JP2001131636A - 磁性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方法

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JP2001131636A
JP2001131636A JP31266899A JP31266899A JP2001131636A JP 2001131636 A JP2001131636 A JP 2001131636A JP 31266899 A JP31266899 A JP 31266899A JP 31266899 A JP31266899 A JP 31266899A JP 2001131636 A JP2001131636 A JP 2001131636A
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sheet
coil
rolling
sheet bar
steel sheet
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Ryutaro Kawamata
竜太郎 川又
Yoshihiro Arita
吉宏 有田
Takeshi Kubota
猛 久保田
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Abstract

(57)【要約】 コイル長手方向、幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼
板の製造方法を提供する。 【解決手段】 鋼中に重量%で、 0.1<Si≦7.0%,
0,1≦Mn≦1.5%, C≦0.005%, N≦0.005%, S≦0.005
%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなるスラ
ブを用いて熱延板とし、1回の冷延を施して最終板厚と
し、次いで仕上焼鈍を施すか、又は1回目の冷延後に焼
鈍を施し、圧下率2〜20%のスキンパス圧延をして最
終板厚とする無方向性電磁鋼板の製造方法において、熱
延仕上温度を750〜1100℃とし、熱延仕上温度と
巻取温度との差を200℃以内とすることを特徴とする
コイル長手方向、幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼
板の製造方法。更に、シートバーの幅と厚みを特定の条
件にすること、近接コイラで巻き取ること等を要旨とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイル長手方向、
幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、世界的な大競争時代に突入してい
る状況にあって、無方向性電磁鋼板に対する需要家から
のコストダウンの要求は厳しく、素材供給サイドとして
は、磁気特性の均一なコイルを製造し、製品歩留まりを
向上させてコストを抑制する必要が一層強まった。とこ
ろで無方向性電磁鋼板においては、従来は単独のスラブ
を粗圧延し、これを仕上圧延機で1本ずつ圧延するとい
う工程がとられてきた。この工程では、圧延待機部のシ
ートバーの温度を均一に保つためにエッジヒーターが使
われてきたが、その効果は必ずしも十分とは言えず、製
品コイルの幅方向の磁性が変動するという問題があっ
た。
【0003】また、仕上圧延機へのシートバーの噛み込
み時に、加速、定常圧延、尻抜け部でそれぞれ速度が変
動するため、加工発熱が一定でなく、シートバー自身の
後端部に至る温度低下と相俟って、サーマルランダウン
という先頭と最後尾の温度が低下する結果、1本のコイ
ルの中で長手方向の磁性が変動する問題があった。
【0004】一方、コイル内の磁気特性を均一化する手
段としては、これまで長手方向の磁気特性を均一化する
技術が開示されている。例えば特開平8−92643号
公報には、スラブ加熱時に、スラブを支えるスキッド上
と、その間の温度不均一によりコイル長手方向に生じる
鉄損の不均一を解消するために、粗圧延後のシートバー
を一旦巻き取り、これを保持することで均熱化を図り、
スキッドマークと呼ばれるコイル長手方向の磁気特性の
変動を抑制する技術が開示されている。しかしこの技術
では、シートバーを巻き取る時間を余計に要する分だけ
コイル幅方向の温度むら、特にエッジ部の温度低下によ
りコイル幅方向の温度差がかえって増大するという難点
がある。
【0005】また特開平8−176664号公報には、
コイル内で磁気特性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方
法として、最終スタンドのロール周速を均一にすること
で磁束密度が安定になるという技術が開示されている。
しかしこの技術では、圧延初期のシートバーのロール噛
み込み時のスレッディングと、ストリップの最後端の尻
抜け時の速度低下による磁性の変動を抑制することは可
能であるが、幅方向の磁性が不均一になり易い問題につ
いては、何ら解決策を提示していない。
【0006】以上のように、従来の長大な冷却帯を備え
た仕上熱間圧延機では、無方向性電磁鋼板の磁性を十分
に鋼板内で制御することができず、製品歩留まりが低下
し易いという難点があった。このように、約100mに
も達する長大な冷却帯を走行する際に、板の冷却がエッ
ジ部で過冷となり易く、巻き取った際にコイル形状が悪
くなり易くなるばかりでなく、鋼板の幅方向でも磁性の
変動を生じ易いという欠点があり、この問題は前記2種
の公報に記載された技術でも解決できない問題であっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決する目的でなされたものであり、シートバーの板厚
と板幅を適正な関係に保つことにより、コイル幅方向の
温度分布を均一化できるという新規な知見を見出だすと
共に、粗圧延後のシートバーを一旦巻き取り、これをエ
ッジヒーターでエッジを加熱して温度低下を防止し、コ
イル幅方向の温度むらを抑制するか、あるいは巻取り後
のシートバーコイルを保熱カバー内に装入して均熱化処
理を施した後、これを巻きほどいて先行するシートバー
に接合して連続して圧延することにより、無方向性電磁
鋼板のコイル長手方向、幅方向の磁性が極めて安定する
ことを見出だし、本発明を完成した。
【0008】また、最終スタンドからコイラまでの距離
が遠いほど製品の鋼板幅方向の磁性変動が大きくなると
いう新規な知見を見出だすと共に、コイラを最終スタン
ドから50m以内の位置に設置し、最終スタンドとコイ
ラの間に適切な張力を付与すると共に、粗圧延後のシー
トバーを一旦巻き取り均熱化処理を施した後、これを巻
きほどいて先行するシートバーに接合して連続して圧延
することにより、無方向性電磁鋼板のコイル長手方向、
幅方向の磁性が極めて安定することを見出だし、本発明
を完成したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の要旨は、以下の通りである。 (1) 鋼中に重量%で、 0.1%<Si≦7.0%、 0.1%≦Mn≦1.5
%、C ≦0.005%、 N ≦0.005
%、S ≦0.005% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるス
ラブを用い、熱間圧延して熱延板とし、1回の冷間圧延
を施して最終板厚とし、次いで仕上焼鈍を施すか、ある
いは1回目の冷間圧延後、焼鈍を施し、圧下率2〜20
%のスキンパス圧延を施して最終板厚とする無方向性電
磁鋼板の製造方法において、熱延仕上げ温度を750〜
1100℃とし、熱延仕上げ温度と巻取り温度との差を
200℃以内とすることを特徴とするコイル長手方向、
幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方法。 (2) 熱間圧延の最終スタンドから50m以内の位置
に設置した近接コイラで熱延板を巻き取ることを特徴と
する前記(1)記載のコイル長手方向、幅方向の磁性の
均一な無方向性電磁鋼板の製造方法。 (3) 鋼中に重量%で更に、 0.1%≦Al≦2.5% を含有することを特徴とする前記(1)または(2)記
載のコイル長手方向、幅方向の磁性の均一な無方向性電
磁鋼板の製造方法。
【0010】(4) シートバー厚みが下式(1)を満
足することを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれ
か1項に記載のコイル長手方向、幅方向の磁性の均一な
無方向性電磁鋼板の製造方法。 t≧0.04×W−14.0 ……………… (1) ただし、t:シートバー厚み(mm) W:シートバー幅 (mm) (5) 熱間圧延の最終スタンドと近接コイラ間の張力
を1.5kgf/mm2 以上とすることを特徴とする前記
(2)乃至(4)のいずれか1項に記載のコイル長手方
向、幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方
法。 (6) 粗圧延後のシートバーをコイル状に一旦巻き取
り、これを30秒〜30分間保持することを特徴とする
前記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載のコイル長
手方向、幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼板の製造
方法。 (7) 粗圧延後のシートバーを仕上熱延前に先行する
シートバーに接合し、当該シートバーを連続して仕上熱
延に供することを特徴とする前記(1)乃至(5)のい
ずれか1項に記載のコイル長手方向、幅方向の磁性の均
一な無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0011】(8) 粗圧延後のシートバーをコイル状
に一旦巻き取り、これを30秒〜30分間保持し、これ
を巻きほどいて、仕上熱延前に先行するシートバーに接
合し、当該シートバーを連続して仕上熱延に供すること
を特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれか1項に記
載のコイル長手方向、幅方向の磁性の均一な無方向性電
磁鋼板の製造方法。 (9) 巻取り後のシートバーコイルの側面をエッジヒ
ーターで保熱または加熱することを特徴とする前記
(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のコイル長手方
向、幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方
法。 (10) 巻取り後のシートバーコイルを保熱カバーで
保温または加熱することを特徴とする前記(1)乃至
(8)のいずれか1項に記載のシートバーコイルの保持
方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の内容を具体的に説
明する。まず、成分の限定理由について説明する。成分
の含有量は重量%である。Siは、鋼板の固有抵抗を増
大させ渦流損を低減させ、鉄損値を改善するために添加
する。Si含有量が0.1%以下では固有抵抗が十分に
得られないので、0.1%を超える量を添加する必要が
ある。一方、Si含有量が7.0%を超えると圧延時の
耳割れが著しく増加し、圧延が困難になると共にコスト
増ともなるので、7.0%以下にする必要がある。
【0013】Mnは、Al,Siと同様に鋼板の固有抵
抗を増大させ渦流損を低減させる効果を有する。この目
的のため、Mn含有量は0.1%以上とする必要があ
る。一方、Mn含有量が1.5%を超えると熱延時の変
形抵抗が増加し熱延が困難になると共に、熱延後の結晶
組織が微細化し易くなり、磁気特性が悪化するので、M
n含有量の上限は1.5%とする必要がある。またMn
添加量は、仕上熱延前の高温のシートバー接合部の強度
確保の点からも極めて重要である。なぜなら、低融点の
硫化物が結晶粒界に存在することによるシートバー接合
部の熱間脆化を防止するために、MnとSの重量濃度の
比であるMn/Sの値を20以上とする必要があるから
である。本発明に規定する成分範囲では、Mn含有量が
0.1%以上であり、S含有量は0.005%以下であ
るから、Mn/Sの値は20以上に保たれ、この観点か
らは問題がない。
【0014】鋼中のAlは、不純物レベルであっても何
ら問題はないが、AlはSiと同様に鋼板の固有抵抗を
増大させ渦流損を低減させる効果を有するので、特に低
鉄損を得たい場合には0.1〜2.5%添加するのが好
ましい。Alを過剰に添加すると磁束密度が低下し、コ
スト高ともなるので2.5%以下とする。
【0015】C含有量が0.005%を超えると、使用
中の磁気時効により鉄損が悪化して使用時のエネルギー
ロスが増加するため、0.005%以下、好ましくは
0.003%以下に制限する必要がある。
【0016】S,Nは熱間圧延工程におけるスラブ加熱
中に一部再固溶し、熱間圧延中にMnS等の硫化物、A
lN等の窒化物を形成する。これらが存在することによ
り熱延組織の粒成長を妨げ鉄損が悪化するので、S,N
ともそれぞれ0.005%以下にする必要がある。
【0017】また、製品の機械的特性、磁気特性、耐錆
性等の向上、あるいはその他の目的のために、必要に応
じてP,B,Ni,Cr,Sb,Sn,Cuの1種また
は2種以上を鋼中に含有させても、本発明の効果は損な
われない。
【0018】次に、本発明のプロセス条件について説明
する。前記成分からなる鋼スラブは、転炉で溶製され連
続鋳造または造塊−分塊圧延により製造される。次に公
知の方法で加熱され、熱間圧延を施し所定の厚みにす
る。このスラブを粗圧延によりシートバー状にし、仕上
熱延に供する。このとき、粗圧延後のシートバーをコイ
ル状に巻き取り、保熱を行うことにより、コイル長手方
向の磁性の変動を抑制することができる。保熱時間が3
0秒未満ではその効果が十分でなく、30分超では効果
が飽和するので、保熱時間は30秒〜30分に定める。
【0019】本発明者らは、シートバーの板厚をその板
幅に応じて制御することで、コイル幅方向の温度分布が
均一になることを見出だした。すなわち、下式(1)で
示した板厚の下限を下回ると、シートバーの板幅方向の
温度むらが生じ易くなり、コイル幅方向の磁性の変動が
大きくなるので、式(1)の下限以上にシートバーの板
厚を保つものとする。 t≧0.04×W−14.0 ……………… (1) ただし、t:シートバー厚み(mm) W:シートバー幅 (mm)
【0020】また本発明では、コイル長手方向の磁性の
変動を抑制するために、粗圧延後のシートバーをコイル
状に保持し、エッジ部をヒーターで加熱するか、シート
バーコイルそのものを保熱または加熱炉に装入して、コ
イル内の温度むらを抑制することを特徴とする。これら
の方法によらないと、シートバーコイルの外周部及びエ
ッジ部の温度が低下して、コイル長手方向及び幅方向の
磁性の変動を招く。保熱または加熱の方法は、誘導加
熱、ガス加熱、電気加熱等、公知の方法であればよい。
【0021】熱延仕上温度は750〜1100℃とす
る。750℃未満では変形抵抗の増大により圧延が不可
能となるので、下限は750℃とする。一方、1100
℃超であると熱延鋼板の形状が悪化するので、上限は1
100℃とする。また、本発明では冷却を最小限にして
コイル内の温度分布の不均一化を防止するため、熱延仕
上温度と巻取り温度との差は200℃以内とする。
【0022】仕上熱延終了後、請求項5で定める張力を
最終スタンドとコイラ間に付与することにより、製品の
磁束密度を向上させることが可能である。すなわち、最
終スタンドと近接コイラ間の張力が1.5kgf/mm2 未満
では磁束密度の改善が得られないので、1.5kgf/mm2
以上とする。張力の上限は特に設けないが、最終スタン
ドとコイラ間の張力の上限は熱延板の形状制御性から自
ずと決まる。すなわち、張力を大きくすればコイルの巻
取りは容易になるが、クリープによる鋼板の幅変化が生
じ、鋼板幅方向の板厚偏差が大きくなるという問題が生
じる。無方向性電磁鋼板は積層して使用に供されるた
め、板幅方向及び長手方向の板厚偏差に対しては厳しい
管理が必要であり、熱延板の段階においても同様であ
る。これらの観点から、最終スタンドと近接コイラ間の
張力は1.5kgf/mm2 程度が限界である。
【0023】本発明では、コイル幅方向の磁気特性を安
定化させるために、最終スタンドから50m以内の位置
に近接コイラを設置し、巻取りを行うことが有効であ
る。コイラの位置が最終スタンドから50m超になる
と、冷却帯において鋼板幅方向の温度むらが生じ易く、
磁気特性が幅方向で変動し易くなるので、設置位置は最
終スタンドから50m以内にする必要がある。
【0024】本発明では、近接コイラの使用がコイル幅
方向の磁性の変動を抑制すると共に、最終スタンドとコ
イラ間の張力制御が無方向性電磁鋼板の磁気特性向上に
重要な役割を果たすことを見出だしたのであるが、一般
的に単一のスラブの圧延を1本のシートバーに粗圧延
し、これを1本毎に圧延する際には、一つのシートバー
の圧延が終りに近づくにつれ、最終スタンドとコイラ間
の張力を徐々に下げねばならない。なぜなら、コイルの
最終端が仕上熱延機の最終スタンドを抜けた瞬間(いわ
ゆる仕上抜け時)に、無張力状態となり鋼板に負荷され
る張力の変動が極めて大きくなるばかりでなく、高張力
を負荷した状態で仕上抜けに至ると、鋼板終端部が冷却
帯上で波打ち、鋼板巻取り時の形状が著しく悪化するか
らである。
【0025】このような問題点を解決し、高張力下での
巻取りを連続して安定的に行うために、粗圧延後のシー
トバーを先行するシートバーに接合し、仕上熱間圧延を
連続的に行うことが特に有効である。すなわち、連続熱
延により仕上抜け部が消失し、仕上熱延中の熱延板に負
荷される張力の変動を抑制することが可能になる。更
に、ピンチロールをコイラの前に複数設置してその間で
高速剪断し、順番にコイルを巻き取ってゆくことで、仕
上熱延中の熱延板に負荷される張力の変動を最小限に抑
制することが可能になる。これにより、鋼板長手方向の
張力変動による磁束密度の変化を最小限に抑さえること
が可能である。
【0026】以上の方法により得られた熱延板は、1回
の冷間圧延を施し、次いで仕上焼鈍を施す。また更にス
キンパス圧延を施して製品としてもよい。スキンパス圧
延工程を付加する場合は、スキンパス圧延率が2%未満
ではその効果が得られず、20%超では磁気特性が悪化
するため、2〜20%とする。冷間圧延後の鋼板には絶
縁皮膜を施すか、あるいは施さずに最終製品とする。次
に、本発明の実施例について述べる。
【0027】
【実施例】(実施例1)表1に示した成分を有する無方
向性電磁鋼板用スラブを通常の方法で加熱し、粗圧延機
により、本発明例として前記式(1)に従い厚み30m
m、幅980mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上熱延機
により幅1000mm、厚み2.5mmの鋼帯に仕上げた。
一方、比較例として厚み30mm、幅1170mmにシート
バーを仕上げ、仕上熱延機により幅1200mm、厚み
2.5mmの鋼帯に仕上げた。仕上圧延を終えた鋼帯を酸
洗後、750℃・30秒の焼鈍を行い、コイル中央部か
らエプスタイン試料を切り出して磁束密度を測定した。
表2に、本発明と比較例の磁気測定結果を併せて示す。
表中、WSはワークサイドを、Centerは幅方向中
央を、DSはドライブサイドを示し、後述する他の実施
例においても同様である。表2から明らかなように、シ
ートバーの幅と厚みのサイズが前記式(1)の関係を満
たすと、コイル幅方向の磁気特性が安定することが分か
る。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】(実施例2)表3に示した成分を有する無
方向性電磁鋼板用スラブを通常の方法で加熱し、粗圧延
機により厚み30mm、幅1080mmの粗バーに仕上げ、
その後、シートバーをコイル状に1050℃で2分保持
した。この保持の際、保熱カバーにより温度の均熱化を
行った。再びこれを巻きほどき、先行するシートバーに
接合してこれらを連続して5本仕上熱延に供した。これ
により、幅1100mm、厚み2.0mmの鋼帯に仕上げ
た。熱延仕上温度は870℃とし、冷却を施し、670
℃で巻き取った。比較例として、シートバーの巻取りを
行わず、単独のスラブをシートバーに仕上げ、それを圧
延に供し、他は同一条件で仕上熱延を行った。その後、
酸洗を施し、冷間圧延により厚み0.5mmに仕上げた。
これを連続焼鈍炉により900℃・30秒間焼鈍した。
その後、エプスタイン試料を切り出して磁気特性を測定
した。
【0031】測定は、鋼板長手方向に先端から最後尾ま
で100点の場所を選択して、それぞれWS、Cent
er、DSから採取した試料について平均値と標準偏差
を求めた。表4に、鋼Eの本発明と比較例の成分と磁気
測定結果を併せて示す。表4から明らかなように、シー
トバーの巻取りを行い、一定時間保持すると共に、これ
を近接コイラで巻き取り保熱を行うことにより、コイル
幅方向、長手方向の磁気特性の安定した無方向性電磁鋼
板を得ることが可能である。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】(実施例3)表5に示した成分を有する無
方向性電磁鋼板用スラブを通常の方法で加熱し、粗圧延
機により厚み30mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上熱
延機により幅1000mm、厚み2.5mmの鋼帯に仕上げ
た。巻取りの際、コイラの位置を変えて仕上熱延を行っ
た。仕上熱延を終えた鋼を酸洗後、750℃・30秒の
焼鈍を行い、コイル中央部からエプスタイン試料を切り
出して磁束密度を測定した。表6に、本発明と比較例の
磁気測定結果を併せて示す。表6から明らかなように、
最終スタンドとコイラ間の距離が50m以内であると、
コイル幅方向の磁気特性が安定することが分かる。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】(実施例4)表7に示した成分を有する無
方向性電磁鋼板用スラブを通常の方法で加熱し、粗圧延
機により厚み30mmの粗バーに仕上げ、その後、仕上熱
延機により幅1000mm、厚み2.5mmの鋼帯に仕上げ
た。本実施例では、最終スタンドとコイラ間の張力を安
定して保持するために、粗圧延後のシートバーを先行す
るシートバーに溶接し、仕上熱間圧延を連続して行っ
た。熱延仕上温度は860℃とし、500℃で巻き取っ
た。比較例として、同じ成分の鋼をそれぞれ最終スタン
ドとコイラ間の張力以外は同一条件として仕上熱延に供
した。
【0038】これらの鋼を酸洗後、鋼Gは750℃、鋼
Hは830℃、鋼Iは950℃でそれぞれ30秒間焼鈍
を行い、コイルの中央からエプスタイン試料を切り出し
て磁束密度を測定した。試料は圧延中の鋼板長手方向の
張力を測定し、試料採取位置の張力を特定できるように
した。表8に、本発明と比較例の成分と磁気測定結果を
併せて示す。表8から明らかなように、最終スタンドと
コイラ間の張力を1.5kgf/mm2 以上に制御することに
より、磁束密度の値が高い磁気特性の優れた無方向性電
磁鋼板を得ることが可能である。
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】(実施例5)表9に示した成分を有する無
方向性電磁鋼板用スラブを通常の方法で加熱し、粗圧延
機により厚み30mmの粗バーに仕上げ、その後、シート
バーをコイル状に巻き取って1050℃で2分保持し、
再びこれを巻きほどき、先行するシートバーに接合して
これらを連続して5本仕上熱延に供して、幅1100m
m、厚み2.0mmの鋼帯に仕上げた。熱延仕上温度は8
70℃とし、冷却を施し、仕上熱延機から35mの位置
にある近接コイラにより670℃で巻き取った。比較例
として、シートバーの巻取りを行わず、単独のスラブを
シートバーに仕上げ、それを圧延に供し、他は同一条件
で仕上熱延を行った。その後、酸洗を施し、冷間圧延に
より厚み0.5mmに仕上げた。これを連続焼鈍炉で90
0℃・30秒間焼鈍した。その後、エプスタイン試料を
切り出して磁気特性を測定した。
【0042】測定は、鋼板長手方向に先端から最後尾ま
で100点の場所を選択して、それぞれWS、Cent
er、DSから採取した試料について平均値と標準偏差
を求めた。表10に、鋼Eの本発明と比較例の成分と磁
気測定結果を併せて示す。表10から明らかなように、
シートバーの巻取りを行い、一定時間保持すると共に、
これを近接コイラで巻き取ることにより、コイル幅方
向、長手方向の磁気特性の安定した無方向性電磁鋼板を
得ることが可能である。
【0043】
【表9】
【0044】
【表10】
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コイル長手方向、幅方向とも磁性の均一な無方向性電磁
鋼板を製造することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/04 C22C 38/06 38/06 H01F 1/16 A (72)発明者 久保田 猛 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 Fターム(参考) 4K033 AA01 FA03 FA04 FA10 FA11 FA12 HA01 PA06 RA03 SA01 SA03 4K034 AA02 CA01 GA11 5E041 AA02 AA11 AA19 CA04 HB05 HB07 HB11 NN01 NN06 NN17 NN18

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼中に重量%で、 0.1%<Si≦7.0%、 0.1%≦Mn≦1.5%、 C ≦0.005%、 N ≦0.005%、 S ≦0.005% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるス
    ラブを用い、熱間圧延して熱延板とし、1回の冷間圧延
    を施して最終板厚とし、次いで仕上焼鈍を施すか、ある
    いは1回目の冷間圧延後、焼鈍を施し、圧下率2〜20
    %のスキンパス圧延を施して最終板厚とする無方向性電
    磁鋼板の製造方法において、熱延仕上げ温度を750〜
    1100℃とし、熱延仕上げ温度と巻取り温度との差を
    200℃以内とすることを特徴とするコイル長手方向、
    幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱間圧延の最終スタンドから50m以内
    の位置に設置した近接コイラで熱延板を巻き取ることを
    特徴とする請求項1記載のコイル長手方向、幅方向の磁
    性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 鋼中に重量%で更に、 0.1%≦Al≦2.5% を含有することを特徴とする請求項1または2記載のコ
    イル長手方向、幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 シートバー厚みが下式(1)を満足する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載
    のコイル長手方向、幅方向の磁性の均一な無方向性電磁
    鋼板の製造方法。 t≧0.04×W−14.0 ……………… (1) ただし、t:シートバー厚み(mm) W:シートバー幅 (mm)
  5. 【請求項5】 熱間圧延の最終スタンドと近接コイラ間
    の張力を1.5kgf/mm2 以上とすることを特徴とする請
    求項2乃至4のいずれか1項に記載のコイル長手方向、
    幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 粗圧延後のシートバーをコイル状に一旦
    巻き取り、これを30秒〜30分間保持することを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコイル長
    手方向、幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼板の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 粗圧延後のシートバーを仕上熱延前に先
    行するシートバーに接合し、当該シートバーを連続して
    仕上熱延に供することを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれか1項に記載のコイル長手方向、幅方向の磁性の均
    一な無方向性電磁鋼板の製造方法。
  8. 【請求項8】 粗圧延後のシートバーをコイル状に一旦
    巻き取り、これを30秒〜30分間保持し、これを巻き
    ほどいて、仕上熱延前に先行するシートバーに接合し、
    当該シートバーを連続して仕上熱延に供することを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコイル長
    手方向、幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼板の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 巻取り後のシートバーコイルの側面をエ
    ッジヒーターで保熱または加熱することを特徴とする請
    求項1乃至8のいずれか1項に記載のコイル長手方向、
    幅方向の磁性の均一な無方向性電磁鋼板の製造方法。
  10. 【請求項10】 巻取り後のシートバーコイルを保熱カ
    バーで保温または加熱することを特徴とする請求項1乃
    至8のいずれか1項に記載のシートバーコイルの保持方
    法。
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