JP2001138078A - 回転体のバランス調整方法とその装置 - Google Patents

回転体のバランス調整方法とその装置

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JP2001138078A
JP2001138078A JP32948199A JP32948199A JP2001138078A JP 2001138078 A JP2001138078 A JP 2001138078A JP 32948199 A JP32948199 A JP 32948199A JP 32948199 A JP32948199 A JP 32948199A JP 2001138078 A JP2001138078 A JP 2001138078A
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laser
laser beam
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peripheral surface
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Shinji Watanabe
信次 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速回転時での回転体のバランス調
整を正確に行うことが出来るようにする事、回転体にコ
イルが巻設されている場合でもコイルを傷付けるような
事がないようにする事、切削跡が高速回転の支障になら
ないようにする事などの要求を満足させる事の出来るバ
ランス調整方法の開発。 【解決手段】 回転中の回転体(2)の外周面(2a)の
接線方向(T)にレーザ光線(4)を照射し、回転体(2)の振
幅(W)を計測しつつ回転中の回転体(2)の外周面(2a)を削
り取り、前記振幅(W)を縮小させる事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータのロータのよう
な回転体が高速回転する時に生じる振動を出来る限り軽
減させる事が出来る回転体のバランス調整方法とその装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、モータのような電気回転装置
は、機械のデジタル化、コンピュータ化の進展に連れて
益々多用され進化し続けている。特に、パソコンやAV
機器に搭載される記憶装置用のディスクドライブ用モー
タは、高速化且つ小型化が著しい。
【0003】処が、モータが小型化し且つ高速化すると
通常の回転速度では振動を生じなかったものが、急に振
動を発するようになる。これは遠心力の増大とロータの
極く僅かの偏心に起因する。そこで、前記振動解消の方
法として図7〜9に示すようにロータ(52)の外周面(52
a)に対して法線方向(H)にレーザ光線(54)を照射し、ロ
ータ(52)の外周面(52a)に極く浅いピット(51)を1乃至
複数個彫り込んで全体のバランスを取るという方法が採
られていた。
【0004】この方法では、ロータ(52)の回転とレーザ
光線(54)の照射タイミングを正確に同期させておけばか
なりの精度でアンバランスが解消でき、非常に有効な方
法であったが、次のような問題点も抱えていた。(1)
ロータ(52)の回転速度がさほど高くない場合は前記同期
を取ることは困難ではないが、例えば10,000回転以上に
なると同期を取ることが次第に困難になってくる。(2)
レーザ光線(54)で彫り込まれたピット(51)は、図8,
9に示すように浅い長方形の溝になるため高速回転させ
るとこのピット(51)が周囲の風を巻き込んで乱流を起こ
す事になり、却って乱流により発生した振動でロータ(5
2)が共振し、振動を助長するという点、(3) レーザ光
線(54)をロータ(52)に対して法線方向(H)に当てている
ので、照射タイミングがずれるとロータ(52)にコイル(5
3)が巻かれている場合、そのコイル(53)を照射してコイ
ル(53)を傷付けたり切断してしまうというような問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題の第
1は、如何に高速であろうとも複雑な装置を用いる事な
く正確に回転体のバランス調整をすることが出来るよう
にする事、第2に回転体にコイルが巻設されている場合
でもコイルを傷付けるような事がないようにする事、第
3に切削跡が高速回転の支障にならないようなバランス
調整方法とその装置を開発する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】「請求項1」に記載の回
転体(2)のバランス調整方法は「回転中の回転体(2)の外
周面(2a)の接線方向(T)にレーザ光線(4)を照射し、回転
体(2)の振幅(W)を計測しつつ回転中の回転体(2)の外周
面(2a)を削り取り、前記振幅(W)を縮小させる」事を特
徴とする。
【0007】これによれば、回転中の回転体(2)の外周
面(2a)の接線方向(T)にレーザ光線(4)を照射するので、
図5に示すように、芯振れによって回転体(2)の外周面
(2a)がレーザ光線(4)の照射領域(R)内に入り込んだ場合
のみレーザ光線(4)に接触してその部分が削り取られ
る。その結果、次第に芯振れが解消されていく。芯振れ
の程度は常時計測されており、許容値以下になったとこ
ろでレーザ光線(4)を止め、レーザ加工を終了する。
【0008】また、照射されるレーザ光線(4)は回転体
(2)の外周面(2a)の接線方向(T)であるので、回転体(2)
の外周面(2a)がレーザ光線(4)の照射領域(R)から外れた
場合には、レーザ光線(4)は回転体(2)の何れの場所にも
照射されず、従来例のように加工不要個所を削り取るよ
うな事がない。従来例の場合には回転体(2)に対して法
線方向(H)から照射していたので、加工個所と照射位置
とを合致させるために照射タイミングを完全に合わせる
必要があり、タイミングがずれると加工すべきでない個
所を削り取ることになる。それ故、照射タイミングを正
確に取る必要があり、高速回転になると非常に困難であ
った。
【0009】「請求項2」は回転体(2)の他のバランス
調整方法に関し「回転中の回転体(2)の外周面(2a)の接
線方向(T)にレーザ光線(4)を照射し、回転体(2)の外周
面(2a)の不規則突部(34)を削り取った後、回転体(2)の
振幅(W)を計測しつつ回転中の回転体(2)の外周面(2a)を
削り取り、前記振幅(W)を減少させる」事を特徴とす
る。
【0010】この方式によれば、バランス調整の第1段
階として、回転体(2)の外周面(2a)の異物や不規則突部
(34)を削り取るので、回転体(2)の外周面(2a)は不規則
突起(34)のない極めて平滑な面となる。その後、バラン
ス調整の第2段階として、回転体(2)の外周面(2a)を削
り取るので、極めて安定したバランス調整加工が可能と
なる。
【0011】「請求項3」は請求項1又は2に記載の回
転体(2)のバランス調整方法を限定したもので「レーザ
光線(4)の出力を振幅(W)に合わせて変化させる」事を特
徴とする。
【0012】このようにする事で、振幅(W)の大きいと
きにはレーザ出力を大きくして切削量を増やし、振幅
(W)が小さくなって微小加工が必要になるとレーザ出力
を絞って切削量を小さくし、これにより厳密な加工を行
い精密な芯振れ消去を行う事が出来る。
【0013】「請求項4」は請求項1に記載の回転体
(2)のバランス調整方法の他の限定で「レーザ光線(4)の
焦点位置(f)を変化させ、焦点位置(f)が回転体(2)の外
周面(2a)から外れた位置から次第に外周面(2a)に一致す
る位置に合わせていく」事を特徴とする。
【0014】この場合も前述と同様の効果が得られる。
即ち、レーザ光線(4)の焦点位置(f)が回転体(2)の外周
面(2a)から外れた位置ある場合、レーザ光線(4)のピン
ト外れの部分のエネルギは小さいので、ピントを外して
照射する事で回転体(2)の表面の異物や不規則突起(32)
などが除去できる。この段階も請求項2のバランス調整
の第1段階として使用できる。そして、ピントを外して
照射する事で回転体(2)の表面の異物や不規則突起(32)
などを除去した後、レーザ光線(4)のピントを外周面(2
a)に一致させると前述同様回転体(2)の外周面(2a)が芯
振れに合わせて切削されることになり、芯振れが解消さ
れることになる。
【0015】「請求項5」は本発明に使用されるレーザ
光線(4)に関する規定で「レーザ光線(4)が途切れなく連
続的に発生するCWレーザである」事を特徴とする。レ
ーザ発生装置には、パルス的にレーザ光線(4)を発生さ
せるものと、連続的に発生させるものとがある。連続的
に発生させる事が出来るCWレーザ発生装置(6)の場合
では、高速回転中のロータ(2)の外周面(2a)を連続的に
切削する事が出来るので、凹凸のない綺麗な切削が可能
となる。
【0016】「請求項6」は回転体(2)のバランス調整
方法の更なる追加で、「レーザ光線(4)の照射位置にガ
ス(35)を吹き付ける」事を特徴とするもので、レーザ照
射によりベーパライズされた部分或いは溶融した部分は
前記ガス(35)により吹き飛ばされて照射位置に溜まらな
い。その結果、レーザ照射によって加工された部分が回
転体(2)に再付着せず、正確に回転体(2)から取り除かれ
る。
【0017】「請求項7」は前記方法を実施するための
回転体(2)のバランス調整装置(A)に関し、(a)レーザ発
生装置(6)と、(b)回転体(2)の接線方向(T)に向けて配設
されたレーザ照射装置(3)と、(c)レーザ発生装置(6)と
レーザ照射装置(3)とを結ぶレーザトランスファ部材(8)
と、(d)回転体(2)を載置するためのワークテーブル(9)
と、(e)回転中の回転体(2)の振動を検出する振動センサ
(33)と、(f) 振動センサ(33)の出力に合わせてレーザ出
力或いはレーザ光線の照射方向を制御する制御部(5)と
で構成されている事を特徴とする。
【0018】「請求項8」は前記装置(A)で使用される
レーザ発生装置(6)の種類に関し「レーザ発生装置(6)が
途切れなく連続的にレーザ光線を発生するさせる事が出
来るCWレーザ装置である」事を特徴とする。
【0019】
【発明の実施の態様】以下、本発明を図示実施例に従っ
て説明する。図1は本発明に係るレーザ加工装置(A)の
ブロック回路図で、レーザ発生装置(6)は、例えばレー
ザ光線(4)を途切れなく連続的に発生させる事が出来る
CWレーザ装置(勿論、パルスレーザ発生装置でもよい
が、レーザ光線(4)を途切れなく連続的に発生させる事
が出来るCWレーザ装置の方が綺麗な切削が出来るので
より好ましい。)で、ヤグロッド(YAGロッド)(11)
と、その両側に設置されたシャッタ(12)(13)と、YAG
ロッド(11)に光りを投入する励起ランプ(14)と、励起ラ
ンプ(14)を印加する電源(7)と、励起ランプ(14)とYA
Gロッド(11)とを収納するハウジング(15)と、前記ハウ
ジング(15)を冷却するクーラ(16)と、図1中、左側のシ
ャッタ(12)の背方に設置された全反射ミラー(19)と、シ
ャッタ(13)の前方に配置された出力ミラー(20)とで構成
されている。また、レーザ光線(4)と光軸が一致して出
射されるマーカ用のヘリウム−ネオンレーザ発生装置(1
7)及びこれを反射させてYAGロッド(11)に入射する全
反射ミラー(18)も具備している。
【0020】前記レーザ光線(4)は、本実施例では連続
発振法(勿論、パルス発振、Qスイッチパルス発振、シ
ングルモードなどの手法を除外するものではない)によ
り出力される。即ち、例えばCWレーザ発生装置のよう
なレーザ発生装置(6)によってレーザ光線(4)は途切れな
く連続的に発生する事になる。
【0021】レーザ照射装置(3)の光学系(24)は、例え
ば、シングルレンズ、ダブルレットレンズ、トリプルレ
ットレンズ、平凸レンズ、シリンドリカルレンズその他
各種レンズ系を組み合わせて形成されている。レーザ発
生装置(6)とレーザ照射装置(3)とはそれぞれに設けられ
たカプラ(25)にその端部が接続されたレーザトランスフ
ァ部材(8)を介して接続されている。
【0022】ミラー(26)はレーザ照射装置(3)の光学系
(24)内に組込まれており、トランスファ部材(8)からレ
ーザ照射装置(3)内に入力したレーザ光線(4)を全反射す
るようになっている。また、レーザ照射装置(3)にはカ
プラ(23)に接続された光ファイバ(22)を介して照明用光
源(21)が接続されており、切削箇所を照明するようにな
っている。
【0023】レーザ照射装置(3)の周囲には、レーザ照
射装置(3)に沿ってアシストガス噴出筒部(36)が配設さ
れており、アシストガス噴出筒部(36)の先端から回転体
(2)に向かってアシストガス(35)が噴出するようにアシ
ストガス噴出孔(37)がアシストガス噴出筒部(36)の先端
に穿設されている。アシストガス(35)としては、窒素ガ
スまたはアルゴンガスのような不活性ガス、或いは酸素
のような酸化性ガスが用いられる。一般的には、レーザ
照射により回転体(2)の溶融或いは気化した部位を照射
部位から吹き飛ばす目的から不活性ガスが用いられる。
アシストガス噴出筒部(36)は、レーザ照射装置(3)とは
別個に設けられていてもよく、ノズル状のもので照射部
位にアシストガス噴出孔(37)が向けられているようなも
のであってもよい。なお、レーザ照射装置(3)の対物レ
ンズの直前には保護ガラス(38)が配設されている。
【0024】制御部(5)は、CPU(27)、ROM(28)、
RAM(29)、移動制御部(30)、CRT(31)及びキーボー
ト(32)とで構成されており、ROM(28)にはレーザ加工
の手順が全てプログラミングされている。RAM(29)に
は画像認識装置(1)から取り込んだ回転体(2)の加工部分
の画像信号が記憶されるようになっている。移動制御部
(30)は、画像認識装置(1)及びレーザ照射装置(3)を一体
としてXYZ3軸移動或いは/及び3次元極座標移動(本
実施例では、図2に示すように前記一体物を回転体(2)
に近接・離間させて焦点位置(f)を外周面(2a)上に合わ
せたり逆にピントを外したりするX軸方向、前記一体物
を回転体(2)の外周面(2a)に平行に移動させるY軸方向
或いは前記一体物を回転体(2)の外周面(2a)に平行に回
転させるθ方向、前記一体物を回転体(2)の法線方向(H)
に平行に移動させて外周面(2a)の彫り込み量を調整する
Z軸方向に移動)させるための移動装置(10)の制御用
で、CPU(27)に接続され、CPU(27)の指令の元に移
動手段(10)を移動させるようになっている。CRT(31)
は、画像認識装置(1)で取り込んだ回転体(2)の回転状況
(芯振れの有無)を映し出すためのもので、図1の円形
部分がその拡大図である。図中、(W)は振幅を示し、芯
振れが減小すると1本の線(C)に収斂していく。キーボ
ード(32)は、CPU(27)の条件設定をオペレータが手で
入力するためのものである。
【0025】回転体(2)は例えば、モータのロータのよ
うなもので、図の場合は一般的なモータのロータの図が
記載されているが、当然これに限定されるものでなく、
スピンドルモータ、ブラシレスモータ、コアレスモータ
或いはステッピングモータその他回転部分を含むものは
全て包含される。
【0026】回転体(2)は、一般的にロータコア(2b)の
センタに回転軸(2c)が嵌入され、例えばその嵌合部分を
レーザ溶接などで一体化され、更にロータコア(2b)のア
ーム部分(2d)の周囲にコイル(2e)が多重に巻接される。
このような構造の回転体(2)では、(i) ロータコア(2b)
の回転中心に対して回転軸(2c)の中心が僅かながら傾斜
を以て挿入される事があるし、(ii) コイル(2e)の巻着
量や巻着具合に微細な変化があり、又、コイル(2e)の端
部の処理(例えばハンダ付けの量のバラツキ)などが微妙
に影響してバランスを崩した状態で組み上げられる事が
多い。それ故、これを高速回転させた場合、その微妙な
ズレが芯振れとなって現れ、使用に耐え得なくなる。
【0027】ワークテーブル(9)は、回転体(2)の回転軸
(2c)を保持すると共に所定回転速度で回転させるワーク
保持装置(41)と、ワーク保持装置(41)に伝わった振動を
検出する振動センサ(33)とで構成されている。ワークテ
ーブル(9)は定盤上に設置されて使用される。
【0028】このように組み上げられた回転体(2)をワ
ークテーブル(9)のワーク保持装置(41)に設置し、所定
の回転速度で回転させる。図には回転機構は記載されて
いない。回転数の上昇と共に遠心力が増大し前記アンバ
ランスが顕著になり、次第に振動を発するようになる。
前記振動は振動センサ(33)によりセンシングされて制御
部(5)のCPU(27)に入力される。図1中のワークテー
ブル(9)に繋がっているグラフは、ワークテーブル(9)の
振幅(W)を表す。
【0029】次に本発明の作用について説明する。ま
ず、回転体(2)をワークテーブル(9)のワーク保持装置(4
1)上に設置して芯振れ解消作業準備を行う。これと共に
レーザ発生装置(6)の励起ランプ(14)を点灯し、これに
光源とするレーザ光線(4)をヤグロッド(11)にて発生さ
せる。レーザ光線(4)の発生原理は公知であるのでその
説明は省略する。
【0030】ヤグロッド(11)によって発生したレーザ光
線(4)は出力ミラー(20)、トランスファ部材(8)を通って
レーザ照射装置(3)に入光し、全反射ミラー(26)に反射
され、更に光学系(24)を通って回転体(2)の外周面(2a)
の接線方向に照射される。レーザ光線(4)の出射方向は
予め正確に回転体(2)の外周面(2a)の接線方向に合わし
込まれている。
【0031】レーザ照射方法は、(i)最初から切削を行
う場合、(ii)最初は回転体(2)の外周面(2a)の異物や不
規則突起(34)を削除するクリーニングを行い、然る後、
切削を行う方法とがある。
【0032】まず、方法(i)から説明する。前述のよう
にワーク保持装置(41)に設置した回転体(2)を所定の回
転速度で回転させる。高速回転すればする程、発生した
芯振れが大きくなり、振動センサ(33)によって取り込ま
れる振動データの振幅(W)は大きくなる。図5に示すよ
うに芯振れが生じると、芯振れに合わせて外周面(2a)の
位置は法線方向(H)に対して上下する。一方、レーザ光
線(4)は法線方向(H)に対して直角(接線方向(T))に照射
されているので、レーザ光線(4)を次第に外周面(2a)に
近づけて行くとレーザ光線(4)を横切る場合が発生す
る。この時、横切った部分(図5中、ハッチングの部分)
が一瞬にして高温に加熱され、大半は蒸発し、残部は溶
融状態となる。
【0033】レーザ出力は、最初からフル出力とする場
合及び芯振れ量に合わせてレーザ出力を変化させる場合
とがある。最初からフル出力とする場合、前述のように
レーザ光線(4)を横切った部分(図5中、ハッチングの部
分)が一瞬にして高温に加熱され、大半は蒸発し、残部
は溶融状態となり、ガス(35)により除去される事にな
る。これに対してレーザ出力を変化させる場合は、最初
は大出力として大きな芯振れに対して大きく切削し、芯
振れの収束に合わせてレーザ出力を絞り込んで切削量を
小さくして微細切削を行い、芯振れを極限まで削減す
る。
【0034】この照射部分には常時、ガス(35)が吹き付
けられているので、気化した部分及び溶融部分は吹き飛
ばされて再付着しない。その結果、クリーンな切削溝(3
9)が外周面(2a)の一部に形成される。前記切削溝(39)
は、従来例のようなピット状のものでなく、三日月状に
形成されており、切削溝(39)の入口(39a)と出口(39b)が
外周面(2a)と一致するようになる。従って、高速回転し
た場合でもこの切削溝(39)が周囲の空気を巻き込んで乱
流を生じされる事はピット状の従来例に比べて小さい。
【0035】切削溝(39)は1本の溝でも良いし、レーザ
照射装置(3)をθ方向或いはY軸方向にスキャンさせ、
幅の広い溝或いは回転体(2)の幅全体を削除しても良
い。レーザ光線(4)は前述のように連続発振方式である
ので、連続的に切削され、切削部分の表面は極めて滑ら
かである。レーザ光線(4)の太さは、一般的には直径0.8
〜0.15mmである。細ければ細いほど微小加工が可能と
なる。
【0036】切削加工は、振動計測しつつ行われるの
で、少しずつ切削を進めて行く事で次第にアンバランス
が解消され芯振れが収束していく。許容範囲に収まった
処でレーザ照射を停止すると共に回転体(2)の回転を停
止させる。
【0037】前記振動計測は、目視的にも行う事が出来
る。即ち、画像認識装置(1)でレーザ照射位置の画像を
CPU(27)に取り込み、これを画像処理した後、CRT
(31)に映し出す。芯振れが発生している間は、外周面(2
a)の位置は定まらず、ある幅(W)を以て太いぼけた線と
して映し出される。加工が進み芯振れが収束して来る
と、前記ぼけた太線はシャープな細い線(C)に収斂して
くるので、これによっても振動の修正状況が分かる。収
束状況は機械的に判別する事が出来、自動化が可能であ
る。
【0038】切削量が過少で、芯振れ修正が不十分な場
合には、移動装置(10)を作動させてレーザ光線(4)をZ
軸方向に移動させ、切り込み量の拡大を図る。そして、
前記同様の操作を行い芯振れを解消する。
【0039】次に、方法(ii)に付いて説明する。方法
(i)と重複する部分は省略し、異なる部分のみを中心に
説明する。この場合は前記切削加工に先立って回転体
(2)の外周面(2a)を滑らかにする。何故ならば、回転体
(2)の中には、薄い珪素鋼板を打ち抜き、これを多数重
ね合わせて形成したものがある。このような回転体(2)
の外周面(2a)にはバリのような不規則突起(34)が多数突
出している事がある。通常の回転では、このような不規
則突起(34)或いは打ち抜きの際に使用されるマシン油な
どの付着による表面汚れは障害とならないが、高速回転
になるとこのような微妙なアンバランスも芯振れの原因
となる。そこで、予めこのような外周面(2a)の表面状態
もクリーンにしておき、然る後、前述の切削加工に移る
のがこの場合の方法である。
【0040】表面のクリーニング方法としては、(A)レ
ーザ出力を絞って回転体(2)の外周面(2a)の接線方向(T)
にレーザ光線(4)を照射し、回転体(2)の外周面(2a)の不
規則突部(34)を削り取る場合と、(B)レーザ光線(4)の焦
点位置(f)をX軸方向に変化させ、焦点位置(f)が回転体
(2)の外周面(2a)から外れた位置から次第に外周面(2a)
に一致する位置に合わせていく方法とがある。
【0041】この方式によれば、バランス調整の第1段
階として、回転体(2)の外周面(2a)の異物や不規則突部
(34)を削り取るので、回転体(2)の外周面(2a)は不規則
突起(34)のない極めて平滑な面となる。その後、バラン
ス調整の第2段階として、前述のように回転体(2)の外
周面(2a)を削り取るので、極めて安定したバランス調整
加工が可能となる。
【0042】
【発明の効果】本発明にあっては、回転中の回転体の外
周面の接線方向にレーザ光線を照射するので、芯振れに
よって回転体の外周面がレーザ光線の照射領域(R)内に
入り込んだ場合のみレーザ光線に接触してその部分が削
り取られる事になり、その結果次第に芯振れが解消され
ていく。尚、芯振れの程度は常時計測されており、許容
値以下になったところでレーザ光線を止め、レーザ加工
を終了する。
【0043】また、照射されるレーザ光線は回転体の外
周面の接線方向であるので、回転体の外周面がレーザ光
線の照射領域(R)から外れた場合でも、レーザ光線によ
って回転体の何れの場所も切削されず、従来例のように
照射タイミングを正確に取る必要がなく高速回転下での
切削も非常に容易である。
【0044】また、前記切削に先立ってレーザ出力制御
或いは焦点位置制御により、回転体の外周面の不規則突
部を削り取るので、回転体の外周面を極めて平滑な面と
する事が出来、この状態で切削加工を施すので、その後
のバランス調整がより容易になる。
【0045】更に、レーザ光線の出力を振幅に合わせて
変化させる事により、より厳密な切削加工が可能となり
精密な芯振れ消去を行う事が出来るし、連続発振による
レーザ加工を行うことで滑らかな表面を持つ加工溝或い
は加工面が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ加工装置のブロック回路図
【図2】本発明における回転体のクリーニング時の要部
斜視図
【図3】本発明における回転体の切削加工時の要部斜視
【図4】本発明における回転体の切削加工時の原理図
【図5】本発明における回転体の切削加工時の要部拡大
断面図
【図6】本発明における回転体の切削状態の要部拡大断
面図
【図7】従来例の回転体の加工状態を示す概略図
【図8】従来例の回転体の拡大加工断面図
【図9】従来例の回転体の拡大加工斜視図
【符号の説明】
(W) 振幅 (T) 接線方向 (2) 回転体 (2a) 外周面 (4) レーザ光線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 7/04 H02K 7/04 15/16 15/16 A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転中の回転体の外周面の接線方向にレ
    ーザ光線を照射し、回転体の振幅を計測しつつ回転中の
    回転体の外周面を削り取り、前記振幅を縮小させる事を
    特徴とする回転体のバランス調整方法。
  2. 【請求項2】 回転中の回転体の外周面の接線方向にレ
    ーザ光線を照射し、回転体の外周面の不規則突部を削り
    取った後、回転体の振幅を計測しつつ回転中の回転体の
    外周面を削り取り、前記振幅を減少させる事を特徴とす
    る回転体のバランス調整方法。
  3. 【請求項3】 レーザ光線の出力を振幅に合わせて増減
    させる事を特徴とする請求項1又は2に記載の回転体の
    バランス調整方法。
  4. 【請求項4】 レーザ光線の焦点位置を変化させ、焦点
    位置が回転体の外周面から外れた位置から次第に外周面
    に一致する位置に合わせていく事を特徴とする請求項1
    又は2に記載の回転体のバランス調整方法。
  5. 【請求項5】 レーザ光線が途切れなく連続的に発生す
    るCWレーザである事を特徴とする請求項1〜4に記載
    回転体のバランス調整方法。
  6. 【請求項6】 レーザ光線の照射位置にガスを吹き付け
    る事を特徴とする請求項1〜5に記載回転体のバランス
    調整方法。
  7. 【請求項7】(a)レーザ発生装置と、 (b)回転体の接線方向に向けて配設されたレーザ照射装
    置と、 (c)レーザ発生装置とレーザ照射装置とを結ぶレーザト
    ランスファ部材と、 (d)回転体を載置するためのワークテーブルと、 (e)回転中の回転体の振動を検出する振動センサと、 (f) 振動センサの出力に合わせてレーザ出力或いはレー
    ザ光線の照射方向を制御する制御部とで構成されている
    事を特徴とする回転体のバランス調整装置。
  8. 【請求項8】(a)レーザ発生装置が途切れなく連続的に
    レーザ光線を発生するさせる事が出来るCWレーザ装置
    である事を特徴とする請求項7に記載の回転体のバラン
    ス調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011005554A (ja) * 2006-06-28 2011-01-13 Seagate Technology Llc ディスク・ドライブの構成部品の表面を仕上げる方法、ワークピースの表面を仕上げる方法、およびワークピース

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011005554A (ja) * 2006-06-28 2011-01-13 Seagate Technology Llc ディスク・ドライブの構成部品の表面を仕上げる方法、ワークピースの表面を仕上げる方法、およびワークピース

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