JP2001122863A - 1−メチル−3−フェニルピペラジンの製造方法 - Google Patents

1−メチル−3−フェニルピペラジンの製造方法

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JP2001122863A
JP2001122863A JP30769899A JP30769899A JP2001122863A JP 2001122863 A JP2001122863 A JP 2001122863A JP 30769899 A JP30769899 A JP 30769899A JP 30769899 A JP30769899 A JP 30769899A JP 2001122863 A JP2001122863 A JP 2001122863A
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JP
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phenylpiperazine
methyl
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phenylglyoxal
mol
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JP30769899A
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Chiharu Maeda
千春 前田
Eiichi Iseki
栄一 井石
Sadanobu Yoshikawa
定延 吉川
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】触媒を大量に使用せずに、収率よく、1−メチ
ル−3−フェニルピペラジンを製造しうる方法を提供す
ること。 【解決手段】フェニルグリオキザールとエチレンジアミ
ンとを縮合させ、得られた縮合物を還元し、得られた2
−フェニルピペラジンをメチル化させることを特徴とす
る1−メチル−3−フェニルピペラジンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1−メチル−3−
フェニルピペラジンの製造方法に関する。さらに詳しく
は、抗鬱剤として有用なミルタザピンの重要な中間体で
ある1−メチル−3−フェニルピペラジンの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】1−メチル−3−フェニルピペラジン
は、ミルタザピンの重要な中間体である(特公昭59−
42678号公報)。1−メチル−3−フェニルピペラ
ジンの原料として、2−フェニルピペラジンが使用され
ている。
【0003】2−フェニルピペラジンの製造方法として
は、スチレンオキサイドとエチレンジアミンを原料と
し、生成したN−(β−ヒドロキシ−β−フェネチル)
エチレンジアミンをラネーニッケルの存在下でジオキサ
ンを用いて接触還元させる方法が知られている〔ジャー
ナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Me
d.Chem.),Vol.9,pp.181−184
(1966)〕。
【0004】しかし、この方法には、ラネーニッケルを
大量に使用するのみならず、目的化合物である2−フェ
ニルピペラジンの収率が低いという欠点がある。
【0005】また、2−フェニルピペラジンから1−メ
チル−3−フェニルピペラジンを製造する方法として、
2−フェニルピペラジンおよびトリエチルアミンを大量
のアセトンに溶解させ、その溶液中にヨウ化メチルを滴
下する方法が知られている〔米国特許第4,772,7
05号明細書〕。
【0006】しかし、この方法には、大量のアセトンを
必要とするので工業的な方法ではなく、また得られる1
−メチル−3−フェニルピペラジンの収率が50%程度
であるので、その収率をより一層向上させることができ
る方法の開発が待ち望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、触媒を大量に使用せず
に、収率よく、1−メチル−3−フェニルピペラジンを
製造しうる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェニルグリ
オキザールとエチレンジアミンとを縮合させ、得られた
縮合物を還元し、得られた2−フェニルピペラジンをメ
チル化させることを特徴とする1−メチル−3−フェニ
ルピペラジンの製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、まず、フェニ
ルグリオキザールとエチレンジアミンとを縮合させる。
【0010】フェニルグリオキザールは、安息香酸エス
テルから容易に製造しうる化合物である。また、エチレ
ンジアミンは、安価で容易に入手しうる化合物である。
したがって、本発明における原料は、いずれも、容易に
入手しうる化合物である。なお、フェニルグリオキザー
ルは、無水物および含水物のいずれであってもよい。
【0011】エチレンジアミンの量は、通常、フェニル
グリオキザール1モルに対して、1.0〜1.2モルで
あることが好ましい。
【0012】縮合を行なう際には、溶媒として、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級
アルコールを用いることができる。該溶媒の量は、特に
限定がないが、通常、フェニルグリオキザール100容
量部に対して、1000〜3000容量部、好ましくは
1500〜2500容量部であることが望ましい。
【0013】フェニルグリオキザールとエチレンジアミ
ンとの縮合は、例えば、フェニルグリオキザールを前記
溶媒に溶解させた溶液と、エチレンジアミンを前記溶媒
に溶解させた溶液とを混合することによって容易に行な
うことができる。
【0014】フェニルグリオキザールとエチレンジアミ
ンとを縮合反応させる際の温度は、通常、−10〜10
℃、好ましくは0〜5℃であることが望ましい。
【0015】フェニルグリオキザールとエチレンジアミ
ンとの縮合の終了は、例えば、ガスクロマトグラフィー
でフェニルグリオキザールの消失を確認することができ
る。
【0016】次に、得られた縮合物を還元させる。かか
る還元を行なう際には、還元剤を使用することができ
る。
【0017】還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナ
トリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化リ
チウムアルミニウム、ヴィトライド(イーストマンケミ
カル社製、登録商標)などが挙げられる。これらの中で
は、水素化ホウ素ナトリウムは、取扱いやすさおよび経
済性の観点から、好適に使用しうるものである。還元剤
の量は、通常、フェニルグリオキザール1モルに対して
2〜2.5モルであることが好ましい。
【0018】縮合物の還元は、該縮合物の反応溶液に、
還元剤を添加することによって容易に行なうことができ
る。
【0019】還元の際の温度は、通常、20〜30℃程
度であることが好ましい。
【0020】かくして生成した2−フェニルピペラジン
を含む反応溶液が得られるが、該反応溶液から溶媒を常
法により、除去し、洗浄することにより、または減圧蒸
留することにより、該2−フェニルピペラジンを精製す
ることができる。また、塩酸塩としてイソプロパノール
などの低級アルコールより再結晶して精製することがで
きる。
【0021】次に、得られた2−フェニルピペラジンを
メチル化させる。2−フェニルピペラジンのメチル化
は、有機溶媒中で行なうことができる。
【0022】有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの非極性有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒の量は、特に限定がないが、通常、2−フェニ
ルピペラジン100重量部に対して、200〜1500
重量部程度であることが好ましい。
【0023】また、2−フェニルピペラジンのメチル化
を行なう際には、反応促進の観点から、アルカリの存在
下で行なうことが好ましい。かかるアルカリとしては、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機アルカ
リ、トリエチルアミンなどの有機アミンなどが挙げられ
る。これらの中では、水酸化カリウムは、溶解性および
反応性の観点からから、好適に使用しうるものである。
かかるアルカリの量は、2−フェニルピペラジン1モル
に対して、0.8〜1.2モル程度であることが好まし
い。アルカリは、例えば、あらかじめ水などに溶解させ
ておいたアルカリ溶液として使用することができる。
【0024】2−フェニルピペラジンのメチル化は、2
−フェニルピペラジンを有機溶媒に溶解させ、必要によ
り、アルカリの存在下で、その溶液にメチル化剤を添加
することによって容易に行なうことができる。
【0025】メチル化剤として、ジメチル硫酸が挙げら
れる。ジメチル硫酸は、安価で容易に入手しうるもので
あるので、本発明において好適に使用しうるものであ
る。
【0026】メチル化剤の量は、2−フェニルピペラジ
ン1モルに対して、通常、1.0〜1.5モル程度であ
ることが好ましい。
【0027】メチル化剤の添加方法は、特に限定がない
が、通常、一括添加するのではなく、分割添加すること
が好ましい。
【0028】メチル化の際の温度は、通常、5〜40℃
程度であることが好ましい。
【0029】メチル化の終了は、例えば、ガスコロマト
グラフィーなどによって容易に確認することができる。
【0030】かくして1−メチル−3−フェニルピペラ
ジンを含む反応溶液が得られるが、反応終了後には、常
法により、該反応溶液から溶媒を除去し、濾過、乾燥す
ることにより、または減圧蒸留することにより、1−メ
チル−3−フェニルピペラジンを収率よく回収すること
ができる。
【0031】得られた1−メチル−3−フェニルピペラ
ジンは、前記したように、ミルタザピンの有用な製造中
間体として好適に使用しうるものである。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0033】実施例1〔2−フェニルピペラジンの製
造〕 フェニルグリオキザール一水和物176.12g(1.
158モル)をエタノール3.47Lに溶解し、0〜5
℃に冷却した。この溶液に、エチレンジアミン76.5
3g(1.273モル)をエタノール383mlに溶解
させた溶液を3〜5℃で滴下した後、3時間かけて25
℃まで昇温させた。
【0034】次に、ガスクロマトグラフィーでフェニル
グリオキザールの消失を確認した後、水素化ホウ素ナト
リウム97.31g(2.315モル)を40℃以下の
温度で30分間かけて添加した。20〜30℃の温度
で、21時間反応を行なった後、減圧下で40℃に加熱
してエタノールの約60容量%を留去した。
【0035】次に、トルエン1.3kgを前記溶液に添
加し、水64.39gを滴下した。75〜78℃の低沸
点部分を留去し、120℃に加熱して共沸脱水した。こ
れを室温に冷却し、セライト10gとトルエン1.74
kgを添加、濾過し、得られた濾液を攪拌し、トルエン
1900gを留去し、ヘキサン636gを還流下に滴下
した。得られた溶液を5℃に冷却し、氷冷下で30分間
攪拌し、濾過し、得られた残渣をトルエン80gとヘキ
サン240gの混合溶媒で洗浄し、乾燥して2−フェニ
ルピペラジン152.8gを得た。収率は、フェニルグ
リオキザール一水和物に対して81.4%であり、また
ガスクロマトグラフィーによる純度は99.7%であっ
た。
【0036】なお、得られた2−フェニルピペラジンの
NMRのデータは、以下のとおりである。
【0037】1 H−NMR〔CDCl3 (400MH
z)ppm〕:1.79(s,2H)、2.67−3.
12(m,6H)、3.72−3.77(m,1H)、
7.20−7.58(m,5H)
【0038】実施例2〔1−メチル−3−フェニルピペ
ラジンの製造〕 トルエン275gに、2−フェニルピペラジン45g
(0.2774モル)、49%水酸化カリウム水溶液3
1.3g(0.2733モル)を添加し、攪拌して溶解
させた。
【0039】得られた溶液に、ジメチル硫酸34.4g
(0.2727モル)を15〜20℃の温度で1時間か
けて滴下した。49%水酸化カリウム水溶液3.13g
(0.027モル)を添加し、ジメチル硫酸6.8g
(0.0539モル)を15〜20℃の温度で30分間
かけて滴下した。そのときの反応率は、98%であっ
た。
【0040】得られた反応溶液を分液し、有機層を減圧
下で濃縮した。得られた濃縮液に、ヘキサン16mlと
アセトン4mlを添加して溶解し、5〜10℃の温度で
2時間攪拌し、濾過、乾燥して1−メチル−3−フェニ
ルピペラジン32.7gを得た。得られた1−メチル−
3−フェニルピペラジンの収率は、2−フェニルピペラ
ジンに対して67.1%であった。
【0041】なお、得られた1−メチル−3−フェニル
ピペラジンのNMRのデータは、以下のとおりである。
【0042】1 H−NMR〔CDCl3 (400MH
z)ppm〕:1.8−1.9(br,1H)、1.9
5−2.19(m,2H)、2.31(s,3H)、
2.78−3.15(m,4H)、3.84−3.89
(m,1H)、7.22−7.41(m,5H)
【0043】実施例1〜2の結果から、実施例1〜2の
方法によれば、触媒を大量に使用せずに、容易に入手し
うる安価な原料から、収率よく1−メチル−3−フェニ
ルピペラジンを得ることができることがわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、触媒を大量
に使用せずに、収率よく、1−メチル−3−フェニルピ
ペラジンを製造することができるという効果が奏され
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェニルグリオキザールとエチレンジア
    ミンとを縮合させ、得られた縮合物を還元し、得られた
    2−フェニルピペラジンをメチル化させることを特徴と
    する1−メチル−3−フェニルピペラジンの製造方法。
  2. 【請求項2】 2−フェニルピペラジンをジメチル硫酸
    でメチル化させる請求項1記載の製造方法。
JP30769899A 1999-10-28 1999-10-28 1−メチル−3−フェニルピペラジンの製造方法 Pending JP2001122863A (ja)

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