JP2008173652A - バリ取り方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単純で小型な移動機構を利用してバリの高さが僅かな微細バリでもバリのみを選択除去することができるバリ取り方法を提供すること。
【解決手段】レーザビームを所定の回転数の回転ウエッジ板で歳差運動状ビームに偏向回転させる偏向回転ステップと、前記歳差運動状レーザビームの節を結像光学系で集光レンズの入射瞳に伝達する伝達ステップと、前記歳差運動状ビームを集光レンズでワークのバリに集光する集光ステップと、前記集光ステップで集光されるレーザスポットの回転軌道円を前記バリの連続する方向に所定の走査速度で走査させる走査ステップと、を有することを特徴とするバリ取り方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、短パルスレーザビームを用いて切削加工部品、成形部品、打ち抜き部品等のバリ取りを行う方法に関する。
例えば、金属平板を打ち抜くと、図4のように、打ち抜く方向(矢印A方向)に延びるバリ51がワーク5に生じる。バリは、通常、高さh、幅w、長さl(エル)の3次元形状をしている。一方、レーザでバリを除去するためには、レーザビームを集光する必要があり、従来は、集光スポットをバリの長さl方向に主走査すると共に幅w方向に副走査していた(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−317660号公報
上記従来のバリ取り方法では、集光スポットの副走査にガルバノミラーとfθレンズを使用している。fθレンズは、口径が大きいため焦点距離fが50〜100mmと大きい(焦点深度が大きい。)。焦点深度が大きいと、バリの高さhが5μm程度の微細なバリの場合、バリをワークから選択除去することができず、ワークも加工してしまう。また、上記従来のバリ取り方法では、レーザヘッドからのレーザビームをファイバに入射させ、ファイバの出射端をロボットハンドに取り付けられた移動機構で円形に振り回して副走査している。移動機構が複雑且つ大型であり、ファイバの破損の問題もある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、単純で小型な移動機構を利用してバリの高さが僅かな微細バリでもバリを選択除去することができるバリ取り方法を提供することを課題とする。
課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、レーザビームを所定の回転数の回転ウエッジ板で歳差運動状ビームに偏向回転させる偏向回転ステップと、前記歳差運動状レーザビームの節を結像光学系で集光レンズの入射瞳に伝達する伝達ステップと、前記歳差運動状ビームを集光レンズでワークのバリに集光する集光ステップと、前記集光ステップで集光される集光スポットの回転軌道円を前記バリの連続する方向に所定の走査速度で走査させる走査ステップと、を有することを特徴とするバリ取り方法である。
この発明では、歳差運動状レーザビームの節が集光レンズの入射瞳に伝達されてレーザビームが集光されるので、集光レンズに高倍率の(焦点距離の短い)顕微鏡対物レンズ等を使用でき、下部のワークに影響を与えないで上部の微細なバリを選択的に除去することができる。また、回転ウエッジ板でレーザビームを偏向回転するだけでレーザスポットの回転軌道円が得られるので、バリの連続する方向と直交する成分の副走査に別途複雑且つ大型の移動機構を必要としない。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のバリ取り方法であって、前記回転軌道円の直径を前記バリの連続する方向と直交する成分以上に設定する直径設定ステップをさらに有することを特徴としている。
この発明では、回転軌道円の直径をバリの連続する方向と直交する成分以上に設定するので、直交するバリの成分を確実に除去することができる。
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載のバリ取り方法であって、前記集光レンズのNAが0.3以上であることを特徴としている。
この発明では、集光レンズのNAが0.3以上であるので、ビームウエスト近辺での等エネルギ分布がバリ高さ方向で±4μm以下になり、約5μmの微小高さのバリを選択除去することができる。
また、請求項4に係る発明は、請求項1に記載のバリ取り方法であって、前記レーザビームは、中心波長が500〜2000nm、パルス幅が10fs〜 50ps、繰返し周波数が1kHz〜10MHzであることを特徴としている。
ガラス、セラミックス、結晶といった硬脆材料、樹脂材料、金属材料、透明材料など幅広い材料のワークのバリを高速にアブレーション加工して除去することができる。
また、請求項5に係る発明は、請求項4に記載のバリ取り方法であって、前記集光スポット径を2a、前記回転軌道円の直径を2r、前記繰り返し周波数をfとするとき、前記所定の回転数n[rps]は(a/πr)f以下であり、前記所定の走査速度v[μm・s-1]と前記所定の回転数n[rps]との比が前記集光スポット径2a[μm]以下であることを特徴としている。
この発明では、所定の回転数n[rps]が(a/πr)f以下であり、所定の走査速度v[μm・s-1]と前記所定の回転数n[rps]との比が集光スポット径2a[μm]以下であるので、バリの連続する方向と連続する方向に直交する方向とで、集光スポットが離間せず、バリを確実に除去することができる。
歳差運動状レーザビームの節が集光レンズの入射瞳に伝達されてレーザビームが集光されるので、集光レンズに高倍率の(焦点距離の短い)顕微鏡対物レンズ等を使用でき、下部のワークに影響を与えないで上部の微細なバリを選択的に除去することができる。
また、回転ウエッジ板でレーザビームを偏向回転するだけでレーザスポットの回転軌道円が得られるので、バリの連続する方向と直交する成分の副走査に別途複雑且つ大型の移動機構を必要としない。
本発明のバリ取り方法を図1〜6を用いて説明する。図1は、本発明のバリ取り方法を実施するためのバリ取り装置の概略構成図、図2は図1のワークの上面視図、図3はウエッジ板の回転数と集光スポットの連なりを説明するための図、図4はレーザスポットの回転軌道円でバリ取り加工する模式図、図5は集光レンズによるビームウエスト付近のエネルギ分布(シミュレーション結果)、図6は走査速度と回転軌道円の関係を説明する図である。
図1において、1はレーザビームLを発生するレーザ光源、2はレーザビームLが入射されて歳差運動状ビームLa、Lbを出射する回転ウエッジ板、62は回転ウエッジ板2が取り付けられる回転手段、3は歳差運動状ビームLa、Lbをワーク50に集光する集光レンズ、7は歳差運動状ビームLa、Lbの節Nを集光レンズ3の入射瞳31に伝達する結像光学系である。
レーザ光源1としては、CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ、半導体レーザ、ファイバレーザなどを用いることができる。レーザ光源1にErとYbのいずれか一方または両方をドープしたファイバー共振器と増幅器を備え、中心波長が500〜2000nm、パルス幅が10fs〜 50ps、繰返し周波数が1kHz〜10MHzのレーザビームを発生するファイバレーザ(IMRA製フェムトライト)を用いるとよい。ガラス、セラミックス、結晶といった硬脆材料、樹脂材料、金属材料、透明材料など幅広い材料を高速にアブレーション加工することができる。
ウエッジ板2の材質は、偏向するレーザビームLの波長によって異なる。近赤外線より短い波長のレーザビームの場合は、例えばBK7や石英を用い、CO2レーザのように赤外線の場合は、例えばZnSeやNaClなどを用いるとよい。厚さは、分散によるパルス幅の拡大を少なくするため、できるだけ薄くするとよい。
ウエッジ板2の回転手段6は、中空シャフト61の回りに回転する回転体62を備えた、例えば電動モータである。回転手段6は、電動モータの他に光軸10を中空シャフトとする中空シャフトモータ、中空シャフトエアスピンドル、中空シャフトエアタービンなどでもよい。
結像光学系7には、例えば複数の球面レンズからなるリレーレンズや、屈折率分布型ロッドレンズ、などを用いることができる。また、節Nを入力像として節N’を出力像としたときの結像倍率m(=N’/N)は、大きい方がよい。mが大きいと集光スポットPが小さくなる。
集光レンズ3は、入射瞳31を持つテレセントリックレンズで、入射瞳31が結像光学系7で伝達された節N’と一致するように配設されている。換言すれば、結像光学系7で節Nを入射瞳31に伝達している。なお、集光レンズ3には、例えば顕微鏡対物レンズを使用することができる。
入射面21と出射面22のなす角度がαのウエッジ板2に光軸10方向からレーザビームLが入射すると、スネルの法則により光軸10とθをなす方向に偏向され、実線で示すレーザビームLaを出射する。θとαの間には次式の関係がある。
θ=sin-1[nsinα]−α (1)
ここで、nはウエッジ板2の屈折率である。
光軸10とθをなすレーザビームLaが集光レンズ3に入射すると、実線で示すようにレンズ3から焦点距離F離れた位置にあるワーク5の上面における光軸10からrの位置に集光され、集光スポットpとなる。rとθには次式の関係がある。
r=Ftanθ (2)
レーザビームLが180°回転したウエッジ板2に入射すると、光軸10と−θをなす方向に偏向され、点線で示すレーザビームLbを出射する。
光軸10と−θをなすレーザビームLbが集光レンズ3に入射すると、やはり、点線で示すようにワーク物5の上面における光軸10からrの位置に集光され、集光スポットpとなる。
図2は、図1のワーク5をZ軸(光軸10)方向から見た図であるが、ウエッジ板2が光軸10の周りを矢印11方向(図1参照。)に回転すると、集光スポットpも矢印12方向に順次形成され、半径rの回転軌道円4を描く。なお、レーザビームの波長をλ、ビーム径をDとすると、シングルモードの場合、集光スポット径2aは
2a=F(4λ/πD) (3)
と表される。
レーザビームLがcwレーザビームの場合、ウエッジ板2の回転数n[rps]によらず、集光スポットpが連続するので回転軌道円は図3aに示すようになる。一方、レーザビームLが繰返し周波数f〔cps〕のパルスレーザビームの場合、回転数nによっては集光スポットpが繋がらず回転軌道円が図3bに示すようになることもある。図3bのように集光スポットが離間すると、その間のバリが加工されないので、バリの取り残しが起こってしまう。そこで、集光スポット同士が離間しないで少なくとも接する必要がある。集光スポットpが接する図3cのような回転軌道円を得るためには、次式を満たすようにすればよい。
2πr≒2af/n (4)
従って、バリの取り残しをなくすためには、少なくとも
n≦(a/πr)f (5)
である必要がある。また、例えば、集光スポットpが1/4オーバーラップするためには、
2πr≒(3/4)2af/n (4’)
を満たすようにすればよい。(4)、(4’)式からfとnを適当に組み合わせれば、集光スポットを任意の割合にオーバラップさせ得ることがわかる。
(1)式と(2)式から回転軌道円4の大きさ(半径r)は、集光レンズ3の焦点距離F、ウエッジ板2のウエッジ角αで制御できることがわかる。
図4は、回転軌道円4でバリ取り加工する様子を模式的に示す図であが、集光スポットのフルーエンスをバリのアブレーション閾値以上に、回転軌道円の直径2rをバリ51の連続する方向と直交する成分の幅w以上に設定し、矢印12方向に回転する回転軌道円4をバリ51の連続するY方向(矢印B)に走査することで、バリを除去することができる。
図5は、λ=1.56μmのときの集光レンズによるビームウエスト付近のエネルギ分布(シミュレーション結果)である。等エネルギ楕円の長軸(Z方向)の長さがNAによって変化することがわかる。Z=0をバリ表面とし(バリ表面に集光レンズの焦点を合わせ)、最小楕円のフルーエンスをアブレーション閾値より少し高めに設定することで、NA=0.13のとき約12μmの深さまで、NA=0.31のとき約4μmの深さまで、NA=0.47のとき約3μmの深さまでバリが除去されることがわかる。従って、集光レンズのNAを0.3以上にすることで、バリ高さhが約5μmの微小なバリをワーク母材を加工しないで選択除去することができる。なお、本明細書では、バリの選択(的)除去とは、バリ除去時に母材への影響を低減できること(ほとんど母材に影響を与えずにバリを除去できること)を意味する。
なお、図4において、バリ高さhが6μmの場合、NA=0.47の集光レンズを使用して、最初バリの表面に焦点を合わせ、最初の走査で3μm除去し、次に焦点を表面から3μm下がった位置に合わせ、2回目の走査で残りのバリを除去することで、ワーク母材を加工しないでバリを選択除去することができる。
図4において、矢印B方向の走査速度が大きすぎると、図6aのように回転軌道が円にならずに螺旋状になり、集光スポットが照射されない領域ができ、バリが取り残されてしまう。従って、取り残しをなくすためには、図6bに示すように、回転軌道円が連続するように、回転軌道円の回転数nと回転軌道円の走査速度vを設定する必要がある。回転軌道円は1回転するのに1/n秒かかり、1/n秒の間に最大2a(集光スポット径)だけB方向に走査されるてもよいので、回転軌道円が連続するためには、
v/n≦2a (6)
とすればよい。
本実施例で使用したバリ取り装置は図7に示すように、レーザビームLを発生するレーザ光源1と、レーザビームLの強度を調節するアッテネータ45と、レーザビームLをON−OFF制御するシャッター46と、レーザビームLの偏光を制御する1/2波長板47、1/4波長板48と、折り曲げミラー15と、レーザビームLを歳差運動状ビームLa、Lbにするモータ6に取り付けられたウエッジ板2と、歳差運動状ビームLa、Lbの節Nを伝達する第1リレーレンズ7a、第2リレーレンズ7bと、歳差運動状レーザビームLa、Lbを反射するダイクロイックミラー21と、ダイクロイックミラー21を反射した歳差運動状レーザビームLa、Lbを集光する集光レンズ3と、集光レンズ3で集光された歳差運動状レーザビームLa、LbがZ軸方向から入射されるワーク5をX、Y、Z軸方向に移動させるための移動ステージ9と、制御用パソコン40と、を備える。
バリ取り装置は、さらに、ワーク5を可視光線で照明して観察するための可視光線を発生する観察光源18と、観察光源18からの可視光線を90°曲げてダイクロイックミラー21に入射させるハーフミラーを備えたカップラー19と、集光レンズ3、ダイクロイックミラー21、及びカップラー19を介してワーク50を撮像するCCDカメラ22を備える。
バリ取り装置は、さらに、折り曲げミラー15、回転ウエッジ板2、第1リレーレンズ7a、第2リレーレンズ7b、ダイクロイックミラー21、集光レンズ3を配置する光学ベンチ30と、光学ベンチ30をZ軸方向に駆動する駆動部(図示せず)と、を備える。
レーザ光源1を制御するコントローラ20、アッテネータ45、シャッター46、1/2波長板47、1/4波長板48、3軸移動ステージ9、CCDカメラ22、及び光学ベンチ30の駆動部は、制御用パソコン40に接続されており、レーザ光源1から発生するレーザビームLとその強度の制御、シャッター46のON−OFF制御、偏光制御、CCDカメラ22の撮像データ処理、駆動部と3軸移動ステージ9の駆動制御が行われる。
レーザ光源1は、Erドープのモードロックファイバレーザと、ファイバレーザから発振されたパルスレーザ光を受光して伸張されたパルスレーザ光を出力するファイバー伸張器と、伸張されたパルスレーザ光を受光してパルスを間引くパルス間引き器と、伸張されて間引かれたパルスレーザ光を受光して増幅されたパルスレーザ光を出力するErドープのファイバー前置増幅器と、増幅されたレーザ光をさらに増幅するErドープファイバ主増幅器と、増幅されたパルスレーザ光を受光して圧縮されたパルスレーザ光を出力する圧縮器と、を備える。レーザ光源1からは、シングルモードで中心波長が1.56μm、最大平均出力が400mW、パルス幅が950fs、繰り返し周波数fが200kHzのレーザビームLが出射される。
モータ6は、中空シャフトエアタービンで、回転数は最大200,000rpmまで可能である。
ワーク5は、図8に示す焼き入れ鋼でできた切削刃具であり、刃の先端に高さ約1μm、幅約4μmのオーバハング状のバリ51ができている。
集光スポットpの回転軌道円4の直径をバリの幅4μm以上の100μmに設定するため、後述の集光レンズの焦点距離(F=4mm)から、ウエッジ角度が0.7°のウエッジ板2を使用した。
本実施例では、下記のように第1リレーレンズ7a、第2リレーレンズ7bは、いずれも焦点距離100mmで、焦点距離の比が1:1であるが、例えば、焦点距離の比を1:0.5にすることで、上記の回転軌道円の直径を1/2の50μmにすることができる。焦点距離の比を1:mとすると、回転軌道円の直径がm倍になるので、集光レンズの焦点距離、ウエッジ板のウエッジ角度、リレーレンズの焦点距離の比の3者を適当に組み合わせることで、任意の直径の回転軌道円を得ることができる。
第1リレーレンズ7a、第2リレーレンズ7bは、いずれも焦点距離100mmの赤外アクロマートレンズを組み合わせたもので、1:1の実像を伝達することができる。すなわち、第1リレーレンズ7a及び第2リレーレンズ7bでウエッジ板2の上にある節Nが集光レンズ3の入射瞳31に伝達され、N’となる。
集光レンズ3は、倍率50倍(F=4mm)の顕微鏡用赤外対物レンズで、入射瞳31が鏡筒内のテレセントリックな位置にある。集光レンズのNA(開口数)は、バリの高さが約1μmであることから0.55に設定された(図5参照。)。
焦点距離4mm、NA=0.55の集光レンズによる集光スポット径2aは、約3μm((3)式からの計算値)である。集光スポットの回転軌道円でのオーバラップ率を66%にするため、2μm毎に1パルスが印加されるように、ウエッジ板(回転軌道円)の回転数を下記のように1274rpsと決めた。
200kHz×2μm=400,000μm
400,000μm÷(100μm×π)=1,274rps
なお、上記のようにすると、(a/πr)f=1910rpsとなり、(5)式を満たしていることがわかる。
ビームウエスト付近のフルーエンスを鋼のアブレーション閾値(約0.1J/cm2)以上にする必要があり、集光レンズ3を通過後の平均パワーを30mWにした。
以上の条件下で、まず、レーザスポットの回転軌道円をバリの連続する矢印B方向(Y軸方向)へ走査する速度vによってバリ取り結果がどのように変化するかを調べた。
先ず、アッテネータ45を制御してレーザビームLの平均パワーを0.5mWにし、シャッター46をONする。次に、CCDカメラ22で撮像した画像をパソコン40のモニターで観察しながら、集光スポットpが切削刃具5のバリ51の表面に位置するように光学ベンチ30の駆動部で光学ベンチ30をZ軸方向(矢印32方向)に微動させる。次に、シャッター46をOFFにして、アッテネータ45を制御してレーザビームLの平均パワーを集光レンズ透過後30mWにする。次に、中空シャフトエアタービン6を1,274rpsで回転させながらシャッター46をONして切削刃具5をY軸方向にv〔μm/s〕の速度で移動させた。
結果を表1に示す。表1は走査速度vとバリ取り結果の関係(回転数n=1274rps)を示すものである。○は、「バリ取り完全」を示し、 △は「バリ取りできるが、破線状に加工残りあり」の状態を示す。表1からv/nが3μm以下のとき○、すなわちバリ取りが完全であることがわかる。この結果は、上記のように集光スポット径2aが約3μmのとき得られたもので、(6)式が実証されたことになる。
Figure 2008173652
次に、集光スポットの回転軌道円の直径をバリの幅4μm以上の6μmに設定するため、ウエッジ板2にウエッジ角度が0.04°のウエッジ板を使用し、v=1000〔μm/s〕とした以外は同じ条件でバリ取りを行った。図9が、バリ取りを途中まで行った後の顕微鏡写真で、右上から左下にあるオーバーハング状のバリが途中まで取り除かれていることがわかる。
実施例1で使用したバリ取り装置(図7)を使用して、厚さ110μmのステンレス薄板をファインブランキングで打ち抜いたワークのバリ取りを行った。図10は、本実施例のワークを回転軌道円4でバリ取り加工する模式図である。ワーク5には、打ち抜き方向(矢印A方向)に延びる高さ約12μm、幅約10μmのバリができている。
本実施例のレーザ光源1からは、シングルモードで中心波長が1.56μm、最大平均出力が400mW、パルス幅が900fs、繰り返し周波数fが190kHzのレーザビームLが出射される。
集光スポットpの回転軌道円4の直径をバリの幅10μm以上の80μmに設定するため、後述の集光レンズの焦点距離(F=10mm)から、ウエッジ角度が0.2°のウエッジ板2を使用した。
集光レンズ3は、倍率20倍(F=10mm)の顕微鏡用赤外対物レンズで、入射瞳31が鏡筒内のテレセントリックな位置にある。集光レンズのNA(開口数)は、バリの高さが約12μmであることから0.4に設定された。NA=0.4の集光レンズの場合、ビームウエスト付近の最小等エネルギ楕円の長軸の長さが約3.5μmである(図5参照。)ので、高さが12μmのバリを除去するために、最初バリの表面に焦点を合わせ、最初の走査で3μm除去し、次に焦点を表面から3μm下がった位置に合わせ、2回目の走査でさらに3μm除去し、次に焦点をさらに3μm下がった位置に合わせ、3回目の走査で3μm除去し、次に焦点をさらに3μm下がった位置に合わせ残りのバリを除去することことにした。
焦点距離10mm、NA=0.4の集光レンズによる集光スポット径2aは、約2.5μm((3)式からの計算値)である。(a/πr)f=1890rpsであるので、(5)式を満たすように、ウエッジ板(回転軌道円)の回転数を200rpsに設定した。
また、スポット径が2.5μmで、回転数を200rpsに設定したので、(6)式を満たすように、走査速度vを200μm/sに設定した。
以上の条件で、バリ取り加工を行った結果が図11の実体顕微鏡写真で、これから、バリのみが選択的に除去されていることがわかる。なお、本実施例では、集光スポットに窒素ガスを吹き付けながらバリ取り加工を行ったが、母材に対する焼けや変色などの熱影響がよく抑えられていることがわかる。本実施例では、バリのみが最終製品(打ち抜かれたワーク)に熱影響や、加工痕などを与えることなく除去することができた。
本発明のバリ取り方法を実施するためのバリ取り装置の概略構成図である。 図1のワークの上面視図である。 ウエッジ板の回転数と集光スポットの連なりを説明するための図である。 集光スポットの回転軌道円でバリ取り加工する模式図である。 集光レンズによるビームウエスト付近のエネルギ分布(シミュレーション結果)である。 走査速度と回転軌道円の関係を説明する図である。 実施例で使用するバリ取り装置の概略構成図である。 実施例1のワークを回転軌道円4でバリ取り加工する模式図である。 実施例1でバリ取りを途中まで行った後の顕微鏡写真である。 実施例2のワークを回転軌道円4でバリ取り加工する模式図である。 実施例2でバリ取りを途中まで行った後の顕微鏡写真である。
符号の説明
1 光源
2 ウエッジ板
3 集光レンズ
4 回転軌道円
5 ワーク
7、7a、7b 結像光学系
31 入射瞳
51 バリ
L レーザビーム
La、Lb 才差運動状ビーム
N、N’ 歳差運動状レーザビームの節
p 集光スポット

Claims (5)

  1. レーザビームを所定の回転数の回転ウエッジ板で歳差運動状ビームに偏向回転させる偏向回転ステップと、
    前記歳差運動状レーザビームの節を結像光学系で集光レンズの入射瞳に伝達する伝達ステップと、
    前記歳差運動状ビームを集光レンズでワークのバリに集光する集光ステップと、
    前記集光ステップで集光される集光スポットの回転軌道円を前記バリの連続する方向に所定の走査速度で走査させる走査ステップと、を有することを特徴とするバリ取り方法。
  2. 前記回転軌道円の直径を前記バリの連続する方向と直交する成分以上に設定する直径設定ステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のバリ取り方法。
  3. 前記集光レンズのNAが0.3以上であることを特徴とする請求項1に記載のバリ取り方法。
  4. 前記レーザビームは、中心波長が500〜2000nm、パルス幅が10fs〜 50ps、繰返し周波数が1kHz〜10MHzであることを特徴とする請求項1に記載のバリ取り方法。
  5. 前記集光スポット径を2a、前記回転軌道円の直径を2r、前記繰り返し周波数をfとするとき、前記所定の回転数n[rps]は(a/πr)f以下であり、前記所定の走査速度v[μm・s-1]と前記所定の回転数n[rps]との比が前記集光スポット径2a[μm]以下であることを特徴とする請求項4に記載のバリ取り方法。
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