JP2001124987A - 投射レンズ - Google Patents

投射レンズ

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JP2001124987A
JP2001124987A JP30966099A JP30966099A JP2001124987A JP 2001124987 A JP2001124987 A JP 2001124987A JP 30966099 A JP30966099 A JP 30966099A JP 30966099 A JP30966099 A JP 30966099A JP 2001124987 A JP2001124987 A JP 2001124987A
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Japan
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lens
lens group
projection
refractive power
group
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JP30966099A
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Yasuyuki Sugano
靖之 菅野
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Sony Corp
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    • G02B27/28Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 for polarising
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B13/00Optical objectives specially designed for the purposes specified below
    • G02B13/16Optical objectives specially designed for the purposes specified below for use in conjunction with image converters or intensifiers, or for use with projectors, e.g. objectives for projection TV

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投射レンズについて、全系を形成するレンズ
枚数を従来よりも少なくしてコストアップを抑えた上
で、高い光学性能を得る。 【解決手段】 条件式(1)〜(5)を満たすことで、
少ないレンズ枚数によっても、広角、かつ長いバックフ
ォーカスを得、収差補正を行うことの容易な投射レンズ
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投射レンズに関わ
り、例えばプロジェクション表示装置の投影装置等に備
えられる投射レンズに適用して好適なものとされる。
【0002】
【従来の技術】近年、プロジェクション表示装置が広く
普及している。このようなプロジェクション表示装置の
1つとして、透過型のスクリーンに対してその背面側か
ら画像光を投射することにより表示を行う、いわゆる背
面投射型のプロジェクション表示装置が知られている。
【0003】上記のような背面投射型のプロジェクショ
ン表示装置としては、いわゆる3板方式といわれる、
赤、緑、青(R,G,B)の3色に対応する2次元画像
表示素子(ライトバルブ)を備えるものが知られてい
る。このような3板方式によるプロジェクション表示装
置では、例えば、白色光源の光をリフレクタ等によりコ
リメートした光束が色分解ミラーで、赤、緑、青の3色
の光束に分解される。そして、上記3色の光束は、赤、
緑、青(R,G,B)の映像電気信号に応じて形成され
る各2次元画像表示素子(例えばLCD;Liquid Cryst
al Display)に入光される。これら赤、緑、青に対応す
る各2次元画像表示素子上に得られた像光は、色合成光
学系にて白色に色合成され、投射レンズを介して透過型
のスクリーン上に拡大投射される。
【0004】また、3板方式による他のプロジェクショ
ン表示装置として、赤,緑,青の3色に発光する光源
(LED或いはレーザ等)からの光をコリメートした光束
を、それぞれ、赤,緑,青(R,G,B)の映像電気信
号に応じて形成される各2次元画像表示素子に入光さ
せ、これら赤,緑,青(R,G,B)に対応する各2次
元画像表示素子上に得られた像光を、色合成光学系にて
白色に合成し、投射レンズを介して透過型のスクリーン
上に拡大投射するようにしたものも知られている。
【0005】また、1枚の2次元画像表示素子を備え
た、いわゆる単板方式といわれるプロジェクション表示
装置も知られている。この単板方式としては、1つに
は、赤,緑,青の3色の光源を時分割で発光あるいは通
過させ、これら3色の光源の通過タイミングに応じて
赤,緑,青(R,G,B)の各映像電気信号の駆動を1
枚の2次元画像表示素子で行い、投射レンズを介して透
過型のスクリーン上に拡大投射させる方式が知られてい
る。また、パネル上の1画素上毎に赤,緑,青(R,
G,B)の3色のカラーフイルターを形成したうえで、
白色光を1枚の2次元画像表示素子に入光し、この2次
元画像表示素子を通過した光を投射レンズを介して透過
型のスクリーン上に拡大投射させる方式も知られてい
る。更には、次のような単板方式も知られている。これ
は、微小角度に振り分けた3枚のダイクロイックミラー
に白色光を入光させることで、角度毎に赤,緑,青
(R,G,B)の3色に分色した光束を得て、1枚の2
次元画像表示素子に入光させるようにしている。そし
て、2次元画像表示素子上では、赤,緑,青(R,G,
B)に対応する3画素を1組とした各組に対応する微小
レンズでコリメートするようにし、これら各色毎の画素
は、各色に対応する映像電気信号により駆動されるよう
にする。そして、これら各画素に入光した光を投射レン
ズを介して透過型のスクリーン上に拡大投射させるよう
にするものである。
【0006】また、レンズに関していえば、上記各プロ
ジェクション表示装置に備えられる投射レンズと同様な
構成のレンズとして、クイックリターンミラーによる制
限等を考慮して、バックフォーカスの長い一眼レフカメ
ラ用の広角系の写真レンズや、CRT(Cathode Ray Tub
e)によるプロジェクションテレビ用の広角投射レンズも
数多く提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなプロジェ
クション表示装置の構成では、色合成光学系として、ダ
イクロイックプリズムまたはダイクロイックミラー等の
光学素子を配置する場合がある。また、反射式2次元画
像素子を使用するのに際しては、偏光ビームスプリッタ
ープリズム、又は偏光ビームスプリッターミラー等の光
学素子を配置する場合がある。このような場合、2次元
画像表示素子から投射レンズの最後端までの距離に相当
する、いわゆるバックフォーカスは長めに確保しなけれ
ばならない。
【0008】また、プロジェクション表示装置として、
1つの投射装置で透過型のスクリーン全体に拡大画像を
形成する場合、プロジェクション表示装置自体のコンパ
クト化のためには、投射距離(例えば投射レンズの出射
端からミラーを介して透過型スクリーンに至る中心光線
長)を短縮する必要がある。そのためには、投射レンズ
を広角化し出射光の発散角を大きくして大画面を得る必
要がある。
【0009】また、画像光が投射されるスクリーン上の
色ムラを少なくなくするためには、色合成光学系に用い
るダイクロイックプリズム、ダイクロイックミラーをは
じめ、反射式2次元画像素子を使用する際に用いられる
偏光ビームスプリッタープリズム又は偏光ビームスプリ
ッターミラー等としては、これらのコート面に当る光線
角度幅が―定のほうが良い。従って、投射レンズの軸外
の主光線が2次元表示素子に垂直となるようにテレセン
トリック性を有することが必要となるのであるが、ここ
で、投射レンズは2次元表示素子中心を通る光軸に対し
て対称であるのに対し,2次元表示素子自体は、1方向
にのみコントラストの高い方向がある。このため、2次
元表示素子に照射される光束自体に角度を付ける必要が
ある。
【0010】また、2次元画像表示素子には、通常LC
D等のディスプレイデバイスが採用されるが、LCDは
マトリックス電極を用いて駆動されるため、CRTを用
いた場合と異なり、投射レンズの歪曲を補正することは
困難である。つまり、CRTの場合であれば、糸巻き歪
み補正などのラスタ形状の補正機能を利用することで投
射レンズの歪曲を補正することが比較的容易に可能とな
るが、LCDのようにドットマトリクス表示が行われる
ディスプレイデバイスでは、このようなラスターの歪み
補正は通常行われない。上記のような事情からすれば、
投射レンズの歪曲収差は出来る限り小さいことが望まし
い。しかしながら、このことは、投射レンズの広角化や
長いバックフォーカスを得ることに対して障害となるも
のである。つまり、投射レンズとして、広角化及び長い
バックフォーカスを確保したうえで、テレセントリック
性を与えると、レンズ全長が長くなったり、レンズ径な
どが大きくなる傾向を有してしまう。
【0011】また、一眼レフカメラ用の広角系の写真レ
ンズやCRTによるプロジェクションテレビ用の投射レ
ンズでは、バックフォーカスは不十分であり、軸外光束
の入射角や射出角がきついため、テレセントリック性が
無く、光量も少なくなっているのが現状である。
【0012】また、近年においては、ライトバルブの高
精細化に対応して、高解像のレンズが求められているの
であるが、レンズの高解像化に伴い、画面周囲での倍率
色収差による画素の色ずれが問題になってきている。
【0013】また、投射レンズ内で光路を変換する構成
を採るプロジェクション表示装置の場合、焦点調整の方
式として、例えば投射レンズ全体とスクリーンとの相対
的距離を調整することで合焦位置を得る、いわゆる全体
繰り出し方式を採用するとスクリーン上の画像中心がず
れるため、適当ではないことが分かっている。従って、
このようなプロジェクション表示装置では、全体繰り出
し方式以外の適切な焦点調整のための手法が採られる必
要がある。
【0014】また、プロジェクション表示装置では、ス
クリーンサイズの異なる筐体であっても、投射レンズと
スクリーンとの相対的距離を調整することにより、同じ
投射レンズを使用することができる。このとき、スクリ
ーンに集光する各光線角度の微少な違いや投射レンズの
製造誤差等により収差(例えば歪曲収差や倍率色収差
等)が発生するため、この収差が出来るだけ小さくなる
ように調整してやる必要がある。
【0015】また、コスト的な観点からいえば、投射レ
ンズ自体のコストも削減されることが好ましいが、この
ためには、例えば投射レンズを構成するレンズ枚数を削
減することが1つの方策として考えられる。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記し
た課題を考慮して、投射レンズとして、少ないレンズ枚
数によっても出来るだけ高いとされる光学性能が得られ
るようにすることを目的とする。即ち、広画角とされ、
かつ、短距離投射であっても長いバックフォーカスとテ
レセントリック性を有し、更には諸収差の小さいものが
得られるようにする。
【0017】このため、投射レンズとして次のように構
成することとした。つまり、本発明の投射レンズとして
は、長い共役側から短い共役側にかけて順に、第1レン
ズ群と、絞りと、第2レンズ群とが配置される。そし
て、第1レンズ群は、最も長い共役側に在る非球面レン
ズと少なくとも1枚以上の正レンズを備えて全体として
正の屈折力を有するようにされ、第2レンズ群は、少な
くとも1組の貼り合わせレンズと非球面レンズを備えて
全体として正の屈折力を有するようにされる。また、第
1レンズ群における所定のレンズ間のレンズ間隔を移動
させることで焦点調整を行うようにされる。これと共
に、全系の焦点距離をF、所定投射倍率時の上記第2レ
ンズ群の最終レンズ面から小さい共役点までの空気換算
距離をBF、上記第2レンズ群の焦点距離をF2、上記
第2レンズ群の前側主点位置をHF2として、 1.87<BF/F 0.22<HF2/F2<0.57 なる条件式を満足するように構成する。
【0018】また、本発明の投射レンズとして次のよう
にも構成する。つまり、長い共役側から短い共役側にか
けて順に、第1レンズ群と、絞りと、第2レンズ群とを
配置する。そして、第1レンズ群は長い共役側に凸形状
となるメニスカスレンズと少なくとも1枚以上の正レン
ズを備えて全体として正の屈折力を有し、第2レンズ群
は、少なくとも1組の貼り合わせレンズと非球面レンズ
を備えて全体として正の屈折力を有するようにされる。
また、第1レンズ群における所定のレンズ間のレンズ間
隔を移動させることで焦点調整を行うようにされる。こ
れと共に、全系の焦点距離をF、所定投射倍率時の上記
第2レンズ群の最終レンズ面から小さい共役点までの空
気換算距離をBF、上記第2レンズ群の焦点距離をF
2、上記第2レンズ群の前側主点位置をHF2として、 1.87<BF/F 0.22<HF2/F2<0.57 なる条件式を満足するように構成する。
【0019】また、本発明の投射レンズとして次のよう
にも構成する。つまり、長い共役側から短い共役側にか
けて順に、第1レンズ群と、絞りと、第2レンズ群とを
配置する。そして、第1レンズ群は、最も長い共役側に
在る非球面レンズと正レンズを備えた2群2枚から成
り、全体として正の屈折力を有するようにされ、第2レ
ンズ群は、1組の貼り合わせレンズと非球面レンズの2
群3枚から成り、正の屈折力を有するようにされる。ま
た、第1レンズ群における所定のレンズ間のレンズ間隔
を移動させることで焦点調整を行うようにされる。これ
と共に、全系の焦点距離をF、所定投射倍率時の上記第
2レンズ群の最終レンズ面から小さい共役点までの空気
換算距離をBF、上記第2レンズ群の焦点距離をF2、
上記第2レンズ群の前側主点位置をHF2として、 1.87<BF/F 0.22<HF2/F2<0.57 なる条件式を満足するように構成する。
【0020】また、本発明の投射レンズとして次のよう
にも構成する。つまり、長い共役側から短い共役側にか
けて順に、第1レンズ群と、絞りと、第2レンズ群とを
配置する。そして、第1レンズ群は、最も長い共役側に
在る非球面レンズと正レンズの2群2枚から成り、全体
として正の屈折力を有し、第2レンズ群は、絞りの最も
近くに配置される非球面レンズと、貼り合わせレンズの
2群3枚、又は、絞りの最も近くに配置される非球面レ
ンズと正レンズと貼り合わせレンズの3群4枚から成
り、全体として正の屈折力を有するようにされる。ま
た、第1レンズ群における所定のレンズ間のレンズ間隔
を移動させることで焦点調整を行うようにされる。これ
と共に、全系の焦点距離をF、所定投射倍率時の上記第
2レンズ群の最終レンズ面から小さい共役点までの空気
換算距離をBF、上記第2レンズ群の焦点距離をF2、
上記第2レンズ群の前側主点位置をHF2として、 1.87<BF/F 0.22<HF2/F2<0.57 なる条件式を満足するように構成する。
【0021】また、本発明の投射レンズとして次のよう
にも構成する。長い共役側から短い共役側にかけて順
に、第1レンズ群と、絞りと、第2レンズ群とを配置す
る。第1レンズ群は、最も長い共役側に在る非球面レン
ズと正レンズの2群2枚、又は、最も長い共役側に在る
非球面レンズと負のメニスカスレンズと正レンズの3群
3枚から成り、全体として正の屈折力を有し、第2レン
ズ群は、1組の貼り合わせレンズと最も短い共役側に非
球面レンズを配する2群3枚から成り、全体として正の
屈折力を有するようにされる。また、第1レンズ群にお
ける所定のレンズ間のレンズ間隔を移動させることで焦
点調整を行うようにされる。これと共に、全系の焦点距
離をF、所定投射倍率時の上記第2レンズ群の最終レン
ズ面から小さい共役点までの空気換算距離をBF、上記
第2レンズ群の焦点距離をF2、上記第2レンズ群の前
側主点位置をHF2として、 1.87<BF/F 0.22<HF2/F2<0.57 なる条件式を満足するように構成する。
【0022】本発明としては、上記各構成によるレンズ
配置としたうえで各条件式を満足することで、少ないレ
ンズ枚数としたうえで、高画角であって、かつ長いバッ
クフォーカスでありながらも短い投射距離が確保され、
かつ、テレセントリック性が保たれる投射レンズを得る
ための条件が満たされる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の投射
レンズについて説明することとする。本実施の形態の投
射レンズは、2次元画像表示素子としてLCDを採用し
た背面投射型のプロジェクション表示装置の投射装置に
備えられるものとして説明する。
【0024】なお、以降の説明は次の順序で行うことと
する。 1.プロジェクション表示装置の構成 1−1.全体構成 1−2.投射装置の内部構成(第1例) 1−3.投射装置の内部構成(第2例) 1−4.投射装置の内部構成(第3例) 1−5.投射装置の内部構成(第4例) 2.レンズ 3.投射レンズの構成 3−1.レンズの配置構造 3−2.条件式 3−3.数値実施形態等
【0025】1.プロジェクション表示装置の構成 1−1.全体構成 先ず、本実施の形態の投射レンズを備えた投射装置を搭
載して構成され得るプロジェクション表示装置に全体構
成について説明する。
【0026】図1(a)(b)は、このようなプロジェ
クション表示装置の全体構成の一例を示す側面図、及び
正面図である。これらの図に示すプロジェクション表示
装置500では、そのキャビネット501の背面におい
て曲折ミラー504が設けられ、また、キャビネット5
01のの前面には、透過型のスクリーン21が設けられ
る。曲折ミラー504は、次に説明する投射装置502
から投射された画像光を反射してスクリーン504に投
射できる角度を有して取り付けられる。
【0027】投射装置502は、図のようにしてキャビ
ネット501内において、その下側に設置される。投射
装置502の光学ユニット503内には、後述する光
源、ダイクロイックミラー、液晶パネルブロック(ライ
トバルブ)、及びダイクロイックプリズム(光合成素
子)等の光学部品が配置されており、これらの動作によ
って画像光としての光束を得る。ここで得られた画像光
としての光束は投射レンズ20により投射されて、投射
光600として出射される。
【0028】このような構造のプロジェクション表示装
置500では、投射光600は、曲折ミラー504に対
して照射されるようにして、上向きに投射レンズ20か
ら出射される。そして、投射レンズ20から出射された
投射光600は曲折ミラー504にてその光路が折り曲
げられて、スクリーン21に対して照射されることにな
る。スクリーン21には、投射レンズ20から投射され
た投射光により得られる拡大画像が表示されることにな
る。例えば鑑賞者は、投射レンズ20が配置されている
のとは反対の方向からスクリーン21を見ることによっ
て、表示画像を鑑賞するようにされる。
【0029】なお、本発明が採用され得るプロジェクシ
ョン表示装置としては、上記図1に示す構成に限定され
るものではなく、例えば、プロジェクション表示装置の
キャビネット内における投射装置の設置形態等も、投射
装置の投射レンズにおける光路変換方向等によって適宜
変更されて構わないものである。また、例えばプロジェ
クション表示装置の小型化等を考慮して、投射装置50
2における光路内にミラーを設けて、光束の光路を変換
する構成も知られているが、本発明としては、このよう
にして投射装置502において光路を変換する構成は採
用されても、また採用されなくても構わないものであ
る。
【0030】1−2.投射装置の内部構成(第1例) 続いて、上記図1に示した投射装置502の内部構成に
ついて、図2を参照して説明する。図2は、本実施の形
態の投射レンズを搭載し得る投射装置502として、第
1例としての内部構造を概念的に示している。ここで
は、スクリーン21以外の部位が投射装置502を形成
するものとされる。なお、本実施の形態では、図1に示
したように、プロジェクション表示装置の構造として、
投射レンズ20とスクリーン21との間に曲折ミラー5
04が設けられて光路が変換されるのであるが、ここで
は、投射装置502の内部構成の説明を主眼とする都合
上、図2における曲折ミラー504の図示は共に省略し
ている。
【0031】図2に示す投射装置502としては、例え
ばメタルハライドランプ等から成る光源としてのランプ
1が、リフレクタ2(放物面鏡)の焦点位置に配置され
ている。ランプ1から照射された光は、リフレクタ2に
より反射されて光軸にほぼ平行となるようにコリメート
されて、リフレクタ2の開口部から出射される。上記リ
フレクタ2の開口部から出射された光のうち、赤外領域
及び紫外領域の不要光線はIR−UVカットフィルタ3
によって遮断されて、表示に有効な光線のみがその後段
に配されている各種光学素子に導かれることになる。
【0032】IR−UVカットフィルタ3の後段には、
マルチレンズアレイ4に続き、マルチレンズアレイ5が
配される。この場合、マルチレンズアレイ4は、後述す
る光変調手段である各液晶パネルブロックの有効開口の
アスペクト比に等しい相似形をした外形を持つ複数の凸
レンズが、その位相を例えば1/2ずらした状態で千鳥
格子状に配列された平型形状を有するようにされてい
る。マルチレンズアレイ5は、上記マルチレンズアレイ
4の凸レンズに対向する側に複数の凸レンズ5aが形成
されている平凸型とされる。これらマルチレンズアレイ
4及びマルチレンズアレイ5を配置することにより、I
R−UVカットフィルタ3を通過した光束が効率よく、
かつ均一に後述する液晶パネルブロックの有効開口に照
射されるようにされる。
【0033】マルチレンズアレイ5と液晶パネルブロッ
クの有効開口の間には、ランプ1からの光束を赤、緑、
青色に分解するためにダイクロイックミラー6、10が
配置されている。この図に示す例では、まずダイクロイ
ックミラー6で赤色の光束Rを反射し緑色の光束G及び
青色の光束Bを透過させている。このダイクロイックミ
ラー6で反射された赤色の光束Rはミラー7により進行
方向を90゜曲げられて赤色用の液晶パネルブロック9
の前のコンデンサーレンズ8に導かれる。
【0034】一方、ダイクロイックミラー6を透過した
緑色及び青色の光束G,Bはダイクロイックミラー10
により分離されることになる。すなわち、緑色の光束G
は反射されて進行方向を90゜曲げられて緑色用の液晶
パネル12前のコンデンサーレンズ11に導かれる。そ
して青色の光束Bはダイクロイックミラー10を透過し
て直進し、リレーレンズ13、ミラー14、反転用リレ
ーレンズ15、ミラー16を介して青色用の液晶パネル
18前のコンデンサーレンズ17に導かれる。
【0035】このようにして、赤、緑、青色の各光束
R,G,Bは各々のコンデンサーレンズ8、11、17
を通過して各色用の液晶パネルブロック9、12、18
(ライトバルブに相当)に入射される。これら各色の液
晶パネルブロック9、12、18においては、それぞ
れ、液晶パネルが備えられると共に、液晶パネルの前段
に入射した光の偏光方向を一定方向に揃えるための入射
側偏光板が設けられる。また、液晶パネルの後段には出
射した光の所定の偏光面を持つ光のみ透過するいわゆる
検光子が配置され、液晶を駆動する回路の電圧により光
の強度を変調するようにされている。
【0036】一般には、ダイクロイックミラー6、10
の特性を有効に利用するため、P偏波面の反射、透過特
性を使用している。従って、各々の液晶パネルブロック
9、12、18内の上記入射側偏光板は、図2の紙面内
に平行な偏波面を透過するように配置されている。ま
た、液晶パネルブロック9、12、18を構成する各液
晶パネルは例えばTN(Twisted Nematic)型が用いら
れており、かつその動作はいわゆる例えばノーマリーホ
ワイト型として構成され、検光子は図1の紙面に垂直な
偏波光を透過するように配置されている。
【0037】そして、液晶パネルブロック9、12、1
8で光変調された各色の光束は、光合成素子(クロスダ
イクロイックプリズム)19において図示する各面に対
して入射される。この光合成素子は、所定形状のプリズ
ムに対して反射膜19a,19bが組み合わされて成
る。光合成素子19における赤色の光束Rは反射膜19
aで反射され、また青色の光束Bは反射膜19bで反射
されて、投射レンズ20に対して入射される。そして緑
色の光束Gは光合成素子19内を直進して透過するよう
にして投射レンズ20に対して入射される。これによ
り、各光束R,G,Bが1つの光束に合成された状態で
投射レンズ20に入射されることになる。
【0038】投射レンズ20では、光合成素子19から
入射された光束を投射光に変換して、例えば透過型のス
クリーン21に対して投射することになる。
【0039】1−3.投射装置の内部構成(第2例) 図3は本実施の形態の投射レンズ20を搭載し得る投射
装置502の第2例としての内部構造を概念的に示すも
のである。なお、この図において図2と同一部分には同
一符号を付して説明を省略する。
【0040】この場合には、マルチレンズアレイ5の後
段のダイクロイックミラー6Aにより光束Bを反射し
て、光束R、光束Gを通過させるようにしている。ダイ
クロイックミラー6Aにより反射された光束Bは、ミラ
ー7Aにより反射され、更に、コンデンサーレンズ8A
を通過し、青色用の液晶パネルブロック9Aを介して光
変調された後に、図示する方向から光合成素子19Aに
入射される。
【0041】ダイクロイックミラー6Aを通過した光束
R、光束Gは、その後段のダイクロイックミラー10A
に入射される。この場合、ダイクロイックミラー10A
では光束Rを反射して、光束Gは通過させるようにされ
ている。ダイクロイックミラー10Aにより反射された
光束Rは、コンデンサーレンズ11Aを通過し、赤色用
の液晶パネルブロック12Aを介して光変調された後
に、図示する方向から光合成素子19Aに入射される。
ダイクロイックミラー10Aを通過した光束Gは、リレ
ーレンズ13A、ミラー14A、反転用リレーレンズ1
5A、ミラー16Aを介してコンデンサーレンズ17A
に到達する。そして、コンデンサーレンズ17Aを通過
して、緑色用の液晶パネルブロック18Aを介して光変
調された後に、図示する方向から光合成素子19Aに入
射される。
【0042】光合成素子19Aも、所定形状のプリズム
に対して、反射膜19A−a,19A−bが組み合わさ
れて成る。この光合成素子19Aに入射された各色の光
束のうち、光束Bは反射膜19A−bにて反射されて投
射レンズ20に入射され、光束Gは反射膜19A−aに
て反射されて投射レンズ20に入射される。また、光束
Rは光合成素子19Aを直進するように通過して投射レ
ンズ20に入射される。この結果、各光束R,G,Bが
1つの光束に合成されて投射レンズ20に入射されるこ
とになる。
【0043】1−4.投射装置の内部構成(第3例) 図4は本実施の形態の投射レンズを搭載し得るプロジェ
クション表示装置の第3例としての内部構造を概念的に
示すものである。なお、この図において図2及び図3と
同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0044】この場合には、ダイクロイックミラー6B
により光束Gを反射して、光束R、光束Bを通過させる
ようにしている。ダイクロイックミラー6Bにより反射
された光束Gは、ミラー7B、コンデンサーレンズ8
B、緑色用の液晶パネルブロック9Bを介した後、図示
する方向から光合成素子19Bに入射される。
【0045】ダイクロイックミラー6Bを通過した光束
R、光束Bは、ダイクロイックミラー10Bに入射され
ることで、光束Rが反射され、光束Bは通過するように
されている。このダイクロイックミラー10Bにて反射
した光束Rは、コンデンサーレンズ11B、赤色用の液
晶パネルブロック12Bを介して、図示する方向から光
合成素子19Bに入射される。ダイクロイックミラー1
0Bを通過した光束Bは、リレーレンズ13B、ミラー
14B、反転用リレーレンズ15B、ミラー16B、コ
ンデンサーレンズ17B、及び青色用の液晶パネルブロ
ック18Bを順次介して、図示する方向から光合成素子
19Bに入射される。
【0046】光合成素子19Bも、所定形状のプリズム
に対して、反射膜19B−a,19B−bが組み合わさ
れて成るものである。ここでは、光合成素子19Bに入
射された各色の光束のうち、光束Gは反射膜19B−a
にて反射され、光束Bは反射膜19B−bにて反射さ
れ、光束Rは光合成素子19Bを直進するように通過す
ることで、1つの光束となって投射レンズ20に入射さ
れることになる。
【0047】1−5.投射装置の内部構成(第4例) 続いて、図5に、本実施の形態のプロジェクション表示
装置の第4例としての内部構造を示す。この第4例は反
射型ライトバルブを採用した構造とされている。これに
対して、上述した第1例〜第3例としての構成にあって
は、透過型ライトバルブを採用している。つまり、入射
光を透過させることで二次元画像を形成する液晶パネル
ブロック([9,12,18][9A,12A,18
A][9B,12B,18B])が透過型ライトバルブ
として備えられていたものである。
【0048】図5に示す構成にあっては、先ず、光源/
空間変調部30において、[赤色用ランプ1R,赤色用
リフレクタ2R][緑色用ランプ1G,緑色用リフレク
タ2G][青色用ランプ1B,青色用リフレクタ2B]
が図に示す位置関係により配置される。これら各色用の
ランプ,リフレクタからコリメートされて出射された光
は、それぞれ、赤色用時分割空間変調素子51R,緑色
用時分割空間変調素子51G,青色用時分割空間変調素
子51Bを透過することで、それぞれ赤色の光束R、緑
色の光束G、青色の光束Bをダイクロイックミラー部5
0に出射するようにされる。
【0049】ここで、赤色用時分割空間変調素子51
R,緑色用時分割空間変調素子51G,青色用時分割空
間変調素子51Bは、RGB各色の面順次による画像表
示に対応した動作を行う。つまり、例えば1フレーム周
期内において、赤色用時分割空間変調素子51Rが光を
透過させているときは、緑色用時分割空間変調素子51
G,青色用時分割空間変調素子51Bでは光を透過させ
ないようにされ、例えば、この後の所定タイミングにお
いて、緑色用時分割空間変調素子51Gについて光を透
過させると共に、赤色用時分割空間変調素子51R,青
色用時分割空間変調素子51Bについては光が透過しな
いようにされる。続く所定タイミングでは、青色用時分
割空間変調素子51Bについて光を透過させると共に、
赤色用時分割空間変調素子51R,緑色用時分割空間変
調素子51Gについては光を透過させないように制御す
る。このような時分割的なRGBごとの空間変調動作を
1フレームごとに繰り返すことで、光源/空間変調部3
0からは在る短時間の一定サイクルでRGBの各光束が
交互に出射されることになる。このような動作によっ
て、最終的にスクリーン21にて投射される画像として
は、短時間のサイクルでRGB各色の画像が交互に表示
されることになるのであるが、人間の見た目には、RG
Bの三色が合成されたフルカラー画像(白色光)として
見ることができるものである。
【0050】上記のようにして赤色用時分割空間変調素
子51R,緑色用時分割空間変調素子51G,青色用時
分割空間変調素子51Bから出射された各色の光が入射
されるダイクロイックミラー部50は、図のような位置
状態で配置されるダイクロイックミラー50a,50b
を備えている。
【0051】ここで、赤色用時分割空間変調素子51R
から出射された光束Rはダイクロイックミラー50aで
反射され、インテグレータ52に入射する。また、緑色
用時分割空間変調素子51Gにて出射された光束Gはダ
イクロイックミラー50a,50bを透過してインテグ
レータ52に入射する。また、青色用時分割空間変調素
子51Bから出射された光束Bはダイクロイックミラー
50bで反射されてインテグレータ52に入射する。
【0052】インテグレータ52は、図2〜図4に示し
たマルチレンズアレイ4,5に相当する。このインテグ
レータ52に入射したRGBの各光束(白色光)は、イ
ンテグレーターの各レンズで分割される。分割されたそ
れぞれの光束は、コンデンサーレンズ53でライトバル
ブの方向に屈折される。コンデンサーレンズ53の後段
には、偏光板56が設けられている。この偏光板56で
は、光の振動方向がS波の光のみを透過させて偏光ビー
ムスプリッタ54に入射させる。この際には、S波とさ
れる全ての光束がライトバルブ55に重なるように照明
される。なお、偏光板56を設ける方式以外にPBS
(Polarization Beam Splitter)と1/2波長板を用い
た偏光変換手段によりP波の吸収なしにS波のみの光束
にする方法もある。
【0053】偏光ビームスプリッタ54に入射された光
束は、偏光ビームスプリッタ54内のPBSコート面で
反射してライトバルブ55を照明する。ライトバルブ5
5では画像信号により2次元画像が形成され、入射した
光はP波に変換された画像として反射される。そして再
び偏光ビームスプリッタ54内に入射し、PBSコート
面を通過し、投射レンズ20でスクリーン21に拡大投
射される。
【0054】また、図6に第4例としてのプロジェクシ
ョン表示装置の他の例を示す。この図6に示す構成にあ
っては、図5に示した構成に対して光源/空間変調部3
0に代えて光源/空間変調部30Bが備えられる。な
お、図6において図5と同一部分については同一符号を
付して説明を省略する。
【0055】図6に示す光源/空間変調部30Bにおい
ては、ランプ1,リフレクタ2によりコリメートされた
光は、その光軸方向に沿って3枚が重ねられるようにし
て配置された赤色用時分割空間変調素子51R,青色用
時分割空間変調素子51B,緑色用時分割空間変調素子
51Gに対して出射される。そしてこの出射光がインテ
グレータ52に対して入射されるようになっている。
【0056】この構成にあっても、赤色用時分割空間変
調素子51R,緑色用時分割空間変調素子51G,青色
用時分割空間変調素子51Bは、RGB各色の面順次方
式による画像表示に対応して、その光の透過及び非透過
タイミングが制御される。従って、この場合にも光源/
空間変調部30Bからは、RGB各色の光束が短時間で
交互に出射されることになる。
【0057】更に、図7に第4例としてのプロジェクシ
ョン表示装置の更に他の例を示す。図7(a)に示すプ
ロジェクション表示装置では、図5に示した構成に対し
て光源/空間変調部30に代えて光源/空間変調部30
Cが備えられた構成をとっている。なお、図7において
図5と同一部分については同一符号を付して説明を省略
する。
【0058】図7(a)に示す光源/空間変調部30C
においては、ランプ1,リフレクタ2及び時分割空間変
調盤40が備えられる。ランプ1,リフレクタ2により
コリメートされた光は、時分割空間変調盤40を透過
し、この後、インテグレータ52に対して入射すること
になる。
【0059】図7(b)は、上記時分割空間変調盤40
を正面方向から示している。この図から分かるように、
時分割空間変調盤40には、例えば図に示す形態によ
り、赤色の成分を透過する赤ダイクロイックフィルタ4
1R、青色の成分を透過する青ダイクロイックフィルタ
41B、緑色の成分を透過する緑ダイクロイックフィル
タ41Gが備えられる。そして、回転軸42を中心に回
転するようにしてプロジェクション表示装置内において
取り付けが行われるものである。また、ランプ1,リフ
レクタ2からなる光源部との配置位置関係としては、図
7(b)において破線で示す光源部からの出射光束の範
囲が各色のダイクロイックフィルタの部分によりカバー
されるように規定される。
【0060】この構成では、時分割空間変調盤40を所
定の回転周期で一定方向に回転させることで、光源部か
らこの時分割空間変調盤40を透過する光束としては、
時分割的にRGBの各色が得られることになる。つま
り、面順次方式に従って、RGB各色の光束が短時間の
サイクルで交互に出射されることになる。
【0061】ここで、上記第1例〜第3例に示した構造
において備えられる透過型ライトバルブ(液晶パネルブ
ロック)としては、例えば、STN(Super Twisted Nem
atic)液晶表示素子、強誘電性液晶表示素子、高分子分
散型液晶表示素子などを採用することができる。また、
駆動方式としては、単純マトリックス駆動またはアクテ
ィブマトリックス駆動が挙げられる。これに対して、第
4例に示した反射型ライトバルブとしては、例えば、ガ
ラス基板上やシリコン基板上に駆動電極または駆動用ア
クティブ素子を設け、TN(Twisted Nematic)モードの
液晶、強誘電性液晶、高分子分散型液晶などを駆動する
反射型液晶素子を採用することができる。また、光導電
膜を介して光を照射することで液晶に電圧を印加する反
射型液晶素子を採用することも考えられる。さらには、
電界によって形状や状態が変化する構造を設けたグレー
ティングライトバルブ等の反射型液晶素子も挙げること
ができる。
【0062】以上、4例(第4例としては2例の変形例
も示している)を挙げて、本実施の形態としての投射装
置を説明したが、これらはあくまでも一例であって、本
実施の形態の投射レンズを搭載し得るプロジェクション
表示装置の内部構成としては、他にも各種考えられるも
のである。
【0063】2.レンズ また、以降説明する本実施の形態の投射レンズ20とし
ては、いわゆるレトロフォーカスタイプのレンズ系が採
用されるのであるが、ここで、レトロフォーカスレンズ
の原理について図8及び図9を参照して簡単に説明して
おく。
【0064】図8(a)に示すレンズL1は、正の屈折
力を有しているものとされる。この図8(a)は、通常
の正の屈折力を有するレンズは、物体が無限位置にある
ときには、焦点位置は主点から短い共役側の焦点距離の
位置にあることを示している。これに対して、図8
(b)に示すように、物点が近くにある場合には、焦点
位置は長くなる。
【0065】一方、図8(c)に示すレンズL2は、負
の屈折力を有している。この図8(c)では、負の屈折
力を有するレンズでは、物体が無限位置にあるときに
は、主点から長い共役側の焦点距離の位置にあることを
示している。
【0066】そこで、図8(d)に示すようにして、上
記した特性を有する正の屈折力を有するレンズと、負の
屈折力を有するレンズとを組み合わせることで、レトロ
フォーカスタイプのレンズ系を形成することができる。
このようなレトロフォーカスタイプは、前側の負の屈折
力を持つレンズL2(レンズ群とみなしてもよい)によ
り、―旦、長い共役側の近距離に像を作り、その後ろの
正の屈折力を持つレンズL1(レンズ群とみなしてもよ
い)はその像を物点、とするため、長いバックフオーカ
スが得られることになる。
【0067】また、ここでレトロフォーカスタイプのレ
ンズ系における絞り位置と主光線のテレセントリック性
との関係について図7に示す。図9(a)に示すように
して、無限位置に物体があるとき、レンズには平行光線
が入り焦点で集光する。逆に、焦点位置に物点があると
き、レンズから平行光線が射出することになる。ここ
で、図9(b)に示すようにして、主光線を絞りの中心
を通る光線としたとする。この条件の下で、絞りより後
のレンズ群の前側焦点位置に絞り位置を設定すれば、射
出光線は平行光線となり、主光線のテレセントリック性
が実現できることになる。
【0068】また、レトロフォーカスタイプのレンズ系
としての焦点調整については次のようなことが言える。
図10(a)に示すように、物体が無限位置から近距離
になるとき、レンズ全系のバックフォーカスは長くなる
が、この場合、図10(b)に示すようにしてレンズ全
体を移動させて―定の位置に焦点を合わせることが行わ
れている。このような焦点の調整を「全体繰出し方式」
とここではいうことにする。
【0069】このとき、レトロフォーカスタイプのレン
ズ系において、負の屈折力を持つ前側のレンズ(レンズ
群)の像は、物点が近距離になると近くなる。そのため
後側のレンズ(レンズ群)のバックフォーカスも長くな
っている。ここで、後側のレンズ(レンズ群)から見た
前側のレンズ(レンズ群)の像を常に―定の位置に置く
ことにより、全系のバックフォーカスを一定とすること
ができる。そこで、前側のレンズ群内において、更に複
数のレンズ群が配置されている場合において、投射距離
が変わったときには、前側のレンズ群を形成するレンズ
群間の間隔を変えて前群の像位置を―定にすることによ
り、全系のバックフォーカスの移動なしに焦点調節が可
能となるものである。
【0070】以降説明する本実施の形態の投射レンズと
しては、この原理を応用する。つまり、焦点の調整にあ
たって全体繰出し方式としての手法を用いるのではな
く、レンズ全系において前側のレンズ群内にあるレンズ
群間の間隔を変更することで、焦点調整を行う。このよ
うな手法によれば、例えば、或るスクリーンサイズの範
囲内でレンズ全系内の1カ所のレンズ群間隔を変更する
際に、レンズ全系において前側のレンズ群内にあるレン
ズ群間の間隔を変更することになるが、これによって、
同時に焦点調整を行うことができることになるため、レ
ンズ全体とライトバルブの位置は変化しないことにな
る。また、レンズ全系において前側に対して焦点調整機
構を設けることになるため、レンズの保持機構は簡単と
なって、実際に投射レンズを組み立てるときや調整時の
作業効率も向上する。
【0071】また、本実施の形態の投射レンズとして
は、後述するようにして、レンズ系における前側のレン
ズ群(前群:第1レンズ群)及び後ろ側のレンズ群(後
群:第2レンズ群)の各々において、所要の非球面形状
を有する非球面レンズが配置される構造をとるのである
が、ここでレンズとして非球面を使用する条件について
簡略に述べておく。
【0072】前群の負レンズとして非球面レンズを使用
する場合、光軸から離れるに従って負のパワー(負の屈
折力)が弱くなる形状にする。また、後群の正レンズに
非球面レンズを使用する場合、光軸から離れるのに従っ
て、正のパワー(正の屈折力)が弱くなる形状にする。
これに対して、後群の負レンズに非球面レンズを使用す
る場合には、光軸から離れるのに従って、負のパワー
(負の屈折力)が弱くなる形状にする。この際、非球面
レンズとしての非球面部はなるべく軸外光束の光軸から
の高さが高い面に使用することが好ましい。これによっ
て、異なる像高の光束のオーバーラップ量が小さくな
り、非点収差や歪曲収差などの軸外収差の補正に効果が
ある。また、軸上、軸外のオーバーラップしている面に
非球面部を使用すると、球面収差やコマ収差などの補正
に効果がある。
【0073】3.投射レンズの構成 3−1.レンズの配置構造 続いて、本実施の形態としての投射レンズのレンズの配
置構造について、図11〜図15を参照して説明する。
以降説明する第1〜第5の実施の形態としての投射レン
ズは、先に図2〜図7に示したプロジェクション表示装
置における投射レンズ20として採用されるものであ
る。なお、ここでは、主として、第1〜第5の各実施の
形態としてのレンズの配置構造についての説明にとど
め、各レンズの形状、レンズ間の距離等は、後に示す数
値実施形態により表すものとする。なお、以降説明する
図11〜図15において、r1〜r15(r13)まで
で示される符号はレンズ面番号を示し、d1〜d14
(d12)までで示される符号は主光線軸におけるレン
ズ面間隔及びレンズ間隔(レンズ厚)を示す。また、各
レンズに対して付されるL1〜L6(L5)までで示さ
れる符号は、長い共役側から短い共役側にかけて配置さ
れた順に従って、各レンズ自体に対して付されたレンズ
番号である。
【0074】先ず、第1の実施の形態としての投射レン
ズ20のレンズの配置構造について説明する。図11
は、第1の実施の形態としての投射レンズ20のレンズ
の配置構造を概念的に示すレンズ断面図である。これら
の図においては、図の左側がスクリーン21側(長い共
役側)とされ、右側がライトバルブ及び光合成素子側
(短い共役側)とされる。また、光合成素子60は、例
えば図2〜図4に示した各光合成素子(19,19A,
19B)及び図5〜図7に示した偏光ビームスプリッタ
54を概念的に示すもので、ライトバルブ70は、図2
〜図7に示したライトバルブ(図2〜図4にあってはR
GB色の液晶表示パネルブロック)を概念的に示すもの
である。
【0075】第1の実施の形態の投射レンズ20として
は、図11に示すように長い共役側から短い共役側にか
けて、第1レンズ群100、絞り300、第2レンズ群
200が順に配列されて成るものである。
【0076】この場合、第1レンズ群100は、長い共
役側から短い共役側にかけて順に、非球面レンズ101
及び正レンズ102が配置されて成り、全体としては、
正の屈折力を有する。ここで、最も長い共役側に位置す
る、メニスカスレンズとしての非球面レンズ101の両
面は、後に示す数値実施形態における非球面係数に従っ
た非球面を有する。また、非球面レンズ101は、光軸
中心からその周辺にかけて負の屈折力が強くなるように
されている。また、正レンズ102は、後に示す数値実
施形態からも分かるように、絞り300に対して接する
ようにして配置される。
【0077】また、第2レンズ群200は、長い共役側
から短い共役側にかけて順に、貼り合わせレンズ20
1、非球面レンズ204が配置された2群3枚の構成を
採る。貼り合わせレンズ201は、長い共役側から短い
共役側にかけて配置した、負の屈折力を有するメニスカ
スレンズ202と、正の屈折力を有する正レンズ203
を互いに貼り合わせて構成される。このような構成によ
って、第2レンズ群200は全体として正の屈折率を有
する。また、この第2レンズ群200内の非球面レンズ
204も、後に示す数値実施形態に従った非球面係数を
有する。また、以降の第2及び第3の実施の形態につい
ても言えることであるが、この投射レンズ20の全系に
おける最も長いレンズ間隔は、第1レンズ群中にあるよ
うにされる。つまり、全系中において最も長いレンズ間
隔は、非球面レンズ101と正レンズ102の間の間隔
(d2)となる軸上空気間隔となる。
【0078】なお、本明細書においては、1つのレンズ
群におけるレンズ面を特定するのに「最終レンズ面」又
は「最初のレンズ面」という場合がある。「最終レンズ
面」とは、そのレンズ群において、短い共役側に最も近
いレンズ面のことをいい、「最初のレンズ面」とは、そ
のレンズ群において、長い共役側に最も近いレンズ面の
ことをいう。具体例として、上記図10に示す第1レン
ズ群100の場合であれば、この第1レンズ群100の
「最終レンズ面」は、正レンズ104の短い共役側のレ
ンズ面(r4)であり、第1レンズ群100の「最初の
レンズ面」は、非球面レンズ101の長い共役側のレン
ズ面(r1)となる。
【0079】図12のレンズ断面図は、第2の実施の形
態としての投射レンズ20のレンズ配置構造を示してい
る。なお、この図において、図11と同一部分について
は同一符号を付して、その記載内容が同一となる部位に
ついては説明を省略する。この図に示す、第2の実施の
形態としての投射レンズ20としては、第2レンズ群2
00において、長い共役側から短い共役側にかけて順
に、非球面レンズ205、正レンズ204、貼り合わせ
レンズ201が配置された3群4枚の構成を採り、この
場合にも全体として正の屈折力を有する。この場合、第
2レンズ群200中に在る非球面レンズ205は、その
両面が短い共役側に凸となる形状を有するものとされ
る。
【0080】図13のレンズ断面図は、第3の実施の形
態としての投射レンズ20のレンズ配置構造を示してい
る。この図13に示す第3の実施の形態としての投射レ
ンズ20の配置構造については、図12に示した第2の
実施の形態と同様であり、同一構成部分に同一符号を付
して、各部についての説明はここでは省略する。但し、
この場合には、後に示す数値実施の形態からも分かるよ
うに、正レンズ102と絞り300とは接している状態
ではなく、近接しているとされる所定の軸上空気間隔を
隔てて配置されている。この点については、以降説明す
る第4の実施の形態及び第5の実施の形態についても同
様となる。
【0081】図14に示すレンズ断面図は、第4の実施
の形態としての投射レンズ20のレンズ配置構造を示し
ており、図11〜図13と同一部分については、同一符
号を付して説明を省略する。この図に示す第4の実施の
形態としての投射レンズ20としては、第1レンズ群1
00において、長い共役側から短い共役側にかけて順
に、非球面レンズ101、負の屈折力を有するメニスカ
スレンズ103,正レンズ102が配置された3群3枚
の構成を採り、この場合にも全体として正の屈折力を有
する。また、第2レンズ群200はレンズの配置構造的
には、図11に示した第1の実施の形態の第2レンズ群
200と同様となるためここでの説明は省略する。
【0082】図15に示すレンズ断面図は、第5の実施
の形態としての投射レンズ20のレンズ配置構造を示し
ている。この図15に示す第4の実施の形態としての投
射レンズ20の配置構造については、図14に示した第
3の実施の形態と同様であり、同一構成部分に同一符号
を付して、各部についての説明はここでは省略する。
【0083】そして、上記図11〜図15に示した第1
〜第5の実施の形態の投射レンズ20においては、投射
倍率の変化に伴う焦点調整のために、第1レンズ群10
0における所定のレンズ間の光軸上の距離(軸上レンズ
群間隔)を変化させるものとされている。つまり、上記
図11〜図15において可変間隔VD1として示すレン
ズ面間隔を可変するものである。この際、第1〜第3の
実施の形態のように、第1レンズ群100が非球面レン
ズ101と正レンズ102との2群2枚から成る構成で
は、この非球面レンズ101と正レンズ102の軸上レ
ンズ間隔が可変間隔VD1となる。また第4の実施の形
態は、第1レンズ群100が非球面レンズ101、メニ
スカスレンズ103、正レンズ102の3群3枚から成
る構成を採るのであるが、この第4の実施の形態では、
非球面レンズ101とメニスカスレンズ103の軸上レ
ンズ間隔が可変間隔VD1となる。また、第5の実施の
形態も、第1レンズ群100が非球面レンズ101、メ
ニスカスレンズ103、正レンズ102の3群3枚から
成る構成を採るが、この第5の実施の形態では、メニス
カスレンズ103と正レンズ102の軸上レンズ間隔を
可変間隔VD1としている。
【0084】3−2.条件式 上記構成による第1〜第5の実施の形態としての投射レ
ンズ20においては、次に示す条件式(1)〜(5)を
満たしている。
【0085】全系の焦点距離をF、所定投射倍率時の第
2レンズ群200の最終レンズ面から小さい共役点まで
の空気換算距離をBF、第2レンズ群200の焦点距離
をF2、第2レンズ群200の前側主点位置をHF2と
して、 1.87<BF/F・・・(1) 0.22<HF2/F2<0.57・・・(2)
【0086】また、第2レンズ群200の貼り合わせレ
ンズ201において正の屈折力を有するレンズ(正レン
ズ203)のアッベ数をνP、第2レンズ群200の貼
り合わせレンズ201において負の屈折力を有するレン
ズ(メニスカスレンズ202)のアッベ数をνNとし
て、 55.0<νP・・・(3) νN<30.0・・・(4)
【0087】また、第1レンズ群100中の最も長い面
間隔をt1G、第1レンズ群100中において最も絞り
に近い正の屈折力を有するレンズの焦点距離をF1Pと
して、 0.41<t1G/F1P<0.84・・・(5)
【0088】続いて、上記各条件式について説明する。
例えば、プロジェクション表示装置の投射レンズとして
は、図2〜図7に示した構成からも分かるように、色合
成用のダイクロイックミラーやダイクロイックプリズム
等の光学素子を用いる必要があるため、長いバックフォ
ーカスが必要である。また、例えばプロジェクション表
示装置の大きさ、つまり筐体サイズを小さくすることを
目的とする場合、短い投射距離で画角を広く取って大画
面を得るようにするためには、投射レンズ全系の焦点距
離を短くすることが必要である。このため、本実施の形
態では条件式(1)を満足させることで、長いバックフ
ォーカスと投射レンズ全系の焦点距離を短くするという
2つの条件を達成するものである。
【0089】条件式(2)は、絞り300の位置と第2
レンズ群200に関するテレセントリック性のための条
件である。一般にレンズの前側焦点を通過する光線はレ
ンズを通過後に平行光線となる。本実施の形態の投射レ
ンズ20の場合、第2レンズ群200の前側焦点付近に
絞りを設定すれば、短い共役側に射出した主光線は平行
光線に近くなり、テレセントリック性が実現できること
がわかっている。つまり、絞り300から第2レンズ群
200の前側主点位置が第2レンズ群200の焦点距離
F2に一致した場合がテレセントリック性が最もよいこ
とになる。条件式(2)はこれを規定するものである。
因みに、テレセントリック性が崩れると上光線と下光線
の対称性も崩れるので、色合成や偏光ビームスプリッタ
のためのプリズムやミラーのコート膜を透過または反射
する際の角度特性に依存して、光線の強度が波長によっ
て異なり、投射画像の画面上に色や強度によるムラが発
生する原因となる。ここで、条件式(2)の上限を超え
ると、第2レンズ群200の屈折力を弱くしないとテレ
セントリック性が確保できなくなり、条件式(2)の上
限を超えた状態で敢えてテレセントリック性を保とうと
すると、バックフォーカスが短くなってしまう。逆に、
条件式(2)の下限を超えると、第2レンズ群200の
屈折力が強くなり、それにともなって第1Aレンズ群1
00の屈折力も強くしなければならないため、軸外収差
の補正が困難となったり、レンズの径が大きくって好ま
しくない。
【0090】条件式(3)(4)は、レンズ素材として
のアッベ数を規定しているものである。条件式(3)は
特に、強い屈折力を有する貼り合わせレンズ201の正
レンズのアッベ数の条件を示している。これら条件式
(3)(4)で示される範囲を超えると倍率色収差が大
きくなり、投射画面の隅に色が付き易くなる。
【0091】条件式(5)は、第1レンズ群100から
射出される軸外光線を、良好とされるバランスで第2レ
ンズ群200に入射させるための、第1レンズ群100
の条件である。通常のレトロフォーカスタイプの投射レ
ンズでは、絞りを挟んで、長い共役側が負の屈折力を有
し、短い共役側が正の屈折力を有している。しかしなが
ら、本実施の形態の投射レンズ20は、第1レンズ群1
00において、絞り300に最も近い正レンズ102よ
り長い共役側に在るとされるレンズ群をレトロフォーカ
スタイプの前群、第1レンズ群100において絞り30
0に最も近い正レンズ102より短い共役側がレトロフ
ォーカスタイプの後群としている。こうすることで、第
1レンズ群から射出する軸外光線をバランスよく第2レ
ンズ群に入射させることができるため、レンズ全系の大
きさとバックフォーカス及び光学性能を良好に保つこと
が出来る。条件式(5)の上限を超えるとレンズ全長が
大きくなり、それにともなって第1レンズ群100の外
径が大きくなる。また、第1レンズ群100の最も絞り
に近い正の屈折力を有するレンズにの焦点距離が小さく
なると、第2レンズ群200に入射する軸外光線の角度
がきつくなるため、収差補正が困難となる。また、条件
式(5)の下限を超えると、第1レンズ群100の各レ
ンズの屈折力が強くなるため、特に周辺を通過する光線
の収差が発生し補正困難とる。
【0092】3−3.数値実施形態等 上記第1〜第5の実施の形態の投射レンズ20としての
数値実施形態は、それぞれ図16〜図20により示され
る。図16〜図20の各図(a)において、iは長い共
役側から数えたレンズ面の面番号(レンズ面番号)であ
り、これは図11〜図15において、r1〜r15(r
13)までの符号により示したレンズ面に対応する。ま
た、Rは、各レンズ面番号iに対応するレンズ面の曲率
半径を示す。また、Dは各レンズ面番号iに対応するレ
ンズ面間隔、NDは各レンズ面番号mに対応する、波長
587.56mmのレンズの屈折率、VDは各レンズ面
番号iに対応するレンズのアッベ数を示す。また、図1
6〜図20の各図(a)の欄外のFは当該投射レンズの
焦点距離を示し、FnoはFナンバーを示す。また、図
16〜図20の各図(a)の左欄には、図11〜図15
においてL1L6(L5)として示したレンズ番号と共
に、レンズ面番号に対応した光学素子が表記されてい
る。
【0093】また、図16〜図20の各図(b)に示
す、非球面としての面形状(非球面係数)は、面の中心
を原点とし、光軸方向をZとした直交座標系(X,Y,
Z)において、rを中心曲率半径、Kを円錐定数、A
4,A6,A8,A10をそれぞれ4次、6次、8次、
10次の非球面係数とするとき、
【数1】 で示される式により表されるものとする。
【0094】また、図16〜図20の各図(c)には、
3段階の所定の投射倍率に応じたレンズ面間隔が示され
る。VD1は、図11〜図15の各レンズ断面図におい
て示される所定のレンズ間のレンズ面間隔であり、VD
2は、光合成素子60の短い共役側と、ライトバルブ7
0の入射面との面間隔を示す。この具体的なVD2の位
置も、それぞれ図11〜図15に示されている。
【0095】また、図21〜図35の各々により、第1
〜第5の実施の形態の投射レンズ20についての球面収
差、非点収差、及び歪曲収差を示す。ここでは、第1〜
第5の各実施の形態ごとに、図16〜図20の各図
(c)に対応する各投射倍率に応じた球面収差、非点収
差、及び歪曲収差が示されている。なお、これら各図に
示す諸収差図に示す結果を得るのにあたっては、数値実
施形態には示していないが、色合成のためのプリズムで
ある、図2〜図7に示した光合成素子19(19A,1
9B)、又は偏光ビームスプリッタ54として、中心面
間隔36mm(屈折率n=1.51633、アッベ数ν
=64.0)の平行平面板を入れて計算を行っている。
但し、このような色合成プリズムに関する数値は、本発
明としての投射レンズの構成に影響を与えるものではな
い。
【0096】また、上記第1〜第5実施の形態としての
投射レンズの実際の構造は、図11〜図15に示したも
のに限定されるものではなく、これまで説明した焦点調
整方法や条件式が満たされる限り、各レンズ群を形成す
るレンズ枚数等の変更があっても構わないものである。
また、本発明による調整によって同時に、レンズについ
ての収差の誤差を行うことができるが、投射レンズの製
造誤差によって発生した諸収差の補正にも用いることが
出来る。また、上記実施の形態においては、本発明の投
射レンズは、背面投写型のプロジェクション表示装置に
おいて、液晶パネル、ライトバルブを二次元画像表示素
子として利用した投射装置に備えられるものとして説明
したが、これに限定されるものではなく、例えば、一眼
レフカメラ用、工業用カメラ、電子写真用等の広角系の
写真レンズや、CRTを利用したプロジェクションテレ
ビ用の投射レンズなどにも適用が可能とされる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように本発明の投射レンズ
としては、以下の効果を得ることができる。先ず、請求
項1(第1〜第5の実施の形態に対応)、請求項5(第
1〜第5の実施の形態に対応)、請求項10(第1及び
第3の実施の形態に対応)、請求項15(第2及び第3
の実施の形態に対応)、請求項21(第1及び第4の実
施の形態に対応)に記載の発明により、第1レンズ群に
おける所定レンズ間のレンズ間隔を投射倍率に応じて移
動させることで、各投射倍率で焦点の調整が行われるよ
うにされたうえで、投射レンズの全系を形成するレンズ
枚数を従来よりも少なくしてコストアップを抑えなが
ら、長いバックフォーカスが得られ、また投射レンズ全
系の焦点距離(レンズ系の全長)を短くすることができ
る。また、これにより、本発明の投射レンズを備えるプ
ロジェクション表示装置としては小型化を図ることもで
きる。また、レンズ枚数の増加やレンズ系が大きくなる
ことを避け、像面湾曲や短い共役側における樽型の歪曲
収差を抑えることが可能になる。また、絞りと第2レン
ズ群間のテレセントリック性を確保して、投射画像の画
面上に現れる色むらや強度むらを防ぐことができる。つ
まりは、上記のようにして少ないレンズ枚数でありなが
らも、高い光学性能を維持できるものである。
【0098】また、請求項4,請求項9,請求項14,
請求項19,請求項23に記載の発明によって、第2レ
ンズ群を構成する貼り合わせレンズについて、レンズ素
材のアッべ数を規定することで倍率色収差を抑え、投射
画面の隅に色が付きにくいようにされる。
【0099】また、請求項8,請求項13,請求項1
8,請求項25に記載の発明によって、第1レンズ群か
ら射出される軸外光線を良好なバランスで第2レンズ群
に入射させるように第1レンズ群が構成されるので、第
2レンズ群に入射する軸外光線の角度がきつくならず
に、容易に収差補正を行うことができるようになる。こ
れは、例えばライトバルブ(液晶パネル)の高解像度化
に伴ってレンズが高解像度化されたとしても、画面周囲
での色ずれを抑えることが出来るという効果につなが
る。
【0100】また、請求項2,請求項6,請求項11,
請求項16,請求項22に記載の発明、請求項3,請求
項7,請求項12,請求項17,請求項23に記載の発
明、請求項20、請求項27に記載の発明、及び請求項
24に記載の発明のようにして、レンズ配置或いはレン
ズ形状を規定することで、本発明の投射レンズとしては
各種バリエーションが得られ、実際の使用条件等に適合
したレンズ構造を選択できる自由度が相応に得られると
共に、上記した投射レンズの光学的特性の向上を強化補
助することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の投射レンズを備えたプロ
ジェクション表示装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の投射レンズを備えたプロ
ジェクション表示装置の構成(第1例)を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態の投射レンズを備えたプロ
ジェクション表示装置の構成(第2例)を示す図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態の投射レンズを備えたプロ
ジェクション表示装置の構成(第3例)を示す図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態の投射レンズを備えたプロ
ジェクション表示装置の構成(第4例)を示す図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態の投射レンズを備えたプロ
ジェクション表示装置の構成(第4例の他の例)を示す
図である。
【図7】本発明の実施の形態の投射レンズを備えたプロ
ジェクション表示装置の構成(第4例の更に他の例)を
示す図である。
【図8】レトロフォーカスレンズの原理を示す説明図で
ある。
【図9】絞り位置と主光線のテレセントリック性との関
係を示す説明図である。
【図10】焦点調節の手法を説明するための説明図であ
る。
【図11】第1の実施の形態としての投射レンズの構造
例を示すレンズ断面図である。
【図12】第2の実施の形態としての投射レンズの構造
例を示すレンズ断面図である。
【図13】第3の実施の形態としての投射レンズの構造
例を示すレンズ断面図である。
【図14】第4の実施の形態としての投射レンズの構造
例を示すレンズ断面図である。
【図15】第5の実施の形態としての投射レンズの構造
例を示すレンズ断面図である。
【図16】第1の実施の形態としての投射レンズの数値
実施形態を示す図である。
【図17】第2の実施の形態としての投射レンズの数値
実施形態を示す図である。
【図18】第3の実施の形態としての投射レンズの数値
実施形態を示す図である。
【図19】第4の実施の形態としての投射レンズの数値
実施形態を示す図である。
【図20】第5の実施の形態としての投射レンズの数値
実施形態を示す図である。
【図21】第1の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図22】第1の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図23】第1の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図24】第2の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図25】第2の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図26】第2の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図27】第3の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図28】第3の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図29】第3の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図30】第4の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図31】第4の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図32】第4の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図33】第5の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図34】第5の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【図35】第5の実施の形態としての投射レンズの球面
収差、非点収差、及び歪曲収差を示す収差図である。
【符号の説明】
1(1R,1G,1B) ランプ、2(2R,2G,2
B) リフレクタ、3IR−UVカットフィルタ、4,
5 マルチレンズアレイ、6,6A、6Bダイクロイッ
クミラー、7,7A,7B ミラー、8,8A,8B
コンデンサーレンズ、9,9A,9B 液晶パネルブロ
ック、10,10A,10B ダイクロイックミラー、
11,11A,11B コンデンサーレンズ、12,1
2A,12B 液晶パネルブロック、13,13A,1
3B リレーレンズ、14,14A,14B ミラー、
15,15A,15B 反転用リレーレンズ、16,1
6A,16B ミラー、17,17A,17B コンデ
ンサーレンズ、18,18A、18B 液晶パネルブロ
ック、19,19A,19B 光合成素子、19a,1
9b,19A−a,19A−b,19B−a,19B−
b 反射膜 20 投射レンズ、21 スクリーン、3
0,30A,30B 光源/空間変調部、40 時分割
空間変調盤、41R,41G,41B ダイクロイック
フィルタ(赤、緑、青)、50 ダイクロイックミラー
部、50a,50b ダイクロイックミラー、51R,
51G,51B 時分割空間変調素子(赤色用、緑色
用、青色用)、52 インテグレータ、53 コンデン
サレンズ、54 偏光ビームスプリッタ、55 ライト
バルブ、56 偏光板、55R,55G,55B ライ
トバルブ、60 光合成素子、70 ライトバルブ、1
00 第1レンズ群、101 非球面レンズ、102
正レンズ、103 メニスカスレンズ、200第2レン
ズ群、201 貼り合わせレンズ、202 メニスカス
レンズ、203 正レンズ、204 非球面レンズ、2
05 非球面レンズ、300 絞り、500 プロジェ
クション表示装置、501 キャビネット、502 投
射装置、503 光学ユニット、504 スクリーン、
504 曲折ミラー、600投射光

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長い共役側から短い共役側にかけて順
    に、第1レンズ群と、絞りと、第2レンズ群とが配置さ
    れ、 上記第1レンズ群は、最も長い共役側に在る非球面レン
    ズと、少なくとも1枚以上の正レンズを備えて、全体と
    して正の屈折力を有するようにされ、 上記第2レンズ群は、少なくとも1組の貼り合わせレン
    ズと、非球面レンズを備えて、全体として正の屈折力を
    有するようにされたうえで、 上記第1レンズ群における所定のレンズ間のレンズ間隔
    を移動させることで焦点調整を行うようにされていると
    共に、 全系の焦点距離をF、所定投射倍率時の上記第2レンズ
    群の最終レンズ面から小さい共役点までの空気換算距離
    をBF、上記第2レンズ群の焦点距離をF2、上記第2
    レンズ群の前側主点位置をHF2として、 1.87<BF/F 0.22<HF2/F2<0.57 なる条件式を満足することを特徴とする投射レンズ。
  2. 【請求項2】 上記第1レンズ群の非球面レンズは、光
    軸中心から周辺にかけて負の屈折力が強くなるようにさ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の投射レン
    ズ。
  3. 【請求項3】 上記第1レンズ群の正レンズは、上記絞
    りに対して接して配置される、又は上記絞りに対して近
    接しているとされる所定の距離を有して配置されること
    を特徴とする請求項1に記載の投射レンズ。
  4. 【請求項4】 上記第2レンズ群中の貼り合わせレンズ
    は、長い共役側から短い共役側にかけて順に、負の屈折
    力を有するレンズと、正の屈折力を有する正レンズとを
    組み合わせて構成されると共に、 上記第2レンズ群の貼り合わせレンズにおいて正の屈折
    力を有するレンズのアッベ数をνP、上記第2レンズ群
    の貼り合わせレンズにおいて負の屈折力を有するレンズ
    のアッベ数をνNとして、 55.0<νP νN<30.0 なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載
    の投射レンズ。
  5. 【請求項5】 長い共役側から短い共役側にかけて順
    に、第1レンズ群と、絞りと、第2レンズ群とが配置さ
    れ、 上記第1レンズ群は長い共役側に凸形状となるメニスカ
    スレンズと、少なくとも1枚以上の正レンズを備えて、
    全体として正の屈折力を有し、 上記第2レンズ群は、少なくとも1組の貼り合わせレン
    ズと非球面レンズを備えて、全体として正の屈折力を有
    するようにされたうえで、 上記第1レンズ群における所定のレンズ間のレンズ間隔
    を移動させることで焦点調整を行うようにされていると
    共に、 全系の焦点距離をF、所定投射倍率時の上記第2レンズ
    群の最終レンズ面から小さい共役点までの空気換算距離
    をBF、上記第2レンズ群の焦点距離をF2、上記第2
    レンズ群の前側主点位置をHF2として、 1.87<BF/F 0.22<HF2/F2<0.57 なる条件式を満足することを特徴とする投射レンズ。
  6. 【請求項6】 上記第1レンズ群のメニスカスレンズ
    は、非球面レンズとされると共に、光軸中心から周辺に
    かけて負の屈折力が強くなるようにされていることを特
    徴とする請求項5に記載の投射レンズ。
  7. 【請求項7】 上記第1レンズ群の正レンズは、上記絞
    りに対して接して配置される、又は上記絞りに対して近
    接しているとされる所定の距離を有して配置されること
    を特徴とする請求項5に記載の投射レンズ。
  8. 【請求項8】 全系中において最も長いレンズ間隔は上
    記第1レンズ群中に在るとされる非球面レンズの後に存
    在するようにされると共に、 上記第1レンズ群中の最も長い面間隔をt1G、上記第
    1レンズ群中において最も絞りに近い正の屈折力を有す
    るレンズの焦点距離をF1Pとして、 0.41<t1G/F1P<0.84 なる条件式を満足することを特徴とする請求項5に記載
    の投射レンズ。
  9. 【請求項9】 上記第2レンズ群中の貼り合わせレンズ
    は、長い共役側から短い共役側にかけて順に配置した負
    の屈折力を有するレンズと正の屈折力を有する正レンズ
    の組み合わせで構成されると共に、 上記第2レンズ群の貼り合わせレンズの正の屈折力を有
    するレンズのアッベ数をνP、上記第2レンズ群の貼り
    合わせレンズの負の屈折力を有するレンズのアッベ数を
    νNとして、 55.0<νP νN<30.0 なる条件式を満足することを特徴とする請求項5に記載
    の投射レンズ。
  10. 【請求項10】 長い共役側から短い共役側にかけて順
    に、第1レンズ群と、絞りと、第2レンズ群とが配置さ
    れ、 上記第1レンズ群は、最も長い共役側に在る非球面レン
    ズと、正レンズを備えた2群2枚から成り、全体として
    正の屈折力を有するようにされ、 上記第2レンズ群は、1組の貼り合わせレンズと非球面
    レンズの2群3枚から成り、正の屈折力を有するように
    されたうえで、 上記第1レンズ群における所定のレンズ間のレンズ間隔
    を移動させることで焦点調整を行うようにされていると
    共に、 全系の焦点距離をF、所定投射倍率時の上記第2レンズ
    群の最終レンズ面から小さい共役点までの空気換算距離
    をBF、上記第2レンズ群の焦点距離をF2、上記第2
    レンズ群の前側主点位置をHF2として、 1.87<BF/F 0.22<HF2/F2<0.57 なる条件式を満足することを特徴とする投射レンズ。
  11. 【請求項11】 上記第1レンズ群の非球面レンズは、
    光軸中心から周辺にかけて負の屈折力が強くなるように
    されていることを特徴とする請求項10に記載の投射レ
    ンズ。
  12. 【請求項12】 上記第1レンズ群の正レンズは、上記
    絞りに対して接して配置される、又は上記絞りに対して
    近接しているとされる所定の距離を有して配置されるこ
    とを特徴とする請求項10に記載の投射レンズ。
  13. 【請求項13】 全系中において最も長いレンズ間隔は
    第1レンズ群の非球面レンズと正レンズの間に存在する
    ようにされると共に、 上記第1レンズ群中の最も長い面間隔をt1G、上記第
    1レンズ群中において最も絞りに近い正の屈折力を有す
    るレンズの焦点距離をF1Pとして、 0.41<t1G/F1P<0.84 なる条件式を満足することを特徴とする請求項10に記
    載の投射レンズ。
  14. 【請求項14】 上記第2レンズ群中の貼り合わせレン
    ズは、長い共役側から短い共役側にかけて順に配置した
    負の屈折力を有するメニスカスレンズと正の屈折力を有
    する正レンズの組み合わせで構成されると共に、 上記第2レンズ群の貼り合わせレンズの正の屈折力を有
    するレンズのアッベ数をνP、上記第2レンズ群の貼り
    合わせレンズの負の屈折力を有するレンズのアッベ数を
    νNとして、 55.0<νP νN<30.0 なる条件式を満足することを特徴とする請求項10に記
    載の投射レンズ。
  15. 【請求項15】 長い共役側から短い共役側にかけて順
    に、第1レンズ群と、絞りと、第2レンズ群とが配置さ
    れ、 上記第1レンズ群は、最も長い共役側に在る非球面レン
    ズと、正レンズの2群2枚から成り、全体として正の屈
    折力を有し、 上記第2レンズ群は、絞りの最も近くに配置される非球
    面レンズと、貼り合わせレンズの2群3枚、又は、上記
    絞りの最も近くに配置される非球面レンズと、正レンズ
    と、貼り合わせレンズの3群4枚から成り、全体として
    正の屈折力を有するようにされたうえで、 上記第1レンズ群における所定のレンズ間のレンズ間隔
    を移動させることで焦点調整を行うようにされていると
    共に、 全系の焦点距離をF、所定投射倍率時の上記第2レンズ
    群の最終レンズ面から小さい共役点までの空気換算距離
    をBF、上記第2レンズ群の焦点距離をF2、上記第2
    レンズ群の前側主点位置をHF2として、 1.87<BF/F 0.22<HF2/F2<0.57 なる条件式を満足することを特徴とする投射レンズ。
  16. 【請求項16】 上記第1レンズ群の非球面レンズは、
    光軸中心から周辺にかけて負の屈折力が強くなるように
    されていることを特徴とする請求項15に記載の投射レ
    ンズ。
  17. 【請求項17】 上記第1レンズ群の正レンズは、上記
    絞りに対して接して配置される、又は上記絞りに対して
    近接しているとされる所定の距離を有して配置されるこ
    とを特徴とする請求項15に記載の投射レンズ。
  18. 【請求項18】 全系中において最も長いレンズ間隔は
    上記第1レンズ群の非球面レンズと正レンズの間に存在
    するようにされると共に、 上記第1レンズ群中の最も長い面間隔をt1G、上記第
    1レンズ群中において最も絞りに近い正の屈折力を有す
    るレンズの焦点距離をF1Pとして、 0.41<t1G/F1P<0.84 なる条件式を満足することを特徴とする請求項15に記
    載の投射レンズ。
  19. 【請求項19】 上記第2レンズ群中の貼り合わせレン
    ズは、長い共役側から短い共役側にかけて順に配置した
    負の屈折力を有するメニスカスレンズと正の屈折力を有
    する正レンズの組み合わせで構成されると共に、 上記第2レンズ群の貼り合わせレンズの正の屈折力を有
    するレンズのアッベ数をνP、上記第2レンズ群の貼り
    合わせレンズの負の屈折力を有するレンズのアッベ数を
    νNとして、 55.0<νP νN<30.0 なる条件式を満足することを特徴とする請求項15に記
    載の投射レンズ。
  20. 【請求項20】 上記第2レンズ群中の非球面レンズ
    は、その両面が短い共役側に凸形状を有していることを
    特徴とする請求項15に記載の投射レンズ。
  21. 【請求項21】 長い共役側から短い共役側にかけて順
    に、第1レンズ群と、絞りと、第2レンズ群とが配置さ
    れ、 上記第1レンズ群は、最も長い共役側に在る非球面レン
    ズと、正レンズの2群2枚、又は、最も長い共役側に在
    る非球面レンズと、負のメニスカスレンズと、正レンズ
    の3群3枚から成り、全体として正の屈折力を有し、 上記第2レンズ群は、1組の貼り合わせレンズと最も短
    い共役側に非球面レンズを配する2群3枚から成り、全
    体として正の屈折力を有するようにされたうえで、 上記第1レンズ群における所定のレンズ間のレンズ間隔
    を移動させることで焦点調整を行うようにされていると
    共に、 全系の焦点距離をF、所定投射倍率時の上記第2レンズ
    群の最終レンズ面から小さい共役点までの空気換算距離
    をBF、上記第2レンズ群の焦点距離をF2、上記第2
    レンズ群の前側主点位置をHF2として、 1.87<BF/F 0.22<HF2/F2<0.57 なる条件式を満足することを特徴とする投射レンズ。
  22. 【請求項22】 上記第1レンズ群の非球面レンズは、
    光軸中心から周辺にかけて負の屈折力が強くなるように
    されていることを特徴とする請求項21に記載の投射レ
    ンズ。
  23. 【請求項23】 上記第1レンズ群の正レンズは、上記
    絞りに対して接して配置される、又は上記絞りに対して
    近接しているとされる所定の距離を有して配置されるこ
    とを特徴とする請求項21に記載の投射レンズ。
  24. 【請求項24】 全系中において最も長いレンズ間隔は
    上記絞りと上記第2レンズ群との間に存在するようにさ
    れることを特徴とする請求項21に記載の投射レンズ。
  25. 【請求項25】 全系中において最も長いレンズ間隔は
    上記第1レンズ群の非球面レンズと正レンズの間に存在
    するようにされると共に、 上記第1レンズ群中の最も長い面間隔をt1G、上記第
    1レンズ群中において最も絞りに近い正の屈折力を有す
    るレンズの焦点距離をF1Pとして、 0.41<t1G/F1P<0.84 なる条件式を満足することを特徴とする請求項21に記
    載の投射レンズ。
  26. 【請求項26】 上記第2レンズ群中の貼り合わせレン
    ズは、長い共役側から短い共役側にかけて順に配置した
    負の屈折力を有するメニスカスレンズと正の屈折力を有
    する正レンズの組み合わせで構成されると共に、 上記第2レンズ群の貼り合わせレンズの正の屈折力を有
    するレンズのアッベ数をνP、上記第2レンズ群の貼り
    合わせレンズの負の屈折力を有するレンズのアッベ数を
    νNとして、 55.0<νP νN<30.0 なる条件式を満足することを特徴とする請求項21に記
    載の投射レンズ。
  27. 【請求項27】 上記第2レンズ群中の非球面レンズ
    は、両凸レンズとしての形状を有していることを特徴と
    する請求項21に記載の投射レンズ。
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