JP2001122805A - 気相酸化反応システムの制御方法及び制御装置 - Google Patents

気相酸化反応システムの制御方法及び制御装置

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JP2001122805A JP2000230233A JP2000230233A JP2001122805A JP 2001122805 A JP2001122805 A JP 2001122805A JP 2000230233 A JP2000230233 A JP 2000230233A JP 2000230233 A JP2000230233 A JP 2000230233A JP 2001122805 A JP2001122805 A JP 2001122805A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未反応の炭化水素を回収して反応装置に循環
させるリサイクルプロセスを有する炭化水素の気相酸化
反応システムを、効率かつ安定に運転するための制御方
法を提供する。 【解決手段】 炭化水素、酸素及び空気あるいは不活性
ガスを含む原料が供給される反応装置と該反応装置に結
合された分離装置と、分離装置からの排出流を反応装置
に戻すリサイクルループとを備えた反応システムの制御
方法であって、反応装置入口の合計流量か反応装置ある
いは分離装置からの排出流量を、気相酸化反応システム
へ供給する空気又は不活性ガスの流量を変更することに
より制御し、さらに該反応装置あるいは分離装置からの
排出流中の酸素濃度と炭化水素濃度の比率を、気相酸化
反応システムへ供給する酸素の流量を変更することによ
り制御することを特徴とする制御方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相酸化反応シス
テムの制御方法及び制御装置に関するものであり、触媒
の存在下で、炭化水素と酸素含有ガスとを反応させる気
相酸化反応システムを安定に運転可能にする制御技術を
提供する。
【0002】
【従来の技術】触媒の存在下で、炭化水素及び酸素含有
ガスを反応させる気相酸化反応としては、例えば炭化水
素の接触酸化方法があり、炭素数4の炭化水素の酸化に
よる無水マレイン酸の製造や、炭素数3の炭化水素のア
ンモ酸化によるアクリロニトリルの製造、エチレンのオ
キシクロリネーションによる二塩化エチレンの製造など
が広く知られている。近年、これらの気相酸化反応にお
いて、目的とする生成物を効率的に生産するために、反
応装置での炭化水素の転化率を低く抑えることで生成物
への選択率を向上させる一方で、未反応の炭化水素を回
収して反応装置に循環させるリサイクル法が提案されて
いる。
【0003】しかしながら、従来のプロセスでは、例え
ば反応成績が変化した時に、反応条件(各ガスの流量
や、温度、圧力、触媒量)をそれぞれ単独で制御するこ
とにより、安定に運転を継続することができたが、リサ
イクルプロセスの場合は、反応装置を出たガスが再び分
離装置等を経由して最終的に反応装置に戻るために、例
えば反応成績が変化した時に従来のような反応条件制御
を行なおうとしても、リサイクルガスの流量や組成が反
応条件の変更の影響で変化するために、そのままでは定
常な状態に落ち着くことはなく、結果として酸化反応を
安定に継続することが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、未反応の炭
化水素を回収して反応装置に循環させるリサイクルプロ
セスを有する炭化水素の気相酸化反応システムを、効率
的かつ安定に運転するための制御方法及び制御装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、リサイクルプ
ロセスを有する炭化水素の気相酸化反応システムにおい
て、反応装置入口の合計流量を直接あるいは間接に制御
するために供給原料の合計流量や排出流量の変化を検出
して空気又は不活性ガスの供給流量操作を行なう第1の
制御系と、反応装置からの排出ガス組成を所望値に制御
するために排出流中の酸素濃度と炭化水素濃度の比率の
変化を検出して酸素の供給流量操作を行なう第2の制御
系とを並行して設けることにより、システムの効率的か
つ安定な運転を可能にするものである。
【0006】本発明の要旨とするところは、炭化水素、
酸素、及び空気あるいは不活性ガスを含む原料が供給さ
れる少なくとも一つの反応装置と、該反応装置に結合さ
れた一つ又はそれ以上の分離装置と、いずれか一つ以上
の分離装置からの排出流を供給流の一部として反応装置
に戻すリサイクルループとを備えた気相酸化反応システ
ムにおいて、反応装置入口の合計流量あるいは該反応装
置からの排出流量と上記一つ又はそれ以上の分離装置の
各段のいずれか一つ以上からの排出流量の一方あるいは
双方を、気相酸化反応システムへ供給する空気又は不活
性ガスの流量を変更することにより所望値に制御し、さ
らに反応装置からの排出流と、上記一つ又はそれ以上の
分離装置の各段のいずれかからの排出流との一方あるい
は双方における酸素濃度と炭化水素濃度の比率を、気相
酸化反応システムへ供給する酸素の流量を変更すること
により所望値に制御する構成にある。
【0007】図1に、本発明を適用した気相酸化反応シ
ステムの概要構成を示す。以下、図1に基づき本発明の
詳細を説明する。図1の気相酸化反応システムは、少な
くとも一つの反応装置1と、一つ又はそれ以上の分離装
置2−A〜2−Nと、リサイクルループ3とを有する。
反応装置1に供給される炭化水素、酸素、空気あるいは
不活性ガス及びその他の気相原料の新規供給分は、それ
ぞれ流量指示調整器4、5、6、7で流量F1、F2、
F3、F4に調整される。また図示省略されているが、
反応装置1には触媒を存在させている。
【0008】反応装置1からの反応生成物や副生成物、
あるいは不要成分は、分離装置2−A〜2−Nのそれぞ
れから任意に取り出されあるいは除去される。R点は反
応装置1からの排出流、A点は第一番目の分離装置2−
Aからの排出流、…、N点は第N番目の分離装置2−N
からの排出流を示す。最終又は第N番目の分離装置2−
Nからの排出流は、供給流の一部としてリサイクルルー
プ3を介して反応装置1にリサイクルされる。このリサ
イクル流量はF5で表わされる。
【0009】本発明のシステム制御方法によれば、図1
にそれぞれ第1の制御手段8と第2の制御手段9を介す
るように示されている第1と第2の少なくとも2つの制
御ループが設けられる。第1と第2の制御手段8、9と
しては、どのようなタイプのPID(proporti
onal−integral−derivative)
制御装置でも、またどのような種類のフィードバック型
制御装置でも或いはどのような種類のフィードフォワー
ド型制御装置でもよい。
【0010】まず制御手段8を用いる第1の制御では、
反応装置1の入口の合計流量(F1+F2+F3+F4
+F5)又はR点〜N点のいずれか一つ以上の排出流量
を検出して、その値が所望の設定値に等しくなるように
反応装置1へ供給する空気又は不活性ガスの流量F3を
変更する。反応装置入口の合計流量とR点〜N点のいず
れか一つ以上の排出流量との双方で制御する場合は、各
検出値の加重平均その他の適切な評価関数を作成して使
用する。
【0011】第1の制御手段8を用いて反応装置入口の
合計流量を制御する場合には、反応装置1へ供給される
全てのガスの流量をそれぞれ通常用いられる各種の流量
計で連続的に測定し、それらの合計流量(F1+F2+
F3+F4+F5)が所望値に保たれるように、反応装
置1への空気又は不活性ガスの供給流量F3を通常用い
られる流量調節弁等の手段により制御する。図示されて
いる流量指示調整器4〜7は、それぞれ流量測定及び流
量調節の各手段を備えている。図1に示されている例で
は、反応装置入口の合計流量が測定される。第1の制御
手段8は、反応装置入口の合計流量が設定値に対して増
大するときは流量指示調整器6を制御して空気又は不活
性ガスの流量F3を低下させ、反応装置入口の合計流量
が所望値に保たれるようにする。
【0012】また図1の場合とは異なり、第1の制御手
段8がR点〜N点のいずれか、例えばM点の排出流量を
制御する場合には、M点の流量が所望値に保たれるよう
に流量指示調整器6を制御して空気又は不活性ガスの流
量F3を変更する。例えば、M点の流量が設定値に対し
て減少するときは、空気又は不活性ガスの流量F3を増
加させる方向に制御して、M点の流量を所望値に保つ。
【0013】次に制御手段9を用いる第2の制御では、
第2の制御手段9が、R点〜N点のいずれか一つ以上の
排出流中の酸素濃度と炭化水素の濃度の比率を検出して
流量指示調整器5を制御し、検出される酸素濃度と炭化
水素濃度の比率が所望の設定値に等しくなるように反応
装置1へ供給する酸素の流量F2を変更する。ここでR
点〜N点の複数点について排出流中の酸素濃度と炭化水
素の濃度の比率を検出し制御する場合は、各検出値の加
重平均その他の適切な評価関数を作成して使用する。反
応システムへの各供給ガス流量、反応装置もしくは分離
装置からの排出ガス流量、或いはリサイクル流量は、差
圧式流量計、渦式流量計、コリオリ式流量計、面積式流
量計等の通常用いられているガス流量測定手段により測
定される。反応装置あるいは分離装置からの排出流中の
酸素濃度は、各種オンライン酸素計や酸素濃度を測定出
来る分析計等の通常用いられている酸素濃度測定手段に
より測定され、炭化水素濃度も赤外分析計や質量分析計
等の各種オンライン分析計により測定される。なおこの
場合、ガスクロマトグラフのような非連続の分析手段を
用いるよりは、連続的に濃度を測定できる手段を用いる
ことが望ましい。分離装置は、反応装置又は分離装置か
らの反応生成物、副生成物あるいは不要成分を分離する
ものであってもよいし、また、反応装置又は分離装置か
らの排出流を2つ以上の流れに分離するものであっても
よい。分離装置としては、吸収分離装置、凝縮分離装
置、吸着分離装置、蒸留分離装置等、通常公知の分離装
置を用いることができる。
【0014】図1に示されている第2の制御ループの例
では、反応装置1からの排出流中の酸素濃度と炭化水素
濃度の比率が測定される。第2の制御手段9は、測定さ
れた酸素濃度と炭化水素濃度の比率が所望値となるよう
に、流量指示調整器5により反応装置1に供給する酸素
の流量F2を変更させる。例えば、反応装置1からの排
出流中の酸素濃度と炭化水素濃度の比率が減少したとき
には、流量指示調整器5を制御して反応装置1への酸素
供給流量F2を増加させ反応装置1からの排出流中の酸
素濃度と炭化水素濃度の比が所望値に保たれるようにす
る。炭化水素、酸素、空気又は不活性ガス等を含む原料
ガスは、反応装置又は分離装置へ直接供給されてもよい
し、分離装置への供給流あるいは排出流に供給されても
よい。
【0015】本発明は、触媒の存在下で、炭化水素及び
酸素含有ガスを反応させる気相酸化反応、例えばブタ
ン、ブテン、ブタジエンなどの炭素数4の炭化水素の酸
化による無水マレイン酸の製造、プロパン、プロピレン
などの炭素数3の炭化水素のアンモ酸化によるアクリロ
ニトリルの製造、エチレンのオキシクロリネーションに
よる二塩化エチレンの製造に適用されることができる。
【0016】無水マレイン酸を製造する場合、原料に
は、炭化水素としてブタン、ブテン、ブタジエン等の炭
素数4の炭化水素類が、また酸素含有ガスとして空気、
酸素が富化された空気及び酸素もしくはそれらの混合ガ
スが、そして不活性ガスとして窒素、二酸化炭素等が、
通常用いられる。触媒としてはバナジウム及びリンを主
要構成元素とする複合酸化物(バナジウム−リン系複合
酸化物)を活性成分とするものであり、中でもピロリン
酸ジバナジルを活性成分とするものが特に好ましい。こ
のような触媒は、例えば、Chem,Rev,88.5
5〜80頁(1988)、特開昭59−95933号公
報、米国特許第4,472,527号明細書、米国特許
第4,520,127号明細書等に記載された方法で製
造することができる。
【0017】反応は、流動床反応器又は固定床反応器を
用いることができ、通常300〜600℃で反応させ
る。反応器から流出する反応生成ガス中には、通常、無
水マレイン酸の他に、未反応の酸素及び原料炭化水素、
並びに副生する一酸化炭素、二酸化炭素、水、その他の
反応生成物等が含まれている。反応器から流出する反応
生成ガスからの無水マレイン酸の回収は、通常、反応生
成ガスと有機溶媒あるいは水性溶媒とを接触させて無水
マレイン酸を該溶媒中に捕集し、該溶媒から無水マレイ
ン酸を回収することにより行われる。
【0018】アクリロニトリルを製造する場合、原料に
は、炭化水素としてプロパン、プロピレン等の炭素数3
の炭化水素類が、またアンモ酸化原料としてアンモニア
が、酸素含有ガスとして空気、酸素が富化された空気及
び酸素もしくはそれらの混合ガスが、そして不活性ガス
として窒素、二酸化炭素等が、通常用いられる。触媒と
しては、V−Sb系酸化物触媒、V−Sb−W系酸化物
触媒、V−Sb−Sn−Cu−Bi系酸化物触媒、V−
Sb−Sn−Cu−Te系酸化物触媒、Sb−Sn系酸
化物触媒、As−Sn系酸化物触媒、Mo−Sn系酸化
物触媒、V−Cr系酸化物触媒、Mo−Bi−Fe−A
l系酸化物触媒、Mo−Cr−Te系酸化物触媒、Mo
−Bi−Cr系酸化物触媒、Cr−Sb−W系酸化物触
媒、Mo−Sb−W系酸化物触媒、Mo−Bi−Cr−
Nb系酸化物触媒、Mo−V−Te系酸化物触媒、Mo
−V−Sb系酸化物触媒などを用いることができるが、
特にモリブデン、バナジウム、およびテルルまたはアン
チモンのうちの少なくとも一方の元素を必須成分とする
複合金属酸化物触媒が好適に用いられる。例えば、モリ
ブデン、バナジウム、X、Yおよび酸素(Xはテルルお
よびアンチモンのうちの少なくとも1種、Yはニオブ、
タンタル、タングステン、チタン、アルミニウム、ジル
コニウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバル
ト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、ビスマ
ス、ホウ素、インジウム、リン、ゲルマニウム、希土類
元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属からなる群から
選ばれた1種以上の元素を示す)を必須成分とする複合
金属酸化物触媒が好ましい。特に、これら触媒構成元素
の存在割合が、下記式
【0019】0.25<rMo<0.98 0.003<rV<0.5 0.033<rX<0.5 0≦rY<0.5 (ただし、rMo、rV、rX、rYは酸素を除く上記
必須成分の合計に対するMo、V、XおよびYのモル分
率を表わす)で表されるものが好ましい。このような触
媒は、特開平2−257号公報、特開平5−14821
2号公報、特開平5−208136号公報、特開平6−
279361号公報、特開平9−157241号公報等
に記載された方法で製造することができる。
【0020】反応は、流動床反応器又は固定床反応器を
用いることができるが、反応温度の制御のし易い流動床
反応器を用いることが好ましい。反応温度は通常、20
0〜500℃である。反応は減圧下でも加圧下でも行い
うるが、通常は常圧から0.2MPaGの範囲で行われ
る。反応器から流出する反応ガス中には、通常、アクリ
ロニトリルの他に、未反応の酸素、原料炭化水素、アン
モニア、並びに副生するアクリル酸、オレフィン類、一
酸化炭素、二酸化炭素、その他の反応生成物等が含まれ
ている。通常、反応生成ガスからのアクリル酸の分離
は、通常、反応生成ガスを硫酸水溶液で洗浄して未反応
アンモニアを除去し、次いで水で洗浄することによりア
クリロニトリルやアクリル酸を主要液として回収するこ
とにより行われる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
によって限定されるものではない。図2に、本発明の一
実施例による気相酸化反応システムの構成を示す。図2
中に参照番号1〜9で示される要素は、図1中の同一参
照番号の要素に対応している。また図2に制御装置10
として示されている要素は、第1の制御手段8と第2の
制御手段9の各機能を有するハードウエアの制御装置を
表わしているが、必ずしも単一の装置である必要はな
い。第1の制御手段8と第2の制御手段9の内部には主
要な処理内容がフローで示されている。制御装置10
は、どのような種類のPID制御装置でもフィードバッ
ク制御装置でもよい。
【0022】図2に示すシステムの主要な構成と動作
は、図1のシステムと同様であり、一つの反応装置1
と、一つ又はそれ以上の分離装置2−A〜2−Nと、リ
サイクルループ3からなり、反応装置1には、炭化水
素、酸素、空気あるいは不活性ガス、及びその他の気相
原料の新規供給分が供給される。反応装置1からの反応
生成物、副生成物、及び不要成分は、分離装置によって
取り出され、あるいは除去される。R点には反応装置1
からの排出流があり、A点には分離装置2−Aからの排
出流があり、以下同様にしてN点には分離装置2−Nか
らの排出流がある。最終のN点の排出流は、供給流の一
部として反応装置1にリサイクルされる。第1の制御手
段8と第2の制御手段9は、それぞれ制御変数(CV)
と操作変数(MV)を有している。
【0023】第1の制御手段8は、制御変数(CV)
に、反応装置入口の合計流量又はR点〜N点のいずれか
1つ以上の点の排出流量をとることができる。流量は、
質量流量、モル流量、体積流量等通常用いられる流量で
あればよい。図示の例では、第1の制御手段8は、反応
装置1からの排出流量をR点で取り込み、対応する予め
設定されている排出流量の目標値と比較して偏差を検出
し、検出した偏差量に応じて空気又は不活性ガスの供給
流量に対する操作値を演算し、操作変数(MV)として
流量指示調整器6へフィードバックする。流量指示調整
器6は、入力された操作変数(MV)の値に基づいて、
反応装置1へ供給する空気又は不活性ガスの流量F3を
調整する。
【0024】第2の制御手段9は、制御変数(CV)
に、R点〜N点のいずれか1つ以上の点の排出流中の酸
素濃度と炭化水素濃度の比率をとることができる。図示
の例では、反応装置1からの排出流をR点で取り出して
酸素濃度と炭化水素濃度の比率を測定し、測定結果の比
率と予め設定されている比率の目標値とを比較して偏差
を検出し、その偏差量に応じて反応装置1への酸素供給
流量に対する操作値を演算し、流量指示調整器5に送っ
て変更を指示する。流量指示調整器5は、指示された操
作値に基づいて反応装置1への酸素供給流量F2を変更
する。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、反応装置入口の合計流
量を直接もしくは間接的に調整することにより、各分離
装置への供給流量および各分離装置からの排出流量を所
望値に保つことが可能となる。更に、反応装置出口の酸
素濃度と炭化水素濃度の比を直接もしくは間接的に調整
することにより、結果的に反応装置入口のガス組成を所
望値に保つことが可能となる。これにより、反応装置内
の反応を安定化させることが容易となり、反応転化率、
主製品選択率が安定すると共に、製品や反応生成物の分
離回収装置の運転の安定化も容易となることにより、リ
サイクルループを備えた気相酸化反応システム全体の安
定運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気相酸化反応システムの基本構成図で
ある。
【図2】本発明の気相酸化反応システムの一実施例構成
図である。
【符号の説明】
1 反応装置 2−A〜2−N 分離装置 3 リサイクルループ 4〜7 流量指示調整器 8 第1の制御手段 9 第2の制御手段 10 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 21/073 C07C 21/073 51/215 51/215 57/145 57/145 253/24 253/24 255/08 255/08 // C07D 307/60 C07D 307/60 B Z (72)発明者 井原 達也 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素、酸素、及び空気あるいは不活
    性ガスを含む原料が供給される少なくとも一つの反応装
    置と、該反応装置に結合された一つ又はそれ以上の分離
    装置と、いずれか一つ以上の分離装置からの排出流を供
    給流の一部として反応装置に戻すリサイクルループとを
    備えた気相酸化反応システムの制御方法であって、 反応装置入口の合計流量あるいは該反応装置からの排出
    流量と、上記一つ又はそれ以上の分離装置の各段のいず
    れか一つ以上からの排出流量との一方あるいは双方を、
    気相酸化反応システムへ供給する空気又は不活性ガスの
    流量を変更することにより所望値に制御し、 さらに反応装置からの排出流と、上記一つ又はそれ以上
    の分離装置の各段のいずれかからの排出流との一方ある
    いは双方における酸素濃度と炭化水素濃度の比率を、気
    相酸化反応システムへ供給する酸素の流量を変更するこ
    とにより所望値に制御する、ことを特徴とする気相酸化
    反応システムの制御方法。
  2. 【請求項2】 炭化水素、酸素、及び空気あるいは不活
    性ガスを含む原料が供給される少なくとも一つの反応装
    置と、該反応装置に結合された一つ又はそれ以上の分離
    装置と、いずれか一つ以上の分離装置からの排出流を供
    給流の一部として反応装置に戻すリサイクルループとを
    備えた気相酸化反応システムの制御装置であって、 反応装置入口の合計流量あるいは該反応装置からの排出
    流量と、上記一つ又はそれ以上の分離装置の各段のいず
    れか一つ以上からの排出流量との一方あるいは双方を、
    気相酸化反応システムへ供給する空気又は不活性ガスの
    流量を変更することにより所望値に制御する第1の制御
    手段と、 反応装置からの排出流と、上記一つ又はそれ以上の分離
    装置の各段のいずれかからの排出流との一方あるいは双
    方における酸素濃度と炭化水素濃度の比率を、気相酸化
    反応システムへ供給する酸素の流量を変更することによ
    り所望値に制御する第2の制御手段と、を有することを
    特徴とする気相酸化反応システムの制御装置。
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