JP3818580B2 - レーザ加工方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークにレーザ光を照射してその照射スポットを溶融蒸発させることによりワークを成形加工するレーザ加工方法に関し、特に光ファイバの先端加工に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバは光伝送システムの伝送径路として用いられるもので、光ファイバ同士や、光ファイバと光デバイスとを接続する際に生ずる接続損失は、その先端形状や先端の加工精度によって影響される。したがって、光ファイバの先端を、予め設計された形状通りに精度良く、しかも高効率・低コストで加工できることが望ましい。
【0003】
現在知られている光ファイバの先端加工には、ファイバクリーバなどを用いた機械的方法、エッチングによる化学的方法、レーザを用いた光学的方法などがある。ファイバクリーバなどを用いた機械的方法は、光ファイバを直線的に鋭利に切断するときに便利であるが、先端を半球面、円錐面、楔形などに加工することはできない。また、エッチングによる化学的方法によれば理論的には任意の形状に加工可能であるが、その形状制御が極めて困難であり、時間がかかるため高効率で生産できない。
【0004】
一方、レーザを用いた光学的方法は、例えばCO2レーザのレーザ光を照射し、連続的に微小量ずつ光ファイバを溶融蒸発させることにより複雑な形状でも比較的容易に加工することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光ファイバの先端形状は夫々の仕様により異なり、連続的な微小加工を繰り返して所望の形状に成形しなければならないので、任意の形状に精度よく加工するにはレーザ光をレンズで細く絞って点状にする必要がある。このため、光ファイバの先端形状に応じてレーザ光の照射位置を制御するのが面倒なだけでなく、極めて高精度に照射位置制御が可能な高額の設備がなければ加工することができないという問題があった。
【0006】
しかも、レンズで集光したビームのプロファイルは、焦点を頂点とした円錐状となるため加工部分が深くなるにつれ加工が難しくなり、またその加工断面が細いV字状端面になるので、加工時に発生するガス、ヒューム及び熱が滞留し易く、加工面を汚したり湾曲させるなどの問題点もあった。
【0007】
この場合に連続発振型のレーザを用いれば、光ファイバ先端に長時間連続して高出力のレーザ光が照射されるので、その周囲まで加熱されて光ファイバが変形し、設計通りに加工することができず、パルス発振型のレーザを用いれば、熱の影響は少なくなるが、その分、加工時間が長くかかる。
【0008】
そこで本発明は、熱の影響による加工精度の低下を抑え、レーザ光の照射位置を加工形状に従って厳密に制御するまでもなく、光ファイバ等のワークを複雑な形状でも予め設計された形状通りに短時間で精度良く加工できるようにすることを技術的課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、請求項1の発明は、ワークの溶融蒸発部の形状に応じた加工スポット形状を所定倍に拡大した透光部を有するマスクに対して、前記透光部より大きな径でレーザ光を照射し、その透過光で形成される前記透光部の実像を縮小投影光学系により前記加工スポット形状まで縮小してワーク上に結像させることにより,レーザ光が照射された部分を溶融蒸発させてワークを成形加工するレーザ加工方法において、ワークを切断可能な幅の方形加工スポット形状を所定倍に拡大した透光部を有する前記マスクを用いて、その実像をワークの側面から照射し、その結像位置を前記レーザ光の照射光軸方向に沿って移動させながら、当該ワークを切断加工する場合に、ワーク光軸に直交するワーク基準面に対して形成しようとする切断面の角度を切断角βとし、前記透光部から縮小投影光学系に入射される透過光の幅をd、縮小投影光学系の焦点距離をfとしたときに、レーザ光の照射光軸(Lx)に対してワーク光軸(Fx)を、
α=(π/2)+tan −1 [d/(2f)]−βで表わされるセッティング角αにセットすることを特徴としている。
【0010】
この発明によれば、レーザ光が照射されるマスクに、ワークの溶融蒸発部の形状に応じた加工スポット形状を所定倍に拡大した透光部が形成されているので、透光部より大きな径で照射されたレーザ光はマスクを透過した後、透光部の形状に等しいスポット形状の光ビームとなる、この光ビームが縮小投影光学系に入射されると、透光部の実像が加工スポット形状まで縮小されてワーク上に結像されるので、その加工スポット形状内にあるワークが溶融蒸発し、所望の形状に加工される。
【0011】
しかも、レーザ光がマスクに形成された透光部を透過したときに、光の干渉により光ビームのエッジ部分の光強度が高くなるので、ワークに照射されたときに非溶融蒸発部に与える熱の影響が少なく、溶融蒸発部のみを溶融させることができる。
【0012】
このように、透光部を所望の形状に形成するだけで、その透光部を透過したレーザ光が透光部の形状を縮小した所定の加工スポット形状で照射されるので、レーザ光の照射位置を制御する必要がない。また、レーザ光を点状に集光させずに、溶融蒸発部の形状に応じた加工スポット形状で照射するようにしているので、溶融蒸発部を全体的に溶融蒸発させることができ、短時間で加工することができるだけでなく、パルスレーザを用いることにより熱の影響も抑えられ、加工精度も向上する。
【0013】
ここで、結像位置の加工スポット形状の光ビームをレーザ光の照射光軸に沿って移動させながら、光ファイバなどを切断加工する場合に、光ファイバの光軸をレーザ光の照射光軸と直交させておくと、切断面が照射光軸に対して傾斜してしまう。
【0014】
しかしながら請求項1の発明では、ワーク光軸に直交するワーク基準面に対して形成しようとする切断面の角度を切断角βとし、前記透光部から縮小投影光学系に入射される透過光の幅d、縮小投影光学系の焦点距離fとしたときに、レーザ光の照射光軸に対してワーク光軸を、
α=(π/2)+tan−1[d/(2f)]−βで表わされるセッティング角αに傾けてセットして加工するようにしており、従って、所望の切断角βに応じて、光ファイバなどのワークをレーザ光の照射角度に対してセッティング角αに傾けてセットすれば、その切断面を切断角βに仕上げることができる。
【0015】
また請求項2の発明では、ガラスキャピラリー内に光ファイバ先端を挿通し接着固定したワークにレーザ光を照射してそのレーザ光が照射された部分を溶融蒸発させことにより、キャピラリーの剛性により、レーザ加工時に生じるファイバーの微小な振動を抑制できるので精度の高い加工を行うことができる。
【0016】
尚、本発明において、レーザ光としては、TEA−COレーザからパルス発振された平坦なビームプロファイルのマルチモード光を用いることができ、例えば、レーザ光を、パルス幅0.1〜50μs、波長9〜11μmで照射すると共に、所要回数照射するときに100Hz以下の照射間隔で照射するようにすることができる。
【0017】
更に本発明では、マルチモードのTEA−COレーザ(横方向励起大気圧レーザ:Transverse Excited Atmosphere CO laser)を用いれば、光強度がガウス分布に従うガウシアンビームではなく、平坦なビームプロファイルを有する高出力のマルチモード光が、急峻な立ち上がりを持った短パルス状に出力されるので、比較的広い加工スポット形状でワークに照射しても、その全域にわたって均一に、且つ、非溶融蒸発部に影響を与えることなく、溶融蒸発部のみを溶融させることができ、生産効率が高い。また、このレーザはパルス発振型であるので、熱によるワークの変形を起こすことも少ない。
【0018】
また、TEA−COレーザを用いた場合、例えば、波長9〜11μmのレーザ光を照射したときに出力が最も高く、また、パルス幅0.1〜50μs、波長9〜11μmで照射すれば、熱による影響が少ないことが確認された。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の方法を適用するレーザ加工装置を示す説明図、図2はマスクと、加工された光ファイバ先端形状を示す説明図、図3は他の実施形態を示す説明図である。
【0020】
図1に示すレーザ加工装置1は、レーザ光源装置2から出射されたレーザ光を、ワークとなる光ファイバ3の側面から照射してその照射スポットを溶融蒸発させることにより光ファイバの先端加工を行なうものである。レーザ光源装置2から光ファイバ3に至るレーザ光の光路L上には、光ファイバ先端の溶融蒸発部4の形状に応じた加工スポット形状Sを所定倍(例えば20倍)に拡大した透光部Hを有するマスク5と、透光部Hの実像を前記加工スポット形状Sまで縮小して光ファイバ3上に結像させる縮小投影光学系6を備えている。
【0021】
レーザ光源装置2は、パルス発振型のTEA−COレーザ7と、そのレーザ光をマスク5の透光部Hより大きな径まで拡径させて平行ビームを形成する拡大コリメートレンズ系8を備えている。
【0022】
TEA−COレーザ7は、ピークパワーが大きく平坦なビームプロファイルを持ったマルチモード光を、急峻な立ち上がりを持った短パルス状に出力することができるので、大きな光パルスエネルギーを短時間で光ファイバに与えることができ、非溶融蒸発部に熱の影響を与えることなく溶融蒸発部のみを溶融させる場合に適している。
【0023】
なお、TEA−COレーザ7は、ピークパワー1〜10000kW、パルス幅0.1〜50μs、発振波長は9〜11μsで作動させることが望ましく、石英光ファイバを加工する場合の最適値は、ピークパワー200kW、パルス幅0.2μs、発振波長は10.6μsであった。
【0024】
また、所要回数照射するときは、100Hz以下の照射間隔で照射するようになされている。したがって、最長パルス幅50μsのレーザ光を所要回数続けて照射する場合、レーザ光が照射されない冷却時間が9950μsもあり、その間にレーザ光により生じた熱が逃げるので、光ファイバ先端の非溶融蒸発部に熱が蓄積され難い。
【0025】
そして、TEA−COレーザ7から照射され、拡大コリメートレンズ系8により透光部Hより大きな径の平行ビームにされたレーザ光は、マスク5の透光部Hを透過すると、透光部Hの形状に等しいスポット形状を有する平行ビームとなる。
【0026】
マスク5に形成された透光部Hは、光ファイバ3に照射されるレーザ光の加工スポット形状Sを所定倍(例えば20倍)に拡大したもので、この加工スポット形状Sは、図2に示すように、予め設計された光ファイバの先端をレーザ光の照射方向から見たときの形状に応じて決定される。
【0027】
例えば、図2(a)に示すように、光ファイバ3の先端を楔形及び円錐形に形成する場合は、レーザ光の加工スポット形状Sを、光ファイバ3の非溶融蒸発部となる楔部3a及び円錐部3bに光が照射されず、それより先端側の溶融蒸発部4にのみ光が照射される形状とする。そして、この加工スポット形状Sを形成するために、光ファイバ3の先端形状に対応して透光部Hに三角形状の遮光部5aを形成したマスク5を用いている。
【0028】
また、図2(b)に示すように、光ファイバ3の先端を円柱面及び半球面に形成する場合は、レーザ光の加工スポット形状Sを、光ファイバ3の非溶融蒸発部となる円柱部3c及び半球部3dに光が照射されず、それより先端側の溶融蒸発部4にのみ光が照射されるとする。そして、この加工スポット形状Sを形成するために、光ファイバ3の先端形状に対応して透光部Hに半円形の遮光部5bを形成したマスク5を用いている。
【0029】
さらに、図2(c)に示すように、光ファイバ3の先端を放物面及び回転放物面に形成する場合は、レーザ光の加工スポット形状Sを、光ファイバ3の非溶融蒸発部となる放物面部3e及び回転放物面部3fに照射されず、それより先端側の溶融蒸発部4にのみ光が照射される形状とする。そして、この加工スポット形状Sを形成するために、光ファイバ3の先端形状に対応して透光部Hに放物線形の遮光部5cを形成したマスク5を用いている。
【0030】
なお、透光部Hの拡大倍率は、加工スポット形状Sの大きさに応じて決定され、マスク5の大きさを10mm×10mm程度としたときに、透光部Hの大きさは最大8mm×8mm程度となり、これより、直径200〜400μm程度の光ファイバ3の先端を加工する場合には、拡大倍率を20倍程度にすればよいことがわかる。
【0031】
次いで、このマスク5に照射されるレーザ光で形成される透光部Hの実像を、縮小投影光学系6により加工スポット形状Sの大きさまで縮小して光ファイバ3上に結像させる。縮小率は透光部Hを形成したときの拡大倍率の逆数であり、透光部Hが加工スポット形状Sの20倍であれば、縮小率は1/20である。
【0032】
縮小投影光学系6として焦点距離fのレンズ9を用いた場合、マスク5からレンズ9までの距離をa、レンズ9から光ファイバ3までの距離をbとし、縮小率Mとすると、マスク5とレンズ9と光ファイバ3は次の二式を満たすように配置される。
(1/f)=(1/a)+(1/b)…(1)
M = b/a …………………(2)
【0033】
これにより、マスク5の透光部Hを透過して、透光部Hの形状に等しいスポット形状を有する平行ビームは、縮小投影光学系6のレンズ9により焦点位置で集光された後、光ファイバ3上に加工スポット形状Sの大きさの実像を結ぶ。
【0034】
なお、光ファイバ3は回転テーブル10に支持され、その先端を円錐形、回転放物面、半球面などの軸対称形状に加工する場合は、光ファイバ光軸Fxを中心にその光ファイバ3を所定角度ずつステップ的又は連続的に回転させながらレーザ光を照射させる。
【0035】
以上が本発明に係るレーザ加工装置1の一構成例であって、次に、本発明に係るレーザ加工方法を使用して光ファイバ3の先端を軸対称の回転放物面に加工する場合を例にとって説明する。
【0036】
直径230μmの光ファイバ3の先端に、長さ方向に250μmの回転放物面を形成する場合、図2(c)に示すように、加工スポット形状Sは、レーザ光が光ファイバ3の非溶融蒸発部となる回転放物面部3fに照射されず、それより先端側の溶融蒸発部4にのみ照射される形状とする。なお、加工スポット形状Sは、溶融蒸発部4を完全に蒸発させることができるように、溶融蒸発部4より十分大きい400μm×400μm程度の大きさに想定している。
【0037】
そして、この加工スポット形状Sを形成するために、マスク5に、加工スポット形状Sの20倍の形状の透光部H(8mm×8mm)を形成したマスク5が用いられ、当該透光部Hには非溶融蒸発部3fの形状に対応した放物線形の遮光部5cが形成されている。
【0038】
また、縮小率M=1/20となるので、縮小投影光学系6として焦点f=100mmのレンズを用いた場合、前記(1)(2)式より、マスク5からレンズ9までの距離a=2100mm、レンズ9から光ファイバ3までの距離b=105mmとなるので、マスク5及びレンズ9、光ファイバ3をそれぞれ所定の位置に配する。
【0039】
この状態で、光ファイバ3を回転テーブル10にセットして、所定角度(例えば30°)ずつステップ的に回転させながら、同じ位置でレーザ光源装置2からレーザ光を所要回数パルス発振させて光ファイバ3の先端加工を行なう。
【0040】
まず、TEA−CO2レーザ7からは、波長10.6μm、パルス幅0.2μs、スポット形状が略正方形、ピークレベルが約200kWでフラットなマルチモードのレーザ光が、100Hz以下の周波数でパルス発振され、このレーザ光が拡大コリメートレンズ系8で一辺9mm程度の正方形の平行ビームに拡大されて、マスク5に照射される。
【0041】
マスク5の透光部Hを透過したレーザ光は、光の干渉により、そのエッジ部分の光強度が高くなって、縮小光学系6のレンズ9に入射され、その焦点で一点に集光された後、光ファイバ3上に透光部Hの1/20の実像を結ぶ。即ち、光ファイバ3の非溶融蒸発部となる回転放物面3fにレーザ光が照射されず、それより先端側の溶融蒸発部4にのみ照射される縦横400μm×400μm程度の加工スポット形状Sのレーザ光が、光ファイバ3上に照射される。これにより、その加工スポット形状S内にある光ファイバ3の溶融蒸発部4が蒸発されて、所望形状に加工される。
【0042】
特に、マルチモードのTEA−COレーザ7を用いれば、平坦なビームプロファイルを有する高出力のマルチモード光が出力されるので、比較的広い加工スポット形状Sで光ファイバ3に照射しても、その全域にわたって均一に溶融蒸発部4を溶融蒸発させることができ、生産効率が高い。また、このレーザ7はパルス発振型であるので、光ファイバ3の非溶融蒸発部に与える熱の影響も少なく、加工精度も向上する。
【0043】
しかも、このレーザ光はもともとビームプロファイルがフラットでピークパワーが大きいだけでなく、透光部Hを透過することにより、加工スポット形状Sのエッジ部分の光強度がより高くなるので、光ファイバ3の非溶融蒸発部に与える熱の影響が少なく、溶融蒸発部4のみ確実に溶融蒸発させることができる。
【0044】
このように、マスク5の透光部Hを所望の形状に形成するだけで、その透光部Hを透過したレーザ光が、透光部Hの形状を縮小した所定の加工スポット形状Sで照射されるので、レーザ光の照射位置を光ファイバ3の先端形状に応じて制御する必要がない。
【0045】
したがって、光ファイバ3を所定角度(30°ずつ)回転させながら、レーザ光源装置2からレーザ光を所要回数ずつパルス発振させるだけで、その先端形状を回転放物面3fに加工することができる。
【0046】
なお、この場合に、図3に示すように、光ファイバ3を固定しておき、光ファイバ3の周囲からレーザ光が照射されるように、照射光軸を回転可能に形成してもよい。図3のレーザ加工装置11は、レーザ光源装置2から照射されたレーザ光が、ファイバ光軸Fxの延長線上に配されたミラー12及び光ファイバ3の側方に配された衛星ミラー13を反射して光ファイバに照射されるように成っている。また、ミラー12及び衛星ミラー13がファイバ光軸Fxを中心に一体的に回転可能に配され、これにより、固定された光ファイバ3の周囲から光ファイバ3に照射することができる。
【0047】
図4は、ガラスキャピラリー20内に光ファイバ21の先端を挿通し接着固定したワーク22にレーザ光を照射して、ワーク22を切断すると共に先端加工を行う方法を示したものである。マスク23には、ワーク22を切断可能な幅の方形加工スポット形状Sを所定倍に拡大した透光部Hが形成され、その実像をワーク22の側面から照射し、その結像位置を前記レーザ光の照射光軸方向に沿って移動させながら、当該ワーク22を切断加工する。
【0048】
ガラスキャピラリー20は、石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス等任意のものを採用し得るが、石英ガラスが好ましい。また、ガラスキャピラリー20の外径としては、ファイバの振動を抑え、且つ、キャピラリー20自体の強度を維持するために、ある程度の太さが必要であるが、太すぎると加工に時間がかかるので、光ファイバ21の直径の2倍から20倍が実用的である。
【0049】
そして、レーザ加工を行う場合に、図4(a)に示すように、ファイバ光軸(ワーク光軸)Fxをレーザ光の照射光軸Lxに直交させて、透光部Hの実像の結像位置をレーザ光の照射光軸Lxに沿って移動させながらワーク22を切断すると、その切断面24は、レーザ光軸Lxに対して、所定角度傾くことが判明した。
【0050】
この傾斜角をθし、透光部Hから縮小光学系6のレンズ9に入射される透過光の幅をd、レンズ9の焦点距離をfとしたときに、傾斜角θは次式で表わされる。
θ=tan−1[d/(2f)]
【00513】
また、レーザ光の照射光軸Lxに対してファイバ光軸Fxを所定の角度αだけ傾けて、前述と同様に加工すると、ファイバ光軸Fxに直交するワーク基準面25に対する切断面24の角度βは、
β=(π/2)+θ−αβ=(π/2)+tan−1[d/(2f)]−αで表わされる。
【0052】
これより、ワーク22の切断面24をワーク基準面25に対して任意の切断角βに仕上ようとする場合、図4(b)に示すように、ファイバ光軸Fxをレーザ光の照射光軸Lxに対して次式で表わされるセッティング角αだけ傾けてセットすればよい。
α=(π/2)+tan−1[d/(2f)]−β
【0053】
たとえば、切断面24をファイバ光軸Fxに直交するワーク基準面25と一致させたい場合は、β=0であるから、セッティング角αは、
α=(π/2)+tan−1[d/(2f)]
となる。
【0054】
なお、図5(a)及び(b)に示すように、ワーク26の加工幅が加工スポット形状Sの幅よりも広い場合は、その結像位置を、レーザ光の照射光軸Lxに対して直交する方向に往復移動させながら、レーザ光の照射光軸Lx方向にも移動させてワーク26を加工すればよい。
【0055】
なお、上述の実施例の説明では、光ファイバ3、21の先端加工及び切断加工を行なう場合について説明したが、本発明はこれに限らず、任意の材料の加工にも適用することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、加工スポット形状に応じた形状の透光部が形成されたマスクを用いているので、レーザ光の照射位置を制御することなく短時間で、また、熱の影響による加工精度の低下を抑えて、光ファイバなどのワークを複雑な形状に短時間で加工することができるという大変優れた効果を奏する。
【0057】
特に本発明の請求項1の発明では、光ファイバなどのワークの切断面を、所望の切断角βに仕上げることができる。
【0058】
また請求項2の発明では、キャピラリーの剛性により、レーザ加工時に生じるファイバーの微小な振動を抑制できるので精度の高い加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ加工装置を示す説明図。
【図2】光ファイバの先端形状とマスクを示す説明図。
【図3】他の実施形態を示す説明図。
【図4】他の実施形態を示す説明図。
【図5】他の実施形態を示す説明図。
【符号の説明】
1………レーザ加工装置
2………レーザ光源装置
3………光ファイバ
L………光路
4………溶融蒸発部
S………加工スポット形状
H………透光部
5………マスク
6………縮小投影光学系
7………TEA−CO2レーザ
8………拡大コリメートレンズ系
9………レンズ
10………回転テーブル
20………ガラスキャピラリー
21………光ファイバ
22………ワーク
23………マスク
24………切断面
25………ワーク基準面
26………ワーク
Lx………レーザ光軸
Fx………ファイバ光軸

Claims (2)

  1. ワークの溶融蒸発部の形状に応じた加工スポット形状を所定倍に拡大した透光部を有するマスクに対して、前記透光部より大きな径でレーザ光を照射し、その透過光で形成される前記透光部の実像を縮小投影光学系により前記加工スポット形状まで縮小してワーク上に結像させることにより,レーザ光が照射された部分を溶融蒸発させてワークを成形加工するレーザ加工方法において、ワークを切断可能な幅の方形加工スポット形状を所定倍に拡大した透光部を有する前記マスクを用いて、その実像をワークの側面から照射し、その結像位置を前記レーザ光の照射光軸方向に沿って移動させながら、当該ワークを切断加工する場合に、ワーク光軸に直交するワーク基準面に対して形成しようとする切断面の角度を切断角βとし、前記透光部から縮小投影光学系に入射される透過光の幅をd、縮小投影光学系の焦点距離をfとしたときに、レーザ光の照射光軸(Lx)に対してワーク光軸(Fx)を、
    α=(π/2)+tan −1 [d/(2f)]−βで表わされるセッティング角αにセットすることを特徴とするレーザ加工方法。
  2. ワークがガラスキャピラリー内に光ファイバの先端を挿通し接着固定してなる請求項1記載のレーザ加工方法。
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