JP2001136740A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP2001136740A
JP2001136740A JP31552399A JP31552399A JP2001136740A JP 2001136740 A JP2001136740 A JP 2001136740A JP 31552399 A JP31552399 A JP 31552399A JP 31552399 A JP31552399 A JP 31552399A JP 2001136740 A JP2001136740 A JP 2001136740A
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switching
voltage
winding
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Masayuki Yasumura
昌之 安村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流入力ラインに大容量低抵抗の電流制限抵
抗を設けることや、電流制限抵抗を短絡する回路を電磁
リレー或いはサイリスタ・トライアック等により形成し
て効率改善をはかるといったことを不要とし、電力変換
効率の向上及び回路の簡易化をはかる。 【解決手段】 スイッチング出力を整流電流経路に帰還
して整流電流を断続することで力率改善を行う力率改善
回路と併せて、力率改善回路にてスイッチングされた整
流出力に対してブースト巻線によって交番電圧を重畳す
るように動作するブースト手段を設ける。さらにトラン
ジスタを用いたソフトスイッチ手段により、電源投入時
の突入電流を制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路として、特に
力率を改善するための構成を備えたスイッチング電源回
路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】先に本出願人は、一次側に共振形コンバ
ータを備えた電源回路を各種提案している。また、電流
共振形コンバータに対して力率改善を図るための力率改
善回路を備えて構成した電源回路も各種提案している。
【0003】図10は、先に本出願人により出願された
発明に基づいて構成されるスイッチング電源回路の一例
を示す回路図である。この電源回路は自励式による電流
共振形のスイッチングコンバータに対して力率改善のた
めの力率改善回路が設けられた構成とされている。
【0004】この図に示す電源回路においては、商用交
流電源ACを全波整流するブリッジ整流回路Diが備え
られている。この場合、ブリッジ整流回路Diにより整
流された整流出力は、力率改善回路20を介して平滑コ
ンデンサCiに充電され、平滑コンデンサCiの両端に
は、交流入力電圧VACの1倍のレベルに対応する整流平
滑電圧Eiが得られることになる。また、この整流平滑
回路(Di,Ci)に対しては、その整流電流経路に対
して突入電流制限抵抗Riが挿入されており、例えば電
源投入時に平滑コンデンサに流入する突入電流を抑制す
るようにしている。スイッチPSは電源投入スイッチで
ある。
【0005】この図に示す力率改善回路20において
は、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子と平滑コンデ
ンサCiの正極端子間に対して、フィルタチョークコイ
ルLN−高速リカバリ型ダイオードD1 −チョークコイ
ルLS が直列接続されて挿入される。フィルタコンデン
サCN は高速リカバリ型ダイオードD1 のアノード側と
平滑コンデンサCiの正極端子間に対して挿入されるこ
とで、フィルタチョークコイルLN と共にノーマルモー
ドのローパスフィルタを形成している。
【0006】また、力率改善回路20に対しては、高速
リカバリ型ダイオードD1 のカソードとチョークコイル
LSの接続点に対して、後述する一次側の直列共振回路
の端部が接続されて、この直列共振回路に得られるスイ
ッチング出力が帰還されるようにしている。なお、力率
改善回路20による力率改善動作については後述する。
【0007】この電源回路には、平滑コンデンサCiの
両端電圧である整流平滑電圧Eiを動作電源とする自励
式の電流共振形コンバータが備えられる。この電流共振
形コンバータにおいては、図のように2つのバイポーラ
トランジスタによるスイッチング素子Q1 、Q2 をハー
フブリッジ結合したうえで、平滑コンデンサCiの正極
側の接続点とアース間に対して挿入するようにして接続
されている。これらスイッチング素子Q1 、Q2 の各コ
レクタ−ベース間には、それぞれ起動抵抗RS1、RS2が
挿入されている。また、スイッチング素子Q1 、Q2 の
各ベースに対して接続される抵抗RB1、RB2は、スイッ
チング素子Q1 、Q2 のベース電流(ドライブ電流)を
設定する。また、スイッチング素子Q1 、Q2 の各ベー
ス−エミッタ間にはそれぞれクランプダイオードDD1,
DD2が挿入される。クランプダイオードDD1,DD2は、
それぞれスイッチング素子Q1,Q2がオフとされる期間
に、ベース−エミッタを介して流れるクランプ電流の電
流経路を形成する。そして、共振用コンデンサCB1,C
B2は次に説明するドライブトランスPRTの駆動巻線N
B1、NB2と共に、自励発振用の直列共振回路(自励発振
駆動回路)を形成しており、スイッチング素子Q1 、Q
2 のスイッチング周波数を決定する。
【0008】ドライブトランスPRT (Power Regulati
ng Transformer)はスイッチング素子Q1 、Q2 を駆動
すると共に、スイッチング周波数を可変制御することに
より定電圧制御を行うために設けられるもので、この図
の場合には駆動巻線NB1、NB2及び共振電流検出巻線N
D が巻回され、更にこれらの各巻線に対して制御巻線N
C が直交する方向に巻回された直交型の可飽和リアクト
ルとされている。このドライブトランスPRTの駆動巻
線NB1の一端は、抵抗RB1−共振用コンデンサCB1の直
列接続を介してスイッチング素子Q1 のベースに接続さ
れ、他端はスイッチング素子Q1 のエミッタに接続され
る。また、駆動巻線NB2の一端はアースに接地されると
共に、他端は抵抗RB2−共振用コンデンサCB2の直列接
続を介してスイッチング素子Q2 のベースと接続されて
いる。駆動巻線NB1と駆動巻線NB2は互いに逆極性の電
圧が発生するように巻装されている。
【0009】絶縁コンバータトランスPIT (Power Is
olation Transformer)は、スイッチング素子Q1 、Q2
のスイッチング出力を二次側に伝送する。この絶縁コン
バータトランスPITの一次巻線N1 の一端は、共振電
流検出巻線ND を介してスイッチング素子Q1 のエミッ
タとスイッチング素子Q2 のコレクタの接点(スイッチ
ング出力点)に接続されることで、スイッチング出力が
得られるようにされる。
【0010】また、一次巻線N1 の他端は、直列共振コ
ンデンサC1 を介するようにして、力率改善回路20内
の高速リカバリ型ダイオードD1 のカソードとチョーク
コイルLS の接続点に対して接続されている。
【0011】この場合、上記直列共振コンデンサC1 及
び一次巻線N1 は直列に接続されているが、この直列共
振コンデンサC1 のキャパシタンス及び一次巻線N1
(直列共振巻線)を含む絶縁コンバータトランスPIT
の漏洩インダクタンス(リーケージインダクタンス)成
分により、スイッチングコンバータの動作を電流共振形
とするための一次側直列共振回路を形成している。
【0012】また、この図における絶縁コンバータトラ
ンスPITの二次側では、二次巻線N2に対してセンタ
ータップを設けた上で、整流ダイオードDO1,DO2,D
O3,DO4及び平滑コンデンサCO1,CO2を図のように接
続することで、[整流ダイオードDO1,DO2,平滑コン
デンサCO1]の組と、[整流ダイオードDO3,DO4,平
滑コンデンサCO2]の組とによる、2組の全波整流回路
が設けられる。[整流ダイオードDO1,DO2,平滑コン
デンサCO1]から成る全波整流回路は直流出力電圧EO1
を生成し、[整流ダイオードDO3,DO4,平滑コンデン
サCO2]から成る全波整流回路は直流出力電圧EO2を生
成する。なお、この場合には、直流出力電圧EO1及び直
流出力電圧EO2は制御回路1に対しても分岐して入力さ
れる。制御回路1においては、直流出力電圧EO1を検出
電圧として利用し、直流出力電圧EO2を制御回路1の動
作電源として利用する。
【0013】制御回路1は、例えば二次側の直流電圧出
力EO1のレベルに応じてそのレベルが可変される直流電
流を、制御電流としてドライブトランスPRTの制御巻
線NC に供給することにより後述するようにして定電圧
制御を行う。
【0014】上記構成による電源回路のスイッチング動
作としては、先ずスイッチPSにより商用交流電源が投
入されると、例えば起動抵抗RS1、RS2を介してスイッ
チング素子Q1 、Q2 のベースに起動電流が供給される
ことになるが、例えばスイッチング素子Q1 が先にオン
となったとすれば、スイッチング素子Q2 はオフとなる
ように制御される。そしてスイッチング素子Q1 の出力
として、共振電流検出巻線ND →一次巻線N1 →直列共
振コンデンサC1 に共振電流が流れるが、この共振電流
が0となる近傍でスイッチング素子Q2 がオン、スイッ
チング素子Q1がオフとなるように制御される。そし
て、スイッチング素子Q2 を介して先とは逆方向の共振
電流が流れる。以降、スイッチング素子Q1 、Q2 が交
互にオンとなる自励式のスイッチング動作が開始され
る。このように、平滑コンデンサCiの端子電圧を動作
電源としてスイッチング素子Q1 、Q2 が交互に開閉を
繰り返すことによって、絶縁コンバータトランスPIT
の一次巻線N1 に共振電流波形に近いドライブ電流を供
給し、二次巻線N2に交番出力を得る。
【0015】また、ドライブトランスPRTによる定電
圧制御は次のようにして行われる。例えば、交流入力電
圧レベルや負荷変動等に伴って二次側出力電圧EO1 が
上昇するように変動したとすると、前述のように制御巻
線NC に流れる制御電流のレベルも二次側出力電圧EO1
の上昇に応じて高くなるように制御される。この制御
電流によりドライブトランスPRTに発生する磁束の影
響で、ドライブトランスPRTにおいては飽和状態に近
付く傾向となって、駆動巻線NB1,NB2のインダクタン
スを低下させるように作用するが、これにより自励発振
回路の条件が変化してスイッチング周波数は高くなるよ
うに制御される。この電源回路では、直列共振コンデン
サC1 及び一次巻線N1 の直列共振回路の共振周波数よ
りも高い周波数領域でスイッチング周波数を設定してい
る(アッパーサイド制御)が、上記のようにしてスイッ
チング周波数が高くなると、直列共振回路の共振周波数
に対してスイッチング周波数が離れていくことになる。
これにより、スイッチング出力に対する直列共振回路の
共振インピーダンスは高くなる。
【0016】このようにして共振インピーダンスが高く
なることで、一次側直列共振回路の一次巻線N1 に供給
されるドライブ電流が抑制される結果、二次側出力電圧
が抑制されることになって、定電圧制御が図られること
になる。なお、以降は上記のような方法による定電圧制
御方式を「スイッチング周波数制御方式」ということに
する。
【0017】また、力率改善回路20による力率改善動
作は次のようになる。この図に示す力率改善回路20の
構成では、直列共振回路(N1,C1)に供給されたスイ
ッチング出力をチョークコイルLS 自体が有するとされ
る誘導性リアクタンスを介していわゆる磁気結合形で整
流電流経路に帰還するようにされる。
【0018】上記のようにして帰還されたスイッチング
出力により、整流電流経路にはスイッチング周期の交番
電圧が重畳されることになるが、このスイッチング周期
の交番電圧の重畳分によって、高速リカバリ型ダイオー
ドD1 では整流電流をスイッチング周期で断続する動作
が得られることになり、この断続作用により見掛け上の
フィルタチョークコイルLN,チョークコイルLS のイ
ンダクタンスも上昇することになる。これにより、整流
出力電圧レベルが平滑コンデンサCiの両端電圧よりも
低いとされる期間にも平滑コンデンサCiへの充電電流
が流れるようにされる。この結果、交流入力電流の平均
的な波形が交流入力電圧の波形に近付くようにされて交
流入力電流の導通角が拡大される結果、力率改善が図ら
れることになる。
【0019】図11は、先に本出願人により提案された
発明に基づいて構成することのできるスイッチング電源
回路の他の構成例を示す回路図である。この電源回路も
2本のスイッチング素子がハーフブリッジ結合された電
流共振形コンバータが備えられるが、その駆動方式につ
いては他励式とされている。また、この場合にも力率改
善を図るための力率改善回路が備えられた構成とされて
いる。なお、図10と同一部分については同一符号を付
して説明を省略する。
【0020】この図に示す一次側の電流共振形コンバー
タとしては、例えばMOS−FETとされる2石のスイ
ッチング素子Q11、Q12が備えられている。ここでは、
スイッチング素子Q11のドレインを整流平滑電圧Eiの
ラインと接続し、スイッチング素子Q11のソースとスイ
ッチング素子Q12のドレインを接続し、スイッチング
素子Q12のソースを一次側アースに接続することで、他
励式に対応したハーフブリッジ結合を得ている。これら
スイッチング素子Q11、Q12は、発振ドライブ回路2に
よって交互にオン/オフ動作が繰り返されるようにスイ
ッチング駆動されて、整流平滑電圧Eiを断続してスイ
ッチング出力とする。また、この場合には、各スイッチ
ング素子Q11、Q12のドレイン−ソース間に対して、図
に示す方向によって接続されるクランプダイオードDD
1、DD2が設けられる。
【0021】また、この場合には、スイッチング素子Q
11、Q12のソース−ドレインの接続点(スイッチング出
力点)に対して、絶縁コンバータトランスPITの一次
巻線N1 の一端を接続することで、一次巻線N1 に対し
てスイッチング出力を供給するようにされる。一次巻線
N1 の他端は、直列共振コンデンサC1を介して、次に
述べる力率改善回路21のフィルタチョークコイルLN
と高速リカバリ型ダイオードD1 のアノードとの接続点
に対して接続される。
【0022】この場合にも、直列共振コンデンサC1 の
キャパシタンス及び一次巻線N1 を含む絶縁コンバータ
トランスPITの漏洩インダクタンス成分により、スイ
ッチング電源回路を電流共振形とするための直列共振回
路を形成している。
【0023】この場合の制御回路1は、例えば直流出力
電圧EO1 の変動に対応したレベルの制御信号を発振ド
ライブ回路2に出力する。発振ドライブ回路2では制御
回路1から供給された制御信号に基づいて、発振ドライ
ブ回路2からスイッチング素子Q11,Q12の各ゲートに
供給するスイッチング駆動信号の周波数を変化させて、
スイッチング周波数を可変するようにしている。そし
て、この図に示す電源回路においても、図10に示した
電源回路と同様に、スイッチング周波数は直列共振周波
数よりも高い領域として設定されている。そして、例え
ば直流出力電圧EO1 が上昇すると、そのレベルに応じ
て、制御回路1はスイッチング周波数を高くするように
発振ドライブ回路2に対する制御を行う。これにより、
図10にて説明したのと同様にして定電圧制御が行われ
る。起動回路3は、電源投入直後に整流平滑ラインに得
られる電圧あるいは電流を検出して、発振ドライブ回路
2を起動させるために設けられるもので、絶縁コンバー
タトランスPITに追加的に巻装した巻線を整流して得
られる低レベルの直流電圧を動作電源として入力してい
る。
【0024】この図に示す力率改善回路21では、ブリ
ッジ整流回路Diの正極出力端子と平滑コンデンサCi
の正極端子間に対して、フィルタチョークコイルLN −
高速リカバリ型ダイオードD1 が直列接続されて挿入さ
れる。ここで、フィルタコンデンサCN はフィルタチョ
ークコイルLN −高速リカバリ型ダイオードD1 の直列
接続回路に対して並列に設けられる。そして、このよう
な接続形態によっても、フィルタコンデンサCN はフィ
ルタチョークコイルLN と共にノーマルモードのローパ
スフィルタを形成している。また、共振コンデンサC3
は、高速リカバリ型ダイオードD1 に対して並列に設け
られる。ここでは詳しい説明は省略するが、例えば共振
コンデンサC3 は例えばフィルタチョークコイルLN 等
と共に並列共振回路を形成するようにされ、その共振周
波数は後述する直列共振回路の共振周波数とほぼ同等と
なるように設定される。これにより、負荷が軽くなった
ときの整流平滑電圧Eiの上昇を抑制する作用を有する
ものである。この力率改善回路21に対しては、先にも
述べたようにして、フィルタチョークコイルLN と高速
リカバリ型ダイオードD1 のアノードとの接続点に対し
て直列共振回路(N1,C1)の端部が接続される。
【0025】このような接続形態では、一次巻線N1 に
得られるスイッチング出力は、直列共振コンデンサC1
の静電容量結合を介して、スイッチング出力を整流電流
経路に帰還されることになる。この場合には、フィルタ
チョークコイルLN と高速リカバリ型ダイオードD1の
アノードとの接続点に対して、一次巻線N1に得られた
共振電流が流れるように帰還されて、スイッチング出力
が印加されることになる。
【0026】上記のようにしてスイッチング出力が帰還
されることで、整流電流経路にはスイッチング周期の交
番電圧が重畳されることになるが、このスイッチング周
期の交番電圧の重畳分によって、高速リカバリ型ダイオ
ードD1 では整流電流をスイッチング周期で断続する動
作が得られることになり、この断続作用により見掛け上
のフィルタチョークコイルLN のインダクタンスも上昇
することになる。また、共振コンデンサC3にはスイッ
チング周期の電流が流れることでその両端に電圧が発生
するが、整流平滑電圧Eiのレベルは、この共振コンデ
ンサC3の両端電圧だけ引き下げられることになる。こ
れにより、整流出力電圧レベルが平滑コンデンサCiの
両端電圧よりも低いとされる期間にも平滑コンデンサC
iへの充電電流が流れるようにされる。この結果、交流
入力電流の平均的な波形が交流入力電圧の波形に近付く
ようにされて交流入力電流の導通角が拡大され、やはり
力率改善が図られることになる。
【0027】このように、上記図10及び図11に示し
た電源回路では力率改善回路(20,21)を備えるこ
とで、力率改善を図ることが出来るが、これらの図に示
した力率改善回路は、少ない部品点数によって形成され
ているため、高効率、低ノイズ、小型軽量、低コストに
より、力率改善を図ることができるというメリットを有
している。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】ここで、図12に、上
記図10及び図11に示した電源回路についての、スイ
ッチPSが交流入力電圧VACのピーク時にオンした場合
の、交流入力電流IACの時間変化を示している。交流入
力電圧VACのピーク時にスイッチPSがオンされると、
ブリッジ整流回路Di、フィルタチョークコイルLN 、
高速リカバリ型ダイオードD1、チョークコイルLS を
介して、100A以上の過大な突入充電電流が平滑コン
デンサCiに流れ、ブリッジ整流回路Di、高速リカバ
リ型ダイオードD1、平滑コンデンサCiの最大許容電
流をオーバーし、破壊に至ることがある。このため、図
10及び図11に示したように、交流ラインに大容量の
低抵抗とされる突入電流制限抵抗Riが挿入され、図1
2に示すように突入充電電流が50A以下になるように
制限している。
【0029】ところが、負荷電力が200W以上の重負
荷の場合は、電力損失が増加し、効率が低下する。AC
100V系では、突入電流制限抵抗Riを、1Ω/30
Wの大型のセメント抵抗などによって図12に示すよう
に時点t=0において交流入力電流IAC=50Aで、時
点t=60(msec)において交流入力電流IAC=5
Aの定格状態となるが、電力損失によって電力変換効率
が低下することになる。
【0030】また、その対策として、スイッチPSのオ
ン後の1秒経過時に電磁パワーリレー、或いはサイリス
タ、トライアック等の半導体スイッチによって、突入電
流制限抵抗Riを短絡し、電力損失を低減する方式もあ
る。ところがこの場合は、電磁パワーリレー或いは半導
体スイッチ、及びその周辺回路素子を設けるによって、
構成部品点数やコスト面の点で難点がある。
【0031】また、図13には、交流入力電圧VACと力
率PFとの関係が示されている。ここでは、最大負荷電
力Pomax=120W時と、最小負荷電力Pomin=40
W時の各条件での下での特性が示されている。この図に
示されるように、力率PFは、交流入力電圧VACが上昇
するのに応じて、力率PFは比例的に低下していくこと
が分かる。また、最小負荷電力Pomin=40W時の条
件での力率PFとしては、最大負荷電力Pomax=12
0Wよりも低い力率となっている。つまり、交流入力電
圧VACや負荷電力Poの変動によって、力率PFが低下
する。これは、交流入力電圧VACや負荷条件が指定され
ている家電機器、例えばカラーテレビジョン受像機など
では問題ないが、交流入力電圧VACや負荷条件の変動が
ありうる事務機器や情報機器では、これらの電源回路が
採用できないことを意味する。
【0032】上記図13に示した特性は、動作波形とし
ては図14のようにして示される。ここで、図14
(a)(b)には、交流入力電圧VAC=100Vで最大
負荷電力Pomax=120W時の交流入力電圧VAC、交
流入力電流IACが示され、図14(c)(d)には、交
流入力電圧VAC=100Vで最小負荷電力Pomin=4
0W時の交流入力電圧VAC、交流入力電流IACが示され
ている。交流入力電圧VACの半周期が10msであると
して、最大負荷電力Pomax=120W時には、交流入
力電流IACの導通期間τは実際には5ms程度とされ
て、力率としてはPF=0.85となる。これに対し
て、最小負荷電力Pomin=40W時には、交流入力電
流IACの導通期間τは2.5ms程度にまで短くなり、
力率としてはPF=0.65程度にまで低下する。この
最小負荷電力Pomin=40W時に得られる力率PFの
値では、実用上要求される力率としての値を満足しない
場合がある。
【0033】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のよう
に構成する。つまり、商用交流電源を入力して整流する
整流ダイオードと平滑コンデンサにより整流平滑電圧を
生成する整流平滑手段と、疎結合とされる所要の結合係
数が得られるようにギャップが形成され一次側出力を二
次側に伝送するために設けられる絶縁コンバータトラン
スと、上記整流平滑電圧をスイッチング素子により断続
して上記絶縁コンバータトランスの一次巻線に出力する
ようにされたスイッチング手段と、少なくとも上記絶縁
コンバータトランスの一次巻線を含む漏洩インダクタン
ス成分と並列共振コンデンサのキャパシタンスとによっ
て形成されて上記スイッチング手段の動作を電圧共振形
とする一次側並列共振回路と、上記一次巻線に得られる
スイッチング出力を整流電流経路に帰還しこの帰還され
たスイッチング出力に基づいて整流電流を断続すること
よって力率改善を図るようにされた力率改善手段と、上
記力率改善手段内に設けられるコンデンサと同じく上記
力率改善手段内に設けられるインダクタンス素子と上記
絶縁コンバータトランスの一次巻線側に巻回されるブー
スト巻線との直列接続による直列共振回路が上記整流平
滑手段を形成する平滑コンデンサと直列接続されること
で、上記商用交流電源のピークレベルよりも高いとされ
るレベルの上記整流平滑電圧を生成するようにされたブ
ースト手段と、上記力率改善手段の前段に配され、電源
投入時において上記平滑コンデンサへの突入電流を制限
することができるように、トランジスタを用いて形成さ
れたソフトスイッチ手段と、上記絶縁コンバータトラン
スの二次巻線の漏洩インダクタンス成分と二次側共振コ
ンデンサのキャパシタンスとによって二次側において形
成される二次側共振回路と、上記二次側共振回路を含ん
で形成され上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得
られる交番電圧を入力して整流動作を行って二次側直流
出力電圧を生成するように構成された直流出力電圧生成
手段と、上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて上記
スイッチング手段のスイッチング周波数を可変制御する
ことで二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うよ
うに構成された定電圧制御手段とを備えるようにする。
【0034】また、上記ソフトスイッチ手段は、上記整
流ダイオードの正極側に接続されたNPNトランジスタ
と、上記NPNトランジスタのコレクタ−ベース間に配
された抵抗と、上記NPNトランジスタのベースとアー
スの間に配されたコンデンサとを有して形成されるよう
にする。或いは上記ソフトスイッチ手段は、上記整流ダ
イオードの負極側に接続されたPNPトランジスタと、
上記PNPトランジスタのコレクタ−ベース間に配され
た抵抗と、上記PNPトランジスタのベースとアースの
間に配されたコンデンサとを有して形成されるようにす
る。
【0035】上記構成によれば、スイッチング出力を整
流電流経路に帰還して整流電流を断続することで力率改
善を行う力率改善回路と併せて、力率改善回路にてスイ
ッチングされた整流出力に対してブースト巻線によって
交番電圧を重畳するように動作するブースト手段が設け
られる。これにより、力率改善動作と共に商用交流電源
の等倍レベルよりも高圧の整流平滑電圧が得られること
になる。そしてさらに、トランジスタを用いたソフトス
イッチ手段により、電源投入時の突入電流を制限するこ
とができ、これによって交流入力ラインに大容量低抵抗
の電流制限抵抗を設けることや、電流制限抵抗を短絡す
る回路を電磁リレー或いはサイリスタ・トライアック等
を用いて形成して効率改善をはかるといったことは不要
となる。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態としてのスイッチング電源回路の構成を示す回路図で
ある。
【0037】この図に示す電源回路においては、商用交
流電源(交流入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を
得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di
及び平滑コンデンサCiからなる全波整流回路が備えら
れ、交流入力電圧VACの1倍のレベルに対応する整流平
滑電圧Eiを生成するようにされる。スイッチPSは電
源投入スイッチである。なお、この整流平滑回路に対し
ては、その交流入力ラインに対して図10、図11に示
したような突入電流制限抵抗(Ri)は挿入されない。
そして電源投入時に平滑コンデンサCiに流入する突入
電流を抑制するためには、ブリッジ整流回路Diの正極
側と力率改善回路10の間にソフトスイッチ回路13が
設けられている。詳しくは後述する。
【0038】この図に示す力率改善回路10において
は、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子に対して、ソ
フトスイッチ回路13を介して、高速リカバリ型ダイオ
ードD1 −チョークコイルLSが直列に接続される。チ
ョークコイルLSの端部は、後述するブースト巻線N3の
巻き始めに接続される。また、共振コンデンサC3は高
速リカバリ型ダイオードD1に対して並列に接続されて
いるが、チョークコイルLSとの接続関係としては直列
とされ、共振コンデンサC3−チョークコイルLS−ブー
スト巻線N3の直列接続回路により直列共振回路を形成
している。
【0039】また、この場合のフィルタコンデンサCN
は、高速リカバリ型ダイオードD1のアノード側と一次
側アース間に対して挿入されることで、ノーマルモード
のローパスフィルタを形成している。
【0040】この場合、絶縁コンバータトランスPIT
にはブースト巻線N3が備えられる。このブースト巻線
N3は、一次巻線N1側に、一次巻線とは独立して形成さ
れており、その巻始めに対しては、前述のようにして、
チョークコイルLSの端部が接続され、その巻終わりは
平滑コンデンサCiの正極端子に対して接続される。つ
まり上記した直列共振回路(C3−LS−N3)と平滑コ
ンデンサCiの正極端子は直列に接続されているものと
なる。
【0041】このような構成によると、平滑コンデンサ
Ciに対しては、力率改善回路10からブースト巻線N
3を介して得られる整流電流が充電されることで、整流
平滑電圧Eiを得るようにされる。そして、本実施の形
態では、力率改善回路10内の共振コンデンサC3、高
速リカバリ型ダイオードD1、チョークコイルLsと、
ブースト巻線N3,平滑コンデンサCiとによってブー
スト回路12を形成するものとされる。なお、力率改善
回路10及びブースト回路12の動作については後述す
る。
【0042】この図に示す電源回路の一次側には電圧共
振形のスイッチングコンバータが設けられる。ここでの
電圧共振形のスイッチングコンバータは、1石のスイッ
チング素子Q1 を備えた自励式の構成を採っている。こ
の場合、スイッチング素子Q1には、高耐圧のバイポー
ラトランジスタ(BJT;接合型トランジスタ)が採用
されている。
【0043】スイッチング素子Q1 のベースは、起動抵
抗RS、チョークコイルLS、ブースト巻線N3を介して
平滑コンデンサCi(整流平滑電圧Ei)の正極側に接
続されて、起動時のベース電流が整流平滑ラインから得
られるようにしている。また、スイッチング素子Q1 の
ベースと一次側アース間には駆動巻線NB,共振コンデ
ンサCB ,ベース電流制限抵抗RB の直列接続回路より
なる自励発振駆動用の共振回路(自励発振駆動回路)が
接続される。また、スイッチング素子Q1 のベースと平
滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間に挿入され
るクランプダイオードDD により、スイッチング素子Q
1 のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成するよう
にされている。スイッチング素子Q1 のコレクタは、検
出巻線ND−一次巻線N1−チョークコイルLS−ブース
ト巻線N3の直列接続を介して平滑コンデンサCiの正
極端子と接続される。エミッタは一次側アースに接地さ
れる。
【0044】また、上記スイッチング素子Q1 のコレク
タ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが
並列に接続されている。この並列共振コンデンサCr
は、自身のキャパシタンスと、後述する絶縁コンバータ
トランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダク
タンスL1とにより電圧共振形コンバータの一次側並列
共振回路を形成する。そして、ここでは詳しい説明を省
略するが、スイッチング素子Q1 のオフ時には、この並
列共振回路の作用によって共振コンデンサCrの両端電
圧は、実際には正弦波状のパルス波形となって電圧共振
形の動作が得られるようになっている。
【0045】この図に示す直交型制御トランスPRT
は、検出巻線ND,駆動巻線NB,及び制御巻線NCが巻
装された可飽和リアクトルである。この直交型トランス
PRTは、スイッチング素子Q1を駆動すると共に、定
電圧制御のために設けられる。この直交型制御トランス
PRTの構造としては、図示は省略するが、4本の磁脚
を有する2つのダブルコの字型コアの互いの磁脚の端部
を接合するようにして立体型コアを形成する。そして、
この立体型コアの所定の2本の磁脚に対して、同じ巻回
方向に検出巻線ND,駆動巻線NBを巻装し、更に制御巻
線NCを、上記検出巻線ND,駆動巻線NBに対して直交
する方向に巻装して構成される。
【0046】この場合、直交型制御トランスPRT(周
波数可変手段)の検出巻線NDには、スイッチング素子
Q1のスイッチング出力が伝達されるが、直交型制御ト
ランスPRTにおいては、検出巻線NDに得られたスイ
ッチング出力がトランス結合を介して駆動巻線NBに励
起されることで、駆動巻線NBにはドライブ電圧として
の交番電圧が発生する。このドライブ電圧は、自励発振
駆動回路を形成する直列共振回路(NB,CB)からベー
ス電流制限抵抗RBを介して、ドライブ電流としてスイ
ッチング素子Q1のベースに出力される。これにより、
スイッチング素子Q1は、直列共振回路(NB,CB)の
共振周波数により決定されるスイッチング周波数でスイ
ッチング動作を行うことになる。
【0047】本実施の形態の絶縁コンバータトランスP
ITは、図2に示すように、例えばフェライト材による
E型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように
組み合わせたEE型コアが備えられ、このEE型コアの
中央磁脚に対して、分割ボビンBを利用して一次巻線N
1,ブースト巻線N3 と、二次巻線N2をそれぞれ分割し
た状態で巻装している。そして、中央磁脚に対しては図
のようにギャップGを形成するようにしている。これに
よって、所要の結合係数による疎結合が得られるように
している。ギャップGは、E型コアCR1,CR2の中
央磁脚を、2本の外磁脚よりも短く形成することで形成
することが出来る。また、結合係数kとしては、例えば
k≒0.85という疎結合の状態を得るようにしてお
り、その分、飽和状態が得られにくいようにしている。
【0048】上記絶縁コンバ−タトランスPITの一次
巻線N1の一端は、検出巻線NDの直列接続を介してスイ
ッチング素子Q1 のコレクタと接続され、他端側はチョ
ークコイルLS、ブースト巻線N3を介して平滑コンデン
サCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続されている。
【0049】絶縁コンバ−タトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1 により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二
次側並列共振コンデンサC2 が並列に接続されること
で、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次
側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって
並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、
二次巻線N2に励起される交番電圧は共振電圧となる。
つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
【0050】即ち、この電源回路では、一次側にはスイ
ッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が
備えられ、二次側には、全波整流動作(電圧共振動作)
を得るための並列共振回路が備えられる。なお、本明細
書では、このように一次側及び二次側に対して共振回路
が備えられて動作する構成のスイッチングコンバータに
ついては、「複合共振形スイッチングコンバータ」とも
いうことにする。
【0051】上記のようにして形成される二次側の並列
共振回路に対しては、二次巻線N2に対してセンタータ
ップを設けた上で、整流ダイオードDO1,DO2,DO3,
DO4及び平滑コンデンサCO1,CO2を図のように接
続することで、[整流ダイオードDO1,DO2,平滑コン
デンサCO1]の組と、[整流ダイオードDO3,DO4,平
滑コンデンサCO2]の組とによる、2組の全波整流回路
が設けられる。[整流ダイオードDO1,DO2,平滑コン
デンサCO1]から成る全波整流回路は二次側並列共振回
路から供給される共振電圧を入力して直流出力電圧EO1
を生成し、[整流ダイオードDO3,DO4,平滑コンデン
サCO2]から成る全波整流回路も同様に、二次側並列共
振回路から供給される共振電圧を入力して直流出力電圧
EO2を生成する。なお、この場合には、直流出力電圧E
O1及び直流出力電圧EO2は制御回路1に対しても分岐し
て入力される。制御回路1においては、直流出力電圧E
O1を検出電圧として利用し、直流出力電圧EO2を制御回
路1の動作電源として利用する。
【0052】ところで、絶縁コンバータトランスPIT
においては、一次巻線N1 、二次巻線N2 の極性(巻方
向)と整流ダイオードDO (DO1,DO2/DO3,DO4)
の接続との関係によって、一次巻線N1 のインダクタン
スL1と二次巻線N2 のインダクタンスL2 との相互イ
ンダクタンスMについて、+Mとなる場合と−Mとなる
場合とがある。例えば、図3(a)に示す接続形態を採
る場合に相互インダクタンスは+Mとなり、図3(b)
に示す接続形態を採る場合に相互インダクタンスは−M
となる。これを、二次側の動作に対応させてみると、例
えば二次巻線N2に得られる交番電圧が正極性のときに
整流ダイオードDO1(DO3)に整流電流が流れる動作は
+Mの動作モード(フォワード方式)とみることがで
き、逆に、二次巻線N2に得られる交番電圧が負極性の
ときに整流ダイオードDO2(DO4)に流れる整流電流は
−Mの動作モード(フライバック方式)であるとみるこ
とができる。即ち、この電源回路では、二次巻線に得ら
れる交番電圧が正/負となるごとに、相互インダクタン
スが+M/−Mのモードで動作することになる。
【0053】このような構成では、二次側並列共振回路
の作用によって増加された負荷側に電力が供給される。
これと共に、この図に示す回路のようにして、二次側並
列共振回路に対して全波整流回路を接続した場合、前述
のように、相互インダクタンスが+M/−Mの両方の動
作モードで交互に整流電流が流れるようにされる。つま
り、交番電圧が正極と負極との両期間において整流出力
が得られるようにされる。このような動作によって、そ
れだけ負荷側に供給される電力も増加して、最大負荷電
力の増加率も向上する。
【0054】上記図3に示す全波整流動作を得るための
構成は、先に図2にて説明したように、絶縁コンバータ
トランスPITに対してギャップGを形成して所要の結
合係数による疎結合としたことによって、更に飽和状態
となりにくい状態を得たことで実現されるものである。
例えば、絶縁コンバータトランスPITに対してギャッ
プGが設けられない場合には、フライバック動作時にお
いて絶縁コンバータトランスPITが飽和状態となって
動作が異常となる可能性が高く、上述した全波整流動作
が適正に行われるのを望むのは難しい。
【0055】制御回路1では、二次側直流出力電圧レベ
ル(EO1)の変化に応じて、制御巻線NCに流す制御電
流(直流電流)レベルを可変することで、直交型制御ト
ランスPRTに巻装された駆動巻線NBのインダクタン
スLBを可変制御する。これにより、駆動巻線NBのイン
ダクタンスLBを含んで形成されるスイッチング素子Q1
のための自励発振駆動回路内の直列共振回路の共振条件
が変化する。これは、スイッチング素子Q1のスイッチ
ング周波数を可変する動作となるが、この動作によって
二次側直流出力電圧を安定化する作用を有する。
【0056】そしてこの図に示す回路においては、スイ
ッチング周波数を可変するのにあたり、スイッチング素
子Q1がオフとなる期間は一定としたうえで、オンとな
る期間を可変制御するようにしている。つまり、この電
源回路では、定電圧制御動作として、スイッチング周波
数を可変制御するように動作することで、スイッチング
出力に対する共振インピーダンス制御を行い、これと同
時に、スイッチング周期におけるスイッチング素子の導
通角制御(PWM制御)も行っているものと見ることが
出来る。そして、この複合的な制御動作を1組の制御回
路系によって実現している。ここで、スイッチング周波
数制御としては、例えば軽負荷の傾向になるなどして二
次側出力電圧が上昇したときに、スイッチング周波数を
高くすることで、二次側出力を抑制するように制御が行
われるものとされる。
【0057】続いて、先にその回路構成について述べ
た、力率改善回路10及びブースト回路12の動作につ
いて説明する。力率改善回路10の基本的動作として
は、一次巻線N1の一端が高速リカバリ型ダイオードD1
のカソードに接続されることで、一次巻線N1に得られ
たスイッチング出力を整流電流経路に対して帰還するよ
うにされる。そして、この帰還されたスイッチング出力
によって、高速リカバリ型ダイオードD1がスイッチン
グ動作を行って整流電流を断続するように動作する。
【0058】また、ブースト回路12の動作としては、
次のようになる。ブースト巻線N3は、力率改善回路1
0と平滑コンデンサCi間に対して直列に挿入されてい
る。そしてブースト巻線N3には一次巻線N1に得られる
スイッチング出力が伝達されるとともに、力率改善回路
10の動作により得られる交番出力が印加され、平滑コ
ンデンサCiに対して充電が行われる。これによって、
平滑コンデンサCiの両端に発生する整流平滑電圧Ei
としては、交流入力電圧の等倍に対応するレベルよりも
高いレベルが得られることになる。即ち、ブースト巻線
N3の挿入によって、整流平滑電圧Eiのレベルがブー
ストされるものである。
【0059】ここで、ブースト回路12によりブースト
アップされる整流平滑電圧Eiについては、 Ei≒V1(1+L3/Ls)・・・(式1) で表される。上記式1において、L3はブースト巻線N3
のインダクタンス、LSはチョークコイルLSのインダク
タンスを示す。
【0060】上記式1により、整流平滑電圧Eiとして
は、インダクタンスL3、LSに応じて、交流入力電圧V
ACに対応する等倍レベルよりも高いレベルが得られるこ
とが分かる。実際としては、交流入力電圧VACのピーク
値(例えば141Vp)よりも高いレベルが得られる。
【0061】フィルタコンデンサCNと平滑コンデンサ
Ciには、共振コンデンサC3のキャパシタンスと、チ
ョークコイルLs及びブースト巻線N3のインダクタン
スによる直列共振電流が流れるが、重負荷時の交流入力
電圧VACのピーク時の直列共振周波数が、スイッチング
素子Q1のスイッチング周波数fsの約4倍となるよう
に、チョークコイルLsのインダクタンス及び共振コン
デンサC3のキャパシタンスを選定すると、高速リカバ
リ型ダイオードD1のスイッチング動作は、カソード電
位V2が交流入力電圧VACの入力電圧V1よりも低い全
領域で継続し、交流入力電流IACの導通角が拡大するこ
とによって、力率(PF)が向上するものとなる。
【0062】ソフトスイッチ回路13は、NPN型のト
ランジスタQ3、抵抗R1、小容量の電解コンデンサC
10、ダイオードD3により構成される。そしてブリッジ
整流回路Diの正極側にトランジスタQ3のコレクタが
接続され、力率改善回路10にトランジスタQ3のエミ
ッタが接続される。また抵抗R1はトランジスタQ3の
コレクタ−ベース間に配され、コンデンサC10はトラン
ジスタQ3のベース−1次側アース間に配される。トラ
ンジスタQ3のエミッタ−ベース間には、ベース・エミ
ッタ電圧VBEの逆電圧防止用としてダイオードD3が接
続される。
【0063】定常状態においては、トランジスタQ3は
オン状態であり、交流入力電圧VACの正と負の期間は、
コレクタ電流Icは連続して流れ続け、コレクタ・エミ
ッタ電圧VCEは飽和電圧状態となっている。抵抗R1の
抵抗値は、(コレクタ電流Ic)<hFE×(ベース電流
IB)となるように選定される。
【0064】図4に、このような電源回路の動作波形を
示す。例えばここでは商用電源の周波数は50Hzとさ
れ、交流入力電圧VACは図4(a)に示すように、半周
期が10msとなる正弦波状の波形が得られている。そ
して、ブリッジ整流回路Diに流れる整流電流として、
交流入力電流IACが図4(b)に示すようにして流れる
と、高速リカバリ型ダイオードD1ではこれを断続する
ようにスイッチングすることで、図4(e)に示す波形
によるスイッチング電流ID1が流れることになる。
【0065】また、ブースト巻線N3に得られる交番電
圧と、チョークコイルLSのインダクタンスの作用によ
って、共振コンデンサC3には、図4(f)に示す波形
によるスイッチング周期の共振電流IC3が流れる。なお
図示していないが、チョークコイルLS自体には、スイ
ッチング電流ID1と共振電流IC3が合成されたスイッチ
ング周期の交番電流ILSが流れるようにされる。そして
トランジスタQ3がオンとなる定常状態では、トランジ
スタQ3のコレクタ・エミッタ電圧VCE、コレクタ電流
Icは図4(c)(d)のようになる。
【0066】図5は、スイッチPSが、交流入力電圧V
ACのピーク時にオンされた場合の、交流入力電流IACの
変化の様子を示している。抵抗R1の抵抗値は、トラン
ジスタQ3のASO領域が、コレクタ電流Ic<16A
であれば、コレクタ電流Ic=15Aとなるように定め
る。そしてコンデンサC10は、抵抗R1とコンデンサC
10の時定数により、スイッチPSオン後の、交流入力電
流IACの立ち上がりを遅くする作用を有する。従ってこ
のソフトスタート回路13によるソフトスタート機能が
働き、図5のように、スイッチPSが交流入力電圧VAC
のピーク時にオンとされても、交流入力電流IACが、過
大な突入充電電流として平滑コンデンサCiに流れるこ
とはなく、従って本例のように交流入力ラインに電流制
限抵抗が設けられなくとも、交流入力電流IACが、ブリ
ッジ整流回路Di、高速リカバリ型ダイオードD1、平
滑コンデンサCiの最大許容電流をオーバーすることは
ない。
【0067】つまり、図10及び図11に示したよう
な、交流ラインに挿入されていた大容量低抵抗の突入電
流制限抵抗Riが不要となることから、突入電流制限抵
抗Riによる電力損失はなくなり、電力変換効率が向上
するものとなる。またそれによって当然ながら、スイッ
チPSのオン後の1秒経過時に電磁パワーリレー、或い
はサイリスタ、トライアック等の半導体スイッチによっ
て、突入電流制限抵抗Riを短絡し、電力損失を低減す
る回路部も不要となる。
【0068】ここで図6(a)(b)に、上記図1に示
した電源回路についての実験結果を示す。なお、これら
の図に示す実験結果を得るのにあたっては、フィルタチ
ョークコイルLN=100μH、フィルタコンデンサCN
=1μF、共振コンデンサC3=0.082μF、チョ
ークコイルLS=4.7μH、一次巻線N1=30T、ブ
ースト巻線N3=5T、平滑コンデンサCi=1000
μF、並列共振コンデンサCr=2700pFを選定
し、スイッチング周波数fsとしては、fs=100K
Hz〜200Hzの制御範囲が得られるようにされてい
る。また、動作条件としては、負荷電力Po=140W
〜0W、交流入力電圧VAC=80V〜140V時とされ
る。
【0069】まず図6(a)には、交流入力電圧VAC=
100Vで一定とした条件の下での、負荷と力率との関
係を示している。この図に示されるように、本実施の形
態では、負荷電力Poとして0W〜140W程度の範囲
において、負荷電力Poの低下に伴って力率(PF)は
上昇する。特にPo=60W以下の範囲では、力率PF
=0.8程度という高い値が得られている。
【0070】また、図6(b)には、負荷電力Po=1
40Wで一定とした条件の下での、交流入力電圧VACと
力率との関係が示されている。この図から分かるよう
に、力率PFとしては、交流入力電圧VAC=80V〜1
40Vの範囲において、力率(PF)はほぼ一定に維持
される。
【0071】このように、本実施の形態の電源回路で
は、交流入力電圧の変動に対しては力率はほぼ一定にな
り、また負荷電力の低下に伴って力率は上昇するという
特性が得られる。このために、交流入力電圧や負荷条件
が指定されるテレビジョン受像機などに限定されず、例
えば負荷条件が変動する事務機器やパーソナルコンピュ
ータなどに対して本実施の形態の電源回路を搭載するこ
とが実用上充分に可能となるものである。
【0072】また、二次側直流出力電圧EO1=135V
の50Hz成分のリップル電圧は、力率改善回路10を
搭載しない場合とほぼ同等であり、リップル成分が問題
となることもない。また力率改善回路10、ブースト回
路20の動作としては、正弦波状の滑らかな波形が得ら
れているために、低ノイズであり、また、ブースト電圧
による直流入力電圧の昇圧により力率改善前より高効率
となる。また、チョークコイルLSの実際としては、例
えばそのインダクタンス値も小さいために小型軽量な素
子を選択することができるので、回路の小型軽量化及び
低コスト化も図ることができる。
【0073】なお、力率の変化特性は、共振コンデンサ
C3、チョークコイルLS、ブースト巻線N3の各値の選
定によって任意に選定できるものとなる。
【0074】図7は、本発明の第2の実施の形態として
の電源回路の構成を示す回路図である。なお、この図に
おいて図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略
する。また、この図に示される絶縁コンバータトランス
PITとしては、先に図2に示したものと同様の構造を
有しているものとされる。
【0075】この図において、一次側に備えられる電圧
共振形コンバータは他励式の構成を採っており、例えば
1石のMOS−FETによるスイッチング素子Q21が備
えられる。スイッチング素子Q21のドレインは、一次巻
線N1−ブースト巻線N3の直列接続を介して平滑コンデ
ンサCiの正極と接続され、ソースは一次側アースに接
続される。また、ここでは、並列共振コンデンサCrは
ドレイン−ソース間に対して並列に接続される。更に、
ドレイン−ソース間に対しては、クランプダイオードD
Dが並列に接続されている。
【0076】スイッチング素子Q21は、発振・ドライブ
回路2によって、先に図1にて説明したスイッチング動
作が得られるようにスイッチング駆動される。つまり、
制御回路1では二次側直流出力電圧E01の変動に応じて
変動したレベルの電流又は電圧を発振・ドライブ回路2
に対して供給する。発振・ドライブ回路2では、二次側
直流出力電圧E01の安定化が図られるように、制御回路
1からの出力レベルに応じて、その周期が可変されたス
イッチング駆動信号(電圧)をスイッチング素子Q21の
ゲートに対して出力する。これによってスイッチング素
子Q21のスイッチング周波数が可変されるのであるが、
この際においては、図1にても述べたように、スイッチ
ング素子Q21がオフとなる期間は一定として、オンとな
る期間が可変されるべくして生成したスイッチング駆動
信号を出力するようにされる。
【0077】この場合、起動回路3に対しては、平滑コ
ンデンサCiに得られる整流平滑電圧Eiが動作電源と
して供給されており、また、絶縁コンバータトランスP
ITに追加的に巻装された巻線N4に得られ、ダイオー
ドD20、コンデンサC20によって整流平滑された起動時
の電圧によって、起動回路3は、発振・ドライブ回路2
を起動させるための動作を実行するようにされている。
【0078】また、この図に示す力率改善回路11は次
のような接続形態を採っている。力率改善回路11にお
いては、ブリッジ整流回路Diの正極出力端子に対し
て、フィルタチョークコイルLN −高速リカバリ型ダイ
オードD1 が直列に接続されている。高速リカバリ型ダ
イオードD1については、そのアノードがフィルタチョ
ークコイルLNに対して接続され、カソードがブースト
巻線N3と一次巻線N1の接続点(ブースト巻線N3の巻
き始め側)に対して接続されている。共振コンデンサC
3は高速リカバリ型ダイオードD1に対して並列に接続さ
れる。また、ブースト巻線N3の巻終わり側はチョーク
コイルLSが接続され、さらにそのチョークコイルLSと
直列に平滑コンデンサCiが接続されている。
【0079】この場合にもチョークコイルLS、ブース
ト巻線N3、共振コンデンサC3は直列接続の関係にあ
り、従って直列共振回路を形成する。また、この図に示
す回路においても、ブースト回路12は共振コンデンサ
C3、チョークコイルLS、高速リカバリ型ダイオードD
1、ブースト巻線N3、平滑コンデンサCiによって形成
される。
【0080】このような構成によっても、平滑コンデン
サCiの両端に得られる整流平滑電圧Eiとしては、先
に記述した(式1)より表されるものとなる。従って交
流入力電圧VACのピークレベルよりも高いレベルの整流
平滑電圧Eiが得られることになる。そして、このよう
にして構成される電源回路の動作としても、上述した図
1の電源回路と同様の動作が得られ、特性としても図6
(a)(b)に示したものと同様の結果が得られる。ま
たこの例においても、力率の変化特性は、共振コンデン
サC3、チョークコイルLS、ブースト巻線N3の各値の
選定によって任意に選定できる。
【0081】そしてこの例の場合は、ソフトスイッチ回
路13Aは、PNP型のトランジスタQ4、抵抗R1、
小容量の電解コンデンサC10、ダイオードD3により構
成される。そしてブリッジ整流回路Diの負極側にトラ
ンジスタQ4のコレクタが接続される。抵抗R1はトラ
ンジスタQ4のコレクタ−ベース間に配され、コンデン
サC10はトランジスタQ4のベース−1次側アース間に
配される。またトランジスタQ4のエミッタ−ベース間
には、ベース・エミッタ電圧VBEの逆電圧防止用として
ダイオードD3が接続される。
【0082】すなわちこのソフトスイッチ回路13A
は、PNP型のトランジスタを用いた構成とされ、ブリ
ッジ整流回路Diの負極側に挿入されるものとなる。動
作としては図1のソフトスイッチ回路13と同様とな
り、このソフトスイッチ回路13Aによって、スイッチ
PSオン後の、交流入力電流IACの立ち上がりが遅くさ
れ、従ってスイッチPSが交流入力電圧VACのピーク時
にオンとされても、交流入力電流IACが、過大な突入充
電電流として平滑コンデンサCiに流れることはない。
このため交流入力ラインに電流制限抵抗を設けることは
不要となる。
【0083】ところで、この図7に示す電源回路の二次
側においては、二次巻線N2の一端は二次側アースに接
続され、他端は直列共振コンデンサCsの直列接続を介
して整流ダイオードDO1のアノードと整流ダイオードD
O2のカソードの接続点に対して接続される。整流ダイオ
ードDO1のカソードは平滑コンデンサCO1の正極と接続
され、整流ダイオードDO2のアノードは二次側アースに
対して接続される。平滑コンデンサCO1の負極側は二次
側アースに対して接続される。
【0084】このような接続形態では結果的に、[直列
共振コンデンサCs,整流ダイオードDO1,DO2、平滑
コンデンサCO1]の組から成る倍電圧半波整流回路が設
けられることになる。ここで、直列共振コンデンサCs
は、自身のキャパシタンスと二次巻線N2の漏洩インダ
クタンス成分とによって、整流ダイオードDO1,DO2の
オン/オフ動作に対応する直列共振回路を形成する。即
ち、本実施の形態の電源回路は、一次側にはスイッチン
グ動作を電圧共振形とするための並列共振回路が備えら
れ、二次側には、倍電圧半波整流動作を得るための直列
共振回路が備えられた複合共振形スイッチングコンバー
タの構成を採る。
【0085】ここで、上記[直列共振コンデンサCs,
整流ダイオードDO1,DO2、平滑コンデンサCO1]の組
による倍電圧半波整流動作としては次のようになる。一
次側のスイッチング動作により一次巻線N1にスイッチ
ング出力が得られると、このスイッチング出力は二次巻
線N2に励起される。倍電圧整流回路は、この二次巻線
N2に得られた交番電圧を入力して整流動作を行う。こ
の場合まず、整流ダイオードDO1がオフとなり、整流ダ
イオードDO2がオンとなる期間においては、一次巻線N
1と二次巻線N2との極性(相互インダクタンスM)が−
Mとなる減極性モードで動作して、二次巻線N2の漏洩
インダクタンスと直列共振コンデンサCsによる直列共
振作用によって、整流ダイオードDO2により整流した整
流電流を直列共振コンデンサCsに対して充電する動作
が得られる。
【0086】そして、整流ダイオードDO2がオフとな
り、整流ダイオードDO1がオンとなって整流動作を行う
期間においては、一次巻線N1と二次巻線N2との極性
(相互インダクタンスM)が+Mとなる加極性モードと
なり、二次巻線N2に誘起された電圧に直列共振コンデ
ンサCsの電位が加わるという直列共振が生じる状態で
平滑コンデンサCO1に対して充電が行われる動作とな
る。上記のように絶縁コンバータトランスPITが加極
性モード(+M;フォワード動作)と減極性モード(−
M;フライバック動作)を交互に繰り返すことで、平滑
コンデンサCO1においては、二次巻線N2の誘起電圧の
ほぼ2倍に対応する直流出力電圧EO1(整流平滑電圧)
が得られる。このように倍電圧半波整流を行うことで二
次側直流出力電圧Eo1を得るようにしている。
【0087】なお本例では、二次巻線N2とは独立して
二次巻線N2Aを巻装し、この二次巻線N2Aに対してはセ
ンタータップをアースに接地したうえで、整流ダイオー
ドDO3,DO4及び平滑コンデンサCO2からなる全波整流
回路が接続されることで、直流出力電圧EO2を生成する
ようにしている。
【0088】図8は本発明の第3の実施の形態としての
電源回路の構成を示す回路図である。この例は図1の電
源回路の変形例であり、絶縁コンバータトランスPIT
において、ブースト巻線N3が、1次巻線N1からの巻
き上げにより形成されている点が異なるものである。こ
の場合も、図1、図7と同様の動作及びそれによる効果
が得られるものとなる。
【0089】図9は本発明の第4の実施の形態としての
電源回路の構成を示す回路図である。この例は図7の電
源回路の変形例であり、この場合は、チョークコイルL
Sが高速リカバリ型ダイオードD1のアノード側に接続
されている点が異なるものである。この場合も、図1、
図7と同様の動作及びそれによる効果が得られるものと
なる。
【0090】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、変形例はさらに多様に考えられる。本出願人は、複
合共振形スイッチングコンバータとして、二次側直列共
振回路を利用した4倍電圧整流回路を備えた構成も既に
提案しているが、このような構成も本実施の形態の変形
例として成立し得る。つまり、本実施の形態としては二
次側の共振回路及び整流回路の構成として特に限定され
るものではない。また、このような二次側の倍電圧整流
回路、4倍電圧整流回路は、先に図1に示したような、
一次側に自励式の電圧共振形コンバータを備えた回路に
対しても採用することができる。
【0091】また、上記各実施の形態にあっては、一次
側の電圧共振形コンバータとして、1石のスイッチング
素子を備えたいわゆるシングルエンド方式の構成が採ら
れているが、2石のスイッチング素子を交互にスイッチ
ングさせるいわゆるプッシュプル方式にも本発明が適用
できるものである。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、力率改善
回路を備えた複合共振形コンバータとしての電源回路に
おいて、交流入力電圧の変動に対しては力率はほぼ一定
になり、また負荷電力の低下に伴って力率は上昇すると
いう特性が得られ、このために負荷条件が変動する事務
機器やパーソナルコンピュータなどに対して、実用上十
分に採用できる電源回路を提供できるという効果があ
る。そしてさらにソフトスタート手段によって、交流入
力ラインにおいて突入電流制限抵抗を挿入する必要がな
くなることで、大型の高温発熱部品が不要となり、突入
電流制限抵抗による電力損失の解消によって電力変換効
率が向上する。なお、低耐圧、低飽和電圧のNPN型又
はPNP型のトランジスタによるソフトスタート手段は
低損失であり、放熱板は不要である。従って突入電流制
限抵抗を短絡するために電磁パワーリレーを設ける場合
の駆動電力0.5Wとほぼ同等のコレクタ損失となり、
本発明のソフトスタート手段による電力損失は実用上問
題とならない程度である。また、突入電流制限抵抗に伴
った電磁パワーリレーを設ける必要がないことから、電
磁パワーリレーがオープンで故障した場合などの2次不
良対策も不要となる。また突入電流制限抵抗、及びそれ
に伴った電磁パワーリレーや半導体スイッチによる抵抗
短絡回路系を設けることと比較して、回路構成は非常に
簡易となり、構成部品点数やコストの面で大幅に有利な
ものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのスイッチン
グ電源回路の構成を示す回路図である。
【図2】本実施の形態の電源回路に採用される絶縁コン
バータトランスの構造を示す側断面図である。
【図3】相互インダクタンスが+M/−Mの場合の各動
作を示す説明図である。
【図4】本実施の形態のスイッチング電源回路の動作を
示す波形図である。
【図5】本実施の形態のスイッチング電源回路について
電源投入時の入力交流電流の説明図である。
【図6】本実施の形態のスイッチング電源回路の負荷電
力と力率の関係、及び交流入力電圧と力率との関係を示
す特性図である。
【図7】第2の実施の形態の電源回路の構成を示す回路
図である。
【図8】第3の実施の形態の電源回路の構成を示す回路
図である。
【図9】第4の実施の形態の電源回路の構成を示す回路
図である。
【図10】先行技術としての電源回路の構成を示す回路
図である。
【図11】先行技術としての電源回路の構成を示す回路
図である。
【図12】先行技術の電源回路の電源投入時の入力交流
電流の説明図である。
【図13】先行技術の電源回路の交流入力電圧と力率と
の関係を示す特性図である。
【図14】先行技術の電源回路の負荷電力に応じた商用
交流電源の入力に対する動作を示す波形図である。
【符号の説明】
1 制御回路、10,11 力率改善回路、12 ブー
スト回路、13,13A ソフトスタート回路、Di
ブリッジ整流回路、Ci 平滑コンデンサ、LS チョ
ークコイル、D1 高速リカバリ型ダイオード、C3 共
振コンデンサ、C2 二次側並列共振コンデンサ、Cs1
二次側直列共振コンデンサ、PRT直交型制御トラン
ス、PIT 絶縁コンバータトランス、Q1,Q21 ス
イッチング素子、N3 ブースト巻線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用交流電源を入力して整流する整流ダ
    イオードと平滑コンデンサにより整流平滑電圧を生成す
    る整流平滑手段と、 疎結合とされる所要の結合係数が得られるようにギャッ
    プが形成され、一次側出力を二次側に伝送するために設
    けられる絶縁コンバータトランスと、 上記整流平滑電圧をスイッチング素子により断続して上
    記絶縁コンバータトランスの一次巻線に出力するように
    されたスイッチング手段と、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を
    含む漏洩インダクタンス成分と並列共振コンデンサのキ
    ャパシタンスとによって形成されて、上記スイッチング
    手段の動作を電圧共振形とする一次側並列共振回路と、 上記一次巻線に得られるスイッチング出力を整流電流経
    路に帰還し、この帰還されたスイッチング出力に基づい
    て整流電流を断続することよって力率改善を図るように
    された力率改善手段と、 上記力率改善手段内に設けられるコンデンサと、同じく
    上記力率改善手段内に設けられるインダクタンス素子
    と、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線側に巻回さ
    れるブースト巻線との直列接続による直列共振回路が、
    上記整流平滑手段を形成する平滑コンデンサと直列接続
    されることで、上記商用交流電源のピークレベルよりも
    高いとされるレベルの上記整流平滑電圧を生成するよう
    にされたブースト手段と、 上記力率改善手段の前段に配され、電源投入時において
    上記平滑コンデンサへの突入電流を制限することができ
    るように、トランジスタを用いて形成されたソフトスイ
    ッチ手段と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダク
    タンス成分と、二次側共振コンデンサのキャパシタンス
    とによって二次側において形成される二次側共振回路
    と、 上記二次側共振回路を含んで形成され、上記絶縁コンバ
    ータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力し
    て、整流動作を行って二次側直流出力電圧を生成するよ
    うに構成された直流出力電圧生成手段と、 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて上記スイッチ
    ング手段のスイッチング周波数を可変制御することで、
    二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構
    成された定電圧制御手段と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 【請求項2】 上記ソフトスイッチ手段は、 上記整流ダイオードの正極側に接続されたNPNトラン
    ジスタと、 上記NPNトランジスタのコレクタ−ベース間に配され
    た抵抗と、 上記NPNトランジスタのベースとアースの間に配され
    たコンデンサと、 を有して形成されることを特徴とする請求項1に記載の
    スイッチング電源回路。
  3. 【請求項3】 上記ソフトスイッチ手段は、 上記整流ダイオードの負極側に接続されたPNPトラン
    ジスタと、 上記PNPトランジスタのコレクタ−ベース間に配され
    た抵抗と、 上記PNPトランジスタのベースとアースの間に配され
    たコンデンサと、 を有して形成されることを特徴とする請求項1に記載の
    スイッチング電源回路。
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