)中に再溶解して、pH11を持つ溶液を得た。溶液をジエチルエーテル(30ml)で抽出し、そして抽出物を廃棄した。水相を1Mの塩酸(概略9.5mL)の添加によってpH4に酸性化し、そして酢酸エチル(2×30mL)及びジクロロメタン(30ml)で抽出した。混合した抽出物を乾燥(NaSO)し、そして油状物まで蒸発した。この物質をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ジエチルエーテル/イソ−ヘキサンの勾配で溶出して精製して、表題化合物を、無色の油状物(309mg、0.94mmol、36%)、m/z 330(MH)として得た。C1835NOの正確な質量は329.26。
(S)−4−オクチル−ピペラジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル
Figure 0006785659
オクタノール(0.68mL、4.3mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)中の溶液を、(S)−ピペラジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(1.0g、4.3mmol)のテトラヒドロフラン(115mL)中の撹拌された溶液に加えた。酢酸(0.9mL、15.8mmol)を溶液に加えた。反応混合物を30分間撹拌した後、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(1.37g、6.5mmol)を5分かけて分割して加え、そして混合物を18時間撹拌した。次いで混合物をセライトを通して濾過し、そして濾液を油状物(1.47g)まで蒸発した。油状物をジエチルエーテル(20mL)と共に撹拌し、そして不溶性の固体を濾過して除去し、そしてシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、メタノール/酢酸エチルの勾配で溶出して精製して、表題化合物を白色の固体(287mg、0.84mmol、19%)、m/z 343(MH)として得た。C1834の正確な質量は342.25。
ラセミのtrans4−オクチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル
Figure 0006785659
(i)− ラセミのtrans1−ベンジル−4−オクチル−ピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル
ベンジル−メトキシメチル−トリメチルシラニルメチル−アミン(0.53mL、2.1mmol)を、(E)−ウンデカ−2−エン酸エチルエステル(合成のためにJ.Org.Chem.,2007,72(17),6628−30を参照されたい)(400mg、1.9mmol)の乾燥トルエン(4mL)中のN下の撹拌された溶液に加えた。この撹拌された溶液に、トリフルオロ酢酸(70μL、0.95mmol)を加え、そして撹拌された溶液を50℃で17時間N下で加熱した。この時間後、反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和溶液(50mL)に注ぎ、そして酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。混合した抽出物を乾燥(NaSO)し、そしてオレンジ色の油状物まで蒸発した。油状物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ジエチルエーテル/イソ−ヘキサンの勾配で溶出して精製して、表題化合物を、無色の油状物(300mg、0.87mmol、46%)、m/z 346(MH)として得た。C2235NOの正確な質量は345.27。
(ii)− ラセミのtrans4−オクチル−ピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル
エタノール(4.9mL)及びギ酸(2.1mL)中のラセミのtrans1−ベンジル−4−オクチル−ピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル(330mg、1.0mmol)中の30%Pd/C(330mg)の懸濁液を、N下で22時間周囲温度で撹拌した。この時間後、混合物をセライトを通して濾過し、そして濾液を残渣まで蒸発した。これを酢酸エチル(20mL)中に再溶解し、そして炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(20mL)で洗浄した。後者を酢酸エチル(2×20mL)で再抽出し、そして混合した抽出物を乾燥(NaSO)し、そして蒸発して、表題化合物を、無色の油状物(174mg、0.68mmol、68%)、m/z 256(MH)として得た。C1529NOの正確な質量は255.22。
(iii)− ラセミのtrans4−オクチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−エチルエステル
トリエチルアミン(114μL、0.82mmol)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(178mg、0.82mmol)のジクロロメタン(2mL)中の溶液を、ラセミのtrans4−オクチル−ピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル(174mg、0.68mmol)のジクロロメタン(8mL)中の撹拌された溶液に連続して加えた。溶液を20時間撹拌した後、これをジエチルエーテル(20mL)で希釈し、そして溶液を塩化アンモニウムの飽和溶液(30mL)で洗浄した。後者をジエチルエーテル(20ml)で再抽出し、そして混合した抽出物を乾燥(NaSO)し、そして無色の油状物まで蒸発した。油状物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、酢酸エチル/イソ−ヘキサンの勾配で溶出して精製して、表題化合物を、油状物(196mg、0.55mmol、81%)、m/z 356(MH)として得た。C2037NOの正確な質量は355.27。
(iv)− ラセミのtrans4−オクチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル
水酸化リチウム一水和物(81mg、1.9mmol)の水(1.5mL)中の溶液を、ラセミのtrans4−オクチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−エチルエステル(228mg、0.64mmol)のメタノール(6mL)中の周囲温度の撹拌された溶液に加えた。溶液を17時間撹拌し、次いで水(20mL)で希釈し、そして1Mの塩酸(1.85mL)でpH2に調節した。得られた乳白色の混合物を酢酸エチル(3×15mL)で抽出し、そして混合した抽出物を乾燥(NaSO)し、そして蒸発して、表題化合物を、無色の油状物(193mg、0.59mmol、92%)、m/z 328(MH)として得た。C1833NOは、327.24を必要とする。
Tert−ブトキシカルボニル−3−アミノメチルウンデカン酸
Figure 0006785659
(i)− 3−ニトロメチルウンデカン酸エチルエステル
(E)−ウンデカ−2−エン酸エチルエステル(1.46g、6.8mmol)のアセトニトリル(5.84mL)中の溶液に、ニトロメタン(1.86mL、34.3mmol)及びDBU(1.05mL、7.0mmol)を室温で加えた。反応混合物を65℃で4時間加熱し、冷却し、そして濃縮した。残渣を酢酸エチル(20mL)及び水(20mL)間に分配した。水層を酢酸エチル(20mL)で2回抽出した。混合した有機抽出物を0.1MのHCl(30mL)、水(30mL)及び食塩水(30mL)で更に洗浄した。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗製の物質を自動化フラッシュカラムクロマトグラフィーによって、ヘキサン中の0−80%酢酸エチルで溶出して精製した。画分を単離し、そして濃縮して、無色の油状物を残した。収率0.48g、26%。H NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.82(t,3H,CH),1.25(m,16H,CH),1.42(m,3H,CH),2.42(m,2H,CH),2.62(m,1H,CH),4.19(m,2H,CH),4.46(m,2H,CH)。
(ii)− 3−アミノメチルウンデカン酸エチルエステル
3−ニトロメチルウンデカン酸エチルエステル(200mg、0.73mmol)の酢酸(5mL)中の溶液に、室温でTHF(10.52mL)、水(2.1mL)、濃HCl(820uL)を、そしてZn末(600mg、9.2mmol)を分割して加えた。反応混合物を2.5時間激しく撹拌した。次いで懸濁液を濾過し、そして濾液を真空中で濃縮した。残渣をDCM(20mL)で希釈し、水(20mL)で洗浄した。有機層を単離し、そして硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濾液を真空中で濃縮して、酢酸塩を残した。収率150mg、88%。m/z 244.2(MH)。C14H29NO2は、243.22を必要とする。
(iii)− Tert−ブトキシカルボニル−3−アミノメチルウンデカン酸エチルエステル
3−アミノメチルウンデカン酸エチルエステル(150mg、0.6mmol)のTHF(20mL)中の溶液に、トリエチルアミン(170μL、1.2mnmol)を加えた。10分後、二炭酸ジ−tert−ブチル(147mg、0.67mmol)を加え、そして反応混合物を6時間室温で撹拌した。反応混合物を乾燥状態まで蒸発した;粗製の物質を水(20mL)中に再溶解し、そしてDCM(20mL)で抽出した。有機層を単離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮した。粗製の物質を自動化フラッシュカラムクロマトグラフィーによって、ヘキサン中の0−80%酢酸エチルで溶出して精製した。画分を単離し、そして蒸発して、無色の油状物を残した。収率70mg、33%。m/z(MH)。C19H37NO4は、343.27を必要とする。
(iv)− Tert−ブトキシカルボニル−3−アミノメチルウンデカン酸
Tert−ブトキシカルボニル−3−アミノメチルウンデカン酸エチルエステル(70mg、0.2mmol)を、THF(600μL)中に溶解した。溶液に、1MのNaOH(4mL)を加え、そして反応物を室温で16時間撹拌した。次いで反応混合物を濃縮し、水(20mL)中に再溶解し、そしてDCM(20mL)で抽出した。水層を単離し、1MのHClを使用してpH1に酸性化し、そしてDCM(20mL)で抽出した。有機層を単離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥状態まで濃縮して、黄色の油状物を残した。収率40mg、63%。m/z 316.63(MH)。C17H33NO4は、315.24を必要とする。
(S)−4−イソブチル−ピペラジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル
Figure 0006785659
表題化合物を、イソ−ブチルアルデヒド及び(S)−ピペラジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステルから、S)−4−オクチル−ピペラジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステルのために記載した方法を使用して、43%の収率で調製した。m/z 287(MH)、C1426は、286.19を必要とする。
ラセミのtrans−4−イソブチル−ピロリジン−1,3−カルボン酸1−tert−ブチルエステル
Figure 0006785659
表題化合物を、(E)−5−メチル−ヘキサ−2−エン酸エチルエステル(調製のためにSynthesis 2009,15,2634−45を参照されたい)から、ラセミのtrans4−オクチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステルのために記載したものと類似の反応の順序によって調製した。
表題化合物に対して、m/z 272(MH)、C1425NOは、271.18を必要とする。
1−Tert−ブトキシカルボニル−4−オクチル−ピペリジン−3−カルボン酸
Figure 0006785659
(i)− 4−オクタ−1−イニル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1,5−ジカルボン酸1−tert−ブチル5−エチル
Figure 0006785659
4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1,5−ジカルボン酸1−tert−ブチル5−エチル(US2011/0190278)(620mg、1.53mmol)の酢酸エチル(15mL)中の溶液に、1−オクチン(340μL、2.31mmol)、トリエチルアミン(320μL、2.30mmol)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(54mg、0.077mmol)及びヨウ化銅(3mg、0.015mmol)を加えた。反応混合物を50℃で4時間撹拌し、次いで吸引下でセライトを通して濾過し、そして酢酸エチルで完全に洗浄した。濾液を減圧で蒸発した。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって、イソ−ヘキサン中の0−30%酢酸エチルで溶出して精製して、表題化合物(364mg、66%)を得た。m/z 364(MH+)、C21H33NO4の正確な質量は363.241。
(ii)− 4−オクチルピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチル3−エチル
Figure 0006785659
4−オクタ−1−イニル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1,5−ジカルボン酸1−tert−ブチル5−エチル(360mg、0.99mmol)の酢酸(25mL)中の溶液に、酸化白金(40mg)を加えた。反応混合物を16時間水素化し、そして次いで、更なる量の酸化白金(50mg)を加え、そして更に4時間水素化した。次いで反応混合物を吸引下でセライトを通して濾過し、そして酢酸エチルで完全に洗浄した。濾液を減圧で蒸発し、そして次いで、残渣を酢酸エチル及び水間に分配した。水層のpHを880アンモニアの添加によってpH10に調節した。層の分離後、水層を酢酸エチルで再抽出し、そして次いで混合した有機層を疎水性フリットを通過させた。溶媒を減圧で蒸発し、そして残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって、イソ−ヘキサン中の0−30%酢酸エチルで溶出して精製して、表題化合物{相対立体化学、cisと推定}(133mg、36%)を得た。m/z 370(MH+)、C21H39NO4の正確な質量は369.288。
(iii)1−Tert−ブトキシカルボニル−4−オクチル−ピペリジン−3−カルボン酸
4−オクチルピペリジン−1,3−ジカルボン酸O1−tert−ブチルO3−エチル(110mg、0.30mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)及びメタノール(2mL)中の溶液に、2Mの水酸化ナトリウム溶液(2mL)を加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌し、そして次いで、減圧で濃縮した。残渣を酢酸エチル及び水間に分配し、そしてpHを1Mの塩酸の添加によって2に調節した。層の分離後、有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、表題化合物(102mg、100%)を得た。m/z 342(MH+)、C19H35NO4の正確な質量は341.257。
ラセミのtrans−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−イソブチルピペリジン−3−カルボン酸
Figure 0006785659
(i)− 5−イソブチル−ニコチン酸エチルエステル
塩化イソブチルマグネシウム(THF中の2Mの溶液)(9.25mL、18.52mmol)を、臭化亜鉛(4.17g、18.52mmol)のTHF(30mL)中の0℃のN下の溶液に、滴下により加え、そして得られた懸濁液を30分間撹拌した。混合物を−78℃に冷却し、そしてジクロロメタンと複合体を形成した[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(252mg、0.309mmol)を、続いて5−ブロモ−ニコチン酸エチルエステル(1.42g、6.17mmol)のTHF(5mL)中の溶液を加えた。5分後、反応物を室温まで温まらせ、
そして撹拌を3時間続けた。反応混合物を水及び酢酸エチルで希釈し、そして相を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し、そして混合した有機層を乾燥(MgSO)し、そして溶媒を蒸発して、粗製の油状物を得た。これを、Biotage SP4の50gのSNAPカートリッジによって、0ないし50%EtOAc/i−ヘキサンで溶出して精製して、5−イソブチル−ニコチン酸イソブチルエステル(365mg)を、続いて5−イソブチル−ニコチン酸エチルエステル(576mg)を得た。
5−イソブチル−ニコチン酸イソブチルエステル:H NMR(CDCl)9.10(1H,s),8.60(1H,s),8.10(1H,s),4.15(2H,d),2.55(2H,d),2.10(1H,sept),1.95(1H,sept),1.05(6H,d),0.95(6H,d)。
5−イソブチル−ニコチン酸エチルエステル:H NMR(CDCl)9.05(1H,s),8.55(1H,s),8.10(1H,s),4.45(2H,q),2.55(2H,d),1.90(1H,sept),1.45(3H,t),0.95(6H,d)。
(ii)− ラセミのtrans−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−イソブチルピペリジン−3−カルボン酸
表題化合物を、5−イソブチル−ニコチン酸エチルエステルから、trans−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−オクチル3−カルボン酸のために記載したものと同じ条件下で調製した。m/z(ES)284(M−H)。C15H27NO4は:285.19を必要とする。
化合物のtrans幾何配置は、表題化合物の脱保護された形態のNMR分析から確認した。
1−tert−ブトキシカルボニル−5−イソブトキシ−ピペリジン−3−カルボン酸
Figure 0006785659
(i)− 5−イソブトキシピリジン−3−カルボン酸メチル
5−ヒドロキシニコチン酸メチル(1.5g、9.80mmol)のジメチルホルムアミド(20ml)中の溶液に、炭酸カリウム(2.7g、19.6mmol)及び1−ブロモ−2−メチルプロパン(1.2mL、11.0mmol)を加えた。反応混合物を80℃で5時間撹拌し、そして次いで、室温まで冷却させた。混合物を減圧で濃縮し、そして残渣を酢酸エチル及び水間に分配した。層の分離後、水相を酢酸エチルで再抽出した。混合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧で蒸発した。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって、イソ−ヘキサン中の0−100%酢酸エチルで溶出して試製して、表題化合物(1.29g、63%)を得た。m/z 210(MH+)、C1115NOの正確な質量は209.105。
(ii)− 5−イソブトキシピペリジン−3−カルボン酸メチル
5−イソブトキシピリジン−3−カルボン酸メチル(1.5g、7.18mmol)の酢酸(50mL)中の溶液に、酸化白金(100mg)を加えた。反応混合物を3日間水素化し、そして次いで、更なる量の酸化白金(50mg)を加え、そして混合物を更に5時間水素化した。次いで反応混合物を吸引下でセライトを通して濾過し、そして酢酸エチルで完全に洗浄した。濾液を減圧で蒸発し、そして次いで、残渣を酢酸エチル及び水間に分配した。水層のpHを.880のアンモニアの添加によってpH10に調節した。層の分離後、水相を酢酸エチルで再抽出し、そして次いで、混合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして次いで濾過した。溶媒を減圧で蒸発して、粗製の表題化合物(961mg)を得た。m/z 216(MH+)、C1121NOの正確な質量は215.152。
(iii)− 5−イソブトキシピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル
5−イソブトキシピペリジン−3−カルボン酸メチル(960mg、4.49mmol)のジクロロメタン(50mL)中の溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(1.1g、5.04mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、そして次いで減圧で濃縮した。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーによって、イソ−ヘキサン中の0−100%のジエチルエーテルで溶出して精製して、表題化合物(665mg、47%)を得た。m/z 260(MH−tBu)、C1221NOの正確な質量は、259.142。
(iv)− 1−tert−ブトキシカルボニル−5−イソブトキシ−ピペリジン−3−カルボン酸
5−イソブトキシピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(660mg、2.1mmol)のジオキサン(5mL)及び水(2.5mL)中の溶液に、水酸化リチウム一水和物(266mg、6.33mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、そして次いで、減圧で部分的に濃縮した。残渣を酢酸エチル及び水間に分配し、そして水層のpHを1Mの塩酸の添加によってpH1に調節した。層の分離後、水相を酢酸エチルで再抽出した。混合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、表題化合物(348mg、55%)を得た。m/z 302(MH)、C1527NOの正確な質量は、301.189。
(3RS,5SR)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−(イソブチルカルバモイル)ピペリジン−3−カルボン酸
Figure 0006785659
2,4−ジオキソ−3−オキサ−7−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン−7−カルボン酸tert−ブチルエステル(合成のためにはUS2008/0319018A1を参照されたい)(70mg、0.27mmol)のTHF(5mL)中の溶液に、イソブチルアミン(27μL、0.27mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌したままにした。次いで反応混合物を乾燥状態まで蒸発して、淡黄色の固体(収量90mg、定量的)残し、m/z 329.0(MH+)、C16H28N2O5は、328.20を必要とした。
(S)−4−((Tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−(((S)−6−メチルオクチル)アミノ)ブタン酸
Figure 0006785659
(i)− (S)−6メチルオクタノール
窒素ガスの雰囲気下で、DCM(3mL)中の(S)−(+)−6−メチル−1−オクタノール(197mg、1.36mmol)[TCI Ltd]を、0.3Mのデスマーチンペルヨージナン溶液(5mL、1.5mmol)に滴下により室温で加えた。反応混合物を1.5時間周囲温度で撹拌した。反応混合物を蒸発し、そしてエーテル(50mL)中に再懸濁し、そして濾過した。濾液を蒸発して、無色の油状物を残した。油状物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによってヘキサン/酢酸エチルの勾配で溶出して精製して、表題化合物を、無色の油状物(80mg、41%)として得た。
(ii)− (S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−((S)−6−メチルオクチル)アミノ)ブタン酸メチル
(S)−6メチルオクタノールを、(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−アミノブタン酸メチルと、(S)−4−オクチル−ピペラジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステルのために記載したような還元的アルキル化法を使用して反応させた。表題化合物を、白色の固体(80mg、42%)m/z 359.2(MH)として得た。C1938の正確な質量は358.28。
(S)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−((S)−6−メチルオクチル)アミノ)ブタン酸
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−((S)−6−メチルオクチル)アミノ)ブタン酸メチル(80mg、0.22mmol)のメタノール(5mL)中の溶液に、水(1mL)中の水酸化リチウム(11mg、0.44mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を減圧で濃縮し、そして残渣を酢酸エチル及び水間に分配した。水相を1Mの塩酸の添加によって酸性化し、そして生成物を酢酸エチル中に抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濾液を減圧で蒸発して、表題化合物(50mg、66%)、(MH+)を得て、m/z 345.2、C1836の正確な質量は344.27であった。
4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−シクロヘキシルブタン酸
Figure 0006785659
酸化白金(80mg、0.28mmol)の酢酸(2mL)中の懸濁液を、4−Boc−アミノ−2−フェニル−酪酸(300mg、1.07mmol)の酢酸(20mL)中の撹拌された溶液に加えた。反応物を24時間周囲温度及び常圧で水素化した。反応混合物をセライトを通して濾過し、そして酢酸(20mL)で洗浄した。濾液を減圧で蒸発して、黄色の油状物(300mg、98%)を残した。m/z 285.9(M)、C1527NOの正確な質量は285.19。
2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]オクタン酸
Figure 0006785659
(i)2−シアノオクタン酸エチル
Figure 0006785659
シアノ酢酸エチル(2mL、19.0mmol)、1−ヨードヘキサン(3.0mL、20.0mmol)及び炭酸カリウム(2.76g、20.0mmol)のアセトン(100mL)中の混合物を、還流で4時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をセライトを通して濾過し、そしてアセトンで洗浄した。濾液を減圧で蒸発し、そして次いでジクロロメタン及び塩化アンモニウム飽和溶液間に分配した。層の分離後、有機相を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧で濃縮した。精製物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって、イソ−ヘキサン中の0−30%酢酸エチルで溶出して精製して、表題化合物を、無色の油状物(2.29g、61%)として得た。m/z 198(MH)、C1119NOの正確な質量は197.14。
(ii)2−(アミノメチル)オクタン酸エチル
Figure 0006785659
2−シアノオクタン酸エチル(880mg、4.47mmol)のメタノール(40mL)中の溶液に、塩化コバルト(1.14g、8.76mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、そして次いで水素化ホウ素ナトリウム(1.67g、44mmol)で分割して処理した。添加が完了した後、反応混合物を室温に温め、そして更に30分間撹拌した。混合物を1Mの塩酸でクエンチし、そして2分間撹拌した。次いで混合物を.880アンモニアの添加によって約pH11に塩基性化し、そして生成物をジクロロメタン(×4)中に抽出した。混合した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、粗製の表題化合物を、淡褐色の油状物(775mg、86%)として得た。m/z 202(MH)、C1123NOの正確な質量は201.17。
(iii)2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]オクタン酸エチル
Figure 0006785659
2−(アミノメチル)オクタン酸エチル(775mg、3.86mmol)のジクロロメタン(50ml)中の溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(1.0g、4.58mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、そして次いで減圧で濃縮した。生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって、イソ−ヘキサン中の0−20%酢酸エチルで溶出して精製して、表題化合物を、無色の油状物(818mg、71%)として得た。m/z 246(M−BOC)、C1631NOの正確な質量は301.22。
(iv)2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]オクタン酸
Figure 0006785659
2−[(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル]オクタン酸エチル(816mg、2.71mmol)のジオキサン(12mL)及び水(6mL)中の溶液に、水酸化リチウム(350mg、8.33mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、そして次いで、減圧で部分的に濃縮した。残渣をジエチルエーテル及び水間に分配し、そしてpHを1Mの塩酸の添加によって1に調節した。層の分離後、水相をジエチルエーテル(×2)で再抽出した。混合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、無色の油状物(715mg、97%)を得た。m/z 272(M−H)、C1427NOの正確な質量は273.19。
合成実施例
表4Aは、本発明の実施例を含む。
全ての化合物は、他に規定しない限り、TFA塩として単離された。化合物D9、D11、D15及びD25は、更に本明細書中に記載される一般的方法によって酢酸塩としても調製した。表中の構造は、N末端基(R)及びポリミキシンBヘプタペプチド骨格(以下のPMBH)上の側鎖を示す。相対立体化学は、太線又は点線で示される。絶対立体化学は、太線の又は細切れの楔形の結合で示される。
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比較体化合物は、ポリミキシンB(PMB)、C1(NAB−739)、及びC2(CB−182,804)であった。
CB−182,804(C2)は、アリール尿素置換基をN末端に持つポリミキシンデカペプチド誘導体であり、これは、ポリミキシンB(WO2010/075416の化合物5として示される)より低い毒性を有すると主張され、そして本発明人等によって調製された。C1も更に、自家で調製され、そしてNAB−739に対応した(Vaaraによって、例えばWO2008/01773に記載されているように)。他の比較体化合物は、表4Bに示すように自家で調製した。
Figure 0006785659
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更なる合成実施例
表4Cは、本発明の更なる化合物を含む。全ての化合物は、最後のカップリング工程でジシクロヘキシルカルボジイミドを使用する実施例D93を除き、先に記載したように、一般的方法2Aを使用して調製した。全ての化合物はTFA塩として単離された。化合物D65、D67、D69、D76、D77、D78、D81及びD86は、更に酢酸塩としても調製された。
構造は、N末端基及びポリミキシンB又はポリミキシンEヘプタペプチド骨格(以下のPMBH又はPMEH)上の側鎖を示す。相対立体化学は、太線又は点線で示される。絶対立体化学は、太線の又は細切れの楔形の結合で示される。
表4Cにおいて、骨格は、以下に示すようにポリミキシンB(“B”)及びポリミキシンE(“E”)骨格を指す。R−は、N末端及びヘプタペプチド上の側鎖である。
同様に、表4Dにおいて、骨格は、以下に示すようにポリミキシンB(“B”)及びポリミキシンE(“E”)骨格を指す。R−は、N末端及びヘプタペプチド上の側鎖である。
Figure 0006785659
表4D:全ての化合物は、TFA塩として単離された。化合物D95、D100、D101、D102、D103、D104、D105、D106、D107、及びD114は、更に酢酸塩としても調製された。
Figure 0006785659
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生物学的活性
単独の及びもう一つの薬剤との組合せの両方における化合物の効力及び薬効範囲を評価するために、感受性試験を、四つのグラム陰性病原体、Escherichia coli、Pseudomonas aeruginosa、Klebsiella pneumoniae及びAcinetobacter baumanniiのそれぞれ少なくとも二つの株に対して行った。
MICの決定
接種物を、単離されたコロニー(18−24時間のMueller−Hinton寒天プレートから選択)の直接懸濁液を製造することによって、マクファーランド標準の0.5に調節して調製した。MIC試験を、滅菌の96ウェルマイクロタイタープレート中のカチオン調節されたMueller−Hintonブロス中の抗生物質の一連の2倍希釈によって、170μL(抗細菌剤を含有する150μLのブロス、20μLの接種物)の全体積で行った。アッセイを二重で行った。プレートを、振盪せずに18−20時間、35℃で好気的にインキュベートし、MICを、目に見える増殖を防止した薬物の最低濃度と定義した。二重の値の変化が2倍より少さい場合、二つの値の低い方を報告した。2倍より大きい変化が観察された場合、アッセイは無効と考えた。幾つかの化合物は多数回の試験にかけられ、このような場合、MICは、得られた最頻値の値を反映した。
組合せ活性
以下の表5Cは、リファンピシンの存在中の実施例化合物のMIC値によって示される活性を示す。MIC値は、固定濃度(2μg/mL)のリファンピシンの存在中のE.coli及びK.pneumoniaeに対して、そしてA.baumanniiに対して0.25μg/mLのリファンピシンの存在中で、実施例化合物並びに比較体化合物C1及びC2並びにC3に対して決定された。
CB−182,804(C2)は、N末端にアリール尿素置換基を伴うポリミキシンデカペプチド誘導体であり、これは、ポリミキシンBより低い毒性を有することが主張され(WO2010/075416中の化合物5として示されている)、そして本発明人等によって調製された。C1も、更に自家で調製され、そしてNAB−739(例えばWO2008/01773中でVaaraによって記載されているような)に対応している。CC3は、Magee et al,J.Med.Chem.2013,56,5079中の化合物5xに対応する。
Figure 0006785659
表5Dは、リファンピシンの存在中の更なる実施例化合物に対するMIC値を示す。MIC値は、固定濃度(2μg/mL)のリファンピシンの存在中のE.coli及びK.pneumoniaeに対して、そしてA.baumanniiに対しては0.25μg/mLのリファンピシンの存在中で決定した。
Figure 0006785659
表5Eは、それぞれリファンピシンとの1:1(重量:重量)の組合せで試験された更なる実施例(D50及びD65)及びポリミキシンに対して記録されたMIC値(マイクログラム/mL)を示す。
Figure 0006785659
MIC値(マイクログラム/mL)は、全薬物濃度(即ち、試験薬物足すリファンピシンを指す)。
In vitroの腎細胞毒性アッセイ
化合物の腎細胞毒性を、固定化された正常なヒトの腎臓由来の近位尿細管細胞系であるHK−2細胞系を使用するin virtoのアッセイで評価した。化合物の毒性を表現する終点は、細胞の代謝活性と相関するレサズリンの還元であった。細胞を、150cmのフラスコ中の25mLの補充されたKSF(5ng/mLのEGF及び50μg/mLのBPEを伴う)中で培養した。細胞を70%密集で最大25継代維持した。
1日目: 培地を除去し、そして細胞を10mlのDPBSで洗浄した。次いで、EDTAを伴う6mlの0.25%トリプシン溶液をフラスコに加え、そして細胞をインキュベーターに戻した。1ないし2分のインキュベーション後、14mLの培地をフラスコに加えて、トリプシンを不活化した。細胞懸濁物を遠心試験管に移し、そして細胞を1000rpmで6分間でペレット化した。次いで細胞のペレットをEGF及びBPEで補充された新鮮な培地中に再懸濁した。細胞の数を数え、そして細胞を、上皮細胞成長因子(EGF)及びウシ下垂体抽出物(BPE)で補充された新鮮な培地中で46875細胞/mLに希釈した。7500細胞を、それぞれのウェルに160μlの体積で分配し、そして37℃で24時間インキュベートした。
2日目: 試験化合物を、最終アッセイ中でDMSOの0.5%より多くない、又は水の5%より多くない結果となるように直接培地中に、又は原液から調製した。新鮮な培地中の2倍希釈で、1000μg/mLから1.95μg/mLまでの9点の濃度を調製した。マイクロタイタープレートをインキュベーターから取出し、そして培地を100μLの化合物溶液の稀釈物で置換した。濃度の全ての組を三重で行い、そしてそれぞれのプレートに正及び負の対照を加えた。次いでプレートを24時間、37℃の湿潤雰囲気の5%COでインキュベートした。
3日目: レサズリン(CellTiter−Blue,Promega)を含有する試薬を、PBS中で希釈し(1:4)、そしてそれぞれのウェルに20%(容積/容積)で加えた。次いでプレートを37℃で2時間インキュベートしてから、還元生成物の蛍光を検出した。
培地のみの基線値を、データをGraphPad Prismを使用して解析する前に差引いた。化合物の濃度値を、対数値としてプロットして、用量−反応曲線を適合することを可能にし、そしてIC50値を決定した。
単独の活性
以下の表6Bは、MIC値によって示される第2の薬剤の非存在における実施例化合物の活性を、HK−2細胞系に対する毒性(IC50値に関して測定され、そしてポリミキシンBに対する値として表示される)と一緒に示す。
MICは、本明細書中に記載されるように決定した。HK−2細胞のIC50値は、本明細書中に記載されるように決定した。値はポリミキシンBに対して報告されている。
MIC値は、文献の既知の化合物と比較した。データは表6B中にある。C2(CB−182,804)は、Cubistによって記載されている(WO2010/075416中の化合物5として示される)ポリミキシンデカペプチド誘導体であり、C1は、NAB−739(例えば、WO2008/01773中でVaaraによって記載されているように)である。CC3は、Magee et al,J.Med.Chem.2013,56,5079中の化合物5xに対応する。
Figure 0006785659
Figure 0006785659
Figure 0006785659
更なる単独の活性
更なる合成実施例を、ある範囲のグラム陰性細菌に対して試験し、そしてHK−2細胞毒性に対して試験した。データは、表6C中に含まれる。合成及び更なる合成実施例を含む全ての作業実施例を、ポリミキシンBに対して耐性である範囲(即ち、ポリミキシンBが上昇したMIC値を有する株)のグラム陰性細菌に対して試験した。データは表6Dに含まれる。
表中、NDは、決定せずである。
Figure 0006785659
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数字は三つまでの異なった研究から得られた平均値を表す。
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マウスの大腿のP.aeruginosaのATCC 27853感染に対するin vivoの効力
この研究において、4匹のオスのマウスをそれぞれの化合物処理群に、そして6匹をベヒクル対照のために使用した。マウスを、感染の4日前の150mg/kg及び感染の1日前の100mg/kgの腹腔内注射によるシクロホスファミドによる免疫抑制によって、一時的に好中球減少症にした。第2回目の免疫抑制後24時間目に、マウスを、ATCC 27853のP.aeruginosaで、吸入麻酔下で、両方の大腿側筋に筋肉内的に約2.5ないし5×10CFU/マウス大腿で使用して感染させた。溶液中の化合物を、静脈内(IV)ボーラス注射によって外側尾部静脈に投与した。これを、感染後の1、3.5及び6時間目に、10mL/kgの投与体積(0.25mL/25gのマウス)で3回行った。ベヒクル対照群を、ベヒクル注射に対して0.9%注射用生理食塩水で、更に10mL/kgのIVで注射後の1、3.5及び6時間目に3回処理した。
感染後1時間目に、4匹のマウスをペンタバルビトンの過剰投与を使用して人道的に安楽死させて、治療前の対照群を得た。感染後9時間目に、ペンタバルビトンの過剰投与を使用して人道的に安楽死させる前に、全てのマウスの臨床状態を評価した。マウスの体重を決定してから、両方の大腿を除去し、そして個々に秤量した。個々の大腿組織の試料を氷冷の滅菌リン酸緩衝生理食塩水中でホモジナイズした。次いで大腿のホモジネートをシステインラクトース電解質欠損(CLED)寒天上で定量的に培養し、そして37℃で24時間インキュベートしてから、コロニーを数えた。
In vivoのマウス大腿による効力研究は、1.7mg/Kg及び3.4mg/kgの遊離塩基当量のD9、D11、D15及びD25を、0.85、1.7及び3.4mg/kg遊離塩基当量のポリミキシン硫酸塩と比較した。感染レベルは、約1×10CFU/マウス大腿であった。結果を表17に示す。
Figure 0006785659
表中の投与量は、mg薬物塩基/kgで示す。
全ての化合物は、3.4mg/kg遊離塩基当量の投与量で、>3−対数値の細菌数の減少を与えた。実施例D11及びD25は、1.7mg/kg遊離塩基当量の投与量で、細菌数の>3−対数値の減少を与えた。
マウスの大腿のEscherichia coliのATCC 25922感染に対する更なるin vivoの効力
本発明の五つの化合物(D25、D31、D36、D50及びD52)のin vivoの効力を、E.coliの9時間のマウス大腿感染モデルで評価した。モデルを、それぞれの大腿に供給されるEscherichia coli分離株ATCC 25922の3.3×10CFUの接種物を使用して、本明細書中に記載されるようなPseudomonas感染のためのもののように設定した。結果を表18に要約する。
Figure 0006785659
全ての化合物は、同じ投与量におけるポリミキシンBによって達成されるものと類似か、又はそれより多い細菌数の減少を与えた。
Acinetobacter baumannii NCTC 13301対する更なるin vivoの効力−マウスの大腿感染
本発明の三つの化合物(D36、D50及びD65)のin vivoの効力を、A.baumanniiのマウス大腿感染モデルで評価した。モデルを、化合物を感染後2、6及び10時間目にSCで供給し、大腿を感染後16時間目に回収したことを除き、先に記載したように設定した。概略1.4×10CFUのA.baumannii分離株NCTC 13301を、それぞれのマウスの大腿に供給した。試験化合物及び比較体化合物のポリミキシンBを、五つの濃度(0.215、0.86、2.6及び17.2mg/kgの遊離塩基当量)で投与した。結果を表19に要約する。
Figure 0006785659
全ての試験化合物は、良好な用量反応を、そして均等な投与量のポリミキシンBで観察されるものと類似か、又はそれより大きい効力を示した。
Acinetobacter baumanniiのNCTC 13301に対する更なるin vivoの効力−マウスの肺感染
本発明の二つの化合物(D36、D65)のin vivoの効力を、A.baumanniiのNCTC 13301のマウスの肺感染モデルで評価した。結果を表20に要約する。
21.5−27.5gの体重の7匹のオスの好中球減少症の特定病原体除去CD−1マウスの群を使用した。0日目に、マウスの鼻腔への鼻腔内点滴による0.04mLの接種物でマウスを感染させ、そして感染後約10分間、ストリングラックで垂直な位置を保った。接種物濃度は、概略8×10CFU/A.baumannii単離株NCTC 13301のml(3.5×10CFU/肺)であった。2時間目に、CFU数を3匹のマウスから決定し、そして残りのマウス(試験化合物の群当たり7匹)を、感染後、+2、6及び10時間目の薬物の皮下注射で処理した。試験化合物及び比較体のポリミキシンBを、四つの濃度(2.6、8.6、17.2及び25.8mg/kg遊離塩基)で投与した。ベヒクル対照群(7匹のマウス)を、注射用0.9%の生理食塩水で、感染後2、6及び10時間目に処理した。
感染の16時間後、マウスを人道的に安楽死させた。それぞれのマウスの肺を回収し、ホモジナイズし、そしてCFU決定のために、CLED寒天上で定量的に培養した。感染の16時間後の対照の数と比較した全CFUの減少を、それぞれの投与量群に対して決定した。
Figure 0006785659
全ての投与量における実施例D36及びD65は、均等な投与量のポリミキシンBで観察されたものと比較してより大きい効力を示した。
Pseudomonas aeruginosaのATCC 27853に対する更なるin vivoの効力−マウスの肺感染
本発明の四つの化合物(D25、D36、D42及びD50)のin vivoの効力を、P.aeruginosaのATCC 27853のマウス肺感染モデルで評価した。モデルを、約2.5×10FCUのP.aeruginosa分離株ATCC 27853(1.0×10CFU/肺)の鼻腔内点滴によって8匹までのマウスの群に接種したことを除き、先に記載したように設定した。試験化合物を二つの濃度(4.3及び17.2mg/kgの遊離塩基当量)で投与した。三つの投与量レベルのポリミキシンB硫酸塩を比較体として使用した(4.3、8.6及び17.2mg/kg遊離塩基当量)。結果を表21に要約する。
Figure 0006785659
全ての試験化合物は、多くの試料は、より高い17.2mg/kg/投与を投与された
場合に、モデルの検出の限界又はそれ以下で、均等の投与量のポリミキシンBで観察され
たものより大きい効力を示した。 非限定的に、本発明は以下の態様を含む。
[態様1] 以下の式(III):
Figure 0006785659
[式中:
−X−は、−C(O)−、−NHC(O)−、−OC(O)−、−CH−又は−SO−であり;
−Rは、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、フェニルアラニン、ロイシン又はバリン残基であり;
−Rは、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、ロイシン、イソ−ロイシン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン又はノル−バリン残基であり;
−Rは、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、トレオニン又はロイシン残基であり;
−Rは、一つのヒドロキシル基又は一つのアミノ基で置換されたC1−6アルキルであり;
−R15は、以下の式:
Figure 0006785659
[式中:
−Rは、−L−RAA又は水素であり;
−Q−は、共有結合又は−CH(R)−であり;
−Rは、水素又は−L−RBBであり;
或いは、−Q−が−CH(R)−である場合、−R及び−Rは、一緒に5ないし10員の単環式又は二環式の炭素環を形成するか、或いは−R及び−Rは、一緒に5ないし10員の単環式又は二環式の複素環を形成し;
そして、−Q−が共有結合である場合、Rは、−L−RAAであり、そして−Q−が−CH(R)−である場合、−R及び−Rの片方又は両方が水素ではなく;
−R16は、独立に水素又はC1−4アルキルであり;
−R17は、独立に水素又はC1−4アルキルであり;
又は−NR1617は、グアニジン基であり;
或いは−R17及び−Rは、一緒に5ないし10員の窒素含有の単環式又は二環式の複素環を形成し;
或いは、Qが−CH(R)−である場合、−R17及び−Rは、一緒に5ないし10員の窒素含有の単環式又は二環式の複素環を形成し;
そして−R17及び−Rが、一緒に単環式の窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され、そして単環式の複素環は、存在する場合、−R、−R、−RNA及び−L−RBBから選択される少なくとも一つの基で置換され、ああああ
そして−R17及び−Rが、一緒に単環式の窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され、そして単環式の複素環は、存在する場合、−R、及び−Rから選択される少なくとも一つの基で置換され、或いは単環式の複素環は、−Rが−L−RAAである場合、所望により置換され、
そして単環式の窒素含有複素環は、一つの更なる窒素、酸素又は硫黄の環の原子を所望により含有し、そして更なる窒素の環の原子が存在する場合、これは−Rで所望により置換され、但し−X−基に対してαにある炭素に接続する更なる窒素の環の原子を除き、その窒素の環の原子は−RNAで所望により置換され;
−R17及び−R又は−R17及び−Rが、一緒に二環式の窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R又は−R17及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され;
そして二環式の窒素含有環の原子の複素環は、一つ、二つ又は三つの更なる異種原子を所望により含有し、ここで、それぞれの異種原子は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立に選択され、そして更なる窒素の環の原子が存在する場合、それぞれの更なる窒素の環の原子は、−Rで所望により置換され、但し−X−基に対してαにある炭素に接続する更なる窒素の環の原子を除き、その窒素原子は−RNAで所望により置換され;
−R及び−Rが、一緒に5ないし10員の単環式の炭素環又は複素環を形成する場合、−R及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され、そして窒素の環の原子は、単環式の複素環中に存在する場合、−Rで所望により置換され、但し−X−基に対してαにある炭素に接続する更なる窒素の環の原子を除き、その窒素原子は−RNAで所望により置換され;
−R及び−Rが、一緒に5ないし10員の二環式の炭素環又は複素環を形成する場合、−R及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され、そして二環式複素環中に窒素の環の原子が存在する場合、−Rで所望により置換され、但し−X−基に対してαにある炭素に接続する窒素の環の原子を除き、その窒素原子は−RNAで所望により置換され;
そして−R17及び−R又は−R17及び−Rが、一緒に5ないし10員の窒素含有単環式又は二環式の複素環を形成する場合、或いは−R及び−Rが、一緒に5ないし10員の単環式又は二環式炭素環を形成するか、或いは一緒に5ないし10員の単環式又は二環式の複素環を形成する場合、−R17及び−R、−R17及び−R、又は−R及び−R中の炭素の環の原子は、オキソ(=O)で所望により別に置換され;
それぞれの−Rは、独立に−L−RCCであり;
それぞれの−Rは、−R、ハロ、−NO、−OH、及び−NHから独立に選択され;
それぞれの−Rは、独立に−L−RNNであり;
それぞれの−RNAは、独立に−R−RNN又は−RNNであり;
存在する場合、−RAA、−RBB、並びにそれぞれの−RCC及び−RNNは、C12アルキル、C3−10シクロアルキル、C4−10ヘテロシクリル、及びC5−12アリールから独立に選択され;
それぞれの−L−は、独立に共有結合であるか、又は−R、−O−LAA、−OC(O)−LAA、−N(R11)−LAA、及び−C(O)−LAAから選択される連結基であり、ここで、星印は、−L−基の-RAAへの接続点を示し;
それぞれの−L−及び−LC-は、独立に共有結合であるか、又は−R、−O−LAA、−OC(O)−LAA、−N(R11)−LAA、−N(R11)C(O)−LAA、−C(O)−LAA、−C(O)O−LAA、及び−C(O)N(R11)−LAAから選択され、そして所望により、−N(R11)S(O)−LAA、−N(R11)S(O)−LAA、−S(O)N(R11)−LAA、及び−S(O)N(R11)−LAAから更に選択される連結基であり、ここで、星印は、−L−基の−RBBへの、又は−L−基の−RCC基への接続点を示し;
それぞれの−L−は、独立に共有結合であるか、又は−S(O)−LAA、−S(O)−LAA、−C(O)-LAA及び−C(O)N(R11)−LAAから選択される基であり、ここで、星印は、−L−基の−RNN基への接続点を示し;
そしてそれぞれの−LAA−は、独立に共有結合であるか、又は−R−であり;
そしてそれぞれの−R-は、C1-12 アルキレン、C2−12ヘテロアルキレン、C3−10 シクロアルキレン及びC5−10ヘテロシクリレンから独立に選択され、そしてここで、−LAA−は、C1−12アルキル基に接続され、−R−は、C1−12 アルキレンではなく;
そしてそれぞれのC1−12アルキル、C3−10シクロアルキル、C10ヘテロシクリル、C12 アリール、C12アルキレン、C2−12 ヘテロアルキレン、C10 シクロアルキレン及びC10ヘテロシクリレン基は、所望により置換され、ここで、−Rは、炭素に対する所望による置換基であり、そして−R12は、窒素に対する所望による置換基であり;
それぞれの−Rは、−OH、−OR12、−OC(O)R12、ハロ、−R12、−NHR12、−NR1213、−NHC(O)R12、−N(R12)C(O)R12、−SH、−SR12、−C(O)R12、−C(O)OH、−C(O)OR12、−C(O)NH、−C(O)NHR12及びC(O)NR1213から独立に選択されるが;但し、−R12は、C12アルキル基に対する置換基ではないことは除外し;又はここで、炭素原子が−Rで二置換されている場合、これらの基は、これらが接続している炭素と一緒に、C炭素環又はC 複素環を形成し、ここで、炭素環及び複素環は、一つ又はそれより多い−R12基で所望により置換され;
それぞれの−R12は、独立にCアルキル、Cハロアルキル、フェニル又はベンジルであり;
それぞれの−R13は、独立にCアルキル、Cハロアルキル、フェニル又はベンジルであり;
或いは−R12及び−R13は、Nに接続する場合、一緒に5又は6員の複素環を形成することができ、これは、Cアルキル、Cハロアルキル、フェニル又はベンジルで所望により置換され;
それぞれの−R11は、独立に水素又はCアルキルである]
のアミノ含有基であり;そして
−Rは、水素又はメチルである]
の化合物並びに医薬的に受容可能な塩、保護された形態、その溶媒和物及び水和物、例えば医薬的に受容可能な塩、及びその水和物。
[態様2] −X−が、−C(O)−である、態様1に記載の化合物。
[態様3] −Rが、メチルである、態様1又は2のいずれか1項に記載の化合物。
[態様4] −Rが、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、フェニルアラニン残基である、態様1ないし3のいずれか1項に記載の化合物。
[態様5] −Rが、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、ロイシン残基である、態様1ないし4のいずれか1項に記載の化合物。
[態様6] −Rが、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、トレオニン残基である、態様1ないし5のいずれか1項に記載の化合物。
[態様7] −Rが、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、α,γ−ジアミノ酪酸(Dab)、セリン残基、トレオニン残基、リシン残基、オルニチン残基、又はα,β−ジアミノプロピオン酸(Dap)である、態様1ないし6のいずれか1項に記載の化合物。
[態様8] −Rが、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、α,γ−ジアミノ酪酸(Dab)である、態様7に記載の化合物。
[態様9] −R15が、以下の式:
Figure 0006785659
のアミノ含有基である、態様1ないし8のいずれか1項に記載の化合物。
[態様10] −Q−が、共有結合である、態様1ないし9のいずれか1項に記載の化合物。
[態様11] −Q−が、−CH(R)−である、態様1ないし9のいずれか1項に記載の化合物。
[態様12] −R16が、水素である、態様1ないし11のいずれか1項に記載の化合物。
[態様13] −R17が、水素である、態様1ないし12のいずれか1項に記載の化合物。
[態様14] −R17及び−Rが、これらが接続する炭素原子と一緒に、窒素含有複素環を形成する、態様1ないし12のいずれか1項に記載の化合物。
[態様15] −R17及び−Rが、これらが接続する炭素原子と一緒に、窒素含有複素環を形成する、態様1ないし12のいずれか1項に記載の化合物。
[態様16] −Rが、−L−RAAである、態様1ないし13のいずれか1項に記載の化合物。
[態様17] −Rが、−L−Rbbである、態様11に記載の化合物。
[態様18] −R15が、以下の式
Figure 0006785659
からなる群から選択され、式中、−RC1が水素又は−Rであり、そして−RN1が、水素又は−RNAである、態様1ないし8のいずれか1項に記載の化合物。
[態様19] −R15が、以下の式
Figure 0006785659
からなる群から選択される、態様18に記載の化合物。
[態様20] −R15が、以下の式
Figure 0006785659
からなる群から選択される、態様18に記載の化合物。
[態様21] −R15が、以下の式
Figure 0006785659
からなる群から選択される、態様19に記載の化合物。
[態様22] −R15が、以下の式
Figure 0006785659
である、態様20に記載の化合物。
[態様23] −Rが、−L−RAAである、態様18ないし22のいずれか1項に記載の化合物。
[態様24] −Lが、共有結合である、態様23に記載の化合物。
[態様25] −Lが、C1−12アルキレンである、態様23に記載の化合物。
[態様26] −Lが、−CH−である、態様25に記載の化合物。
[態様27] −RAAが、C1−12アルキル、例えば一つ又はそれより多いR基で所望により置換されたC6−10アルキルである、態様18ないし26のいずれか1項に記載の化合物。
[態様28] −RAAが、C1−12アルキル、例えばC6−10アルキルである、態様27に記載の化合物。
[態様29] −RAAが、一つ又はそれより多い−R基或いは一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されたC5−12アリールである、態様18ないし26のいずれか1項に記載の化合物。
[態様30] −RAAが、C5−12アリールである、態様29に記載の化合物。
[態様31] −RAAが、一つ又はそれより多いR基で所望により置換されたフェニルである、態様29に記載の化合物。
[態様32] −R15が、以下の式:
Figure 0006785659
である、態様18−21のいずれか1項に記載の化合物。
[態様33] −RBBが、−L−RBBである、態様18−21及び32のいずれか1項に記載の化合物。
[態様34] −L−が、共有結合である、態様33に記載の化合物。
[態様35] −L−が、C1−12アルキレンである、態様33に記載の化合物。
[態様36] −L−が、−CH−である、態様33に記載の化合物。
[態様37] −RBBが、C1−12アルキル、C4−10ヘテロシクリル、及びC5−12アリールから独立に選択される基であり、そしてそれぞれの基は、一つ又はそれより多い−R基或いは一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されている、態様18−21及び32−36のいずれか1項に記載の化合物。
[態様38] −RBBが、一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されたC1−12アルキルである、態様37に記載の化合物。
[態様39] −RBBが、C1−12アルキルである、態様38に記載の化合物。
[態様40] −R16及び−R17が、それぞれ水素である、態様18−39のいずれか1項に記載の化合物。
[態様41] −R15が、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される、態様18に記載の化合物。
[態様42] −R15が、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される、態様41に記載の化合物。
[態様43] −R15が、以下の式:
Figure 0006785659
である、態様41に記載の化合物。
[態様44] −R15が、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される、態様43に記載の化合物。
[態様45] −R15が、以下の式:
Figure 0006785659
からなる群から選択される、態様44に記載の化合物。
[態様46] −R15が、以下の式:
Figure 0006785659
である、態様44に記載の化合物。
[態様47] −Rが、−L−RCCである、態様44ないし46のいずれか1項に記載の化合物。
[態様48] −L−が、共有結合である、態様47に記載の化合物。
[態様49] −L−が、C1−12アルキレンである、態様47に記載の化合物。
[態様50] −L−が、−CH−である、態様47に記載の化合物。
[態様51] −RCCが、一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されたC12アルキルである、態様44ないし50のいずれか1項に記載の化合物。
[態様52] −RCCが、C12アルキルである、態様51に記載の化合物。
[態様53] −RCCが、一つ又はそれより多い−R基で、或いは一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されたC12アリールである、態様44ないし50のいずれか1項に記載の化合物。
[態様54] −RCCが、C5−12アリール、例えばフェニルである、態様53に記載の化合物。
[態様55] −RCCが、一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されたC10シクロアルキルである、態様44ないし50のいずれか1項に記載の化合物。
[態様56] −RCCが、C3−10シクロアルキル、例えばシクロヘキシルである、態様55に記載の化合物。
[態様57] −R15が、以下の式:
Figure 0006785659
である、態様44に記載の化合物。
[態様58] −RNAが、−RNN又は−R−RNNである、態様41−42又は態様57のいずれか1項に記載の化合物。
[態様59] −R−が、C1−12アルキレンである、態様58に記載の化合物。
[態様60] −R−が、−CH−である、態様58に記載の化合物。
[態様61] −RNNが、一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されたC1−12アルキルである、態様41−42又は態様57−60のいずれか1項に記載の化合物。
[態様62] −RNNが、C12アルキルである、態様61に記載の化合物。
[態様63] −RNNが、一つ又はそれより多い−R基で、或いは一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されたC12アリールである、態様41−42又は態様57−60のいずれか1項に記載の化合物。
[態様64] −RNNが、C12アリール、例えばフェニルである、態様63に記載の化合物。
[態様65] −R15が、以下の式:
Figure 0006785659
である、態様41に記載の化合物。
[態様66] −Rが、−L−RCCである、態様65に記載の化合物。
[態様67] −L−が、共有結合である、態様66に記載の化合物。
[態様68] −L−が、C1−12アルキレンである、態様66に記載の化合物。
[態様69] −L−が、−CH−である、態様66に記載の化合物。
[態様70] −RCCが、一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されたC12アルキルである、態様65ないし69のいずれか1項に記載の化合物。
[態様71] −RCCが、C12アルキルである、態様70に記載の化合物。
[態様72] −RCCが、一つ又はそれより多い−R基で、或いは一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されたC12アリールである、態様65ないし69のいずれか1項に記載の化合物。
[態様73] −RCCが、C12アリール、例えばフェニルである、態様72に記載の化合物。
[態様74] −R16が、水素である、態様41ないし73のいずれか1項に記載の化合物。
[態様75] −Rが、存在する場合、−OR12、ハロ、及び−R12から独立に選択される、態様1ないし74のいずれか1項に記載の化合物。
[態様76] 態様1ないし75のいずれか1項に記載の化合物及び生物学的に受容可能な賦形剤を、所望により第2の活性剤と一緒に含んでなる医薬組成物。
[態様77] 治療の方法における使用のための、態様1ないし75のいずれか1項に記載の化合物又は態様86に記載の医薬組成物。
[態様78] 微生物感染の治療の方法における使用のための、段落1ないし75のいずれか1項に記載の化合物又は態様76に記載の医薬組成物。
[態様79] 微生物感染を治療する方法における使用のための態様1ないし75のいずれか1項に記載の化合物又は態様76に記載の医薬組成物であって、ここにおいて、前記方法は、前記感染を、式(III)の化合物、並びにリファンピシン、フシジン酸、ノボビオシン、オキサシリン、アジスロマイシン、アズトレオナム、メロペネム、チゲサイクリン、及びシプロフロキサシン、並びに医薬的に受容可能なこれらの塩及び溶媒和物からなる群から選択される活性剤で治療することを含んでなる、前記化合物又は医薬組成物。
参考文献
本明細書中に記述される全ての文献は、その全てが、参考文献として本明細書中に援用される。
Figure 0006785659

Claims (15)

  1. 以下の式(III):
    Figure 0006785659
    [式中:
    −X−は、−C(O)−、−NHC(O)−、−OC(O)−、−CH−又は−SO−であり;
    −Rは、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、フェニルアラニン、ロイシン又はバリン残基であり;
    −Rは、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、ロイシン、イソ−ロイシン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン又はノル−バリン残基であり;
    −Rは、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、トレオニン又はロイシン残基であり;
    −Rは、一つのヒドロキシル基又は一つのアミノ基で置換されたCアルキルであり;
    −R15は、以下の式:
    Figure 0006785659
    [式中:
    −Rは、−L−RAA又は水素であり;
    −Q−は、共有結合又は−CH(R)−であり;
    −Rは、水素又は−L−RBBであり;
    或いは、−Q−が−CH(R)−である場合、−R及び−Rは、一緒に5ないし10員の単環式又は二環式の炭素環を形成するか、或いは−R及び−Rは、一緒に5ないし10員の単環式又は二環式の複素環を形成し;
    そして、−Q−が共有結合である場合、Rは、−L−RAAであり、そして−Q−が−CH(R)−である場合、−R及び−Rの片方又は両方が水素ではなく;
    −R16は、独立に水素又はCアルキルであり;
    −R17は、独立に水素又はCアルキルであり;
    又は−NR1617は、グアニジン基であり;
    或いは−R17及び−Rは、一緒に5ないし10員の窒素含有の単環式又は二環式の複素環を形成し;
    或いは、Qが−CH(R)−である場合、−R17及び−Rは、一緒に5ないし10員の窒素含有の単環式又は二環式の複素環を形成し;
    そして−R17及び−Rが、一緒に単環式の窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され、そして単環式の複素環は、存在する場合、−R、−R、−RNA及び−L−RBBから選択される少なくとも一つの基で置換され、
    そして−R17及び−Rが、一緒に単環式の窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され、そして単環式の複素環は、存在する場合、−R、及び−Rから選択される少なくとも一つの基で置換され、或いは単環式の複素環は、−Rが−L−RAAである場合、所望により置換され、
    そして単環式の窒素含有複素環は、一つの更なる窒素、酸素又は硫黄の環の原子を所望により含有し、そして更なる窒素の環の原子が存在する場合、これは−Rで所望により置換され、但し−X−基に対してαにある炭素に接続する更なる窒素の環の原子を除き、その窒素の環の原子は−RNAで所望により置換され;
    −R17及び−R又は−R17及び−Rが、一緒に二環式の窒素含有複素環を形成する場合、−R17及び−R又は−R17及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され;
    そして二環式の窒素含有環の原子の複素環は、一つ、二つ又は三つの更なる異種原子を所望により含有し、ここで、それぞれの異種原子は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立に選択され、そして更なる窒素の環の原子が存在する場合、それぞれの更なる窒素の環の原子は、−Rで所望により置換され、但し−X−基に対してαにある炭素に接続する更なる窒素の環の原子を除き、その窒素原子は−RNAで所望により置換され;
    −R及び−Rが、一緒に5ないし10員の単環式の炭素環又は複素環を形成する場合、−R及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され、そして窒素の環の原子は、単環式の複素環中に存在する場合、−Rで所望により置換され、但し−X−基に対してαにある炭素に接続する更なる窒素の環の原子を除き、その窒素原子は−RNAで所望により置換され;
    −R及び−Rが、一緒に5ないし10員の二環式の炭素環又は複素環を形成する場合、−R及び−R中のそれぞれの環の炭素原子は、−Rで所望により一又は二置換され、そして二環式複素環中に窒素の環の原子が存在する場合、−Rで所望により置換され、但し−X−基に対してαにある炭素に接続する窒素の環の原子を除き、その窒素原子は−RNAで所望により置換され;
    そして−R17及び−R又は−R17及び−Rが、一緒に5ないし10員の窒素含有単環式又は二環式の複素環を形成する場合、或いは−R及び−Rが、一緒に5ないし10員の単環式又は二環式炭素環を形成するか、或いは一緒に5ないし10員の単環式又は二環式の複素環を形成する場合、−R17及び−R、−R17及び−R、又は−R及び−R中の炭素の環の原子は、オキソ(=O)で所望により別に置換され;
    それぞれの−Rは、独立に−L−RCCであり;
    それぞれの−Rは、−R、ハロ、−NO、−OH、及び−NHから独立に選択され;
    それぞれの−Rは、独立に−L−RNNであり;
    それぞれの−RNAは、独立に−R−RNN又は−RNNであり;
    存在する場合、−RAA、−RBB、並びにそれぞれの−RCC及び−RNNは、C1−12アルキル、C3−10シクロアルキル、C4−10ヘテロシクリル、及びC5−12アリールから独立に選択され;
    それぞれの−L−は、独立に共有結合であるか、又は−R、−O−LAA、−OC(O)−LAA、−N(R11)−LAA、及び−C(O)−LAAから選択される連結基であり、ここで、星印は、−L−基の‐RAAへの接続点を示し;
    それぞれの−L−及び−L‐は、独立に共有結合であるか、又は−R、−O−LAA、−OC(O)−LAA、−N(R11)−LAA、−N(R11)C(O)−LAA、−C(O)−LAA、−C(O)O−LAA、及び−C(O)N(R11)−LAAから選択され、そして所望により、−N(R11)S(O)−LAA、−N(R11)S(O)−LAA、−S(O)N(R11)−LAA、及び−S(O)N(R11)−LAAから更に選択される連結基であり、ここで、星印は、−L−基の−RBBへの、又は−L−基の−RCC基への接続点を示し;
    それぞれの−L−は、独立に共有結合であるか、又は−S(O)−LAA、−S(O)−LAA、−C(O)‐LAA及び−C(O)N(R11)−LAAから選択される基であり、ここで、星印は、−L−基の−RNN基への接続点を示し;
    そしてそれぞれの−LAA−は、独立に共有結合であるか、又は−R−であり;
    そしてそれぞれの−R‐は、C12 アルキレン、C12ヘテロアルキレン、C10 シクロアルキレン及びC5−10ヘテロシクリレンから独立に選択され、そしてここで、−LAA−は、C12アルキル基に接続され、−R−は、C12 アルキレンではなく;
    そしてそれぞれのC12アルキル、C10シクロアルキル、C10ヘテロシクリル、C12 アリール、C12アルキレン、C12 ヘテロアルキレン、C10 シクロアルキレン及びC10ヘテロシクリレン基は、所望により置換され、ここで、−Rは、炭素に対する所望による置換基であり、そして−R12は、窒素に対する所望による置換基であり;
    それぞれの−Rは、−OH、−OR12、−OC(O)R12、ハロ、−R12、−NHR12、−NR1213、−NHC(O)R12、−N(R12)C(O)R12、−SH、−SR12、−C(O)R12、−C(O)OH、−C(O)OR12、−C(O)NH、−C(O)NHR12及びC(O)NR1213から独立に選択される、例えば、各−R は、−OR 12 、ハロ、及び−R 12 から独立に選択される、が;但し、−R12は、C12アルキル基に対する置換基ではないことは除外し;又はここで、炭素原子が−Rで二置換されている場合、これらの基は、これらが接続している炭素と一緒に、C炭素環又はC複素環を形成し、ここで、炭素環及び複素環は、一つ又はそれより多い−R12基で所望により置換され;
    それぞれの−R12は、独立にCアルキル、Cハロアルキル、フェニル又はベンジルであり;
    それぞれの−R13は、独立にCアルキル、Cハロアルキル、フェニル又はベンジルであり;
    或いは−R12及び−R13は、Nに接続する場合、一緒に5又は6員の複素環を形成することができ、これは、Cアルキル、Cハロアルキル、フェニル又はベンジルで所望により置換され;
    それぞれの−R11は、独立に水素又はCアルキルである]
    のアミノ含有基であり;そして
    −Rは、水素又はメチルである]
    の化合物並びに医薬的に受容可能な塩、保護された形態、その溶媒和物及び水和物、例えば医薬的に受容可能な塩、及びその水和物。
  2. (i)−X−が、−C(O)−である;及び/又は
    (ii)−R が、メチルである;及び/又は
    (iii)−R が、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、フェニルアラニン残基若しくはロイシン残基である;及び/又は
    (iv)−R が、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、ロイシン残基である、及び/又は
    (v)−R が、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、トレオニン残基である;及び/又は
    (vi)−R が、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、α,γ−ジアミノ酪酸(Dab)、セリン残基、トレオニン残基、リシン残基、オルニチン残基、又はα,β−ジアミノプロピオン酸(Dap)である、例えば、−R が、カルボニル基及びこれが接続している炭素に対してアルファにある窒素と一緒に、α,γ−ジアミノ酪酸(Dab)又はα,β−ジアミノプロピオン酸(Dap)である、例えば、L−Dab若しくはL−Dap、である;及び/又は
    (vii)−R 16 が、水素である、及び/又は
    (viii)−R 17 が、水素である、
    請求項1に記載の化合物。
  3. −R15が、以下の式:
    Figure 0006785659
    ここにおいて、R が、−L −R BB である
    である、請求項1又は2に記載の化合物
  4. −L−が、共有結合である、請求項3に記載の化合物。
  5. −L−が、C1−12アルキレンである、請求項3に記載の化合物。
  6. −RBBが、C1−12アルキル、C4−10ヘテロシクリル、及びC5−12アリールから独立に選択される基であり、そしてそれぞれの基は、一つ又はそれより多い−R基或いは一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されている、請求項3−5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. −RBBが、一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されたC1−12アルキルである、例えば、−R BB が、C 1−12 アルキルである、請求項6に記載の化合物。
  8. −R BB が、一つ又はそれより多い−R 基或いは一つ又はそれより多い−R 基で所望により置換されたC 5−12 アリールである、例えば、−R BB が、一つ又はそれより多い−R 基で所望により置換されたフェニル又はナフチルである、請求項6に記載の化合物。
  9. −R15が、以下の式:
    Figure 0006785659
    ここにおいて、−R が、水素又は−L −R AA である
    である、請求項1又は2に記載の化合物。
  10. −L−が、−R 又は−O−L AA である、請求項9に記載の化合物。
  11. −L AA −が、C 1−12 アルキレン、例えば、−CH −である、請求項10に記載の化合物。
  12. −RAAが、一つ又はそれより多い−R基或いは一つ又はそれより多い−R基で所望により置換されたC5−12アリールである、例えば、−R AA が、一つ又はそれより多いR 基で所望により置換されたフェニルである、請求項9−11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の化合物及び生物学的に受容可能な賦形剤を、所望により第2の活性剤と一緒に含んでなる医薬組成物。
  14. 治療の方法における使用のための、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の化合物又は請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 微生物感染の治療の方法、例えば、グラム陰性細菌感染の治療方法、例えば、グラム陰性細菌は、Escherichia spp.、Klebsiella spp.、Enterobacter spp.、Salmonella spp.、Shigella spp.、Citrobacter spp.、Morganella morganii、Yersinia pseudotuberculosis及び他の腸内細菌科、Pseudomonas spp.、Acinetobacter spp.、Moraxella、Helicobacter、Stenotrophomonas、Bdellovibrio、酢酸バクテリア、Legionella及びアルファ−プロテオバクテリア、からなる群から選択される、における使用のための請求項1ないし12のいずれか1項に記載の化合物又は請求項13に記載の医薬組成物。
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