JP2001135564A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JP2001135564A JP31561199A JP31561199A JP2001135564A JP 2001135564 A JP2001135564 A JP 2001135564A JP 31561199 A JP31561199 A JP 31561199A JP 31561199 A JP31561199 A JP 31561199A JP 2001135564 A JP2001135564 A JP 2001135564A
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明条件を変更した際に生じる照度ムラを最
小とするとともに、各機体固有の照度ムラを補正する。 【解決手段】 光学フィルター17の効果zは、z=a
(x2+y2)と書ける。このため、光学フィルター17
を光軸に垂直な平面に沿って2次元的に移動させれば、
1次元的に傾斜状の照度分布変化を発生させることがで
きる。そのため、図7(C)の網掛け部の照度を予め測
定し、基礎データとして用いる。NDフィルター17を
X方向、Y方向に所定距離d0移動させて照度ムラ測定
を行い、被照射面での周辺部4点の照度の変化量を計算
し、NDフィルター17を移動させたときの変化量の効
き率を記憶させる。この効き量を基にNDフィルター1
7を動かすべき方向と量を計算する。この演算結果に基
づいて光学フィルター駆動機構18によりフィルター1
7を所定方向へ所定量駆動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は投影露光装置に関
し、特に、半導体素子等の製造に用いられる投影露光装
置の照明装置部分に関し、照明条件や照明モードを変更
した場合の被照射面上の照度の均一化および各機体毎の
照度分布の補正に有効な技術である。
【0002】
【従来の技術】半導体素子製造用の投影露光装置では、
照明系からの光束で電子回路パターンを形成したレチク
ルを照射し、該パターンをウエハー面上に露光する。こ
の際、高解像力化を図るための一要件としてウエハー面
上を均一に照射することが好ましい。
【0003】この種の投影露光装置で用いられる照明系
では、照射面を均一に照射するための種々の方法が知ら
れている。例えば、一般にステッパーと呼ばれる投影露
光装置では、コリメータレンズと複数の微小レンズを所
定のピッチで配列したオプティカルインテグレータとを
組み合わせた照明系を用いて、被照射面を均一に照射し
ている。
【0004】照明系に、このようなオプティカルインテ
グレータを用いることにより、微小レンズの個数に相当
するだけの複数の2次光源を形成でき、2次光源からの
光束で被照射面を複数の方向から重畳して、照度分布の
均一化を図っている。
【0005】一般に被照射面での照度不均一性を示す値
として、照度ムラSを、被照射面での照度値の最大値を
Smax、最小値をSminとして、 S=(Smax−Smin)/(Smax+Smin) で表現するが、上記のような構成によって該被照射面で
の不均一性を数パーセント以内にすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
超LSIの高集積化に伴い、回路パターンの焼き付けに
要求される照度均一性は±1%前後という極めて高いも
のとなり、上記の技術のみでは不十分になってきてい
る。
【0007】また解像度を高めるために、斜入射照明や
位相シフトマスクと呼ばれる超解像結像技術が提案され
ている。このような照明法では、照明光学系の開口絞り
を変更することでσ値を小さくしたり、輪帯形状や四重
極形状のような特殊な形状の2次光源を形成している。
【0008】このような複数の照明方法に対し、多くの
投影露光装置ではある標準的な照明モードAで照度ムラ
が最小になるように照明系の各要素の位置を調整してい
る。しかしながら、斜入射照明法や小σ値等の照明モー
ドBに変えたときには、照明系の各要素が照明モードA
と同じでは必ずしも照明ムラが最小とはならない。
【0009】投影露光装置においては照明モードを切り
替えると、光路が異なって来るため、光学素子に用いら
れている反射防止膜の効果が光線の角度により異なった
り、ミラーによる折り返しでの反射ムラや光学系の偏心
の影響や、ウエハー面、レチクル面、投影光学系、照明
光学系の間で生じる反射によって生じるフレアの影響が
異なってくるため、被照射面に照度ムラが発生してい
た。このような照度ムラを照明条件切替時に補正するこ
とは従来の露光装置では困難であった。
【0010】また反射防止膜の成膜状態や組立精度など
により、組み立てられた露光装置は各機体固有の局所的
な照度ムラを持っており、これらを補正することも従来
の露光装置では困難であった。
【0011】そこで、本発明は、照明条件を変更した際
に生じる照度ムラを最小とするとともに、各機体固有の
照度ムラを補正し、レチクル面上の各種のパターンをウ
エハー面上に高い解像力で投影することを課題としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明は、光源から放射した光束で照明系を介して
被照射面上のパターンを照明し、パターンを投影光学系
により基板上に投影する投影露光装置であって、照明系
は複数の微小レンズを2次元的に所定のピッチで配列し
たオプティカルインテグレータと、オプティカルインテ
グレータの複数の微小レンズのうちの少なくとも1つに
入射する光量を制限する光量調整部を有した光量制御手
段を複数設け、複数光量制御手段のうち少なくとも1つ
の光量制御手段を光軸と直交する平面内に2次元的に駆
動制御するための駆動機構を備え、これらの各要素を利
用して前記被照射面上の照度分布を補正する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0014】(実施形態1)図1は本発明の投影露光装
置の光路図である。1は水銀ランプ等の光源としての発
光管であり、紫外線及び遠紫外線等を放射する高輝度の
発光部1aを有している。発光部1aは楕円ミラー2の
第1焦点近傍に配置している。1aはその第2焦点4に
結像される。3はコールドミラーであり、多層膜より成
り、大部分の赤外光を透過すると共に大部分の紫外線を
反射させている。楕円ミラー2はコールドミラー3を介
して第2焦点4近傍に発光部1aの発光部像(光源像)
1bを形成している。
【0015】5は光学系であり、コンデンサーレンズや
コリメータレンズそしてズームレンズなどから成り、第
2焦点4近傍に形成した発光部像1bを、光量制御手段
17を介して、オプティカルインテグレータ6の入射面
6aに結像させている。
【0016】オプティカルインテグレータ6は断面が4
角形状の複数の微小レンズ6cを2次元的に所定のピッ
チで配列して構成しており、その射出面6b近傍に2次
光源を形成している。
【0017】駆動光量制御手段17は光軸上に垂直な平
面に沿って2次元的に移動可能で、オプティカルインテ
グレータ6の光射出面6a近傍に配置している。駆動光
量制御手段17はオプティカルインテグレータ6の複数
の微小レンズ6cのうち少なくとも1つの微小レンズを
透過する光量を、NDフィルターや遮光部材から成る光
量調整部により制御している。
【0018】18はホルダーであり、図示しない照度分
布測定手段からの信号に基づいて駆動光量制御手段17
を光軸に垂直な平面に沿って2次元的に移動、あるいは
光軸方向へ直線的に移動させて被照射面10上の照度分
布を調整している。
【0019】固定光量制御手段19もオプティカルイン
テグレータ6の光射出面6a近傍に配置されており、駆
動光量制御手段17と同様オプティカルインテグレータ
6の複数の微小レンズ6cのうち少なくとも1つの微小
レンズを透過する光量をNDフィルターや遮光部材から
成る光量調整部を持っている。
【0020】7は絞りであり、2次光源の形状を決定し
ている。絞り7は照明条件に応じて絞り交換機構(アク
チュエータ)16によって種々の絞り7a,7bが光路
中に位置するように切り替え可能となっている。絞り7
としては、例えば通常の円形開口の絞りや、後述する投
影レンズ13の瞳面14上の光強度分布を変化させる輪
帯照明用絞り、4重極照明用絞り、小σ値照明用絞り等
から成っている。本実施形態では種々の絞り7を用いる
ことにより、集光レンズ8に入射する光束を種々と変え
て投影光学系13の瞳面14上の光強度分布を適切に制
御している。
【0021】集光レンズ8はオプティカルインテグレー
タ6の射出面6b近傍の2次光源から射出し、絞り7を
透過した複数の光束を集光し、被照射面としてのマスキ
ングブレード10面を均一に照射している。また集光レ
ンズ8はズームレンズ8aと固定レンズ8bから構成さ
れており、ズームレンズ駆動機構20によりズームレン
ズ8aを光軸方向に移動させることで、実質的に焦点距
離を変えないようにしつつ、ディストーションを変化さ
せる機構になっている。
【0022】マスキングブレード9は複数の可動の遮光
板より成り、任意の開口形状が形成されるようにしてい
る。
【0023】10はミラー、11は結像レンズであり、
マスキングブレード9の開口形状を被照射面としてのレ
チクル12面に転写し、レチクル12面上の必要な領域
を均一に照明している。13は投影光学系(投影レン
ズ)であり、レチクル12面上の回路パターンをウエハ
ーチャックに載置したウエハー(基板)15面上に縮小
投影している。14は投影光学系の瞳である。
【0024】本実施形態における光学系では、発光部1
aと第2焦点4とオプティカルインテグレータ6の入射
面6aとマスキングブレード9とレチクル12とウエハ
ー面15とが共役である。また、絞り7と投影光学系1
3の瞳面14とは、ほぼ共役である。
【0025】本実施形態では、レチクル面12面上のパ
ターン形状に応じて開口形状の異なった絞りを選択して
用いて、投影光学系13の瞳面14に形成される光強度
分布を種々と変えている。
【0026】次に本実施形態の駆動光量制御手段17の
光学的作用について説明する。
【0027】図2(A)は、駆動光量制御手段17の光
量調整部としてNDフィルター(または遮光部材)を用
いた光学フィルターの光入射側から見た概略図である。
光学フィルター17および光学フィルター19はオプテ
ィカルインテグレータ6を構成する複数の微小レンズ6
cに各々対応していて、複数の領域の透過光量が調整で
きる光量調整部を有している。光学フィルター17にお
いてオプティカルインテグレータ6の複数の微小レンズ
に対応して、入射光量を減少させる円形状のNDフィル
ター31による光量調整部を示している。このNDフィ
ルター31には大きさの異なる2種類のものがある。
【0028】図2(B)は光量制御手段(光学フィルタ
ー)17とオプティカルインテグレータ6の側面図であ
る。6cはオプティカルインテグレータ6を構成する複
数の微小レンズである。微小レンズ6cの光入射側のレ
ンズ面6aの後側焦点は光射出側のレンズ面6bの位置
にある。また、微小レンズ6cの光射出側のレンズ面6
bの前側焦点は光入射側のレンズ面6aの位置にある。
この為、光学系5で微小レンズ6cのレンズ面6aに集
光した光束はレンズ面6bより平行光束として射出して
いる。そしてレンズ面6bから射出した平行光束は絞り
7aを介し、集光レンズ8で集光されミラー9で反射し
てマスキングブレード10上に集光している。このよう
にしてオプティカルインテグレータ6の光入射面6aと
マスキングブレード10とを共役関係になるようにして
いる。
【0029】オプティカルインテグレータ6の光入射面
6aとレチクルもしくはウエハ等の被照射面は光学的に
共役である。照度ムラを補正する光学フィルター17,
19はオプティカルインテグレータ6の入射面6aから
所定間隔Dの位置に配置されており、Dが大きくなるに
従ってNDフィルターによる照度低下部分とそうでない
部分との境界が不鮮明になり、被照射面上(ウエハー1
5)での照度分布変化の断面は矩形ではなく、なだらか
な形状で照度低下を起こす。
【0030】本実施形態では光学フィルター17に大き
さの異なる円形状のNDフィルターを配し、各NDフィ
ルター部分に図3(A),(B)のような効果を持たせ
ている。各NDフィルターの径や透過率、配置を適切に
することで、最終的に被照射面では図3(A),(B)
の総和である図3(C)のように近似的に像高の2乗に
比例して周辺の照度を上げる作用を有している。
【0031】図3(C)に示された照度向上作用を、像
高のほぼ二乗に比例して周辺部の照度を上げるととも
に、最大像高での照度を軸上よりもaだけ高くする作用
とする場合には、、たとえば図3(A)では最大像高の
半分の位置から最大像高に至るまで(3/4)×aの照
度差が生じるように、又、図3(B)では軸上から最大
像高の半分の位置に至るまで(1/4)×aが生じるよ
うに、NDフィルタの大きさ・パターン配置・透過率を
定めるとよい。
【0032】一般に投影露光装置の照明装置において、
被照射面における開口数の均一性と照度分布の均一性を
両立させようとすると、オプティカルインテグレータ6
の正弦条件不満足量、およびレンズに用いられる反射防
止膜の角度特性により周辺の照度が低下する傾向にあ
る。そのため、本実施形態のように周辺の照度を上げる
作用を有する光学フィルターは照度分布の補正に有効で
ある。
【0033】一般にオプティカルインテグレータに入射
する光束は、光軸に対して対称な照度分布を持つように
調整してある。これにより、被小斜面での有効光源分布
は主光線に対して対称になるため、デフォーカスに対し
て像のズレが生じない。ひいては、良好なテレセン度で
の露光を実現している。
【0034】仮に、オプティカルインテグレータに入射
する光束は、光軸に対して非対称な照度分布を持つ場合
には、有効光源分布の対称性が失われ、テレセン度のズ
レという形で像性能へ影響が及ぶが、この実施形態で
は、光軸対称に小レンズの光量を調整しているのでテレ
セン度のズレがほとんど生じない。このようにNDフィ
ルター17の透過率調整部の形状、大きさ、透過率、距
離Dを適切に決めることによって、被照射面全域に渡っ
て照度分布を均一に調整している。
【0035】以下、照度ムラの補正を具体例に即して説
明する。照明モードAでは図4(A)、照明モードBで
は図5(A)のような照度ムラが有るものとする。相対
照度は、階調で表現されており、相対照度の等高線は
0.5%刻みである。更に、各領域の相対照度は、9
6.0%から101.5%であり、それを数字で示して
ある。又、格子線は、被照射面の各点に座標を与えるた
めのものである。
【0036】発生した照度ムラはそれぞれ図4(B)
(C)(D)及び図5(B)(C)(D)のような、傾
斜状の照度ムラ(B)と、同心円上の光軸対称な周辺照
度が下がった照度ムラ(C)、および局所的なその他の
成分(D)に分解することができる。これらは照度分布
から像高別平均照度および傾斜成分を放出することよ
り、容易に分離できる。図4(A)、図5(B)の照度
ムラを、それぞれ図4(B)(C)、図5(B)(C)
のように分解して残ったムラ成分が、それぞれ図4
(D)、図5(D)である。照明モード固有の照度ムラ
を補正した後の図4(D)及び図5(D)のムラ成分は
同じものである。
【0037】以下、このように成分に分けた照度ムラの
補正方法を述べる。
【0038】まず、図4及び図5のパターン(B)の傾
斜状の照度ムラの補正方法について図6及び図7を参照
して説明する。前述したように本実施形態の光学フィル
ター17は像高のほぼ2乗に比例して周辺部の照度分布
をあげる効果を持つ。このとき、オプティカルインテグ
レータ6の微小レンズの有効径をウエハ・レチクルの被
照射面相当とし、オプティカルインテグレータ6の微小
レンズ有効径の入射面を正規化されたXY座標系とすれ
ば、光学フィルター17の効果zはz=a(x2+y2
と書ける。ここで、aは定数である。
【0039】このため、光学フィルター17を光軸に垂
直な平面に沿って2次元的に移動させることにより、1
次元的に傾斜状の照度分布変化を発生させることができ
る。
【0040】実際には、照明モード毎に光学フィルター
17の効き率が若干異なるので、この実施形態では、図
6のフローチャートで示すように光学フィルター17の
効き率を算出して傾斜状照度ムラの補正を行う。具体的
には、図4に関してはa=3.0、図5に関してはa=
4.0の効果を持つように、光学フィルター17を設定
すればよい。
【0041】図7(A)(B)はNDフィルター17の
移動方向を示している。被照射面での周辺部4点、すな
わち図7(C)の網掛け部の照度を予め測定し、基礎デ
ータとして用いる。図7(A)(B)のように光軸に垂
直な平面に沿ってX座標およびY座標を取る。NDフィ
ルター17をX方向、Y方向に所定距離d0移動させて
照度ムラ測定を行い、被照射面での周辺部4点の照度の
変化量を装置の図示しない演算装置によって計算し、N
Dフィルター17を移動させたときの変化量の効き率を
装置の図示しない記憶装置に記憶させる。この効き量を
基にNDフィルター17を動かすべき方向と量を演算装
置によって計算する。
【0042】この演算結果に基づいて光学フィルター駆
動機構18によりフィルター17を所定方向へ所定量駆
動させる。駆動後再度照度ムラ測定を行い、最適値にな
っていたら終了、さらに最適にする余地がある場合に
は、上記の作業を繰り返して非対称ムラを最適に補正す
る。この手順におけるフィルター17による照度ムラ補
正範囲の変化の例を図7(D)に示している。
【0043】次に、図4及び図5のパターン(C)、す
なわち光軸対称な照度ムラの補正方法について図8及び
図9を参照して説明する。光軸対称な照度ムラが発生し
た場合は、周辺照度補正量を調整することになるが、N
Dフィルターまたは遮光部材を光軸方向に直線的に移動
させてオプティカルインテグレータの入射面との距離D
を大きくし、被照射面上での照度低下の割合を小さくす
ることを可能としている。また、NDフィルターまたは
遮光部材と、オプティカルインテグレータの入射面との
距離を調整することにより、光量調整部分の形状をぼか
して照度調整範囲の大きさを調整するようにしている。
【0044】被照射面最周辺部4点、すなわち、図9
(B)の網掛け部の照度と中心から最周辺部の例えば5
0%部4点の照度を予め測定し、基礎データとして用い
る。装置の図示しない記憶装置には、NDフィルター1
7を光軸方向に所定距離D0移動させて照度ムラを測定
し、被照射面最周辺部4点の照度と中心から最周辺部の
50%部4点の照度の変化量を装置の図示しない演算装
置によって計算し、NDフィルター17を移動させたと
きの変化量の効き率を装置の記憶装置に記憶させる。こ
の効き量をもとにNDフィルター17を光軸方向に動か
すべき方向と量を装置の演算装置によって計算する。補
正する範囲を大きくしたい場合は距離Dを増加させる方
向に、小さくしたい場合は距離Dを小さくすればよい。
この演算結果に基づいて光学フィルター駆動機構18に
よりフィルター17を所定方向へ所定量駆動させ、補正
範囲の調整を行う。駆動後再度照度ムラ測定を行い、最
適値になっていたら終了、さらに最適にする余地がある
場合には、上記の作業を繰り返して照度ムラを最適に補
正する。この手順における照度ムラ補正範囲の変化の例
を図9(C)(D)に示している。
【0045】NDフィルター17の移動方向が光軸に垂
直な平面内に沿っている場合と、光軸方向である場合の
両方について説明したが、これらを両方行うことによっ
てより細やかな補正ができることは言うまでもない。こ
の場合は図6と図8で示したフローチャートを直列的に
実行したり、並列的に実行するようにすればい。
【0046】NDフィルター17の移動により照度ムラ
の最適化を行った際には、図6と図8で示した実行結果
(NDフィルター17位置)を記憶装置(不図示)に記
憶しておく。その後、同一照明条件を再度実行する際に
は、実行結果を呼び出して最適位置に駆動させれば、図
6・図8のような手順を踏むことなく、速やかに同心円
状の照度ムラおよび傾斜状の照度ムラの最適化を行え
る。
【0047】次に、図4及び図5のパターン(D)の照
度ムラ、すなわち投影露光装置固有の局所的な照度ムラ
の補正方法について図1を参照して説明する。
【0048】投影露光装置においては、被照射面(ウエ
ハー面15)および光学的共役面(レチクル面12、マ
スキングブレード面9)の近傍のガラス部材などに、反
射防止膜の膜ムラ、付着物などが発生すると、照明モー
ドを問わず一定の傾向の照度ムラが発生するが、一般的
にこの照度ムラは機体毎に異なる。
【0049】これを補正するため、前述の駆動光量制御
手段17と同じような構造を持った光量制御手段19を
オプティカルインテグレータの入射面に備えている。各
照明モードでの照度ムラ計測結果より、各機体固有の照
度ムラを抽出し、これを補正するように、固定光量制御
手段19にNDフィルターを構成する。固定光量制御手
段19が被照射面での照度分布を制御する作用は駆動光
量制御手段17と同様であって、設けられたNDフィル
ターにより各機体固有の照度ムラを補正している。
【0050】この各機体固有の照度ムラは照明モードを
問わず傾向が同一であるため、オプティカルインテグレ
ータの入射面側に固定的に備えられれば良い。駆動機構
を省くことによって、装置の簡略化が可能となる。
【0051】この固定光量制御手段19を各機体毎に設
定することにより、機体毎に異なる固有照度ムラを良好
に補正することができる。固有照度ムラが十分に小さい
場合は固定光量制御手段19の構成を省くことも可能で
ある。この際も固定光量制御手段19は平行平面な光学
材料で構成されているため、光学性能が変わってしまう
ことがない。
【0052】ただし、駆動光量制御手段17のNDフィ
ルターと固定光量制御手段19のNDフィルターは、オ
プティカルインテグレータ6の同一微小レンズの入射光
量を制御しないよう設定する方がよい。複数のNDフィ
ルターがオプティカルインテグレータ6の同一微小レン
ズに影響すると、補正効果の算出や補正形状の変化が複
雑になるし、NDフィルター相互で悪影響を及ぼす可能
性もあるからである。
【0053】(実施形態2)実施形態1においては光軸
対称な照度ムラの補正するのに、NDフィルター(また
は遮光部材)を光軸方向に直線的に移動させたが、次の
ような方法も考えられる。
【0054】集光レンズ8は駆動レンズ8aと固定レン
ズ8bから構成されており、駆動レンズ駆動機構20に
より駆動レンズ8aを光軸方向に移動させることで、実
質的に焦点距離を変えないようにしつつ、ディストーシ
ョンを変化させる機構になっている。この作用により、
レンズ駆動することで、周辺照度を上下させることが可
能となっている。
【0055】この実施形態における周辺照度を変化させ
る手順を図10のフローチャートで示す。図11(A)
は駆動レンズ8aの移動方向を示している。
【0056】被照射面最周辺部4点の照度と中心から最
周辺部の例えば50%部4点の照度を予め測定し、基礎
データとして用いる(図9(B)の網掛け部)。装置の
記憶装置(不図示)には、ズームレンズ8aを光軸方向
に所定距離D0移動させたときの、被照射面最周辺部4
点の照度と中心から最周辺部の50%部4点の照度の効
き量を装置の記憶装置(不図示)に記憶させてある。こ
の効き量はシミュレーション等により前もって求めるこ
とができる。この効き量をもとにズームレンズ8aを光
軸方向に動かすべき方向と量を装置の演算装置(不図
示)によって計算する。この演算結果に基づいて駆動機
構20によりズームレンズ8aを所定方向へ所定量駆動
させ、周辺照度の調整を行う。駆動後再度照度ムラ測定
を行い、最適値になっていたら終了、さらに最適にする
余地がある場合には、上記の作業を繰り返して照度ムラ
を最適に補正する。
【0057】実施形態2の場合も、NDフィルター17
を光軸に垂直な平面内に沿って移動する場合と、上に示
したレンズ駆動を両方行うことによってより細やかな補
正ができることは言うまでもない。この場合は図6と図
10で示したフローチャートを直列的に実行したり、並
列的に実行するようにすればよい。
【0058】NDフィルター17およびレンズ8aの移
動により照度ムラの最適化を行った際には、図6と図1
0で示した実行結果を記憶装置(不図示)に記憶してお
く。その後、同一照明条件を再度実行する際には、実行
結果を呼び出して各要素を最適位置に駆動させれば、図
6・図10のような手順を踏むことなく、速やかに同心
円状の照度ムラおよび傾斜状の照度ムラの最適化を行え
る。
【0059】以上、本発明の2つの実施の形態について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】本実施形態と同様に像高ほぼ2乗に比例し
て周辺の照度を上げる作用を有していれば、図2に示し
た形態以外のフィルターを適用できる。たとえば、本実
施形態では、簡単のため2種類の大きさのNDフィルタ
ーにより2次近似的に周辺光量を上げる作用を持つフィ
ルターを示したが、3種類以上の大きさのNDフィルタ
ーの組み合わせによって、より2次曲線に近似したフィ
ルターを構成することもできる。
【0061】その他にも、図12に示すように、各オプ
ティカルインテグレータの微小レンズに対して、中心部
から連続的に透過率を変化させるフィルターが考えられ
る。
【0062】本実施形態に倣って、図2、12に示すよ
うに、NDフィルターの透過率を最適化しつつ、透過率
調整部を多数配置すれば、通常照明とその他の輪帯照明
や4重極照明、あるいは位相シフトマスクの際に用いら
れるσ値が小さい照明条件等、多数の照明モードに関し
ても同様の機能を持たせることができる。
【0063】このような多数のパターン配置を行う場
合、テレセン度のずれを極小にするため、透過率調整部
は中心あるいは中心回転対称に正方形の4つの頂点に位
置するように設けてあり、さらに中心から同一距離にあ
る透過率調整部の透過率は等しくなるようにしている。
【0064】また、斜入射照明法や小σ値での照明は通
常照明に比較して、重畳されるオプティカルインテグレ
ータ6からの光束は少なくなる。このことからオプティ
カルインテグレータ6の微小レンズ1つあたりの被照射
面での寄与率が大きくなるため、NDフィルターの透過
率の選定には注意を要する。
【0065】本実施形態のNDフィルターや遮光部材は
一般にガラス基板面上にCr等の金属膜や誘電体多層膜
を蒸着したり、または基板そのものに色素を混ぜたりし
て所望の透過率が得られるように構成している。尚、N
Dフィルターと同様の光学的性質を有するものであれ
ば、他の光学部材を用いても良い。
【0066】又、上述した照度ムラ補正方法は他の照明
モードに変更したときに生じた照度ムラに限らず、経時
的変化等で照度ムラが生じたときにも同様に用いること
ができる。
【0067】また、図6のフローチャートにおいて、効
き率の算出に最周辺部4点とは別の点を使用したり、図
8、図10のフローチャートで像高50%部分の照度を
データとして使用しているのを、像高30%や70%等
での照度をデータとして用いる等して、補正を最適化で
きるようにしてあることが望ましい。
【0068】本実施形態の投影露光装置では、有効光源
形成のための光源として水銀ランプを用いているが、レ
ーザー等による有効光源形成も本実施形態と何ら機構的
に異なるものではない。
【0069】次に、本発明の投影露光装置を用いる半導
体デバイスの製造方法について説明する。
【0070】図13は、半導体デバイス(ICやLSI
等の半導体チップ、液晶パネルやCCD)の製造工程を
説明するためのフローチャートである。
【0071】ステップ1の回路設計工程においては、半
導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2のマスク制
作工程においては、設計した回路パターンを形成したマ
スク、すなわちレチクル12を作製する。一方、ステッ
プ3のウエハ製造工程においては、シリコン等の材料を
用いてウエハ15を製造する。ステップ4のウエハプロ
セス工程(前工程)においては、用意したレチクル12
とウエハ15とを用いて、リソグラフィーによってウエ
ハ15上に実際の回路を形成する。ステップ5の組立工
程(後工程)においては、ステップ4で作成されたウエ
ハ15をチップ化する。具体的には、ダイシング、ボン
ディング、パッケージング等が行われる。ステップ6の
検査工程においては、ステップ5で作成された半導体デ
バイスの動作確認テスト、耐久性試験等の検査が行われ
る。ステップ7においては、こうして完成した半導体デ
バイスが出荷される。
【0072】図14は、図13に示したステップ4、す
なわちウエハプロセス工程(前工程)を説明するための
フローチャートである。
【0073】ステップ11の酸化工程では、ウエハ15
の表面を酸化させる。ステップ12のCVD工程では、
CVD(化学気相成長)によってウエハの表面に絶縁膜
を形成する。ステップ13の電極形成工程では、ウエハ
15条に電極を蒸着等によって形成する。ステップ14
のイオン打ち込み工程では、ウエハ15にイオンを打ち
込む。ステップ15のレジスト処理工程では、ウエハに
レジスト、すなわち感光材料を塗布する。ステップ16
の露光工程では、本発明の露光投影装置によって、レチ
クル12の回路パターンの像でウエハ15を露光する。
ステップ17の現像工程では、露光したウエハを現像す
る。ステップ18のエッチング工程では、現像したレジ
スト以外の部分を除去する。ステップ19のレジスト隔
離工程ではエッチングが済んで不要となったレジストを
取り除く。これらのステップを繰り返すことによってウ
エハ上に回路パターンが形成される。
【0074】このような、本発明の半導体デバイスの製
造方法によって、従来は困難であった高集積度の半導体
デバイスを製造する。
【0075】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、照明モー
ドを変更した際に生じる照度ムラ、および各機体固有の
照度ムラが効果的に補正され、オプティカルインテグレ
ータを用いた投影露光装置において照度均一性に優れた
照明が可能になる。すなわち、種々の照明モード、各機
体において照度ムラを最小とし、レチクル面上の各種の
パターンをウエハー上に安定して高い解像力で投影する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投影露光装置の光路図
【図2】NDフィルターとオプティカルインテグレータ
の位置関係を示す図
【図3】被照射面での照度分布の変化特性例を示す図
【図4】照明モードAにおける照度ムラを示す図
【図5】照明モードBにおける照度ムラを示す図
【図6】NDフィルターを光軸に垂直な平面に沿って移
動させたときの照度ムラ補正手順を示すフローチャート
【図7】NDフィルターを光軸に垂直な平面に沿って移
動させたときの照度ムラ補正手順を説明するための図
【図8】NDフィルターを光軸に沿って移動させたとき
の照度ムラ補正手順を示すフローチャート
【図9】NDフィルターを光軸に沿って移動させたとき
の照度ムラ補正手順を説明するための図
【図10】駆動レンズを光軸に沿って移動させたときの
照度ムラ補正手順を示すフローチャート
【図11】駆動レンズを光軸に沿って移動させたときの
照度ムラ補正手順を説明するための図
【図12】光学フィルターの別の例を示す図
【図13】半導体デバイスの製造工程を説明するための
フローチャート
【図14】図13におけるウエハプロセスを説明するた
めのフローチャート
【符号の説明】
1 水銀ランプ(光源) 2 楕円ミラー 3 コールドミラー 4 楕円ミラー2の第2焦点 5 ズームレンズ 6 オプティカルインテグレータ 7 絞り 8 コンデンサーレンズ 8a 駆動レンズ 8b 固定レンズ 9 マスキングブレード 10 ミラー 11 レンズ 12 レチクル 13 投影光学系(投影レンズ) 14 投影レンズ瞳 15 ウエハー 16 絞り交換機構 17 駆動光量制御手段(光学フィルター) 18 光学フィルター駆動機構 19 固定光量制御手段(光学フィルター) 20 レンズ駆動機構 31 NDフィルター

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から放射した光束で照明系を介して
    被照射面上のパターンを照明し、前記パターンを投影光
    学系により基板上に投影する投影露光装置であって、 前記照明系は複数の微小レンズを2次元配列したオプテ
    ィカルインテグレータを備え、 前記微小レンズのうちの少なくとも1つに入射する光量
    を制限する光量調整部を有した光量制御手段を複数個備
    え、 前記光量制御手段のうち少なくとも1つを光軸と直交す
    る平面内で駆動するための駆動機構を備え、 前記被照射面上の照度分布を補正することを特徴とする
    投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記光量制御手段のうち少なくとも1つ
    を固定し、 機体固有の照度分布を補正することを特徴とする請求項
    1記載の投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記光量制御手段のうち少なくとも1つ
    を光軸に垂直な平面内で駆動し、 前記被照射面における傾斜状の照度分布を補正すること
    を特徴とする請求項1記載の投影露光装置。
  4. 【請求項4】 前記補正を、被照射面の照度分布変化測
    定値をフィードバックして最適化させることを特徴とす
    る請求項2、3のいずれか一つに記載された投影露光装
    置。
  5. 【請求項5】 前記光量制御手段のうち少なくとも1つ
    を光軸方向に駆動し、 前記被照射面における光軸対称の傾斜状の照度分布を補
    正することを特徴とする請求項1記載の投影露光装置。
  6. 【請求項6】 前記補正を、前記被照射面の照度分布測
    定値をフィードバックして最適化させることを特徴とす
    る請求項5の投影露光装置。
  7. 【請求項7】 前記投影露光装置は、前記オプティカル
    インテグレータからの光束を被照射面に照射するための
    照明光学系の一部を光軸方向に駆動するための駆動機構
    を備え、 前記被照射面上の光軸対称の照度分布を補正することを
    特徴とする請求項1記載の投影露光装置。
  8. 【請求項8】 前記補正は、前記被照射面の照度分布測
    定値をフィードバックして最適化させることを特徴とす
    る請求項7の投影露光装置。
  9. 【請求項9】 前記最適化された補正における駆動位置
    を検出する手段及び記憶する手段とを備え、 前記光量制御手段を記憶された最適な位置に駆動させる
    ことを特徴とする請求項4,6,8のいずれか一つに記
    載された投影露光装置。
  10. 【請求項10】 前記光量制御手段は前記オプティカル
    インテグレータの中心の微小レンズあるいは中心回転対
    称に正方形の頂点に位置する4つの微小レンズの少なく
    とも一方を透過する光量を制御する光量調節部を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の投影露光装置。
  11. 【請求項11】 前記光量調整部は、NDフィルター又
    は遮光部材であることを特徴とする請求項10記載の投
    影露光装置。
  12. 【請求項12】 前記光量調整部は、前記オプティカル
    インテグレータの微小レンズに対応する領域内におい
    て、連続的に透過率が異なる光学フィルターであること
    を特徴とする請求項10記載の投影露光装置。
  13. 【請求項13】 前記光量制御手段は、前記透過率調整
    部の透過率の異なるNDフィルター及び又は形状の異な
    る遮光部材を複数種類備え、このうちの1つを選択して
    光路中に装着することを特徴とする請求項10,11、
    12のいずれか一つに記載された投影露光装置。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれか一つに記
    載された投影露光装置を用いてデバイスを製造すること
    を特徴とするデバイスの製造方法。
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