JP2001125430A - 感光体の特性評価装置 - Google Patents

感光体の特性評価装置

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JP2001125430A JP30178999A JP30178999A JP2001125430A JP 2001125430 A JP2001125430 A JP 2001125430A JP 30178999 A JP30178999 A JP 30178999A JP 30178999 A JP30178999 A JP 30178999A JP 2001125430 A JP2001125430 A JP 2001125430A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】デジタル用感光体の特性を評価するときに、レ
ーザ露光後の表面電位データの先端部と終端部に現れる
鋭いひげ(露光されていない部分)をなくし、感光体の
特性を精度良く計測する。 【解決手段】感光体1の特性を評価する前に、あらかじ
め帯電装置2で感光体1表面を露光したときの帯電幅を
計測し、計測した帯電幅と感光体1の線速から露光装置
3をオン−オフするタイミングの補正時間を演算し、感
光体1の特性を評価するときに、演算した補正時間によ
り露光装置3をオン−オフするタイミングを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、デジタル電子写
真プロセスに使用される感光体の特性評価装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスに使用する感光体特性
の評価、特に感度特性の測定方法としては各種方法が採
用されている。第1の測定方法は感光体を1000r.
p.m以上の高速回転させた状態で感光体の表面を帯電
し、所定の時間あるいは所定の表面電位になったところ
で帯電をオフし、その後、帯電した感光体の表面に光を
照射して所定の時間あるいは所定の表面電位になるまで
露光する。この露光により感光体が所定の表面電位にな
るまで減衰に要した時間と露光する照度の積を計算して
得た露光量を感光体の感度としている。
【0003】第2の測定方法は、電子写真学会標準の白
色感光度測定法のダイナミック測定法に示すように、感
光体を100r.p.m以下の低速で回転させた状態
で、あらかじめ所定の表面電位になるよう調節された帯
電条件で感光体の表面を帯電し、感光体表面の帯電部分
が露光部を通り過ぎてゆくとき、あらかじめ定められた
照度でスリット光を照射して露光を行ない、露光部を通
り過ぎた後、所定の位置又は時間における表面電位を測
定し、測定した表面電位の値を感光体の感度としてい
る。
【0004】第3の測定方法は、電子写真学会標準の白
色感光度測定法のスタティック測定法に示すように、感
光体を100r.p.m以下の低速で回転させた状態
で、あらかじめ所定の表面電位になるように調節された
帯電条件で感光体の表面を帯電し、感光体表面の帯電部
分が露光部にきたときに感光体の回転を停止させ、あら
かじめ定めた照度の光をあらかじめ決められた時間だけ
照射し、表面電位の変化を表面電位計で測定し、所定の
表面電位減衰に要した露光量を感光体の感度としてい
る。
【0005】これらの方法は一般的によく知られている
方法であるが、もともと結像光学系の複写機の電子写真
プロセスに対応して考えられた方法であって、現在主流
のデジタル電子写真プロセスでは、従来のプロセスに対
して感光体に当てられる光のパワーは6〜7乗のオーダ
で強くなっており、照射時間は逆に6〜7乗のオーダで
短くなっており、従来の測定方法ではデジタル電子写真
プロセスにおける感光体の特性を予測できないことが判
ってきた。
【0006】レーザ書込みの露光装置を使用するデジタ
ル用マシンに搭載される感光体の感度特性の評価でマシ
ン内における特性を予測するためには、実マシンで感光
体に施されるのと同じ条件の尺度(スケール)で光照射
して評価するのが望ましい。このために露光光学系とし
て実マシンと同じ方式のレーザ書込み装置を利用すると
良い。そこで特性評価装置として、感光体の周囲に帯電
装置と帯電後の電位を測定する表面電位計とレーザ書込
みを行なう露光装置とレーザ露光後の表面電位を測定す
る表面電位計及び除電装置を必要最小限のプロセス装置
として配置する。これらの装置のオン−オフのタイミン
グは不要な光照射によって感光体が疲労するのを防ぐた
め実マシンに似たタイミングで制御する。すなわち、感
光体が回転し、帯電装置がオンしたときから感光体の中
心からみて帯電装置と露光装置のレーザビーム入射位置
とが形成する角度をθ2度、感光体の外径をD、感光体
の線速をVとすると、露光装置をオンするタイミング
は、πD(θ2/360)/V時間後であるのが普通で
ある。このレーザ書込み光学系による露光がオンしたと
きからあらかじめ定められた時間が経過したときに露光
がオフになる。この露光時間は実マシンではプリントあ
るいは複写される用紙の送り方向のサイズを線速で割っ
た時間を基準に決められる。この時間は帯電器がオン−
オフしている時間とも同じである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらレーザ書
込みの露光を受けた後の表面電位計の計測データには帯
電エリアの先端部と終端部に鋭いひげのような突起(露
光されていない部分)がでてしまう。感光体の特性評価
装置では上記計測を繰り返すが、集録したデータの自動
解析で、この鋭いひげのような突起が障害になることあ
る。この問題の原因は帯電装置の開口幅に起因し、帯電
開始時と帯電終了時に感光体表面の帯電部分に広がりが
生じるためであり、露光されない部分が発生してしまう
ためと判明し、この問題を防ぐためにレーザ書込みオン
のタイミングとオフのタイミングを調整すれば良いこと
を見出した。
【0008】デジタル電子写真プロセスを採用したマシ
ンのなかには、帯電時間がレーザ露光時間より短く設定
されたものがあるが、一通りの固定した条件設定であ
り、感光体の小径ドラムから大径ドラムまでに対応する
特性評価装置ではドラムサイズはもとより帯電器のサイ
ズも変わるため、柔軟なレーザ露光のオン−オフタイミ
ングの調整機構が望まれる。
【0009】この発明はかかる要望に対応するためにな
されたものであり、実マシンと同様なタイミングでプロ
セス装置をオン−オフしてデジタル用感光体の特性を評
価するときに、レーザ書込みのオン−オフのタイミング
時間を調整することにより、レーザ露光後の表面電位デ
ータの先端部と終端部に現れる鋭いひげ(露光されてい
ない部分)をなくすようにした感光体の特性評価装置を
提供することを目的とするものである。
【0010】また、感光体表面の帯電幅に基づきレーザ
書込みのオン−オフのタイミング時間を調整したり、感
光体の大きさや帯電器の開口サイズ及び種類が変わって
も間違いなくレーザ書込みのオン−オフのタイミング時
間を調整して感光体の特性を精度良く計測する特性評価
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る感光体の
特性評価装置は、被検査体である感光体の装着部の周囲
に順に配置された帯電装置と露光装置と除電装置を有
し、帯電装置と露光装置の間に第1の表面電位計が配置
され、露光装置と除電装置の間に第2の表面電位計が配
置された感光体の特性評価装置において、感光体の特性
を評価する前に、あらかじめ帯電装置で感光体表面を露
光したときの帯電幅を計測し、計測した帯電幅と感光体
の線速から露光装置をオン−オフするタイミングの補正
時間を演算し、感光体の特性を評価するときに、演算し
た補正時間により露光装置をオン−オフするタイミング
を補正することを特徴とする。
【0012】この発明に係る感光体の第2の特性評価装
置は、被検査体である感光体の装着部の周囲に順に配置
された帯電装置と露光装置と除電装置を有し、帯電装置
と露光装置の間に第1の表面電位計が配置され、露光装
置と除電装置の間に第2の表面電位計が配置された感光
体の特性評価装置において、感光体を静止させた状態で
帯電装置をオン−オフして感光体表面を帯電させた後、
感光体を所定の線速で回転させ、第1の表面電位計で測
定した感光体表面の変化と感光体の線速から感光体表面
に形成された帯電幅を演算し、演算した帯電幅と感光体
の線速から露光装置をオン−オフするタイミングの補正
時間を演算し、演算した補正時間により露光装置をオン
−オフするタイミングを補正することを特徴とする。
【0013】上記補正時間を、感光体を静止させた状態
で帯電装置で帯電したときに感光体表面に形成された帯
電幅の1/2を感光体の特性を評価するときの感光体の
線速で除算して算出する。
【0014】この発明に係る感光体の他の特性評価装置
は、被検査体である感光体の装着部の周囲に順に配置さ
れた帯電装置と露光装置と除電装置を有し、帯電装置と
露光装置の間に第1の表面電位計が配置され、露光装置
と除電装置の間に第2の表面電位計が配置された感光体
の特性評価装置において、感光体を所定の線速で回転さ
せながら帯電装置により感光体の表面を帯電し、感光体
の表面にこの時から形成された帯電部の先端を第1の表
面電位計で検出した時間と、帯電装置と第1の表面電位
計と露光装置の感光体の周方向に対する配置位置と感光
体の外径及び感光体の線速とで定まる時間とから露光装
置をオン−オフするタイミングの補正時間を演算し、演
算した補正時間により露光装置をオン−オフするタイミ
ングを補正することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の感光体の特性評価装置
は、被測定物である感光体の装着部の周囲に帯電装置と
露光装置と除電装置が配置され、帯電装置と露光装置の
間に第1の表面電位計が配置され、露光装置と除電装置
の間に第2の表面電位計が配置されている。感光体は駆
動機構部に回転自在に保持されている。帯電装置と除電
装置及び第1の表面電位計と第2の表面電位計は、感光
体の周方向と径方向と長手方向とに移動できるように共
通の架台に取り付けられている。露光装置はレーザ書込
装置からなり、感光体の径方向と長手方向に可動でき、
感光体の径方向には感光体表面とレーザ書込系のfθレ
ンズの焦点距離だけ間隔がとられるように決められる。
【0016】制御部には、入力部とタイミング設定部と
コントローラと評価部及び出力部を有する。入力部は検
査する感光体の外径Dと感光体の線速Vと、露光装置の
レーザスキャン副走査方向の解像度と、帯電装置で帯電
する帯電時間と、露光装置のレーザ露光時間と、感光体
の中心に対する露光装置の位置を基準にした除電装置の
感光体の周方向における配置角度と、帯電装置の感光体
の周方向における配置角度と、第1の表面電位計の感光
体の周方向における配置角度及び第2の表面電位計の感
光体の周方向における配置角度等の情報を入力する。タ
イミング設定部は入力部から入力した各種情報と第1の
表面電位計から入力した感光体の表面電位から帯電装置
のオン−オフのタイミングと露光装置の露光のオン−オ
フのタイミングを設定する。コントローラは入力部から
入力した各種情報により感光体を回転駆動するとともに
帯電装置と露光装置及び除電装置の動作を制御し、入力
部から入力した各種情報と第1の表面電位計と第2の表
面電位計から入力した感光体の表面電位を評価部に送
る。評価部は送られた各種情報と感光体の表面電位と露
光量を感光体の感度として評価し出力部を介して表示装
置やプリンタに出力する。
【0017】感光体の感度を測定するときに、タイミン
グ設定部は除電装置をオンにしてから帯電装置をオンに
するまでのタイミングを、入力部から入力した感光体の
外径Dと線速Vと除電装置の感光体の周方向における配
置角度と帯電装置の感光体の周方向における配置角度と
から設定し、帯電装置をオンにしたときの帯電開始点が
露光装置のレーザ書込み位置に到達するまでのタイミン
グを、感光体の外径Dと線速Vと帯電装置の感光体の周
方向における配置角度とから設定し、帯電装置の帯電時
間と露光装置のレーザ露光時間は紙送りサイズで指定す
る。さらに、露光装置のタイミングとレーザ露光時間を
補正する補正時間を設定する。この補正時間は、あらか
じめ感光体を静止させた状態で帯電装置を短時間オン−
オフして感光体の表面を帯電して、感光体の表面に帯電
部を形成する。その後、感光体を所定の線速で回転さ
せ、第1の表面電位計で感光体の帯電部の電位を計測す
る。タイミング設定部は第1の表面電位計で計測してい
る帯電電位と感光体の線速から感光体の帯電部の帯電幅
を算出し、算出した帯電幅を感光体の線速で除算して補
正時間を演算する。この補正時間を紙送りサイズで定ま
るレーザ露光時間の前後に加えて、露光装置のオン−オ
フの補正タイミングを設定する。
【0018】このようにタイミング設定部で露光のオン
−オフの補正タイミングを設定することにより、帯電装
置により帯電した感光体の帯電部の先端(帯電開始時、
帯電装置がワイヤであればワイヤ直下位置)がレーザ書
込み位置に到達する時間より早く露光をオンにすること
ができるとともに感光体の帯電部の終端(帯電終了時、
帯電装置がワイヤであればワイヤ直下位置)がレーザ書
込み位置を通り過ぎた時間より遅く露光をオフにするこ
とができ、感光体の帯電部に露光されていなく、第2の
表面電位計の計測データに鋭いひげのような突起が現れ
ることを防ぐことができる。
【0019】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の構成図である。
図に示すように、感光体の特性評価装置は、被測定物で
ある感光体1の装着部の周囲に帯電装置2と露光装置3
と除電装置4が配置され、帯電装置2と露光装置3の間
に第1の表面電位計5が配置され、露光装置3と除電装
置4の間に第2の表面電位計6が配置されている。感光
体1は駆動機構部に回転自在に保持されている。帯電装
置2と除電装置4及び第1の表面電位計5と第2の表面
電位計6は、感光体1の周方向と径方向と長手方向とに
移動できるように共通の架台に取り付けられている。露
光装置3はレーザ書込装置からなり、感光体1の径方向
と長手方向に可動でき、感光体1の径方向には感光体1
表面とレーザ書込系のfθレンズの焦点距離だけ間隔が
とられるように決められる。
【0020】露光装置3のレーザ書込系のfθレンズの
焦点距離f1は実際に使用する複写機等(以下、実マシ
ンという)のレーザスキャン書込系のfθレンズの焦点
距離f2と近いもの、例えば、実マシンのレーザスキャ
ン書込系のfθレンズの焦点距離f2との比率f2/f
1が「1」、好ましくは0.75〜1.33の範囲にな
っている。これは感光体1上の1点が露光される時間に
ついて、実マシンに対する差を極力小さくするためであ
る。
【0021】特性評価装置の制御部には、図2のブロッ
ク図に示すように、入力部8とタイミング設定部9とコ
ントローラ10と評価部11及び出力部12を有する。
入力部8は検査する感光体1の外径Dと感光体1の線速
Vと、露光装置3のレーザスキャン副走査方向の解像度
と、帯電装置2で帯電する帯電時間Tchと、露光装置3
のレーザ露光時間Texpと、感光体1の中心に対する露
光装置3の位置を基準にした除電装置4の感光体1の周
方向における配置角度θ1と、帯電装置2の感光体1の
周方向における配置角度θ2と、第1の表面電位計5の
感光体1の周方向における配置角度θ3及び第2の表面
電位計6の感光体1の周方向における配置角度θ4等の
情報を入力する。ここで各配置角度θ1〜θ4の単位は
「度」で入力される。タイミング設定部9は入力部8か
ら入力した各種情報と第1の表面電位計5から入力した
感光体1の表面電位から帯電装置2のオン−オフのタイ
ミングと露光装置3の露光のオン−オフのタイミングを
設定する。コントローラ10は入力部8から入力した各
種情報により感光体1を回転駆動するとともに帯電装置
2と露光装置3及び除電装置4の動作を制御し、入力部
8から入力した各種情報と第1の表面電位計5と第2の
表面電位計6から入力した感光体1の表面電位を評価部
11に送る。評価部11は送られた各種情報と感光体1
の表面電位と露光量を感光体1の感度として評価し出力
部12を介して表示装置やプリンタに出力する。
【0022】上記のように構成された特性評価装置にお
いて感光体1の感度を測定するときは、図3のタイムチ
ャートに示すように、露光装置3のポリゴンミラーを回
転するとともに感光体1を一定の回転速度で回転させな
がら、除電装置4で感光体1の表面を除電し、帯電装置
2で感光体1の表面を所定の表面電位になるように帯電
し、帯電した感光体1に露光装置3でレーザ光を照射す
る。この帯電したときの感光体1の表面電位を第1の表
面電位計5で測定し、露光後の感光体1の表面電位を第
2の表面電位計6で測定し、一方、電位減衰に要した露
光量(到達エネルギ)Eを、 E=(レーザの露光パワー×有効走査期間率)/(有効
書込み幅×線速) で計算し、計算した露光量と測定された露光後の電位あ
るいは露光前後の電位変化量との関係を感光体1の感度
とする。この処理を感光体1に照射される露光パワーを
換えて所定回数繰返す。
【0023】この感光体1の感度を測定するときに、タ
イミング設定部9は除電装置4をオンにしてから帯電装
置2をオンにするまでのタイミングT1を、入力部8か
ら入力した感光体1の外径Dと線速Vと除電装置4の感
光体1の周方向における配置角度θ1と帯電装置2の感
光体1の周方向における配置角度θ2とから、 T1=πD〔(θ1−θ2)/360〕/V で設定し、帯電装置2をオンにしたときの帯電開始点、
すなわち帯電装置2がワイヤーを使用しているときはワ
イヤー直下の位置、帯電装置2がローラであるときはロ
ーラと感光体1の接触している部分の中央位置、帯電装
置2が針電極であるときは針直下の位置が露光装置3の
レーザ書込み位置に到達するまでのタイミングT2を、
感光体1の外径Dと線速Vと帯電装置2の感光体1の周
方向における配置角度θ2とから、 T2=πD(θ2/360)/V で設定し、帯電装置2の帯電時間Tchと露光装置3のレ
ーザ露光時間Texpは紙送りサイズ/線速で指定する。
さらに、露光装置3のタイミングT2とレーザ露光時間
Texpを補正する補正時間ΔTを設定する。そして帯電
装置2をオンにしたときから時間(T2−ΔT)が経過
したときに露光装置3の露光をオンにし、露光装置3の
露光をオンにしてから時間(Texp+2ΔT)が経過し
たときに露光装置3の露光をオフにするように、露光の
オン−オフのタイミングを設定する。
【0024】このようにタイミング設定部9で露光のオ
ン−オフのタイミングを設定することにより、帯電装置
2により帯電した感光体1の帯電部の先端(帯電開始
時、帯電装置がワイヤであればワイヤ直下位置)がレー
ザ書込み位置に到達する時間より早く露光をオンにする
ことができるとともに感光体1の帯電部の終端(帯電終
了時、帯電装置がワイヤであればワイヤ直下位置)がレ
ーザ書込み位置を通り過ぎた時間より遅く露光をオフに
することができ、感光体1の帯電部に露光されていな
く、第2の表面電位計6の計測データに鋭いひげのよう
な突起が現れることを防ぐことができ、感光体1の感度
を安定して測定することができる。
【0025】このタイミング設定部9で露光装置3の露
光をオン−オフするタイミングの補正時間ΔTを設定す
るときの一例を説明する。あらかじめ感光体1を静止さ
せた状態で帯電装置2を短時間オン−オフして、図4に
示すように、感光体1の表面に帯電部13を形成し、そ
の後、感光体1を所定の線速で回転させ、形成した帯電
部13の帯電幅Wを表面電位計で測定しておく。この帯
電幅Wを異なる外径Dの感光体1毎に行ない、感光体1
の外径Dと関連つけて入力部8から入力しておく。そし
て感光体1の特性評価を開始するときに、タイミング設
定部9で入力された感光体1の外径Dから帯電幅Wを読
み出し、読み出した帯電幅Wと入力された感光体1の線
速Vから補正時間ΔTを、ΔT=(W/2)/Vで演算
すれば良い。
【0026】次ぎにタイミング設定部9で露光装置3の
露光をオン−オフするタイミングの補正時間ΔTを設定
するときの第2の例を説明する。まず、図4に示すよう
に、感光体1を静止させた状態で帯電装置2を短時間オ
ン−オフして感光体1の帯電電位を100Vから100
0V程度にする。なお、極性は感光体1の極性による。
この帯電により感光体1の表面に帯電幅Wの帯電部13
が形成される。その後、感光体1を所定の線速Vで回転
させ、第1の表面電位計5で感光体1の帯電部13の電
位を計測する。タイミング設定部9は第1の表面電位計
5で計測している帯電電位と感光体1の線速Vから感光
体1の帯電部13の帯電幅Wを算出し、算出した帯電幅
Wから補正時間ΔTを、ΔT=(W/2)/Vで演算す
る。この作業を感光体1の特性評価開始前に実行し、露
光装置3の露光をオンするタイミング(T2−ΔT)と
オフするタイミング(Texp+2ΔT)を設定する。そ
の後、コントローラ10はタイミング設定部9で設定さ
れたタイミングに基づいて感光体1の特性評価の一連の
プログラムを実行する。このようにして補正時間ΔTを
演算して露光のオン−オフのタイミングを設定すること
により、帯電装置2により帯電した感光体1の帯電部の
先端がレーザ書込み位置に到達する時間より早く、ある
いはほぼ同時に露光をオンにすることができるとともに
感光体1の帯電部の終端がレーザ書込み位置を通り過ぎ
た時間より遅く、あるいはほぼ同時に露光をオフにする
ことができる。
【0027】また、露光装置3の露光をオン−オフする
タイミングの補正時間ΔTを設定する第3の例は、感光
体1を所定の線速Vで回転させながら帯電装置2をオン
−オフにして感光体1の表面を帯電する。この時から感
光体1表面に形成された帯電部13の先端が第1の表面
電位計5で検出されるまでの時間Tnを計測する。そし
て感光体1の外径Dと帯電装置2の感光体1の周方向に
おける配置角度θ2と第1の表面電位計5の感光体1の
周方向における配置角度θ3と感光体1の線速Vで定ま
る時間T23=πD〔(θ2−θ3)/360〕/Vと時間
Tnとの差から補正時間ΔTをΔT=(T23−Tn)で
演算する。この作業を感光体1の特性評価開始前に実行
し、露光装置3の露光をオンするタイミング(T2−Δ
T)とオフするタイミング(Texp+2ΔT)を設定す
る。その後、コントローラ10はタイミング設定部9で
設定されたタイミングに基づいて感光体1の特性評価の
一連のプログラムを実行する。このようにして異なる外
径Dの感光体1の特性を評価する場合や帯電装置2の開
口サイズが変わっても、露光装置3の露光をオン−オフ
するタイミングを適正に設定することができ、感光体1
の感度を安定して測定することができる。
【0028】〔具体例1〕 例えば感光体周方向に20
mmの幅を有し、60μmの外径を有する線に高圧を印
加してコロナ放電によりスコロトロン方式で、グリッド
電圧が±1500Vまで印加可能な帯電装置2を使用し
て外径D=60mmで長さL=340mmの感光体1を
静止した状態で帯電したときの帯電幅Wを調べた結果1
6mmであった。そこであらかじめ帯電幅W=24mm
と、帯電幅W=21mmと、帯電幅W=16mmと、帯
電幅W=0mm及び感光体1の線速V=180mm/s
を入力して、補正時間ΔTを演算して露光装置3の露光
をオンするタイミング(T2−ΔT)とオフするタイミ
ング(Texp+2ΔT)を設定した。この設定したタイ
ミングで感光体1の特性評価の一連のプログラムを実行
して、露光後の感光体1の表面電位を第2の表面電位計
6で計測した結果を下記表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】上記表1において、評価結果の○印は第2
の表面電位計6の計測データに鋭いひげのような突起が
現れず、感光体1の感度を安定して測定することができ
た場合を示し、×印は第2の表面電位計6の計測データ
に鋭いひげのような突起が現れ、感光体1の感度を安定
して測定できなかった場合を示す。表1に示すように、
帯電幅W=16mmで補正時間ΔT=0.044秒以上
の場合には感光体1の感度を安定して測定することがで
きた。
【0031】〔具体例2〕 具体例1と同じ帯電装置を
使用し、外径D=30mmで長さL=340mmの感光
体1を線速は93mmで回転しながら感光体1の表面を
帯電した。この感光体1表面に形成された帯電部13の
先端が第1の表面電位計5で検出されるまでの時間Tn
を計測して感光体1の外径Dと帯電装置2の感光体1の
周方向における配置角度θ2と第1の表面電位計5の感
光体1の周方向における配置角度θ3と感光体1の線速
Vで定まる時間T23=πD〔(θ2−θ3)/360〕/
Vと時間Tnとの差から補正時間ΔTを調べた結果、補
正時間ΔTは、ΔT=0.096秒であった。そこで補
正時間ΔT=0.97秒と、ΔT=0.91秒及びΔT
=0.059秒をそれぞれ設定して露光装置3の露光を
オンするタイミング(T2−ΔT)とオフするタイミン
グ(Texp+2ΔT)を設定した。この設定したタイミ
ングで感光体1の特性評価の一連のプログラムを実行し
て、露光後の感光体1の表面電位を第2の表面電位計6
で計測した結果を下記表2に示す。下記表2において、
帯電幅Wは補正時間に対応する帯電幅を示す。
【0032】
【表2】
【0033】上記表2において、評価結果の○印は第2
の表面電位計6の計測データに鋭いひげのような突起が
現れず、感光体1の感度を安定して測定することができ
た場合を示し、×印は第2の表面電位計6の計測データ
に鋭いひげのような突起が現れ、感光体1の感度を安定
して測定できなかった場合を示す。表2に示すように、
補正時間ΔTを0.097秒に設定した場合には感光体
1の感度を安定して測定することができたが、補正時間
ΔTが0.091秒と0.59秒の場合には第2の表面
電位計6の計測データに鋭いひげのような突起が現れ、
感光体1の感度を安定して測定できなかった。
【0034】この具体例2において補正時間ΔTを0.
097秒に設定した場合と、補正時間ΔTを0.091
秒に設定した場合に、同一レーザパワーでA4横送り
(210mm)サイズのレーザ書込みを5回繰り返し、
その後、露光装置3のレーザパワーを変えて同じくA4
横送りサイズのレーザ書込みを5回繰り返すことを交互
に繰り返して第2の表面電位計6で感光体1の表面電位
を測定して評価したデータを図5に示す。図5におい
て、縦軸は露光後の感光体1表面電位(−極性)、横軸
はデータサンプリングの数(インデックス)を示してい
る。図5(a)に示すように、補正時間ΔTを0.09
7秒に設定した場合には第2の表面電位計6の計測デー
タに鋭いひげのような突起が現れず、感光体1の感度を
安定して測定することができたが、(b)に示すよう
に、補正時間ΔTを0.091秒とした場合には第2の
表面電位計6の計測データに鋭いひげのような突起が現
れ、感光体1の感度を安定して測定することができなか
った。これは帯電装置2で感光体1の表面を帯電したと
きに、ある幅を持って帯電することに原因がある。この
帯電幅Wは同じ帯電装置2を使用しても感光体1の外径
Dが異なると相違する。そこで感光体1の特性評価の開
始に先立って帯電幅Wを計測し、これにより特性評価の
タイミング条件を設定することにより安定した感光体1
の特性評価を行なうことができる。
【0035】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、感光体
の特性を評価する前に、あらかじめ帯電装置で感光体表
面を露光したときの帯電幅を計測し、計測した帯電幅と
感光体の線速から露光装置をオン−オフするタイミング
の補正時間を演算し、感光体の特性を評価するときに、
演算した補正時間により露光装置をオン−オフするタイ
ミングを補正するようにしたから、帯電装置により帯電
した感光体の帯電部の先端がレーザ書込み位置に到達す
る時間より早く、あるいはほぼ同時に露光をオンにする
ことができるとともに感光体の帯電部の終端がレーザ書
込み位置を通り過ぎた時間より遅く、あるいはほぼ同時
に露光をオフにすることができ、感光体の帯電部に露光
されていなく第2の表面電位計の計測データに鋭いひげ
のような突起が現れることを防ぐことができ、感光体の
感度を安定して測定することができる。
【0036】また、感光体を静止させた状態で帯電装置
をオン−オフして感光体表面を帯電させた後、感光体を
所定の線速で回転させ、第1の表面電位計で測定した感
光体表面の変化と感光体の線速から感光体表面に形成さ
れた帯電幅を演算し、演算した帯電幅と感光体の線速か
ら露光装置をオン−オフするタイミングの補正時間を演
算し、演算した補正時間により露光装置をオン−オフす
るタイミングを補正することにより、露光装置をオン−
オフするタイミングを自動的に補正することができ、感
光体の特性評価を効率的に行なうことができる。
【0037】また、露光装置をオン−オフするタイミン
グの補正時間を、感光体を静止させた状態で帯電装置で
帯電したときに感光体表面に形成された帯電幅の1/2
を感光体の特性を評価するときの感光体の線速で除算し
て算出することにより、感光体の帯電部を確実に露光し
て、第2の表面電位計の計測データに鋭いひげのような
突起が現れることを確実に防ぐことができる。
【0038】さらに、感光体を所定の線速で回転させな
がら帯電装置により感光体の表面を帯電し、感光体の表
面にこの時から形成された帯電部の先端を第1の表面電
位計で検出した時間と、帯電装置と第1の表面電位計と
露光装置の感光体の周方向に対する配置位置と感光体の
外径及び感光体の線速とで定まる時間とから露光装置を
オン−オフするタイミングの補正時間を演算し、演算し
た補正時間により露光装置をオン−オフするタイミング
を補正することにより、異なる外径の感光体の特性を評
価する場合や帯電装置の開口サイズが変わっても、露光
装置の露光をオン−オフするタイミングを適正に設定す
ることができ、感光体の感度を安定して測定することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の構成図である。
【図2】上記実施例の制御部の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】上記実施例の動作を示すタイムチャートであ
る。
【図4】感光体の帯電部を示す配置図である。
【図5】感光体の露光後の表面電位の測定結果を示す特
性図である。
【符号の説明】
1;感光体、2;帯電装置、3;露光装置、4;除電装
置、5;第1の表面電位計、6;第2の表面電位計、
7;制御部、8;入力部、9;タイミング設定部、1
0;コントローラ、11;評価部、12;出力部、1
3;帯電部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H003 BB07 BB11 CC01 CC05 DD08 DD11 2H027 DA02 DA06 DA07 DA22 DA23 DE10 EC03 ED02 ED03 ED04 EE02 2H034 FA07 2H035 AA01 AB06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査体である感光体の装着部の周囲に
    順に配置された帯電装置と露光装置と除電装置を有し、
    帯電装置と露光装置の間に第1の表面電位計が配置さ
    れ、露光装置と除電装置の間に第2の表面電位計が配置
    された感光体の特性評価装置において、 感光体の特性を評価する前に、あらかじめ帯電装置で感
    光体表面を露光したときの帯電幅を計測し、計測した帯
    電幅と感光体の線速から露光装置をオン−オフするタイ
    ミングの補正時間を演算し、感光体の特性を評価すると
    きに、演算した補正時間により露光装置をオン−オフす
    るタイミングを補正することを特徴とする感光体の特性
    評価装置。
  2. 【請求項2】 被検査体である感光体の装着部の周囲に
    順に配置された帯電装置と露光装置と除電装置を有し、
    帯電装置と露光装置の間に第1の表面電位計が配置さ
    れ、露光装置と除電装置の間に第2の表面電位計が配置
    された感光体の特性評価装置において、 感光体を静止させた状態で帯電装置をオン−オフして感
    光体表面を帯電させた後、感光体を所定の線速で回転さ
    せ、第1の表面電位計で測定した感光体表面の変化と感
    光体の線速から感光体表面に形成された帯電幅を演算
    し、演算した帯電幅と感光体の線速から露光装置をオン
    −オフするタイミングの補正時間を演算し、演算した補
    正時間により露光装置をオン−オフするタイミングを補
    正することを特徴とする感光体の特性評価装置。
  3. 【請求項3】 上記補正時間を、感光体を静止させた状
    態で帯電装置で帯電したときに感光体表面に形成された
    帯電幅の1/2を感光体の特性を評価するときの感光体
    の線速で除算して算出する請求項1又は2記載の感光体
    の特性評価装置。
  4. 【請求項4】 被検査体である感光体の装着部の周囲に
    順に配置された帯電装置と露光装置と除電装置を有し、
    帯電装置と露光装置の間に第1の表面電位計が配置さ
    れ、露光装置と除電装置の間に第2の表面電位計が配置
    された感光体の特性評価装置において、 感光体を所定の線速で回転させながら帯電装置により感
    光体の表面を帯電し、感光体の表面にこの時から形成さ
    れた帯電部の先端を第1の表面電位計で検出した時間
    と、帯電装置と第1の表面電位計と露光装置の感光体の
    周方向に対する配置位置と感光体の外径及び感光体の線
    速とで定まる時間とから露光装置をオン−オフするタイ
    ミングの補正時間を演算し、演算した補正時間により露
    光装置をオン−オフするタイミングを補正することを特
    徴とする感光体の特性評価装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007155974A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Ricoh Co Ltd 感光体の微小領域電位の測定方法及び感光体の微小領域電位の測定装置
JP2008129372A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Ricoh Co Ltd 感光体ドラム特性評価装置
JP2009026742A (ja) * 2007-06-20 2009-02-05 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子ビーム装置及びその制御方法
JP2014145930A (ja) * 2013-01-29 2014-08-14 Ricoh Co Ltd 潜像担持体の特性評価装置及び特性評価方法
JP2017009865A (ja) * 2015-06-24 2017-01-12 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置

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