JP2001129478A - 塗膜の形成方法 - Google Patents

塗膜の形成方法

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JP2001129478A JP2000201814A JP2000201814A JP2001129478A JP 2001129478 A JP2001129478 A JP 2001129478A JP 2000201814 A JP2000201814 A JP 2000201814A JP 2000201814 A JP2000201814 A JP 2000201814A JP 2001129478 A JP2001129478 A JP 2001129478A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性塗料により形成された塗膜の上に、膨れ
が少ない塗膜を形成する方法を提供する。 【解決手段】 弾性塗料により形成された塗膜の上に、
重量分子量が3万以下の成分が15重量%以下、および
重量平均分子量と数平均分子量の比が3.5以下で、か
つガラス転移温度が30℃以下のカルボキシル基含有ア
クリル系樹脂と金属キレート化合物からなる樹脂組成物
を上塗りする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性塗料により形
成された塗膜(以下、弾性塗膜と称する)上に膨れが少
なく美観に優れたアクリル樹脂系の塗膜を形成する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、建造物の外壁などに弾性塗料、例
えばアクリルゴム系弾性塗料を塗布して該塗料特有の凹
凸のある、また弾性のある塗面を得る塗装方法が行われ
ており、かかる塗装においては塗面を保護し外観を良く
するため更に上塗り塗料が塗布されるのが一般的であ
る。例えば、本出願人も特公平6−77718号で、塩
基性モノマーを特定量含有する2種以上の樹脂からなる
塗料、アクリルゴム系弾性塗料を任意の順序に基材に塗
布する塗膜の形成方法を開示した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記開示
技術では、上塗り塗料となるアクリル系樹脂は弾性塗膜
に対して密着性や伸度は良好であるが、弾性塗膜の乾燥
が不十分な時や弾性塗膜に小さな空隙が多数存在する時
に、その乾燥過程で弾性塗料中の水分や空隙中の気体に
より、アクリル樹脂系の塗膜に微小な膨れが発生する傾
向があり更に改良の余地があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明者らが鋭意検討したところ、弾性塗膜上
に、重量分子量が3万以下の成分が15重量%以下、お
よび重量平均分子量と数平均分子量の比が3.5以下
で、かつガラス転移温度が30℃以下のカルボキシル基
含有アクリル系樹脂と金属キレート化合物からなる樹脂
組成物を上塗りすることにより、上塗り塗膜に微小な膨
れが発生する問題点が解決されることを見いだした。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で弾性塗料としては、通常合成樹脂エマルジョン系
弾性塗料が用いられ、特にアクリルゴム系弾性塗料が好
ましい。該アクリルゴム系弾性塗料は、アルキルアクリ
レート又はアルキルメタクリレートの共重合体のエマル
ジョンであり、通常はエチルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、(メ
タ)アクリル酸等の共重合体のエマルジョンが用いら
れ、該共重合体としてはスチレン/2−エチルヘキシル
アクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレー
ト/アクリロニトリル共重合体、2−エチルヘキシルア
クリレート/アクリロニトリル/(メタ)アクリル酸共
重合体、n−ブチルアクリレート/アクリロニトリル共
重合体等が挙げられる。また金属キレート化合物を添加
して金属によるキレート架橋を行わせてゴム弾性を発揮
させてもよい。該弾性塗料は一般的に固形分換算で0.
2〜2.5kg/m2(厚みは0.5〜6mm)で基材
上に塗工され、常温で一昼夜以上乾燥される。
【0006】本発明においては、上記弾性塗料を塗布し
た塗膜の上塗り用として用いる樹脂組成物に特徴があ
り、本発明の目的とする膨れのない美麗な塗膜形成がで
きる。該樹脂組成物は、重量分子量が3万以下の成分が
15重量%以下、および重量平均分子量と数平均分子量
の比(重量平均分子量/数平均分子量)が3.5以下
で、かつガラス転移温度が30℃以下のカルボキシル基
含有アクリル系樹脂と金属キレート化合物からなるもの
で、以下詳細に説明する。
【0007】該アクリル系樹脂は、アルキル(メタ)ア
クリレートモノマーを主成分とし、これにカルボキシル
基含有不飽和モノマーを共重合させたカルボキシル基含
有アクリル系樹脂であり、アルキル(メタ)アクリレー
トモノマーとしてはメチルアクリレート、エチルアクリ
レート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピル
アクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチ
ルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−
ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、n−オクチルアクリレート、ラウリルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリ
レート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメ
タクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−
ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリ
レート、n−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルメ
タクリレート、ラウリルメタクリレート等が挙げられ、
好ましくはメチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、iso−ブチルメタクリレートである。
【0008】カルボキシル基含有不飽和モノマーとして
はアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、アコニット
酸、ケイ皮酸、モノアルキルマレート、モノアルキルフ
マレート、モノアルキルイタコネート、無水シトラコン
酸、シトラコン酸等が挙げられ、好ましくはアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸であ
る。該カルボキシル基含有不飽和モノマーの共重合割合
は上記全モノマーに対して0.2〜5重量%であること
が好ましく、更には0.5〜3重量%である。該共重合
割合が0.2重量%未満では架橋が不十分で膨れを生じ
やすく、5重量%を越えると架橋が過度となり塗膜のリ
フティング(塗膜が浮いた様な状態になること)が起る
ことがあり好ましくない。
【0009】共重合にあたっては、他の共重合可能なモ
ノマーを併用することもでき、該モノマーとしては、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒ
ドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピルアクリレート、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の水酸基
含有不飽和モノマー、グリシジルメタクリレート、アリ
ルグリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有不飽
和モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチ
ルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、プロピ
オン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられ、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルメタク
リレート、酢酸ビニル、スチレンが好ましい。
【0010】該重合に用いられる重合溶媒としては、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのエステル類、メタノール、エタノ
ール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアル
コールなどの脂肪族アルコール類、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類などが挙げられる。
【0011】又、重合に使用する重合触媒としては、通
常のラジカル重合触媒であるアゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビス2−メ
チルブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド等が挙げられ、好ましくはアゾビスイソブチロニト
リル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパ
ーオキサイドである。
【0012】本発明のカルボキシル基含有アクリル系樹
脂は上記で説明したモノマーを重合触媒の存在下に重合
溶媒中でラジカル重合させて製造されるのであるが、本
発明では、該アクリル系樹脂の重量分子量が3万以下の
成分を15重量%以下とし、かつ重量平均分子量と数平
均分子量の比(重量平均分子量/数平均分子量)を3.
5以下となるように分子量分布を規定することを特徴と
するものであり、かかる重量分子量が3万以下の成分
は、好ましくは0.1〜12重量%とする。重量分子量
が3万以下の成分が15重量%を越えると塗膜に膨れが
生じ不適当である。また、重量平均分子量と数平均分子
量の比は好ましくは1.1〜3.0とする。該比が3.
5を越えると樹脂溶液の粘度が高くなりすぎて塗工が困
難となり不適当である。
【0013】上記のような特定の分子量分布を満足させ
るためには、例えば重合率を特定の範囲に調整する方
法、重合触媒を分割して仕込む方法、重合時の溶媒
量を特定の範囲に調整する方法などの方法で重合すれば
よい。の方法を具体的に説明すると、例えばモノマー
を重合溶媒中に一括に仕込みその後重合触媒を仕込んで
重合し、重合率が90〜95%で重合を停止すればよ
い。重合率が90%未満では残留モノマーや生成したオ
リゴマーの影響により重量平均分子量と数平均分子量の
比が3.5を越えることがあり、また臭気が高くなり、
重合率が95%を越えると高分子量のポリマーが生成す
るため重量平均分子量と数平均分子量の比が3.5を越
えたり、溶液粘度が上昇することがあり好ましくない。
尚、重合率は未反応モノマー量(残存モノマー)を測定
して求める。
【0014】の方法では例えば、モノマーを重合溶媒
中に一括に仕込みその後重合溶媒に溶解した重合触媒を
2回以上、好ましくは3〜10回程度に分割して仕込
む。該重合触媒の全体の量としてはモノマー100重量
部に対して0.01〜10重量部が好ましく、更に好ま
しくは0.1〜5重量部である。重合触媒が0.01未
満では反応が充分に進行しないため重合率が向上せず、
10重量部を越えてもそれに見合う効果が得られないの
で好ましくない。重合触媒を分割仕込しないと重量分子
量が3万以下の成分が15重量%を越えることがあり好
ましくない。
【0015】の方法では例えば、重合溶媒をモノマー
100重量部に対して20〜200重量部使用するのが
好ましく、更に好ましくは30〜60重量部である。溶
媒量が20重量部未満では反応熱の蓄積のため、反応が
進みすぎることがあり、200重量部を越えると重量分
子量が3万以下の成分が15重量%を越えることがあり
好ましくない。上記〜の方法は単独でも本発明のよ
うな特定の分子量規定を満足することは可能であるが、
好ましくは〜を併用して実施する。
【0016】更に該アクリル系樹脂のガラス転移温度が
30℃以下に調整することも重要であり、好ましくは2
0〜−10℃である。該温度が30℃を越えると膨れを
生じ易く不適当である。
【0017】また上記アクリル樹脂と共に樹脂組成物中
に配合される金属キレート化合物として具体的には、ア
ルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウム
アルキルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミ
ニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセト
ネート、アルミニウムトリスアセチルアセテート、アル
ミニウムトリスアルキルアセトアセテート、アルミニウ
ムアセチルアセテートジイソプロピレート等のアルミニ
ウム系キレート化合物、チタニウムアセチルアセトネー
ト、チタニウムテトラアセチルアセテート、ポリチタニ
ウムアセチルアセトネート、チタニウムオクチレングリ
コレート、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニ
ウムラクテート、チタニウムトリエタノールアミネー
ト、ジヒドロキシ・ビス(ラクティクアシド)チタネー
ト、ジヒドロキシ・ビス(ラクタト)チタニウム・モノ
アンモニウム塩、ジヒドロキシ・ビス(ラクタト)チタ
ニウム・ジアンモニウム塩、プロパンジオキシチタニウ
ムビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシ
・ビス(アセチルアセトン)チタネート、ジブトキシ・
ビス(トリエタノールアミン)チタネート、テトラオク
チレングリコールチタネート、ジイソプロポキシチタニ
ウムビス(エチルアセトアセテート)等のチタニウム系
キレート化合物、ジルコニウムアセテート、ジルコニウ
ムアセチルアセテート、ジルコニウムブトキシアセチル
アセトネート、ジルコニウムビスアセチルアセトネー
ト、ジルコニウムエチルアセトアセテート、ジルコニウ
ムアセチルアセトネート・エチルアセトアセテート等の
ジルコニウム系キレート化合物、亜鉛アセチルアセテー
ト、ニッケルアセチルアセテート、鉄アセチルアセテー
ト等などが挙げられ、好ましくはアルミニウム系金属キ
レート化合物が用いられる。
【0018】金属キレート化合物の配合量は、カルボキ
シル基含有アクリル系樹脂100重量部に対して、0.
05〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.1〜3
重量部である。0.05重量部未満では架橋が不十分と
なり膨れを生じ易く、5重量部を越えると樹脂の安定性
が悪くなることがあり好ましくない。
【0019】更に、必要に応じて樹脂組成物にはアルコ
ール系溶剤を併用することも好ましく、該溶剤として
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−
プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、
tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソア
ミルアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアル
コール、2−エチルヘキサノール、メチルイソブチルカ
ルビノール、メトキシブタノール、3−メチルジメトキ
シブタノール等のアルコールやエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、セロソルブ、メチルセロソルブ、メチ
ルカルビトール、カルビトールも用いられるが、好まし
くはイソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノ
ールである。
【0020】上記アルコール系溶剤を使用する場合は、
カルボキシル基含有アクリル系樹脂100重量部に対し
てアルコール系溶剤が0.1〜50重量部が好ましい。
0.1重量部未満では樹脂の安定性が難しくなることが
あり、50重量部を越えると硬化性が悪くなる場合があ
り好ましくない。
【0021】上記樹脂組成物には塗料としての性能を更
に発揮させるためにキレート化助剤、顔料、その他可塑
剤、垂れ防止剤、沈降防止剤、消泡剤などの添加剤を加
えても良い。該キレート化助剤としては2,4−ペンタ
ンジオン(アセチルアセトン)、2,4−ヘプタンジオ
ン等のβ−ジケトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エ
チル、アセト酢酸ブチル等のケトエステル、乳酸、乳酸
メチル、乳酸エチル、乳酸アンモニウム塩、サリチル
酸、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸
フェニル、リンゴ酸、リンゴ酸エチル、酒石酸、酒石酸
メチル、酒石酸エチル等のヒドロキシカルボン酸または
そのエステルあるいはその塩、4−ヒドロキシ−4−メ
チル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノ
ン、4−ヒドロキシ−2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ
−4−メチル−2−ヘプタノン等のケトン化合物、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、N−メチル−モノエタノールアミン、N−エ
チル−モノエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノ
ールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン等のア
ミン化合物、マロン酸ジエチルエステル、メチロールメ
ラミン、メチロール尿素、メチロールアクリルアミド等
のエノール性活性水素化合物が挙げられる。
【0022】顔料としては酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、タルク、リトポン、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、アルミナ、クレー、カーボンブラック、フタロシア
ニンブルー、紺青、群青、レーキイエロー、黄鉛、オー
カイエロー、ハンザイエロー、ベンガラ、レーキレッ
ド、クロムバーミリオン、フタロシアニングリーン、酸
化クロム等を単独で又は二種以上混合して用いることが
できる。
【0023】上記樹脂組成物は、弾性塗膜の上に、コテ
塗り、刷毛塗り、ローラー塗り、スプレー塗りなどの方
法により、固形分換算で50〜350g/m2(厚みが
0.01〜11mm)塗布され、常温で1時間〜1日乾
燥する工程を1〜3回実施する。上記の塗膜方法により
弾性塗膜上に耐膨れ性をもつ塗膜が形成できる。かかる
耐膨れ性が発現する理由としては、カルボキシル基含有
アクリル系樹脂そのものが弾性塗膜に対して密着性がよ
く、しかも伸度があり、なおかつ金属キレート化合物の
添加によりカルボキシル基含有アクリル樹脂の分子間の
架橋構造が生成するためと推察される。
【0024】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明の方法を更に詳し
く説明する。尚、例中「部」、「%」とあるのは特にこ
とわりのない限り、重量基準である。 実施例1 (樹脂組成物の製造)アクリル酸0.5部、メチルメタ
クリレート44.5部、2−エチルヘキシルアクリレー
ト35部、スチレン20部、キシレン46部、アゾビス
イソブチロニトリル0.1部をコンデンサー、撹拌機及
び温度計付きのフラスコに仕込み、90℃に加温して重
合させた(カルボキシル基含有不飽和モノマーは全モノ
マーの0.5%)。重合途中にキシレン10部にアゾビ
スイソブチロニトリル0.1部を溶解させた重合触媒液
を3時間おきに、合計3回追加しながら10時間共重合
(重合率94%)させカルボキシル基含有アクリル系樹
脂を製造した。該樹脂のガラス転移温度は17℃、重量
平均分子量は15.5万、数平均分子量は5.1万で、
重量平均分子量/数平均分子量=3.0であり、重量分
子量3万以下の成分は9%であった。重合終了後、キシ
レン70部、イソプロピルアルコール10部、アルミニ
ウムトリス(アセチルアセトネート)0.7部添加して
完全に溶解した後、酸化チタン(堺化学社製、「R−5
N」)2.9部を加えてインペラー型分散機でガラスビ
ーズを用いて分散させ樹脂組成物を得た。
【0025】(塗膜の形成)基材(スレート板)上にア
クリルゴム系弾性塗料(組成:アクリル酸2−エチルヘ
キシル/アクリロニトリル/アクリル酸=85/10/
5の固形分65%の樹脂エマルジョン)を刷毛にて塗布
量30g/m2(固形分換算)となるように塗布後、温度
20℃にて24時間乾燥した。
【0026】上記樹脂組成物を塗布量135g/m
2(固形分換算)となるように上記弾性塗膜上にスプレ
ーで塗布し、室温で1時間乾燥後、得られた塗膜の上に
再び塗布量135g/m2(固形分換算)となるように
塗布して、1時間室温で乾燥して塗膜を形成し、以下の
様に耐膨れ性について評価した。 (耐膨れ性)60℃の雰囲気下上記塗膜を2時間放置
し、室温に戻して塗膜表面に発生した膨れを75×75
mm当りの数をカウントして以下の様に評価した。 ◎・・・14個以下 ○・・・15〜24個 △・・・25〜49個 ×・・・50個以上
【0027】実施例2 実施例1のカルボキシル基含有アクリル系樹脂における
アクリル酸の使用量を1.5部に変更した以外は同様に
してカルボキシル基含有アクリル系樹脂を製造した。該
カルボキシル基含有アクリル系樹脂のガラス転移温度は
18℃、重量平均分子量は13.9万、数平均分子量は
4.6万で、重量平均分子量/数平均分子量=3.0で
あった。また、重量分子量3万以下の成分は9%であっ
た。以下実施例1と同様に樹脂組成物を用いて塗膜を評
価した。
【0028】実施例3 実施例1において樹脂組成物の製造の際にイソプロピル
アルコールの添加を省略した以外は実施例1と同様に製
造し同様に評価した。
【0029】実施例4 実施例1において、カルボキシル基含有アクリル系樹脂
として以下のものを使用して樹脂組成物を製造し同様に
評価した。アクリル酸0.5部、メチルメタクリレート
39部、n−ブチルアクリレート40.5部、スチレン
20部、キシレン46部、アゾビスイソブチロニトリル
0.1部をコンデンサー、撹拌機及び温度計付きのフラ
スコに仕込み、90℃に加温して共重合させた(カルボ
キシル基含有不飽和モノマーの配合量は全モノマーの
0.5%)。重合途中にキシレン10部にアゾビスイソ
ブチロニトリル0.1部を溶解させた重合触媒液を3時
間おきに、合計3回追加しながら10時間重合(重合率
94%)させた。該樹脂のガラス転移温度は19℃、重
量平均分子量は4.2万、数平均分子量は4.7万で、
重量平均分子量/数平均分子量=3.0であり、重量分
子量3万以下の成分は10%であった。
【0030】比較例1 実施例1において、カルボキシル基含有アクリル系樹脂
として以下のものを使用した以外は同様に樹脂組成物を
製造し同様に評価した。アクリル酸0.5部、メチルメ
タクリレート44.5部、2−エチルヘキシルアクリレ
ート35部、スチレン20部、キシレン30部を混合
し、その混合物の10%をコンデンサー、撹拌機及び温
度計付きのフラスコに仕込み、90℃に加温して、キシ
レン16部とアゾビスイソブチロニトリル0.4部と上
記混合物の残りの90%の混合液を5時間滴下しながら
重合(重合率90%)させた(カルボキシル基含有不飽
和モノマーは全モノマーの0.5%)。該樹脂のガラス
転移温度は17℃、重量平均分子量は8万、数平均分子
量は2.7万で、重量平均分子量/数平均分子量=3.
0であった。また、重量分子量3万以下の成分は20%
であった。以下実施例1と同様に樹脂組成物を製造し同
様に評価した。
【0031】比較例2 実施例1において、カルボキシル基含有アクリル系樹脂
として以下のものを使用した以外は同様に樹脂組成物を
製造し同様に評価した。アクリル酸0.5部、メチルメ
タクリレート44.5部、2−エチルヘキシルアクリレ
ート35部、スチレン20部、キシレン5部、アゾビス
イソブチロニトリル0.1部をコンデンサー、撹拌機及
び温度計付きのフラスコに仕込み、90℃に加温して2
0時間重合(重合率98%)させた(カルボキシル基含
有不飽和モノマーは全モノマーの0.5%)。重合途中
にキシレン10部にアゾビスイソブチロニトリル0.1
部を溶解させた重合触媒液を3時間おきに、合計3回追
加しながら10時間共重合させカルボキシル基含有アク
リル系樹脂を製造した。該樹脂のガラス転移温度は17
℃、重量平均分子量は17万、数平均分子量は4.3万
で、重量平均分子量/数平均分子量=4.0であった。
また、重量分子量3万以下の成分は11%であった。以
下実施例1と同様に樹脂組成物を製造し同様に評価し
た。
【0032】比較例3 実施例1において、カルボキシル基含有アクリル系樹脂
として以下のものを使用した以外は同様に樹脂組成物を
製造し同様に評価した。 (樹脂組成物の製造法)アクリル酸0.5部、メチルメ
タクリレート48.5部、n−ブチルアクリレート31
部、スチレン20部、キシレン46部、アゾビスイソブ
チロニトリル0.1部をコンデンサー、撹拌機及び温度
計付きのフラスコに仕込み、90℃に加温して重合させ
た(カルボキシル基含有不飽和モノマーは全モノマーの
0.5%)。重合途中にキシレン10部にアゾビスイソ
ブチロニトリル0.1部を溶解させた重合触媒液を3時
間おきに、合計3回追加しながら10時間重合(重合率
94%)させた。該樹脂のガラス転移温度は35℃、重
量平均分子量は14.4万、数平均分子量は4.8万
で、重量平均分子量/数平均分子量=3.0であり、重
量分子量3万以下の成分は11%であった。
【0033】比較例4 実施例1の樹脂組成物の製造において、アルミニウムト
リス(アセチルアセトネート)の添加を省略した以外は
実施例1と同様に樹脂組成物を製造し同様に評価した。
実施例1〜4、比較例1〜4の結果を表1に示す。
【0034】
【0035】
【発明の効果】本発明では弾性塗膜に、重量分子量が3
万以下の成分が15重量%以下、および重量平均分子量
と数平均分子量の比が3.5以下で、かつガラス転移温
度が30℃以下のカルボキシル基含有アクリル系樹脂と
金属キレート化合物からなる樹脂組成物を上塗するの
で、膨れが少ない塗膜が形成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 EB22 EB53 4J038 CG001 CG141 CH031 CH041 CJ131 GA06 JA17 JC38 KA06 NA01 PB05 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性塗料により形成された塗膜上に、重
    量分子量が3万以下の成分が15重量%以下、および重
    量平均分子量と数平均分子量の比が3.5以下で、かつ
    ガラス転移温度が30℃以下のカルボキシル基含有アク
    リル系樹脂と金属キレート化合物からなる樹脂組成物を
    塗工することを特徴とする塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基含有アクリル樹脂が、ア
    ルキル(メタ)アクリレートモノマーを主成分とし、カ
    ルボキシル基含有不飽和モノマーがモノマー全体の0.
    2〜5重量%を占める共重合体であることを特徴とする
    請求項1記載の塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物がアルコール系溶剤を含有す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の塗膜の形成方
    法。
  4. 【請求項4】 弾性塗料がアクリルゴム系弾性塗料であ
    ることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の塗膜の
    形成方法。
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