JP2001132485A - 可変バルブタイミング機構付エンジン搭載車の車速制限装置 - Google Patents

可変バルブタイミング機構付エンジン搭載車の車速制限装置

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JP2001132485A
JP2001132485A JP31824299A JP31824299A JP2001132485A JP 2001132485 A JP2001132485 A JP 2001132485A JP 31824299 A JP31824299 A JP 31824299A JP 31824299 A JP31824299 A JP 31824299A JP 2001132485 A JP2001132485 A JP 2001132485A
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valve timing
engine
control
fuel cut
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Yuusuke Kanezashi
有助 金指
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可変バルブタイミング機構付エンジンを搭載
した車両の車速制限時におけるエンジン出力の急変によ
るトルクショックを軽減する。 【解決手段】 車速が上昇時の車速制限目標値VSPS1
以上となると、まず、バルブタイミング制御切換フラグ
FBTを1にセットして、通常制御からエンジン出力抑制
制御へと移行する。エンジン出力抑制制御においては、
バルブタイミングが、予め設定された進角設定値VTH
まで漸次強制的に進角化され(S12〜S15)、これ
によりエンジン出力が抑制されて車速が制限される。一
方、車速が下降時の車速制限目標値VSPS0未満となる
と、バルブタイミング制御切換フラグFBTをクリアし
て、出力抑制制御から通常制御へと移行し、バルブタイ
ミングを、エンジン運転状態に応じた位相へと漸次変化
させる(S18〜S24)。これにより、エンジン出力
の急変によるトルクショックの発生を抑制しつつ、最高
車速制限を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速走行時のオー
バースピードを防止する車速制限装置に係り、詳しく
は、エンジンの吸気バルブと排気バルブとの少なくとも
一方のバルブタイミングをエンジン運転状態に応じて変
更する可変バルブタイミング機構を備えたエンジンを搭
載した可変バルブタイミング機構付エンジン搭載車の車
速制限装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車輌においては、高負
荷高回転時や減速時等にエンジンへの燃料供給をカット
してエンジンの過回転を防止し、また、高速走行時に
は、設定車速以上で燃料供給をカットしてオーバースピ
ードを防止するようにしている。ところが、この場合、
燃料を復帰する際に燃料の遅れから一時的に空燃比がリ
ーン化し、ノッキングを誘発したり、排気ガス温度が上
昇することで触媒に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0003】このため、特開平5−171972号公報
には、エンジンの運転状態が過回転防止あるいはオーバ
ースピード防止等のための所定の燃料カット領域へ入っ
て燃料カットが行われた後、エンジン運転状態が燃料カ
ット状態から燃料増量状態にへ移行したとき、その移行
時から所定期間、燃料増量補正の制限あるいは点火時期
の進角補正を行い、燃料カットに伴う触媒の急激な反応
を抑えて熱劣化を防止する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車速が車速
制限の設定値を越えたとき、いきなり燃料カットを行う
と、燃料がカットされた瞬間にエンジン出力が大きく低
下するため、それがショックとなり運転フィーリングが
悪化する場合するという問題があった。そこで、これを
回避すべく特開平9−88665号公報による技術で
は、ターボエンジンに限って暫時過給圧力を落とし、そ
の後燃料カットを行い、燃料カット時におけるトルクシ
ョックの軽減を図っている。
【0005】しかしながら、特開平9−88665号公
報による技術は、あくまでもターボエンジンを対象にし
たものであり、これをそのまま自然吸気エンジンに適用
することはできないという問題があった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑み、可変バルブタ
イミング機構付エンジンを搭載した車両の車速制限時に
おけるエンジン出力の急変によるトルクショックを軽減
するとともに、急激な空燃比のリーン化を抑え、排気系
の異常過熱を防止することのできる可変バルブタイミン
グ機構付エンジン搭載車の車速制限装置を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、エンジンのクランク軸の回
転を吸気バルブ若しくは排気バルブの開閉を行うカムの
カム軸に伝達する伝達手段と、前記伝達手段に介設され
前記クランク軸とカム軸との間の回転位相を調整してバ
ルブタイミングを調節する可変バルブタイミング機構と
を備えたエンジンを搭載した可変バルブタイミング機構
付エンジン搭載車の車速制限装置であって、前記可変バ
ルブタイミング機構付エンジン搭載車の車速を検出する
車速検出手段と、前記可変バルブタイミング機構付エン
ジンのエンジン運転状態を検出する運転状態検出手段
と、前記運転状態検出手段で検出したエンジン運転状態
に応じて前記可変バルブタイミング機構を制御するバル
ブタイミング制御手段と、前記車速検出手段によって検
出した車速が予め設定した車速制限目標値を越えたと
き、前記可変バルブタイミング機構を作動させることに
より、前記バルブタイミングを現在のエンジン運転状態
に応じた通常制御による設定から変化させて前記エンジ
ンの出力を抑制し、前記可変バルブタイミング機構付エ
ンジン搭載車の車速を制限する車速制限手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載の発明に
おいて、前記車速制限手段は、前記通常制御から前記バ
ルブタイミングを変化させて前記エンジンの出力を抑制
する出力抑制制御への移行時と、前記出力抑制制御から
前記通常制御への移行時との少なくとも何れか一方にお
いて、制御目標となる目標バルブタイミングを漸次的に
変更させることにより前記バルブタイミングを漸次的に
変化させることを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の発明において、前記車速制限目標値を、第1の目標値
と、この第1の目標値より低い第2の目標値とに分けて
設定し、前記車速制限手段は、前記エンジンの制御形態
を、車速が前記第1の目標値を越えたとき前記通常制御
から前記出力抑制制御へ移行させ、前記第2の目標値を
下回ったとき前記出力抑制制御から前記通常制御へ移行
させることを特徴とする。
【0010】請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか
1項に記載の発明において、前記運転状態検出手段で検
出したエンジン運転状態に応じて前記可変バルブタイミ
ング機構付エンジンへの燃料噴射を制御する燃料噴射制
御手段と、所定のエンジン運転状態下で前記燃料噴射制
御手段による燃料噴射を停止させる燃料カット手段とを
さらに備え、前記車速制限手段は、車速が予め設定した
燃料カット設定値を越えたとき、前記燃料カット手段を
作動させて車速を制限することを特徴とする。
【0011】請求項5の発明は、請求項4記載の発明に
おいて、前記車速制限目標値を、前記燃料カット設定値
よりも低速に設定することを特徴とする。
【0012】請求項6の発明は、請求項5記載の発明に
おいて、前記車速制限手段は、燃料カットを気筒別に段
階的に実行することを特徴とする。
【0013】すなわち、本発明では、請求項1に記載し
たように、車速制限に際し、車速制限目標値を予め設定
しておき、車速が車速制限目標値を越えたとき、バルブ
タイミングを通常制御による設定から変化させてエンジ
ンの出力を抑制し、車速を制限する。
【0014】また、この車速制限においては、請求項2
に記載したように、通常制御から出力抑制制御への移行
時と、出力抑制制御から通常制御への移行時との少なく
とも何れか一方において、目標バルブタイミングを漸次
的に変更させることによりバルブタイミングを漸次的に
変化させ、バルブタイミングの急変に伴うエンジン出力
の急変によるトルクショックを抑制する。
【0015】さらに、請求項3に記載したように、車速
制限目標値を、第1の目標値と、この第1の目標値より
低い第2の目標値とに分けて設定しておき、エンジンの
制御形態を、車速が第1の目標値を越えたとき通常制御
から出力抑制制御へ移行させ、第2の目標値を下回った
とき出力抑制制御から通常制御へ移行させることによ
り、車速上昇時と車速下降時とでヒステリシスをもって
バルブタイミング制御を行い、制御形態の切り換わりハ
ンチングを防止し、バルブタイミング制御の制御性向上
を図る。
【0016】また、請求項4に記載したように、燃料カ
ット設定値を予め設定しておき、車速が燃料カット設定
値を越えたとき燃料カットを行って車速を制限すること
により、バルブタイミング制御と燃料カットを併用して
車速を制限し、トルクショックを抑制しつつ確実に最高
車速を制限する。
【0017】さらに、請求項5に記載したように、車速
制限目標値を燃料カット設定値よりも低速に設定し、車
速が車速制限目標値を越えると、まず、バルブタイミン
グを変化させてエンジン出力を抑制し、しかる後、車速
が燃料カット設定値を越えたとき、燃料カットを行って
車速を制限することにより、制御の整合性を図り、確実
にバルブタイミング制御による出力抑制制御を実行して
から、燃料カットに移行する。
【0018】加えて、請求項6に記載したように、燃料
カットを気筒別に段階的に実行し、トルクショックの発
生をより確実に抑制する。
【0019】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、本
発明が適用される可変バルブタイミング機構付エンジン
の全体構成について、図1に従い説明する。同図におい
て、符号1は、可変バルブタイミング機構付エンジン
(以下、単に「エンジン」と略記する)であり、図にお
いては、DOHC水平対向型4気筒ガソリンエンジンを
示す。このエンジン1のシリンダブロック1aの左右両
バンクには、シリンダヘッド2がそれぞれ設けられ、各
シリンダヘッド2に気筒毎に吸気ポート2aと排気ポー
ト2bとが形成されている。
【0020】エンジン1の吸気系としては、各吸気ポー
ト2aにインテークマニホルド3が連通され、このイン
テークマニホルド3に各気筒の吸気通路が集合するエア
チャンバ4を介して、アクセルペダルに連動するスロッ
トル弁5aが介装されたスロットルチャンバ5が連通さ
れている。そして、このスロットルチャンバ5の上流に
吸気管6を介してエアクリーナ7が取付けられ、このエ
アクリーナ7に接続されるエアインテーク通路にチャン
バ8が連通されている。
【0021】また、上記吸気管6には、スロットル弁5
aをバイパスするバイパス通路9が接続されており、こ
のバイパス通路9に、アイドル時にその弁開度によって
該バイパス通路9を流れるバイパス空気量を調整するこ
とでアイドル回転数を制御するアイドル回転数制御弁
(ISC弁)10が介装されている。
【0022】更に、上記インテークマニホルド3の各気
筒の吸気ポート2aの直上流に、インジェクタ11が配
設されている。また、先端の放電電極を燃焼室に露呈す
る点火プラグ12が、シリンダヘッド2に各気筒毎に配
設されている。そして、各点火プラグ12は、イグナイ
タ内蔵イグニッションコイル13に接続されている。
【0023】一方、エンジン1の排気系としては、シリ
ンダヘッド2の各排気ポート2bに連通するエキゾース
トマニホルド14の集合部に排気管15が連通され、こ
の排気管15に触媒コンバータ16が介装されてマフラ
17に連通されている。
【0024】次に、図1〜図7に基づいて、エンジン1
の可変バルブタイミング機構について説明する。エンジ
ン1のクランク軸18の回転は、伝達手段によって、左
右バンクの各シリンダヘッド2内にそれぞれ配設された
各吸気カム軸19及び各排気カム軸20に伝達される。
本形態においては、伝達手段は、クランク軸18に固設
されたクランクプーリ21、タイミングベルト22、吸
気カムプーリ23、排気カム軸20に固設された排気カ
ムプーリ24等によって構成される。また、これらベル
ト、プーリを介して、クランク軸18とカム軸19,2
0とが2対1の回転角度となるよう、その伝達係数が設
定されている。そして、吸気カム軸19に設けられたカ
ム19a、及び排気カム軸20に設けられた排気カム
(図示せず)は、それぞれクランク軸18と2対1の回
転角度に維持される各カム軸19,20の回転に基づい
て、吸気バルブ25、排気バルブ26を開閉駆動する。
【0025】また、図2に示すように、左右バンクの各
吸気カム軸19と吸気カムプーリ23との間に、該吸気
カムプーリ23と吸気カム軸19とを相対回動してクラ
ンク軸18に対する吸気カム軸19の回転位相(変位角
度)を連続的に変更する油圧駆動式の可変バルブタイミ
ング機構(以下、「VVT」と略記する)27が配設さ
れている。
【0026】このVVT27は、周知のように、後述の
電子制御装置(以下、「ECU」と略記する)60から
の駆動信号により作動するオイルフロー制御弁(以下、
「OCV」と略記する)36R(36L)によって油圧
が切換えられ、駆動するものである。なお、以下におい
て、符号における添え字L,LHは右バンク、R,RH
は左バンクを表す。
【0027】吸気カム軸19は、シリンダヘッド2及び
ベアリングキャップ(図示せず)間において回転自在に
支持され、吸気カム軸19の先端部に、図2〜図4に示
すように、3つのべーン28aを有するべーンロータ2
8がボルト29により一体回転可能に取付けられてい
る。
【0028】また、吸気カムプーリ23には、ハウジン
グ30及びハウジングカバー31がボルト32により一
体回転可能に取付けられている。また、吸気カムプーリ
23の外周には、タイミングベルト22を掛装するため
の外歯23aが多数形成されている。
【0029】そして、吸気カム軸19が回動自在に上記
ハウジングカバー31を貫通し、吸気カム軸19に固設
されたべーンロータ28の各べーン28aが吸気カムプ
ーリ23と一体のハウジング30に形成された3つの扇
状空間部33に回動自在に収納される。各扇状空間部3
3は、それぞれべーン28aによって進角室33aと遅
角室33bとに区画される。
【0030】上記進角室33aは、それぞれベーンロー
タ28、吸気カム軸19、シリンダヘッド2に形成され
た進角側オイル通路28b,19b,34を介してOC
V36R(36L)のAポート36aに連通され、ま
た、遅角室33bは、それぞれベーンロータ28、吸気
カム軸19、シリンダヘッド2に形成された遅角側オイ
ル通路28c,19c,35を介してOCV36R(3
6L)のBポート36bに連通されている。
【0031】また、OCV36R(36L)は、更に、
オイルパン37からオイルポンプ38、オイルフィルタ
39を介してオイルすなわち所定の油圧が供給されるオ
イル供給通路40に接続するオイル供給ポート36c
と、2つのドレイン通路41,42にそれぞれ連通する
ドレインポート36d,36fとを有し、4つのランド
及び各ランド間に形成された3つのパッセージを有する
スプール36gを軸方向に往復動させることで、Aポー
ト36a,Bポート36bと、オイル供給ポート36
c、ドレインポート36dまたは36fとを選択的に連
通する。
【0032】すなわち、このOCV36R(36L)
は、リニアソレノイド弁あるいはデューティソレノイド
弁等からなり、スプール36gを軸方向に往復移動させ
ることによりオイルの流れ方向を切換える4方向制御弁
である。そして、OCV36R(36L)は、後述のE
CU60により電流制御あるいはデューティ制御される
ことにより、その開度が調整され、各進角室33a、遅
角室33bに供給する油圧の大きさが調整される。
【0033】なお、符号28dは、ベーンロータ28の
ベーン28aに押通されたストッパピンであり、VVT
が最遅角状態のとき(図4参照)、ハウジング30に形
成された孔30aに係合して位置決めを行う。
【0034】なお、図3はVVT27の最進角状態を示
し、図4はVVT27の最遅角状態を示す。
【0035】ここで、VVT27の動作について説明す
ると、詳しくは後述するが、クランク軸18に軸着され
てクランク軸18に同期して回転するクランクロータ4
3に所定クランク角毎に形成された突起43a,43
b,43c(図8参照)によるクランク角指標を検出し
クランク角を表すクランクパルスを出力する第1の回転
位置検出センサとしてのクランク角センサ44と、吸気
カム軸19の後端に固設され吸気カム軸19に同期して
回転するカムロータ45に等角度毎に複数形成された突
起45a(図10参照)によるカム位置指標を検出しカ
ム位置を表すカム位置パルスを出力する第2の回転位置
検出センサとしてのカム位置センサ46R(46L)と
を備えている。そして、クランク角センサ44から出力
されるクランクパルス、及び、カム位置センサ46R
(46L)から出力されるカム位置パルスをECU60
に入力し、該ECU60によって、クランクパルスとカ
ム位置パルスとに基づいて基準クランク角に対する吸気
カム位置の回転位相、すなわち、クランク軸18に対す
る吸気カム軸19の回転位相がエンジン運転状態に基づ
き設定した回転位相の目標値(目標バルブタイミング)
に収束するようVVT27をフィードバック制御する。
【0036】本実施の形態においては、VVT27を吸
気カム軸19側にのみ設け、図5に示すように、排気バ
ルブ26の開閉タイミングに対し、吸気バルブ25の開
閉タイミングを変更する。
【0037】例えば、図6に示すように、エンジン運転
状態として、エンジン回転数NEとエンジン負荷を表す
基本燃料噴射パルス幅Tp(=K×Q/NE;Qは吸入
空気量、Kはインジェクタ特性補正定数)とを採用し、
低負荷低回転のアイドル時においては、吸気バルブ25
の開閉タイミングを遅角化して排気バルブ26と吸気バ
ルブ25とのオーバラップを減少させてアイドル回転安
定化を図る。また、高負荷運転時には、吸気バルブ25
の開閉タイミングを進角して排気バルブ26と吸気バル
ブ25とのオーバラップを増加させて掃気効率の向上に
よりエンジン出力の向上を図り、更に、アイドル等の低
回転を除く低、中負荷運転時には、燃費向上に最適なバ
ルブタイミングを得るようにする。
【0038】本実施の形態において、リニアソレノイド
弁によるOCV36R(36L)を採用する場合、OC
V36R(36L)に対しECU60から出力する電流
値が大きい程、スプール36gは、図3に示すように左
方向に移動(進角化)し、電流値が小さいほど、図4に
示すように右方向に移動(遅角化)する。当該OCV3
6R(36L)では、駆動電流(制御電流値)が100
mA〜1000mAの間で制御されてスプール36gの
ストロークが変更される。そして、これにより進角側オ
イル通路34あるいは遅角側オイル通路35とオイル供
給通路40との接続量や、進角側オイル通路34あるい
は遅角側オイル通路35とドレインポート36d,36
fとの接続量が0〜100%の間で変更され、吸気カム
軸19に固設されたベーンロータ28の最進角側あるい
は最遅角側への移動速度が変更される。
【0039】すなわち、エンジン運転状態に基づいて設
定した目標バルブタイミング(回転位相目標値)に対
し、クランク角センサ44から出力されるクランクパル
ス、及び、カム位置センサ46R(46L)から出力さ
れるカム位置パルスとに基づいて基準クランク角に対す
る吸気カム位置の回転位相、すなわち、クランク軸18
に対する吸気カム軸19の回転位相(変位角度)が進角
しているときには、ECU60は、OCV36R(36
L)に出力する電流値を減少し、VVT27の作動によ
りクランク軸18に対する吸気カム軸19の回転位相
(変位角度)を遅角させる。
【0040】ここで、電流量が減少すると、OCV36
R(36L)のスプール36gが図の右方向に移動し、
Aポート36aとドレインポート36dとが連通するこ
とで、VVT27の進角室33aが進角側オイル通路2
8b,19b,34,OCV36R(36L)を介して
ドレイン通路41に連通する。また、これと共に、Bポ
ート36bとオイル供給ポート36cとが連通すること
で、VVT27の遅角室33bが遅角側オイル通路28
c,19c,35,OCV36R(36L)を介してオ
イル供給通路40に連通する。
【0041】これにより、VVTの進角室33a内のオ
イルのドレインにより進角室33aに作用する油圧が低
下すると共に、遅角室33bにオイルが供給されて遅角
室33bに作用する油圧が上昇するため、図4に示すよ
うに、ベーンロータ28が図の反時計回り方向に回動
し、吸気カムプーリ23に対する吸気カム軸19の回転
位相、すなわち、クランク軸18に対する吸気カム軸1
9の回転位相(変位角度)が遅角化されて、吸気カム軸
19の吸気カム19aによって駆動される吸気バルブ2
5の開閉タイミングが遅角される。
【0042】一方、逆に、目標バルブタイミングに対
し、基準クランク角に対する吸気カム位置の回転位相、
すなわち、クランク軸18に対する吸気カム軸19の回
転位相(変位角度)が遅角しているときには、ECU6
0は、OCV36R(36L)に出力する電流量を増加
し、VVT27の作動によりクランク軸18に対する吸
気カム軸19の回転位相(変位角度)を進角させる。
【0043】すなわち、電流値が増加すると、OCV3
6R(36L)のスプール36gが図の左方向に移動
し、Aポート36aとオイル供給ポート36cとが連通
することで、VVT27の進角室33aが進角側オイル
通路28b,19b,34,OCV36R(36L)を
介してオイル供給通路40に連通する。また、これと共
に、Bポート36bとドレインポート36fとが連通す
ることで、VVT27の遅角室33bが遅角側オイル通
路28c,19c,35、OCV36R(36L)を介
してドレイン通路42に連通する。
【0044】その結果、VVTの進角室33aにオイル
が供給されて進角室33aに作用する油圧が上昇すると
共に、遅角室33b内のオイルのドレインにより遅角室
33bに作用する油圧が低下するため、図3に示すよう
に、ベーンロータ28が図の時計回り方向に回動し、吸
気カムプーリ23に対する吸気カム軸19の回転位相、
すなわち、クランク軸18に対する吸気カム軸19の回
転位相(変位角度)が進角化されて、吸気カム軸19の
吸気カム19aによって駆動される吸気バルブ25の開
閉タイミングが進角される。
【0045】以上によって、エンジン運転状態に基づき
設定した回転位相目標値(目標変位角度)である目標バ
ルブタイミングに対し、クランク軸18に対する吸気カ
ム軸19の回転位相(変位角度)が収束するように、V
VT27がフィードバック制御される。
【0046】なお、本実施の形態においては、図7
(a)に示すように、各気筒の吸気バルブ25、排気バ
ルブ26のうち前側の吸気バルブ25、排気バルブ26
において、排気バルブ26に対する吸気バルブ25の最
遅角時のバルブオーバラップ量は、6°CAに設定さ
れ、最進角時のバルブオーバラップ量は56°CAに設
定されている。また、図7(b)に示すように、各気筒
の吸気バルブ25、排気バルブ26のうち後側の吸気バ
ルブ25、排気バルブ26において、排気バルブ26に
対する吸気バルブ25の最遅角時のバルブオーバラップ
量は、10°CAに設定され、最進角時のバルブオーバ
ラップ量は60°CAに設定されている。
【0047】従って、本形態においては、各吸気カム軸
19のクランク軸18(吸気カムプーリ23)に対する
回転位相は、VVT27によって、最大50°CA変化
する。
【0048】次に、エンジン運転状態を検出するための
センサ類について説明する。
【0049】吸気管6のエアクリーナ7の直下流には、
ホットワイヤあるいはホットフイルム等を用いた熱式の
吸入空気量センサ47が介装され、スロットルチャンバ
5に配設されたスロットル弁5aにスロットル開度セン
サ48が連設されている。
【0050】また、エンジン1のシリンダブロック1a
にノックセンサ49が取付けられ、シリンダブロック1
aの左右両バンクを連通する冷却水通路50には、エン
ジン1の温度を検出する温度検出手段としての冷却水温
センサ51が臨まされている。さらに、触媒コンバータ
16の上流にはO2 センサ52が配設されている。
【0051】また、エンジン1のクランク軸18に軸着
するクランクロータ43の外周にクランク角センサ44
が対設され、更に、クランク軸18に対し1/2回転す
る吸気カムプーリ23の裏面に気筒判別センサ53が対
設され(図2参照)、吸気カム軸19の後端に固設され
たカムロータ45の外周にカム位置センサ46R(46
L)が対設されている。
【0052】上記クランクロータ43は、図8に示すよ
うに、その外周に突起43a,43b,43cが形成さ
れ、これらの各突起43a,43b,43cが、各気筒
(#1、#2気筒と#3、#4気筒)の圧縮上死点前
(BTDC)θ1、θ2、θ3の位置に形成されてい
る。本形態においては、θ1=97°CA、θ2=65
°CA、θ3=10°CAである。
【0053】また、図9に示すように、吸気カムプーリ
23の裏面の外周側に、気筒判別用の突起23b,23
c,23dが形成され、突起23bが#3、#4気筒の
圧縮上死点後(ATDC)θ4の位置に形成され、突起
23cが3個の突起で構成されて最初の突起が#1気筒
のATDCθ5の位置に形成されている。更に、突起2
3dが2個の突起で形成され、最初の突起が#2気筒の
ATDCθ6の位置に形成されている。なお、本形態に
おいては、θ4=20°CA、θ5=5°CA, θ6=
20°CAである。また、これら気筒判別用の突起23
b,23c,23d、及び、気筒判別センサ53は、一
方のバンクのみに設けられる。
【0054】さらに、本形態で採用するエンジン1が4
気筒エンジンであるのに対応して、上記カムロータ45
は、図10に示すように、その外周にカム位置検出用の
突起45aが180°CAの等角度毎に1個づつ計4個
形成されている。そして、これら各突起45aは、VV
T27の作動によって、各気筒の圧縮上死点を基準とし
て、θ7=BTDC40°CA〜ATDC10°CAの
間で変化する。なお、図10においては、RH側の吸気
カム軸19に固設されているカムロータ45を示すが、
LH側の吸気カム軸19にも、同様に、その外周にカム
位置検出用の突起45aが180°CAの等角度毎に4
個形成されており、これら各突起45aは、VVT27
の作動によって、各気筒の圧縮上死点を基準として、θ
8=BTDC40°CA〜ATDC10°CAの間で変
化する。
【0055】そして、図11のタイムチャートに示すよ
うに、エンジン運転に伴い、クランク軸18、吸気カム
プーリ23、及び吸気カム軸19の回転により、クラン
クロータ43及びカムロータ45が回転して、クランク
ロータ43の各突起43a,43b,43cがクランク
角センサ44によって検出され、クランク角センサ44
からθ1,θ2、θ3(BTDC97°, 65°, 10
°CA)の各クランクパルスがエンジン1/2回転(1
80°CA)毎に出力される。また、θ3クランクパル
スとθ1クランクパルスとの間で吸気カムプーリ23の
各突起23b,23c,23dが気筒判別センサ53に
よって検出され、気筒判別センサ53から所定数の気筒
判別パルスが出力される。
【0056】一方、VVT27によってクランク軸18
に対し回転位相が変化する右バンク、左バンクの各吸気
カム軸19の後端に固設されたカムロータ45の各突起
45aがカム位置センサ46R,46Lによって検出さ
れ、カム位置センサ46R,46Lからそれぞれθ7,
θ8のカム位置パルスが出力される。
【0057】そして、以下のエンジン制御用のECU6
0において、クランク角センサ44から出力されるクラ
ンクパルスの入力間隔時間に基づいてエンジン回転数N
Eを算出し、また、各気筒の燃焼行程順(例えば、#1
気筒→#3気筒→#2気筒→#4気筒)と、気筒判別セ
ンサ53からの気筒判別パルスをカウンタによって計数
した値とのパターンに基づいて、燃焼行程気筒、燃料噴
射対象気筒や点火対象気筒の気筒判別を行う。
【0058】さらに、ECU60は、クランク角センサ
44から出力されるクランクパルス(例えば、θ1パル
ス)、及び、カム位置センサ46R,46Lから出力さ
れるθ7、θ8カム位置パルスとに基づいて基準クラン
ク角に対する吸気カム位置の回転位相(変位角度)を算
出する。ここで、エンジン回転数NEから単位角度当た
りの回転時間を求めることができ、この単位角度回転当
たりの時間に、θ7、θ8カム位置パルスが入力してか
らθ1クランクパルスが入力するまでの時間を乗算する
ことで、基準クランク角に対する吸気カム位置の回転位
相(変位角度)、すなわち、クランク軸18に対する各
吸気カム軸19の回転位相(変位角度)を算出すること
が可能である。
【0059】上記ECU60は、前述のインジェクタ1
1、点火プラグ12、ISC弁10、VVT27に供給
する油圧を調節するためのOCV36R,36L等のア
クチュエータ類に対する制御量の演算、制御信号の出
力、すなわち、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル
回転数制御、吸気バルブ25に対するバルブタイミング
制御(VVT制御)等を行うものであり、図12に示す
ように、CPU61、ROM62、RAM63、バック
アップRAM64、カウンタ・タイマ群65、及びI/
Oインターフェイス66がバスラインを介して接続され
るマイクロコンピュータを中心として構成され、各部に
安定化電源を供給する定電圧回路67、上記I/Oイン
ターフェイス66に接続される駆動回路68、A/D変
換器69等の周辺回路が内蔵されている。
【0060】なお、上記カウンタ・タイマ群65は、フ
リーランカウンタ、気筒判別センサ信号(気筒判別パル
ス)の入力計数用カウンタ等の各種カウンタ、燃料噴射
用タイマ、点火用タイマ、定期割込みを発生させるため
の定期割込み用タイマ、クランク角センサ信号(クラン
クパルス)の入力間隔計時用タイマ、及びシステム異常
監視用のウォッチドッグタイマ等の各種タイマを便宜上
総称するものであり、その他、各種のソフトウェアカウ
ンタ・タイマが用いられる。
【0061】上記定電圧回路67は、2回路のリレー接
点を有する電源リレー70の第1のリレー接点を介して
バッテリ71に接続され、電源リレー70は、そのリレ
ーコイルの一端が接地され、リレーコイルの他端が駆動
回路68に接続されている。なお、電源リレー70の第
2のリレー接点には、バッテリ71から各アクチュエー
タに電源を供給するための電源線が接続されている。バ
ッテリ71には、イグニッションスイッチ72の一端が
接続され、このイグニッションスイッチ72の他端がI
/Oインターフェイス66の入力ポートに接続されてい
る。
【0062】さらに、上記定電圧回路67は、直接、バ
ッテリ71に接続されており、イグニッションスイッチ
72のONが検出されて電源リレー70の接点が閉とな
ると、ECU60内の各部へ電源を供給する一方、イグ
ニッションスイッチ72のON,OFFに拘らず、常
時、バックアップRAM64にバックアップ用の電源を
供給する。
【0063】上記I/Oインターフェイス66の入力ポ
ートには、ノックセンサ49、クランク角センサ44、
気筒判別センサ53、カム位置センサ46R,46L、
車速を検出するための車速センサ54(車速検出手段)
が接続されており、更に、A/D変換器69を介して、
吸入空気量センサ47、スロットル開度センサ48、冷
却水温センサ51、及びO2 センサ52が接続されると
共に、バッテリ電圧VBが入力されてモニタされる。
【0064】一方、上記I/Oインターフェイス66の
出力ポートには、ISC弁10、インジェクタ11、O
CV36R,36L、及び、電源リレー70のリレーコ
イルが上記駆動回路68を介して接続されると共に、イ
グナイタ内蔵イグニッションコイル13のイグナイタが
接続されている。
【0065】また、上記I/Oインターフェイス66に
は、外部接続用コネクタ75が接続されており、この外
部接続用コネクタ75にシリアルモニタ(携帯型故障診
断装置)80を接続することで、シリアルモニタ80に
よってECU60における入出力データ、及び、ECU
60の自己診断機能により上記バックアップRAM64
にストアされた故障内容を示すトラブルデータを読み出
して診断可能としている。更に、シリアルモニタ80に
よって、上記トラブルデータのイニシャルセット(クリ
ア)が行えるようになっている。
【0066】なお、このシリアルモニタ80によるトラ
ブルデータの診断、及びイニシャルセットについては、
本出願人による特公平7−76730号公報に詳述され
ている。
【0067】上記ECU60は、ROM62に記憶され
ている制御プログラムに従って、I/Oインターフェイ
ス66を介して入力されるセンサ・スイッチ類からの検
出信号、及びバッテリ電圧等をCPU61で処理すると
共に、RAM63に格納される各種データ、バックアッ
プRAM64に格納されている各種学習値データ、及び
ROM62に記憶されている固定データ等に基づき、燃
料噴射量、点火時期、ISC弁10に対する制御信号の
デューティ比、OCV36R,36Lに対する制御電流
値等を演算し、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル
回転数制御、バルブタイミング制御(VVT制御)等の
エンジン制御を行う。
【0068】ここで、上述のように、バルブタイミング
制御においては、クランク角センサ44から出力される
クランクパルスと、カム位置センサ46R(46L)か
ら出力されるカム位置パルスとに基づいて基準クランク
角に対する吸気カム位置の回転位相、すなわち、クラン
ク軸18に対する吸気カム軸19の回転位相が、エンジ
ン運転状態に基づいて設定した目標バルブタイミングに
収束するようOCV36R,36Lに対する制御電流値
を演算し、この制御電流をOCV36R,36Lに出力
して、VVT27をフィードバック制御する。
【0069】さらに、ECU60では、高速走行時のオ
ーバースピードを防止するため、目標バルブタイミング
を車速VSPによっても制御して車速を制限するように
している。すなわち、ECU60は、車速VSPと車速
制限目標値とを比較し、車速VSPが所定の車速制限目
標値を越えた場合に、目標バルブタイミングを予め設定
した進角設定値(あるいは遅角設定値)に変化させエン
ジン出力を規制する。このため、車速VSPが車速制限
目標値を越える程の高速となると、エンジン出力が抑制
され、それに伴って車速VSPが抑制され最高車速が制
限される。従って、本実施の形態においては、ECU6
0は、車速VSPをモニタし、その値が所定以上の高速
となったとき、最高車速制限が必要と判断し、目標バル
ブタイミングを進角あるいは遅角化する。つまり、EC
U60は、目標バルブタイミングの進角あるいは遅角化
によりエンジン出力を抑制し、車速VSPの最高車速制
限を実行する。
【0070】また、ECU60は、通常制御から出力抑
制制御への移行時と、出力抑制制御から通常制御への移
行時との少なくとも何れか一方において、目標バルブタ
イミングを漸次的に変更させることによりバルブタイミ
ングを漸次的に変化させ、バルブタイミングの急変に伴
うエンジン出力の急変によるトルクショックを抑制す
る。
【0071】さらに、ECU60は、車速制限目標値
を、第1の目標値である車速上昇時用の車速制限目標値
VSPS1と、第2の目標値である車速下降時用の車速制
限目標値VSPS0とに分けて設定し、エンジンの制御形
態を、車速が車速制限目標値VSPS1を越えたとき通常
制御から出力抑制制御へ移行させ、車速制限目標値VS
PS0を下回ったとき出力抑制制御から通常制御へ移行さ
せることにより、車速上昇時と車速下降時とでヒステリ
シスをもってバルブタイミング制御を行い、制御形態の
切り換わりハンチングを防止し、バルブタイミング制御
の制御性向上を図る。
【0072】また、ECU60は、燃料カット設定値を
予め設定しておき、車速が燃料カット設定値を越えたと
き燃料カットを行って車速を制限することにより、バル
ブタイミング制御と燃料カットを併用して車速を制限
し、トルクショックを抑制しつつ確実に最高車速を制限
する。
【0073】さらに、ECU60は、車速制限目標値を
燃料カット設定値よりも低速に設定し、車速が車速制限
目標値を越えると、まず、バルブタイミングを変化させ
てエンジン出力を抑制し、しかる後、車速が燃料カット
設定値を越えたとき、燃料カットを行うことで、車速を
制限することにより、制御の整合性を図り、確実にバル
ブタイミング制御による出力抑制制御を実行してから、
燃料カットに移行する。加えて、ECU60は、燃料カ
ットを気筒別に段階的に実行し、トルクショックの発生
をより確実に抑制する。
【0074】すなわち、ECU60、及び、ECU60
に接続されるセンサ類・アクチュエータ類によって、本
発明に係る車速検出手段、運転状態検出手段、バルブタ
イミング制御手段、車速制限手段、燃料噴射制御手段、
及び、燃料カット手段としての機能を実現する。
【0075】以下、ECU60によって実行される本発
明の実施の形態1に係る最高車速制御について、図1
3, 15に示すフローチャートに従って説明する。図1
3は、車速制限判別ルーチンを示すフローチャート、図
15は、可変バルブタイミング制御ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【0076】先ず、イグニッションスイッチ72がON
され、ECU60に電源が投入されると、システムがイ
ニシャライズされ、バックアップRAM64に格納され
ているトラブルデータ及び各種学習値等のデータを除
く、各フラグ、各カウンタ類が初期化される。そして、
スタータスイッチ(図示せず)がONされてエンジン1
が起動すると、所定時間(例えば、10msec)毎に、図
13に示す車速制限判別ルーチンが実行される。
【0077】ここではまずステップS1にて、バルブタ
イミング制御切換フラグFBTがセットされている(FBT
=1)か否かを判別する。このバルブタイミング制御切
換フラグFBTは、後述するように、車速VSPが所定の
車速制限目標値を越えたときセットされ、それがセット
されている場合は、現在、車速制限のためエンジン出力
の抑制制御が実行されていることを意味している。従っ
て、バルブタイミング制御切換フラグFBTがクリアされ
ているときは(FBT=0)、出力抑制制御が現在実行さ
れておらず通常制御が実行されていることを意味し、こ
の場合にはステップS2に進み、現在の車速VSPと車
速上昇時における車速制限目標値VSPS1(例えば、1
74km/h)とが比較される。
【0078】ここで、車速制限目標値には車速上昇時に
おける車速制限目標値VSPS1(第1の目標値)と、車
速下降時における車速制限目標値VSPS0(第2の目標
値)が設定されている。すなわち、本実施の形態では、
車速制限目標値VSPS1として174km/hが、ま
た、車速制限目標値VSPS0として172km/hが設
定されており、図14に示すように、速度が上昇して1
74km/h以上となったとき、バルブタイミング制御
切換フラグFBTがセットされて(FBT←1)エンジン出
力抑制制御が実行される。一方、エンジン出力抑制制御
の実行中に、車速が減少して172km/h未満となっ
たときには、バルブタイミング制御切換フラグFBTがク
リアされて(FBT←0)出力抑制制御が解除される。こ
の場合、車速上昇時と下降時とで異なる制限値を設定し
たのは、両者を同じ値とすると、その値にて上昇時と下
降時の制御が錯綜して制御ハンチングを生じるためであ
り、車速上昇時と車速下降時とで異なる値を設定するこ
とでヒステリシスを設け、通常制御と出力抑制制御との
間の切換わりハンチングを防止するようにしている。な
お、本実施の形態では、例えば最高車速を180km/
h以下に抑えるべく、車速が180km/hとなる以前
に制御を開始するため車速上昇時の車速制限目標値VS
PS1を174km/hとしているが、その値はあくまで
も一例であり、本発明が前記数値に限定されないのは言
うまでもない。また、車速制限目標値VSPS0について
も同様である。
【0079】次に、ステップS2にて、現在の車速VS
Pと車速制限目標値VSPS1が比較され、車速VSPが
車速制限目標値VSPS1以上となっている場合には、車
速の制限が必要と判断し、ステップS3に進み、バルブ
タイミング制御切換フラグFBTをセットして(FBT←
1)、ルーチンを抜ける。一方、現在の車速VSPが車
速制限目標値VSPS1未満の場合には、車速の制限は不
要であり通常制御にて対応可能と判断し、ステップS4
に進み、バルブタイミング制御切換フラグFBTをクリア
して(FBT←0)、ルーチンを抜ける。
【0080】これに対し、ステップS1にてバルブタイ
ミング制御切換フラグFBTがセットされている(FBT=
1)場合には、現在、エンジン出力抑制制御が実行中で
あるため、ステップS5に進み、現在の車速VSPと車
速下降時における車速制限目標値VSPS0とが比較され
る。そして、現在の車速VSPが車速制限目標値VSP
S0以上の場合には、車速の制限が依然必要と判断し、ス
テップS3に進み、バルブタイミング制御切換フラグF
BTをセット状態で維持する(FBT←1)。一方、現在の
車速VSPが車速制限目標値VSPS0未満となった場合
には、出力抑制制御により車速VSPが車速制限目標値
VSPS0より低くなり通常制御にて対応可能と判断し、
ステップS4に進み、バルブタイミング制御切換フラグ
FBTをクリアする(FBT←0)。
【0081】このように図13に示した車速制限判別ル
ーチンにより、車速VSPをモニタしつつ、バルブタイ
ミング制御切換フラグFBTがセットあるいはクリアされ
る一方、図15の可変バルブタイミング(VVT)制御
ルーチンが、所定周期毎に実行される。
【0082】図15のルーチンは、バルブタイミング制
御切換フラグFBTを参照しつつ、エンジン出力を制御し
て車速の制限を行うものであり、ここでは先ず、ステッ
プS11にてバルブタイミング制御切換フラグFBTの状
態を確認する。ここでバルブタイミング制御切換フラグ
FBTがセットされている場合(FBT=1)には、ステッ
プS12〜S17に進み、エンジン出力抑制制御が実行
され、目標バルブタイミングVTTGT が、車速制限用に
予め設定された進角設定値VTHまで漸次強制的に進角
化される。
【0083】ここで、進角設定値VTHは、エンジン出
力の抑制により最高車速を制限するため、通常制御時に
エンジン運転状態に応じて設定される目標バルブタイミ
ングVTTGT よりも遅角側に設定され、予めシミュレー
ション或いは実験等により求めたエンジン出力を抑制し
て最高車速を制限するに適正なバルブタイミング値が、
ROM62に固定データとしてメモりされている。尚、
簡易的には、進角設定値VTHを最進角値により設定し
てもよい。
【0084】一方、バルブタイミング制御切換フラグF
BTがクリアされている場合(FRT=0)には、後述す
る移行制御フラグFV0が確認され、これがセットされて
いる場合には、ステップS21〜S24により、目標バ
ルブタイミングVTTGT が漸次遅角化されてエンジン状
態に応じたバルブタイミングに戻される。また、移行制
御フラグFV0がクリアされている場合には、ステップS
18, S19及びステップS25〜S27に進み、通常
制御が実行される。
【0085】そこで、バルブタイミング制御切換フラグ
FBTがセットされている場合(FBT=1)には、ステ
ップS12に進み、先ず目標バルブタイミングVTTG
T と進角設定値VTHとが比較される。そして、目標
バルブタイミングVTTGT が進角設定値VTH未満の場
合にはステップS13に進み、目標バルブタイミングV
TTGT に微少量の設定値VTMを加算する。一方、目標
バルブタイミングVTTGT が進角設定値VTH以上の場
合にはステップS14にジャンプする。
【0086】次に、ステップS14にて、目標バルブタ
イミングVTTGT と進角設定値VTHとが再度比較さ
れ、目標バルブタイミングVTTGT が進角設定値VTH
以下の場合、すなわち、ステップS12, S14による
比較の結果、目標バルブタイミングVTTGT が進角設定
値VTHと等しいときには、そのままステップS16に
ジャンプし、移行制御フラグFV0をセットして(FV0←
1)、続くステップS17で、現在設定されている目標
バルブタイミングVTTGT を、出力抑制時におけるバル
ブタイミングVTTGT0として設定し、ステップS25に
進む。この場合、移行制御フラグFV0は、車速制限のた
め、エンジン制御形態を通常制御から出力抑制制御に移
行させたことを示すフラグであり、車速VSPの下降に
より出力抑制制御から通常制御に移行した時に、進角設
定値VTHによる目標バルブタイミングVTTGT をエン
ジン運転状態に応じ設定される目標バルブタイミングに
漸次的に復帰させる移行制御を指示する。本実施の形態
では、この移行制御フラグFV0は、図14に示すよう
に、車速VSPが車速制限目標値VSPS1(174km
/h)以上となって出力抑制制御に移行し、図15のル
ーチンにおけるステップS12〜ステップS15にて目
標バルブタイミングVTTGT を進角化させ始めた時点で
セットされる。
【0087】一方、目標バルブタイミングVTTGT が進
角設定値VTHを越えている場合には、ステップS15
に進み、目標バルブタイミングVTTGT を進角設定値V
THにより上限規制し、S16に進んで移行制御フラグ
FV0をセットしてステップS17を経て、ステップS2
5に進む。このように、車速VSPが車速制限目標値V
SPS1以上となり、FBT=1によりエンジン出力抑制制
御に移行した場合、本実施の形態では、ステップS12
〜S15において目標バルブタイミングVTTGT を、予
め設定された進角設定値VTHに達するまでの間、図1
5のルーチン実行毎に、設定値VTMずつ増加させる。
すなわち、車速VSPが車速制限目標値VSPS1以上と
なると、ステップS12〜S15の処理により設定され
た目標バルブタイミングVTTGT に対する実バルブタイ
ミングVTのフィードバック制御により図14に示すよ
うに、進角量が設定値VTMずつ漸次変化して進角設定
値VTHに至ることになる。
【0088】ステップS25に進むと、カム位置センサ
46R(46L)やクランク角センサ44の出力に基づ
き、現在の実際のバルブタイミングを示す実バルブタイ
ミングVTを算出する。そして、続くステップS26
で、実バルブタイミングVTと現在の目標バルブタイミ
ングVTTGT との差に応じてOCV36R(36L)に
対する制御電流値IVTを算出する。すなわち、目標バ
ルブタイミングVTTGTに対する実バルブタイミングV
Tの差(VTTGT −VT)に比例ゲインKを乗じたもの
を、OCV36R(36L)の保持電流値IVTHに加
えて制御電流値IVTが算出される。
【0089】そして、ステップS27にて、この制御電
流値IVTをセットしてルーチンを抜ける。これによ
り、制御電流値IVTによる駆動信号がOCV36R
(36L)に出力されてOCV36R(36L)のスプ
ール36gのストロークが変更され、VVT27の進角
室33aにオイルが供給されて進角室33aに作用する
油圧が上昇すると共に、遅角室33b内のオイルのドレ
インにより遅角室33bに作用する油圧が低下して、バ
ルブタイミングが進角化される。すなわち、車速VSP
が車速制限目標値VSPS1以上となると、バルブタイミ
ングが通常よりも漸次的に進角し、これによりエンジン
1の充填効率が低下してエンジン出力が漸次的に低下す
る。このため、トルクショックを抑制しつつ、最高車速
の制限を実行することが可能となる。また、バルブタイ
ミングの変更によってエンジン出力を抑制するので、急
激な空燃比のリーン化を抑えて、空燃比の急激なリーン
化に起因する触媒等の排気系の異常過熱を防止すること
ができる。
【0090】次に、ステップS11にて、バルブタイミ
ング制御切換フラグFBTがクリアされている場合(FBT
=0)には、ステップS18に進み、移行制御フラグF
V0が確認される。このとき、移行制御フラグFV0がセッ
トされている場合(FV0=1)は、ステップS21に進
み、出力抑制制御から通常制御への移行が図られる。す
なわち、FBT=0且つFV0=1の場合は、出力抑制制御
実行中に車速VSPが車速制限目標値VSPS0未満とな
った場合であり、そこでは出力抑制制御の解除が必要と
なる。そこで、本実施の形態では、出力抑制制御中に設
定された目標バルブタイミングVTTGT =VTTGT0を、
漸次的に、エンジン負荷とエンジン回転数とによるエン
ジン運転状態に基づいて求めた目標バルブタイミングV
TTGT に遅角化させる。
【0091】そこで、本実施の形態では先ず、ステップ
S21で、出力抑制時のバルブタイミングVTTGT0か
ら、微少量の設定値VTNを減算し、該バルブタイミン
グVTTGT0を更新設定する。
【0092】次に、ステップS19に進み、エンジン運
転状態として、エンジン負荷を示す基本燃料噴射パルス
幅Tpとエンジン回転数NEの現在値に基づき、ROM
62に予め格納されたテーブルを検索し、補間計算によ
り現在値による目標バルブタイミングVTTGT を設定
し、ステップS20に進む。ステップS20では、再
度、移行制御フラグFV0が確認され、移行制御フラグF
V0がセットされている場合(FV0=1)には、ステップ
S22に進む。
【0093】ステップS22では、ステップS19にて
求めた目標バルブタイミングVTTGT と、ステップS2
1にて算出したバルブタイミングVTTGT0とが比較され
る。このとき、目標バルブタイミングVTTGT がバルブ
タイミングVTTGT0未満の場合には、ステップS23に
進み、目標バルブタイミングVTTGT としてバルブタイ
ミングVTTGT0を設定し(VTTGT ←VTTGT0)、ステ
ップS25以下へと進む。すなわち、このとき目標バル
ブタイミングVTTGT として、ステップS21にて設定
値VTNを減算して求めたバルブタイミングVTTGT0が
設定され、この値に基づいてステップS25〜S27に
て、目標バルブタイミングVTTGT に対する実バルブタ
イミングVTのフィードバック制御処理によりOCV3
6R(36L)に対する制御電流値IVTが算出、設定
されルーチンを抜ける。
【0094】一方、ステップS22において、目標バル
ブタイミングVTTGT がバルブタイミングVTTGT0以上
となった場合には、ステップS24に進んで移行制御フ
ラグFV0をクリアし(FV0←0)、ステップS25以下
へと進む。すなわち、バルブタイミングVTTGT0を設定
値VTNずつ漸次減少設定し、バルブタイミングVTTG
T0がエンジン運転状態に基づいて設定した目標バルブタ
イミングVTTGT に達した時点で、出力抑制制御を終了
し、実バルブタイミングVTとしてステップS19にて
設定した目標バルブタイミングVTTGT を設定する。
【0095】ステップS24にて移行制御フラグFV0が
クリア(FV0=0)された後は、ステップS18からス
テップS19, S20, S25と進み、エンジンは通常
制御状態に戻る。
【0096】従って、エンジン出力抑制制御により車速
VSPが車速制限目標値VSPS0未満となると、図13
のルーチンによりバルブタイミング制御切換フラグFBT
=0となり、ステップS11からステップS18側へと
進み、ステップS21〜S24の処理がなされ、図14
に示すように、バルブタイミングが設定値VTNずつ漸
次的に遅角して、エンジン運転状態に適応する目標バル
ブタイミングVTTGTに至り、通常制御に復帰する。す
なわち、バルブタイミングが、漸次的に、出力抑制制御
によるバルブタイミング(本実施例においては進角状
態)からエンジン運転状態に応じて設定されたバルブタ
イミングに戻される。従って、エンジン出力の急変によ
るトルクショックの発生を抑制しつつ、エンジンを出力
抑制制御状態から通常制御状態へと移行させることが可
能となる。
【0097】(実施の形態2)次に、実施の形態2とし
て、最高車速制限のために、バルブタイミング制御と燃
料カットとを併用した例について説明する。図16は、
そのフローチャートである。なお、実施の形態2の制御
を適用するエンジンの構成は実施の形態1と同様である
ため、その説明は省略する。また、VVT制御に関して
も、実施の形態1の図15に示したルーチンと同様であ
るため、その説明は省略する。
【0098】図16のルーチンにおいては、先ずステッ
プS31〜S35にて、図13と同様に、車速VSPが
所定の車速制限目標値と比較され、その結果に基づき図
15と同様の手順によりバルブタイミング制御が実行さ
れる。一方、このバルブタイミング制御によっても車速
が低下しない場合、さらにステップS36〜S49によ
り燃料カットによる車速制限が実行される。
【0099】ここではまずステップS31にて、バルブ
タイミング制御切換フラグFBTがセットされている(F
BT=1)か否かを判別する。そして、バルブタイミング
制御切換フラグFBTがクリアされている場合(FBT=
0)のときには、ステップS32に進み、現在の車速V
SPと車速上昇時における車速制限目標値VSPS1(例
えば、178km/h)とが比較される。
【0100】ステップS32にて、現在の車速VSPと
車速制限目標値VSPS1が比較され、車速VSPが車速
制限目標値VSPS1以上となっている場合には、車速の
制限が必要と判断し、バルブタイミング制御によるエン
ジン出力の抑制制御を行うべくステップS33に進み、
バルブタイミング制御切換フラグFBTをセットする(F
BT←1)。一方、現在の車速VSPが車速制限目標値V
SPS1未満の場合には、車速の制限は不要であり通常制
御にて対応可能と判断し、ステップS34に進み、バル
ブタイミング制御切換フラグFBTをクリアする(FBT←
0)。
【0101】これに対し、ステップS31にてバルブタ
イミング制御切換フラグFBTがセットされている(FBT
=1)場合には、現在、エンジン出力抑制制御が実行中
であるため、ステップS35に進み、現在の車速VSP
と車速下降時における車速制限目標値VSPS0(例え
ば、176km/h)とが比較される。そして、現在の
車速VSPが車速制限目標値VSPS0以上の場合には、
車速の制限が依然必要と判断し、ステップS33に進
み、バルブタイミング制御切換フラグFBTをセット状態
で維持する(FBT←1)。一方、現在の車速VSPが車
速制限目標値VSPS0未満となった場合には、出力抑制
制御により車速VSPが車速制限目標値VSPS0より低
くなり通常制御にて対応可能と判断し、ステップS34
に進み、バルブタイミング制御切換フラグFBTをクリア
する(FBT←0)。
【0102】ステップS31〜S35により、バルブタ
イミング制御の要否を判定した後、燃料カットによる車
速制限を行うためのルーチンに入る。この際、バルブタ
イミング制御によるエンジン出力抑制制御によって車速
が抑制され、車速制限目標値VSPS1, VSPS0よりも
高い値に設定された後述の燃料カット設定値VSPS3や
VSPS4以上とならなかった場合には燃料カットは行わ
ず、これに対し、バルブタイミングによる出力抑制制御
を行っても車速が低下せず、車速が燃料カット設定値V
SPS3以上となった場合に、先ず、ステップS36〜S
42において一部の気筒について燃料カットが指示さ
れ、さらにそれでも車速が低下せず燃料カット設定値V
SPS4以上となった場合には、ステップS43〜S49
にて全部の気筒について燃料カットが指示される。
【0103】そこで、先ずステップS36では、車速制
限のために一部の気筒に対する燃料カット(部分気筒燃
料カット)の実行を指示する車速制限部分気筒燃料カッ
トフラグFVSP1の値を参照し、前回ルーチン実行時に部
分気筒燃料カットが指示されているか否かを調べる。こ
の部分気筒燃料カットは、高速走行時のエンジン出力を
段階的に低下させるための部分的な燃料カットであり、
本実施の形態においては、部分気筒燃料カットは、#
3,#4気筒に対して実行される。なお、燃料カット
は、車速のみならず、高負荷高回転時や減速時等の他の
運転条件によっても実施されるため、ここでは、個別の
気筒に対する燃料カットフラグFCUT#i でなく、車速制
限部分気筒燃料カットフラグFVSP1を参照するようにし
ている。
【0104】そして、FVSP1=0で前回ルーチン実行時
に#3,#4気筒に対する燃料カットが指示されていな
いときには、ステップS37へ進んで車速VSPが燃料
カット設定値VSPS3以上か否かを調べ、また、FVSP1
=1で前回ルーチン実行時に#3,#4気筒に対する燃
料カットが指示されているときには、ステップS38へ
進んで車速VSPが燃料カット設定値VSPS2(VSP
S2<VSPS3)以上か否かを調べる。
【0105】上記各燃料カット設定値VSPS2, VSP
S3は、前述のバルブタイミング制御における車速制限目
標値よりも高い値に設定され、車速制限の燃料カットを
行う燃料カット設定値のうち、一部の気筒に対して燃料
カットを行う第1の設定値であり、本形態においては、
車速上昇時に#3,#4気筒に対して燃料カットを行う
ための上記燃料カット設定値VSPS3が186km/h
に設定され、車速下降時に#3,#4気筒の燃料カット
を解除するための燃料カット設定値VSPS2が184k
m/hに設定され、制御ハンチング防止のためにヒステ
リシスが設けられている。
【0106】その結果、上記ステップS37においてV
SP<VSPS3であり、#3,#4気筒に対する燃料カ
ットが実施されていない運転状態で車速VSPが燃料カ
ット開始の設定車速(本形態においては186km/
h)よりも低いとき、あるいは、上記ステップS38に
おいてVSP<VSPS2であり、#3,#4気筒に対す
る燃料カットが実施され、車速VSPが燃料カット解除
の設定車速(本形態においては184km/h)よりも
低下したときには、引続き#3,#4気筒に対する燃料
カットを非実行状態とすべく、あるいは、#3,#4気
筒に対する燃料カットを解除すべく、該当するステップ
からステップS39へ進んで、#3,#4気筒に対する
各燃料カットフラグFCUT#3,FCUT#4 を共にクリアした
後(FCUT#3 ←0、FCUT#4 ←0)、ステップS40で
車速制限部分気筒燃料カットフラグFVSP1をクリアし
(FVSP1←0)、ステップS43へ進む。
【0107】一方、上記ステップS37においてVSP
≧VSPS3であり、#3,#4気筒に対する燃料カット
が実施されていない運転状態で車速VSPが燃料カット
開始の設定車速以上となったとき、あるいは、上記ステ
ップS38においてVSP≧VSPS2であり、#3,#
4気筒に対する燃料カットが実施されても車速VSPが
燃料カット解除の設定車速より低下していないときに
は、部分気筒燃料カットを開始あるいは継続すべく該当
するステップからステップS41へ進み、#3,#4気
筒に対する各燃料カットフラグFCUT#3,FCUT#4 を共に
セットした後(FCUT#3 ←1、FCUT#4 ←1)、ステッ
プS42で車速制限部分気筒燃料カットフラグFVSP1を
セットし(FVSP1←1)、ステップS43へ進む。
【0108】ステップS43では、全気筒の燃料カット
を指示する全気筒燃料カットフラグFVSP2の値を参照し
て全気筒の燃料カットが指示されているか否かを調べ、
FVSP2=0で前回ルーチン実行時に全気筒の燃料カット
が指示されていないときには、ステップS44へ進んで
車速VSPが燃料カット設定値VSPS4(例えば、18
8km/h)以上か否かを調べ、FVSP2=1で前回ルー
チン実行時に全気筒の燃料カットが指示されているとき
には、ステップS45へ進んで車速VSPが前述の燃料
カット設定値VSPS3以上か否かを調べる。
【0109】上記各燃料カット設定値VSPS3, VSP
S4は、前述の燃料カット設定値における第1の設定値に
対し、全気筒の燃料カットを行うための第2の設定値で
あり、本形態においては、車速上昇時に#3,#4気筒
に加えて#1,#2気筒に対して燃料カットを行うため
の上記燃料カット設定値VSPS4が188km/hに設
定され、車速下降時に#1,#2気筒の燃料カットを解
除するための燃料カット設定値VSPS3は、車速上昇時
に#3,#4気筒に対して燃料カットを行う燃料カット
設定値で186km/hとなっており、第1の設定値に
おけるヒステリシス上限と第2の設定値におけるヒステ
リシス下限とを同じ値とすることで、部分気筒燃料カッ
トから全気筒燃料カットへ円滑に移行することができる
ようにしている。
【0110】なお、本形態では、燃料カット設定値の中
心値は燃料カット設定値VSPS3の186km/hとみ
なすことができるが、この値は、車輪のスリップによる
車速センサ54の誤差を考慮して若干高めに設定された
値であり、実際的には180km/hを中心値とした車
速制限を目標としている。
【0111】そして、上記ステップS44においてVS
P<VSPS4であり、全気筒の燃料カットが実施されて
いない運転状態で車速VSPが#1,#2気筒に対する
燃料カット開始の設定車速(本形態においては188k
m/h)よりも低いとき、あるいは、上記ステップS4
5においてVSP<VSPS3であり、全気筒に対する燃
料カットが実施され、車速VSPが#1,#2気筒の燃
料カットを解除する設定車速(本形態においては186
km/h)よりも低下したときには、引続き#1,#2
気筒に対する燃料カットを非実行状態とすべく、あるい
は、#1,#2気筒に対する燃料カットを解除すべく、
該当するステップからステップS46へ進んで、#1,
#2気筒に対する各燃料カットフラグFCUT#1,FCUT#2
を共にクリアした後(FCUT#1 ←0、FCUT#2 ←0)、
ステップS47で全気筒燃料カットフラグFVSP2をクリ
アし(FVSP2←0)、ルーチンを抜ける。
【0112】また、上記ステップS44においてVSP
≧VSPS4であり、全気筒の燃料カットが実施されてい
ない運転状態で車速VSPが#1,#2気筒に対する燃
料カット開始の設定車速以上となったとき、あるいは、
上記ステップS45においてVSP≧VSPS3であり、
全気筒に対する燃料カットが実施されても車速VSPが
#1,#2気筒の燃料カットを解除する設定車速より低
下していないときには、全気筒の燃料カットを開始ある
いは継続すべく該当するステップからステップS48へ
進み、#1,#2気筒に対する各燃料カットフラグFCU
T#1,FCUT#2 を共にセットした後(FCUT#1 ←1、FCU
T#2 ←1)、ステップS49で全気筒燃料カットフラグ
FVSP2をセットし(FVSP2←1)、ルーチンを抜ける。
【0113】すなわち、図18に示すように、車速VS
Pが178km/h以上となってバルブタイミング制御
によるエンジン出力抑制制御が実施されてエンジン出力
が抑制されても、更に車速VSPが上昇して186km
/h以上になると、#3,#4気筒に対してセットされ
た燃料カットフラグFCUT#3,FCUT#4 が、図17に示す
燃料噴射量設定ルーチンで参照されて#3,#4気筒の
燃料カットが行われ、図19に示す部分気筒燃料カット
状態のように、一点鎖線にて示したタイミングにて実行
される#3,#4気筒に対する燃料噴射がカットされ
る。さらに、車速VSPが188km/h以上になる
と、#1,#2気筒に対して燃料カットフラグFCUT#1,
FCUT#2 がセットされ、燃料噴射量設定ルーチンで参照
されて#1,#2気筒の燃料カットが追加されて全気筒
が燃料カットされ、図19に示す全気筒燃料カット状態
のように、一点鎖線にて示した#1〜#4気筒に対する
燃料噴射が全てカットされる。
【0114】この場合、図17の燃料噴射量設定ルーチ
ンは、所定周期毎に実行され、先ずステップS51で、
エンジン回転数NEと、吸入空気量センサ47からの出
力信号に基づく吸入空気量Qとから、基本燃料噴射量を
定める基本燃料噴射パルス幅Tpを算出する(Tp←K
×Q/NE;K…インジェクタ特性補正定数)。
【0115】次にステップS52へ進み、RAM63の
所定アドレスから今回の燃料噴射気筒#iの燃料カット
フラグFCUT#i を読出すと、ステップS53で燃料カッ
トフラグFCUT#i の値を参照して該当気筒#iに対する
燃料カットが指示されているか否かを調べる。
【0116】そして、ステップS53においてFCUT#i
=0であり、該当気筒#iに対する燃料カットが指示さ
れていないときには、ステップS54で燃料カット係数
KFCを1.0にセットして(KFC←1.0)ステップS
56へ進み、一方、FCUT#i=1で燃料カットが指示さ
れているときには、ステップS55で燃料カット係数K
FCを0にクリアして(KFC←0)ステップS56へ進
む。
【0117】ステップS56では、ステップS51で算
出した基本燃料噴射パルス幅Tpに、周知の冷却水温補
正、加減速補正、全開増量補正、アイドル後増量補正な
どに係わる各種増量分補正係数COEFや空燃比フィー
ドバック補正係数αを乗算して空燃比補正するととも
に、空燃比学習補正係数KBLRCを乗算して学習補正し、
更に、燃料カット係数KFCを乗算した後、バッテリ電圧
VBによって定まる無効パルス幅Tsを加算して電圧補
正し、最終的な燃料噴射量を定める燃料噴射パルス幅T
iを演算する(Ti←Tp×COEF×α×KBLRC×K
FC+Ts)、該当気筒#iに対する燃料パルス幅Ti。そ
して、この燃料噴射パルス幅Tiを該当気筒#iのイン
ジェクタ11に対する駆動パルス幅としてセットし、ル
ーチンを抜ける。
【0118】従って、該当気筒#iの燃料カットを指示
する燃料カットフラグFCUT#i がクリアされているとき
には(FCUT#i =0)、燃料カット係数KFCがKFC=
1. 0に設定されることで、エンジン運転状態に基づい
て設定された燃料カット補正無しのそのままの燃料噴射
パルス幅Tiによる駆動パルス信号が、所定タイミング
で該当気筒#iのインジェクタ11に出力されて、該当
気筒#iに対し燃料噴射パルス幅Tiに相当する量の燃
料が噴射される。
【0119】また、車速制限を行うべく該当気筒#iに
対する燃料カットフラグFCUT#i がセットされていると
きには(FCUT#i =1)、燃料カット係数KFCがKFC=
0に設定されることで、燃料噴射パルス幅TiがTi=
Tsとなって、実質的に該当気筒#iのインジェクタ1
1の駆動が停止され、該当気筒#iに対し燃料カットが
行われる。
【0120】一方、全気筒燃料カットにより車速VSP
が低下し、186km/hより低くなると、#1,#2
気筒に対する燃料カットが解除され、次いで、184k
m/hより車速VSPが低くなると、#3,#4気筒に
対する燃料カットが解除されて全気筒の燃料カットが解
除される。その後、車速VSPが176km/hより低
くなると、バルブタイミング制御によるエンジン出力抑
制制御が解除され、エンジン1はその運転状態に応じて
通常制御される。
【0121】これにより、高速運転時、車速が最高車速
制限目標値に近づくと、予めバルブタイミングを進角さ
せてエンジン出力を抑え、しかる後、車速が燃料カット
設定値を越えたときに燃料カットを実施することで、不
快なトルクショックを軽減し、また、空燃比の急激なリ
ーン化による排気系の異常過熱を防止することができ
る。しかも、その際、全気筒一度に燃料カットを行わ
ず、まず、一部の気筒を燃料カットし、さらに車速が上
昇する場合、全気筒の燃料カットを行うようにしている
ため、ショック軽減作用をより効果的なものとすること
ができるのである。
【0122】さらに、エンジン出力抑制制御、部分気筒
燃料カット、全気筒燃料カットのそれぞれに、車速上昇
時及び車速下降時のヒステリシスを設けてあるため、制
御ハンチングを防止して制御性を向上することができ
る。
【0123】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実
施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0124】たとえば、前述の実施の形態では、バルブ
タイミングを通常制御時よりも進角させて最高車速制限
を行っているが、これに変えて、バルブタイミングを通
常制御時よりも遅角させてエンジン出力を抑制するよう
にしても良い。この場合、バルブタイミングを通常制御
よりも進角させるかあるいは遅角させるかは、エンジン
の特性や排気エミッションを勘案して決定される。
【0125】また、前述の実施の形態では、通常制御か
ら車速制限のための出力抑制制御への移行時、または、
出力抑制制御から通常制御への移行時に、目標バルブタ
イミングを進角設定値VTHに達するまでの間、漸次的
に変化させるようにしているが、簡易的には、通常制御
から出力抑制制御へ移行したときに、目標バルブタイミ
ングVTTGT を、エンジン運転状態に応じて設定される
目標バルブタイミングから進角設定値VTHに一度に変
更し、また、出力抑制制御から通常制御へ移行したとき
に、進角設定値VTHによる目標バルブタイミングVT
TGT から、エンジン運転状態に応じて設定される目標バ
ルブタイミングに一度に変更するようにしても良い。
【0126】さらに、前述の実施の形態では、吸気カム
軸側にのみ可変バルブタイミング機構を配設したエンジ
ンに適用した例につき説明したが、本発明は、これに限
定されず、可変バルブタイミング機構を吸気カム軸と排
気カム軸との少なくとも一方に配設したものであれば良
く、最高車速制限時には、吸気カムと排気カムとの少な
くとも一方のバルブタイミングを通常制御時よりも進角
あるいは遅角させることで、エンジン出力を抑制し、最
高車速を制限させれば良い。
【0127】なお、採用するエンジンは、可変バルブタ
イミング機構付エンジンであれば良く、少なくともクラ
ンク軸と連動する1つのカム軸があれば良く、DOHC
(ダブル・オーバ・ヘッド・カムシャフト)タイプのエ
ンジンである必要はなく、また、水平対向エンジンに限
定されない。
【0128】さらに、クランク軸とカム軸との間の伝達
手段は、実施の形態によるタイミングベルト方式に限定
されず、チェーン方式や歯車方式等、適宜の手段を採用
し得る。
【0129】加えて、前述の実施の形態では、連続可変
バルブタイミング機構付エンジンに適用した例につき説
明したが、本発明はこれに限定されず、可変バルブタイ
ミング機構として特開平7−11981号公報等に示さ
れるような低速カムと高速カムとを選択的に切り換える
ものにも適用することが可能であり、この場合は、最高
車速制限時において、可変バルブタイミング機構を低速
カムに切り換えることで、エンジン出力を抑制し最高車
速を制限する。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、車速制限に際し、車速制限目標値を予め設
定しておき、車速が車速制限目標値を越えたとき、バル
ブタイミングを通常制御による設定から変化させてエン
ジンの出力を抑制し、車速を制限するので、自然吸気エ
ンジンにおいても、車速制限時におけるトルクショック
の軽減を図ることができる。また、バルブタイミングに
よってエンジンの出力を抑制するので、急激な空燃比の
リーン化を抑えて車速制限を行うことができ、空燃比の
急激なリーン化に起因する触媒等の排気系の異常過熱を
防止することができる。
【0131】また、この車速制限においては、請求項2
に記載したように、通常制御から出力抑制制御への移行
時と、出力抑制制御から通常制御への移行時との少なく
とも何れか一方において、目標バルブタイミングを漸次
的に変更させることによりバルブタイミングを漸次的に
変化させることで、上記請求項1記載の発明の効果に加
え、バルブタイミングの急変に伴うエンジン出力の急変
によるトルクショックを抑制することができる。
【0132】さらに、請求項3に記載したように、車速
制限目標値を、第1の目標値と、この第1の目標値より
低い第2の目標値とに分けて設定しておき、エンジンの
制御形態を、車速が第1の目標値を越えたとき通常制御
から出力抑制制御へ移行させ、第2の目標値を下回った
とき出力抑制制御から通常制御へ移行させることで、上
記請求項1または請求項2記載の発明の効果に加え、、
車速上昇時と車速下降時とでヒステリシスをもってバル
ブタイミング制御を行い、制御形態の切り換わりハンチ
ングを防止し、バルブタイミング制御の制御性向上を図
ることができる。
【0133】また、請求項4に記載したように、燃料カ
ット設定値を予め設定しておき、車速が燃料カット設定
値を越えたとき燃料カットを行って車速を制限すること
で、上記請求項1ないし請求項3記載の発明の効果に加
え、バルブタイミング制御と燃料カットを併用して車速
を制限し、トルクショックを抑制しつつ確実に最高車速
を制限することができる。
【0134】さらに、請求項5に記載したように、車速
制限目標値を燃料カット設定値よりも低速に設定し、車
速が車速制限目標値を越えると、まず、バルブタイミン
グを変化させてエンジン出力を抑制し、しかる後、車速
が燃料カット設定値を越えたとき、燃料カットを行って
車速を制限することで、上記請求項4記載の発明の効果
に加え、制御の整合性を図り、確実にバルブタイミング
制御による出力抑制制御を実行してから、燃料カットに
移行することができる。
【0135】加えて、請求項6に記載したように、燃料
カットを気筒別に段階的に実行することで、上記請求項
5記載の発明の効果に加え、トルクショックの発生をよ
り確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係り、可変バルブタイ
ミング機構付エンジンの全体構成図
【図2】同上、可変バルブタイミング機構の概略構成図
【図3】同上、可変バルブタイミング機構の最進角状態
を示し、図2のA−A断面図
【図4】同上、可変バルブタイミング機構の最遅角状態
を示し、図2のA−A断面図
【図5】同上、排気バルブに対する吸気バルブのバルブ
タイミングの変化を示す説明図
【図6】同上、バルブタイミング特性を示す説明図
【図7】同上、可変バルブタイミング機構による吸気バ
ルブと排気バルブとのバルブオーバラップ量の変化を示
す説明図
【図8】同上、クランクロータとクランク角センサの正
面図
【図9】同上、吸気カムプーリの背面図
【図10】同上、カムロータとカム位置センサの正面図
【図11】同上、クランクパルス、気筒判別パルス、及
びカム位置パルスの関係を示すタイムチャート
【図12】同上、電子制御系の回路構成図
【図13】同上、車速制限判別ルーチンを示すフローチ
ャート
【図14】同上、車速に対するバルブタイミング制御形
態の切り換え、進角量の変化、及び移行制御フラグの関
係を示す説明図
【図15】同上、可変バルブタイミング制御ルーチンを
示すフローチャート
【図16】本発明の実施の形態2に係り、車速制限判別
ルーチンを示すフローチャート
【図17】同上、燃料噴射量設定ルーチンを示すフロー
チャート
【図18】同上、車速に対するバルブタイミング制御形
態の切り換え、進角量の変化、及び燃料噴射形態の切り
換えを示す説明図
【図19】同上、クランクパルス、気筒判別パルス、カ
ム位置パルス、並びに通常時、部分気筒燃料カット時及
び全気筒燃料カット時の燃料噴射形態の関係を示すタイ
ムチャート
【符号の説明】
1 可変バルブタイミング機構付エンジン 18 クランク軸 19 吸気カム軸 23 吸気カムプーリ(伝達手段) 24 排気カムプーリ 25 吸気バルブ 26 排気バルブ 27 可変バルブタイミング機構 60 電子制御装置(バルブタイミング制御手段、車
速制限手段、燃料噴射制御手段、燃料カット手段) FBT バルブタイミング制御切換フラグ FCUT 燃料カットフラグ FV0 移行制御フラグ FVSP1 車速制限部分気筒燃料カットフラグ FVSP2 全気筒燃料カットフラグ Tp 基本燃料噴射パルス幅 VSP 車速 VSPS1 車速制限目標値(第1の目標値) VSPS0 車速制限目標値(第2の目標値) VSPS2 燃料カット設定値 VSPS3 燃料カット設定値 VSPS4 燃料カット設定値 VT 実バルブタイミング VTTGT 目標バルブタイミング VTTGT0 出力抑制時におけるバルブタイミング VTH 進角設定値 VTM 設定値 VTN 設定値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/32 F02D 41/32 D 43/00 301 43/00 301H 301Z Fターム(参考) 3G016 AA08 AA11 AA12 AA19 BA22 BA38 CA13 CA17 CA24 CA33 CA36 CA46 CA48 CA59 DA01 DA06 DA22 GA00 GA06 3G084 AA03 BA13 BA23 DA00 DA11 FA03 FA05 FA07 FA10 FA20 FA25 FA29 FA33 FA38 3G092 AA01 AA11 AA14 AA15 BB10 CA07 CB05 DA08 DC04 DG05 EA03 EA04 FA04 FA38 GA04 GB03 HA01Z HA06Z HC05Z HD05Z HE01Z HE03Z HE05Z HE08Z HF02Z HF21Z 3G093 AB00 BA07 BA20 CB03 DA05 DA06 DA07 DA11 DB05 EA05 EA15 EC01 EC04 FA04 FA11 FB02 FB03 3G301 HA01 HA07 HA08 HA19 JA04 JA32 JA35 KA26 MA24 ND01 PA01Z PA11Z PC08Z PD03Z PE01Z PE03Z PE05Z PE08Z PE10A PE10Z PF01Z PG01Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランク軸の回転を吸気バル
    ブ若しくは排気バルブの開閉を行うカムのカム軸に伝達
    する伝達手段と、前記伝達手段に介設され前記クランク
    軸とカム軸との間の回転位相を調整してバルブタイミン
    グを調節する可変バルブタイミング機構とを備えたエン
    ジンを搭載した可変バルブタイミング機構付エンジン搭
    載車の車速制限装置であって、 前記可変バルブタイミング機構付エンジン搭載車の車速
    を検出する車速検出手段と、 前記可変バルブタイミング機構付エンジンのエンジン運
    転状態を検出する運転状態検出手段と、 前記運転状態検出手段で検出したエンジン運転状態に応
    じて前記可変バルブタイミング機構を制御するバルブタ
    イミング制御手段と、 前記車速検出手段によって検出した車速が予め設定した
    車速制限目標値を越えたとき、前記可変バルブタイミン
    グ機構を作動させることにより、前記バルブタイミング
    を現在のエンジン運転状態に応じた通常制御による設定
    から変化させて前記エンジンの出力を抑制し、前記可変
    バルブタイミング機構付エンジン搭載車の車速を制限す
    る車速制限手段とを備えたことを特徴とする可変バルブ
    タイミング機構付エンジン搭載車の車速制限装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の可変バルブタイミング機
    構付エンジン搭載車の車速制限装置において、 前記車速制限手段は、前記通常制御から前記バルブタイ
    ミングを変化させて前記エンジンの出力を抑制する出力
    抑制制御への移行時と、前記出力抑制制御から前記通常
    制御への移行時との少なくとも何れか一方において、制
    御目標となる目標バルブタイミングを漸次的に変更させ
    ることにより前記バルブタイミングを漸次的に変化させ
    ることを特徴とする可変バルブタイミング機構付エンジ
    ン搭載車の車速制限装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の可変バルブタイ
    ミング機構付エンジン搭載車の車速制限装置において、 前記車速制限目標値を、第1の目標値と、この第1の目
    標値より低い第2の目標値とに分けて設定し、 前記車速制限手段は、前記エンジンの制御形態を、車速
    が前記第1の目標値を越えたとき前記通常制御から前記
    出力抑制制御へ移行させ、前記第2の目標値を下回った
    とき前記出力抑制制御から前記通常制御へ移行させるこ
    とを特徴とする可変バルブタイミング機構付エンジン搭
    載車の車速制限装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載の可変
    バルブタイミング機構付エンジン搭載車の車速制限装置
    において、 前記運転状態検出手段で検出したエンジン運転状態に応
    じて前記可変バルブタイミング機構付エンジンへの燃料
    噴射を制御する燃料噴射制御手段と、 所定のエンジン運転状態下で前記燃料噴射制御手段によ
    る燃料噴射を停止させる燃料カット手段とをさらに備
    え、 前記車速制限手段は、車速が予め設定した燃料カット設
    定値を越えたとき、前記燃料カット手段を作動させて車
    速を制限することを特徴とする可変バルブタイミング機
    構付エンジン搭載車の車速制限装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の可変バルブタイミング機
    構付エンジン搭載車の車速制限装置において、 前記車速制限目標値を、前記燃料カット設定値よりも低
    速に設定することを特徴とする可変バルブタイミング機
    構付エンジン搭載車の車速制限装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の可変バルブタイミング機
    構付エンジン搭載車の車速制限装置において、 前記車速制限手段は、燃料カットを気筒別に段階的に実
    行することを特徴とする可変バルブタイミング機構付エ
    ンジン搭載車の車速制限装置。
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