JP2001138003A - カップ状部材の成形方法、その成形装置、およびその予備成形粗材 - Google Patents

カップ状部材の成形方法、その成形装置、およびその予備成形粗材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、内周面に複数の溝が形成さ
れ、各溝の間の稜線部分が端部開口に向かって暫時縮径
するようにアンダカットに形成されたカップ状部材を精
度よく容易に成形する。 【解決手段】 外周面が中心軸線とほぼ平行な平面に形
成され、内周面に溝11となる部分と稜線部分12とな
る部分とが予備成形され、稜線部分12のアンダカット
に形成される部分12bとなる部分が中心軸線とほぼ平
行な平面に形成された予備成形粗材を成形し、次いで、
溝11となる部分の内側への倒れ込みをパンチ5の内倒
阻止部分51により阻止すると共に、稜線部分12のア
ンダカットに形成される部分12bとなる部分の内側へ
の倒れ込みを内倒許容部分52により1許容する状態
で、予備成形粗材fの外周面をパンチ5とダイ6とによ
り、しごき成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カップ状部材の成
形方法、その成形装置、およびその予備成形粗材に関
し、さらに詳しくは、しごき成形により、内周面に複数
の溝を有しており、各溝の間の稜線部分が端部開口に向
かって暫時縮径するようにアンダカットに形成されたカ
ップ状部材を成形するための方法、装置、および予備成
形粗材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の動力伝達装置などにおいては、
いかなるジョイント角度においても駆動軸と被駆動軸と
の間の角速度差がなく等角速度で回転を伝達するため
に、等速ジョイントが用いられている。そして、バーフ
ィールド型やトリポード型の等速ジョイントにおいて
は、軸部と一体に成形されたカップ部を有するアウタレ
ース(カップ状部材)を備えている。このようなアウタ
レースF’は、一般に、図9および図10に示すよう
に、カップ部G’の内周面に複数の溝11’を有してお
り、各溝11’の間の稜線部分12’の軸方向中間位置
12a’から端部開口に向かう部分12b’が端部開口
に向かって暫時縮径するようにアンダカットに形成され
た構造となっている。
【0003】このような等速ジョイントのアウタレース
を成形するための従来の技術としては、特開平11−1
79477号公報に開示された等速ジョイント用外輪部
材の鍛造成形方法および装置が知られている。
【0004】この等速ジョイント用外輪部材の鍛造成形
方法においては、軸部と前記軸部の端部から拡径して一
体的に設けられるカップ部とにより構成される等速ジョ
イント用外輪部材の鍛造成形方法であって、棒状素材に
押し出し成形を施すことにより、軸部と中実本体部を有
する成形体を得る工程と、前記成形体に据え込み成形を
施すことにより、前記中実本体部を押し潰して据え込み
成形する工程と、前記据え込み部に押し出し成形を施す
ことにより、前記カップ部を成形する工程と、前記軸部
の最終製品精度を有する第1成形部を用いて該軸部に最
終しごき成形を施すとともに、前記カップ部の最終製品
精度を有する第2成形部を用いて該カップ部の外径を拘
束した状態で、しごきパンチを介して前記カップ部の内
径部分をしごき成形する工程と、を有することを特徴と
している。
【0005】また、この等速ジョイント用外輪部材の鍛
造成形装置においては、軸部と前記軸部の端部から拡径
して一体的に設けられるカップ部とにより構成される等
速ジョイント用外輪部材の鍛造成形装置であって、前記
軸部の最終製品精度を有し、該軸部に最終しごき成形を
施すための第1成形部と、前記カップ部の最終製品精度
を有し、該カップ部の外径を拘束するための第2成形部
と、前記第2成形部により前記カップ部の外径を拘束し
た状態で、前記軸部のしごき成形と同時に該カップ部の
内径部分をしごき成形するためのしごきパンチと、を備
えることを特徴としている。
【0006】また、アンダカットに形成されたカップ状
部材を成形するための別の従来の技術としては、特開平
2−133140号公報に開示されているように、内部
に内径が全長に亘ってほぼ等しい凹入部を有し、かつ凹
入部の開口側外周面に厚肉部を形成したワークを予め製
作し、次にこのワークをダイスの小径部でしごいて厚肉
部を内側へ流動させることにより口絞りを行うと同時
に、コレットの先端をマンドレルにより拡開して、上記
ワークの口元部にアンダカットを形成することを特徴と
するアンダカットを有するピストンの製造方法が知られ
ている。
【0007】そして、このアンダカットを有するピスト
ンの製造方法においては、マンドレルのテーパ部によっ
て放射状に拡開されると共に、アンダカットから抜き出
すときに収縮するよう先端が分割されたコレットを用い
ることが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術のうち、特開平11−179477号公報にあ
っては、カップ部の最終製品精度を有する型(第2成形
部)を用いてカップ部の外周を拘束した状態で、しごき
パンチを介してカップ部の内径部分にしごき成形を施す
ため、軸部とカップ部の同軸精度が容易かつ確実に得ら
れ、カップ部内面のトラック溝および該内面の仕上げ精
度を有効に維持することができるというものである。そ
して、このものにあっては、カップ部は、軸部の一方の
端部から拡径してアンダーカット部を有していること、
および内面の真円度について記載されているものの、ア
ンダーカット部あるいは球面状内周面が如何にして形成
されるかについては記載されておらず、また、図面から
これらを特定することはできない。
【0009】一方、上記従来の技術のうち、特開平2−
133140号公報にあっては、図7および図8に示す
ように、凹入部の開口側外周面に厚肉部tを形成したワ
ーク(予備成形粗材f’)を予め製作するものであるた
め、このワークf’をダイスの小径部でしごいて厚肉部
tを内側へ流動させることにより口絞りを行うと、図1
0に示すように、カップ部G’の開口端面に駄肉Mが生
じ、この駄肉Mを別工程で取り除く必要があるため、工
程数が増加するという問題があった。そして、このもの
にあっては、アンダカットを有するピストンの製造方法
であるために、ワークの口元部に全周にわたってアンダ
カットを形成することに問題はないが、この方法を上述
した等速ジョイントのアウタレースを成形する場合に適
用すると、カップ部G’の開口が全周にわたって縮径さ
れる、すなわち、稜線部分12’のみならず溝11’ま
でもが端部開口に向かって暫時縮径するようにアンダカ
ットに形成されることとなり、溝11’の端部開口に等
速ジョイントのインナレースとの干渉を回避するための
テーパ部11d’を形成する必要があるという問題があ
った。
【0010】また、特開平2−133140号公報に開
示された成形装置にあっては、先端が分割されたコレッ
トを拡開することによりワークの口元部にアンダカット
を形成するものであるため、コレットが成形製品の内面
全体を均等に押圧することができず、また、成形製品の
外面と内面との同軸度を維持できない可能性があるとい
う問題があり、成形製品の内面の成形精度を維持するた
めには切削加工あるいは研磨加工などの後加工が必要と
なるという問題があった。さらに、このものにあって
は、コレットを拡開させるためのマンドレルを必要とす
ると共に、マンドレルをコレットに対して上下動させる
必要があるため、構造が複雑となるという問題があっ
た。
【0011】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、簡単な構成で、内周面に複数の溝が形成され、各溝
の間の稜線部分が端部開口に向かって暫時縮径するよう
にアンダカットに形成されたカップ状部材を精度よく容
易に成形することができるカップ状部材の成形方法、そ
の成形装置、およびカップ状部材を成形するための予備
成形粗材を提供することを目的とする。
【0012】請求項1のカップ状部材の成形方法に係る
発明は、上記目的を達成するため、内周面に複数の溝を
有しており、各溝の間の稜線部分が端部開口に向かって
暫時縮径するようにアンダカットに形成されたカップ状
部材の成形方法であって、外周面が中心軸線とほぼ平行
な平面に形成され、内周面に溝となる部分と稜線部分と
なる部分とが予備成形され、稜線部分のアンダカットに
形成される部分が中心軸線とほぼ平行な平面に形成され
た予備成形粗材を成形し、溝となる部分の内側への倒れ
込みを阻止すると共に、稜線部分のアンダカットに形成
される部分の内側への倒れ込みを許容する状態で、予備
成形粗材の外周面をしごき成形することを特徴とするも
のである。
【0013】また、請求項2のカップ状部材の成形装置
に係る発明は、上記目的を達成するため、内周面に複数
の溝を有し、各溝の間の稜線部分が端部開口に向かって
暫時縮径するようにアンダカットに形成してなるカップ
状部材を成形するための装置であって、中心軸線とほぼ
平行な平面に形成された予備成形粗材の外周面をしごき
成形するダイと、予備成形粗材の内周面に形成された溝
となる部分の内側への倒れ込みを阻止する内倒阻止部分
と、中心軸線とほぼ平行な平面に形成された稜線部分の
アンダカットに形成される部分の内側への倒れ込みを許
容する内倒許容部分と、が一体に形成されたパンチと、
を備えたことを特徴とするものである。
【0014】また、請求項3のカップ状部材を成形する
ための予備成形粗材に係る発明は、上記目的を達成する
ため、内周面に複数の溝となる部分と各溝の間の稜線部
分となる部分とが予備成形されており、溝となる部分の
内側への倒れ込みを阻止すると共に、稜線部分のアンダ
カットに形成される部分の内側への倒れ込みを許容する
状態で、外周面をしごき成形することにより、稜線部分
が端部開口に向かって暫時縮径するようにアンダカット
に形成されたカップ状部材を成形するための予備成形粗
材であって、外周面と内周面の稜線のアンダカットに形
成される部分とを、中心軸線とほぼ平行な平面に形成し
たことを特徴とするものである。
【0015】さらに、請求項4のカップ状部材を成形す
るための予備成形粗材に係る発明は、上記目的を達成す
るため、内周面に複数の溝となる部分と各溝の間の稜線
部分となる部分とが予備成形されており、溝となる部分
の内側への倒れ込みを阻止すると共に、稜線部分のアン
ダカットに形成される部分の内側への倒れ込みを許容す
る状態で、外周面をしごき成形することにより、稜線部
分が端部開口に向かって暫時縮径するようにアンダカッ
トに形成されたカップ状部材を成形するための予備成形
粗材であって、内周面の溝となる部分を、端部開口に向
かって暫時拡開するテーパ状の平面に形成したことを特
徴とするものである。
【0016】そして、請求項5のカップ状部材を成形す
るための予備成形粗材に係る発明は、上記目的を達成す
るため、請求項3または4に記載の発明において、成形
されたカップ状部材の溝の肉厚の、予備成形粗材の溝と
なる部分の肉厚に対する比率を、0.79〜0.83と
することを特徴とするものである。
【0017】請求項1の発明では、中実棒状の素材を押
し出し成形することなどによって、外周面が中心軸線と
ほぼ平行な平面に形成され、内周面に溝となる部分と稜
線部分となる部分とが予備成形され、稜線部分のアンダ
カットに形成される部分が中心軸線とほぼ平行な平面に
形成された予備成形粗材を成形する。そして、この予備
成形粗材の溝となる部分の内側への倒れ込みを阻止する
と共に、稜線部分のアンダカットに形成される部分の内
側への倒れ込みを許容する状態で、予備成形粗材の外周
面をしごき成形する。外周面がしごき成形されることに
より、予備成形素材の材料は、カップ状部材の軸方向お
よび径方向内側に向かって流動する。このとき、予備成
形粗材の溝となる部分が内側への倒れ込みを阻止されて
いるために、成形されたカップ状部材の溝がアンダカッ
トに形成されることがなく、また、成形されたカップ状
部材の稜線部分のみが端部開口に向かって暫時縮径する
ようにアンダカットに形成されることとなる。
【0018】また、請求項2の発明では、予備成形粗材
は、中実棒状の粗材を押し出し成形することなどによっ
て、外周面が中心軸線とほぼ平行な平面に形成され、内
周面に溝となる部分と稜線部分となる部分とが予備成形
され、稜線部分のアンダカットに形成される部分が中心
軸線とほぼ平行な平面に形成されている。この予備成形
粗材を、パンチとダイとの間に配置し、パンチとダイを
相対的に近接させることにより予備成形粗材をしごき成
形する。予備成形粗材の内周面に形成された溝となる部
分がパンチの内倒阻止部分により内側への倒れ込みを阻
止され、内周面の中心軸線とほぼ平行な平面に形成され
た稜線部分のアンダカットに形成される部分がパンチの
内側に逃げるように形成された内倒許容部分により内側
への倒れ込みを許容された状態で、予備成形粗材の外周
面がダイによってしごかれ、材料が軸方向および径方向
内側に向かって流動する。そのため、成形されたカップ
状部材の溝にアンダカットが形成されることがなく、ま
た、成形されたカップ状部材の稜線部分のみに端部開口
に向かって暫時縮径するアンダカットが形成されること
となる。そして、しごき成形が完了してパンチとダイと
を相対的に離間させるときには、内側への倒れ込みを許
容するパンチの内倒許容部分がアンダカットに成形され
た稜線部分の端部開口よりも内側に逃げるように形成さ
れており、また、成形されたカップ状部材の溝がパンチ
の内倒阻止部分によりその内側への倒れ込みを阻止して
いるために、パンチは、カップ状部材の内周面から容易
に引き抜かれることとなる。
【0019】請求項3の発明では、予備成形粗材の外周
面と内周面の稜線のアンダカットに形成される部分とが
中心軸線とほぼ平行な平面に形成されていることによ
り、溝となる部分の内側への倒れ込みを阻止すると共
に、稜線部分のアンダカットに形成される部分の内側へ
の倒れ込みを許容する状態で、外周面がしごき成形され
ると、中心軸線とほぼ平行な平面に形成された稜線部分
となる部分のみが内側に倒れ込むと共に、しごかれた材
料が軸方向および径方向内側に向かって流動して、アン
ダカットが容易に形成される。
【0020】請求項4の発明では、溝となる部分の内側
への倒れ込みを阻止すると共に、稜線部分のアンダカッ
トに形成される部分の内側への倒れ込みを許容する状態
で、外周面がしごき成形されると、稜線部分となる部分
のみが内側に倒れ込むと共に、しごかれた材料が軸方向
および径方向内側に向かって流動する。このとき、予備
成形粗材の内周面の溝となる部分が端部開口に向かって
暫時拡開するテーパ状の平面に形成されていることによ
り、溝となる部分にしごかれた材料が流動して溝を所定
の形状に精度よく形成すると共に、稜線部分のアンダカ
ットに形成される部分にしごかれた材料が流動して稜線
部分にアンダカットが容易に形成される。
【0021】請求項5の発明では、請求項3または4に
記載の発明において、予備成形粗材の溝となる部分の肉
厚を1として、この肉厚1に対して成形されたカップ状
部材の溝の肉厚の比率が0.79〜0.83となるよう
に、すなわち、予備成形粗材の溝となる部分の肉厚が成
形しようとするカップ状部材の溝の所望の肉厚の1/
(0.79〜0.83)となるように設定される。この
比率が0.79よりも小さい(しごき成形による変形量
が大きい)場合には、カップ状部材の残留応力が大きく
なって後の工程で熱処理を行った際に寸法変化が生じて
製品形状がばらつき、あるいは、予備成形粗材の変形能
を越えて割れが生じ成形不良となる。また、比率が0.
83よりも大きい(しごき成形による変形量が小さい)
場合には、カップ状部材に弾性域と塑性域とが存在して
製品形状がばらつき成形不良となる。したがって、予備
成形粗材の溝となる部分の肉厚1に対して成形されたカ
ップ状部材の溝の肉厚の比率を0.79〜0.83にす
ることにより、成形不良を引き起こすことなく、カップ
状部材が精度よく成形される。
【0022】
【発明の実施の形態】最初に、本発明により成形される
カップ状部材の実施の一形態として、上述した自動車の
動力伝達装置などに用いられているバーフィールド型等
速ジョイントのアウタレースFのカップ部Gを成形する
場合により、図1および図2に基づいて説明する。しか
しながら、本発明は、バーフィールド型等速ジョイント
のアウタレースFを成形する場合に限定されることな
く、例えばトリポード型等速ジョイントなど、内周面に
複数の溝を有しており、各溝の間の稜線部分が端部開口
に向かって暫時縮径するようにアンダカットに形成され
たものであれば、他のカップ状部材にも適用することが
できる。
【0023】アウタレースFは、カップ部(カップ状部
材)Gに軸部Jが一体に成形されてなるもので、カップ
部Gと軸部Jとの中心軸線CLは同軸上に位置してい
る。カップ部Gの内周面には、図示しない等速ジョイン
トのインナレースとの間でボールを保持するための溝
(以下、ボール溝11という)が、軸方向に延びるよう
に、この実施の形態の場合6箇所に等間隔で形成され
る。そして、各ボール溝11の間には、カップ部Gの径
方向内側に突出する稜線部分12が軸方向に延びるよう
に形成され、各稜線部分12の内側表面は、一定の曲率
R2で形成されていることにより、その曲率中心C2を
起点として中心軸線CLと直交する方向の位置12aか
らカップ部Gの端部開口に向かう部分12bが暫時縮径
するようにアンダカットに形成されている。一方、ボー
ル溝11は、曲率中心C1を起点として中心軸線CLと
直交する方向の軸方向中間位置11aから底方向に向か
う部分11cが一定の曲率R1で形成されており、ま
た、カップ部Gの軸方向中間位置11aから端部開口に
向かう部分11bが軸方向に中心軸線CLとほぼ平行な
直線状の平面(周方向には円弧となっている)に形成さ
れている。
【0024】次に、本発明のカップ状部材を成形するた
めの予備成形粗材fの実施の一形態を、以上のような形
状のアウタレースFを成形する場合により、図3および
図4に基づいて説明する。
【0025】本発明の予備成形粗材fは、概略、カップ
部Gとなる部分gの内周面にボール溝11となる部分1
と稜線部分12となる部分2とが予備成形されており、
カップ部Gとなる部分gの外周面gaと内周面の稜線の
アンダカットに形成される部分2bとを、中心軸線CL
とほぼ平行な平面に形成すると共に、内周面の溝11と
なる部分1を、端部開口に向かって暫時拡開するテーパ
状の平面に形成し、さらに、成形されたカップ状部材G
の溝11の肉厚Bに対して予備成形粗材fのカップ部g
の溝11となる部分1の肉厚Aを0.79〜0.83の
逆数の比率にしたものである。
【0026】図3および図4に示すように、予備成形粗
材fは、例えば中実棒状の鋼などの素材を温間で後方押
し出し成形などの鍛造加工を行うことにより、素材の一
方の端部にカップ状部材としてのアウタレースFのカッ
プ部Gとなる部分gが形成される。また、素材の他方の
端部を前方押し出し成形することにより、アウタレース
Fの軸部Jとなる部分jがカップ部Gとなる部分gと一
体に形成される。カップ部Gとなる部分gと軸部Jとな
る部分jの中心軸線CLは同軸上に位置している。軸部
Jとなる部分jは、アウタレースの軸部Jの最終製品精
度で形成されており(J=j)、カップ部Gとなる部分
gは、後の工程でしごき成形されることを考慮して、ア
ウタレースFのカップ部Gの最終製品精度よりも外径が
わずかに大きく、軸方向にわずかに短く形成されてい
る。カップ部Gとなる部分gの外周面gaは、従来の技
術のようにカップ部となる部分gの開口側外周面に厚肉
部t(図8を参照)を形成することなく、中心軸線CL
とほぼ平行な直線状の平面に形成されている。
【0027】そして、カップ部Gとなる部分gの内周面
に予備形成された稜線部分12となる部分2の表面は、
その軸方向中間位置2aから底方向に向かう部分2cが
アウタレースのカップ部Gの稜線部分12のほぼ最終製
品精度で一定の曲率R2に形成されており(2c≒12
c)、また、軸方向中間位置2aから端部開口に向かう
部分2bが最終製品精度と異なり中心軸線CLとほぼ平
行な平面に形成されている。
【0028】一方、カップ部Gとなる部分gの内周面に
予備形成されたボール溝11となる部分1は、その軸方
向中間位置1aから底方向に向かう部分1cがアウタレ
ースのカップ部Gのボール溝1のほぼ最終製品精度で一
定の曲率R1に形成されており(1c≒11c)、ま
た、軸方向中間位置1aから端部開口に向かう部分1b
が最終製品精度と異なりわずかに暫時拡径するテーパ状
の平面に形成されている。
【0029】ここで、予備成形粗材fのカップ部Gとな
る部分gの内周面に予備形成されたボール溝11となる
部分1の、一定の曲率R1に形成された部分1cとわず
かに暫時拡径するテーパ状の平面に形成された部分1b
との境界部である軸方向中間位置1aの肉厚をAとす
る。また、成形されたアウタレースFのボール溝11
の、一定の曲率R1で形成された部分11cと、中心軸
線CLとほぼ平行な直線状の平面に形成された部分11
bとの境界部である軸方向中間位置11aの肉厚をBと
する。そして、本発明では、成形されたカップ部Gの溝
11の肉厚Bの、予備成形粗材fの溝11となる部分1
の肉厚Aに対する比率(B/A)が0.79〜0.83
に設定されている。すなわち、予備成形粗材fの溝11
となる部分1の肉厚Aが成形されたカップ部Gの溝11
の肉厚Bにしごかれるしごき率[(A−B)/A]は、
17パーセント〜21パーセントに設定されている。さ
らに換言すれば、予備成形粗材fの溝11となる部分1
の肉厚Aは、成形されたカップ部の溝11の肉厚Bの、
予備成形粗材fの溝11となる部分1の肉厚Aに対して
上述した比率(B/A)の逆数の比率[A/B=1/
(0.79〜0.83)]で、すなわち、成形されるカ
ップ部Gの溝11の肉厚Bの約1.27〜1.20倍程
度の範囲で設定される。
【0030】仮に、成形されたカップ部Gの溝11の肉
厚Bの、予備成形粗材fの溝11となる部分1の肉厚A
に対する比率(B/A)を0.79よりも小さく(しご
き成形による変形量を大きく)設定した場合には、カッ
プ部Gの残留応力が大きくなって後の工程で熱処理を行
った際に寸法変化が生じて製品形状がばらつき、あるい
は、素材の変形能を越えて割れが生じ成形不良となる。
また、比率(B/A)を0.83よりも大きく(しごき
成形による変形量を小さく)設定した場合には、カップ
部Gに弾性域と塑性域とが存在して製品形状がばらつき
成形不良となる。しかしながら、本発明では、上述した
ように比率(B/A)を0.79〜0.83に設定する
こととしたことにより、成形不良を引き起こすことな
く、カップ部Gを精度よく成形することができる。
【0031】次に、本発明のカップ状部材Gの成形装置
の実施の一形態を、上述した予備成形粗材fからアウタ
レースFを成形するための装置の場合により、図5およ
び図6に基づいて説明する。
【0032】本発明のカップ状部材Gの成形装置は、概
略、予備成形粗材fのカップ部Gとなる部分gの外周面
gaをしごき成形するダイ6と、予備成形粗材fのカッ
プ部Gとなる部分gの内周面を押圧するパンチ5とを備
えてなり、パンチ5は、予備成形粗材fの内周面に形成
された溝11となる部分1の内側への倒れ込みを阻止す
る内倒阻止部分51と、中心軸線CLとほぼ平行な平面
に形成された稜線部分12のアンダカットに形成される
部分2bの内側への倒れ込みを許容する内倒許容部分5
2とが一体に形成されてなるものである。
【0033】図5に示すように、ダイ6には、予備成形
粗材fが挿入される段部7dを有する孔7が形成されて
いる。この孔7の上方部7aは、予備成形粗材fのカッ
プ部Gとなる部分gを挿入し得る径に形成されており、
また、その段部7dが形成されている中間部7cは、ア
ウタレースFのカップ部Gの外周の最終製品精度で、す
なわち、予備成形粗材fの溝11となる部分1の肉厚A
に対してカップ状部材Gの溝11の肉厚Bを0.79〜
0.83の比率(B/A)で成形するように形成されて
いる。そして、このダイ6の孔7の上方部7aと中間部
7cとの間には、下方に向かって暫時縮径するテーパ面
7bが形成されている。さらに、孔7の段部7dよりも
下方部7eは、アウタレースFの軸部Jが挿入される。
予備成形粗材fが孔7の上方部7aに挿入されると、そ
のカップ部Gとなる部分gがダイ6の孔7に形成された
テーパ面7bで一時的に支持されると共に、アウタレー
スFの軸部Jとなる部分jが下方部7eに挿入される。
そして、しごき加工によりそのカップ部Gとなる部分g
の図面における下面が段部7dに係止される。パンチ5
とダイ6の孔7との中心軸線は同軸上に配置される。
【0034】図6に示すように、パンチ5の内倒阻止部
分51は、その外周面が予備成形粗材fの内周面に形成
された溝11となる部分1と相似形に形成され、ダイ6
とパンチ5とを相対的に近接させたときに、かかる部分
1と衝合することにより、その内側への倒れ込みを阻止
する。また、パンチ5の内倒許容部分52は、予備成形
粗材fの中心軸線CLとほぼ平行な平面に形成された稜
線部分12となる部分(図6の鎖線を参照)から内側に
逃すように形成され、ダイ6とパンチ5とを相対的に近
接させて、予備成形粗材fのカップ部Gとなる部分gの
外周gaがダイ6テーパ面7bを介して中間部7cによ
りしごき成形されるときに、かかる部分2との当接を回
避する構造としたことにより、その内側への倒れ込みを
許容する。
【0035】次に、本発明のカップ状部材Gの成形方法
の実施の一形態を、上述した予備成形粗材からアウタレ
ースFを成形するための装置を用いた場合により、図1
〜図6に基づいて説明する。
【0036】本発明のカップ状部材Gの成形方法は、概
略、外周面gaが中心軸線CLとほぼ平行な平面に形成
され、内周面に溝11なる部分1と稜線部分12となる
部分2とが予備成形され、稜線部分2のアンダカットに
形成される部分2bが中心軸線CLとほぼ平行な平面に
形成された予備成形粗材fを成形し、次いで、溝11と
なる部分1の内側への倒れ込みを阻止すると共に、稜線
部分2のアンダカットに形成される部分2bの内側への
倒れ込みを許容する状態で、予備成形粗材fの外周面g
aをしごき成形するものである。さらに、予備成形粗材
fを成形する際に、内周面の溝11となる部分1bを端
部開口に向かって暫時拡開するテーパ状の平面に形成
し、また、成形されたカップ状部材Gの溝11aの肉厚
Bに対して予備成形粗材fの溝11となる部分1の肉厚
Aを0.79〜0.83の逆数の比率にしたものであ
る。
【0037】予備成形粗材fは、上述したように、例え
ば中実棒状の鋼などの素材を温間で後方押し出し成形な
どの鍛造加工を行うことにより、カップ状部材としての
アウタレースFのカップ部Gとなる部分gと、同軸上に
位置する軸部Jとなる部分jとが形成されており、カッ
プ部Gとなる部分gの外周面gaは軸方向に中心軸線C
Lとほぼ平行な直線状の平面(周方向には円弧となって
いる)に形成されている。
【0038】また、カップ部Gとなる部分gの内周面に
予備形成された稜線部分12となる部分2の表面は、そ
の軸方向中間位置2aから底方向に向かう部分2cが一
定の曲率R2に形成されており、また、軸方向中間位置
2aから端部開口に向かう部分2bが中心軸線CLとほ
ぼ平行な平面に形成されている。一方、カップ部Gとな
る部分gの内周面に予備形成されたボール溝11となる
部分1の表面は、その軸方向中間位置1aから底方向に
向かう部分1cが一定の曲率R1に形成されており、ま
た、軸方向中間位置1aから端部開口に向かう部分1b
がわずかに暫時拡径するテーパ状の平面に形成されてい
る。さらに、予備成形粗材fの溝11となる部分1の肉
厚Aは、成形されるカップ状部材Gの溝11の肉厚Bの
約1.27〜1.20倍程度の範囲に成形されている。
【0039】このように成形された予備成形粗材fは、
上述した成形装置のパンチ5とダイ6の孔7との間に配
置される。そして、ダイ6とパンチ5を相対的に近接さ
せると、図5に示すように、予備成形粗材fのカップ部
Gとなる部分gが、ダイ6の孔7の上方部7aからテー
パ面7bを介して、アウタレースFのカップ部Gの外周
の最終製品精度で形成された中間部7cに押し込まれる
ことにより、その外周面gaがしごき成形される。
【0040】このとき、予備成形粗材fのカップ部Gと
なる部分gの内周面は、図6に示すように、ボール溝1
1となる部分1がパンチ5の内倒阻止部分51と衝合さ
れており、外周面gaがしごき成形されることによる径
方向内側への倒れ込みおよび材料の流動が阻止された状
態となっている。また、予備成形粗材fの内周面の稜線
部分12となる部分2bがパンチ5の内倒許容部分52
の径方向外側に位置しており、外周面gaがしごき成形
されることによる径方向内側への倒れ込みおよび材料の
流動が許容された状態となっている。
【0041】そして、予備形成されたボール溝11とな
る部分1の、軸方向中間位置1aから端部開口に向かう
部分1bがわずかに暫時拡径するテーパ状の平面に形成
されていることにより、外周面gaがしごき成形されて
パンチ5の内倒阻止部分51に衝合されて、アウタレー
スFのカップ部Gのボール溝11の軸方向中間位置11
aから端部開口に向かう部分11bが中心軸線CLとほ
ぼ平行な直線状の平面に形成され、さらに、ボール溝1
1となる部分1の材料が稜線部分12に流動することと
なる。
【0042】一方、予備形成された稜線部分12となる
部分2の、軸方向中間位置2aから端部開口に向かう部
分2bが中心軸線CLとほぼ平行な平面に形成されてい
ることにより、外周面gaがしごき成形されてパンチ5
の内倒許容部分52に接することがなく、また、ボール
溝11となる部分1の材料が稜線部分12に流動するた
め、アウタレースFのカップ部Gの稜線部分12の、曲
率中心C2を起点として中心軸線CLと直交する方向の
位置12aからカップ部の端部開口に向かう部分12b
が、所定の曲率R2で暫時縮径するようにアンダカット
に形成されるまで径方向内側に倒れ込むと共に材料が流
動することとなる。
【0043】アウタレースFが成形されると、パンチ5
とダイ6とを相対的に離間させる。パンチ5の内倒許容
部分52が径方向内側に逃げるように形成されているた
めに、アウタレースFのカップ部Gの径方向内側に倒れ
込んだ稜線部分12bが干渉することがなく、また、ボ
ール溝11が軸方向に中心軸線CLと平行な平面(周方
向には円弧となっている)に形成されているために、パ
ンチ5の内倒阻止部分51に干渉することがないので、
従来の技術のようにパンチを分割して拡径および縮径さ
せる必要がなく、そのままの姿勢でアウタレースFのカ
ップ部Gから引き抜くことができる。さらに、本発明で
は、パンチ5が内倒阻止部分51と内倒許容部分52と
を一体に形成されているものであるため、カップ部Gと
なる部分gの内周面を押圧するときに、従来の技術のよ
うに分割されたパンチがガタついたりカップ部との同軸
度を維持できないなどの問題が発生することはなく、成
形精度を維持することができる。
【0044】成形されたアウタレースFは、ボール溝1
1がパンチ5の内倒阻止部分51に衝合された状態でそ
の成形が完了するために、成形精度が良好であり、成形
後に研磨するなどの後加工を行う必要がない。なお、予
備成形粗材fからアウタレースFを成形するときには、
冷間でしごき成形することが望ましい。また、成形され
たアウタレースFは、必要な硬度を得るために、焼き入
れなどの後熱処理が行われる。
【0045】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、外周面が中心
軸線とほぼ平行な平面に形成され、内周面に溝となる部
分と稜線部分となる部分とが予備成形され、稜線部分の
アンダカットに形成される部分が中心軸線とほぼ平行な
平面に形成された予備成形粗材を成形し、溝となる部分
の内側への倒れ込みを阻止すると共に、稜線部分のアン
ダカットに形成される部分の内側への倒れ込みを許容す
る状態で、予備成形粗材の外周面をしごき成形するとい
う簡単な構成で、内周面に複数の溝と、各溝の間の稜線
部分が端部開口に向かって暫時縮径するようにアンダカ
ットに形成されたカップ状部材を精度よく容易に成形す
ることができるカップ状部材の成形方法を提供すること
ができる。
【0046】請求項2の発明によれば、中心軸線とほぼ
平行な平面に形成された予備成形粗材の外周面をしごき
成形するダイと、予備成形粗材の内周面に形成された溝
となる部分の内側への倒れ込みを阻止する内倒阻止部分
と、中心軸線とほぼ平行な平面に形成された稜線部分の
アンダカットに形成される部分の内側への倒れ込みを許
容する内倒許容部分と、が一体に形成されたパンチと、
を備えた簡単な構成で、内周面に複数の溝と、各溝の間
の稜線部分が端部開口に向かって暫時縮径するようにア
ンダカットに形成されたカップ状部材を精度よく容易に
成形することができるカップ状部材の成形装置を提供す
ることができる。
【0047】請求項3の発明によれば、予備成形粗材の
外周面と内周面の稜線のアンダカットに形成される部分
とを、中心軸線とほぼ平行な平面に形成したことによ
り、しごかれた材料が軸方向および径方向内側に向かっ
て流動するため、アンダカットを容易に形成することが
できる予備成形粗材を提供することができる。
【0048】請求項4の発明によれば、内周面の溝とな
る部分を、端部開口に向かって暫時拡開するテーパ状の
平面に形成したことにより、溝となる部分にしごかれた
材料が流動して溝を所定の形状に精度よく形成すると共
に、稜線部分のアンダカットに形成される部分にしごか
れた材料が流動して稜線部分にアンダカットを容易に形
成することができる予備成形粗材を提供することができ
る。
【0049】請求項5の発明によれば、請求項3または
4に記載の発明において、成形されたカップ状部材の溝
の肉厚の、予備成形粗材の溝となる部分の肉厚に対する
比率を、0.79〜0.83とすることにより、成形不
良を引き起こすことなく、精度よくカップ状部材を成形
することができる予備成形粗材を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により成形されるアウタレースのカップ
部を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明のアウタレースを成形するための予備成
形粗材のカップ部となる部分を示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の成形装置の縦断面図である。
【図6】パンチの内倒阻止部および内倒許容部と、カッ
プ部のボール溝および稜線部分との形状を示す説明図で
ある。
【図7】従来のアウタレースを成形するための予備成形
粗材のカップ部となる部分を示す平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】従来のアウタレースのカップ部を示す平面図で
ある。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【符号の説明】
f 予備成形粗材 g カップ部となる部分(カップ状部材となる部分) ga 外周面 F アウタレース G カップ部(カップ状部材) 1 予備成形された溝となる部分 1b 溝となる部分 2 予備成形された稜線部分となる部分 2b 稜線部分のアンダカットに形成される部分 11b 溝の中心軸線と平行な平面に形成される部分 12b 稜線部分のアンダカットに形成される部分 A 成形されたカップ状部材の溝の肉厚 B 予備成形粗材の溝となる部分の肉厚 5 パンチ 6 ダイ 51 内倒阻止部分 52 内倒許容部分

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に複数の溝を有しており、各溝の
    間の稜線部分が端部開口に向かって暫時縮径するように
    アンダカットに形成されたカップ状部材の成形方法であ
    って、 外周面が中心軸線とほぼ平行な平面に形成され、内周面
    に溝となる部分と稜線部分となる部分とが予備成形さ
    れ、稜線部分のアンダカットに形成される部分が中心軸
    線とほぼ平行な平面に形成された予備成形粗材を成形
    し、 溝となる部分の内側への倒れ込みを阻止すると共に、稜
    線部分のアンダカットに形成される部分の内側への倒れ
    込みを許容する状態で、予備成形粗材の外周面をしごき
    成形することを特徴とする、カップ状部材の成形方法。
  2. 【請求項2】 内周面に複数の溝を有し、各溝の間の稜
    線部分が端部開口に向かって暫時縮径するようにアンダ
    カットに形成してなるカップ状部材を成形するための装
    置であって、 中心軸線とほぼ平行な平面に形成された予備成形粗材の
    外周面をしごき成形するダイと、 予備成形粗材の内周面に形成された溝となる部分の内側
    への倒れ込みを阻止する内倒阻止部分と、中心軸線とほ
    ぼ平行な平面に形成された稜線部分のアンダカットに形
    成される部分の内側への倒れ込みを許容する内倒許容部
    分と、が一体に形成されたパンチと、を備えたことを特
    徴とする、カップ状部材の成形装置。
  3. 【請求項3】 内周面に複数の溝となる部分と各溝の間
    の稜線部分となる部分とが予備成形されており、溝とな
    る部分の内側への倒れ込みを阻止すると共に、稜線部分
    のアンダカットに形成される部分の内側への倒れ込みを
    許容する状態で、外周面をしごき成形することにより、
    稜線部分が端部開口に向かって暫時縮径するようにアン
    ダカットに形成されたカップ状部材を成形するための予
    備成形粗材であって、 外周面と内周面の稜線のアンダカットに形成される部分
    とを、中心軸線とほぼ平行な平面に形成したことを特徴
    とする、カップ状部材を成形するための予備成形粗材。
  4. 【請求項4】 内周面に複数の溝となる部分と各溝の間
    の稜線部分となる部分とが予備成形されており、溝とな
    る部分の内側への倒れ込みを阻止すると共に、稜線部分
    のアンダカットに形成される部分の内側への倒れ込みを
    許容する状態で、外周面をしごき成形することにより、
    稜線部分が端部開口に向かって暫時縮径するようにアン
    ダカットに形成されたカップ状部材を成形するための予
    備成形粗材であって、 内周面の溝となる部分を、端部開口に向かって暫時拡開
    するテーパ状の平面に形成したことを特徴とする、カッ
    プ状部材を成形するための予備成形粗材。
  5. 【請求項5】 成形されたカップ状部材の溝の肉厚の、
    予備成形粗材の溝となる部分の肉厚に対する比率を、
    0.79〜0.83とすることを特徴とする、請求項3
    または4に記載のカップ状部材を成形するための予備成
    形粗材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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