JP2001129278A - 裾三ツ巻縫製ミシン - Google Patents

裾三ツ巻縫製ミシン

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JP2001129278A
JP2001129278A JP31853899A JP31853899A JP2001129278A JP 2001129278 A JP2001129278 A JP 2001129278A JP 31853899 A JP31853899 A JP 31853899A JP 31853899 A JP31853899 A JP 31853899A JP 2001129278 A JP2001129278 A JP 2001129278A
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sewing
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Hisanobu Shinozuka
寿信 篠塚
Jiro Ishibashi
次郎 石橋
Shinji Kamakura
新治 鎌倉
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裾三ツ巻縫製を終了した後、裾布を容易且つ
確実にミシンから取り外すことができるようにする。 【解決手段】 二つ折りにしてセットされた筒状の裾布
Cを、針68の上流側で三ツ巻にするバインダ62と、
三ツ巻に縫製された裾布を下流側に送る布送りローラ3
2A、Bとを備えた裾三ツ巻縫製ミシンにおいて、前記
裾布Cに裾張りレバー66で内側から所定の張力を付与
した状態で送りながら縫い終わり位置まで縫製した後、
前布と後布を縫い合わせた段部Gが、縫製時に針落ち位
置近傍で前記裾布を拘束している拘束部材である布送り
ローラ32や布押え72から外れた非干渉位置になるま
で、該布送りローラ32により該裾布Cを後空送りする
制御を行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、裾三ツ巻縫製ミシ
ン、特に縫製終了後に、容易且つ安全に裾布をミシンか
ら取り外す際に適用して好適な工業用の裾三ツ巻縫製ミ
シンに関する。
【0002】
【従来の技術】裾三ツ巻縫製とは、図11に裾の一部を
切り欠いたズボンを示すように、裾にほつれが生じない
ようにするために、裾布を内側に折り曲げて二重にした
後、更に折り曲げて三重にして周囲全体を縫い合わせる
ことを意味する。
【0003】一般に、ズボンは、前側の布Fと後側の布
Bとを、ほぼ中央で縫い合わせて筒状にしているため、
内側と外側のそれぞれ1箇所に布をつなぎ合わせて厚く
なった段部G、G´が形成されている。通常、例えばジ
ーンズ等では、裾三ツ巻縫製する場合、その縫い始めや
縫い終わりの糸の位置を目立たなくするために、内側段
部Gの近傍から縫い始め、1周して同段部近傍で縫い終
わるようにし、しかも糸のほつれを防止するために、図
12に内側段部を中心にして裾部分を拡大して示すよう
に、縫い終わり位置Eが縫い始め位置Sを越えるように
重ね縫いをWの範囲で行うようにしている。
【0004】このような裾三ツ巻縫製に用いられるミシ
ンとしては、例えば特公平3−78号公報に開示されて
いるものがある。このミシンは、概ね図13のブロック
図に示すような装置構成になっている。
【0005】このミシンは、各種縫製データ等の情報が
格納されているROMやRAM等のメモリ(図示せず)
と、これらメモリから入力される情報を基に制御演算を
実行するCPU(中央演算処理装置)を備えたCPUユ
ニット10から出力される制御信号に基づいて、後述す
る針位置検出器22からの検出信号を基準に駆動モータ
コントローラ12を介して駆動モータ14の回転を制御
することにより、該モータ14の回転がVベルト16を
介してミシン頭部18の後部のミシン主軸18Aに伝達
され、縫製動作が行われるようになっている。
【0006】又、上記ミシン頭部18の下部には糸切り
ユニット20が装備されている。この糸切りユニット2
0では、上記主軸18Aの後端部に設置された針位置検
出器22から入力される針下位置や針上位置の検出信号
を基に、前記CPUユニット10により演算され、出力
される制御信号に基づいてアクチュエータドライバ24
を介して糸切り駆動用エアシリンダ(糸切りシリンダ)
26の駆動タイミングを制御することにより、糸切り動
作が制御されるようになっている。
【0007】又、上記ミシン頭部18の先端部には針と
天秤(いずれもここには図示せず)の中間位置に糸手繰
り装置28が設置され、同じく前記アクチュエータドラ
イバ24からの駆動信号に基づいて、糸切り時に糸道経
路を変更することにより、糸切り後に針先に残る上糸長
さを調節し、切断後の上糸の針穴からの抜けを防止でき
るようになっている。又、糸切り時に糸にかかっている
張力を解除する糸緩め装置29も設置されている。
【0008】同じくミシン頭部18の下部には、後述す
る裾三ツ巻ユニット30と裾三ツ巻縫製時に布を送る上
下一対の布送りローラ32とが装備されている。そし
て、ミシン頭部18の主軸18Aは前記コントローラ1
2により駆動モータ14を制御することにより回転さ
れ、布送りローラ32は前記CPUユニット10から入
力される制御信号に基づいてモータドライバ34により
布送り駆動モータ36を制御することにより、布送りの
動作が行われるようになっている。又、設定パネル38
が設置され、前記CPUユニット10に各種情報を入力
し、必要に応じてそれを表示することができるようにも
なっている。
【0009】又、このミシンには、ここでは図示を省略
するが、裾布を二つ折りにして挟み込んでセットした
後、前記布送りローラ32で送ることにより、該布を自
動的に三ツ巻の状態に折り込む折り曲げガイドの働きを
するバインダと、布の段部を検出する段部センサ(いず
れも上記ユニット30に含まれている)とが、針に対し
て送り方向の上流(手前)に配設されている。そして、
上記裾三ツ巻ユニット30に対して所定位置に裾布をセ
ットした後、前記布送りローラ32によりそれを送り、
上記段部センサにより内側の段部Gが検知された後、前
記図12に裾部分の内側を示したように、所定寸法進ん
だところを縫い始め位置Sとして縫い動作を開始すると
共に、該布を送ることにより、自動的に裾三ツ巻縫製を
行うことができる。その後、縫い始め位置に近付いたタ
イミングを見計らって上記バインダを外し(解放し)、
更に所定長さ縫製することにより、裾周囲全体を三ツ巻
に縫製することができるようになっている。
【0010】又、このミシンでは、前記布送りローラ3
2による布送りが、後述する縫い始め位置まで布を送る
空送りの場合と、縫い動作開始後の縫い送りの場合とで
駆動源が異なっている。即ち、図14に動力伝達機構の
みを抽出し、拡大して示したように、布Cを紙面に垂直
な方向に送るための布送り上ローラ32Aと布送り下ロ
ーラ32Bがそれぞれ軸42A、42Bに軸支され、こ
れら軸42A、42Bの反対側にはそれぞれギヤ44
A、44Bが軸挿され、互いに噛合されている。又、上
側の軸42Aには、スプロケット46が軸挿され、その
端部にギヤ48が固定されている。そして、上記スプロ
ケット46には、前記布送り駆動モータ36の回転軸に
固定されたスプロケット36Cとの間にチェーン50が
巻回され、該チェーン50を介して軸42Aにモータ3
6の駆動力が伝達されるようになっている。
【0011】又、前記駆動モータ14によりVベルト1
6を介して回転される前記ミシン主軸18Aには、ギヤ
52が軸挿され、該ギヤ52に噛合されたギヤ52A
と、該ギヤ52Aと同軸に軸支されたギヤ52Bが前記
ギヤ48と噛合され、前記駆動モータ14からの回転駆
動力が、前記軸42Aに伝達されるようになっている。
【0012】そして、上記布送り駆動モータ36で回転
されるスプロケット36Cにはワンウェイクラッチ36
Dが設置され、一方向にのみ該モータ36の駆動力が伝
達されるようになっており、前記空送りのときには布送
り駆動モータ36により布送り上ローラ32A、同下ロ
ーラ32Bを回転させ、縫い始め位置に達した後は該モ
ータ36を停止させ、駆動モータ14を起動させ、該モ
ータ14によりミシン主軸18Aと共に回転できるよう
になっている。
【0013】又、このミシンでは、裾三ツ巻縫製が終了
すると、布押え(ここでは図示せず)を上げた後、裾布
Cを該ミシンから、即ち前記裾三ツ巻ユニット30から
取り外すために、図15にその外観を示すような裾落と
し機構100が設置されている。
【0014】この裾落とし機構100は、ミシンテーブ
ル102の後部に設けられた軸受104に、支点軸10
6を介してミシン頭部18に沿って平行配置された湾曲
腕(裾払い棒)108を有している。この腕108の前
端部はミシン頭部18の前側部まで張り出して、その先
端に横向きの水平部110が形成されている。そして、
この湾曲腕108の中央部には、ミシン側部に軸支され
たエアシリンダ112の先端が連結され、このシリンダ
112の突出作用により、該湾曲腕108を矢印方向に
回動、降下させて、その先端の水平部110で裾布Cを
ミシンから二点鎖線に示したように強制的にたたき落と
し、その後、元の待機位置に戻すようになっている。
【0015】なお、このミシンでは、前記図13に併記
したように、設定パネル38により裾三ツ巻縫製の仕様
に関して、(i)段部検知センサの検知禁止区間カウン
タと、(ii)重ね縫い針数設定カウンタのみが設定でき
るようになっている。(i)のカウンタは、最初に内側
の段部Gがセンサより検知されると、縫い始め位置Sが
決定されるが、縫い動作が開始された後は、全周囲を同
一速度で続けて縫製したい場合等のように、布送り動作
中に外側の段部G´がセンサ位置に到達しても、それが
検出されないように検知信号を無効にする範囲にあたる
針数を設定するもので、(ii)のカウンタは、縫い始め
位置Sと縫い終わり位置Eとの間の寸法Wにあたる針数
を設定するものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の裾三ツ巻縫製ミシンでは、縫製終了後に裾布Cを前
記ユニット30から取り外す際、前記裾落とし機構10
0の湾曲腕108が、降下→下端位置→上昇→待機位置
という動作をするために、縫製サイクルタイム(裾布セ
ット→縫製スタート→縫製終了→湾曲腕108の操作)
が長くなるという欠点があった。又、前記湾曲腕108
は、ミシン頭部18とオペレータとの間を上下方向に動
作するため、安全性にも問題があった。
【0017】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、裾三ツ巻縫製終了後、前記湾曲腕1
08を用いることなく、容易且つ確実に裾布Cを取り外
すことができ、結果として縫製サイクルタイムを短縮で
きると共に、安全性をも向上することができる裾三ツ巻
縫製ミシンを提供することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、セットされた
筒状の裾布を布送り手段により送り、該裾布をバインダ
によって三ツ巻きにすると共にその三ツ巻に縫製する裾
三ツ巻縫製ミシンにおいて、前記裾布に裾張りレバーで
内側から所定の張力を付与した状態で送りながら縫い終
わり位置まで縫製した後、前布と後布を縫い合わせた段
部が、縫製時に針落ち位置近傍で前記裾布に係合してい
る係合部材から外れた非干渉位置になるまで、該裾布を
後空送りする後空送り手段を設けたことにより、前記課
題を解決したものである。
【0019】即ち、本発明においては、縫い終り位置ま
で縫製した後、他の三ツ巻き縫製部分より厚い段部を、
裾布に対する押え付けを解除した後でも該布に近接して
いる係合部材(布押えや布送りローラ等)から外れた位
置に移動させるようにしたので、布と係合部材との間に
十分な空間的な余裕ができることから、軽く裾布を引っ
張るだけで簡単にミシンから取外すことができるように
なる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明に係る一実施形態の裾三ツ
巻縫製ミシンの概略構成を示す、前記図13に相当する
ブロック図である。但し、アクチュエータドライバ24
は省略してある。
【0022】本実施形態の裾三ツ巻縫製ミシンでは、ミ
シン頭部18にミシン駆動用のサーボモータ54が取付
けられ、該サーボモータ54とミシン主軸18Aとはタ
イミングベルト56により接続され、両者間の回転の同
期が正確に取れるようになっており、又、このサーボモ
ータ54がCPUユニット10から入力される制御信号
に基づいてモータドライバ34により制御されるように
なっている。この制御信号は、上軸原点検出器57から
入力される、ミシン主軸18Aの回転角度0°に当る原
点検出信号を基準にして、上記CPUユニット10で生
成されるようになっている。
【0023】又、このモータドライバ34により前記布
送りローラ32を駆動するための布送り駆動モータ36
も制御されるようになっている。この布送りローラ32
は、常に布送り駆動モータ36により回転されるように
なっており、布送り機構はミシン主軸18Aとは完全に
独立した構造となっている。
【0024】この布送り駆動モータ36は、詳細な説明
は省略するが、ミシン主軸の1回転を等分割した角度に
対して生成されるパルス信号により駆動されるステッピ
ングモータである。
【0025】更に詳述すると、布送りローラ32の布送
り上ローラ32Aと布送り下ローラ32Bには、それぞ
れを専用で駆動する上布送りモータ36Aと下布送りモ
ータ36Bとが設けられている。これにより、上布送り
モータ36Aと下布送りモータ36Bを制御して、布送
り上ローラ32Aによる布送り速度と布送り下ローラ3
2Bの布送り速度とに差をつける、いわゆる、差動送り
を行うことが可能となっている。
【0026】これにより、本実施形態では、空送り時に
は、布送り上ローラ32Aによる布送り速度を布送り下
ローラ32Bによる布送り速度よりも遅くなるように設
定して、空送り時の三ツ巻きの品質の安定化を図ってい
る。又、本実施形態では、縫製時には、布送り上ローラ
32Aによる布送り速度と布送り下ローラ32Bによる
布送り速度を同一となるように設定して、三ツ巻きの品
質の安定化及び縫製品質の安定化を図っている。布送り
速度の差は、これに限られず、空送り時に三ツ巻き品質
を安定、あるいは、縫製時に三ツ巻き品質及び縫製品質
を安定することができればよい。要するに、どちらの布
送り速度を速くし、どの程度の布送り速度に差を付ける
かというのは、縫製物の素材等により異なってくるの
で、縫製物の素材等によって、適宜、変更することが可
能になっている。なお、以下の説明では、特に必要が無
い場合には布送りローラ32及び布送り駆動モータ36
を上側と下側の区別をしないこともある。
【0027】又、布送り機構がミシン主軸18Aとは完
全に独立した構造となっているので、布送り速度をミシ
ン主軸の回転とは関係なく設定することができ、具体的
には、空送り時に送る布の素材に合わせて、素材に合っ
た最も速い布送り速度にて空送りを行うことができる。
例えば、厚く硬い素材のものであれば、速い速度で送っ
ても問題ないが、薄く柔らかい素材のものまで速い速度
で送ろうとすると、素材が送り速度に適応できずに皺に
なってしまったりして適切な送りを行うことができない
という問題があるので、薄く柔らかい素材の時には、送
り速度を遅くすることができるようになっている。
【0028】又、本実施形態では、操作パネル58が付
設されている。この操作パネル58については、後に図
6を用いて詳述するが、表示部及び入力部が設けられ、
裾三ツ巻縫製の条件を含む運転上の各種パラメータを入
力し、表示することができると共に、そのパラメータを
上記CPUユニット10に入力できるようになってい
る。
【0029】本実施形態のミシンは、以上の点を除き、
機械的な構成は前記図13に示したものと実質的に同一
であるので、その説明を省略する。
【0030】図2には、本実施形態に適用される前記裾
三ツ巻ユニット30の要部を概念的に示した。このユニ
ット30は段部検知センサ60、前進後退シリンダで移
動可能な三ツ巻バインダ62、裾セットレバー64、裾
張りレバー66を含んでいる。これらの機械的な位置関
係を示したのが図3である。
【0031】即ち、針68の上流(図中右方向)には、
段部検知センサ60と三ツ巻バインダ62が配設され、
更にその上流には裾セットレバー64と裾張りレバー6
6が配設され、又、針68の近傍の縫い台70の上方に
は、縫製時には下方に付勢され、非縫製時には前記上昇
装置40により強制的に上昇される布押え72が配設さ
れ、該布押え72には同じく縫製時には下方に付勢され
て布Cを押え付けるとともに、上下方向に揺動可能な押
え金72Aが軸支されている。又、針68の下流側には
上記布押え72に取付けられている前記布送り上ローラ
32Aと、その下側の同下ローラ32Bが、更にその下
流側には裾布を後方で支持しながら案内する後ローラガ
イド74がそれぞれ配設されている。
【0032】ここにセットされるズボンの裾布Cは、概
ね図中二点鎖線で示す位置に仮セットされる。上記段部
センサ60は、図4にその要部を抽出して示したよう
に、前記図3に示した回動軸の一端に固定されたレバー
60Aと、その他端に固定されたレバー60B及び近接
スイッチ60Cとを備えた構成になっている。そして、
このレバー60Aに布Cの段部が到達すると、該レバー
60Aが矢印A方向に回動することになり、それに伴な
ってレバー60Bも同方向に回動することになるため、
その段部が近接センサ60Cにより検知され、その検知
信号がCPUユニット10に出力されるようになってい
る。
【0033】本実施形態のミシンで裾三ツ巻縫製する場
合、前述したように、まずオペレータが裾布Cの端を二
つ折りして、それを二点鎖線のように仮セットすると、
裾セットレバー64がそのエアシリンダ64Aにより右
方向(ミシン手前方向)に回動され、該布Cを張った状
態にする。その後、オペレータが裾部分を正確にセット
すると、裾張りレバー66がそのエアシリンダ66Aに
より同方向に回動され、同じく布を張った状態にすると
同時に、上記裾セットレバー64は逆方向に回動され、
元の位置に戻る。このように先端に裾張りローラ66B
が回転可能に支持されている裾張りレバー66に布張り
を変更することにより、布送りがスムースにできるよう
になっている。
【0034】このように、裾布Cのセットが完了する
と、布押え72を下降させることにより布送り上ローラ
32Aを下降させて布Cを縫い台70との間で挟持し、
その後上下の布送りローラ32A、32Bを回転させて
該布Cを図中左回りで送り、全周囲にわたって縫製を行
うことができるようになる。
【0035】なお、前記図3で符号76は、オペレータ
が裾布Cをセットしている場合に、その手で反射される
光を検知して作業が終っていないことを確認するための
手元検出センサであり、符号78は裾張りレバー66に
よる裾張り動作時に、該レバー66が所定寸法以上回動
すると起動し、裾布Cが無いことを検知する裾張りスイ
ッチである。
【0036】本実施形態では、前記裾三ツ巻ユニット3
0に、前記図1にも示したように、布送りローラ32に
より送られる布の送り量を実測する送り検出エンコーダ
(布送り量測定手段)80が付設されている。
【0037】この送り検出エンコーダ80は、図5に前
記裾張りレバー66と共に拡大して、その要部を斜視図
で示すように、前記布送りローラ32により送られる裾
布Cに接触して回転するゴム製のローラ(回転体)66
Bに、図示しない機構により圧接され、該ローラ66B
の回転に従って回転するディスク82を有している。
又、このディスク82の回転軸には第1タイミングプー
リ84Aが軸支され、タイミングベルト86を介して、
該ディスク82の回転が離設された第2タイミングプー
リ84Bに正確に伝達されるようになっている。更に、
この第2タイミングプーリ84Bの回転軸には、周囲に
等間隔にセンサスリット(明示せず)が形成されたスリ
ット円板88が軸支され、該スリット円板88のスリッ
トの有無を検知できる位置に、フォトインターラプタか
らなる2つのスリットセンサ90A、90Bが設置され
ている。
【0038】従って、縫製時に前記裾張りレバー66に
より筒状の裾布Cに所定の張力を付与すると共に、該布
Cの送りに伴って前記ロール66Bが回転すると、その
回転に同期してスリット円板88が回転することから、
この回転に伴う光の透過と反射をスリットセンサ90A
又は90Bで検知し、それぞれ対応するON、OFF信
号を出力させることにより、エンコーダとして機能させ
ることができ、しかも出力されるパルス信号から布Cの
正確な送り量を実測することができるようになる。
【0039】なお、ここでは、前記2つのスリットセン
サ90A、90Bが使用されているが、これらは一方が
スリットを検知しているONの時には、必ず他方が反ス
リットのOFFになるように配置してあり、機械的な振
動等が生じたとしても、センサによる二度読みが生じる
ことをソフト的に防止できるようになっている。
【0040】又、本実施形態では、前記裾布Cに裾張り
レバー66で内側から所定の張力を付与した状態で送り
ながら縫い終わり位置まで縫製した後、前布と後布を縫
い合わせた段部Gが、縫製時に針落ち位置近傍で前記裾
布を拘束している拘束部材である布送りローラ32や布
押え72から外れた非干渉位置になるまで、該裾布Cを
後空送りする後空送り手段を設けられている。この後空
送りは、前記裾張りレバー66による裾布Cに対する張
力を解除した後に行われ、又、この後空送りした後、針
落ち位置で布を押え付ける布押え72を上昇させる制御
が行われるようになっている。
【0041】前記後空送り手段は、前記CPUユニット
10により駆動制御される前記駆動モータ36により回
転される布送りローラ(布送り手段)32であり、該ロ
ーラ32により後空送りされる前記非干渉位置は、前記
拘束部材である布送りローラ32より下流であればよ
く、この後空送り量は、前記送り検出エンコーダ80の
出力パルス数で設定できるようになっている。
【0042】又、本実施形態のミシンには、裾三ツ巻縫
製が正確にできず、中味が出てしまう、いわゆるパンク
が生じてしまった場合に、手動で縫い直しを行うための
リペアモードの機能がある。
【0043】このような縫製失敗による縫製途中の縫い
直し補正を行うための手順を説明すると、まず作業者に
より縫い直し部分をほどき、次いで操作パネル58の画
面でリペアモードを選択する。その後、縫い直し部分の
始め位置より、3〜4針の重ね縫い分手前の位置が針下
に来るように裾をセットし、ペダルSWを起動してこの
重ね縫い分の縫製をペダルSWで行う。縫い直し部分の
始め位置になったら、バインダSWを押しバインダ62
を前進動作させ、三ツ巻ができる状態にした後で、バイ
ンダを外す縫製位置までペダルSWを押して縫製する。
この縫製位置まで到達したら、バインダSWを押してバ
インダ62を開放させ、その後、縫い直し部分の最終ま
で縫製した後、その位置から更に3〜4針分重ね縫いを
ペダルSWで行い、糸切りを行って終了する。以上の操
作により、手動で縫い直しを行うことができる。
【0044】本実施形態では、図6に前記操作パネル5
8を拡大して示したように、該操作パネル58により裾
三ツ巻の縫製条件を自由に、前記送り検出エンコーダ8
0の出力パルス数や針数、具体的な寸法等により設定で
きるようになっている。
【0045】上記ミシンで縫製を開始する場合、裾三ツ
巻の縫製を行うために布Cをセットする際には、内側段
部(縫い合わせ部)Gが前記段部センサ60より上流側
(手前)にくるようにし、セット完了後は予め決めてあ
る縫い始め位置まで自動で空送りするようになってい
る。そこで、本実施形態では、主に内側の段部Gを基準
に裾三ツ巻の縫製条件(パラメータ)が設定されるよう
になっている。又、段部検知センサ60により最初と最
後に検出されるのはこの内側段部Gである。
【0046】図6の操作パネル58は、全体が液晶画面
で構成され、図中右側のテンキーや矢印キーはパラメー
タを設定するための入力部であり、その左側の領域が設
定パラメータ等の表示部である。この表示部の中央に
は、前記図12に示したと同様の裾部分が、上下を逆向
きにして内側段部Gが中心にくるように表示されてお
り、横方向の破線は縫製範囲を表わしている。
【0047】本実施形態では、縫製条件の中で位置に関
するパラメータは、前記のように段部Gを基準に設定さ
れている。具体的には、(A)縫い始めスタート位置
(10mm)、(B)1針当りのローラ送り量(3.2
mm)、(C)縫い終わり位置(10mm)、(D)バ
インダ解放タイミング(25mm)、(E)裾幅(段部
検知区間)(250mm)が設定されるようになってい
る。又、図示は省略してあるが、これら以外に縫製速度
の変更位置である減速開始位置と加速開始位置、それに
前記後空送り量等も設定できるようになっている。
【0048】又、操作パネル58の上記表示部の左側に
示したNo.(ここでは1)は、パターン番号の設定ス
イッチであり、本実施形態は、上述した(A)〜(E)
等のパラメータが、前記CPUユニット10のメモリに
予め縫製パターン毎に記憶されており、希望する縫製パ
ターンの縫製をする場合には、その番号をこのスイッチ
で入力するだけで、ワンタッチで該当する上記パラメー
タを読み出して設定し、画面上にも表示できるようにな
っている。
【0049】なお、その下に「1.2.3.」で表示さ
れる加算カウンタは、上の2つがそれぞれ縫製枚数を、
一番下はボビンカウンタでボビン交換後の縫製針数を表
わしている。又、表示部の下の領域は、任意の位置での
「糸切り」や、「自動縫製(Auto)」、それに針穴
への「糸通し」等を、その下のキーを使って選択できる
ことを表わしている。又、入力部(テンキー)の右側に
表示されているのは、上から順に準備完了時に使用する
確認キー、その下のRはリセットキー、その下は途中停
止用キーである。
【0050】本実施形態では、前記操作パネル58によ
り設定した縫製条件に従って、前記布送り駆動モータ3
6により布送りローラ32を回転させて裾布Cを送りな
がら裾三ツ巻縫製を行う際に、前記送り検出エンコーダ
80から出力されるパルス信号を用いることにより、目
標とする各縫製位置までの布送りや布送りエラーの検出
等の、エンコーダ計測に基づく縫製制御を行っている。
【0051】以下、この縫製制御について、(1)空送
りによる縫い始め位置、(2)縫製中の段部減速位置、
(3)最終段部検出後のバインダ解放位置、(4)縫製
終了位置、(5)最終段部検出後に糸切れした場合の戻
し量、(6)布送り駆動モータの駆動量の計測の各場合
を例に、具体的に説明する。
【0052】(1)空送りによる縫い始め位置 操作パネル58で設定された縫い始め位置のデータよ
り、以下の(1)式によりエンコーダパルス数を算出
し、このパルス数をダウンカウンタに設定し、空送り中
は、前記送り検出エンコーダ80から出力されるエンコ
ーダパルス数の減算を行い、カウンタが0となった時点
で前記布送り駆動モータ36の駆動を停止して空送りを
終了させることにより、位置決めを行う。
【0053】 エンコーダパルス数={(70mm−縫い始め位置)×伸び率} ÷エンコーダ1パルス当たりの送り量 …(1)
【0054】この(1)式で、70mmは、図7(A)
にイメージを示すように、段部Gが検出される段部検知
センサ60の検知位置から針落ち位置までの距離であ
り、縫い始め位置の符号は段部より後方(図中左方向)
であれば(+)、前方であれば(−)となる。又、伸び
率は、布の種類等で決まる、例えば100〜130%の
数値であり、予め操作パネル58から入力しておく。
又、エンコーダ1パルス当たりの送り量は、例えば2m
m/パルスとすることができる。
【0055】(2)縫製中の段部減速位置 縫製中の段部減速は、他より厚い段部を縫製する際に適
切な速度に落とすことであり、減速(速度変更)区間を
エンコーダ計測より決定する。ここでの減速区間は固定
値であり、減速開始と終了の各位置は以下のように設定
されている。図7(B)に示すように、減速開始位置が
段部Gより後方5mmで、減速終了位置が段部より前方
20mmの場合であれば、それぞれの設定位置までの布
送りに要するエンコーダパルス数は、以下の(2)、
(3)式でそれぞれ算出することができる。これらの各
パルス数を設定したダウンカウンタにおいて、縫製中に
出力されるエンコーダパルスの減算を行い、開始用カウ
ンタ=0で減速を行い、終了用カウンタ=0で減速を終
了し、加速して通常の速度に戻す。
【0056】 減速開始位置のエンコーダパルス数={(70−5)×伸び率} ÷エンコーダ1パルス当たりの送り量…(2) 減速終了位置のエンコーダパルス数={(70+20)×伸び率} ÷エンコーダ1パルス当たりの送り量…(3)
【0057】(3)最終段部検出後のバインダ解放位置 最終段部(1周した最初の段部)検出後のバインダ解放
位置をエンコーダからのパルス計測により決定する。こ
こでは、バインダ解放位置のエンコーダパルス数の算出
を次の(4)式により行う。同様に、このパルス数を設
定したダウンカウンタで最終段部検出時より出力パルス
を減算し、0となったらバインダの解放を行う。
【0058】 バインダ解放位置のエンコーダパルス数 ={((40mm−縫い始め位置)−バインダ解放位置) ×伸び率}÷エンコーダ1パルス当たりの送り量 …(4)
【0059】この(4)式で40mmは、段部検知位置
からバインダ解放までの距離で固定値であり、前述した
ようにこのバインダ解放位置と共に縫い始め位置、伸び
率はいずれも前記操作パネル58により設定される。
【0060】(4)縫製終了位置 最終段部検出後の縫製終了位置(縫い終り位置)をエン
コーダパルスの計測により決定する。ここでは、重ね縫
い終わり位置(縫製終了位置)より2針手前で低速処理
に移行するためのエンコーダパルス数と、最終段部検知
後の重ね縫い停止の位置に相当するエンコーダカウント
数を算出し、各パルス数を利用して制御を行う。ここで
設定する重ね縫い位置も前記操作パネル58から入力
し、設定する。
【0061】 ・重ね縫い終わり2針手前で低速処理に移行するためのエンコーダパルス数A の算出 パルス数A=(ピッチ×2)÷エンコーダ1パルス当たりの送り量…(5) ・縫製終了位置のエンコーダパルス数Bの算出 パルス数B={(重ね縫い位置+(70mm−縫い始め位置)) ×伸び率}÷エンコーダ1パルス当たりの送り量 …(6)
【0062】即ち、最終段部検出時よりダウンカウンタ
に設定したパルス数Bから減算をしながら縫製を行い、
減算結果(残り)がパルス数Aに達した場合に、即ち
(B−A)のパルス数が出力された時点で減速処理に移
行し、カウンタのパルス数が0となった時点で停止させ
ることにより、縫製終了位置で縫い動作を停止すること
ができる。
【0063】(5)最終段部検出後、縫製終了位置前で
糸切れした場合の戻し量の計測 最終段部検出以降の糸切れ処理に関しては、糸切れ発生
時点からある量を戻して再縫製する必要があるため、こ
の戻し量をエンコーダにより計測し、その分を縫い終わ
り位置に考慮する必要がある。これを考慮しないと、最
終段部検出が終了しているため、戻した分の誤差が生じ
る。
【0064】ここでは、図示しない糸切れ検知センサに
より糸切れが検知された時点から、前記送り検出エンコ
ーダ80から出力されるパルス数により戻し量を算出
(計測)し、計測された戻し量を、最終段部検出後から
減算されたエンコーダパルス数に足して補正することに
より、正しい位置から再縫製することができるようにし
ている。
【0065】(6)モータ駆動量の計測 段部から次の段部までの裾幅分を縫製した場合に送り検
出エンコーダ80から出力されるエンコーダパルス数は
次の(7)式で算出される。
【0066】 裾幅分のエンコーダパルス数 =(裾幅×伸び率)÷エンコーダ1パルス当たりの送り量 …(7)
【0067】従って、裾幅分の布を送って次の段部が検
知された状態のときに、送り検出エンコーダ80から出
力されたパルス数が任意の値となっている場合でも、こ
の裾幅分のエンコーダパルス数をカウントしておくこと
により布送りが正確に行われたと判断することができ
る。
【0068】(7)後空送り量の計測 例えば、縫い送り位置からの距離で設定する場合は既に
裾張りレバーによる張力は解除されているので、エンコ
ーダパルス数は(後空送り量÷エンコーダ1パルス当り
の送り量)で算出できる。
【0069】図8、図9には、以上のようにして縫製条
件の設定が行われた後に実行される本実施形態による裾
三ツ巻の縫製動作の処理手順を示した。
【0070】ステップ1で生地(裾布)を仮セットし
て、ミシンを起動するスタートスイッチをONにする
と、前記裾セットレバー64が前進(回動)して布を張
り、作業をし易くする。その後、人手により布を正確に
セットすると、前記送り検出エンコーダ80が初期化さ
れる(ステップ2〜4)。その後、手元検出センサ76
により、オペレータの手が危険範囲から離れたことが検
知されると、裾張りレバー66が前進し、次いで上記裾
セットレバー64は後退し、バインダ62が前進する
(ステップ5〜8)。
【0071】その後、段部検出レバーがONになって段
部検知センサ60による検知が開始されると共に、布押
え(ミシン押え)72が降下される(ステップ9、1
0)。この段階で裾張りスイッチ78がONになってい
るときは(ステップ11でYES)、裾布Cがセットさ
れていないことになるため、ステップ12で、前記ステ
ップ2〜10の操作を全て初期化し、やり直しをする。
【0072】一方、裾布Cが正常にセットされていない
ときは(ステップ11でNO)、前記布送り駆動モータ
36により布送りローラ32を回転させて段部Gが検出
されるまで該布Cの空送りを行ない(ステップ13、1
4)、段部Gが検知された時点で前記(1)式で算出さ
れた縫製開始位置までの送り量に相当するエンコーダパ
ルス数をダウンカウンタにセットし(読み込み)、該布
送り駆動モータ36を駆動して空送り動作を再開し、送
り検出エンコーダ80から出力されるパルス数が上記空
送り量に相当するパルス数に一致するまで、即ちカウン
タ値が0になるまで布Cを送り、その位置に停止させる
(ステップ15〜18)。
【0073】その後、ミシン押え72に揺動可能に支持
されている押え金72Aを降下させ、フリー状態から下
方への付勢状態にして布Cを押さえ付けた後、ミシンを
起動し、外側段部G′が検出されるまで縫製を行う(ス
テップ19〜21)。このとき、上記送り検出エンコー
ダ80から出力されるパルス数が、該段部G′が検出さ
れないのに裾幅寸法に相当するパルス数を超えている場
合には、正常に裾布Cが送られていないとしてエラー表
示をし、オペレータに知らせる(ステップ22、2
3)。逆に、実質的に裾幅寸法分のカウント数で外側段
部G′が検出されると(ステップ21でYES)、前記
(2)、(3)式で算出される減速開始位置と加速開始
位置に相当するパルス数を同様にダウンカウンタにセッ
トし、布を送りながらパルスの減算を行ない、減速開始
位置に到達したら減速を開始し、加速位置との差である
減速パルス数の間低速で縫製し(ステップ24〜2
6)、その後加速して通常速度に戻し、前記内側段部G
が1周して再度最終段部として検出されるまで縫製を続
ける(ステップ27〜28)。
【0074】その際、前記ステップ21の場合と同様
に、段部Gが検出されないのに前回段部検出位置からカ
ウントしたパルス数が裾幅寸法分になった場合には、エ
ラー表示(ステップ29、30)、実質的に等しい場合
には、前記(4)式で算出されるバインダ後退位置と、
前記(5)式から算出される縫製終了位置に相当する送
り量(パルス数)をセットし、前記エンコーダ80から
のエンコーダパルス数が前者と一致した時点でバインダ
を後退させ、後者と一致した時点で糸切りを行い、ミシ
ンを停止させる(ステップ31〜36)。
【0075】その後、前記押え金72Aを上昇させ、付
勢力を解除して揺動フリーの状態、即ち布が押さえ付け
られていない状態にした後、裾張りレバー66を後退さ
せる(ステップ37〜38)。次いで、三ツ巻縫製が終
了した裾布Cを裾三ツ巻ユニット30から取り外し易く
するために、前記エンコーダ80からのパルス数を基に
布送りローラ32により更に下流側に50mm送り、図
示は省略するが、段部Gが前記図3における布送りロー
ラ上32Aより下流の非干渉位置になるまで後空送りを
行う。次いで、前記ミシン押え72を上昇させて布送り
上ローラ32Aを上昇させた後、裾布Cの取り外しを行
って1つの裾布Cに対する縫製動作を終了する(ステッ
プ39、40)。
【0076】又、本実施形態では、図10に示すよう
に、縫製が終了すると、縫製の開始から終了までの前記
布送り駆動モータ(図中、送りモータ)の駆動量と、前
記送り検出エンコーダ80から出力されるパルス数から
実測される裾張りローラの回転量を比較し、その差が所
定の基準値aを超えている場合に、前記操作パネル58
にエラーの文字を点灯する等により、エラー表示が行な
われる(ステップ51〜53)。
【0077】以上詳述した本実施形態によれば、縫い終
わり位置まで縫製した後に糸切りが行われ、その後、ミ
シンの布押え72と共に布送り上ローラ32Aが上昇し
た時点で、既に前記後空送りにより段部Gが針落ち位置
近傍の布送りローラ(係合部材)32より外れており、
しかも縫製部全体がゆるんだ状態になっているため、オ
ペレータが次の裾布をミシンにセットする一連の動きの
中で、裾布Cにごく軽くさわるだけで三ツ巻バインダ6
2や送りローラ32等から容易にはずれ、落下させるこ
とができる。
【0078】従って、前記図15に示したように湾曲腕
108を上下に動作させる時間をカットできるために、
縫製サイクルタイムを大幅に、例えば1秒以上も短縮す
ることができ、作業能率を大幅に向上することが可能と
なる。
【0079】即ち、後空送り中は、布押え72(布送り
上ローラ32A)と布送り下ローラ32Bによって布を
挟持しているために、裾布を確実に非干渉位置へと送る
ことができると共に、張力の除去即ち布保持力が弱めら
れているために、裾布は外れる方向に移動しながら送ら
れるので、布押え(布送り上ローラ32A)が上昇した
時には、裾布にごく軽くさわるだけで落下する。
【0080】又、前記湾曲腕108を使わないで裾布C
をミシンから解放する制御が可能となることから安全で
あり、しかも、湾曲腕機構が不用となるため、大幅なコ
ストダウンを図ることもできる。但し、併用してもよい
ことはいうまでもない。
【0081】又、前記後空送りを、前記裾張りレバー6
6による裾布Cに対する張力を解除した後に行うように
したことにより、解除しないままで行う場合に比べて一
段と容易に裾布Cの取り外しを行うことができる。
【0082】又、裾布を取り外すときに、段部が係合部
材より外れた状態にあることから、段部が係合部材に引
っ掛かることがないので、段部が係合部材によって傷付
けられることがなく、反対に段部が係合部材に損傷を与
えてしまうこともなく、容易に外すことができる。
【0083】又、本実施形態によれば、従来のように布
送り制御における縫い始め位置や縫い終わり位置、後空
送り量等を縫製時の針数によって制御するのではなく、
送り検出エンコーダ80により布送り量を実測して行う
ようにしたことから、目標位置まで布送りローラ32に
より送られる布送り量を正確に測定し、決定できるた
め、操作パネルから縫製条件として設定した各種設定位
置への位置決め制御を確実に実現することができる。
【0084】従って、縫製開始位置、縫製終了位置、段
部減速位置(区間)、バインダ解放位置等を正確に位置
決めすることができ、更に、後空送り量、布送り駆動モ
ータ36の駆動量が正確に実行されたか否かが判断でき
る。又、このモータ36の駆動量と裾張りローラ66B
の回転量とを比較し、両者の値が異なる場合には、送り
が正常に行われていないとして布送り不良を報知するこ
とができる。
【0085】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるも
のでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。
【0086】例えば、前記実施形態では、後空送り手段
としては、既設の布送りロール32を利用する場合を示
したが、専用の送り装置を新たに設けるようにしてもよ
い。又、後空送り量としては、縫い終わり位置から50
mmの場合を示したがこれに限定されず、任意に変更可
能であることは言うまでもない。
【0087】又、前記実施形態では、送り検出エンコー
ダ80が裾張りレバー66の先端に位置するロール66
Bの回転と同期する場合を示したが、これに限定され
ず、例えば前記図1に示した後ろガイドローラ74のロ
ールを回転可能に支持し、同様のディスク、ベルト、セ
ンサスリット円板、センサ等を取り付けるようにしても
よく、更には、新たに実測手段を設けるようにしてもよ
い。
【0088】又、前記実施形態では、縫い始め位置等の
縫製位置や後空送り量をパルス数を用いて位置決め制御
する場合を示したが、一部又は全部を針数を用いて制御
するようにしてもよい。
【0089】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
裾三ツ巻縫製を終了した後、裾布を容易且つ確実にミシ
ンから取り外すことができ、作業能率の向上と安全性の
向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の裾三ツ巻縫製ミシン
の概略構成を示すブロック図
【図2】本実施形態に適用される裾三ツ巻ユニットの要
部構成を示すブロック図
【図3】上記ユニットの機械的な要部構成を示す概略側
面図
【図4】同ユニットが有する段部センサを拡大して示す
斜視図
【図5】本実施形態に適用される送り検出エンコーダの
要部を示す拡大斜視図
【図6】裾三ツ巻の縫製条件を設定する操作パネルを示
す説明図
【図7】段部検知センサ、針、布の位置関係を示す説明
【図8】本実施形態による裾三ツ巻縫製動作を示すフロ
ーチャート
【図9】本実施形態による裾三ツ巻縫製動作を示す他の
フローチャート
【図10】縫製終了時の処理手順を示すフローチャート
【図11】裾三ツ巻縫製を説明するためのズボンを示す
正面図
【図12】裾三ツ巻の縫製パターンを説明するための内
側からみた裾部を拡大して示す説明図
【図13】従来の裾三ツ巻縫製ミシンの概略構成を示す
ブロック図
【図14】従来のミシンにおける布送りローラへの動力
伝達機構を示す説明図
【図15】裾布をミシンから取り外すための従来の裾落
し機構を示す斜視図
【符号の説明】
10…CPUユニット 12…駆動モータコントローラ 14…駆動モータ 16…Vベルト 18…ミシン頭部 20…糸切りユニット 22…針位置検出器 24…アクチュエータドライバ 26…糸切りシリンダ 28…糸手繰り装置 30…裾三ツ巻ユニット 32…布送りローラ 34…モータドライバ 36…布送り駆動モータ 40…布押え上昇装置 54…サーボモータ 56…タイミングベルト 58…操作パネル 60…段部検知センサ 62…三ツ巻バインダ 64…裾セットレバー 66…裾張りレバー 72…布押え 74…後ガイドローラ 76…手元検出センサ 78…裾張りスイッチ 80…送り検出エンコーダ 82…ディスク 84…タイミングプーリ 86…タイミングベルト 88…タイミング円板 90…スリットセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌倉 新治 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内 Fターム(参考) 3B150 BA03 BA11 CB06 CE01 CE02 CE24 DE03 DE07 DE27 EC03 GD04 GD14 GD26 GE28 GF02 GF03 JA07 JA13 LA16 LA38 LA42 LA82 LA84 LA88 LA89 LB01 LB02 NA06 NA15 NA35 NA37 NA67 NA71 NA80 NB03 NB13 NB18 NC06 NC18 QA06 QA07 QA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セットされた筒状の裾布を布送り手段によ
    り送り、該裾布をバインダによって三ツ巻きにすると共
    にその三ツ巻に縫製する裾三ツ巻縫製ミシンにおいて、 前記裾布に裾張りレバーで内側から所定の張力を付与し
    た状態で送りながら縫い終わり位置まで縫製した後、前
    布と後布を縫い合わせた段部が、縫製時に針落ち位置近
    傍で前記裾布に係合している係合部材から外れた非干渉
    位置になるまで、該裾布を後空送りする後空送り手段を
    設けたことを特徴とする裾三ツ巻縫製ミシン。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記後空送り手段が、前記布送り手段であることを特徴
    とする裾三ツ巻縫製ミシン。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記後空送り手段による後空送りを、前記裾張りレバー
    による裾布に対する張力を解除した後に行うことを特徴
    とする裾三ツ巻縫製ミシン。
  4. 【請求項4】請求項1において、 前記裾布を後空送りした後、針落ち位置で布を押え付け
    る布押えを上昇させることを特徴とする裾三ツ巻縫製ミ
    シン。
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CN111621930A (zh) * 2019-02-28 2020-09-04 Juki株式会社 台阶部检测装置及台阶部检测方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN111621930B (zh) * 2019-02-28 2023-02-17 Juki株式会社 台阶部检测装置及台阶部检测方法

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