JP2001138136A - ネジ切り加工制御装置 - Google Patents

ネジ切り加工制御装置

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JP2001138136A
JP2001138136A JP31992999A JP31992999A JP2001138136A JP 2001138136 A JP2001138136 A JP 2001138136A JP 31992999 A JP31992999 A JP 31992999A JP 31992999 A JP31992999 A JP 31992999A JP 2001138136 A JP2001138136 A JP 2001138136A
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threading
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tap
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Hideki Sato
秀樹 佐藤
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Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ネジ切り加工における異常時処理の自動化。 【解決手段】 タップ加工に先立って、ステップ350
では、後で実行される可能性を有するタップ戻し処理
(異常処理手段)に備えて、タップ開始位置A、及び、
タップ戻し位置Bを主記憶装置の所定のアドレスに記憶
する。ステップ360では、過負荷センサの機能によ
り、主軸が過負荷状態等の異常状態にあるか否かを判定
し、異常が有れば、タップ戻し処理へ、そうでなけれ
ば、ステップ370に処理を移す。タップ戻し処理で
は、ここで記憶したネジ切り範囲A,Bに従って「タッ
プ戻し」の実行/非実行を判断する。これにより、PL
Cのポジションスイッチに、ネジ切り範囲を設定する必
要が無くなる。また、加工条件記憶手段に記憶されてい
る情報に従って異常処理を実行するNCプログラムを1
つ用意するだけで、任意の仕様のタップに対するタップ
戻し処理が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネジ切り加工を行
う工作機械を制御する制御装置に関し、特に、ネジ切り
加工における異常時処理の自動化技術に関する。また、
本発明は、専用工作機械に限らず、マシニングセンタ等
の汎用切削工作機械の分野にも適用可能である。
【0002】
【従来の技術】図5に、従来技術を説明するネジ穴の断
面図を示す。工作物Wに形成された雌ネジ形成用の略円
筒形状の下穴Hの中心軸は、工作機械の主軸(x軸)上
に固定されており、本工作機械の主軸先端には、タップ
Tが取り付けられている。
【0003】タップTの回転中心軸は、上記のx軸と一
致しており、タップTは、主軸の回転運動と同期してx
軸方向に並進移動する送り軸の動作により、下穴Hの内
側の円筒面を切削し、下穴Hに雌ネジ溝を切る。 (記号) P … 工具制御点(工具の位置を制御するための工具
上の固定点) x … 点Pの主軸方向座標 A … タップ開始位置(タップ戻し位置) B … タップ指令位置(底値) PS … ポジションスイッチ
【0004】図6は、本従来技術における異常処理プロ
グラムの構成表である。この様に、従来技術において
は、主軸に過剰な負荷が掛かった等の異常状態が検出又
は発見された場合、主軸及び送り軸のモータは一端停止
され、その後、上記のxの現行の値に応じて、本表に示
すプログラム1、又はプログラム2の内の何れか一方の
プログラムが選択され、タップTを所定の基準点まで戻
す「異常処理」が実行される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
(問題点1)ネジ切り加工を実施する際には、異常状態
に備えて、必ず上記のプログラム1、及びプログラム2
を用意する必要がある。
【0006】(問題点2)上記のプログラムの選択は、
PLC(プログラム可能論理制御装置:シーケンサ)に
より行われるため、上記のタップ戻し範囲(A,B]
は、加工すべきタップ穴の一つひとつについてPLCの
ポジションスイッチPSに設定する(登録しておく)必
要がある。本設定は、入出力装置(操作盤)を使って、
作業者(オペレータ)がポジションスイッチPSがオン
状態となる座標範囲、即ち、開始位置Aと終了位置(底
値)Bとを手入力することにより実施するものである。
【0007】(問題点3)特に上記のプログラム1は、
各タップの仕様(ピッチ、正逆、螺旋数、或いは適用工
具など)により、プログラム仕様(処理実施条件)も変
更しなければならないため、上記のプログラム1は、各
タップの種類毎に作成する必要がある。
【0008】問題点1〜3に示す上記の作業は、タップ
の種類(ネジ等の種類)やタップ加工範囲の違い等によ
る相違点の数に比例して増加するため、ネジ等を多種類
にわたって生産する場合、作業効率が大きく低下する。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的は、ネジ切り加工における
異常時処理の自動化による作業効率の向上である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、以下の手段が有効である。即ち、第1の手段
は、タップ、又はネジ切りバイト等の工具を用いて、工
作物に設けられた略円筒形の穴の内面、又は略円筒形の
工作物の円筒側面に対するネジ切り加工を行う工作機械
を制御する制御装置において、この制御装置の一部分を
構成する数値制御装置の現在使用中のNCデータ内のネ
ジ切り開始位置Aに基づいて、現在実行中のネジ切り加
工の被加工面の円筒軸方向のネジ切り範囲を記憶するネ
ジ切り範囲管理手段と、ネジ切り加工中に工具の制御点
がネジ切り範囲内に位置するか否かを判定する工具位置
判定手段と、少なくとも、制御点がネジ切り加工の折返
点に到達する前の、制御点がネジ切り範囲内に位置する
時に、主軸又は工作機械の非常時の一時停止状態より、
所定の再起動指令又は所定の再起動条件に従って、主軸
をネジ切り加工の切削時とは逆向きに回転させながら、
この回転と同期して工具を円筒軸方向において後退させ
ることにより、工具をネジ切り範囲外に取り出す異常処
理手段とを備えることである。
【0011】ただし、上記のネジ切り範囲管理手段によ
り管理されるネジ切り範囲は、その上限値又は下限値の
どちらか一方のみにより管理されるものであっても良
い。即ち、上記のネジ切り範囲は、少なくともネジ切り
開始位置Aに基づいて管理される。尚、その時のネジ切
り開始位置Aが、ネジ切り範囲の上限値となるか、或い
は下限値となるかは、上記の円筒軸方向の正の向きの定
義による。
【0012】また、第2の手段は、上記の第1の手段の
ネジ切り範囲管理手段において、現在使用中のNCデー
タ内のネジ切り開始位置Aと共に、現在使用中のNCデ
ータ内のネジ切り終了位置(底値)Bを記憶することで
ある。即ち、本第2の手段は、現在使用中のNCデータ
に基づいて、上記のネジ切り範囲をその上限値及びその
下限値の両方で管理するものである。
【0013】また、第3の手段は、上記の第1又は第2
の手段のネジ切り範囲管理手段において、現在実行中の
ネジ切り加工の、左右ネジ区分、ネジ切りピッチ、工具
戻し速度、工具戻し回転角速度、又は、底ドウェル時
間、或いは、これらの諸定数に関する関連値をNCデー
タに基づいて記憶する加工条件記憶手段を備えることで
ある。
【0014】また、第4の手段は、上記の第1乃至第3
の何れか1つの手段の異常処理手段に、上記の一時停止
状態以降において制御点がネジ切り範囲外に位置してい
る工具を、主軸の回転を略停止したまま早送りすること
により、工具を所定の基準点まで戻す早送り戻し手段を
備えることである。
【0015】また、第5の手段は、上記の第1乃至第4
の何れか1つの手段の工具位置判定手段において、制御
点がネジ切り範囲内に位置するか否かの判定を実行する
際に、ネジ切り範囲を所定の安全定数に従って終端側
へ、或いはネジ切り加工開始点側へ論理的に拡張するネ
ジ切り範囲拡張手段を備えることである。
【0016】更に、第6の手段は、上記の第1乃至第5
の何れか1つの手段において、主軸、主軸アンプ又はサ
ーボモータ等に備えられた、過負荷センサ又は振動セン
サ等からの入力信号に基づいて、ネジ切り加工における
異常状態を受信、検出、又は判別する異常検知手段と、
この異常検知手段による異常状態の検知、或いは、作業
者からの非常停止指令に応じて、主軸又は工作機械を一
時停止させる非常停止手段とを備えることである。以上
の手段により、前記の課題を解決することができる。
【0017】
【作用及び発明の効果】本発明によれば、異常処理プロ
グラムの実行に先立って、現在使用中のNCデータ(数
値制御装置が使用するプログラム又は数値データ)に基
づいて、現在実行中のネジ切り加工の被加工面の円筒軸
方向のネジ切り範囲を記憶することができるため、ここ
で記憶した情報(ネジ切り範囲)に従って「タップ戻
し」の実行/非実行を制御(決定)するNCプログラム
(即ち、本発明の異常処理手段)を従来の異常処理プロ
グラムの代わりに用いれば、PLCのポジションスイッ
チに、複数存在し得る各主軸毎に、或いは、各タップの
種類やタップ加工深さ毎にネジ切り範囲を設定する必要
が無くなる。
【0018】また、本発明によれば、左右ネジ区分や、
ネジ切りピッチ等のネジの仕様が工作物に依り異なる場
合においても、これらのネジの仕様に関する情報が、N
Cデータに基づいて上記の加工条件記憶手段に記憶され
るため、加工条件記憶手段に記憶されている情報に従っ
て、異常処理を実行する汎用性の高いプログラムをシス
テムに1つ用意するだけで、各タップの種類やタップ加
工深さ毎に異常処理プログラムを作成する必要が無くな
る。
【0019】図1は、本発明の作用を説明するネジ穴の
断面図である。本発明の図1は、前述した図5と、各記
号はそれぞれ同じものを意味しているが、以下の点が異
なっている。 〔1〕現在処理中のタップのA,Bの値は、使用中のN
Cデータに基づいて、数値制御装置の主記憶装置上で管
理されている。 〔2〕したがって、PLCのポジションスイッチPS
は、使用していない。
【0020】〔3〕制御点Pがネジ切り範囲内に位置す
るか否かの判定を実行する際に、ネジ切り範囲(A,
B]を所定の安全定数α(≧0),β(≧0)に従っ
て、終端側(x軸方向正の向き)へβ、ネジ切り加工開
始点側(x軸方向負の向き)へαだけ論理的に拡張し、
この論理的に拡張されたネジ切り範囲、即ちタップ戻し
範囲(A−α,B+β]に基づいて、制御点Pがネジ切
り範囲(タップ戻し範囲)内に位置するか否かの判定を
実行している。
【0021】上記の相違点〔3〕は、不測の電源切れに
より、ネジ切りが惰性で延長された場合(x>Bとなっ
てしまった場合)を想定した安全対策を含んでいる。即
ち、制御点Pがネジ底近傍(x≒B)に位置する時に、
主軸及び送り軸のモータの電源が切れた際にも、上記の
様な判定を実施することにより、工具(タップ)Tを工
作物Wの外に確実に取り出すことができるようになる。
これにより、工作物W中に位置する工具(タップ)Tに
対して早送りが実施される恐れが無くなり、より安全に
なる。
【0022】また、上記の判定に先立って、ネジ切り範
囲(タップ戻し範囲)をネジ切り加工開始点側へαだけ
論理的に拡張しておくことにより、工具選択、タップ制
御等に何らかの誤りや誤差があった場合にも、より確実
にタップ戻しを完了することができ、より安全になる。
【0023】本発明は、ネジ切り加工の異常時の処置と
して実施される戻し処理の分別判定(タップ戻しか、早
送り戻しか等の判定)に必要な情報を現在使用中のNC
データから取り出すことにより、ネジ切り加工の異常時
の処理、又は異常時に備えての手続きを自動化すること
を主眼としたものである。このNCデータから取り出す
べき情報は、タップ加工の範囲を片側(開始位置A)だ
けから規定するものであっても、タップ加工範囲をその
上限と下限の両方から規定するものであっても良い。こ
れらの情報に基づいてタップ戻しか、早送り戻しか等を
判定することにより、上記の自動化を実現することがで
きる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。図2は、本実施例の工作機械系のハ
ードウェア構成図である。本実施例においては、主軸3
1の回転軸をx軸とする。水平に保たれたテーブル40
は、送りねじ軸42に案内・駆動されてx軸方向に並進
移動する。
【0025】モータ24、28の回転量は各々エンコー
ダ22、26により検出される。テーブル40には主軸
31を有する主軸台30が設けられており、主軸31の
先端には、タップTが取り付けられている。
【0026】台座50上に固定された工作物Wには、雌
ネジ形成用の略円筒形状の下穴Hが形成されている。こ
の下穴Hの中心軸は、主軸31の回転中心軸(x軸)上
に割出しされて固定されている。即ち、タップTの回転
中心軸は、上記のx軸と一致しており、タップTは、x
軸方向に並進移動するテーブル40の動作と同期した主
軸31の回転運動により、工作物Wの下穴Hの内側の円
筒面を切削し、下穴Hに雌ネジ溝を切る。
【0027】モータ駆動回路19、20は、各々図略の
デジタルサーボ制御装置や電源回路等から構成されてい
る。数値制御装置10は、メモリ(記憶手段)と、CP
U(演算手段)と、インタフェース部等から構成されて
いる。また、入出力装置12は、キーボードやディスプ
レイ等から成る。
【0028】モータ駆動回路19、20は、規定の単位
時間(例えば、10ms)毎に数値制御装置10から指令さ
れる目標位置(x座標、回転角)に従って、各モータ2
4,28をサーボ制御する。本サーボ制御は、エンコー
ダ22、26の出力値を用いて、所定のフィードバック
制御理論に基づいて実施される。
【0029】本実施例のネジ切り加工制御装置100
は、数値制御装置10、シーケンサの機能を備えたPL
C(プログラム可能論理制御装置)14、主軸モータ駆
動回路20、送り軸モータ駆動回路19等から成り、数
値制御装置10、及び、PLC14には、入出力装置
(操作盤)12が接続されている。PLC14は、数値
制御装置10が実行すべきNCプログラムを判断・選択
し、所定の「プログラム指令」により、数値制御装置1
0にそのNCプログラムを実行させることができる。
【0030】また、主軸モータ駆動回路20は、ネジ切
り加工中にモータ28に流れる電流の大きさを監視し、
その監視結果をPLC14に連絡する。PLC14は、
この主軸モータ駆動回路20より報告される電流監視結
果を随時所定の境界値と比較することにより、主軸回転
に伴う過剰電流を検出する。即ち、本機構により、過負
荷状態(異常状態)を検知する過負荷センサの機能が実
現されている。
【0031】図3、図4は、それぞれ本実施例のタップ
加工処理、及び、タップ戻し処理のゼネラルフローチャ
ートである。本アルゴリズムは、上記のネジ切り加工制
御装置100により、実行されるものである。図3のタ
ップ加工処理では、まず最初にステップ300により、
本タップ加工処理に関する所定の初期化処理を実行す
る。
【0032】次に、ステップ310では、NCプログラ
ムに関する解析をデータブロック単位に行う。即ち、1
データブロックを読み込んで、デコード処理を実施す
る。次に、ステップ320では、命令解析結果を判定
し、それがプログラムエンドであれば、本プログラムを
終了し、そうでなければ、ステップ330に処理を移
す。
【0033】ステップ330では、上記の命令解析結果
を判定し、それがタップ加工であれば、ステップ350
へ、そうでなければ、ステップ340に処理を移す。ス
テップ340では、上記の命令解析結果が示す処理(タ
ップ加工以外の処理)を実行する。
【0034】ステップ350では、後で実行される可能
性を有する図4のタップ戻し処理(異常処理手段)に備
えて、図1に示したタップ開始位置A、及び、タップ戻
し位置Bを主記憶装置の所定のアドレスに記憶する。ス
テップ355では、タップ加工実施中か否かを示す「タ
ップフラグF」をON状態(F=1:実施中)にする。
【0035】ステップ360では、前記の過負荷センサ
の機能により、主軸が過負荷状態等の異常状態にあるか
否かを判定し、異常が有れば、ステップ390へ、そう
でなければ、ステップ370に処理を移す。ステップ3
70では、「タップ送り→底ドウェル→タップ戻し」の
一連のタップ処理(タップ加工サイクル)の一部分処理
を前記の単位時間(例えば、10ms)単位で構成する1ユ
ニットサイクルの処理を実行する。
【0036】ステップ380では、上記の一連のタップ
処理(タップ加工サイクル)が全て完了したかを判定
し、完了していれば、ステップ385へ、そうでなけれ
ば、ステップ360に処理を移す。ステップ385で
は、タップ加工実施中か否かを示す「タップフラグF」
をOFF状態(F=0)にする。ステップ390では、
図4に示すサブルーチン(タップ戻し処理)を呼び出
し、実行する。
【0037】本サブルーチン(図4)では、まず最初に
ステップ410により、図2のモータ24,28を停止
する。次に、ステップ420により、作業者に対して必
要な介入動作(介入処置)を行うことを要求するメッセ
ージを入出力装置12に出力する。ステップ430で
は、作業者からの応答を待つ。
【0038】作業者は、ステップ420により出力され
た介入要求メッセージに応じて、異常状態の原因を排除
することができる。また、作業者は、この介入要求メッ
セージに応答して、ネジ切り加工制御装置100に対す
る再起動指令を入出力装置12より入力することができ
る。
【0039】ステップ440では、次式(1)が成り立
つか否かを判定し、成り立てば、ステップ450へ、そ
うでなければ、ステップ470に処理を移す。
【数1】 F=1(ON) 、かつ、 A−α<x≦B+β …(1)
【0040】ステップ450では、タップTの制御点P
が、「x≦A−α」となるまで、図1のタップ戻しを行
う。ステップ460では、タップ加工実施中か否かを示
す「タップフラグF」をOFF状態(F=0)にする。
ステップ470では、主軸の回転を略停止したまま早送
りすることにより、工具の制御点Pを所定の基準点まで
戻す(早送り戻し手段)。
【0041】尚、上記のステップ420、430は、省
略しても良い。作業者の介入(処置)が必要ない場合に
は、ステップ410の直後より、ステップ440以降の
処理を実施しても良い。この様な構成によっても、本発
明の作用・効果を得ることができる。
【0042】また、B<x(又は、B+β<x)となる
ケースが起こり得ない場合や、この様なケースが発生し
た際には必ずタップ戻し処理から異常処理を開始しなけ
ればならないと考えられる場合等には、ステップ440
においては、上記の式(1)の代わりに、次式(2)を
用いることができる。
【数2】 F=1(ON) 、かつ、 A−α<x …(2) この場合、ステップ350では、タップ終了位置Bを記
憶しない様にしても良い。
【0043】また、ステップ350にて底値(タップ終
了位置)B(又は、B+β)を記憶する場合には、この
情報と底ドウェル時のエンコーダ22のフィードバック
値とに基づいてタップ加工深さの良否を判定することが
可能となる等の効果をも、前記の本発明の効果の他に、
更に得ることができる。
【0044】尚、図3は、本実施例のネジ切り加工制御
装置100(図2)により実行されるタップ加工処理の
ゼネラルフローチャートであり、ステップ360〜38
0のサイクル及び異常判定を実現するより具体的な方式
としては、例えば、以下の4種類の代表例(方式1〜
4)を挙げることができる。
【0045】〔方式1〕PLCからのプログラム指令に
よるもの プログラム指令により、PLC14が数値制御装置10
の動作を制御する方式。即ち、PLC14が有する前記
の過負荷センサの機能により、PLC14は、数値制御
装置10が実行すべき処理として、正常時には、ステッ
プ370の「ユニットサイクル」を選択し、異常時に
は、ステップ390の「タップ戻し処理」(図4)を選
択する。数値制御装置10は、PLC14からのプログ
ラム指令に従って、PLC14が選択した処理(「ユニ
ットサイクル」、または、「タップ戻し処理」)を実行
する。
【0046】〔方式2〕数値制御装置が周期的に異常状
態のチェックをするもの メモリインターフェイスによる方式。即ち、主軸モータ
駆動回路20が、直接、又はPLC14を経由して、数
値制御装置10が参照可能なメモリ領域に、過負荷状態
又は過電流状態の内容又は異常判定結果を報告する。本
報告の内容は、定量的なものであっても、是非を示す2
値的なものであっても、多段階的なものであっても良
い。数値制御装置10は、周期的に(例えば、ステップ
360〜380の1ループ毎に)このメモリ領域を参照
し、上記の報告の内容に基づいて、「ユニットサイク
ル」又は「タップ戻し処理」を選択する。
【0047】〔方式3〕数値制御装置に対して外部割り
込みをかけるもの ステップ370を割り込み禁止状態で実行する。PLC
14又は主軸モータ駆動回路20は、異常を検知した場
合にだけ、数値制御装置10に対して割り込みを掛ける
方式。本方式3では、数値制御装置10は、この外部割
り込みによる異常状態の報告が有った場合にのみ、外部
割り込み処理ルーチンの処理として「タップ戻し処理」
を実行し、通常は、異常判定(ステップ360)を実施
せずに、ステップ370とステップ380のみにより、
タップサイクルを継続する。ただし、割込禁止状態時に
発生した割り込みは、次のステップ(割り込み可能処
理)が実行される直前まで保留される。
【0048】〔方式4〕数値制御装置が定期的に異常状
態のチェックをするもの 方式2と同様のメモリインターフェイスによる。数値制
御装置10は、タイマ割り込みを用いて定期的に(例え
ば、10ms毎に)このメモリ領域を参照し、上記の報告の
内容に基づいて、「ユニットサイクル」又は「タップ戻
し処理」を選択する方式。本方式4では、数値制御装置
10は、タイマ割り込み処理ルーチンによる異常状態の
検知が有った場合にのみ「タップ戻し処理」を実行し、
通常は、異常判定(ステップ360)を実施せずに、ス
テップ370とステップ380のみで、タップサイクル
を継続する。ステップ370を割り込み禁止状態で実行
する。
【0049】或いは、また、図3のステップ360の判
断は、事実上作業者が自ら行うことも可能である。即
ち、上記の方式3と同様に通常は、異常判定(ステップ
360)を実施せずに、ステップ370とステップ38
0のみにより、タップサイクルを継続する。そして、タ
ップ加工サイクル(ステップ370、380)の継続中
において、作業者が入出力装置12より、図4のタップ
戻し処理のサブルーチンを直ちに実行する「タップ戻し
処理」の指令、即ち、非常停止指令を含む所定の再起動
指令をPLC14又は数値制御装置10に対して入力可
能な構成とする。例えば、この様な構成により、作業者
が何らかの異常を発見した場合には、作業者が自ら「タ
ップ戻し処理」を起動することも可能である。
【0050】本発明は、上記の任意の方式、構成、或い
は、それらの効果的な組み合わせにより実施することが
可能であり、これらの何れの場合においても前記の本発
明の作用・効果を得ることができる。
【0051】また、上記の実施例においては、ステップ
350において、タップ範囲A,Bのみを記憶したが、
これらの他にも例えば、実施するタップの仕様(ピッ
チ、正逆、螺旋数、或いは適用工具など)に関する情報
をNCデータに基づいて記憶する構成としても良い。こ
の加工条件記憶手段により、ステップ450において、
任意の仕様を有するタップに対し戻しを行うことが可能
となる。即ち、そのような汎用性の高い異常処理を実行
するプログラムをシステムに1つ用意するだけで、任意
の仕様を有するタップに対し戻しを行うことが可能とな
る。
【0052】尚、上記の工具と工作物との間の位置関係
は、互いに相対的なものであるので、工具を回転運動さ
せる代わりに、工作物を回転運動させることにより上記
と同等のネジ切り加工制御を行っても良い。並進運動に
ついても同様である。例えば、略円筒形の工作物よりボ
ルトやネジ軸を製造する場合には、このような方法が有
用となる場合がある。
【0053】即ち、一般に、これらの運動は相対的なも
のであるので、工具を停止させて上記と同等のネジ切り
加工制御を行うことは可能であり、或いは、工具と工作
物の両方を回転運動又は並進運動させることにより上記
と同等のネジ切り加工制御を行うことも可能である。こ
れらの場合においても、本発明の作用・効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明するネジ穴の断面図。
【図2】本発明の実施例に係わる工作機械系のハードウ
ェア構成図。
【図3】本発明の実施例に係わるタップ加工処理のゼネ
ラルフローチャート。
【図4】本発明の実施例に係わるタップ戻し処理のゼネ
ラルフローチャート。
【図5】従来技術を説明するネジ穴の断面図。
【図6】従来技術における異常処理プログラムの構成
表。
【符号の説明】
W … 工作物 H … 下穴 T … 工具 P … 工具制御点 x … 点Pの主軸方向座標 A … タップ開始位置(タップ戻し位置) B … タップ指令位置(底値) α … 安全定数(タップ戻し位置側) β … 安全定数(底値側) 10 … 数値制御装置 12 … 入出力装置(操作盤) 14 … PLC(プログラム可能論理制御装置:シー
ケンサ) 19 … 送り軸モータ駆動回路 20 … 主軸モータ駆動回路 100 … ネジ切り加工制御装置 PS … ポジションスイッチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タップ、又はネジ切りバイト等の工具を
    用いて、工作物に設けられた略円筒形の穴の内面、又は
    略円筒形の工作物の円筒側面に対するネジ切り加工を行
    う工作機械を制御する制御装置において、 前記制御装置の一部分を構成する数値制御装置の現在使
    用中のNCデータ内のネジ切り開始位置Aに基づいて、
    現在実行中の前記ネジ切り加工の被加工面の円筒軸方向
    のネジ切り範囲を記憶するネジ切り範囲管理手段と、 前記ネジ切り加工中に、前記工具の制御点が前記ネジ切
    り範囲内に位置するか否かを判定する工具位置判定手段
    と、 少なくとも、前記制御点が前記ネジ切り加工の折返点に
    到達する前の、前記制御点が前記ネジ切り範囲内に位置
    する時に、主軸又は前記工作機械の非常時の一時停止状
    態より、所定の再起動指令又は所定の再起動条件に従っ
    て、前記主軸を前記ネジ切り加工の切削時とは逆向きに
    回転させながら、前記工具を前記回転と同期して前記円
    筒軸方向において後退させることにより、前記工具を前
    記ネジ切り範囲外に取り出す異常処理手段とを備えたこ
    とを特徴とするネジ切り加工制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ネジ切り範囲管理手段は、 前記NCデータ内のネジ切り開始位置Aと共に、 前記NCデータ内のネジ切り終了位置(底値)Bを記憶
    することを特徴とする請求項1に記載のネジ切り加工制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記ネジ切り範囲管理手段は、現在実行
    中の前記ネジ切り加工の、左右ネジ区分、ネジ切りピッ
    チ、工具戻し速度、工具戻し回転角速度、又は、底ドウ
    ェル時間、或いは、これらの諸定数に関する関連値を前
    記NCデータに基づいて記憶する加工条件記憶手段を有
    することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の
    ネジ切り加工制御装置。
  4. 【請求項4】 前記異常処理手段は、前記一時停止状態
    以降において、 前記制御点が前記ネジ切り範囲外に位置している前記工
    具を、前記主軸の回転を略停止したまま早送りすること
    により、前記工具を所定の基準点まで戻す早送り戻し手
    段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何
    れか1項に記載のネジ切り加工制御装置。
  5. 【請求項5】 前記工具位置判定手段は、 前記制御点が前記ネジ切り範囲内に位置するか否かの判
    定を実行する際に、前記ネジ切り範囲を所定の安全定数
    に従って前記終端側へ、或いはネジ切り加工開始点側へ
    論理的に拡張するネジ切り範囲拡張手段を有することを
    特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の
    ネジ切り加工制御装置。
  6. 【請求項6】 前記主軸、主軸アンプ又はサーボモータ
    等に備えられた、過負荷センサ又は振動センサ等からの
    入力信号に基づいて、前記ネジ切り加工における異常状
    態を受信、検出、又は判別する異常検知手段と、 前記異常検知手段による前記異常状態の検知、或いは、
    作業者からの非常停止指令に応じて、前記主軸又は前記
    工作機械を一時停止させる非常停止手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載
    のネジ切り加工制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013088849A1 (ja) * 2011-12-16 2013-06-20 株式会社日立製作所 切削加工装置及びそれを用いた加工方法
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