JP2001137015A - 衣料品、皮革品等のための磁気閉封デバイス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 衣料品、皮革品等に結合でき、使用された磁
化可能粉体の量および種類に関係なく外部仕上げの度合
いを有するような可撓性ストリップ閉封部材を提供でき
る、衣料品、皮革品等のための磁気閉封デバイスを提供
する。 【解決手段】 磁気閉封デバイスは、少なくとも一つの
磁化可能粉体１と、磁気粉体１の層をカバーするための
少なくとも一つの層３からなり、カバー層３の少なくと
も外面が磁化可能粉体の影響を受けない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、衣料品、皮革品等のた
めの磁気閉封デバイスおよび他の適用分野に関する。

【０００２】

【従来の技術】プラストフェライトとして知られる磁気
ラバーは既に市場で入手可能であり、また、ラバーまた
はプラスチックとフェライトまたは希土類のような磁化
可能粉体との混合物によって実質的に構成されているこ
とは公知である。

【０００３】混合物(mix) からなるマトリックス材料に
関係なく、製品は、磁気粉体のそれ自身の色によって特
定の色を付けることができないので、衣料品または皮革
品のための磁気閉封物としてプラストフェライトを使用
することは適していない。

【０００４】さらに、材料の一体化パーツである磁気粉
体は、金属粉体として外方にはみ出て、使用したり、洗
濯等によって酸化されやすく、粉体とさびとの分離が生
じて、これが閉封物に付着して衣料品に移動する。

【０００５】さらに、プラストフェライトにおいては、
十分にアマルガム化された混合物ないし化合物とするた
めに磁力を必要とし、また、金属粉体の量が多くなれば
なるほど、磁気特性が高くなるが、一方において金属粉
体の増加は化合物の機械的特性を低下させ、これを脆弱
にする。

【０００６】さらに、プラストフェライトは、普通、シ
ート状にカレンダー加工される。しかしながら、例えば
衣料品に容易に適用できる製品が形成されることなしに
あるサイズに切断される。これはストリップの外方エッ
ジが鋭く、また磁気ストリップがこのようにするために
特定したプリセットがされないので容易にステッチする
ことができないからである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の問題を解決するために、衣料品、皮革品等に結合で
き、使用された磁化可能粉体の量および種類に関係なく
外部仕上げの度合いを有するような可撓性ストリップ閉
封部材を提供できる、衣料品、皮革品等のための磁気閉
封デバイスを提供することである。

【０００８】この目的の範囲内で、本発明の特別の目的
は、磁化可能な粉体の量を任意に多くすることができ、
従って磁気閉封部材の機械特性および作動性のあらゆる
点で妥協することなく得られる磁力の増大が可能な磁気
閉封デバイスを提供することである。

【０００９】本発明の他の目的は、特別な問題に遭遇す
ることなく衣料品への縫いつけまたはこれに適用される
全ての場合において、磁気パーツを含む領域を外部から
完全に遮蔽して、これによって摩耗、さびおよび磁気粉
体の潜在的分離によって生じる問題を解決した磁気閉封
デバイスを提供することである。

【００１０】本発明の他の目的は、その特別な構成特性
の観点により、使用に際して優れた信頼性と安全性とを
保証できる磁気閉封デバイスを提供することである。

【００１１】この目的および、上述した諸目的並びに以
下に明らかとなる他の目的は、本発明による衣料品、皮
革品等のための磁気閉封デバイスによって達成され、こ
のデバイスは少なくとも一つの磁化可能な粉体層と前記
磁化可能な粉体層を覆うための少なくとも一つの層と、
磁化可能な粉体層から解放されている前記カバー層の少
なくとも一つ外面とを有することを特徴とする。

【００１２】さらなる特徴および利点は、添付する図面
において非限定的な実施例によってのみ示された衣料
品、皮革品等のための磁気閉封デバイスの可能な実施例
の説明から明らかとなろう。

【００１３】

【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明による衣
類品、皮革品等のための磁気閉封デバイスは、普通、ス
トリップの形で提供され、また好ましい実施例において
は、参照数字１によって示された磁化可能な粉体層とし
て提供され、これがプラスチック材料等のフィルムによ
って通常提供される裏打層２に添着される。

【００１４】カバー層３が磁化可能な粉体層に添着さ
れ、好ましくはプラスチック材料が展着され、これによ
って磁化可能粉体の少なくとも一部がカバー層に埋設さ
れる一方でカバー層の外面は磁化可能粉体の全く無い状
態になる。

【００１５】長手方向エッジにおいて、磁気材料によっ
て影響されず、かつ、ストリップを衣料品、皮革品等に
ステッチするか熱接着するために、普通、プリセットさ
れる帯状体（バンド）４が設けられているのが好まし
い。

【００１６】磁化可能粉体はＮ極ないしＳ極の磁化によ
るか、または種々の分散バイポラ磁化のいずれかによっ
て磁化される。

【００１７】別の実施例によれば、磁化可能な粉体層を
裏打紙１０上に堆積することができ、磁化可能粉体を埋
設するカバー層を添着し、これによって磁化可能粉体が
カバー層との一体パーツとなり、特に、カバー層の内面
との一体パーツとなる。

【００１８】外面は再度滑らかにするとともに磁気粉体
の無い状態になる。

【００１９】得られたストリップは衣料品の合成布に直
接熱接着することによって添着することができる。

【００２０】磁化可能な粉体層は、連続的に提供され、
または、図３において参照数字１’で示された分離領域
によって任意に提供され、外部仕上げの度合いを任意に
変えることができ、またどのような場合においても、磁
化可能材料が磁化粉体によって影響を受けない層内に閉
じ込められる領域を常に提供する。

【００２１】粉体を支持部材上に容易に分散するため
に、電磁石またはいずれの場合においても磁気バンドを
使用することが可能であるので、磁化可能粉体が堆積さ
れる領域を正確に限定する。

【００２２】図７から図１３に示す別の実施例によれ
ば、衣類品、皮革品等の物品のための磁気閉封デバイス
は、複数の磁気ブロック５０を有し、図７から図１１に
示す実施例では実質的に板状である。

【００２３】これらの磁気ブロックは、カバーストリッ
プ５１と裏打ストリップ５２との間に有利に相互的に差
し込まれ、また、相互に一致して配置されるように構成
されている。

【００２４】磁気ブロック５０は、その相互的距離がそ
の整列（アライメント）方向においてそれらの寸法に少
なくとも等しく、種々のブロックのアライメント軸に沿
った方向の磁束を有している。その結果、各フラップ上
にそれぞれ設けられたストリップ上の磁気ブロックと結
合して二つのフラップを閉じることが可能になる。これ
によって、一方のストリップの磁気ブロックと、他方の
ストリップの磁気ブロックとの間の相互インターロック
が得られる。その磁束が図９と図１０に模式的に示した
ように長手方向を向いている組立体がこうして提供され
る。

【００２５】ストリップが結合されると、漏洩が端部に
おいてのみ発生し、ここで列の最終位置の磁石を埋設し
た軟質磁気材料で作られた終端部６０を提供することが
でき、従って磁束の漏洩を相当に減じることができる。

【００２６】図１２および図１３に示したように、二つ
のストリップの磁石の相互連結を実行するために、実際
に相互連結インターロックの１形態をなす、参照数字７
０で示されたように、台形形状を有するブロックを提供
することが可能である。

【００２７】上述した全実施例において、機械的動作を
二つのストリップの磁気的結合動作と結合させるため
に、図４に示すように前記二つのストリップを相互的に
関連付けるようにすることができる。すなわち、カバー
層に参照番号１１で示した雄状ストリップを設け、対面
するストリップに対応して形成された雌状シート１２に
その雄状部を嵌合させる。

【００２８】他の改善されたものを使用して磁気的結合
を備えた機械的結合を提供することもできる。例えばカ
バー層３にその外面上にスタッドないしピン２０を交互
に配置して相互結合を提供し、こうして結合平面の二つ
の垂直方向に存在する機械的抵抗力を磁気的締め付け作
用と結合させる。

【００２９】図６に示した実施例によれば、カバー層の
外面上に、参照番号３０で示した溝ないし歯３０を設
け、歯の延長する方向に対して直角方向の機械的強度を
増大させたインターロック式結合を提供する。

【００３０】カバー層およびその結果得られたストリッ
プは、任意に着色することができ、金属粉体の全く無い
状態であり、内部シールが施され、さらに金属パーツの
ない領域で縫い合わせでき、また酸化されることがな
い。

【００３１】さらに、磁化可能粉体の量および種類を変
えることによって任意に磁化吸引力を任意に調整するこ
とができる。従って、従来のプラストフェライトでは磁
気材料が増大すると製品の脆弱性がより大きくなるとい
う問題があったが、本発明では製品の機械的特性への悪
影響を及ぼすことなく、異なった磁力が得られる。

【００３２】従って、本発明は種々の修正例及び変形例
が可能であり、それらの全てが本発明の概念の範囲内に
ある。

【００３３】些細な部分は全て他の技術的に等価な要素
と置換することもできる。

【００３４】実際に、使用された材料は、必然的でない
形状及び寸法と同様に、それが特別な使用と共用できる
限り、必要に応じてあらゆるものを用いることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 カバー層と下方層とを備えたストリップによ
って構成された磁気閉封デバイスの積層状態を模式的に
示す斜視図である。

【図２】 紙層上に設けられたカバー層を備えたストリ
ップによって構成され、布製品（衣料品）に直接適用さ
れた磁気閉封デバイスを示す図である。

【図３】 分離された磁気領域を有する磁気閉封デバイ
スの模式図である。

【図４】 機械的締め付け部を達成するために相互結合
手段を備えたストリップ要素を有する磁気閉封デバイス
の模式図である。

【図５】 相互結合・ピンを備えた磁気閉封ストリップ
の模式図である。

【図６】 結合歯を有する磁気閉封デバイスを示す図で
ある。

【図７】 磁気ブロックによって得られた磁気閉封デバ
イスの他の実施例の模式斜視図である。

【図８】 図７のストリップの平面図である。

【図９】 結合されるべき二つのフラップ上に設けられ
たストリップ同士間の結合を示す平面図である。

【図１０】 結合されたストリップの断面図である。

【図１１】 磁気ストリップを分離するための工程の模
式斜視図である。

【図１２】 台形形状の磁気ブロックを有するストリッ
プの斜視図である。

【図１３】 台形形状の磁気ブロックを備えた相互結合
ストリップの模式斜視図である。

【符号の説明】

１ 磁化可能な紛体層 ２ 裏打層 ３ カバー層 ４ 帯状体 １０ 裏打紙 １１ 雄状ストリップ １２ 雄状シート ２０ スタッド ３０ 歯 ５０ 磁気ブロック ５１ カバーストリップ ５２ 裏打ストリップ ６０ 終端部 ７０ ブロック

Claims (18)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも一つの磁化可能な粉体層と前
   記磁化可能な粉体層を覆うための少なくとも一つの層
   と、磁化可能な粉体層の無い状態にある前記カバー層の
   少なくとも外面とを有することを特徴とする、衣料品、
   皮革品等のための磁気閉封デバイス。
2. 【請求項２】 前記磁化可能な粉体層が、前記カバー層
   の内面に少なくとも部分的に埋設されていることを特徴
   とする磁気閉封デバイス。
3. 【請求項３】 前記磁化可能な粉体層が設けられた裏打
   層を有し、前記カバー層が前記粉体層の頂部に配置され
   ていることを特徴とする、請求項１〜２に記載の磁気閉
   封デバイス。
4. 【請求項４】 巻き取りすることのできる実質的にスト
   リップ形状をしていることを特徴とする、請求項１〜３
   の少なくとも１つに記載の磁気閉封デバイス。
5. 【請求項５】 前記磁化可能な粉体層によって影響され
   ない前記ストリップの帯状体を有することを特徴とす
   る、請求項１〜４の少なくとも１つに記載の磁気閉封デ
   バイス。
6. 【請求項６】 前記磁化可能な粉体層によって影響され
   ない前記帯状体が長手方向エッジに設けられていること
   を特徴とする、請求項１〜５の少なくとも１つに記載の
   磁気閉封デバイス。
7. 【請求項７】 前記磁化可能な粉体層が紙層に付加さ
   れ、この上に前記カバー層が展着によって付加されるこ
   とを特徴とする、請求項１〜６の少なくとも１つに記載
   の磁気閉封デバイス。
8. 【請求項８】 前記磁化可能な粉体層が、前記カバー層
   の分離領域に作用することを特徴とする、請求項１〜７
   の少なくとも１つに記載の磁気閉封デバイス。
9. 【請求項９】 相互的に隔置され、相互的に一致する複
   数の磁気ブロックを有しており、この磁気ブロックが連
   結されるべきフラップの一つに結合できるカバーストリ
   ップに配置されていることを特徴とする、衣料品、皮革
   品等のための磁気閉封デバイス。
10. 【請求項１０】 前記磁気ブロックが、アライメント方
    向にある前記ブロックの寸法に少なくとも等しい相互距
    離を有していることを特徴とする、請求項９記載の磁気
    閉封デバイス。
11. 【請求項１１】 前記磁気ブロックが、相互アライメン
    ト方向に実質的に向いている磁束を有していることを特
    徴とする、請求項１〜１０の少なくとも１つに記載の磁
    気閉封デバイス。
12. 【請求項１２】 前記磁気ブロックが、実質的にプレー
    ト形状であることを特徴とする、請求項１〜１１の少な
    くとも１つに記載の磁気閉封デバイス。
13. 【請求項１３】 前記磁気ブロックが、アライメント方
    向から見た断面が実質的に台形形状であることを特徴と
    する、請求項１〜１２の少なくとも１つに記載の磁気閉
    封デバイス。
14. 【請求項１４】 磁気ブロック列の終端において、前記
    ブロックの最後の一つを埋設している軟質磁気材料で作
    られた終端部を有していることを特徴とする、請求項１
    〜１３の少なくとも１つに記載の磁気閉封デバイス。
15. 【請求項１５】 前記カバーストリップに結合でき、前
    記磁気ブロックに埋設する支持ストリップを有している
    ことを特徴とする、請求項１〜１４の少なくとも１つに
    記載の磁気閉封デバイス。
16. 【請求項１６】 前記カバーストリップが、関連するカ
    バー層の外面と相互結合するための要素をその外面上に
    有していることを特徴とする、請求項１〜１５の少なく
    とも１つに記載の磁気閉封デバイス。
17. 【請求項１７】 前記カバー層の前記外面がスタッド状
    突起部を有し、これが同様のスタッド状突起部と結合で
    きることを特徴とする、請求項１〜１６の少なくとも１
    つに記載の磁気閉封デバイス。
18. 【請求項１８】 前記カバー層の前記外面は、相互結合
    できる歯または溝を有することを特徴とする、請求項１
    〜１８の少なくとも１つに記載の磁気閉封デバイス。