JP2001138967A - ゴムクローラ - Google Patents
ゴムクローラInfo
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Abstract
のである。 【解決手段】接地面に形成される回転方向が指定された
ラグを備えたゴムクローラであって、クローラの帯長手
方向と平行な断面上でのラグ断面形状について、クロー
ラの転動に伴うラグ蹴り出し側側面先端Aのトロコイド
軌跡が、XA=rA{(1−S)t−sin・t}、Y
A=rA(1−cos・t)で表されるとき、該ラグ断
面の蹴り出し側側面上の任意の点Bの軌跡(XB、Y
B)が側面先端Aの軌跡に対して、YB=YAのとき、
XA≧XB、かつ、点A、Bを結んだ線分ABとクロー
ラ巻きかけ中心方向とのなす角αがα>0であることを
特徴とするゴムクローラ。L‥ラグ、T‥ゴムクローラ
の外周面、Sf‥ラグ踏み込み側側面、Sk‥ラグ蹴り
出し側側面、Ss‥ラグ蹴り出し側付け根部、α‥Y軸
と線分ABのなす角。
Description
するものであり、更に詳しくは外周面に形成されるラグ
形状にかかるものである。
は、水田等の泥濘地のトラクション性能の確保のために
ラグの高さの高いいわゆるハイラグパターンが主流であ
った。かかるハイラグパターンのゴムクローラはラグ投
影面積を拡大することによりトラクションを向上させて
いるが、ラグをゴムクローラの幅以上に広げるには制限
があり、ラグ投影面積を拡大してトラクションを向上さ
せるにも限界がある。また、このハイラグパターンのゴ
ムクローラを畑作業へ用いた場合、ゴムクローラがスプ
ロケットやアイドラーに巻き付く時にラグ側面により土
を持ち上げてしまい、圃場を荒らす原因となっている。
みてなされたもので、従来のハイラグパターンの優れた
長所ある泥濘地でのトラクションをより一層向上できる
とともに、畑作業にも適したラグを有するゴムクローラ
を提供することを目的とする。
に、本発明のゴムクローラは以下の構造としたものであ
る。即ち、接地面に形成される回転方向が指定されたラ
グを備えたゴムクローラであって、当該ゴムクローラの
帯長手方向と平行な断面上でのラグ断面形状について、
ゴムクローラの転動に伴うラグ蹴り出し側側面先端Aの
トロコイド軌跡が、XA=rA{(1−S)t−sin
・t}、YA=rA(1−cos・t)で表されると
き、該ラグ断面の蹴り出し側側面上の任意の点Bの軌跡
(XB、YB)が側面先端Aの軌跡に対して、YB=Y
Aのとき、XA≧XB、かつ、点A、Bを結んだ線分A
Bとゴムクローラ巻きかけ中心方向とのなす角αがα>
0であることを特徴とするゴムクローラ(ここで、X、
Yの座標はA点に向かう荷重直下方向線をY軸とし、そ
の軸と直交するゴムクローラの最大沈下位置における線
をX軸とし、その交点を原点とする。またSはスリップ
率、tはゴムクローラ巻き掛け時の回転角度(ラジア
ン)、rAは先端点Aのゴムクローラ巻き掛け中心軸か
らの距離)にかかるもので、好ましくは、蹴り出し側側
面の任意の点Bの軌跡と、点Aの軌跡は接点を持つゴム
クローラである。
トラクション性能は帯長手方向断面でのラグ投影面積に
よって大きな影響を受ける。即ち、ラグの投影面積が大
きいほどトラクションが向上し、かつ軟弱地における走
行性も向上する。しかしながら、そのゴムクローラの幅
により大きく制約され、ラグ投影面積には限界がある。
しかるに、ゴムクローラにおけるラグの土壌内での走行
軌跡を検討したところラグが土に対してトラクションと
して作用する部分と走行抵抗として作用する部分がある
ことが見い出し本発明に到達したものである。
考察するに、ゴムクローラの土への入力(G・T〜グロ
ストラクション)、土壌から受ける走行抵抗(R)、車
両が得る推進力(N・T〜ネットトラクション)とする
と、N・T≒G・T−Rであり、ゴムクローラのトラク
ションの向上のためにはG・Tの向上とRの低減とを合
わせて行うことが必要である。
ラグを備えたゴムクローラのラグの走行軌跡を表したも
ので、図2はゴムクローラの外周面の展開図である。外
周面TにおいてラグLを踏面Sp、その踏み込み側ラグ
側面Sf、蹴り出し側ラグ側面Sk、とに分けて考えた
場合、例えば蹴り出し側ラグ側面Skをゴムクローラの
内外方向に対する平均角度を30度としたとき、蹴り出
し側及び踏面は走行抵抗に作用し(車両進行に対し負に
力が作用し)、踏み込み側側面は上から離れようとする
ときに土を持ち上げようとする抵抗も働く。
の回転に伴い、a1、a2、‥anと移動していくとS
k部分が蹴り出し側ラグ側面抵抗R1として、またSp
部分が踏面走行抵抗R2として働く部分であり、Sf部
分が踏み込み側ラグ側面土壌持ち上げ抵抗R3として働
く部分であり、それらが全体の抵抗となる部分であるか
ら、これらの各部分が少なくなるようにすればよいので
ある。別の面から言えば、ラグ蹴り出し面の内外方向と
なす角度αが0であると、ラグLの剛性が不足し、ラグ
付け根部に歪集中が生じてクラックの核となったり、或
いはG・Tの低下を招くこととなる。
剛性の確保について両立させることが実用のために必要
となるという知見に基づき本発明に到達したものであ
る。分説すれば次の通りである。 XA≧XB‥ラグパターンによる走行抵抗を低減するた
めに必要であり、ラグ先端Aの土壌内の軌跡よりラグ中
心側を蹴り出し面が追従すれば、ラグ蹴り出し面の走行
抵抗を0とすることができる。 α>0‥ラグ剛性を確保するために必要であり、α=0
では歪集中によるクラックが発生し、実用に耐えられな
い。また蹴り出し側側面の任意の点Bの軌跡と、点Aの
軌跡は接点を持つようにすることによって走行抵抗の低
減を図るとともに、ラグ蹴り出し面の形状を、ラグ剛性
をより一層向上させることのできる形状とすることがで
きる。
する。図3は本発明のゴムクローラの外周面の展開図で
あり、図4はその側面図である。ゴムクローラの外周面
Tにはゴムクローラの両側幅縁に向かってラグLが一定
ピッチにて配列されている。そして、ゴムクローラが矢
印方向に転動するとき、ラグLのSfが踏み込み側側面
であり、Skが蹴り出し側側面である。そして、蹴り出
し側で、先端A点より外周面Tに近づくにつれて拡がる
ように傾斜したラグ蹴り出し側側面Skであり、それに
続いて中途より内包へ湾曲してラグ付け根部Ssを形成
している。一方、踏み込み側についてはこの例では蹴り
出し側より大角度で外周面Tに向かうに従って傾斜して
おり、中途より、内側へ向かって弧状をなした形状であ
る。
イドラー及びスプロケットに巻き掛けされて転動する時
のラグLの軌跡は図5に示す通りであり、ラグ付け根部
Ssの任意の点は先端Aの軌跡の内側に存在している。
部分が土壌内に沈下するが、その場合にあるラグLの下
面が真下を向いて沈下しているとき、ゴムクローラの長
手方向と平行な断面上でのラグ断面形状について蹴り出
し側側面先端A点を通る垂線をY軸とし、それに直角な
ラグの下面を通る線をX軸とする座標面におけるゴムク
ローラの回転角度t=0のときのゴムクローラの位置を
始点として、これが転動するときのラグLの蹴り出し側
側面先端Aのトロコイド軌跡は、XA=rA{(1−
S)t−sin・t}、YA=rA(1−cos・t)
となる。(Sはスリップ率である)。
断面の蹴り出し側側面上の任意の点Bを結ぶ直線のY軸
となす角をαとすると、ラグ断面の蹴り出し側側面上の
任意の点Bの軌跡(XB、YB)は、XB=rA{(1
−S)(t−tan-1・l×sinα/(rA−l×c
osα))−rB/rA×sin(t−tan-1・l×
sinα/(rA−l×cosα))}、YB=rA
{1−rB/rA・cos(t−tan-1・l×sin
α/(rA−l×cosα)}で表される。
の任意の点Bの軌跡(XB、YB)が側面先端A(X
A、YA)の軌跡に対してYB=YAのとき、XA≧X
Bであることが走行抵抗を低減させるための条件であ
り、a>0であることがラグの剛性を確保し得るために
必要であることが夫々の軌跡から分かる。
B点がトロコイド運動を開始することとなるが、上記の
条件を満たすラグ断面形状の設計方法を説明すると、先
ず、aとlを設定する。30°>α>0、l>0、aと
lが決まるとB点初期位相角γとB点回転半径r(B)
が決まり、γ=tan(l×sinα/(r(A)−l
×cosα)、r(B)=(r(A)−l×cosα)
/cosγ(ここでlはラグ蹴り出し側側面上のA−B
間の長さ)となる。
A点−B点の同一深さでの水平方向相対距離を求める。
本実施例では、圃場の最も深い点がY=0で、圃場表面
がY=100としている。
tを求める。A点の軌跡はα、lに関係せず一定で、図
6のように圃場進入時から荷重直下の位置に至るまで土
を削るので、その間の回転角度だけを取り扱えば良く、
一方、B点の軌跡はα、lによって変化するので、圃場
進入時から出ていく時までの間の回転角度を取り扱うこ
ととなる。t{A}=cos{1−y/r(A)}、t
{B}=cos|{1−y/r(A)}・r(A)/
(r(B)|+γ、A点の軌跡のX座標:X(A)とB
点の軌跡のX座標:X(B)の差がA点−B点の圃場内
同一深さでの水平方向相対距離:dとなる。しかるに、
d=X(B)−X(A)>0のとき、B点は土を削り、
d<0のときは削らない。このようにして、土を削らな
いαとlの値が求められる。図7はα=10°、l=4
0mmの時の計算結果を示す表である。
より、B点の軌跡がA点の軌跡の内側にあるように設計
すれば、ラグL上の任意の点Bは図6にて示すように土
を削らないこととなる。
ラグLの実施例としては上記した以外にも例えば図7
(a)〜(f)に示されるものがある。
ラクション)、G・T(グロストラクション)、歪(最
大圧縮量)を測定し、R(走行抵抗)を計算した。そし
て、その条件下における結果を従来例の評価指数を10
0とし、実施例を評価指数で表した。試験の結果を図9
に示す。この結果、湿田における走行抵抗は従来例のも
のに比べて実施例において1割程度減少し、畑作業性も
良好であることが判明した。
よりハイラグパターンを備えたゴムクローラを有する泥
濘地や圃場でのトラクションを向上させることができ、
畑作業及び水田作業に好適なゴムクローラを提供できた
ものである。
図である。
示した図である。
示した図である。
縦断面図である。
を説明した説明図である。
跡図である。
果を示す表である。
状を示した図である。
表である。
端Aまでの距離、 α‥Y軸と線分ABのなす角。
Claims (2)
- 【請求項1】 接地面に形成される回転方向が指定され
たラグを備えたゴムクローラであって、クローラの帯長
手方向と平行な断面上でのラグ断面形状について、クロ
ーラの転動に伴うラグ蹴り出し側側面先端Aのトロコイ
ド軌跡が、XA=rA{(1−S)t−sin・t}、
YA=rA(1−cos・t)で表されるとき、該ラグ
断面の蹴り出し側側面上の任意の点Bの軌跡(XB、Y
B)が側面先端Aの軌跡に対して、YB=YAのとき、
XA≧XB、かつ、点A、Bを結んだ線分ABとクロー
ラ巻きかけ中心方向とのなす角αがα>0であることを
特徴とするゴムクローラ。(ここで、X、Yの座標はA
点に向かう荷重直下方向線をY軸とし、その軸と直交す
るゴムクローラの最大沈下位置における線をX軸とし、
その交点を原点とする。またSはスリップ率、tはクロ
ーラ巻き掛け時の回転角度(ラジアン)、rAは先端点
Aのクローラ巻き掛け中心軸からの距離である。) - 【請求項2】 蹴り出し側側面の任意の点Bの軌跡と、
点Aの軌跡は接点を持つ請求項1に記載のゴムクロー
ラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32190799A JP2001138967A (ja) | 1999-11-12 | 1999-11-12 | ゴムクローラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32190799A JP2001138967A (ja) | 1999-11-12 | 1999-11-12 | ゴムクローラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001138967A true JP2001138967A (ja) | 2001-05-22 |
Family
ID=18137744
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32190799A Pending JP2001138967A (ja) | 1999-11-12 | 1999-11-12 | ゴムクローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001138967A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011513111A (ja) * | 2008-02-27 | 2011-04-28 | ソリディール・ホールディング・ソシエテ・アノニム | ラバークローラ、ラバークローラを製造する方法、ラバークローラのための突起、ラバークローラを備えた車両 |
JP2013086727A (ja) * | 2011-10-20 | 2013-05-13 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 弾性クローラ |
CN110225860A (zh) * | 2017-01-20 | 2019-09-10 | 株式会社普利司通 | 弹性履带 |
-
1999
- 1999-11-12 JP JP32190799A patent/JP2001138967A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011513111A (ja) * | 2008-02-27 | 2011-04-28 | ソリディール・ホールディング・ソシエテ・アノニム | ラバークローラ、ラバークローラを製造する方法、ラバークローラのための突起、ラバークローラを備えた車両 |
JP2013086727A (ja) * | 2011-10-20 | 2013-05-13 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 弾性クローラ |
CN110225860A (zh) * | 2017-01-20 | 2019-09-10 | 株式会社普利司通 | 弹性履带 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090108 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090602 |