JP2001131840A - 複合加工糸およびその製造方法 - Google Patents

複合加工糸およびその製造方法

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JP2001131840A
JP2001131840A JP31088999A JP31088999A JP2001131840A JP 2001131840 A JP2001131840 A JP 2001131840A JP 31088999 A JP31088999 A JP 31088999A JP 31088999 A JP31088999 A JP 31088999A JP 2001131840 A JP2001131840 A JP 2001131840A
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entangled
black
composite
filament
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Toshihiko Kimura
俊彦 木村
Kazuo Umeda
和生 梅田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】スラブ状に絡んだ部分と実質無ヨリ状に絡んだ
部分とが糸の長さ方向に不規則な長さで交互に繰り返し
存在し、黒染めすることにより黒深色の表面変化とスパ
ンライクな風合いおよび凸状の手触り感を有した、ブラ
ックフォーマル用途に適した複合加工糸およびその製造
方法を提供する 【解決手段】ポリエチレンテレフタレートからなるフィ
ラメント糸の芯糸に、カチオン染料可染糸からなるフィ
ラメント糸が鞘糸としてスラブ状に絡んだ部分と実質無
ヨリ状に絡んだ部分とが、糸の長さ方向に不規則な長さ
で交互に繰り返し形成された複合加工糸であって、黒染
色により前記スラブ状に絡んだ部分の色が、前記実質無
ヨリ状に絡んだ部分の色より深色となることを特徴とす
る複合加工糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は糸の長さ方向にスラ
ブ状に絡んだ部分と実質無ヨリ状に絡んだ部分とを繰り
返し存在させるとともに、これらの部分の長さを規則的
あるいは不規則的に形成させて、黒染色により上記スラ
ブ状の部分を実質無ヨリ状の部分より深色にするように
した複合加工糸およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートからなるマ
ルチフィラメント糸の延伸糸と不完全延伸糸の両糸を引
きそろえ、交絡処理を施し複合加工糸を製造する技術は
多く提案され婦人織物用やブラックフォーマル用に商品
展開されてきた。
【0003】しかしながら、近年において商品の多様化
や高級化志向が進み、ブラックフォーマル用においても
織柄による画一的な表面変化やフラットな風合は、フォ
ーマル用途といえど自然感のある風合いや見栄えがする
品位の高い素材が要求されている。
【0004】すでに提案されている、糸の長さ方向に沿
って、嵩高な部分の長さと比較的ストレートな部分の長
さが交互に規則的あるいは不規則的に制御された見掛上
太細を有する特殊スラブ糸の製造方法が特開昭61−1
9829号公報に提案されているが、スラブ部分の太細
さの設計範囲が制限されることや、糸加工性が低く実用
的でないこと、あるいは延伸部の存在により淡色となる
のでブラックフォーマル用途には適していない。
【0005】また、嵩高部分とストレート部分の長さと
太さが設計できるファンシーヤーンの製造方法が特開平
5−117930号公報に提案されているが、ストレッ
チ性が不足していることやファンシー部の設計範囲が制
限されるので、高級品が得られにくいなどの問題があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スラ
ブ状に絡んだ部分と実質無ヨリ状に絡んだ部分とが糸の
長さ方向に不規則な長さで交互に繰り返し存在し、黒染
めすることにより黒深色の表面変化とスパンライクな風
合いおよび凸状の手触り感を有した、ブラックフォーマ
ル用途に適した複合加工糸およびその製造方法を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は以下の構成を有する。すなわち、本発明の
複合加工糸は、ポリエチレンテレフタレートからなるフ
ィラメント糸の芯糸に、カチオン染料可染糸からなるフ
ィラメント糸が鞘糸としてスラブ状に絡んだ部分と実質
無ヨリ状に絡んだ部分とが、糸の長さ方向に不規則な長
さで交互に繰り返し形成された複合加工糸であって、黒
染色により前記スラブ状に絡んだ部分の色が、前記実質
無ヨリ状に絡んだ部分の色より深色となることを特徴と
する。
【0008】また本発明の複合加工糸の製造方法は、ポ
リエチレンテレフタレートからなる延伸されたフィラメ
ント糸を芯糸とし、カチオン染料可染糸からなるポリエ
チレンテレフタレートフィラメントの不完全延伸糸を鞘
糸として瞬時弛緩制御しながら、両糸条を引きそろえて
交絡処理し、続いて加撚−熱固定−解撚の仮ヨリ加工を
行うことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0010】まず、本発明の複合加工糸の糸形態を図面
により説明する。
【0011】図1は本発明に係る複合仮加工糸の糸形態
の一例を示す概略図である。イはスラブ状に絡んだ部分
であり、ロは実質無ヨリ状に絡んだ部分である。イの部
分において、鞘糸ハは芯糸ニに過剰に嵩高く絡み、絡み
ロの部分においては過少に絡む。上記の複合加工糸を構
成している芯糸ニと鞘糸ハの実質的な糸長さは、イの部
分においては3〜30cm、ロの部分においては5〜1
00cm鞘糸ハが芯糸ニより長い。スラブ状に絡んだ部
分イは、交絡処理によるループまたは仮ヨリによるケン
縮を有している。
【0012】また、本発明の複合加工糸を構成する素材
について、芯糸部はポリエチレンテレフタレートからな
る通常のフィラメント延伸糸や4000〜8000m/
minの高速紡糸により製造される通常OSPとよばれ
るフィラメント糸であり、鞘糸はカチオン染料可染糸の
ポリエチレンテレフタレートの不完全延伸糸の通常PO
Yとよばれるフィラメント糸である。
【0013】また、鞘糸を構成するカチオン染料可染糸
としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸のごとき
スルホネート金属塩をポリエチレンテレフタレートに共
重合させたもの、さらにエチレングリコールなどのポリ
アルキレングリコールを含有せしめたもの等が採用でき
る。
【0014】複合糸の糸形態パターンはスラブ状の部分
と実質無ヨリ状に絡んだ部分が、糸長さ方向に不規則な
長さで交互に繰り返した分布を有しているが、規則的な
分布になると幾何学的な模様になったり、イラツキや年
輪状の視覚的に不快なパターンとなるので好ましくな
い。なお視覚的に快適感があるといわれる1/fゆらぎ
パターンを糸形態パターンに付与すると自然感のある表
面変化に富む編織物製品となる。
【0015】実質無ヨリ状に絡んだ部分は編織物の地部
分に相当し、スラブ状の部分はムラ部分に相当するの
で、該スラブ状の部分は凸状の手触り感とスラブのパタ
ーンによる表面変化を与える。そして染色することによ
り該凸状部分の色は地部分の色に比べて深味のある色に
なる。
【0016】スラブ状に絡んだ部分を構成する芯糸と鞘
糸の糸長さの比率は、芯糸より鞘糸の方が3〜20%多
目に絡むことが好ましく、20%を越えて多く絡むと工
程通過性や製品の品位低下につながるので好ましくな
い。一方、実質無ヨリ状に絡んだ部分を構成する芯糸と
鞘糸の糸長差は、芯糸より鞘糸の方が1〜10%程度過
剰に絡むことが糸構成上バランスが良い。
【0017】製編織した布帛を特にブラックフォーマル
用として黒染めした場合、前記スラブ状に絡んだ部分の
黒色は、実質無ヨリ状に絡んだ部分の黒色より深色にな
り目立ちやすくなる。しかし黒色の色相は青味の黒、赤
味の黒、黄味の黒があり識別しやすく、糸使いや織物組
織、染料などにより適宜使いわける方が好ましい。
【0018】なお一般的にはブラックフォーマル用とし
てムラ部は目立ち過ぎず、かつ目立つように色相を微調
整することが商品価値を高める有効な手段であり、該ム
ラ部の微妙な視覚感が高級感や気品の高さを左右するの
である。このような微妙な黒発色の染色方法は染料、助
剤のレサイプやさし色と呼ばれる染料の微妙な加減によ
り所望の色相に合わせることができる。
【0019】本発明の複合加工糸を織物のタテ糸やヨコ
糸に用いる場合、通常追ネンを施すのが一般的である
が、スラブ状の部分はヨリが挿入されにくく、実質無ヨ
リ状の部分にヨリが集中されやすくなるので、追ネン後
はスラブ状の部分と実質無ヨリ状の部分の糸形態は強調
されやすくなる。
【0020】スラブ状部分のムラパターンを設計、変
更、確認を行うには糸ムラ周期のピーク値や糸ムラの変
動率を測定しることによって知ることができる。糸ムラ
周期のピーク値としてスペクトログラムを測定し、ピー
ク値5〜20cmが好ましく、また糸ムラの変動率とし
てU%を測定し、U%1.5〜4%が好ましい範囲にあ
る。なお、スペクトログラムおよびU%の測定方法は、
測定器メーカが計測器工業(株)、型式はEVENNE
SS TESTER80−Bを用いて糸速度25m/m
inにて5分間の条件で測定したものである。
【0021】また本発明においては、鞘糸の不完全延伸
糸をアルカリ減量処理(以下単にN処理という)するこ
とによりミクロボイド構造を形成させることが可能であ
る。
【0022】本発明の鞘糸として用いる不完全延伸糸と
しては、ポリエチレンテレフタレート成分にさらに微細
粒子を練り込んだポリマーを紡糸速度1500〜350
0m/minで製造した複屈折Δnが30〜90×10
-3の微細粒子を含有するポリエチレンテレフタレートの
POY等が採用できる。
【0023】このPOYを用いた複合加工糸は布帛にお
いてN処理を施すことにより、原糸表面に散在している
微細粒子が剥がれミクロボイド構造を形成するのであ
る。その結果、染色することにより通常のプレーンな糸
表面に比べて光反射が少なくなり深色に見える原理であ
る。
【0024】ここで微細粒子とはシリカと呼ばれるSi
2 や酸化チタン、酸化マグネシュムなどであって、練
り込み量も0.1〜1.0重量%のものであることが好
ましい。例えばシリカを用いた場合は0.5重量%前後
が製糸性や糸物性の点で好ましい。また、N処理率は通
常のポリエチレンテレフタレートフィラメント糸使いで
あれば15〜25%であることが好ましいが、微細粒子
含有糸ではやや多めの20〜30%の減量率が好まし
い。
【0025】なお、ミクロボイド構造糸を筒編にし黒染
めすると通常糸に比べて明度L値では0.3から1.0
(%)の深色効果が認められるものである。
【0026】次に本発明の複合加工糸の製造方法につい
て図2に従い説明する。
【0027】図2は、本発明複合加工糸の製造工程の一
例を示す概略図である。本発明の複合加工糸の製造方法
は、ポリエチレンテレフタレートからなる延伸されたフ
ィラメント糸を芯糸として、またカチオン染料可染糸か
ら成るポリエチレンテレフタレートフィラメントの不完
全延伸糸を瞬時弛緩制御しながら鞘糸として、両糸条を
引きそろえ交絡処理を施し、続いて加撚ー熱固定ー解撚
の仮ヨリ加工を行うものである。
【0028】まず、ポリエチレンテレフタレートからな
るフィラメント糸1を芯側になるようガイド2から、カ
チオン染料可染糸からなるポリエチレンテレフタレート
フィラメントの不完全延伸糸3をガイド4からコンピュ
ター6で瞬時弛緩制御するフィードローラ5へ供給す
る。鞘糸の不完全延伸糸3はフィードローラ5から、芯
糸1はガイド2からフィードローラ7へ供給し、交絡処
理ノズル8で交絡処理を施しフィードローラ9から通常
の複合仮撚加工を施すのである。
【0029】フィードローラ9から両糸の交絡処理した
糸条を供給し、仮ヨリツイスター11で加撚、ヒータ1
0で熱固定、仮ヨリツイスター11で解撚の複合仮ヨリ
加工し、デリベリローラ12から引き出して巻取チーズ
13に巻き上げることにより複合加工糸を製造する。
【0030】芯糸に用いるフィラメント糸1は延伸され
たポリエチレンテレフタレートのフィラメント糸であっ
て、沸騰水収縮率が15〜30%の高収縮型糸や単繊維
フィラメント繊度が5.5〜11.1デシテックスの太
繊度糸、バイメタル型潜在ケン縮糸、あるいはカチオン
染料可染糸、常圧分散染料可染糸などであってもよい。
【0031】鞘糸が通常のポリエチレンテレフタレート
フィラメントの不完全延伸糸ではスラブ状部分の黒染め
効果が小さくなるので好ましくない。本発明においては
鞘糸としてカチオン染料可染糸からなるポリエチレンテ
レフタレートフィラメントの不完全延伸糸を用いる。ま
たN処理を施すことによりミクロボイド構造を形成する
ポリエチレンテレフタレートフィラメントの不完全延伸
フィラメント糸を用いることも同様に好ましい。
【0032】上記鞘糸になるフィラメント糸3の供給量
はコンピュータ6によってプログラム通り瞬時弛緩制御
されるフイードローラ5とフィードローラ7の間で付与
するのである。上記コンピュータ6に組み込まれたプロ
グラムの信号波形は、矩形波、三角波、SIN波、など
の人工的な波形を組み合わせた信号や、風、波、音など
自然界の現象や1/fゆらぎを応用した波形など、あら
ゆる変化を電気信号に変換しフィードローラ5のフィー
ド量を制御するものである。
【0033】制御例としてフィードローラ7の速度が3
03m/min、フィードローラ5の基準フィード量が
300m/minとするならば、瞬時に450m/mi
nへの増速あるいは瞬時に450m/minから300
m/minへの減速が5ms以下の瞬時により制御する
レベルを指すのである。
【0034】フィードローラ5は瞬時弛緩制御するため
フィードローラ7の基準速度より0.1〜10%遅く設
定することが重要である。
【0035】芯糸と鞘糸の両糸条に交絡処理を施すので
あるが、空気処理ノズル8は交絡型(インターレース
型)はもとより“タスラン”と呼ばれる乱流型あるいは
旋回型のいずれであってもよいが経済的にはインターレ
ース型のノズルが好ましい。
【0036】複合仮ヨリ加工条件は通常条件を使用する
以外に、特殊条件としてヒータ10の温度を変更するこ
とができる。例えばポリエチレンテレフタレート糸の場
合、プレート式では70〜170℃の低温で行うこと
や、中空式では高温ショートヒータで300〜600℃
の高温で行うこともができる。
【0037】また仮ヨリ数においても例えば150デニ
ールでは500〜1500T/mの低ヨリ数や、逆に2
500〜3200T/mの高ヨリ数に変更して行うこと
ができる。その結果、ストレッチを有するソフトなスパ
ンライク風合いから、シルキーライク風合いまでの広範
囲にわたる複合加工糸を製造することができる。
【0038】仮ヨリツイスター11はスピンドル式、フ
リクションッデスク式、ベルトニップ式、旋回流式など
いずれの方法であってもよい。
【0039】本発明においては、デリベリローラ12か
ら巻取チーズ13ヘ直接巻き上げるのであるが、風合い
を調整したり後工程通過性の改善を目的として再熱セッ
トを施しても構わない。
【0040】さらに本発明においては、芯糸には延伸糸
を用いるが、不完全延伸糸を機上で延伸した延伸糸を用
いても構わない。図3には延伸糸を製造する一例を示し
た。
【0041】図3(A)はホットピン15により延伸す
る方法を、図3(B)はプレートヒータ16により延伸
する方法を示した。
【0042】本発明は特にブラックフォーマル用を狙い
とした複合加工糸の提案ではあるが、応用例として黒染
め以外に、通常の無地染めを行ない一般のファッション
素材として商品化することもできる。例えば、芯糸と鞘
糸をカチオン染めと分散染めの異色染めを行うことによ
り鞘糸のムラ部のみを強調した色相を付与したり、また
単一染料の染色では鞘糸のムラ部のみを濃色にした色相
を付与することができる。
【0043】このように黒染め、異色染め、濃淡染めが
同一の素材で染色方法により自由自在に染め分けできる
ことができる汎用性の高い複合加工糸として応用展開す
るこが可能である。
【0044】芯糸と鞘糸の組み合わせ例において、芯糸
は通常のポリエチレンテレフタレート延伸糸、カチオン
染料可染型糸、ミクロボイド型ポリエチレンテレフタレ
ート糸、ポリエチレングリコールを共重合した常圧分散
可染型ポリエチレンテレフタレート糸、紡糸速度400
0〜6000m/minで得たOSPとよばれる高速製
糸などを用いることができ、供給糸の形態が不完全延伸
糸であっても図2におけるフィードローラ7に供給する
段階において延伸糸となっていればよい。
【0045】一方鞘糸は不完全延伸糸(POY)または
未延伸糸(UY)を用いるが、糸加工性や糸取扱性ある
いは糸加工環境から影響を受けにくいPOYが好まし
く、染色することにより濃色に染まることが前提であ
る。例えば通常の易染ポリエチレンテレフタレートPO
Y、常圧分散可染POY、カチオン染料可染型POY、
ミクロボイド形成型POYなどである。
【0046】これらの芯糸と鞘糸を自由に組み合わせす
るこができるが、目的、用途、コスト、生産設備などの
よって適宜選択しながら組み合わせることが必要であ
る。
【0047】
【実施例】(実施例1) [芯糸に通常のポリエチレンテレフタレート延伸糸を、
鞘糸にカチオン染料可染型ポリエチレンテレフタレート
POYを用いた場合]芯糸は延伸糸83.3デシテック
ス18フイラメント糸を用い、鞘糸はカチオン可染型紡
糸速度2750m/minで製造した不完全延伸糸13
0デニール24フイラメント糸を用いて図4に示すプロ
グラムにて瞬時弛緩制御し供給した。
【0048】上記芯糸と鞘糸の両糸条を引き揃えフィー
ド率+1.5%、空気圧力39.2×10の4乗(4K
g/cm2 にて交絡処理を施し、仮撚数2100T/
m、仮ヨリ加工速度300m/min、仮ヨリフィード
率−0.5%にて複合仮ヨリ加工を実施した。
【0049】スラブ状に絡んだ部分の糸長差15%、実
質無ヨリ状に絡んだ部分の糸長差2%、糸ムラU%2.
8%、スペクトログラムピーク値8cmの複合加工糸特
性を得た。
【0050】上記複合加工糸に600t/mの追ネンを
施し、タテ糸としてポリエステルフイラメント83.3
デシテックス36フイラメント糸を、ヨコ糸として本発
明複合加工糸を打ち込み平織物を製織した。該織物に1
5%のN処理減量加工を施し常法にて黒色カチオン染色
(染料:ダイアニックス カチオンブラック)と黒色分
散染色(染料:ダイアニックス タキシードブラックF
CONC)を行い複合加工糸織物を製造した。
【0051】その結果、黒深色のムラ部と黒色の地部を
有しかつ凸感の手触りとスパンライクな風合いを有する
ブラックフォーマルに適した複合加工糸織物を得た。 (実施例2) [芯糸に通常のポリエチレンテレフタレート延伸糸を、
鞘糸にミクロボイド構造糸となるSiO2 の微粉末を
0.45%有するPOYを用いた場合]芯糸には延伸糸
83.3デシテックス18フイラメント糸を用い、鞘糸
にはミクロボイド構造糸となる紡糸速度2750m/m
inで製造した138.8デシテックス24フイラメン
ト糸を用い、図4に示すプログラムにて瞬時弛緩制御し
供給した。
【0052】該芯糸と該鞘糸の両糸条を引き揃えて実施
例1と同様に交絡処理後、複合仮ヨリ加工した。
【0053】スラブ状に絡んだ部分の糸長差13%、実
質無ヨリ状に絡んだ部分の糸長差2.5%、糸ムラU%
2.9%、スペクトログラムのピーク値8.3cmの複
合加工糸特性を得た。
【0054】該複合加工糸を実施例1と同様に製織し、
該織物に25%のN処理減量加工を施し常法にて黒色分
散染色(染料:ダイアニックス タキシードブラックF
CONC)を行い複合加工糸織物を製造した。
【0055】その結果、黒色のムラ部と黒色の地部を有
しかつ凸感の手触りとドライなスパンライク風合いを有
するブラックフォーマル用に適した複合加工糸織物を得
た。 (比較例1) [芯糸に通常のポリエチレンテレフタレート延伸糸を、
鞘糸に通常のポリエチレンテレフタレートPOYを用い
た場合]芯糸には延伸糸83.3デシテックス18フイ
ラメント糸を用い、鞘糸には紡糸速度3000m/mi
nで製造した通常の不完全延伸糸138.8デシテック
ス36フイラメント糸を用い、図4に示すプログラムに
て瞬時弛緩制御し供給した。
【0056】以下実施例1と同様に複合加工糸織物を製
造し、黒色分散染色(染料:ダイアニックス タキシー
ドブラックF CONC)を行った。
【0057】その結果、黒色のムラ部と黒色の地部を有
してはいるが、光線の方向により該ムラ部は地部より黒
色が白化し織物品位が極めて下品な表面効果となり、ね
らいとする複合加工糸織物が得られなかった。
【0058】なお、複合加工糸特性はスラブ状に絡んだ
部分の糸長差15%、実質無ヨリ状に絡んだ部分の糸長
差2.0%、糸ムラU%2.4%、スペクトログラムの
ピーク値8.7cmであった。
【0059】
【発明の効果】スラブ状に絡んだムラ部の糸長差による
ふくらみ感や交絡処理によって起きるループや仮ヨリケ
ン縮による巻き付き絡み、実質無ヨリ状の部分において
は交絡処理による巻き付きやループあるいは仮ヨリケン
縮などによる緊密な絡みが、凸状の手触り感やスパンラ
イク風合およびストレッチ感の風合いを引き出してい
る。
【0060】ムラ部と実質無ヨリ状の部分の長さはそれ
ぞれ規則的あるいは不規則的なパターンで糸長さ方向に
存在し視覚的に自然感のムラのよな見え方をする。なお
該パターンに1/fゆらぎを用いるといっそう自然感の
ある編織物を人工的に得ることができる。
【0061】ブラックフォーマルに要求される素材は黒
発色性に優れたものが基調とされ、高級品としての質感
や品位が要求される。本発明の複合加工糸織物を黒染色
することにより該スラブ状に絡んだ部分の黒色は、実質
無ヨリ状に絡んだ部分の黒色より深い黒色になることが
おおきな特徴である。
【0062】一般的に黒色は同系色の中では極めて目立
ちにくい色ではあるが、ムラ部が地部より目立つために
は、ムラ部が地部に比べて深い黒色でなければ目立たな
いと言われている。この微妙な深い黒色の染色方法は染
料や助剤などのさし色のレサイプにより色相を変更する
ことができ、例えば青味の黒、赤味の黒、黄味の黒とし
て識別させることができる。
【0063】ブラックフォーマル用途とするならば、ム
ラ部が目立ち過ぎると品格を低下させるので好ましくな
く、また目立たないとムラ部の高級感が生かせない微妙
な視覚関係があるので、色相の組み合わせが製品の品位
を決めることになる。
【0064】またミクロボイド構造糸を用いることによ
り、手触り感はドライな風合いで反発性に優れた製品を
得ることができる。
【0065】本発明はブラックフォーマル用を狙いとし
ているが、もちろん通常の無地染めを行い、一般ファッ
ション素材として婦人衣料用などに展開することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複合加工糸の一例を示す外観図で
ある。
【図2】本発明に係る複合加工糸の製造工程の一例を示
す概略図である。
【図3】芯糸の延伸方法の一例を示す工程図である。
【図4】本発明の複合加工糸を製造する、鞘糸の供給量
制御信号例図である。
【符号の説明】
1:芯糸用フィラメント糸 2:芯糸用ガイド 3:鞘糸用フィラメント糸 4 鞘糸用ガイド 5:鞘糸供給瞬時制御用フィードローラ 6:瞬時制御装置 7:フィードローラ 8:交絡ノズル 9:フィードローラ 10:ヒータ 11:仮ヨリツイスター 12:デリベリローラ 13:巻取チーズ 14:延伸用フィードローラ 15:ホットピン 16:ヒータ 14:延伸用フィードローラ 15:ホットピン 16:ヒータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレンテレフタレートからなるフィ
    ラメント糸の芯糸に、カチオン染料可染糸からなるフィ
    ラメント糸が鞘糸としてスラブ状に絡んだ部分と実質無
    ヨリ状に絡んだ部分とが、糸の長さ方向に不規則な長さ
    で交互に繰り返し形成された複合加工糸であって、黒染
    色により前記スラブ状に絡んだ部分の色が、前記実質無
    ヨリ状に絡んだ部分の色より深色となることを特徴とす
    る複合加工糸。
  2. 【請求項2】鞘糸がアルカリ減量処理を施すことにより
    ミクロボイド構造を形成するものであることを特徴とす
    る請求項1記載の複合加工糸。
  3. 【請求項3】ポリエチレンテレフタレートからなる延伸
    されたフィラメント糸を芯糸とし、カチオン染料可染糸
    からなるポリエチレンテレフタレートフィラメントの不
    完全延伸糸を鞘糸として瞬時弛緩制御しながら、両糸条
    を引きそろえて交絡処理し続いて加撚−熱固定−解撚の
    仮ヨリ加工を行うことを特徴とする複合加工糸の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記芯糸の延伸糸が前記複合加工工程内で
    延伸加工したものであることを特徴とする請求項3記載
    の複合加工糸の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101929084A (zh) * 2010-08-26 2010-12-29 东华大学 一种竹节纱棉织物雨点或雨丝风格染色的方法
CN111101245A (zh) * 2020-01-21 2020-05-05 江苏工程职业技术学院 一种渐变段彩纱细纱机用交替传动装置

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