JP2001139163A - 枚葉機のノンストップ排紙方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パレットの交換時に一時的に用紙仮受け台上
に積載した用紙をパレット上に移す作業を容易にすると
ともに用紙仮受け台の長寿命化を図った枚葉機のノンス
トップ排紙方法を提供する。 【解決手段】 用紙仮受け台１１として、複数本の棒体
１１ａが所定の間隔をおいて平行に配列されるとともに
これらの棒体１１ａの一端が連結部材１１ｂを介して相
互に連結された櫛状のものを用い、パレット８として、
上面に用紙仮受け台１１の各棒体１１ａを受け入れる複
数本の溝８ａが所定の間隔をおいて平行に刻設され各溝
８ａが受け入れた棒体１１ａの最上部がパレット８の上
面よりも低くなるように形成されたものを用い、用紙仮
受け台１１上に積載された用紙の下面をパレット８の上
面で突き上げてこの用紙を用紙仮受け台１１から持ち上
げ、この状態で用紙仮受け台１１を水平方向に引き抜く
ようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は枚葉機（例えば、枚
葉印刷機や枚葉打抜機等）のノンストップ排紙方法に関
し、より詳しくは、パレットの交換時に一時的に用紙仮
受け台上に積載した用紙をパレット上に移す作業を容易
にするとともに用紙仮受け台の長寿命化を図った枚葉機
のノンストップ排紙方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、枚葉機で処理された用紙の排紙を
途中でストップさせることなく連続して行うために、上
下方向に移動可能な昇降台上にパレットを載置し、この
パレットの上面に向けて順次排出される処理済みの用紙
をパレットの上面に厚さ方向に積み重ねつつ昇降台を下
降させてパレット上に積載された用紙の上面の高さをほ
ぼ一定に保つようにし、パレット上に所定量の用紙が載
置されたときに、作業者が、昇降台を所定位置まで下降
させるボタンを押す（昇降台が自動的に下降する場合も
ある）ととともにパレット上に積載された用紙の上方に
用紙仮受け台を水平方向に引き抜き可能に配置し、排出
されてくる用紙をこの用紙仮受け台上に積み重ねつつ昇
降台から用紙が積載されたパレットを取り外して用紙が
積載されていないパレットを昇降台上に載置し、昇降台
をこのパレットが用紙仮受け台に近接する位置まで上昇
させるとともに用紙仮受け台を水平方向に引き抜いて用
紙仮受け台上に積載された用紙をパレットの上面に移
す、という方法が提案されており、用紙仮受け台とし
て、従来は、ベニヤ板等から成る板状のものが用いられ
ていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ノンストップ排紙方法では、用紙仮受け台を引き抜く際
に、用紙仮受け台上に積載された用紙と用紙仮受け台と
の摩擦力が大きいため、大きな力を必要とし、用紙仮受
け台を引き抜きにくいという問題点や、用紙仮受け台を
引き抜く際に用紙の印刷面や用紙仮受け台が傷み易いと
いう問題点とが有った。

【０００４】本発明は、上述した問題点に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、パレットの交換時に一時
的に用紙仮受け台上に積載した用紙をパレット上に移す
作業を容易にするとともに、この用紙の印刷面と用紙仮
受け台が傷みにくいようにした枚葉機のノンストップ排
紙方法を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明は、図１〜図４に示すように、上下方向
に移動可能な昇降台（７）上にパレット（８）を載置
し、このパレット（８）の上面に向けて順次排出される
処理済みの用紙をパレット（８）の上面に厚さ方向に積
み重ねつつ昇降台（７）を下降させてパレット（８）上
に積載された用紙の上面の高さをほぼ一定に保つように
し、パレット（８）上に所定量の用紙が載置されたとき
に昇降台（７）を所定位置まで下降させるとともにパレ
ット（８）上に積載された用紙の上方に用紙仮受け台
（１１）を水平方向に引き抜き可能に配置し、排出され
てくる用紙をこの用紙仮受け台（１１）上に積み重ねつ
つ昇降台（７）から用紙が積載されたパレット（８）を
取り外して用紙が積載されていないパレット（８）を昇
降台（７）上に載置し、昇降台（７）をこのパレット
（８）が用紙仮受け台（１１）に近接する位置まで上昇
させるとともに用紙仮受け台（１１）を水平方向に引き
抜いて用紙仮受け台（１１）上に積載された用紙をパレ
ット（８）の上面に移すようにした枚葉機のノンストッ
プ排紙方法であって、用紙仮受け台（１１）として、複
数本の棒体（１１ａ）が所定の間隔をおいて平行に配列
されるとともにこれらの棒体（１１ａ）の一端が連結部
材（１１ｂ）を介して相互に連結された櫛状のものを用
い、パレット（８）として、上面に用紙仮受け台（１
１）の各棒体（１１ａ）を受け入れる複数本の溝（８
ａ）が所定の間隔をおいて平行に刻設され各溝（８ａ）
が受け入れた棒体（１１ａ）の最上部がパレット（８）
の上面よりも低くなるように形成されたものを用い、用
紙仮受け台（１１）上に積載された用紙の下面をパレッ
ト（８）の上面で突き上げてこの用紙を用紙仮受け台
（１１）から持ち上げ、この状態で用紙仮受け台（１
１）を水平方向に引き抜くようにしたことを特徴として
いる。

【０００６】このような構成によれば、用紙仮受け台１
１を引き抜く際、用紙仮受け台１１には用紙の重量が負
荷されていないため、容易に引き抜くことができるとと
もに、用紙仮受け台１１が用紙に摺接しないため、用紙
の印刷面及び用紙仮受け台１１が傷みにくい。

【０００７】なお、用紙仮受け台１１をより引き抜き易
くするために、用紙仮受け台１１として、把手１１ｃを
設けたものを用いるようにしてもよい。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を図面を参照しながら説明する。図１は本発明のノンス
トップ排紙方法を適用した枚葉印刷機の概略構成を示す
正面図、図２は用紙仮受け台の平面図、図３はパレット
の平面図、図４は本発明のノンストップ排紙方法の作用
の説明図である。

【０００９】図１において、１は給紙部、２は印刷部、
３は排紙部である。給紙部１は給紙装置を有しており、
この給紙装置は、厚さ方向に積み重ねられた多数の印刷
前の用紙ｐが載置される用紙載置台４と、用紙載置台４
上に積載された用紙ｐを上から順に一枚ずつ取り出し、
印刷部２に向けて送り出すセパレータ５と、用紙載置台
４を所定ストロークずつ上昇させる駆動装置６とを備え
ている。

【００１０】排紙部３はノンストップ排紙装置を有して
おり、このノンストップ排紙装置は、昇降台７と、この
昇降台７上に載置されるパレット８と、昇降台７を上下
方向に移動させる昇降装置９と、パレット８の上方に配
置され、図示しない移動機構によりパレット８の上方か
ら退避可能な左右一対のレール１０と、このレール１０
によって水平方向に引き抜き可能に支持される用紙仮受
け台１１とを備えている。

【００１１】図２に示すように、用紙仮受け台１１は、
複数本の円柱状の棒体１１ａが所定の間隔をおいて平行
に配列されるとともに、これらの棒体１１ａの一端がコ
の字形の連結部材１１ｂを介して相互に連結された櫛状
のもので、連結部材１１ｂの後面には左右一対の把手１
１ｃが設けられている。

【００１２】図３に示すように、パレット８の上面に
は、用紙仮受け台１１の各棒体１１ａを受け入れる複数
本の溝８ａが所定の間隔をおいて平行に刻設されてお
り、各溝８ａは、受け入れた棒体１１ａの最上部がパレ
ット８の上面よりも低くなるよう、棒体１１ａの径より
も深くなっている。

【００１３】図１に示すように、給紙部１から送り出さ
れた用紙ｐは、フィーダーボード１２、スインググリッ
パ１３を経て印刷部２に供給され、印刷部２の各胴を通
る間に印刷が行われ、排出部３において厚さ方向に積み
重ねられる。なお、図１中の矢印は用紙ｐの搬送経路を
示している。

【００１４】次に、本実施形態の枚葉印刷機の作用を説
明する。印刷開始時において、空のパレット８が載置さ
れた昇降台７は上限位置に配置されている。なお、レー
ル１０は退避しており、パレット８の上方には用紙仮受
け台１１は存在していない。

【００１５】パレット８の上面に印刷処理済みの用紙ｐ
が順次厚さ方向に積み重ねられ、昇降台７が所定ストロ
ークずつ下降してパレット８上の用紙ｐの上面がほぼ一
定の高さに保たれる。パレット８上に所定量の用紙が載
置されると、用紙カウンターまたはセンサ（不図示）が
これを検知し、レール１０がパレット８の上方に配置さ
れるとともに、昇降台７が下限位置まで下降する。その
とき、作業者が用紙仮受け台１１をレール１０に支持さ
せると、用紙仮受け台１１の上面に用紙ｐが堆積し始め
る。

【００１６】作業者は、昇降台７から用紙ｐが積載され
たパレット８を取り外し、その代わりに空のパレット８
を昇降台７上に載置する（図４（ａ）参照）。次に、昇
降台７が上昇し、パレット８の溝８ａが用紙仮受け台１
１の棒体１１ａを受け入れ、パレット８の上面が棒体１
１ａに支持された用紙ｐの下面を突き上げて用紙ｐを棒
体１１ａから持ち上げる。昇降台７は、溝８ａの底面が
棒体１１ａの最下部に接する直前の位置で停止する（図
４（ｂ）参照）。作業者が把手１１ｃを持って用紙仮受
け台１１をレール１０から引き抜くとともに、レール１
０が退避する（図４（ｃ）参照）。

【００１７】なお、用紙仮受け台１１をレール１０から
引き抜くとき、棒体１１ａには用紙ｐの重量が負荷され
ていないため、用紙仮受け台１１を容易に引き抜くこと
ができる。また、用紙仮受け台１１に作用する摩擦力が
少ないため、用紙仮受け台１１及び用紙ｐが傷みにく
い。そして、パレット８上に移された用紙ｐの上面にさ
らに用紙ｐが積み重ねられてゆき、上述した動作が繰り
返される。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、用
紙仮受け台を確実かつ容易に引き抜くことができ、パレ
ットの交換時に一時的に用紙仮受け台上に積載した用紙
をパレット上に移す作業が容易となる。また、用紙の印
刷面及び用紙仮受け台が傷みにくく、用紙仮受け台が長
寿命化する。したがって、手間及びコストが低減する。

【００１９】また、用紙仮受け台として、把手を設けた
ものを用いる場合には、用紙仮受け台をより引き抜き易
くなり、作業性がより向上する。

【００２０】なお、本発明は、枚葉印刷機以外の枚葉機
（例えば、枚葉打抜機等）にも適用可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のノンストップ排紙方法を適用した枚
葉印刷機の概略構成を示す正面図。

【図２】 用紙仮受け台の平面図。

【図３】 パレットの平面図。

【図４】 本発明のノンストップ排紙方法の作用の説明
図。

【符号の説明】

７ 昇降台 ８ パレット ８ａ 溝 １１ 用紙仮受け台 １１ａ 棒体 １１ｂ 連結部材 １１ｃ 把手

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下方向に移動可能な昇降台（７）上に
   パレット（８）を載置し、このパレット（８）の上面に
   向けて順次排出される処理済みの用紙をパレット（８）
   の上面に厚さ方向に積み重ねつつ昇降台（７）を下降さ
   せてパレット（８）上に積載された用紙の上面の高さを
   ほぼ一定に保つようにし、パレット（８）上に所定量の
   用紙が載置されたときに昇降台（７）を所定位置まで下
   降させるとともにパレット（８）上に積載された用紙の
   上方に用紙仮受け台（１１）を水平方向に引き抜き可能
   に配置し、排出されてくる用紙をこの用紙仮受け台（１
   １）上に積み重ねつつ昇降台（７）から用紙が積載され
   たパレット（８）を取り外して用紙が積載されていない
   パレット（８）を昇降台（７）上に載置し、昇降台
   （７）をこのパレット（８）が用紙仮受け台（１１）に
   近接する位置まで上昇させるとともに用紙仮受け台（１
   １）を水平方向に引き抜いて用紙仮受け台（１１）上に
   積載された用紙をパレット（８）の上面に移すようにし
   た枚葉機のノンストップ排紙方法であって、 用紙仮受け台（１１）として、複数本の棒体（１１ａ）
   が所定の間隔をおいて平行に配列されるとともにこれら
   の棒体（１１ａ）の一端が連結部材（１１ｂ）を介して
   相互に連結された櫛状のものを用い、 パレット（８）として、上面に用紙仮受け台（１１）の
   各棒体（１１ａ）を受け入れる複数本の溝（８ａ）が所
   定の間隔をおいて平行に刻設され各溝（８ａ）が受け入
   れた棒体（１１ａ）の最上部がパレット（８）の上面よ
   りも低くなるように形成されたものを用い、 用紙仮受け台（１１）上に積載された用紙の下面をパレ
   ット（８）の上面で突き上げてこの用紙を用紙仮受け台
   （１１）から持ち上げ、この状態で用紙仮受け台（１
   １）を水平方向に引き抜くようにしたことを特徴とする
   枚葉機のノンストップ排紙方法。
2. 【請求項２】 用紙仮受け台（１１）として、把手（１
   １ｃ）を設けたものを用いることを特徴とする請求項１
   に記載の枚葉機のノンストップ排紙方法。