JP2001130865A - クレーン装置の駆動制御装置、クレーン装置の駆動制御方法および記録媒体 - Google Patents

クレーン装置の駆動制御装置、クレーン装置の駆動制御方法および記録媒体

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JP2001130865A
JP2001130865A JP31430199A JP31430199A JP2001130865A JP 2001130865 A JP2001130865 A JP 2001130865A JP 31430199 A JP31430199 A JP 31430199A JP 31430199 A JP31430199 A JP 31430199A JP 2001130865 A JP2001130865 A JP 2001130865A
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寺嶋  一彦
Kensuke Suzuki
健介 鈴木
Shozo Muto
昌三 武藤
Tadao Izeki
忠雄 井関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回・起伏動作が可能なクレーン装置におい
て、操縦者の技能に関わらず、吊り荷の振れを抑制す
る。 【解決手段】 操縦者の操縦による旋回動作または起伏
動作に応じて、直線搬送変換モデルを用いて起伏動作を
自動的に制御し、XY平面(クレーン装置が配置される
水平面)に対してブーム11の先端が直線運動するよう
にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旋回および起伏動
作が可能なブームを備えたクレーン装置の駆動制御装
置、駆動制御方法、および駆動制御処理をコンピュータ
に実行させるプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】港湾での荷の積み下ろしには、旋回式ク
レーンが用いられている。このような旋回式クレーンの
操作では、熟練者の技量により吊り荷の振れを抑制し、
目標位置への搬送が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
に熟練者であれば、吊り荷の振れを抑制することはでき
るが、経験の浅い操縦者が操縦した場合には、吊り荷の
振れを抑制することが困難である。このため、吊り荷の
振れを検出するセンサ等を設け、このセンサからの検出
信号に基づいてブームの旋回角や起伏角を制御し、これ
により振れを抑制する技術が考えられている。しかしな
がら、この場合、吊り荷の振れを検出するセンサを設け
る必要があり、構成が複雑なる。
【0004】また、ブームの旋回と起伏とを同時に制御
することにより、XY平面上で荷を直線的に搬送、つま
り上方からクレーン装置を二次元的にみた場合に荷を直
線的に搬送して振れを抑制する方法も研究されている
が、現在のところ有効な方法は提案されていない。
【0005】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
ものであり、操縦者の技能に関わらず、吊り荷の振れを
抑制することが可能なクレーン装置の駆動制御装置、駆
動制御方法、および駆動制御処理をコンピュータに実行
させるプログラムを記録した記録媒体を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に記載のクレーン装置の駆動制御
装置は、ブームと、該ブーム先端部につり下げられるひ
も状部材と、このひも状部材の下端に設けられる荷物保
持部とを備え、前記ブームの旋回および起伏動作が可能
なクレーン装置において、前記ブームの旋回および起伏
を制御する装置であって、前記ひも状部材の長さl、前
記ブームの旋回角θ、前記ブームの起伏角φ、仮想ブー
ム長R、仮想起伏角加速度uΨ、および重力加速度gと
を用いて以下に示す直線搬送変換式(1)により、前記
ブームの旋回角加速度uθおよび前記ブームの起伏角加
速度uφを算出し、これらの算出値uθ、uφを用い、
前記ブームの旋回および起伏駆動を同時に制御すること
により、前記荷物保持部に保持される荷物を、該クレー
ン装置が配置される水平面に対して直線搬送するように
したことを特徴としている。
【数4】
【0007】また、請求項2に記載のクレーン装置の駆
動制御方法は、ブームと、該ブーム先端部につり下げら
れるひも状部材と、このひも状部材の下端に設けられる
荷物保持部とを備え、前記ブームの旋回および起伏動作
が可能なクレーン装置において、前記ブームの旋回およ
び起伏を制御する方法であって、前記ひも状部材の長さ
l、前記ブームの旋回角θ、前記ブームの起伏角φ、仮
想ブーム長R、仮想起伏角加速度uΨ、および重力加速
度gとを用いて以下に示す直線搬送変換式(1)によ
り、前記ブームの旋回角加速度uθおよび前記ブームの
起伏角加速度uφを算出し、これらの算出値uθ、uφ
を用い、前記ブームの旋回および起伏駆動を同時に制御
することにより、前記荷物保持部に保持される荷物を、
該クレーン装置が配置される水平面に対して直線搬送す
ることを特徴としている。
【数5】
【0008】また、請求項3に記載の記録媒体は、ブー
ムと、該ブーム先端部につり下げられるひも状部材と、
このひも状部材の下端に設けられる荷物保持部とを備
え、前記ブームの旋回および起伏動作が可能なクレーン
装置において、前記ブームの旋回および起伏を制御する
処理であって、前記ひも状部材の長さl、前記ブームの
旋回角θ、前記ブームの起伏角φ、仮想ブーム長R、仮
想起伏角加速度uΨ、および重力加速度gとを用いて以
下に示す直線搬送変換式(1)により、前記ブームの旋
回角加速度uθおよび前記ブームの起伏角加速度uφ
算出し、これらの算出値uθ、uφを用い、前記ブーム
の旋回および起伏駆動を同時に制御することにより、前
記荷物保持部に保持される荷物を、該クレーン装置が配
置される水平面に対して直線搬送させる処理をコンピュ
ータに実行させるプログラムを記録している。
【数6】
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。 A.クレーン装置 まず、図1は本発明の一実施形態に係る駆動制御装置を
備えたクレーン装置の構成を示す。同図に示すように、
このクレーン装置は、地上などに配置される基体部11
を有しており、この基体部11にブーム10が取り付け
られている。ここで、ブーム10は、基体部11に取り
付けられた端部を支点として起伏動作が可能になされて
おり、起伏駆動モータ13による俯仰ロープ12の巻き
上げもしくは繰り出しによってその起伏動作が制御され
るようになっている。
【0010】また、ブーム10の先端部には、図示せぬ
シーブが設けられており、このシーブに巻き上げロープ
14が架け回されている。巻き上げロープ14の端部に
は、荷物を保持する保持部材15が設けられている。つ
まり、ブーム10の先端から巻き上げロープ14により
保持部材15がつり下げられた状態となっている。ま
た、巻き上げロープ14は、図示せぬ巻き上げモータに
より巻き上げもしくは繰り出されるようになっており、
これによりブーム10の先端部からのロープ長lを制御
することができるようになっている。
【0011】基体部11は、旋回駆動モータ16により
旋回駆動されるようになっている。これにより、ブーム
10は旋回動作および起伏動作の両者を行うことができ
るようになっている。ここで、起伏駆動モータ13およ
び旋回駆動モータ16は、駆動制御装置18により駆動
制御され、ブーム10の旋回および起伏動作が制御され
るようになっている。駆動制御装置18は操縦者から操
作部17を介して入力される操作情報等に基づいて、ブ
ーム10の旋回角加速度や起伏加速度を導出し、ブーム
10の駆動を制御する。具体的に例示すると、ブーム1
0の旋回操縦用の操作子が操作されると、その操作量に
応じて旋回角加速度が決定され、起伏操縦用の操作子が
操作されると、その操作量に応じて起伏角加速度が決定
される。ここまでは、通常の一般的な旋回・起伏クレー
ン装置と同様であるが、本発明では、駆動制御装置18
がブーム10の起伏角および旋回角を示す情報をリアル
タイムで取得し、この取得した情報に基づいて後述する
直線搬送制御を行うブーム10の旋回・起伏の駆動制御
に特徴を有しており、以下、駆動制御装置18による旋
回・駆動制御について説明する。なお、ブーム10の起
伏角および旋回角は一般的なクレーン装置と同様にモー
タに設けられたピックアップや機械軸の動き検知して角
度を出力するエンコーダ等により取得している。
【0012】B.旋回・駆動制御 B−1.概略 まず、駆動制御装置18による旋回・駆動制御の概略に
ついて参照しながら説明する。まず、図2にクレーン装
置で旋回動作時の様子を上方から見た図である。同図に
示すように、旋回動作のみを行った場合、ブーム10の
先端部、つまり荷物Lが基体部11を中心とした円運動
(図中破線で示す)を行うことになる。従って、この円
運動の際に生じる遠心力により荷物Lは外周側に振れて
しまうことになる。旋回動作をゆっくりと行えば、この
ような遠心力に起因する振れを抑制することはできる
が、この場合、作業時間が大幅に増加してしまう。
【0013】そこで、本発明では、図3に示すように、
旋回動作時に起伏動作を同時に制御することにより、上
方からみた場合(つまり、XY平面)に、荷物Lを保持
するブーム10の先端部が直線運動(直線Dに沿って運
動)するようにし、これにより荷物Lの振れを抑制して
いる。具体的には、図示の場合、旋回時に徐々に起伏角
をφを小さくし、基体部11の正面を荷物Lが通過した
後、徐々に起伏角φを大きくし、これによりXY平面
(クレーン装置が配置される水平面)に対して直線運動
するようにしている。すなわち、本発明は、操縦者にク
レーン装置が操作されると、リアルタイムで取得したブ
ーム10の起伏角および旋回角のパラメータを用い、後
述する直線搬送変換モデルにより起伏・旋回動作を制御
し、上述した直線搬送を実現するものである。つまり、
駆動制御装置18は、操縦者の操縦によりブーム10が
駆動されると、それに応じた旋回角加速度および起伏角
加速度を直線搬送変換モデルを用いて算出し、算出した
旋回角加速度および起伏角加速度とを用いてブーム10
の旋回・起伏を同時に制御することにより、直線搬送を
実現するのである。なお、駆動制御装置18による制御
手法としては、Fletcher-Reeves法(「システムの最適
理論と最適化」(嘉納秀明、コロナ社、1995−1
0)参照)を用いる。
【0014】B−2.直線搬送変換モデル 次に、本発明で上述したように角加速度の算出演算に用
いられる直線搬送変換モデルについて説明するが、これ
に先立ち、従来から使用されているモデルを用いた方式
について説明し、これと比較しながら本発明に適用され
る直線搬送変換モデルについて説明する。まず、図4
(a)は旋回式クレーンの概要図であり、図4(b)は
旋回式クレーンにおける荷物とブーム先端の関係、つま
り振れ角を示す図である。図4(a)において、θはブ
ーム10の旋回角、φはブーム10の起伏角、LBはブ
ーム10の長さ、lはロープ長を示している。また、図
4(b)において、α、βはブーム10の先端と荷位置
とのずれ、つまり振れ角を示し、αはX方向の振れ角、
βはY方向の振れ角を示している。従来では、図4
(b)に示される荷位置(α、β)に着目したロープ長
一定の荷位置モデルを導出しているが、このモデルの状
態変数は10であるため、低次元モデルの導出を考え、
荷物の振れ角に着目した振れ角モデルを構築している。
この場合状態変数は8となるが、依然項数が多く複雑な
ため、近似を行って近似振れ角モデルを構築するのが一
般的である。このように構築した近似振れ角モデルと荷
位置モデルの応答を調べたところ近似に対する誤差は顕
著に現れないため、従来方式では、次に示すような運動
方程式の近似振れ角モデルを用いている。
【数7】 ただし、上記運動方程式における各パラメータは以下の
通りである。
【数8】 また、uθおよびuφは、それぞれ旋回角加速度および
起伏角加速度を示す。
【0015】これに対し、本発明では、上記の近似振れ
角モデルとは別に、前掲図3に示すような直線搬送を行
うために、以下に示すような直線搬送変換モデルを構築
した。
【数9】 上記変換式において、Rは仮想ブーム長であり(XZ平
面におけるブーム長(図3参照))、クレーン装置によ
る値である。従って、この駆動制御が適用されるクレー
ン装置の仮想ブーム長Rが予め記憶されており、この記
憶された値が用いられる。また、Ψは仮想起伏角を示し
(初期仮想起伏角Ψ0からの角度)、θSはXZ平面にお
けるZ軸に対する(つまり、直線搬送する方向の)振れ
角を示し(図3参照)、この振れ角θsの加速度が0と
なるようにする。ただし、uΨは仮想起伏角加速度入力
であり、演算の際には0以外の適当な数値が当てはめら
れる。そして、上記の直線搬送変換モデル(1)には、
旋回角θ、起伏角φがパラメータとして用いられていな
いが、以下のようにリアルタイムで取得されるブーム1
0の旋回角θ、起伏角φを用いれば、仮想起伏角加速度
入力uΨから入力逆変換により旋回角加速uθ、起伏角
加速度uφを算出することができる。まず、荷物のスタ
ート位置Ps:(Xs、Ys、Zs)、荷物のゴール位置P
e:(Xe、Ye、Ze)とし、XY平面からみたPs、Pe
を結ぶ直線上(つまり、搬送ライン)で時間Tによる距
離をP(T)として直線搬送を行う場合について考え
る。この場合、ある時刻tのときの荷物の位置を
(Xc、Yc、Zc)とすると、Xc、Ycは次のように表
される。
【数10】 一方、図4(a)に示されるブームの先端位置のXY座
標は、次のよう表される。
【数11】 このときの旋回角θ、起伏角φは、上記のブームの先端
位置の座標を表す式により、次のように表される。
【数12】 上述したように旋回角θおよび起伏角φをクレーン装置
に設けられたエンコーダー等により取得しているので、
取得したθ、φから上記式により荷位置の座標情報を取
得することができる。このように取得した座標情報を用
い、上記直線搬送変換モデル(1)により、旋回角加速
度uθ、起伏角加速度uφを逆変換により算出すること
ができる。
【0016】このように本発明では、クレーン装置から
入力されるリアルタイムの旋回角θ、起伏角φを用い、
上記直線搬送変換モデル(1)により、XY平面に対し
て直線搬送を行うための旋回角加速度uθおよび起伏角
加速度uφを算出することができるのである。
【0017】B−3.シュミレーション結果 次に、本出願人は、上述した直線搬送変換モデルによる
効果を確認するために、上述した従来方式である近似振
れ角モデルと比較するためにシュミレーションを行っ
た。ここで、図5にそのシュミレーションの処理手順を
示す。同図に示すように、まず、旋回角速度波形の初期
入力設定を行う(ステップS1)。そして、クレーンの
ブーム先端位置および荷物位置の初期入力設定を行う
(ステップS2)。この後、入力された初期設定条件に
基づいてシュミレーションが行われるが、まず、シュミ
レーションが所定回数行われたか否かが判断される(ス
テップS3)。
【0018】そして、所定回数シュミレーションが行わ
れていない場合には、所定回数に達するまで以下に示す
処理を繰り返す。まず、旋回角速度波形を生成する(ス
テップS4)。そして、ルンゲクッタ法(Runge-Kutta
Method)により旋回角、起伏角、ロープ長、ブーム先端
位置、荷位置を生成する(ステップS5)。ここで、ル
ンゲクッタ法は、複雑な微分方程式を数値計算で解くと
きに用いられる公知の数値近似解法である。このように
ルンゲクッタ法を用いることを考慮し、旋回角やロープ
長、起伏角の運動方程式を予め微分の形で表すようにし
ておく。そして、ルンゲクッタ法により求められたブー
ム先端位置および荷物位置が保存される(ステップS
6)。これを所定回数繰り返すことにより、図6および
図7に示すようなシュミレーション結果を得ることがで
きた。
【0019】まず、従来方式である上記近似振れ角モデ
ルでは、以下のような初期設定を行った。ロープ長l=
20[m]、ブーム長LB=30[m]で、初期条件と
しては、旋回角θ0=0[rad]、起伏角φ0=1/6
[rad]、振れ角α0、β0=0[rad]でクレーン
および荷物を静止しているものとした。終端条件として
は、旋回角θtf=0[rad]、起伏角φtf=π/6
[rad]、振れ角αtf、βtf=0[rad]でクレー
ンおよび荷物は静止するようにし、また搬送途中に吊り
荷が大きく振れないよう評価関数で与える。また、直線
搬送変換モデルでは、上記近似振れ角モデルの初期条件
と終端条件とを結ぶ直線搬送で、ロープ長l=20
[m]、仮想ブーム長R=28[m]となり、初期条件
は、仮想起伏角Ψ0=π/4[rad]、振れ角θ0=0
[rad]で静止しているものとし、終端条件はΨtf
π/2[rad]、振れ角θStf=0[rad]で静止
するような評価関数で与え、この評価関数を最小とする
ように角加速度入力を制御した。ここで、直線搬送変換
モデルの評価関数1は、次の通りである。
【数13】 直線搬送変換モデルの評価関数1に対して、上記(1)
式を用いた直線搬送変換モデルによる制御シュミレーシ
ョン結果を図6に示す。図6(a)から、クレーン先端
はXY平面に対して直線を描き、荷物もそれに重なる形
で直線を描いていることがわかる。つまり、荷物の振れ
がほとんどない搬送を行うことができた。なお、図で
は、破線で示すクレーンのブーム先端のポジションと、
実線で示す荷物のポジションとが重なっている。また、
図6(d)〜(f)に示すように、荷物の振れ角の収束
が早く、振れの少ない搬送が実現できることがわかる。
【0020】一方、上記(1)式を用いずに(2)式の
近似振れ角モデルを直接用いて制御する従来の制御方式
についてもシュミレーションを行った。ここで、荷物の
振れを少なくするために、次に示す評価関数2を与え、
この評価関数を最小化するように角加速度入力を制御し
た。
【数14】 この評価関数2に対して、上記(2)式を用いた近似振
れ角モデルの制御シュミレーション結果を図7に示す。
この場合にも、図7(a)に示すように、クレーン先端
と荷物とはXY平面に対して直線搬送に近い形となった
が、直線搬送変換モデルを用いた場合と比較すると、若
干の振れが確認された。また、図7(d)〜(f)に示
すように、直線搬送モデルを用いた場合と比較して収束
に時間を要するとともに、終端条件を十分に満たしてい
ない。つまり、目的位置に正確に搬送できていないこと
がわかった。このようなシュミレーション結果から、上
記(1)式を用いた直線搬送変換モデルの有効性がわか
る。また、(2)式を直接用いた制御する従来方式より
も、演算負荷を少なくすることができ、より迅速な制御
が実現できる。
【0021】このように本実施形態に係る駆動制御装置
を備えたクレーン装置によれば、操縦者が任意にブーム
10を操作した場合にも、その操作に応じて、上記直線
搬送変換モデルを用いて自動的に起伏角加速度および旋
回角加速度を算出し、ブーム10の旋回・起伏動作を同
時に制御することができる。これにより、上述したシュ
ミレーション結果に示されるように、XY平面に対し直
線搬送を実現し、ブーム10の先端に吊られた荷物の振
れを抑制することができる。つまり、このクレーン装置
では、操縦者は操作部17を用いて荷物を所望の位置に
移動させるように操縦すれば、自動的に直線搬送がなさ
れ荷物の振れが抑制される。従って、熟練者でなくて
も、振れのほとんどない搬送を行うことができる。ま
た、上述した旋回のみで搬送する場合(図2参照)のよ
うに円運動ではないため遠心力による振れがなく、搬送
速度を大きくすることも可能である。また、このように
直線搬送を行って荷物の振れを抑制することにより、荷
物の振れ角等を検出するセンサを設け、このセンサの検
出結果等に応じてフィードバック制御等をする必要がな
いので、構成が複雑とならない。
【0022】C.変形例 なお、上述した直線搬送変換モデルを用いたブームの旋
回・起伏駆動制御処理をコンピュータに実行させるため
の制御プログラムを可搬型記録媒体に記録しててユーザ
に提供するようにしてもよい。この場合、ユーザは、ク
レーン装置の駆動制御装置のコンピュータの記憶装置等
に、上記制御プログラムをインストールして上記制御を
行えば、上述した実施形態と同様の作用効果が得られ
る。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
旋回・起伏動作が可能なクレーン装置において、操縦者
の技能に関わらず、吊り荷の振れを抑制することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る駆動制御装置を備
えたクレーン装置の構成を示す図である。
【図2】 従来の旋回式クレーン装置による荷物搬送の
問題点を説明するための図である。
【図3】 前記駆動制御装置によるクレーン装置の駆動
制御方法を説明するための図である。
【図4】 旋回式クレーン装置の概要を示す図である。
【図5】 前記駆動制御装置による駆動制御方法の効果
を確認するために行ったシュミレーションの処理手順を
示すフローチャートである。
【図6】 前記駆動制御装置によるクレーン装置の駆動
制御のシュミレーション結果を示す図である。
【図7】 従来の方式によるクレーン駆動制御のシュミ
レーション結果を示す図である。
【符号の説明】
10……ブーム、11……基体部、12……俯仰ロー
プ、13……起伏駆動モータ、14……巻き上げロープ
(ひも状部材)、15……保持部材、16……旋回駆動
モータ、17……操作部、18……駆動制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井関 忠雄 愛知県豊橋市三弥町字元屋敷150 神鋼電 機株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 3F204 AA04 CA03 EA02 EA08 EA15 EB01 EB08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブームと、該ブーム先端部につり下げら
    れるひも状部材と、このひも状部材の下端に設けられる
    荷物保持部とを備え、前記ブームの旋回および起伏動作
    が可能なクレーン装置において、前記ブームの旋回およ
    び起伏を制御する装置であって、 前記ひも状部材の長さl、前記ブームの旋回角θ、前記
    ブームの起伏角φ、仮想ブーム長R、仮想起伏角加速度
    Ψ、および重力加速度gとを用いて以下に示す直線搬
    送変換式(1)により、前記ブームの旋回角加速度uθ
    および前記ブームの起伏角加速度uφを算出し、これら
    の算出値uθ、uφを用い、前記ブームの旋回および起
    伏駆動を同時に制御することにより、前記荷物保持部に
    保持される荷物を、該クレーン装置が配置される水平面
    に対して直線搬送するようにしたことを特徴とするクレ
    ーン装置の駆動制御装置。 【数1】
  2. 【請求項2】 ブームと、該ブーム先端部につり下げら
    れるひも状部材と、このひも状部材の下端に設けられる
    荷物保持部とを備え、前記ブームの旋回および起伏動作
    が可能なクレーン装置において、前記ブームの旋回およ
    び起伏を制御する方法であって、 前記ひも状部材の長さl、前記ブームの旋回角θ、前記
    ブームの起伏角φ、仮想ブーム長R、仮想起伏角加速度
    Ψ、および重力加速度gとを用いて以下に示す直線搬
    送変換式(1)により、前記ブームの旋回角加速度uθ
    および前記ブームの起伏角加速度uφを算出し、これら
    の算出値uθ、uφを用い、前記ブームの旋回および起
    伏駆動を同時に制御することにより、前記荷物保持部に
    保持される荷物を、該クレーン装置が配置される水平面
    に対して直線搬送することを特徴とするクレーン装置の
    駆動制御方法。 【数2】
  3. 【請求項3】 ブームと、該ブーム先端部につり下げら
    れるひも状部材と、このひも状部材の下端に設けられる
    荷物保持部とを備え、前記ブームの旋回および起伏動作
    が可能なクレーン装置において、前記ブームの旋回およ
    び起伏を制御する処理であって、 前記ひも状部材の長さl、前記ブームの旋回角θ、前記
    ブームの起伏角φ、仮想ブーム長R、仮想起伏角加速度
    Ψ、および重力加速度gとを用いて以下に示す直線搬
    送変換式(1)により、前記ブームの旋回角加速度uθ
    および前記ブームの起伏角加速度uφを算出し、これら
    の算出値uθ、uφを用い、前記ブームの旋回および起
    伏駆動を同時に制御することにより、前記荷物保持部に
    保持される荷物を、該クレーン装置が配置される水平面
    に対して直線搬送させる処理をコンピュータに実行させ
    るプログラムを記録した記録媒体。 【数3】
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