JPH0919115A - 空芯コイルの製造装置および製造方法 - Google Patents

空芯コイルの製造装置および製造方法

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JPH0919115A
JPH0919115A JP16495695A JP16495695A JPH0919115A JP H0919115 A JPH0919115 A JP H0919115A JP 16495695 A JP16495695 A JP 16495695A JP 16495695 A JP16495695 A JP 16495695A JP H0919115 A JPH0919115 A JP H0919115A
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wire
wire rod
air
winding
core coil
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JP16495695A
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Inventor
Tatsuro Kogo
達朗 向後
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Nittoh Zohki Co Ltd
Original Assignee
Nittoh Zohki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】歩留まり及び作業性の向上と製造コストの低減
を図る。 【構成】線材ボビン11から供給される線材を、空芯コ
イル1を形成するコイル巻き取り部14で巻き取り、巻
き取り終了による停止時に所定位置で線材を切断するカ
ッタ装置18を設け、線材2を巻き取り終了により停止
する直前に、カッタ装置18の手前位置に設けたレーザ
射出ユニット21からレーザビームを照射し、線材2の
切断予定位置を中心とした所定範囲の皮膜を蒸発剥離さ
せ、剥離位置の略中央部をカッタ18の切断位置に停止
して切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カセットテープレコー
ダやCDプレーヤに使用される扁平モータのロータ側円
板状磁石に対向配置するステータ側の空芯コイルの製造
装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の扁平モータに使用する空
芯コイルは、スペースとコストの関係で自己融着線を用
いたボビンレスコイルが使用される。自己融着線とは、
通常の線材、すなわち芯材と絶縁層からなる線材の外側
に接着剤を塗布して融着層を形成したもので、熱または
アルコール等の溶剤で融着層を溶かしながらコイルを巻
けば、それぞれの線材が融着し合って強固なコイルにな
る。このようにして出来上がったコイルは、配線パター
ンが印刷されたプリント板等の配線基板に接着剤等で固
定された後、配線パターンの所定の位置に接続される。
【0003】図6は空芯コイルの一例を示す平面図であ
り、空芯コイル1は、隣接する線材2同士が互いに融着
し、一体化して形成されている。図7は図3の線材2の
拡大図であり、線材2は、芯材3の外周に絶縁層4を介
して融着層5を施した構造の自己融着線が用いられ、熱
を加えたりアルコール等の溶剤で融着層5を溶かしなが
らコイルを巻けば、各々の線材2が融着し合って型くず
れを起こさない強固なコイルとなる。
【0004】図8は従来例に係る空芯コイル1の製造装
置の説明図である。図8において、線材2が巻き回され
た線材ボビン11が台座12上に載置され、線材ボビン
11から繰り出された線材2が、同じく台座12上に固
定されたテンション装置13を介して、コイル巻き取り
部14に巻き取られるようになっている。テンション装
置13からコイル巻き取り部14間には、線材2の絶縁
層4と融着層5を所定幅に亘って剥離する剥離装置1
5、内部を通過する線材2にアルコールを滴下すると共
に往復動するスライダ16、スライダ16と一体的に上
下動し、スライダ16の受け部16aとの間に線材2を
固定および固定から開放する線材押え17、および線材
2をカットするカッタ18が配置されている。
【0005】また、テンション装置13においては、線
材2が巻き付けられたプーリ19のクラッチのばね圧を
調整することで線材2のテンションが調整できるように
なっている。次に、図8の動作について説明する。線材
ボビン11から引き出された線材2は、線材押え17に
より仮固定され、カッタ18により所定の長さの突出量
に切断されている。切断された線材2は、線材押え17
により仮固定された状態でスライダ16が線材引き出し
方向(図4の右方向)へ移動することにより引き出さ
れ、空芯コイル1の無い状態のコイル巻き取り部14に
運ばれチャッキングされる。この状態で線材押え17は
線材2を開放し、スライダ16と共にホームポジション
に帰る。
【0006】以降、コイル形成動作がスタートするが、
まずコイル巻き取り部14は、1次巻きのために所定の
ターン数だけ線材2を巻き取り、一時停止する。剥離装
置15は、現在形成途中にある空芯コイル1の端末部に
相応する位置に予め調整位置決めされており、1次巻き
が終了した時点で線材2の絶縁層4および融着層5(図
7参照)を削除して、ハンダ付けのための芯材露出部2
aを形成する。
【0007】次いで、再びコイル巻き取り部14は、2
次巻きのために所定のターン数だけ線材2の巻き取りを
行い、再度停止する。この時、芯材露出部2aはカッタ
18の位置に移動している。この状態で線材押え17に
より線材2は固定された後、カッタ18により芯材露出
部2aの中央付近で切断される。その後、コイル巻き取
り部14は、3次巻きのために最後の巻き取りを行い、
切断された芯材露出部2aが3次巻き後の露出部位置、
すなわち空芯コイル1の巻き終端位置に来るまで線材2
を巻き取り、停止する。巻き上がった空芯コイル1をコ
イル巻き取り部14から分離して、1個の巻線作業が終
わる。
【0008】図9は図8の剥離装置15の機構構造であ
り、図9(A)のように、カッタアーム22に固定され
たカッタ24を線材2に対し、図9(B)のように、1
20度間隔で配置している。カッタアーム22は、支点
23を中心に揺動可能となっており、全体を線材2を中
心に回転させることによって、カッタアーム22に遠心
力を発生させて線材2にカッタ24を切り込ませ、この
状態で全体を後方に移動して線材2を被覆を剥離する。
ここで、線材2に対するカッタ24の切り込み量は、カ
ッタアーム22の支点23回りの傾き角を制限すること
によって調整され、剥離状態を最適にすることができる
ようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す従来の空芯コイルの製造装置および製造方法におい
ては、ハンダ付けのための芯材露出部2aの位置決め精
度が不安定なため、2次巻き終了時に、正確に芯材露出
部2aがカッタ18の位置に来ずに切断個所がずれてし
まうことがある。このため常に監視が必要であり、剥離
位置に対する切断位置のずれが所定の範囲を越えた場合
は、テンション装置13や剥離装置15等の再調整が必
要となるという煩雑さがあった。
【0010】また、絶縁層4、融着層5の剥離カスの処
理の問題も生じる。さらに、剥離時には線材巻き取り作
業を中断しなければならず、作業性が悪いという問題も
ある。また、線材2の線径が細い場合には、剥離時に断
線してしまうことが多く、コスト高となってしまうとい
う問題もある。更にまた、カッタを高速回転して引くと
いう機械的な皮膜の剥離作業となるために、極めて不快
な騒音を発生し、通常、多数の製造装置が並んで同時に
作業を行っていることから、作業騒音が相当なレベルに
なっていた。
【0011】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、歩留まりと作業性を向上して製造コ
ストを低減できる空芯コイルの製造装置および製造方法
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、芯材の外周に絶縁層を介して融着層を施
した皮膜をもつ線材を用いて配線基板にハンダ付けされ
る空芯コイルを製造する装置を対象とし、線材ボビンか
ら供給される線材を巻き取り、空芯コイルを成形するコ
イル巻き取り部と、コイル巻き取り部との間で線材にテ
ンションをかけるテンション装置と、コイル巻き取り部
の手前に配置され、巻き取り終了による停止時に所定位
置で線材を切断するカッタ装置と、線材を巻き取り終了
により停止する直前に、レーザビームを照射して線材の
切断予定位置を略中央とした所定範囲の皮膜を蒸発剥離
させるレーザ射出ユニットとを備えたことを特徴とす
る。
【0013】ここで、レーザ射出ユニットは、レーザビ
ームを線材の進行方向に対し横切る方向に往復走査して
皮膜を蒸発剥離させる。これにより径が0.1mm〜
0.3mmと細い線材に、レーザビームのビームウェス
トを正確に位置決めしなくとも、確実に皮膜を蒸発剥離
できる。また本発明は、芯材の外周に絶縁層を介して融
着層を施した皮膜をもつ線材を用いて配線基板にハンダ
付けされる空芯コイルを製造する空芯コイルの製造方法
を提供するものであり、線材ボビンから供給される線材
を、テンション装置によりテンションをかけた状態でコ
イル巻き取り部で巻き取って空芯コイルを形成し、線材
の巻き取り終了により停止する直前に、カッタ装置の手
前位置で、線材にレーザビームを照射して切断予定位置
を略中央とした所定範囲の皮膜を蒸発剥離させ、剥離部
分を前記カッタ装置の切断位置に停止した後に切断する
ことを特徴とする。この場合にも、レーザビームを線材
の進行方向に対し横切る方向に往復走査して皮膜を蒸発
剥離させる。
【0014】
【作用】このような本発明の空芯コイルの製造装置及び
製造方法によれば、カッタ装置の手前位置にレーザ射出
ユニットを設け、線材の巻き取り終了による停止直前
に、切断予定位置を含む所定範囲に亘りレーザビームを
照射して皮膜を加熱蒸発させて剥離することができ、皮
膜を剥離した略中央部で正確に線材を切断することがで
きる。またレーザビームの照射で皮膜は加熱蒸発してし
まうため、従来のカッタによる剥離のように皮膜がカス
として飛散して線材に付着することがない。
【0015】また、レーザビームによる剥離作業では、
カッタによる剥離作業のような大きな騒音は発生するこ
とはない。またカッタ装置による線材の切断位置に対し
手前のレーザビームによる剥離位置を一度設定してしま
えば、巻き取り終了を基準としたレーザビームの剥離開
始と剥離終了の各タイミングでレーザビームのオン、オ
フを行うだけで、切断後の芯材露出部の長さを常に一定
にできる。
【0016】更に、レーザビームによる剥離作業は、線
材の巻き取り終了直前の巻き取り中に行うため、剥離に
要する時間は実質的に零にできる。
【0017】
【実施例】図1は本発明による空芯コイル製造装置の実
施の形態の説明図である。図1において、線材2が巻き
回された線材ボビン11が台座12上に載置され、線材
ボビン11から繰り出された線材2が、同じく台座12
上に固定されたテンション装置13を介してコイル巻き
取り部14に巻き取られるようになっている。
【0018】テンション装置13からコイル巻き取り部
14の間には、内部を通過する線材2にアルコールを滴
下すると共に自身を往復動するスライダ16、スライダ
16と一体的に上下してスライダ16の受け部16aと
の間に線材2を押さえ付けて固定し、また固定から解放
する線材押え17、線材2にレーザビームを照射して皮
膜を蒸発剥離させるレーザ射出ユニット21、カッタ1
8が配置されている。
【0019】テンション装置13にあっては、線材2が
巻き付けられたプーリ19のクラッチのバネ圧を調整す
ることで線材2のテンションを調整することができる。
またテンション装置13にあっては、反時計回り方向に
付勢されたアーム20が設けられ、アーム20の先端の
ローラ部に線材2を係止して引っ張ることで弛みを取っ
ている。
【0020】次に図1の動作を説明する。線材ボビン1
1から引き出された線材2は、線材押え17から所定の
長さだけ突出した状態で、線材押え17によりスライダ
16の受け部16aとの間に仮固定されている。この状
態でスライダ16が線材引出し方向となる右方向に移動
すると、線材2の先端はコイル巻き取り部14に到達し
チャッキングされる。
【0021】線材2がチャッキングされると、線材押え
17は上昇して線材2を開放し、スライダ16と共にホ
ームポジションに戻る。この初期設定が済むと、コイル
形成動作がスタートする。コイル形成動作は、まずコイ
ル巻き取り部部14により1次巻きのために所定のター
ン数だけ線材2を巻き取る。ここで、従来は図8のよう
に剥離装置15で線材2のカッタによる剥離動作を行う
ために一時、巻き取り動作を中止したが、本発明にあっ
ては、1次巻き終了後、線材を停止することなく2次巻
きまで所定のターン数、線材を巻き上げる。線材の2次
巻き取りが終了する直前のタイミングで、レーザ射出ユ
ニット21がオンされてレーザビームをカッタ18の手
前位置で線材2に照射し、図7に示したように絶縁層4
及び融着層5を施した線材2の皮膜を加熱蒸発により剥
離させる。
【0022】このレーザ射出ユニット21による皮膜の
剥離中に2次巻きを終了して線材2を停止させると、図
2のように、レーザ射出ユニット21のレーザビームに
よる剥離範囲30は、その略中央部がカッタ18の切断
位置に止まるようになる。この線材2の停止タイミング
で、それまでオンしていたレーザ射出ユニット21はオ
フとなる。図2のように、剥離範囲30の中央部をカッ
タ18の切断位置とする停止状態を得るためのレーザ射
出ユニット21のオン、オフのタイミング制御について
は、後の説明で明らかにする。
【0023】次に図2に示す巻き取り停止直前のレーザ
ビームの照射による剥離範囲30の形成後の停止状態
で、線材押え17を受け部16aに降ろして線材2を押
え、この状態でカッタ18を駆動して、剥離範囲の略中
央部で線材2を切断する。カッタ18による切断が済む
と、切断された芯材露出部が空芯コイル1の巻き終端位
置にくるまで線材2を巻き取る3次巻きを行って停止す
る。最終的に巻き上がった空芯コイル1はコイル巻き取
り部14から分離され、1個の空芯コイル1の巻き線作
業が終了する。以後はこれを繰り返すことになる。
【0024】図3は、線材2の巻き取り直前のレーザビ
ーム照射開始とレーザビーム照射停止時となる巻き取り
停止の線材2の剥離範囲30の位置関係を表わしてい
る。まずカッタ18による切断位置32に対し、その手
前の所定距離L離れた位置にレーザ照射位置31を設定
している。この切断位置32とレーザ照射位置31の間
隔Lは、例えばL=3mmに設定される。図3の時刻t
1は巻き取り停止直前のレーザビームの照射開始タイミ
ングである。いま線材2の切断予定位置をQとすると、
この切断予定位置Qからレーザ照射位置31までの距離
が切断位置32とレーザ照射位置31と同じ距離L=3
mmとなったときに、レーザビームの照射を開始する。
このため、線材2はP点から皮膜の剥離が開始される。
もちろん、このとき線材2は巻き取り中であることか
ら、矢印で示す右方向に走行している。
【0025】図3の時刻t2は、線材2の切断位置Qが
カッタ18の切断位置32に達した状態であり、この状
態で線材の巻き取りを停止する。このときレーザ照射位
置31におけるレーザビームの照射もオフする。このた
め線材2は、剥離開始位置Pから剥離終了位置Rまでの
間の剥離範囲30に亘ってレーザビームの照射で皮膜が
蒸発剥離された状態にある。
【0026】剥離範囲30は、カッタ18の切断位置3
2に切断位置Qが停止したとすると、左右のQP,QR
は共にL=3mmと剥離範囲30の略中央にカッタ18
の切断位置がきている。このためカッタ18で剥離範囲
30を切断すると、切断位置Qの両側の剥離部分の長さ
QP,QRは共にL=3mmと均等な剥離長さが得られ
る。
【0027】実際には、剥離範囲30の完全な中央が切
断点とはならないが、切断予定位置Qの前後の比較的狭
い範囲でカッタ18の停止位置に止めることができ、切
断後の剥離範囲をそれぞれ同程度の剥離長さとすること
ができる。もちろん剥離範囲30の長さは2L=6mm
となるが、カッタ18の切断位置32とレーザ射出ユニ
ット21のレーザ照射位置31との間隔Lの長さを適宜
に決めることで、任意の剥離範囲を得ることができる。
【0028】次に、図1の実施例で使用するレーザ射出
ユニット21について説明する。工業用として熱を利用
するレーザには、YAG(イットリウム・アルミニウム
・ガーネット)レーザやCO2 レーザが主に知られてい
る。本発明のような線材の皮膜を加熱により蒸発させて
剥離する用途には、線材の皮膜の光吸収率とレーザの波
長との関係でCO2 レーザの方が向いている。
【0029】即ち、CO2 レーザの方がYAGレーザよ
りレーザ照射後の皮膜の残渣が発生しにくく、きれいに
剥離することができる。もし線材に残渣が残っている
と、線材巻き取り後の後工程となるリフローハンダ付け
の作業性や歩留まりに悪影響を及ぼすので、できるだけ
レーザ照射による蒸発剥離の残渣が少ないことが必要と
なる。
【0030】また本発明の空芯コイルの製造装置にあっ
ては、コイル巻き取り直前の線材2を、走行中にレーザ
ビームを照射して皮膜を蒸発剥離させるため、レーザビ
ームを照射しようとする線材の位置にばらつきが生ず
る。例えば線材の径を0.1mm〜0.3mmとする
と、線材位置でのレーザビームのビームスポットは径が
3mm以上であることが、線材位置のばらつきの影響を
受けないために必要となる。このような径3mmのスポ
ット径で線材の皮膜を蒸発させるためには、ある程度出
力の大きなレーザ発振器が必要となる。
【0031】図4(A)は高出力レーザ34による線材
2の皮膜蒸発のために位置関係を示し、レーザビームの
集光によるビームウェストの手前に線材2を位置させる
ことで、ビームスポットの径3mm以上を確保すること
ができる。しかしながら高出力のCO2 レーザ装置は、
同等の出力をもつYAGレーザ装置に比べガスの循環,
再生機能等が必要であることから装置が大型化し、価格
も高価である。またYAGレーザ装置はビームスプリッ
タを用いて容易に光線を複数本に分割できるので、1台
のレーザ発振器で数台の空芯コイルの製造装置の皮膜剥
離を行うことが可能である。
【0032】これに対しCO2 レーザ装置は、光吸収率
の関係で普通のガラスでは吸収されてしまうため、一般
的なビームスプリッタがYAGレーザ装置のように使用
できず、光線を分割するためにはジンクセレン等の高価
な材質を用いたハーフミラーが必要となり、これらの材
質は透過率が悪いので発熱が大きい。このような理由か
ら、本発明が対象とする線材の被覆の剥離に適したCO
2 レーザ装置はレーザ光の分割が簡単にできず、その結
果、空芯コイル製造装置1台ごとにCO2 レーザ装置が
必要となり、装置が非常に高価になってしまう。
【0033】この問題を解消するため、本発明にあって
は、ガスの循環,再生機能を必要としない低出力、例え
ば20W〜30WのCO2 レーザ発振器を使用して線材
の皮膜を蒸発剥離している。しかし20W〜30Wとい
った低出力のレーザ装置では、図4(A)に示したよう
に、線材2の位置のばらつきを考慮してビームスポット
の径を3mmとするビームウェストより手前の位置に線
材2を置いた場合、エネルギ密度が低いために線材2の
皮膜を蒸発させることが十分にできない。
【0034】その結果、低出力のCO2 レーザ装置の場
合には、図4(B)のように、低出力レーザ35のビー
ムウェスト40付近に線材2を位置させなければならな
い。ここで、剥離の対象となる線材2の線径は0.1m
m〜0.3mm付近にあり、低出力レーザ35のレンズ
や凹面鏡の使用による集光で得られたビームウェスト4
0は種々の収差があることから、径0.2mm程度とな
る。
【0035】このような径0.2mm程度のビームウェ
スト40を線径0.1mm〜0.3mm付近にある細い
線材に位置を合わせようとすると、複雑で高精度の機構
が必要となる。このような低出力レーザ35における図
4(B)の位置決め精度が要求される問題を、本発明に
あっては、図5のレーザビームの走査機構により解消し
ている。
【0036】図5において、出力が20W〜30Wと低
いCO2 レーザ発振器38の手前には、回転軸37をも
ったガルバノミラー36を設けている。レーザビームの
出射時にはガルバノミラー36を回転軸37を中心に揺
動させることで、線材2に対しその進行方向を横切る方
向に往復走査させる。このように線材2の移動方向に対
し、レーザビームを横切る方向に往復走査することによ
り、線材2の位置が左右方向に位置ずれを起こしていて
も確実にレーザビームのビームウェスト付近を照射して
皮膜を蒸発剥離することができる。
【0037】またガルバノミラー36を用いたレーザビ
ームの線材の進行方向を横切る方向での往復走査(スキ
ャニング)により複雑で高精度な線材とレーザビームの
位置決め機構が必要なくなり、安価でメンテナンスの楽
な低出力のCO2 レーザ装置であっても、確実に線材の
蒸発剥離を行うことができる。尚、本発明は上記の実施
の態様に示された数値による限定は受けない。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、レーザビームの照射で線材の皮膜を溶融蒸発させて
剥離するため、剥離された皮膜がカスとなって飛散した
り線材に付着することがなく、この結果、周辺装置の環
境を損ねたり、カスが線材に付着して巻き乱れや後工程
のリフローでの障害を起こすことなく、空芯コイル製造
の歩留まりを向上できる。
【0039】また線材の剥離作業はレーザビームを照射
するだけで済むため、従来の機械的なカッタの高速回転
のような不快な騒音は発生せず、作業環境を良好にする
ことができる。またカッタの手前の所定位置をレーザビ
ームの照射位置とするように一度位置関係の設定をして
しまえば、巻き取り停止直前のレーザ照射による剥離範
囲の位置が常に一定となり、レーザ照射の開始と終了の
タイミングを適切に設定することで、線材停止時に剥離
範囲の略中央を切断位置とし、剥離部分の長さにばらつ
きを生ずることなく、剥離部分の長さの寸法精度が保証
され、剥離部分の切断位置がずれることによる歩留まり
の低下を解消できる。
【0040】更に、レーザビームによる剥離作業は巻き
取り停止直前の線材の巻き取り中に行うため、剥離に要
する時間は実質的に零とでき、空芯コイルの巻き取り作
業に要する時間も十分に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空芯コイルの製造装置を示した説
明図
【図2】図1の皮膜剥離位置の説明図
【図3】レーサビームによる剥離開始と剥離終了のタイ
ミングの説明図
【図4】高出力と低出力についてレーザビームを固定し
た場合の線材剥離の説明図
【図5】低出力のレーザビームを用いた本発明の往復走
査の説明図
【図6】空芯コイルの一例を示した平面図
【図7】図6の線材の拡大図
【図8】従来例の空芯コイル製造装置を示した説明図
【図9】従来の剥離装置の機構構造の説明図
【符号の説明】 1:空芯コイル 2:線材 2a:芯材露出部 3:芯材 4:絶縁層 5:融着層 11:線材ボビン 13:テンション装置 14:コイル巻き取り装置 16:スライダ 17:線材押え 18:カッタ 21:レーザ射出ユニット 30:剥離範囲 31:レーザ照射位置 32:切断位置 36:ガルバノミラー 37:回転軸 38:低出力CO2 レーザ発振器 40:ビームウェスト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯材の外周に絶縁層を介して融着層を施し
    た皮膜をもつ線材を用いて配線基板にハンダ付けされる
    空芯コイルを製造する空芯コイルの製造装置に於いて、 線材ボビンから供給される前記線材を巻き取り、前記空
    芯コイルを成形するコイル巻取り部と、 該コイル巻き取り部との間で線材にテンションをかける
    テンション装置と、 前記コイル巻き取り部の手前に配置され、巻き取り終了
    による停止時に所定位置で線材を切断するカッタ装置
    と、 前記線材を巻き取り終了により停止する直前に、レーザ
    ビームを照射して前記線材の切断予定位置を略中央とし
    た所定範囲の皮膜を蒸発剥離させるレーザ射出ユニット
    と、を備えたことを特徴とする空芯コイルの製造装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の空芯コイルの製造装置に於
    いて、前記レーザ射出ユニットは、レーザビームを前記
    線材の進行方向に対し横切る方向に往復走査して皮膜を
    蒸発剥離させることを特徴とする空芯コイルの製造装
    置。
  3. 【請求項3】芯材の外周に絶縁層を介して融着層を施し
    た皮膜をもつ線材を用いて配線基板にハンダ付けされる
    空芯コイルを製造する空芯コイルの製造方法に於いて、 線材ボビンから供給される前記線材を、テンション装置
    によりテンションをかけた状態でコイル巻き取り部で巻
    き取って前記空芯コイルを成形し、前記線材の巻き取り
    終了により停止する直前に、カッタ装置の手前位置で、
    レーザビームを照射して前記線材の切断予定位置を略中
    央とした所定範囲の皮膜を蒸発剥離させ、該剥離部分を
    前記カッタ装置の切断位置に停止した後に切断すること
    を特徴とする空芯コイルの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の空芯コイルの製造方法に於
    いて、前記レーザビームを前記線材の進行方向に対し横
    切る方向に往復走査して皮膜を蒸発剥離させることを特
    徴とする空芯コイルの製造方法。
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