JPH10130569A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

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JPH10130569A
JPH10130569A JP28957196A JP28957196A JPH10130569A JP H10130569 A JPH10130569 A JP H10130569A JP 28957196 A JP28957196 A JP 28957196A JP 28957196 A JP28957196 A JP 28957196A JP H10130569 A JPH10130569 A JP H10130569A
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JP
Japan
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polymerizable monomer
formula
radical polymerizable
resin composition
acrylic resin
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Application number
JP28957196A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Yasumoto
光夫 安本
Hiroyuki Kobayashi
宏之 小林
Kazuji Kageishi
一二 影石
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐傷付き性、耐薬品性、耐候性等の塗膜性
に優れ、低温での焼き付けが可能で、一液タイプの塗料
用樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 塗料用樹脂組成物が、式Iまたは式
IIで表される窒素原子含有基を有するラジカル重合性
単量体の少なくとも一方を含有するラジカル重合性単量
体混合物を共重合したアクリル樹脂からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック、金
属、コンクリート等幅広い用途に適用できる塗料用樹脂
組成物に関するものであり、特に120℃程度以下の低
い焼き付け温度でも十分に硬化可能な一液硬化タイプの
塗料用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、塗膜に耐傷付き性、耐薬品
性、耐候性等の耐久性が要求される場合には、ウレタン
硬化塗料(アクリル/ウレタン塗料等)、エポキシ硬化
(アクリル/エポキシ樹脂等)、アクリルシリコーン樹
脂塗料等の二種類の樹脂を塗装現場において混合して使
用する二液型の塗料が使用されている。これら塗料は塗
膜性能に優れているものの、塗装現場での作業性が悪
く、また、塗料と硬化剤を混合した後のポットライフの
問題があり、時間、設備など点で塗装作業に制約があっ
た。一方、一液塗料化が可能な塗料として、メラミン硬
化塗料(アクリル/メラミン塗料等)が知られており、
取り扱いやすさや、塗膜性能の点で十分ではあるもの
の、140℃以上の高い温度で焼き付ける必要があり、
適用できる基材に制約があった。
【0003】このため、適用できる基材やポットライフ
等の制約のないハンドリングの良好な一液タイプの塗料
が切望されていたが、一液タイプの塗料において塗膜性
能を従来の二液タイプのレベルに維持したまま焼き付け
温度を低温度化(プラスチックに塗装する場合は120
℃以下、好ましくは100℃以下)することはできなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の欠点を改良し、低温硬化性(120℃以下)を維持
しつつ、従来の二液タイプ(前述のウレタン硬化塗料、
エポキシ硬化塗料など)と同等の優れた塗膜性能を有す
る一液タイプの塗料樹脂を提供することをその目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、式I
または式IIで示される窒素原子含有基を有するラジカ
ル重合性単量体の少なくとも一方を含有するラジカル重
合性単量体混合物を共重合したアクリル樹脂で構成され
る塗料用樹脂組成物である。
【0006】
【化4】
【化5】
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の塗料用樹脂組成物におい
て、アクリル樹脂は、式Iで表わされる特定の窒素原子
含有基を有するラジカル重合性単量体(以下式Iの単量
体とする)、式IIで表わされる特定の窒素原子含有基
を有するラジカル重合性単量体(以下式IIの単量体と
する)の少なくとも一方を含有するラジカル重合性単量
体混合物を共重合したものである必要がある。
【0008】式Iの単量体としては、N−メトキシメチ
ルアクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルア
ミド等が、市販されており容易に入手可能な点で好まし
く挙げられる。また式IIの単量体としては、メタクリ
ルアミドエチルエチレンウレア等が、市販されており容
易に入手可能な点で好ましく挙げられる。式Iの単量
体、式IIの単量体は、ラジカル重合性単量体混合物中
それぞれ0.1〜40重量%配合されることが好まし
い。
【0009】本発明の塗料用樹脂組成物を構成するアク
リル樹脂として、より具体的には、(1)式Iの単量体
を含有するラジカル重合性単量体混合物を共重合したも
の、(2)式IIの単量体を含有するラジカル重合性単
量体混合物を共重合したもの、(3)式Iの単量体およ
び式IIの単量体の両者を含有するラジカル重合性単量
体混合物を共重合したもの、(4)式Iの単量体を含有
するラジカル重合性単量体混合物を共重合したアクリル
樹脂(B)と、式IIの単量体を含有するラジカル重合
性単量体混合物を共重合したアクリル樹脂(A)の混合
物、(5)式Iの単量体、式IIの単量体のいずれか一
方を含有するラジカル重合性単量体混合物を共重合した
ものアクリル樹脂(C)の存在下に、他方の単量体を含
有するラジカル重合性単量体混合物をラジカル共重合し
て得られるもの等が挙げられる。
【0010】これらのうち、アクリル樹脂が(3)〜
(5)であることが、硬化性の点で好ましく、特に
(4)、(5)のアクリル樹脂であると式I、式IIの
化合物が同一セグメント中に存在せず、各々独立して別
々のセグメント中に存在しているため分子内の反応でな
く分子間の反応が起こりやすくなるために、架橋反応が
進み易くなり、一層硬化性に優れたものとなる。また、
(5)であると、更に樹脂の貯蔵安定性の点でも好まし
い。
【0011】なお(4)のアクリル樹脂において、アク
リル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)の混合比率は5/
95〜95/5が好ましい。また、(5)のアクリル樹
脂(C)が全樹脂に対し、5〜50重量%、より好まし
くは、5〜20重量%であることが好ましい。
【0012】またさらに、アクリル樹脂(C)が、チラ
ウム化合物または2,4−ジフェニル−4−メチル−1
−ペンテンを重合度調節剤として共重合されたものであ
ると、本発明の効果はより確実、顕著なものとなる。こ
れはアクリル樹脂(C)が、ブロック共重合体またはグ
ラフト共重合体を形成するためと考えられる。この時チ
ラウム化合物または2,4−ジフェニル−4−メチル−
1−ペンテンの共重合量が、アクリル樹脂(C)に対し
0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%
であることが、塗膜性能および硬化の促進効果の点で好
ましい。チラウム化合物または2,4−ジフェニル−4
−メチル−1−ペンテンを、ラジカル重合性単量体混合
物に混合させて共重合することも可能で好ましい。
【0013】チウラム化合物としては、テトラメチルチ
ウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィ
ド、テトラブチルチウラムジスフィド等が挙げられ、該
化合物は単独で使用しても2種以上の混合物として使用
しても良い。
【0014】さらにラジカル重合性単量体混合物が、式
Iの単量体と式IIの単量体の少なくとも一方に加え、
水酸基含有ラジカル重合性単量体を含有し、アクリル樹
脂の水酸基価を10〜150mgKOHとしたものであ
ることが、塗料とした場合の硬化性と樹脂の安定性の点
で好ましい。なお本発明において水酸基価は次の式1に
基づき求められる価とする。
【0015】
【数1】 水酸基含有ラジカル重合性単量体としては、アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル、アクリル酸4−ヒドロキシエチル、グリセロール
モノアクリル酸エステル、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタク
リル酸4−ヒドロキシブチル、グリセロールモノメタク
リル酸エステル、ポリエチレングリコールモノアクリレ
ート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポ
リプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピ
レングリコールモノメタクリレート等が挙げられ、該化
合物は単独もしくは2種以上の混合物として共重合され
たものであればよい。
【0016】またさらにラジカル重合性単量体混合物
が、式Iの単量体と式IIの単量体の少なくとも一方に
加え、α,β−不飽和カルボン酸を含有し、アクリル樹
脂の酸価を5〜120mgKOHとしたものであること
が、塗料とした場合の硬化性と樹脂の安定性の点で好ま
しい。なお本発明において酸価は次の式2に基づき求め
られる価とする。
【0017】
【数2】 α,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、イタコン酸等があり、該化合物
は単独もしくは2種以上の混合物として共重合されたも
のであればよい。特にラジカル重合性単量体混合物が、
水酸基含有ラジカル重合性単量体とα,β−不飽和カル
ボン酸の両方を含有したものであると、本発明の効果が
一層顕著となる。また、ラジカル重合性単量体混合物
が、式Iの単量体と式IIの単量体の少なくとも一方に
加え、2−(2´−ヒドロキシ−5´−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾ
ールを含有したものであると、耐候性が著しく改善され
る点で好ましく、ラジカル重合性単量体混合物に対し、
該化合物が0.1〜20重量%、より好ましくは、1〜
5重量%配合されることが望ましい。
【0018】さらラジカル重合性単量体混合物は、その
他のラジカル重合性単量体を含有していてもよい。その
他のラジカル重合性単量体としては、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テトラ
ヒドロフルフリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸ステアリル等が挙げられ、該単量体は単独もしくは2
種以上の混合物として含有されていてもよい。
【0019】また、塗装を施す基材が軟質基材である場
合等、用途によっては塗膜に特に柔軟性、強靭性が要求
される場合が考えられるが、この際アクリル樹脂が、ポ
リエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリ
ウレタンジオール、末端に水酸基を有するシリコーン樹
脂などの反応性テレケリックオリゴマー類を配合された
ものであることが好ましい。さらにその配合量が0.5
〜30重量%、より好ましくは、2〜10重量%である
ことが、ゲル分率およびシリコーン樹脂の有効性の点で
好ましい。
【0020】さらに本発明の塗料用樹脂組成物が、硬化
触媒として式IIIで示されるアルキルスルホン酸を配
合したものであると、硬化時間を短縮し、架橋をより確
実に行うことができる。
【0021】
【化6】 この時の硬化触媒の添加量は、0.1〜5重量%、より
好ましくは0.5〜2重量%であることが塗膜性能およ
び硬化の促進効果の点で好ましい。本発明の塗料用樹脂
組成物は、前記したアクリル樹脂を主成分として構成さ
れ、必要に応じ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の
顔料を配合してもよい。
【0022】次に本発明の塗料用樹脂組成物の製造方法
について一例を挙げて説明する。本発明の塗料用樹脂組
成物は、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット等の
脂肪族、芳香族有機溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の
酢酸エステル、n−プロピルアルコール、イソプロピル
アルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコール−モノ−n−ブチルエーテ
ル、プロピレングリコール−モノ−t−ブチルエーテル
等のグリコールエーテル類またはジグリコールエーテル
類、水等を溶媒または分散媒として、通常の溶液重合、
または乳化重合等を重合温度40〜150℃で行い得ら
れたアクリル樹脂により調整される。この際、ラジカル
重合性単量体混合物は滴下しても、あらかじめ容器内に
仕込んでおいても、あるいは、両方組み合わせても、ま
たは、重合を開始する前にあらかじめ乳化しておいても
かまわない。この時使用される重合開始剤として、アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル
等の有機アゾ系の重合開始剤、過酸化ベンゾイル、t−
ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物系の重合
開始剤、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫
酸塩、また必要に応じこれらの重合開始剤と組み合わせ
て、例えばN,N−ジメチルベンジルアミン等のレドッ
クス系重合開始剤等を使用することができる。
【0023】得られた本発明の塗料用樹脂組成物に、適
宜その他塗料に使用される添加剤、架橋剤等を配合し、
プラスチック、コンクリート、金属などの一般的な塗装
方法であるスプレー塗装、ローラー塗装、カーテンコー
ト、電着塗装等により塗装を行い、常温から140℃、
望めばより高い温度で焼き付けを行うことにより本発明
の意図する諸性能に優れた塗膜が得られる。
【0024】以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳
細に説明する。なお実施例中、各物性は次の通り評価す
るものとする。
【0025】1.ゲル分率 各組成物をポリプロピレン板上に乾燥被膜厚が30μm
になるように塗布し、室温で30分乾燥の後、100℃
で30分焼き付け乾燥を行う。ポリプロピレン板からフ
ィルムを剥がし、このフィルムを用いメタノール/アセ
トン=50/50(容量比)を溶媒として、ソックスレ
ー抽出器で還流下に3時間抽出試験を行った。乾燥した
未抽出フィルムの重さ/試験前フィルムの重さ(×10
0)をゲル分率とする。値が100%に近い程ゲル分率
は高く、したがって、架橋性が良好であることを意味
し、本発明においては70%以上を合格とする。
【0026】2.耐水性 各組成物をABS板上に乾燥被膜厚が20μmになるよ
う塗布し、室温で30分間乾燥の後、80℃で30分間
焼き付け乾燥を行う。これを40℃に温度管理されたイ
オン交換水中に10日間浸漬し、変色、ブリスタの発生
等塗膜の変化を観察する。なお表中、○:全く異常な
し、△:やや塗膜が白化する、×:塗膜が白化しブリス
ターも発生、を意味し、○を合格とする。
【0027】3.密着性 各組成物をABS板上に乾燥被膜厚が20μmになるよ
う塗布し、室温で30分間乾燥の後、80℃で30分間
焼き付け乾燥を行う。この塗板を室温で1日放置し、J
IS K−5400に従い、基盤目試験を行う(焼き付
け後密着性)。さらに、この塗板を使用し、2と同様の
耐水性試験を行った後、碁盤目試験を行う(耐水後2次
密着性)。なおここで碁盤目試験は、以下の通り行うも
のととし、100/100を合格とする。碁盤目試験:
試験塗膜に、カッターナイフで10×10個=100個
の碁盤目を作る。その上にセロファンテープを貼り、強
くテープを引き剥がす。この時密着力の弱いところはテ
ープに付いて剥がれてしまう。剥がれずに残った碁盤目
の数をn個とすると、この場合の密着性はn/100と
表わされる。
【0028】4.耐候性(JIS K−5400に準
拠) 塗料をABS板に塗膜厚が30μm前後になるようにス
プレー塗装し、100℃で30分間焼き付けた。この塗
板をサンシャインウェザー−O−メーター(SWOM)
を使用して1000時間、促進耐候性試験を行った。光
沢保持率80%以上を合格レベルとする。
【0029】
【実施例】
実施例1 温度計、攪拌機、還流冷却器、モノマ供給ポンプを備え
た1リットルの4つ口フラスコにプロピレングリコール
モノメチルエーテル298.8g、メタクリルアミドエ
チルエチレンウレア16.0gを仕込み、90℃に昇温
する。別の容器に秤り取ってあるアクリル酸ブチル37
7.6g、メタクリル酸6.4g、テトラエチルチウラ
ムジスルフィド3.2g、アゾビスイソブチロニトリル
4.8gの混合液をモノマ供給ポンプを使用して3時間
でフラスコ内に供給する。1時間後から30分毎に、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル4.0g、アゾ
ビスイソブチロニトリル1.2gの混合液を3回にわた
って添加する。添加終了1時間後にプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル80.0gを投入し、冷却してア
クリル樹脂(A−1)を得る。同様なフラスコにトルエ
ン73.2g、アクリル樹脂(A−1)160gを仕込
み、95℃に昇温する。メタクリル酸メチル76.0
g、メタクリル酸n−ブチル80.0g、アクリル酸ブ
チル100.0g、アクリル酸4.0g、N−n−ブト
キシメチルアクリルアミド20.0g、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル40.0g、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート4.8gの混合物を3時間
でフラスコ内に供給する。1時間後から30分毎にトル
エン40.0g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート0.4gの混合物を5回にわたって添加す
る。添加終了1時間後にn−ブチルアルコール40.0
gを投入し、冷却して塗料用樹脂組成物を得た。得られ
た塗料用樹脂組成物のゲル分率、耐水性、密着性を表1
に示す。表1からも明らかなように、実用上十分満足で
きるものが得られた。
【0030】実施例2 実施例1と同様なフラスコにイソプロピルアルコール1
39.2g、ブチルセロソルブ36.8g、メタクリル
アミドエチルエチレンウレア16.0gを仕込み85℃
に昇温する。モノマ供給容器にメタクリル酸メチル14
7.2g、アクリル酸エチル88.8g、アクリル酸−
2−エチルヘキシル20g、アクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル66.0g、スチレン24.0g、N−n−ブ
トキシメチルアクリルアミド20.0g、アクリル酸1
8.0g、n−ドデシルメルカプタン4.0g、アゾビ
スイソブチロニトリル4.0gを秤り取り、フラスコ内
に4時間で供給する。1時間後から、30分毎に3回、
ブチルセロソルブ12.0g、アゾビスイソブチロニト
リル0.4gの混合物を添加する。添加終了後1時間後
にイソプロピルアルコール45.2gを投入し、冷却し
て塗料用樹脂組成物を得た。得られた塗料用樹脂組成物
のゲル分率、耐水性、密着性を表1に示す。表1からも
明らかなように、すべて実用上満足できるものが得られ
た。
【0031】実施例3 実施例1のメタクリル酸メチルのうちの1.6gを2−
(2´−ヒドロキシ−5´−メタクリロイルキシオキシ
エチルフェニル)−2H−ベンゾトリアールに置き換え
る以外はすべて実施例1と同様にし、塗料用樹脂組成物
を得た。得られた塗料用樹脂組成物のゲル分率、耐水
性、密着性を表1に示す。表1からも明らかなように、
すべて実用上満足できるものが得られた。この塗料用樹
脂組成物を耐水性試験と同様に塗板を作りSW0Mを用
いて促進耐候性試験を行ったところ、1000時間後に
おいても光沢の低下や変色は無く、アクリル/ウレタン
塗料に劣らない耐候性を有する樹脂であった。
【0032】実施例4 実施例1と同様なフラスコにイソプロピルアルコール1
39.2g、ブチルセロソルブ36.8gを仕込み85
℃に昇温する。モノマ供給容器にメタクリル酸メチル1
63.2g、アクリル酸エチル88.8g、アクリル酸
−2−エチルヘキシル20g、アクリル酸−2−ヒドロ
キシエチル66.0g、スチレン24.0g、N−n−
ブトキシメチルアクリルアミド20.0g、アクリル酸
18.0g、n−ドデシルメルカプタン4.0g、アゾ
ビスイソブチロニトリル4.0gを秤り取り、フラスコ
内に4時間で供給する。1時間後から、30分毎に3
回、ブチルセロソルブ12.0g、アゾビスイソブチロ
ニトリル0.4gの混合物を添加する。添加終了1時間
後にイソプロピルアルコール45.2gを投入し、冷却
してアクリル樹脂(B)を得る。別に、実施例1と同様
なフラスコにイソプロピルアルコール139.2g、ブ
チルセロソルブ36.8g、メタクリルアミドエチルエ
チレンウレア16.0gを仕込み85℃に昇温する。モ
ノマ供給容器にメタクリル酸メチル167.2g、アク
リル酸エチル88.8g、アクリル酸−2−エチルヘキ
シル20g、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル66.
0g、スチレン24.0g、アクリル酸18.0g、n
−ドデシルメルカプタン4.0g、アゾビスイソブチロ
ニトリル4.0gを秤り取り、フラスコ内に4時間で供
給する。1時間後から、30分毎に3回、ブチルセロソ
ルブ12.0g、アゾビスイソブチロニトリル0.4g
の混合物を添加する。添加終了1時間後にイソプロピル
アルコール45.2gを投入し、冷却してアクリル樹脂
(A)を得る。アクリル樹脂(A)とアクリル樹脂
(B)を20/80の重量比で混合し、塗料用樹脂組成
物を得た。得られた塗料用樹脂組成物のゲル分率、耐水
性、密着性を表1に示す。表1からも明らかなように、
すべて実用上満足できるものが得られた。
【0033】実施例5 実施例1のアクリル樹脂にシリコーン樹脂SH−601
8(東レ・ダウ・コーニングシリコーン(株)製)を8
phr(樹脂の固形分100gに対する添加量(g))
添加し、均一になるまで攪拌、混合して塗料用樹脂組成
物を得た。得られた塗料用樹脂組成物のゲル分率、耐水
性、密着性を表1に示す。表1からも明らかなように、
すべて実用上満足できるものが得られた。また、この樹
脂より得られたフィルムの伸び率を測定したところ、1
54%という高い伸び率が得られた。このことから、実
施例5の塗料用樹脂組成物は(気温や外力により伸縮や
変形の激しい)軟質の基材用の塗料に好適に用いること
ができるといえる。
【0034】実施例6 実施例1のアクリル樹脂にアルキルベンゼンスルホン酸
のZn塩を1phr添加し塗料用樹脂組成物を得た。得
られた塗料用樹脂組成物のゲル分率、耐水性、密着性を
表1に示す。表1からも明らかなように、すべて実用上
満足できるものが得られた。実施例1と比較し、硬化時
間も短縮でき、ゲル分率の高いものが得られた。
【0035】比較例1 実施例1と同様なフラスコに、トルエン176gを仕込
み、85℃に昇温する。モノマー供給容器にメタクリル
酸メチル200g、メタクリル酸n−ブチル160g、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル30g、メタクリル
酸10g、アゾビスイソブチロニトリル20gを秤と
り、フラスコ内に4時間で供給する。1時間後から、3
0分毎に3回、酢酸ブチル12g、アゾビスイソブチロ
ニトリル0.4g混合物を添加する。添加終了1時間後
に酢酸ブチル45.2gを投入し、冷却して塗料用樹脂
組成物を得た。得られた塗料用樹脂組成物のゲル分率、
耐水性、密着性を表1に示す。 表1からも明らかなよ
うに、満足できるものは得られなかった。
【0036】比較例2 比較例1の塗料用樹脂組成物に、硬化剤としてスミジュ
ールBL3175(住友バイエルウレタン(株)製ブロ
ックイソシアネート)20phr添加し、均一になるよ
うによくかき混ぜて塗料用樹脂を得た。得られた塗料用
樹脂のゲル分率、耐水性、密着性を表1に示す。表1か
らも明らかなように、満足できるものではなかった。
【0037】比較例3 比較例1の塗料用樹脂組成物100gに、硬化剤として
サイメル303(三井サイアナミッド(社)製メラミン
樹脂)20phr、アルキルベンゼンスルホン酸塩1p
hrを添加し、均一になるようにかき混ぜて塗料用樹脂
を得た。得られた塗料用樹脂のゲル分率、耐水性、密着
性を表1に示す。表1からも明らかなように、満足でき
るものではなかった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の塗料用樹脂組成物は、一液タイ
プの塗料用樹脂として用いることができるため、塗装現
場での作業性が良好であり、また、低温での焼き付けが
可能であるため、耐熱温度の低い基材にも適用可能であ
り、従来の塗料用樹脂組成物に比べ様々な用途の塗料用
として用いることができる。 さらに耐傷付き性、耐薬
品性、耐候性等の塗膜性も、従来の二液タイプの塗料用
樹脂と同様に優れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 133/08 C09D 133/08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式Iまたは式IIで示される窒素原子含有
    基を有するラジカル重合性単量体の少なくとも一方を含
    有するラジカル重合性単量体混合物を共重合したアクリ
    ル樹脂で構成される塗料用樹脂組成物。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】ラジカル重合性単量体混合物が、水酸基含
    有ラジカル重合性単量体を含有し、アクリル樹脂の水酸
    基価を10〜150mgKOHとした請求項1記載の塗
    料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ラジカル重合性単量体混合物が、α,β−
    不飽和カルボン酸を含有し、アクリル樹脂の酸価を5〜
    120mgKOHとした請求項1または2記載の塗料用
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】式Iで示される窒素原子含有基を有するラ
    ジカル重合性単量体が、N−メトキシメチルアクリルア
    ミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミドから選ば
    れる単量体である請求項1〜3記載の塗料用樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】式IIで示される窒素原子含有基を有する
    ラジカル重合性単量体が、メタクリルアミドエチルエチ
    レンウレアである請求項1〜4記載の塗料用樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】アクリル樹脂が、式IIで示される窒素原
    子含有基を有するラジカル重合性単量体を含有するラジ
    カル重合性単量体混合物を共重合したアクリル樹脂
    (A)と、式Iで示される窒素原子含有基を有するラジ
    カル重合性単量体を含有するラジカル重合性単量体混合
    物を共重合したアクリル樹脂(B)との混合物である請
    求項1〜5のいずれか1項記載の塗料用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】アクリル樹脂が、式Iまたは式IIのいず
    れか一方で示される窒素原子含有基を有するラジカル重
    合性単量体を含有するラジカル重合性単量体混合物を共
    重合したアクリル樹脂(C)の存在下に、他方の式で示
    される窒素原子含有基を有するラジカル重合性単量体を
    含有するラジカル重合性単量体混合物を共重合したアク
    リル樹脂である請求項1〜6いずれか1項記載の塗料用
    樹脂組成物。
  8. 【請求項8】式Iまたは式IIのいずれか一方で示され
    る窒素原子含有基を有するラジカル重合性単量体を含有
    するアクリル樹脂(C)が、チウラム化合物または2,
    4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを重合度調
    節剤として共重合された樹脂である請求項7記載の塗料
    用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】ラジカル重合性単量体混合物が2−(2´
    −ヒドロキシ−5´−(メタ)アクリロイルオキシエチ
    ルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを含有する請
    求項1〜8いずれか1項記載の塗料用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】アクリル樹脂が、ポリエステルジオー
    ル、ポリカーボネートジオール、ポリウレタンジオー
    ル、末端に水酸基を有する反応性テレケリックオリゴマ
    ー類を0.5〜30重量%配合された請求項1〜9いず
    れか1項記載の塗料用樹脂組成物。
  11. 【請求項11】硬化触媒として式IIIで示されるアル
    キルスルホン酸を配合した請求項1〜10項いずれか1
    項記載の塗料用樹脂組成物。 【化3】
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106871A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Toray Fine Chemicals Co Ltd アクリル共重合体の製造方法および粘着剤組成物
JP2007294435A (ja) * 2006-03-28 2007-11-08 Toray Ind Inc プラズマディスプレイ用硝子粉体含有ペースト組成物、及びそれを用いた転写フィルム
WO2018117062A1 (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 東亞合成株式会社 硬化型組成物
JP2022152337A (ja) * 2021-03-29 2022-10-12 藤倉化成株式会社 共重合体及びその製造方法、並びに塗料組成物

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