JP2001131201A - 植物体構成成分の変換および分離方法 - Google Patents

植物体構成成分の変換および分離方法

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JP2001131201A JP31191099A JP31191099A JP2001131201A JP 2001131201 A JP2001131201 A JP 2001131201A JP 31191099 A JP31191099 A JP 31191099A JP 31191099 A JP31191099 A JP 31191099A JP 2001131201 A JP2001131201 A JP 2001131201A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来法の問題点を解消したリグノフェノール
誘導体の新規な調製方法を提供すること。 【解決手段】 リグノセルロース系物質、フェノール誘
導体および酸を含む混合物と不活性低沸点有機溶媒とを
混合し、得られた混合物を遠心分離により3層に分離
し、3層のうちの中間層を回収する工程を含む、リグノ
フェノール誘導体の調製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は植物体構成成分の変
換および分離方法に関する。より詳細には、本発明は、
試薬の完全リサイクルを達成することが可能であること
を特徴とする、リグノセルロース系物質からリグノフェ
ノール誘導体を調製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現代社会においては化石資源の利用は不
可欠なものとなっているが、化石資源は再生産が不可能
であり、近い将来枯渇が懸念されている。化石資源に替
わる資源の一つとしては、バイオマス資源が着目されて
おり、中でも木質系バイオマスは、地球上に膨大に存在
し、短期間で生産可能であり、適切な維持管理により持
続的な供給が可能な資源である点、さらに資源としての
利用後は、自然界で分解し、新たなバイオマス資源とし
て生まれ変わるという点で着目されている。現在の木質
系バイオマスの利用法としては、木材としての利用とパ
ルプとしての利用に分類される。しかし、木材としての
利用では大量の廃棄物が排出され、パルプとしての利用
では炭水化物(セルロース)の利用を目的とするためリ
グニンはほとんど利用されていないのが現状である。
【0003】木質系(リグノセルロース系)バイオマス
の利用においてリグニンの有効な利用を図るためには、
先ず木材をその構成成分に分離することが必要である。
本発明者らはこれまでの研究により、濃酸による炭水化
物の膨潤による組織構造の破壊と、フェノール誘導体に
よるリグニンの溶媒和の組み合わせにより、リグニンの
不活性化を抑制し、リグノセルロース系物質をその構成
成分であるポリフェノール系物質と炭水化物とに分離す
る方法を開発している(特開平2−233701号)。
この方法で得られたポリフェノール系物質の活用法とし
ては、例えば、セルロース系ファイバー等の成形材料に
適用し成形体を作製することが報告されている(特開平
9−278904号)。
【0004】現在、リグノセルロース系材料中のリグニ
ンを、リグノフェノール誘導体として抽出する方法とし
ては大きく分けて3種類の方法がある。第1の方法は、
特開平2−233701号公報に記載されている方法で
ある。この方法は、例えば、図1に示すように、木粉等
のリグノセルロース系材料に液体状のフェノール誘導体
(上記で説明したもの、例えば、クレゾール等)を浸透
させ、リグニンをフェノール誘導体により溶媒和させ、
次に、リグノセルロース系材料に濃酸(上記で説明した
もの、例えば、72%硫酸)を添加し混合して、セルロ
ース成分を溶解する。この方法によると、リグニンを溶
媒和したフェノール誘導体と、セルロース成分を溶解し
た濃酸とが2相分離系を形成する。フェノール誘導体に
より溶媒和されたリグニンは、フェノール誘導体相が濃
酸相と接触する界面においてのみ、酸と接触され、酸と
の接触により生じたリグニン基本構成単位の高反応サイ
トである側鎖α位(ベンジル位)のカチオンが、フェノ
ール誘導体により攻撃される。その結果、前記α位にフ
ェノール誘導体がC−C結合で導入され、またベンジル
アリールエーテル結合が解裂することにより低分子化さ
れる。これによりリグニンが低分子化され、同時にその
基本構成単位のベンジル位にフェノール誘導体が導入さ
れたリグノフェノール誘導体がフェノール誘導体相に生
成される(図3を参照)。このフェノール誘導体相か
ら、リグノフェノール誘導体が抽出される。リグノフェ
ノール誘導体は、リグニン中のベンジルアリールエーテ
ル結合が解裂して低分子化されたリグニンの低分子化体
の集合体の一部として得られる。なお、ベンジル位への
フェノール誘導体の導入形態は、そのフェノール性水酸
基を介して導入されているものもあることが知られてい
る。
【0005】フェノール誘導体相からのリグノフェノー
ル誘導体の抽出は、例えば、次の方法で行うことができ
る。すなわち、フェノール誘導体相を、大過剰のエチル
エーテルに加えて得た沈殿物を集めて、アセトンに溶解
する。アセトン不溶部を遠心分離により除去し、アセト
ン可溶部を濃縮する。このアセトン可溶部を、大過剰の
エチルエーテルに滴下し、沈殿区分を集める。この沈殿
区分から溶媒留去し、リグノフェノール誘導体を得る。
なお、粗リグノフェノール誘導体は、フェノール誘導体
相を単に減圧蒸留により除去することによって得られ
る。
【0006】上記した第1の方法は、操作が比較的簡単
であるため実験室での迅速合成に適しており、硫酸など
の酸の回収および再利用が容易であり、酸層からの糖成
分の回収が容易であるという長所を有している。しかし
ながら、第1の方法で使用するフェノール誘導体として
は、常温で液体であり、リグニン素材に対して優れた溶
解性を示し、疎水性であるフェノール誘導体を使用する
必要があり、また反応には過剰量のフェノール誘導体を
使用する必要があるという制約があった。また、フェノ
ール相からのリグノフェノール誘導体の分離には高エネ
ルギー(減圧蒸留の場合)、または大量の溶媒(溶媒精
製の場合)を必要とするという問題点があった。
【0007】第2および第3の方法は、図2に示すよう
に、リグノセルロース系材料に、固体状あるいは液体状
のフェノール誘導体を溶解した溶媒(例えば、エタノー
ルあるいはアセトン)を浸透させた後、溶媒を留去する
(フェノール誘導体の収着工程)。次に、このリグノセ
ルロース系材料に濃酸を添加してセルロース成分を溶解
する。この結果、第1の方法と同様、フェノール誘導体
により溶媒和されたリグニンは、濃酸と接触して生じた
リグニンの高反応サイト(側鎖α位)のカチオンがフェ
ノール誘導体により攻撃されて、フェノール誘導体が導
入される。また、ベンジルアリールエーテル結合が解裂
してリグニンが低分子化される。得られるリグノフェノ
ール誘導体の特性は、第1の方法で得られるものと同様
である。そして、第1の方法と同様にして、フェノール
誘導体化されたリグノフェノール誘導体を液体フェノー
ル誘導体にて抽出する。液体フェノール誘導体相からの
リグノフェノール誘導体の抽出も、第1の方法と同様に
して行うことができる(これを第2の方法と称する)。
あるいは、濃酸処理後の全反応液を過剰の水中に投入
し、不溶区分を遠心分離にて集め、脱酸後、乾燥する。
この乾燥物にアセトンあるいはアルコールを加えてリグ
ノフェノール誘導体を抽出する。さらに、この可溶区分
を第1の方法と同様に、過剰のエチルエーテル等に滴下
して、リグノフェノール誘導体を不溶区分として得る
(これを第3の方法と称する)
【0008】第2および第3の方法は、第1の方法とは
異なり、常温で液体または固体のフェノール誘導体の何
れをも用いることができ、フェノール誘導体の使用量も
リグニンユニットと等モル量まで減少させることが可能
であるという利点を有する。しかし、第2の方法は、第
1の方法と同様に、フェノール相からのリグノフェノー
ル誘導体の分離のために高エネルギー(減圧蒸留の場
合)または大量の溶媒(溶媒精製の場合)を必要とする
という問題点があった。また、第3の方法では、濃酸処
理後の全反応液を過剰の水で希釈するために、フェノー
ル誘導体および酸の回収が困難であるという問題点や、
沈殿物の洗浄(脱酸処理)に比較的時間がかかるという
問題点があった。
【0009】従って、より簡単で迅速にリグノフェノー
ル誘導体を調製でき、かつフェノール誘導体の回収と再
利用、糖の分離、並びに酸の回収と再利用が可能である
ようなリグノフェノール誘導体の新規な調製方法を開発
する必要性があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決することを課題とした。即ち、本発明
は、以下の課題を解決したリグノフェノール誘導体の新
規な調製方法を提供することを解決すべき課題とした。 (1)常温で液体または固体のフェノール誘導体を反応
物質として使用できること。 (2)フェノール誘導体の使用量を最小化することがで
きること。 (3)リグノフェノール誘導体を迅速に合成および分離
することができること。 (4)糖成分の分離および回収が容易であること。 (5)フェノール誘導体の回収および再利用が容易であ
ること (6)硫酸の回収および再利用が容易であること。 (7)リグノフェノール誘導体の調製(資源変換)に要
するエネルギーおよび時間が少ないこと (8)低エネルギー、試薬の完全リサイクル利用、植物
素材の完全変換利用を意図したプラントレベルでのプロ
セスに利用可能であること。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、リグノセルロー
ス系物質、フェノール誘導体および酸を含む混合物に不
活性低沸点有機溶媒を添加し、得られた混合物を撹拌し
た後に遠心分離することによって3層に分離し、これら
3層のうちの中間層からリグノフェノール誘導体を単離
し、このリグノフェノール誘導体が従来の方法で調製さ
れたリグノフェノール誘導体と同様の物性値を示すこと
を確認し、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明によれば、リグノセルロース
系物質、フェノール誘導体および酸を含む混合物と不活
性低沸点疎水性有機溶媒とを混合し、得られた混合物を
遠心分離により3層に分離し、3層のうちの中間層を回
収する工程を含む、リグノフェノール誘導体の調製方法
が提供される。好ましくは、リグノセルロース系物質、
フェノール誘導体および酸を含む混合物は、不活性低沸
点有機溶媒に溶解したフェノール誘導体とリグノセルロ
ース系物質とを混合した後に、過剰量の有機溶媒とフェ
ノール誘導体を除去し、残存した混合物と酸とを混合す
ることによって調製される。好ましくは、回収した中間
層を水で洗浄して酸を除去した後、アセトン抽出するこ
とによりリグノフェノール誘導体が回収される。
【0013】本発明の別の側面によれば、(1)不活性
低沸点有機溶媒に溶解したフェノール誘導体とリグノセ
ルロース系物質とを混合した後に、過剰量の不活性低沸
点有機溶媒とフェノール誘導体とを除去する工程; (2)工程(1)で残存した混合物と酸とを混合する工
程;及び (3)工程(2)で得られた混合物と不活性低沸点疎水
性有機溶媒とを混合し、得られた混合物を遠心分離によ
り3層に分離し、3層のうちの中間層を回収する工程;
を2回以上繰り返して行うリグノフェノール誘導体の調
製方法が提供される。好ましくは、工程(1)で除去し
た過剰量の不活性低沸点有機溶媒とフェノール誘導体と
は工程(1)で再利用される。好ましくは、工程(3)
で形成された3層のうちからフェノール誘導体と有機溶
媒とを含む上層を回収し、工程(1)で再利用する。好
ましくは、工程(3)で形成された3層のうちから酸を
含む下層を回収し、工程(2)で再利用する。
【0014】好ましくは、不活性低沸点疎水性有機溶媒
が、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサンまたはこ
れらの混合物から選択される。好ましくは、フェノール
誘導体はクレゾールである。好ましくは、酸は65重量
%以上の濃硫酸である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様および実
施方法について詳細に説明する。本発明のリグノフェノ
ール誘導体の調製方法は、リグノセルロース系物質、フ
ェノール誘導体および酸を含む混合物と、不活性低沸点
有機溶媒とを混合することを一つの特徴とする。
【0016】本発明で用いる「リグノセルロース系物
質」とは、木質化した材料、主として木材である各種材
料、例えば、木粉、チップ、廃材、端材などを挙げるこ
とができる。また用いる木材としては、針葉樹、広葉樹
など任意の種類のものを使用することができる。さら
に、各種草本植物、それに関連する試料、例えば、農産
廃棄物なども使用できる。
【0017】本発明で用いる「フェノール誘導体」とし
ては、1価のフェノール誘導体、2価のフェノール誘導
体、または3価のフェノール誘導体などを用いることが
できる。1価のフェノール誘導体の具体例としては、1
以上の置換基を有していてもよいフェノール、1以上の
置換基を有していてもよいナフトール、1以上の置換基
を有していてもよいアントロール、1以上の置換基を有
していてもよいアントロキノンオールなどが挙げられ
る。2価のフェノール誘導体の具体例としては、1以上
の置換基を有していてもよいカテコール、1以上の置換
基を有していてもよいレゾルシノール、1以上の置換基
を有していてもよいヒドロキノンなどが挙げられる。3
価のフェノール誘導体の具体例としては、1以上の置換
基を有していてもよいピロガロールなどが挙げられる。
【0018】フェノール誘導体が有していてもよい置換
基の種類は特に限定されず、任意の置換基を有していて
もよいが、好ましくは、電子吸引性の基(ハロゲン原子
など)以外の基であり、例えば、アルキル基(メチル
基、エチル基、プロピル基など)、アルコキシ基(メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基など)、アリール基
(フェニル基など)などが挙げられる。また、フェノー
ル誘導体上のフェノール性水酸基の2つあるオルト位の
うちの少なくとも片方は無置換であることが好ましい。
フェノール誘導体の特に好ましい例は、クレゾール、特
にm−クレゾールまたはp−クレゾールであり、最も好
ましい例は、p−クレゾールである。
【0019】本発明で用いる「酸」としては、セルロー
スに対する膨潤性を有する酸が好ましい。酸の具体例と
しては、例えば濃度65重量%以上の硫酸(例えば、7
2重量%の硫酸)、85重量%以上のリン酸、38重量
%以上の塩酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ
酢酸、トリクロロ酢酸、ギ酸などを挙げることができ
る。
【0020】本発明で用いる「不活性低沸点疎水性有機
溶媒」とは、リグノセルロース系物質からリグノフェノ
ール誘導体を調製する際の化学反応に影響を及ぼすこと
がなく、また比較的低い沸点(例えば、200℃以下、
好ましくは150℃以下の沸点)を有する有機溶媒を意
味する。不活性低沸点疎水性有機溶媒の具体例として
は、芳香族または脂肪族の炭化水素系溶媒などが挙げら
れ、より具体的には、ベンゼン、キシレン、トルエンま
たはヘキサンなどが挙げられ、これら溶媒は1種類のみ
を単独で使用してもよいし、2種類以上の溶媒を組み合
わせて用いてもよい。
【0021】本発明の方法では、リグノセルロース系物
質、フェノール誘導体および酸を含む混合物と不活性低
沸点有機溶媒とを混合することによって得られた混合物
を遠心分離により3層に分離する。遠心分離に先だって
混合物を撹拌しておくことが好ましい。遠心分離の条件
は、3層に分離することができる限り特に限定されるこ
とはなく、反応を実施する際のスケールなどを考慮して
適宜設定することができる。例えば、混合物を3,50
0rpmで10分間遠心を行うことによって3層に分離
することができる。遠心分離によって分離した3層のう
ち、上層は未反応のフェノール誘導体を含む有機相であ
り、中間層はベルト状に凝集したリグノフェノール画分
であり、下層は炭水化物を溶解した酸相である。本発明
の方法では、上記の3層のうちの中間層を回収すること
によって所望のリグノフェノール誘導体を回収すること
ができる。
【0022】なお、3層のうちの上層からは未反応のフ
ェノール誘導体を回収することができ、回収したフェノ
ール誘導体は、次のバッチにおいてリグノセルロース系
物質を処理するために再利用することができる。また、
3層のうちの下層からは酸を回収することができ、回収
した酸は次のバッチにおいてリグノセルロース系物質を
処理するために再利用することができる。
【0023】本発明で用いる「リグノセルロース系物
質、フェノール誘導体および酸を含む混合物」の調製方
法は特には限定されない。好ましい態様においては、当
該混合物は、不活性低沸点有機溶媒に溶解したフェノー
ル誘導体とリグノセルロース系物質とを混合した後に、
過剰量の有機溶媒とフェノール誘導体を除去し、残存し
た混合物と酸とを混合することによって調製される。フ
ェノール誘導体を溶解するために使用される不活性低沸
点有機溶媒は、例えば、アセトン、ベンゼン、ヘキサ
ン、トルエン、キシレンまたはこれらの混合物である。
フェノール誘導体を溶解するために使用される有機溶媒
は、リグノセルロース系物質、フェノール誘導体および
酸を含む混合物と混合するために用いられる不活性低沸
点疎水性有機溶媒と同一でも異なっていてもよく、好ま
しくはアセトン以外のベンゼン、キシレン、トルエン、
ヘキサンまたはこれらの混合物から選択される不活性低
沸点疎水性有機溶媒である。フェノール誘導体を溶解す
るために使用される不活性低沸点有機溶媒は、リグノセ
ルロース系物質、フェノール誘導体および酸を含む混合
物と混合するために用いられる不活性低沸点疎水性有機
溶媒と同一であることが好ましい。
【0024】除去された過剰量の有機溶媒とフェノール
誘導体は、次のバッチにおける工程1で再度利用するこ
とができる。なお、本発明の方法を用いてリグノフェノ
ール誘導体を工業的スケールで大量に調製する場合に
は、除去した過剰量の不活性低沸点有機溶媒とフェノー
ル誘導体とを工程1で再利用することによって、不活性
低沸点有機溶媒とフェノール誘導体の必要量を最小限に
抑えることができ、このことはコスト面あるいは環境面
などの観点から好ましい。過剰量の不活性低沸点有機溶
媒とフェノール誘導体を除去する方法は、特に限定され
ないが、例えば、蒸留または濾過などを挙げることがで
きる。
【0025】本発明で言う「リグノフェノール誘導体」
とは、リグニンのフェニルプロパン単位の側鎖α位に、
フェノール誘導体がC−C結合で導入されたジフェニル
プロパン単位を含む重合体を意味するものである。この
重合体における導入フェノール誘導体の量や、分子量
は、原料となるリグノセルロース系材料および反応条件
により変動する。
【0026】本発明の方法で得られるリグノフェノール
誘導体は、一般的には以下のような特徴を有する。但
し、本発明の方法で得られるリグノフェノール誘導体の
特徴は以下のものに限定されることはない。 (1)重量平均分子量は約2000〜5000程度であ
る。 (2)分子内に共役系をほとんど有さず、その色調は極
めて淡色である。 (3)針葉樹由来のもので約170℃、広葉樹由来のも
ので約130℃に固−液相転移点を有する。 (4)側鎖α位へのフェノール誘導体の選択的グラフテ
ィングの結果、フェノール性水酸基量が非常に多く、高
いフェノール特性が付与されたリグニン誘導体である。 (5)リグニン構成単位の芳香核と側鎖α位にグラフテ
ィングされたフェノール誘導体の芳香核とでジフェニル
メタン型構造を形成し、自己縮合は抑制されている。 (6)メタノール、エタノール、アセトン、ジオキサ
ン、ピリジン、THF(テトラヒドロフラン)、DMF
(ジメチルホルムアミド)など各種溶媒に容易に溶解す
る。
【0027】本発明の調製方法で得られるリグノフェノ
ール誘導体はそのまま以下に述べるような用途において
使用してもよいが、さらに置換基を修飾するなど誘導体
化してから用いることもできる。誘導体化の方法として
は、例えば、以下に説明するアルカリ処理などが挙げら
れる。即ち、p−置換フェノールの導入頻度をコントロ
ールすることにより分子サイズを任意に調整することが
できる。天然リグニンより本発明の方法により得られる
リグノフェノール誘導体は、その活性Cαがフェノール
誘導体でブロックされているので、総体として安定であ
る。しかし、アルカリ性条件下ではそのフェノール性水
酸基は容易に解離し、生じたフェノキシドイオンは立体
的に可能な場合には隣接Cβ位を攻撃する。これにより
Cβ位のアリールエーテル結合は開裂し、リグノフェノ
ール誘導体は低分子化され、さらに導入フェノール核に
あったフェノール性水酸基がリグニン母体へと移動す
る。従って、アルカリ処理された誘導体は分子サイズが
調整され、オリジナルの誘導体よりも疎水性が向上する
ことが期待される。
【0028】また、このときCγ位に存在するアルコキ
シドイオンあるいはリグニン芳香核のカルバニオンがC
β位を攻撃することも期待されるが、これはフェノキシ
ドイオンに比べはるかに高いエネルギーを必要とする。
従って、緩和なアルカリ性条件下では導入フェノール核
のフェノール性水酸基の隣接基効果が優先的に発現し、
より厳しい条件下では更なる反応がおこり、いったんエ
ーテル化されたクレゾール核のフェノール性水酸基が再
生し、これによりリグノフェノール誘導体はさらに低分
子化されるとともに水酸基が増えることにより親水性が
上がることが期待される。
【0029】さらにまた、本発明の方法で製造されるリ
グノフェノール誘導体およびそれをアルカリ処理したリ
グノフェノール誘導体には、フェノール性およびアルコ
ール性水酸基が存在するため多様な特性を示すことにな
る。この水酸基を保護することにより異なる別の特性を
示す誘導体を得ることができる。水酸基を保護する方法
としては、例えば、アシル基(例えば、アセチル基、プ
ロピオニル基、ベンジル基などが挙げられ、好ましくは
アシル基)などの保護基で水酸基を保護することが挙げ
られる。
【0030】本発明の調製方法で得られるリグノフェノ
ール誘導体並びにそのさらなる誘導体の用途は特に限定
されず、例えば、各種の成形体に加工して用いることが
できる。リグノフェノール誘導体を用いて各種成形体を
作成する方法は、特開平9−278904号公報に記載
されており、本発明の調製方法で得られるリグノフェノ
ール誘導体についても、特開平9−278904号公報
に記載されているように成形体に加工して利用すること
ができる。
【0031】リグノフェノール誘導体を含む成形体の製
造に用いる成形材料としては、天然あるいは合成の、フ
ァイバー状、チップ状、粉状等の材料を用いることがで
き、成形材料の形態は、これらの形態に限定するもので
はなく、広く公知の各種形態のものを用いることができ
る。セルロース系ファイバーの原料としては、針葉樹や
広葉樹を原料とする木材繊維、コウゾ、ケナフ、マニラ
麻、ワラ、バガスなどの非木材繊維のいずれをも利用可
能であり、セルロース系ファイバーは、リグノセルロー
ス系材料から製造されたパルプ加工品であるボール紙、
新聞紙等の各種製品を解繊して得たものを用いることも
できる。また、チップ状の成形材料としては、天然、合
成の各種炭化水素系、金属系、ガラス系、セラミックス
系等の各種材料のものを用いることができる。炭化水素
系のチップとしては、木材あるいは木材以外を材料とす
る天然のセルロース系チップを挙げることができ、金属
系のチップとしては、アルミチップを挙げることがで
き、セラミックス製チップとしては、Al23やSiO
2 のチップを挙げることができる。また、粉状の成形
材料としては、上記チップ状の材料と同様の材料を用い
た、粉砕により、あるいは本来的に粉状の成形材料を用
いることができる。
【0032】リグノフェノール誘導体を用いて成形体を
形成するには、成形材料にリグノフェノール誘導体を液
化状態で添加されている状態とし、この液化状態にある
リグノフェノール誘導体を固体化する。リグノフェノー
ル誘導体は、液化状態から固体へ変化する際に粘結性を
発揮する。すなわち、溶媒に溶解した状態から溶媒が留
去されて固体として析出された際、あるいは、それ自体
が溶融している状態から冷却により固体化する際に、粘
結性を発揮する。このような粘結性発揮プロセスを利用
することにより、リグノフェノール誘導体を成形材料を
接着するバインダーとして用いることができる。したが
って、リグノフェノール誘導体は、成形体の製造に際し
ては、リグノフェノール誘導体溶液で成形材料に添加さ
れて溶媒留去されるプロセス、あるいは、固体状態で添
加されて、加熱溶融、冷却されるプロセスを経ることに
なる。ここに、リグノフェノール誘導体溶液とは、リグ
ノフェノール誘導体を、アセトン、エタノール、メタノ
ール、ジオキサン、及びこれらのそれぞれと水との混合
液に溶解したものを用いることができる。また、リグノ
セルロース系材料からのリグノフェノール誘導体を合成
分離する工程において、得られるリグノフェノール誘導
体溶液も用いることができる。
【0033】あるいはまた、本発明の調製方法で得られ
たリグノフェノール誘導体並びにそのさらなる誘導体を
生分解性ポリエステルなどのポリエステルに可塑剤とし
て配合することによって優れた性能を有するポリエステ
ルを調製することもできる。そのようなポリエステル組
成物については、特願平11−243543号明細書に
記載されている。以下の実施例により本発明をより詳細
に説明するが、本発明は実施例によって限定されること
はない。
【0034】
【実施例】実施例1:本発明の方法によるリグノフェノ
ール誘導体の調製 p−クレゾール(0.4g)をアセトン(10g)に溶
解し、木粉(1g)に加え、数時間放置した。濾過によ
り過剰量のp−クレゾールとアセトンを除去した。この
際、木粉内に残留させるp−クレゾールの量はリグニン
ユニットあたり3モル倍とした (等モル倍以上であれ
ばよい)。得られたp−クレゾールが収着した木粉に7
2%硫酸(10ml)を加え、約1時間激しく撹拌し
た。次いで、10mlの不活性低沸点有機溶媒(n−ヘ
キサン、ベンゼン、トルエンまたはキシレン)を加えて
約10分間激しく撹拌した。反応液を全て遠心管に移
し、3500rpmで25℃で10分間遠心分離した。
反応混合物は未反応フェノール誘導体を含む有機相
(上層)、バンド状に凝集したリグノフェノール画分
(中間層)、炭水化物を溶解した硫酸相 (下層) の3層
に分離した。4種の不活性低沸点有機溶媒のいずれを用
いた場合においても、上層は無色透明であり、中間層に
は茶色の固層がバンド状に形成され、下層は透明な黄色
であった。
【0035】硬いベルトを形成しているリグノフェノー
ル誘導体を含む中間層をそのまま薬匙で取り出し、上記
で用いたのと同じ低沸点有機溶媒で洗浄し、付着してい
るフェノール誘導体を除去した。洗浄した中間層に過剰
量の水を加え、激しく攪拌し、遠心分離(8000rp
m、10分間)により水不溶区分を回収した。この操作
を繰り返し、中性付近に達するまで洗浄を繰り返して脱
酸した。水不溶区分を乾燥後、アセトンにてリグノフェ
ノール誘導体を抽出した。アセトン抽出液を濃縮および
乾固することによって粗リグノフェノール誘導体を得た
(収量0.3g)。
【0036】リグノフェノール誘導体のアセトン溶液を
濃縮後、大過剰のジエチルエーテルに滴下した。沈殿区
分を遠心分離にて回収し、ジエチルエーテルにて洗浄
後、溶媒を留去、乾燥して精製リグノフェノール誘導体
を得た(収量0.25g)。得られた精製リグノフェノ
ール誘導体について、UVスペクトル(図4)、ゲル濾
過クロマトグラフィー(図5)、TMA曲線(図6)、
IRスペクトル(図7)および1H NMRスペクトル
(図8)を測定した。
【0037】参考例1:従来法によるリグノフェノール
誘導体の調製 図2に示すリグノフェノール誘導体を製造するための第
3の方法(濃酸処理後の全反応液を過剰の水中に投入
し、不溶区分を遠心分離にて集め、脱酸後、乾燥し、こ
の乾燥物にアセトンあるいはアルコールを加えてリグノ
フェノール誘導体を抽出する方法)に従って、木粉から
リグノフェノール誘導体を調製した。なお、この方法の
詳細は特開平9−278904号公報の実施例1に記載
されている。得られたリグノフェノール誘導体につい
て、実施例1と同様に、UVスペクトル(図4)、ゲル
濾過クロマトグラフィー(図5)、TMA曲線(図
6)、IRスペクトル(図7)および1H NMRスペ
クトル(図8)を測定した(図4〜図8において参考例
1と表示)。
【0038】図4から図8に示す通り、実施例1および
参考例1で調製した各リグノフェノール誘導体は同様の
物性データを示した。従って、本発明の調製方法によっ
て、従来法で調製されるリグノフェノール誘導体と同様
のリグノフェノール誘導体を調製することができること
が示された。
【0039】
【発明の効果】本発明の調製方法により、従来法により
製造されたリグノフェノール誘導体と同様の物性を有す
るリグノフェノール誘導体を調製することができる。即
ち、本発明により、(1)常温で液体または固体のフェ
ノール誘導体を反応物質として使用でき、(2)フェノ
ール誘導体の使用量を最小化することができ、(3)リ
グノフェノール誘導体を迅速に合成することができ、
(4)糖成分の分離が容易であり、(5)フェノール誘
導体の回収および再利用が容易であり、(6)硫酸の回
収および再利用が容易であり、(7)リグノフェノール
誘導体の調製(資源変換)に要するエネルギーおよび時
間が少く、(8)低エネルギー、試薬の完全リサイクル
利用、植物素材の完全変換利用を意図したプラントレベ
ルでのプロセスに利用可能である;ことを特徴とするリ
グノフェノール誘導体の新規な調製方法を提供すること
が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、リグノフェノール誘導体を製造するた
めの従来法による第1の方法を示す図である。
【図2】図2は、リグノフェノール誘導体を製造するた
めの従来法による第2および第3の方法を示す図であ
る。
【図3】図3は、フェノール誘導体相と濃酸相との2相
分離系における、フェノール誘導体相の界面での濃酸と
の接触を介したリグニンとフェノール誘導体との反応を
示す図である。
【図4】図4は、本発明の方法および従来法により調製
されたリグノフェノール誘導体のUVスペクトルの測定
結果を示す図である。
【図5】図5は、本発明の方法および従来法により調製
されたリグノフェノール誘導体のゲル濾過クロマトグラ
フィーの測定結果を示す図である。
【図6】図6は、本発明の方法および従来法により調製
されたリグノフェノール誘導体のTMA曲線の測定結果
を示す図である。
【図7】図7は、本発明の方法および従来法により調製
されたリグノフェノール誘導体のIRスペクトルの測定
結果を示す図である。
【図8】図8は、本発明の方法および従来法により調製
されたリグノフェノール誘導体の1H NMRスペクト
ルの測定結果を示す図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リグノセルロース系物質、フェノール誘
    導体および酸を含む混合物と不活性低沸点疎水性有機溶
    媒とを混合し、得られた混合物を遠心分離により3層に
    分離し、3層のうちの中間層を回収する工程を含む、リ
    グノフェノール誘導体の調製方法。
  2. 【請求項2】 リグノセルロース系物質、フェノール誘
    導体および酸を含む混合物が、不活性低沸点有機溶媒に
    溶解したフェノール誘導体とリグノセルロース系物質と
    を混合した後に、過剰量の有機溶媒とフェノール誘導体
    を除去し、残存した混合物と酸とを混合することによっ
    て調製される、請求項1に記載のリグノフェノール誘導
    体の調製方法。
  3. 【請求項3】 回収した中間層を水で洗浄して酸を除去
    した後、アセトン抽出することによりリグノフェノール
    誘導体を回収することを含む、請求項1または2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 (1)不活性低沸点有機溶媒に溶解した
    フェノール誘導体とリグノセルロース系物質とを混合し
    た後に、過剰量の不活性低沸点有機溶媒とフェノール誘
    導体とを除去する工程; (2)工程(1)で残存した混合物と酸とを混合する工
    程;及び (3)工程(2)で得られた混合物と不活性低沸点疎水
    性有機溶媒とを混合し、得られた混合物を遠心分離によ
    り3層に分離し、3層のうちの中間層を回収する工程;
    を2回以上繰り返して行うリグノフェノール誘導体の調
    製方法。
  5. 【請求項5】 工程(1)で除去した過剰量の不活性低
    沸点有機溶媒とフェノール誘導体とを工程(1)で再利
    用することを特徴とする、請求項4に記載の調製方法。
  6. 【請求項6】 工程(3)で形成された3層のうちから
    フェノール誘導体と有機溶媒とを含む上層を回収し、工
    程(1)で再利用することを特徴とする、請求項4また
    は5に記載の調製方法。
  7. 【請求項7】 工程(3)で形成された3層のうちから
    酸を含む下層を回収し、工程(2)で再利用することを
    特徴とする、請求項4から6の何れか1項に記載の調製
    方法。
  8. 【請求項8】 不活性低沸点疎水性有機溶媒が、ベンゼ
    ン、キシレン、トルエン、ヘキサンまたはこれらの混合
    物から選択される、請求項1から7の何れか1項に記載
    のリグノフェノール誘導体の調製方法。
  9. 【請求項9】 フェノール誘導体がクレゾールである、
    請求項1から8の何れか1項に記載のリグノフェノール
    誘導体の調製方法。
  10. 【請求項10】 酸が65重量%以上の濃硫酸である、
    請求項1から9の何れか1項に記載のリグノフェノール
    誘導体の調製方法。
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