JP3753758B2 - 液晶ビデオプロジェクタ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、投影用の広角レンズに関し、詳しくはカラー液晶プロジェクションTVに使用される投射レンズ等の投影レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶プロジェクションテレビは液晶パネルに映出された画像を投影レンズを用いて大型スクリーン上に投影するものであり、近年、劇場、展示場や飛行機内等においてよく使用されている。
カラー液晶プロジェクタには液晶パネルを1枚使用する単板式のものと、3枚使用する3板式のものが知られており、前者は後者に比べ小型軽量で製造コストも安価であるため注目されているが、一方で色分離にカラーフィルタを使用していたためスクリーン照度が低下するという欠点がある。
【0003】
そこで近年、カラーフィルタを使用せずにフルカラー画像を再生できる液晶ビデオプロジェクタを開発する試みがなされている(例えば、平成6年10月18日付け日経産業新聞に記載の液晶ビデオプロジェクタ)。
液晶ビデオプロジェクタの光学系としては、例えば図6に示す如き構成としたものが知られている。すなわち、この光学系9は、光源11からの光12を、この光12が互いに異なる入射角度で入射するように配された3つのダイクロイックミラー13A,13B,13Cによって青,赤,緑の3原色光に分離し、各原色光をマイクロレンズアレイ14を用いて液晶パネル4の各ピクセルに集光し、この液晶パネル4を透過し、画像情報を担持した各原色光を投射レンズ15を用いて図示されないスクリーン上に投影するように構成されている。
【0004】
ところで、上記図6に示す如き構成とした場合に、3つのダイクロイックミラー13A,13B,13Cから反射された各原色光は液晶パネル4に対し、互いに異なった角度で入射することから、これら各原色光の光量を投射レンズ15内に配された絞り内に有効に入射させるためには、この投射レンズ15がテレセントリックであること、さらにはこの投射レンズ15の周辺光束にケラレが生じないように配慮することが重要となる。
【0005】
しかしながら、上述した如き従来技術における投射レンズ15では、テレセントリックの条件は略満足しているものの、周辺光束のケラレに対する配慮がなされていなかったため、このままではスクリーン上の投影画像の左右部分に色ムラが生じてしまう。前述したように、各原色光が互いに広がりをもって投射レンズ15に入射し、このため周辺光量の割合が大きい、図6に示す如き構成とされた液晶ビデオプロジェクタにおいては、この周辺光束のケラレを小さくするように投射レンズ15を形成することが特に要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、テレセントリックで周辺光束にケラレがなく、装置全体をコンパクトにまとめることのできる投影レンズを提供することを目的とするものである。
また、上記目的に加えて投影倍率が変化しても周辺光束について像質の劣化が少ない投影レンズを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明の液晶ビデオプロジェクタは、スクリーン側から順に、
該スクリーンと、
投影レンズと、
該投影レンズに入射する色光に所定の画像情報を担持せしめる液晶パネルと、
入射された光を、該液晶パネルに照射する色光に分離する色分離光学系と、
該色分離光学系への光を出射する光源と、
を備え、
前記投影レンズは、
小さな共役側に強い曲率の凹面を向けた凹レンズと凸レンズからなる第1レンズ群、少なくとも1枚の凹レンズと2枚の凸レンズとからなる第2レンズ群、および被投影物の近傍に配される正のパワーを有するフレネルレンズからなる第3レンズ群とからなり、前記第1レンズ群と第2レンズ群は各々少なくとも1つの非球面を有するレンズを備え、
共役長を変化させて投影倍率を変化させる場合に、前記第3レンズ群のフレネルレンズは固定とし、前記第1レンズ群と第2レンズ群はその間隔を変化させながら移動せしめてフォーカシングを行うようにし、
前記第1レンズ群の凹レンズのアッベ数をν1、前記第2レンズ群の凹レンズのアッベ数をν2としたとき、
ν1>ν2 (1)
なる条件式(1)を満足し、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、全レンズ系の焦点距離をf0としたとき、
|f1|>f0 (2)
なる条件式(2)を満足するように構成されてなり、
前記スクリーンと前記第1レンズ群との間、および前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間に光路を折り曲げる反射ミラーを配設してなることを特徴とするものである。
【0008】
また、前記フレネルレンズは非球面を有していることが好ましい。
【0009】
【作用】
本願発明の目的は上述したごとく構成された広角レンズにより達成される。以下、各レンズ群毎にその作用について説明する。
まず、第1レンズ群において、投影物体側に強い凹面を向けた凹レンズを配しレトロフォーカスタイプの性格を持たせることにより、第2レンズ群と第3レンズ群の間にミラーを挿入するスペースを確保することができる程度の距離を持たせることができ、その結果光路を折り曲げることが可能となり、装置全体をコンパクトにまとめることができる。また投影角を広角にした場合、歪曲収差の補正が容易となり、またこの凹レンズと液晶パネルの間にあるレンズを通過する周辺光束の角度を鈍くすることができるから、諸収差の補正を容易とすることができる。また、この第1レンズ群の凸レンズは上記凹レンズとパワーのバランスを取り、かつ上記条件式(2)を満足させるために必要となる。なお、上記凸レンズのν値を上記凹レンズよりも小さくすると倍率色収差の補正が容易となり好ましい。
【0010】
次に、第2レンズ群において、上記条件式(1)を満足する凹レンズを配することにより、倍率色収差、軸上色収差の補正が可能となる。この条件を満たさないと第1レンズ群および第2レンズ群中に色収差補正用のレンズが別に必要となりレンズ枚数が増加する。また、第2レンズ群の凸レンズは全体の焦点距離を保つ作用をし、このレンズが1枚ではパワーが強くなりすぎ諸収差の補正が困難となるため2枚以上とするのが望ましい。
また、第1レンズ群と第2レンズ群の少なくとも1つのレンズ面を非球面とすることにより、特にコマ収差を補正することが可能である。前述したように図6に示すごとき構成の液晶ビデオプロジェクタにおいては、周辺光束がどうしても多くなるためにコマ収差を補正することは極めて重要である。
【0011】
さらに、上記第3レンズ群においては、液晶パネルの近傍にフィールドレンズとして作用する凸のパワーのフレネルレンズを配することによりテレセントリックな投影レンズ系を実現している。フレネルレンズを用いることにより、一般の凸レンズをフィールドレンズに使用した場合における像面がアンダーとなる傾向を回避することができ、像面の補正が容易となる。さらに、このフレネルレンズを非球面とすることで歪曲、像面湾曲に対しても補正が容易となる。
さらに、投影倍率が変化した場合に第3レンズ群を固定しておき、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔を調整しながらこれら両レンズ群を移動させてフォーカシングするようにすれば周辺像面を補正することが容易となる。また、この場合に上記条件式(2)を満足するようにすれば球面収差の変動を小さくすることができ中心付近の画質の劣化を防止することが可能となる。
【0012】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図5は、本発明の実施例に係る広角レンズを用いた液晶ビデオプロジェクタの概略図である。
すなわち、この液晶ビデオプロジェクタ8では、前述した如き図6に示す光源11、3枚のダイクロイックミラー13A、13B、13Cおよび多数のレンズ素子14Aを配列されてなるレンズアレイ14からなる色分離光学系9により液晶パネル4の各ドットに照射され、この液晶パネル4に映出された画像情報を担持し、3つのレンズ群1、2、3からなる投影レンズによりスクリーン7の裏面に投射される。視聴者10はスクリーン7に投影された画像をこのスクリーン7の表面側から見ることになる。また、この液晶ビデオプロジェクタ8では装置全体をコンパクトとするため、2つの反射ミラー5,6を用いて光路を折り曲げるように構成されており、また、一方の反射ミラー5は投影レンズの第2レンズ群2と第3レンズ群3の間に位置するように構成されている。
【0013】
以下、上記投影レンズについて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る広角レンズを示すレンズ系断面図である。
すなわち、このレンズ系は小さな共役側(液晶パネル側)に強い曲率の凹面を向けた凹レンズL1と凸レンズL2 からなる第1レンズ群1、1枚の凹レンズL3と2枚の凸レンズL4,L5からなる第2レンズ群2および液晶パネルL7(4)の近傍に配されるフレネルレンズL6からなる第3レンズ群をスクリーン側から液晶パネル側に配列してなる。
なお、図中Xは光軸を示す(図2,図3および図4において同じ)。
【0014】
また、上記レンズL1 、L5 はプラスチックレンズにより形成されており、温度変化に対してピント移動が少なくなるような構成とされている。
この実施例1における各レンズ面の光軸X近傍の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率Nおよび各レンズのアッベ数νを下記表1に示す。
ただし、この表1において、各記号R,d,N,νに付した数字はスクリーン側からの順番を表わすものである。
【0015】
なお、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔d4および第2レンズ群と第3レンズ群の間隔d9は可変であり、低倍率時(10倍)におけるd4およびd9は各々31.37mmおよび107.85mmとされ、高倍率時(16倍)におけるd4およびd9は各々32.47mmおよび105.06mmとされている。
また、第1レンズ群の凹レンズであるレンズL1のアッベ数ν1は57.8であり、第2レンズ群の凹レンズであるレンズL3のアッベ数ν2は25.4であり、ν1>ν2なる条件式が満足されている。
【0016】
さらに、第1レンズ群の焦点距離f1は453.1mm、レンズ群全系の焦点距離f0は67.76mmであり、|f1|>f0が満足されている。
また、レンズL1 およびレンズL5の両面、さらにはフレネルレンズL6の液晶パネル側の面は非球面であり、その形状は非球面式
【数1】
において各係数C,K,a2 ,a4 ,a6 ,a8 ,a10の値を下記表2に示したもので表わされる。上記非球面式においてXはそのレンズ面からの光軸X方向の距離であり、Yは光軸Xと垂直方向の光軸Xからの距離である。また、Cは曲率を表わす。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
なお、上記表1のレンズデ−タで最終2面間距離d12は液晶パネルのガラス基板と偏光フィルタの厚みを合計したものである。
図2は、本発明の第2の実施例に係る広角レンズを示すレンズ系断面図である。
すなわち、このレンズ系は小さな共役側(液晶パネル側)に強い曲率の凹面を向けた凹レンズL1と凸レンズL2 からなる第1レンズ群、1枚の凹レンズL5 と3枚の凸レンズL3,L4,L6からなる第2レンズ群および液晶パネルL8の近傍に配されるフレネルレンズL7からなる第3レンズ群をスクリーン側から液晶パネル側に配列してなる。
【0020】
また、上記レンズL1、L2、L3はプラスチックレンズにより形成されており、温度変化に対してピント移動が少なくなるような構成とされている。
この実施例2における各レンズ面の光軸X近傍の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率Nおよび各レンズのアッベ数νを下記表3に示す。
ただし、この表3において、各記号R,d,N,νに付した数字はスクリーン側からの順番を表わすものである。
【0021】
なお、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔d4および第2レンズ群と第3レンズ群の間隔d12は可変であり、低倍率時(10倍)におけるd4およびd12は各々 39.41mmおよび107.3mmとされ、高倍率時(16倍)におけるd4およびd12は各々40.72mmおよび105.28mmとされている。
また、第1レンズ群の凹レンズであるレンズL1のアッベ数ν1は57.8であり、第2レンズ群の凹レンズであるレンズL5のアッベ数ν2は23.9であり、ν1>ν2なる条件式が満足されている。
【0022】
さらに、第1レンズ群の焦点距離f1は-389.92mm、レンズ群全系の焦点距離 f0は66.87mmであり、|f1|>f0が満足されている。
また、レンズL1 ,レンズL2およびレンズL3の両面、さらにはフレネルレンズL7の液晶パネル側の面は非球面であり、その形状は前述した非球面式において各係数C,K,a2 ,a4 ,a6 ,a8 ,a10の値を下記表4に示したもので表わされる。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
なお、上記表3のレンズデ−タで最終2面間距離d15は液晶パネルのガラス基板と偏光フィルタの厚みを合計したものである。
図3は、本発明の第3の実施例に係る広角レンズを示すレンズ系断面図である。
すなわち、このレンズ系はパワーの弱いメニスカスの凹レンズL1、小さな共役側(液晶パネル側)に強い曲率の凹面を向けた凹レンズL2と凸レンズL3 からなる第1レンズ群、1枚の凹レンズL5と3枚の凸レンズL4,L6,L7からなる第2レンズ群および液晶パネルL9の近傍に配されるフレネルレンズL8からなる第3レンズ群をスクリーン側から液晶パネル側に配列してなる。
【0026】
また、このレンズ系では主たるパワーを有するレンズをガラスレンズとし、プラスチックレンズのパワーを弱くすることで、温度変化に対してピント移動が少なくなるような構成とされている。
この実施例3における各レンズ面の光軸X近傍の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率Nおよび各レンズのアッベ数νを下記表5に示す。
【0027】
ただし、この表5において、各記号R,d,N,νに付した数字はスクリーン側からの順番を表わすものである。
なお、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔d6および第2レンズ群と第3レンズ群の間隔d13は可変であり、低倍率時(10倍)におけるd6およびd13は各々32.56mmおよび109.78mmとされ、高倍率時(16倍)におけるd6およびd13は各々34.02mmおよび107.92mmとされている。
【0028】
また、第1レンズ群の凹レンズであるレンズL2のアッベ数ν1は50.9であり、第2レンズ群の凹レンズであるレンズL5のアッベ数ν2は25.5であり、ν1>ν2なる条件式が満足されている。
さらに、第1レンズ群の焦点距離f1は282.37mm、レンズ群全系の焦点距離f0は66.85mmであり、|f1|>f0が満足されている。
また、レンズL1 およびレンズL4の両面、さらにはフレネルレンズL8の液晶パネル側の面は非球面であり、その形状は前述した非球面式において各係数C,K,a2 ,a4 ,a6 ,a8 ,a10の値を下記表6に示したもので表わされる。
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
なお、上記表5のレンズデ−タで最終2面間距離d16は液晶パネルのガラス基板と偏光フィルタの厚みを合計したものである。
【0031】
図4は、本発明の第4の実施例に係る広角レンズを示すレンズ系断面図である。
すなわち、このレンズ系はパワーの弱い凹レンズL1、小さな共役側(液晶パネル側)に強い曲率の凹面を向けた凹レンズL2 、凸レンズL3 からなる第1レンズ群、1枚の凹レンズL6と4枚の凸レンズL4,L5,L7,L8からなる第2レンズ群および液晶パネルL10の近傍に配されるフレネルレンズL9からなる第3レンズ群をスクリーン側から、液晶パネル側に配列してなる。
また、このレンズ系では主たるパワーを有するレンズをガラスレンズとし、プラスチックレンズのパワーを弱くすることで、温度変化に対してピント移動が少なくなるような構成とされている。
【0032】
この実施例4における各レンズ面の光軸X近傍の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率Nおよび各レンズのアッベ数νを下記表7に示す。
ただし、この表7において、各記号R,d,N,νに付した数字はスクリーン側からの順番を表わすものである。
なお、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔d6および第2レンズ群と第3レンズ群の間隔d15は可変であり、低倍率時(10倍)におけるd6およびd15は各々6.85mmおよび109.99mmとされ、高倍率時(16倍)におけるd6およびd15は各々7.42mmおよび106.75mmとされている。
【0033】
また、第1レンズ群の凹レンズであるレンズL2のアッベ数ν1は50.9であり、第2レンズ群の凹レンズであるレンズL6のアッベ数ν2は25.5であり、ν1>ν2なる条件式が満足されている。
さらに、第1レンズ群の焦点距離f1は97.42mm、レンズ群全系の焦点距離f0は66.73mmであり、|f1|>f0が満足されている。
また、レンズL1 およびレンズL5の両面、さらにはフレネルレンズL9の液晶パネル側の面は非球面であり、その形状は前述した非球面式において各係数C,K,a2 ,a4 ,a6 ,a8 ,a10の値を下記表8に示したもので表わされる。
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】
なお、上記表7のレンズデ−タで最終2面間距離d18は液晶パネルのガラス基板と偏光フィルタの厚みを合計したものである。
また、実施例1の収差図(球面収差(SPH)、非点収差(AST)、像面湾曲(DIS)、色収差(CHR)およびコマ収差(COM);以下同じ)を図7(低倍率時)および図8(高倍率時)に、実施例2の収差図を図9(低倍率時)および図10(高倍率時)に、実施例3の収差図を図11(低倍率時)および図12(高倍率時)に、実施例4の収差図を図13(低倍率時)および図14(高倍率時)に示す。
【0037】
これらの収差図からも明らかなように上記各実施例における広角レンズでは、各収差を良好なものとすることができる。
なお、本発明の広角レンズの構成としては上述した4つの実施例のものに限られるものではなく、種々の態様の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る広角レンズを示す断面図
【図2】本発明の実施例2に係る広角レンズを示す断面図
【図3】本発明の実施例3に係る広角レンズを示す断面図
【図4】本発明の実施例4に係る広角レンズを示す断面図
【図5】本発明の実施例に係る広角レンズを用いた液晶ビデオプロジェクタを示す概略図
【図6】図5に示すプロジェクタの色分離光学系を示す概略図
【図7】本発明の実施例1に係る広角レンズの収差図(低倍率時)
【図8】本発明の実施例1に係る広角レンズの収差図(高倍率時)
【図9】本発明の実施例2に係る広角レンズの収差図(低倍率時)
【図10】本発明の実施例2に係る広角レンズの収差図(高倍率時)
【図11】本発明の実施例3に係る広角レンズの収差図(低倍率時)
【図12】本発明の実施例3に係る広角レンズの収差図(高倍率時)
【図13】本発明の実施例4に係る広角レンズの収差図(低倍率時)
【図14】本発明の実施例4に係る広角レンズの収差図(高倍率時)
【符号の説明】
1 第1レンズ群
2 第2レンズ群
3 第3レンズ群
4 液晶パネル
5,6 反射ミラー
7 スクリーン
8 液晶ビデオプロジェクタ
9 色分離光学系
11 光源
13A,13B,13C ダイクロイックミラー
14 マイクロレンズアレイ
15 投射レンズ
L レンズ
【産業上の利用分野】
本発明は、投影用の広角レンズに関し、詳しくはカラー液晶プロジェクションTVに使用される投射レンズ等の投影レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶プロジェクションテレビは液晶パネルに映出された画像を投影レンズを用いて大型スクリーン上に投影するものであり、近年、劇場、展示場や飛行機内等においてよく使用されている。
カラー液晶プロジェクタには液晶パネルを1枚使用する単板式のものと、3枚使用する3板式のものが知られており、前者は後者に比べ小型軽量で製造コストも安価であるため注目されているが、一方で色分離にカラーフィルタを使用していたためスクリーン照度が低下するという欠点がある。
【0003】
そこで近年、カラーフィルタを使用せずにフルカラー画像を再生できる液晶ビデオプロジェクタを開発する試みがなされている(例えば、平成6年10月18日付け日経産業新聞に記載の液晶ビデオプロジェクタ)。
液晶ビデオプロジェクタの光学系としては、例えば図6に示す如き構成としたものが知られている。すなわち、この光学系9は、光源11からの光12を、この光12が互いに異なる入射角度で入射するように配された3つのダイクロイックミラー13A,13B,13Cによって青,赤,緑の3原色光に分離し、各原色光をマイクロレンズアレイ14を用いて液晶パネル4の各ピクセルに集光し、この液晶パネル4を透過し、画像情報を担持した各原色光を投射レンズ15を用いて図示されないスクリーン上に投影するように構成されている。
【0004】
ところで、上記図6に示す如き構成とした場合に、3つのダイクロイックミラー13A,13B,13Cから反射された各原色光は液晶パネル4に対し、互いに異なった角度で入射することから、これら各原色光の光量を投射レンズ15内に配された絞り内に有効に入射させるためには、この投射レンズ15がテレセントリックであること、さらにはこの投射レンズ15の周辺光束にケラレが生じないように配慮することが重要となる。
【0005】
しかしながら、上述した如き従来技術における投射レンズ15では、テレセントリックの条件は略満足しているものの、周辺光束のケラレに対する配慮がなされていなかったため、このままではスクリーン上の投影画像の左右部分に色ムラが生じてしまう。前述したように、各原色光が互いに広がりをもって投射レンズ15に入射し、このため周辺光量の割合が大きい、図6に示す如き構成とされた液晶ビデオプロジェクタにおいては、この周辺光束のケラレを小さくするように投射レンズ15を形成することが特に要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、テレセントリックで周辺光束にケラレがなく、装置全体をコンパクトにまとめることのできる投影レンズを提供することを目的とするものである。
また、上記目的に加えて投影倍率が変化しても周辺光束について像質の劣化が少ない投影レンズを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明の液晶ビデオプロジェクタは、スクリーン側から順に、
該スクリーンと、
投影レンズと、
該投影レンズに入射する色光に所定の画像情報を担持せしめる液晶パネルと、
入射された光を、該液晶パネルに照射する色光に分離する色分離光学系と、
該色分離光学系への光を出射する光源と、
を備え、
前記投影レンズは、
小さな共役側に強い曲率の凹面を向けた凹レンズと凸レンズからなる第1レンズ群、少なくとも1枚の凹レンズと2枚の凸レンズとからなる第2レンズ群、および被投影物の近傍に配される正のパワーを有するフレネルレンズからなる第3レンズ群とからなり、前記第1レンズ群と第2レンズ群は各々少なくとも1つの非球面を有するレンズを備え、
共役長を変化させて投影倍率を変化させる場合に、前記第3レンズ群のフレネルレンズは固定とし、前記第1レンズ群と第2レンズ群はその間隔を変化させながら移動せしめてフォーカシングを行うようにし、
前記第1レンズ群の凹レンズのアッベ数をν1、前記第2レンズ群の凹レンズのアッベ数をν2としたとき、
ν1>ν2 (1)
なる条件式(1)を満足し、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、全レンズ系の焦点距離をf0としたとき、
|f1|>f0 (2)
なる条件式(2)を満足するように構成されてなり、
前記スクリーンと前記第1レンズ群との間、および前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間に光路を折り曲げる反射ミラーを配設してなることを特徴とするものである。
【0008】
また、前記フレネルレンズは非球面を有していることが好ましい。
【0009】
【作用】
本願発明の目的は上述したごとく構成された広角レンズにより達成される。以下、各レンズ群毎にその作用について説明する。
まず、第1レンズ群において、投影物体側に強い凹面を向けた凹レンズを配しレトロフォーカスタイプの性格を持たせることにより、第2レンズ群と第3レンズ群の間にミラーを挿入するスペースを確保することができる程度の距離を持たせることができ、その結果光路を折り曲げることが可能となり、装置全体をコンパクトにまとめることができる。また投影角を広角にした場合、歪曲収差の補正が容易となり、またこの凹レンズと液晶パネルの間にあるレンズを通過する周辺光束の角度を鈍くすることができるから、諸収差の補正を容易とすることができる。また、この第1レンズ群の凸レンズは上記凹レンズとパワーのバランスを取り、かつ上記条件式(2)を満足させるために必要となる。なお、上記凸レンズのν値を上記凹レンズよりも小さくすると倍率色収差の補正が容易となり好ましい。
【0010】
次に、第2レンズ群において、上記条件式(1)を満足する凹レンズを配することにより、倍率色収差、軸上色収差の補正が可能となる。この条件を満たさないと第1レンズ群および第2レンズ群中に色収差補正用のレンズが別に必要となりレンズ枚数が増加する。また、第2レンズ群の凸レンズは全体の焦点距離を保つ作用をし、このレンズが1枚ではパワーが強くなりすぎ諸収差の補正が困難となるため2枚以上とするのが望ましい。
また、第1レンズ群と第2レンズ群の少なくとも1つのレンズ面を非球面とすることにより、特にコマ収差を補正することが可能である。前述したように図6に示すごとき構成の液晶ビデオプロジェクタにおいては、周辺光束がどうしても多くなるためにコマ収差を補正することは極めて重要である。
【0011】
さらに、上記第3レンズ群においては、液晶パネルの近傍にフィールドレンズとして作用する凸のパワーのフレネルレンズを配することによりテレセントリックな投影レンズ系を実現している。フレネルレンズを用いることにより、一般の凸レンズをフィールドレンズに使用した場合における像面がアンダーとなる傾向を回避することができ、像面の補正が容易となる。さらに、このフレネルレンズを非球面とすることで歪曲、像面湾曲に対しても補正が容易となる。
さらに、投影倍率が変化した場合に第3レンズ群を固定しておき、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔を調整しながらこれら両レンズ群を移動させてフォーカシングするようにすれば周辺像面を補正することが容易となる。また、この場合に上記条件式(2)を満足するようにすれば球面収差の変動を小さくすることができ中心付近の画質の劣化を防止することが可能となる。
【0012】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図5は、本発明の実施例に係る広角レンズを用いた液晶ビデオプロジェクタの概略図である。
すなわち、この液晶ビデオプロジェクタ8では、前述した如き図6に示す光源11、3枚のダイクロイックミラー13A、13B、13Cおよび多数のレンズ素子14Aを配列されてなるレンズアレイ14からなる色分離光学系9により液晶パネル4の各ドットに照射され、この液晶パネル4に映出された画像情報を担持し、3つのレンズ群1、2、3からなる投影レンズによりスクリーン7の裏面に投射される。視聴者10はスクリーン7に投影された画像をこのスクリーン7の表面側から見ることになる。また、この液晶ビデオプロジェクタ8では装置全体をコンパクトとするため、2つの反射ミラー5,6を用いて光路を折り曲げるように構成されており、また、一方の反射ミラー5は投影レンズの第2レンズ群2と第3レンズ群3の間に位置するように構成されている。
【0013】
以下、上記投影レンズについて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る広角レンズを示すレンズ系断面図である。
すなわち、このレンズ系は小さな共役側(液晶パネル側)に強い曲率の凹面を向けた凹レンズL1と凸レンズL2 からなる第1レンズ群1、1枚の凹レンズL3と2枚の凸レンズL4,L5からなる第2レンズ群2および液晶パネルL7(4)の近傍に配されるフレネルレンズL6からなる第3レンズ群をスクリーン側から液晶パネル側に配列してなる。
なお、図中Xは光軸を示す(図2,図3および図4において同じ)。
【0014】
また、上記レンズL1 、L5 はプラスチックレンズにより形成されており、温度変化に対してピント移動が少なくなるような構成とされている。
この実施例1における各レンズ面の光軸X近傍の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率Nおよび各レンズのアッベ数νを下記表1に示す。
ただし、この表1において、各記号R,d,N,νに付した数字はスクリーン側からの順番を表わすものである。
【0015】
なお、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔d4および第2レンズ群と第3レンズ群の間隔d9は可変であり、低倍率時(10倍)におけるd4およびd9は各々31.37mmおよび107.85mmとされ、高倍率時(16倍)におけるd4およびd9は各々32.47mmおよび105.06mmとされている。
また、第1レンズ群の凹レンズであるレンズL1のアッベ数ν1は57.8であり、第2レンズ群の凹レンズであるレンズL3のアッベ数ν2は25.4であり、ν1>ν2なる条件式が満足されている。
【0016】
さらに、第1レンズ群の焦点距離f1は453.1mm、レンズ群全系の焦点距離f0は67.76mmであり、|f1|>f0が満足されている。
また、レンズL1 およびレンズL5の両面、さらにはフレネルレンズL6の液晶パネル側の面は非球面であり、その形状は非球面式
【数1】
において各係数C,K,a2 ,a4 ,a6 ,a8 ,a10の値を下記表2に示したもので表わされる。上記非球面式においてXはそのレンズ面からの光軸X方向の距離であり、Yは光軸Xと垂直方向の光軸Xからの距離である。また、Cは曲率を表わす。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
なお、上記表1のレンズデ−タで最終2面間距離d12は液晶パネルのガラス基板と偏光フィルタの厚みを合計したものである。
図2は、本発明の第2の実施例に係る広角レンズを示すレンズ系断面図である。
すなわち、このレンズ系は小さな共役側(液晶パネル側)に強い曲率の凹面を向けた凹レンズL1と凸レンズL2 からなる第1レンズ群、1枚の凹レンズL5 と3枚の凸レンズL3,L4,L6からなる第2レンズ群および液晶パネルL8の近傍に配されるフレネルレンズL7からなる第3レンズ群をスクリーン側から液晶パネル側に配列してなる。
【0020】
また、上記レンズL1、L2、L3はプラスチックレンズにより形成されており、温度変化に対してピント移動が少なくなるような構成とされている。
この実施例2における各レンズ面の光軸X近傍の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率Nおよび各レンズのアッベ数νを下記表3に示す。
ただし、この表3において、各記号R,d,N,νに付した数字はスクリーン側からの順番を表わすものである。
【0021】
なお、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔d4および第2レンズ群と第3レンズ群の間隔d12は可変であり、低倍率時(10倍)におけるd4およびd12は各々 39.41mmおよび107.3mmとされ、高倍率時(16倍)におけるd4およびd12は各々40.72mmおよび105.28mmとされている。
また、第1レンズ群の凹レンズであるレンズL1のアッベ数ν1は57.8であり、第2レンズ群の凹レンズであるレンズL5のアッベ数ν2は23.9であり、ν1>ν2なる条件式が満足されている。
【0022】
さらに、第1レンズ群の焦点距離f1は-389.92mm、レンズ群全系の焦点距離 f0は66.87mmであり、|f1|>f0が満足されている。
また、レンズL1 ,レンズL2およびレンズL3の両面、さらにはフレネルレンズL7の液晶パネル側の面は非球面であり、その形状は前述した非球面式において各係数C,K,a2 ,a4 ,a6 ,a8 ,a10の値を下記表4に示したもので表わされる。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
なお、上記表3のレンズデ−タで最終2面間距離d15は液晶パネルのガラス基板と偏光フィルタの厚みを合計したものである。
図3は、本発明の第3の実施例に係る広角レンズを示すレンズ系断面図である。
すなわち、このレンズ系はパワーの弱いメニスカスの凹レンズL1、小さな共役側(液晶パネル側)に強い曲率の凹面を向けた凹レンズL2と凸レンズL3 からなる第1レンズ群、1枚の凹レンズL5と3枚の凸レンズL4,L6,L7からなる第2レンズ群および液晶パネルL9の近傍に配されるフレネルレンズL8からなる第3レンズ群をスクリーン側から液晶パネル側に配列してなる。
【0026】
また、このレンズ系では主たるパワーを有するレンズをガラスレンズとし、プラスチックレンズのパワーを弱くすることで、温度変化に対してピント移動が少なくなるような構成とされている。
この実施例3における各レンズ面の光軸X近傍の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率Nおよび各レンズのアッベ数νを下記表5に示す。
【0027】
ただし、この表5において、各記号R,d,N,νに付した数字はスクリーン側からの順番を表わすものである。
なお、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔d6および第2レンズ群と第3レンズ群の間隔d13は可変であり、低倍率時(10倍)におけるd6およびd13は各々32.56mmおよび109.78mmとされ、高倍率時(16倍)におけるd6およびd13は各々34.02mmおよび107.92mmとされている。
【0028】
また、第1レンズ群の凹レンズであるレンズL2のアッベ数ν1は50.9であり、第2レンズ群の凹レンズであるレンズL5のアッベ数ν2は25.5であり、ν1>ν2なる条件式が満足されている。
さらに、第1レンズ群の焦点距離f1は282.37mm、レンズ群全系の焦点距離f0は66.85mmであり、|f1|>f0が満足されている。
また、レンズL1 およびレンズL4の両面、さらにはフレネルレンズL8の液晶パネル側の面は非球面であり、その形状は前述した非球面式において各係数C,K,a2 ,a4 ,a6 ,a8 ,a10の値を下記表6に示したもので表わされる。
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
なお、上記表5のレンズデ−タで最終2面間距離d16は液晶パネルのガラス基板と偏光フィルタの厚みを合計したものである。
【0031】
図4は、本発明の第4の実施例に係る広角レンズを示すレンズ系断面図である。
すなわち、このレンズ系はパワーの弱い凹レンズL1、小さな共役側(液晶パネル側)に強い曲率の凹面を向けた凹レンズL2 、凸レンズL3 からなる第1レンズ群、1枚の凹レンズL6と4枚の凸レンズL4,L5,L7,L8からなる第2レンズ群および液晶パネルL10の近傍に配されるフレネルレンズL9からなる第3レンズ群をスクリーン側から、液晶パネル側に配列してなる。
また、このレンズ系では主たるパワーを有するレンズをガラスレンズとし、プラスチックレンズのパワーを弱くすることで、温度変化に対してピント移動が少なくなるような構成とされている。
【0032】
この実施例4における各レンズ面の光軸X近傍の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率Nおよび各レンズのアッベ数νを下記表7に示す。
ただし、この表7において、各記号R,d,N,νに付した数字はスクリーン側からの順番を表わすものである。
なお、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔d6および第2レンズ群と第3レンズ群の間隔d15は可変であり、低倍率時(10倍)におけるd6およびd15は各々6.85mmおよび109.99mmとされ、高倍率時(16倍)におけるd6およびd15は各々7.42mmおよび106.75mmとされている。
【0033】
また、第1レンズ群の凹レンズであるレンズL2のアッベ数ν1は50.9であり、第2レンズ群の凹レンズであるレンズL6のアッベ数ν2は25.5であり、ν1>ν2なる条件式が満足されている。
さらに、第1レンズ群の焦点距離f1は97.42mm、レンズ群全系の焦点距離f0は66.73mmであり、|f1|>f0が満足されている。
また、レンズL1 およびレンズL5の両面、さらにはフレネルレンズL9の液晶パネル側の面は非球面であり、その形状は前述した非球面式において各係数C,K,a2 ,a4 ,a6 ,a8 ,a10の値を下記表8に示したもので表わされる。
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】
なお、上記表7のレンズデ−タで最終2面間距離d18は液晶パネルのガラス基板と偏光フィルタの厚みを合計したものである。
また、実施例1の収差図(球面収差(SPH)、非点収差(AST)、像面湾曲(DIS)、色収差(CHR)およびコマ収差(COM);以下同じ)を図7(低倍率時)および図8(高倍率時)に、実施例2の収差図を図9(低倍率時)および図10(高倍率時)に、実施例3の収差図を図11(低倍率時)および図12(高倍率時)に、実施例4の収差図を図13(低倍率時)および図14(高倍率時)に示す。
【0037】
これらの収差図からも明らかなように上記各実施例における広角レンズでは、各収差を良好なものとすることができる。
なお、本発明の広角レンズの構成としては上述した4つの実施例のものに限られるものではなく、種々の態様の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る広角レンズを示す断面図
【図2】本発明の実施例2に係る広角レンズを示す断面図
【図3】本発明の実施例3に係る広角レンズを示す断面図
【図4】本発明の実施例4に係る広角レンズを示す断面図
【図5】本発明の実施例に係る広角レンズを用いた液晶ビデオプロジェクタを示す概略図
【図6】図5に示すプロジェクタの色分離光学系を示す概略図
【図7】本発明の実施例1に係る広角レンズの収差図(低倍率時)
【図8】本発明の実施例1に係る広角レンズの収差図(高倍率時)
【図9】本発明の実施例2に係る広角レンズの収差図(低倍率時)
【図10】本発明の実施例2に係る広角レンズの収差図(高倍率時)
【図11】本発明の実施例3に係る広角レンズの収差図(低倍率時)
【図12】本発明の実施例3に係る広角レンズの収差図(高倍率時)
【図13】本発明の実施例4に係る広角レンズの収差図(低倍率時)
【図14】本発明の実施例4に係る広角レンズの収差図(高倍率時)
【符号の説明】
1 第1レンズ群
2 第2レンズ群
3 第3レンズ群
4 液晶パネル
5,6 反射ミラー
7 スクリーン
8 液晶ビデオプロジェクタ
9 色分離光学系
11 光源
13A,13B,13C ダイクロイックミラー
14 マイクロレンズアレイ
15 投射レンズ
L レンズ
Claims (2)
- スクリーン側から順に、
該スクリーンと、
投影レンズと、
該投影レンズに入射する色光に所定の画像情報を担持せしめる液晶パネルと、
入射された光を、該液晶パネルに照射する色光に分離する色分離光学系と、
該色分離光学系への光を出射する光源と、
を備え、
前記投影レンズは、
小さな共役側に強い曲率の凹面を向けた凹レンズと凸レンズからなる第1レンズ群、少なくとも1枚の凹レンズと2枚の凸レンズとからなる第2レンズ群、および被投影物の近傍に配される正のパワーを有するフレネルレンズからなる第3レンズ群とからなり、前記第1レンズ群と第2レンズ群は各々少なくとも1つの非球面を有するレンズを備え、
共役長を変化させて投影倍率を変化させる場合に、前記第3レンズ群のフレネルレンズは固定とし、前記第1レンズ群と第2レンズ群はその間隔を変化させながら移動せしめてフォーカシングを行うようにし、
前記第1レンズ群の凹レンズのアッベ数をν1、前記第2レンズ群の凹レンズのアッベ数をν2としたとき、
ν1>ν2 (1)
なる条件式(1)を満足し、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、全レンズ系の焦点距離をf0としたとき、
|f1|>f0 (2)
なる条件式(2)を満足するように構成されてなり、
前記スクリーンと前記第1レンズ群との間、および前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間に光路を折り曲げる反射ミラーを配設してなることを特徴とする液晶ビデオプロジェクタ。 - 前記フレネルレンズは非球面を有していることを特徴とする請求項1記載の液晶ビデオプロジェクタ。
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Legal Events
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R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |