JP2001114706A - 気相酸化反応システムとその制御方法及び制御装置 - Google Patents

気相酸化反応システムとその制御方法及び制御装置

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JP2001114706A
JP2001114706A JP2000230154A JP2000230154A JP2001114706A JP 2001114706 A JP2001114706 A JP 2001114706A JP 2000230154 A JP2000230154 A JP 2000230154A JP 2000230154 A JP2000230154 A JP 2000230154A JP 2001114706 A JP2001114706 A JP 2001114706A
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gas
oxygen
phase oxidation
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M Miller Randy
エム ミラー ランディ
Hisato Doke
久人 道家
Itaru Sawaki
至 沢木
Tatsuya Ihara
達也 井原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未反応の炭化水素を回収して反応器に循環さ
せるプロセスを有する炭化水素の気相酸化反応システム
を効率的かつ安定に運転するための制御方法及び装置を
提供する。 【解決手段】 炭化水素、酸素、及び空気あるいは不活
性ガスを含む原料が供給される少なくとも一つの反応装
置と、該反応装置に結合された一つ又はそれ以上の分離
装置と、いずれか一つ以上の分離装置からの排出流を供
給流の一部として反応装置に戻すリサイクルループとを
備えた気相酸化反応システムであって、反応装置入口の
合計流量あるいは該反応装置からの排出流量と、上記一
つ又はそれ以上の分離装置の各段のいずれか一つ以上か
らの排出流量との一方又は双方を所望値に制御する第1
の制御系と、反応装置への全供給流の組成又は反応装置
の出口あるいはいずれか一つ以上の分離装置の出口のガ
ス組成一方または双方を所望値に制御する第2の制御系
とを並行して設けたことを特徴とする気相酸化反応シス
テム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相酸化反応シス
テムの制御方法及び制御装置に関するものであり、触媒
の存在下で、炭化水素と酸素含有ガスとを反応させる気
相酸化反応システムを安定に運転可能にする制御技術を
提供する。
【0002】
【従来の技術】触媒の存在下で、炭化水素及び酸素含有
ガスを反応させる気相酸化反応としては、例えば炭化水
素の接触酸化方法があり、炭素数4の炭化水素の酸化に
よる無水マレイン酸の製造や、炭素数3の炭化水素のア
ンモ酸化によるアクリロニトリルの製造、エチレンのオ
キシクロリネーションによる二塩化エチレンの製造など
が広く知られている。近年、これらの気相酸化反応にお
いて、目的とする生成物を効率的に生産するために、反
応装置での炭化水素の転化率を低く抑えることで生成物
への選択率を向上させる一方で、未反応の炭化水素を回
収して反応装置に循環させるリサイクル法が提案されて
いる。
【0003】しかしながら、従来のプロセスでは、例え
ば反応成績が変化した時に、反応条件(各ガスの流量
や、温度、圧力、触媒量)をそれぞれ単独で制御するこ
とにより、安定に運転を継続することができたが、リサ
イクルプロセスの場合は、反応装置を出たガスが再び分
離装置等を経由して最終的に反応装置に戻るために、例
えば反応成績が変化した時に従来のような反応条件制御
を行なおうとしても、リサイクルガスの流量や組成が反
応条件の変更の影響で変化するために、そのままでは定
常な状態に落ち着くことはなく、結果として酸化反応を
安定に継続することが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、未反応の炭
化水素を回収して反応装置に循環させるリサイクルプロ
セスを有する炭化水素の気相酸化反応システムを、効率
的かつ安定に運転するための制御方法及び制御装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭化水素、酸
素、及び空気あるいは不活性ガスを含む原料が供給され
る少なくとも一つの反応装置と、該反応装置に結合され
た一つ又はそれ以上の分離装置と、いずれか一つ以上の
分離装置からの排出流を供給流の一部として反応装置に
戻すリサイクルループとを備えた気相酸化反応システム
において、反応装置入口の合計流量を直接あるいは間接
に制御する第1の制御系と、反応装置への供給ガス組成
或いは反応装置からの排出ガス組成を所望値に制御する
第2の制御系とを並行して設けることにより、システム
の効率的かつ安定な運転を可能にするものであり、以下
のように構成される。
【0006】(1)本発明による気相酸化反応システム
は、炭化水素、酸素、及び空気あるいは不活性ガスを含
む原料が供給される少なくとも一つの反応装置と、該反
応装置に結合された一つ又はそれ以上の分離装置と、い
ずれか一つ以上の分離装置からの排出流を供給流の一部
として反応装置に戻すリサイクルループとを備え、反応
装置入口の合計流量あるいは該反応装置からの排出流量
と、上記一つ又はそれ以上の分離装置の各段のいずれか
一つ以上からの排出流量との一方又は双方を所望値に制
御する第1の制御系と、反応装置への全供給流の組成又
は反応装置の出口あるいはいずれか一つ以上の分離装置
の出口のガス組成の一方または双方を所望値に制御する
第2の制御系とを並行して設けた構成を特徴とする。
【0007】(2)本発明による気相酸化反応システム
の制御方法は、炭化水素、酸素、及び空気あるいは不活
性ガスを含む原料が供給される少なくとも一つの反応装
置と、該反応装置に結合された一つ又はそれ以上の分離
装置と、いずれか一つ以上の分離装置からの排出流を供
給流の一部として反応装置に戻すリサイクルループとを
備えた気相酸化反応システムにおいて、第1の制御とし
て、反応装置入口の合計流量あるいは該反応装置からの
排出流量と、上記一つ又はそれ以上の分離装置の各段の
いずれか一つ以上からの排出流量との一方あるいは双方
を、気相酸化反応システムへ供給する空気又は不活性ガ
スの流量を変更することにより所望値に制御し、さらに
第2の制御として、反応装置からの排出流と、上記一つ
又はそれ以上の分離装置の各段のいずれかからの排出流
との一方あるいは双方における酸素濃度を、気相酸化反
応システムへ供給する炭化水素及び酸素の流量比に基づ
き、気相酸化反応システムへ供給する炭化水素の流量又
は酸素の流量を変更することにより所望値に制御する、
構成を特徴とする。
【0008】(3)本発明による気相酸化反応システム
の制御装置は、炭化水素、酸素、及び空気あるいは不活
性ガスを含む原料が供給される少なくとも一つの反応装
置と、該反応装置に結合された一つ又はそれ以上の分離
装置と、いずれか一つ以上の分離装置からの排出流を供
給流の一部として反応装置に戻すリサイクルループとを
備え、反応装置入口の合計流量あるいは該反応装置から
の排出流量と、上記一つ又はそれ以上の分離装置の各段
のいずれか一つ以上からの排出流量との一方あるいは双
方を、気相酸化反応システムへ供給する空気又は不活性
ガスの流量を変更することにより所望値に制御する第1
の制御手段と、反応装置からの排出流と、上記一つ又は
それ以上の分離装置の各段のいずれかからの排出流との
一方あるいは双方における酸素濃度を、気相酸化反応シ
ステムへ供給する炭化水素及び酸素の流量比に基づき、
気相酸化反応システムへ供給する炭化水素の流量又は酸
素の流量を変更することにより所望値に制御する第2の
制御手段と、を有する構成を特徴とする。
【0009】本発明を適用した気相酸化反応システムの
概要構成を、図1に例示的方法で示す。以下、図1に基
づき本発明の詳細を説明する。図1の気相酸化反応シス
テムは、少なくとも一つの反応装置1と、一つ又はそれ
以上の分離装置2−A〜2−Nと、リサイクルループ3
とを有する。反応装置1に供給される炭化水素、酸素、
空気あるいは不活性ガス及びその他の気相原料の新規供
給分は、それぞれ流量指示調整器4、5、6、7によ
り、流量F1、F2、F3、F4に調整される。また図
示省略されているが、反応装置1には触媒を存在させて
いる。
【0010】反応装置1からの反応生成物や副生成物、
あるいは不要成分は、分離装置2−A〜2−Nのそれぞ
れから任意に取り出されあるいは除去される。R点は反
応装置1からの排出流、A点は第一番目の分離装置2−
Aからの排出流、…、N点は第N番目の分離装置2−N
からの排出流を示す。最終又は第N番目の分離装置2−
Nからの排出流は、供給流の一部としてリサイクルルー
プ3を介して反応装置1にリサイクルされる。このリサ
イクル流量はF5で表わされる。これにより、反応装置
1の入口の合計流量は、(F1+F2+F3+F4+F
5)で与えられる。また、反応装置1への全供給流の組
成は、反応装置入口の各成分流量/反応装置入口の合計
流量(F1+F2+F3+F4+F5)により与えられ
る。
【0011】さらに本発明により、第1の制御手段8と
第2の制御手段9をそれぞれ介して、第1と第2の少な
くとも2つの独立した制御系が設けられる。第1の制御
手段8を用いる第1の制御系は、反応装置1の入口の合
計流量あるいは該反応装置からの排出流量と、上記一つ
又はそれ以上の分離装置の各段のいずれか一つ以上から
の排出流量との一方あるいは双方を所望値に制御するた
めのものであり、図示の例では、反応装置1からの排出
流の流量をR点で検出し、その検出した流量が目標値と
一致するように、反応装置1に供給する空気又は不活性
ガスの流量F3を変更している。また第2の制御系は、
反応装置1への全供給流の組成或いは反応装置1の出
口、又は分離装置2−A〜2−Nの一つ以上のものの出
口におけるガス組成を所望値に制御するためのものであ
り、図示の例では、反応装置1からの排出流のガス組成
をR点で検出し、その検出したガス組成が設定値と一致
するように、反応装置1に供給する炭化水素と酸素の流
量比F1/F2を変更している。炭化水素、酸素、空気
又は不活性ガス等を含む原料ガスは、反応装置又は分離
装置へ直接供給されてもよいし、分離装置への供給流あ
るいは排出流に供給されてもよい。
【0012】第1の制御手段8と第2の制御手段9とし
ては、どのようなタイプのPID(proportio
nal−integral−derivative)制
御装置でも、またどのような種類のフィードバック型制
御装置でも或いはどのような種類のフィードフォワード
型制御装置でも用いることができる。図2に示されてい
る例では、第1の制御手段8を含む制御系は、例えば反
応装置出口のR点で測定した排出流量が目標値に対して
増大するとき、反応装置入口での空気又は不活性ガスの
供給流量F3を下げるように流量指示調整器6を制御
し、反応装置出口での排出流量を所望値に保つように機
能する。
【0013】また図示の例とは異なり、第1の制御手段
8が各分離装置出口のA点〜N点のいずれか、例えばM
点の排出流の流量を検出する場合には、M点の流量が所
望値に保たれるように流量指示調整器6を制御して空気
又は不活性ガスの流量F3を変更する。したがってM点
の流量が設定値に対して減少するときは、空気又は不活
性ガスの流量F3を増加させる方向に制御して、M点の
流量を所望値に保つように動作する。
【0014】次に第2の制御手段9を含む制御系は、第
2の制御手段9が例えばR点の排出流中の酸素濃度を測
定し、その測定値が予め設定されている酸素濃度の目標
値に対して増大するとき、反応装置入口での炭化水素と
酸素の流量比(例えば酸素流量/炭化水素流量とする)
の目標値を下げるように制御する。第2の制御手段に含
まれる炭化水素と酸素の流量比の制御系は、反応装置入
口の炭化水素と酸素の流量比(例えば酸素流量/炭化水
素流量とする)を測定し、目標値に対して増大するとき
反応装置入口での酸素の流量指示調整器5を制御し、反
応器入口の炭化水素と酸素の流量比を目標値に追従さ
せ、最終的にR点の排出流中の酸素濃度を予め設定され
ている目標値に保つように機能する。もしくは、図示の
場合と異なり、反応装置入口の炭化水素と酸素の流量比
を測定し、目標値に対して増大するとき反応装置入口で
の炭化水素の流量指示調整器4を制御し、反応器入口の
炭化水素と酸素の流量比を目標値に追従させ、最終的に
R点の排出流中の酸素濃度を予め設定されている目標値
に保つように機能させてもよい。なお、図示の場合と異
なりR点〜N点の複数点について排出流中の酸素濃度を
検出し制御する場合は、各検出値の加重平均、その他の
適切な評価関数を使用して制御変数(CV)を構成し同
様な制御手法にて目標値に保つようにする。
【0015】反応システムへの各供給ガス流量、反応装
置もしくは分離装置からの排出ガス流量、あるいはリサ
イクルガス流量は差圧式流量計、渦式流量計、コリオリ
式流量計、面積式流量計等の通常用いられているガス流
量測定手段により測定される。反応装置あるいは分離装
置からの排出流中の酸素濃度は、各種オンライン酸素計
や酸素濃度を測定出来る分析計等の通常用いられている
酸素濃度測定手段により測定され、炭化水素濃度も赤外
分析計や質量分析計等の各種オンライン分析計により測
定される。なおこの場合、ガスクロマトグラフのような
非連続の分析手段を用いるよりは、連続的に濃度を測定
できる手段を用いることが望ましい。
【0016】分離装置は、反応装置又は分離装置からの
反応生成物、副生成物あるいは不要成分を分離するもの
であってもよいし、また、反応装置又は分離装置からの
排出流を2つ以上の流れに分離するものであってもよ
い。分離装置としては、吸収分離装置、凝縮分離装置、
吸着分離装置、蒸留分離装置等、通常公知の分離装置を
用いることができる。
【0017】本発明は、触媒の存在下で、炭化水素及び
酸素含有ガスを反応させる気相酸化反応、例えばブタ
ン、ブテン、ブタジエンなどの炭素数4の炭化水素の酸
化による無水マレイン酸の製造、プロパン、プロピレン
などの炭素数3の炭化水素のアンモ酸化によるアクリロ
ニトリルの製造、エチレンのオキシクロリネーションに
よる二塩化エチレンの製造に適用されることができる。
【0018】無水マレイン酸を製造する場合、原料に
は、炭化水素としてブタン、ブテン、ブタジエン等の炭
素数4の炭化水素類が、また酸素含有ガスとして空気、
酸素が富化された空気及び酸素もしくはそれらの混合ガ
スが、そして不活性ガスとして窒素、二酸化炭素等が、
通常用いられる。触媒としてはバナジウム及びリンを主
要構成元素とする複合酸化物(バナジウム−リン系複合
酸化物)を活性成分とするものであり、中でもピロリン
酸ジバナジルを活性成分とするものが特に好ましい。
【0019】このような触媒は、例えば、Chem.R
ev.88,55〜80頁(1988)、特開昭59−
95933号公報、米国特許第4,472,527号明
細書、米国特許第4,520,127号明細書等に記載
された方法で製造することができる。反応は、流動床反
応器又は固定床反応器を用いることができ、通常300
〜600℃で反応させる。
【0020】反応器から流出する反応生成ガス中には、
通常、無水マレイン酸の他に、未反応の酸素及び原料炭
化水素、並びに副生する一酸化炭素、二酸化炭素、水、
その他の反応生成物等が含まれている。反応器から流出
する反応生成ガスからの無水マレイン酸の回収は、通
常、反応生成ガスと有機溶媒あるいは水性溶媒とを接触
させて無水マレイン酸を該溶媒中に捕集し、該溶媒から
無水マレイン酸を回収することにより行われる。
【0021】アクリロニトリルを製造する場合、原料に
は、炭化水素としてプロパン、プロピレン等の炭素数3
の炭化水素類が、またアンモ酸化原料としてアンモニア
が、酸素含有ガスとして空気、酸素が富化された空気及
び酸素もしくはそれらの混合ガスが、そして不活性ガス
として窒素、二酸化炭素等が、通常用いられる。
【0022】触媒としては、V−Sb系酸化物触媒、V
−Sb−W系酸化物触媒、V−Sb−Sn−Cu−Bi
系酸化物触媒、V−Sb−Sn−Cu−Te系酸化物触
媒、Sb−Sn系酸化物触媒、As−Sn系酸化物触
媒、Mo−Sn系酸化物触媒、V−Cr系酸化物触媒、
Mo−Bi−Fe−Al系酸化物触媒、Mo−Cr−T
e系酸化物触媒、Mo−Bi−Cr系酸化物触媒、Cr
−Sb−W系酸化物触媒、Mo−Sb−W系酸化物触
媒、Mo−Bi−Cr−Nb系酸化物触媒、Mo−V−
Te系酸化物触媒、Mo−V−Sb系酸化物触媒などを
用いることができるが、特にモリブデン、バナジウム、
及びテルル又はアンチモンのうちの少なくとも一方の元
素を必須成分とする複合金属酸化物触媒が用いられる。
例えば、モリブデン、バナジウム、X、Y及び酸素(X
はテルル及びアンチモンのうちの少なくとも1種、Yは
ニオブ、タンタル、タングステン、チタン、アルミニウ
ム、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウ
ム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白
金、ビスマス、ホウ素、インジウム、リン、ゲルマニウ
ム、希土類元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属から
なる群から選ばれた1種以上の元素を示す)を必須成分
とする複合金属酸化物触媒が好ましい。特に、これら触
媒構成元素の存在割合が、下記式 0.25<rMo<0.98 0.003<rV<0.5 0.003<rX<0.5 0≦rY<0.5 (但し、rMo、rV、rX、rYは酸素を除く上記必
須成分の合計に対するMo、V、X及びYのモル分率を
表わす)で表されるものが好ましい。
【0023】このような触媒は、特開平2−257号公
報、特開平5−148212号公報、特開平5−208
136号公報、特開平6−279351号公報、特開平
9−157241号公報等に記載された方法で製造する
ことができる。反応は、流動床反応器又は固定床反応器
を用いることができるが、反応温度の制御のし易い流動
床反応器を用いることが好ましい。反応温度は通常、2
00〜500℃である。反応は減圧下でも加圧下でも行
いうるが、通常は常圧から0.2MPaGの範囲で行わ
れる。
【0024】反応器から流出する反応ガス中には、通
常、アクリロニトリルの他に、未反応の酸素、原料炭化
水素、アンモニア、並びに副生するアクリル酸、オレフ
ィン酸、一酸化炭素、二酸化炭素、その他の反応生成物
等が含まれている。通常、反応生成ガスからのアクリル
酸の分離は、反応生成ガスを硫酸水溶液で洗浄して未反
応アンモニアを除去し、次いで水で洗浄することにより
アクリロニトリルやアクリル酸を主要液として回収する
ことにより行われる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
によって限定されるものではない。図2は、本発明の一
実施例による気相酸化反応システムの構成を示す。図2
中に参照番号1〜9で示される要素は、図1中の同一参
照番号の要素に対応している。また図2に制御装置10
として示されている要素は、第1の制御手段8と第2の
制御手段9の各機能を有するハードウエアの制御装置を
表わしているが、必ずしも単一の装置である必要はな
い。第1の制御手段8と第2の制御手段9の内部には主
要な処理内容がフローで示されている。制御装置10
は、どのような種類のPID制御装置でもフィードバッ
ク制御装置でもよく、制御変数(CV)を入力として操
作変数(MV)を演算し、出力する。
【0026】図2に示すシステムの主要な構成と動作
は、図1のシステムと同様であり、一つの反応装置1
と、一つ又はそれ以上の分離装置2−A〜2−Nと、リ
サイクルループ3からなり、反応装置1には、炭化水
素、酸素、空気あるいは不活性ガス、及びその他の気相
原料の新規供給分が供給される。反応装置1からの反応
生成物、副生成物、及び不要成分は、分離装置によって
取り出され、あるいは除去される。R点には反応装置1
からの排出流があり、A点には分離装置2−Aからの排
出流があり、以下同様にしてN点には分離装置2−Nか
らの排出流がある。最終のN点の排出流は、供給流の一
部として反応装置1にリサイクルされる。
【0027】第1の制御手段8では、制御変数(CV)
として反応装置入口の合計流量又はR点〜N点のいずれ
か1つ以上の点の排出流の流量をとることができる。流
量は、質量流量、モル流量、体積流量等通常用いられる
流量であればよい。図示の例の場合、第1の制御手段8
は、反応装置1からの排出流の流量をR点で検出し、そ
の検出結果と予め設定されている排出流量の目標値とを
比較して偏差を検出し、検出した偏差量に応じた空気又
は不活性ガスの供給流量に対する操作値を演算する。演
算結果の操作値は、操作変数(MV)として流量指示調
整器6へフィードバックされる。流量指示調整器6で
は、入力された操作変数(MV)の値に基づいて、反応
装置1へ供給する空気又は不活性ガスの流量F3を調整
する。
【0028】第2の制御手段9の処理は、システム中の
酸素濃度を検出して目標とする炭化水素と酸素の流量比
を求める処理と、供給原料ガスの炭化水素と酸素の流量
比を検出してその流量比を目標値に調整するのに必要な
酸素流量の操作値を求める処理の2つからなっている。
【0029】第1の処理では、制御変数(CV)とし
て、R点〜N点のいずれか1つ以上の点の排出流中の酸
素濃度を検出し、検出した酸素濃度と予め設定されてい
る酸素濃度目標値に基づいて操作目標とする炭化水素と
酸素の流量比設定値を求める。図示の例の場合、R点で
反応装置1からの排出流の酸素濃度を検出し、得られた
酸素濃度検出値と予め設定されている酸素濃度目標値と
を比較して偏差を検出し、その偏差量に応じた炭化水素
と酸素の流量比の目標値を演算して次の処理のための設
定値としている。
【0030】第2の処理では、反応装置1への炭化水素
供給流量と酸素供給流量とを検出して炭化水素と酸素の
流量比を求め、求めた炭化水素と酸素の流量比の値と目
標の炭化水素と酸素の流量比設定値とを比較して偏差を
検出し、その偏差量に応じた操作変数(MV)の酸素流
量操作値を演算して流量指示調整器5に送り、変更を指
示する。流量指示調整器5では、指示された操作値に基
づいて反応装置1への酸素供給流量F2を変更する。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、反応装置入口の合計流
量を直接もしくは間接的に調整することにより、各分離
装置への供給流量および各分離装置からの排出流量を所
望値に保つことが可能となる。更に、反応装置出口の酸
素濃度と炭化水素濃度の比を直接もしくは間接的に調整
することにより、結果的に反応装置入口のガス組成を所
望値に保つことが可能となる。これにより、反応装置内
の反応を安定化させることが容易となり、反応転化率、
主製品選択率が安定すると共に、製品や反応生成物の分
離回収装置の運転の安定化も容易となることにより、リ
サイクルループを備えた気相酸化反応システム全体の安
定運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による気相酸化反応システムの基本構成
図である。
【図2】本発明気相酸化反応システムの1実施例構成図
である。
【符号の説明】
1 反応装置 2−A〜2−N 分離装置 3 リサイクルループ 4〜7 流量指示調整器 8 第1の制御手段 9 第2の制御手段 10 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 21/073 C07C 21/073 51/215 51/215 57/145 57/145 253/24 253/24 255/08 255/08 C07D 307/60 C07D 307/60 A (72)発明者 沢木 至 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 (72)発明者 井原 達也 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素、酸素、及び空気あるいは不活
    性ガスを含む原料が供給される少なくとも一つの反応装
    置と、該反応装置に結合された一つ又はそれ以上の分離
    装置と、いずれか一つ以上の分離装置からの排出流を供
    給流の一部として反応装置に戻すリサイクルループとを
    備えた気相酸化反応システムであって、反応装置入口の
    合計流量あるいは該反応装置からの排出流量と、上記一
    つ又はそれ以上の分離装置の各段のいずれか一つ以上か
    らの排出流量との一方又は双方を所望値に制御する第1
    の制御系と、反応装置への全供給流の組成又は反応装置
    出口あるいはいずれか一つ以上の分離装置の出口のガス
    組成の一方または双方を所望値に制御する第2の制御系
    とを並行して設けたことを特徴とする気相酸化反応シス
    テム。
  2. 【請求項2】 炭化水素、酸素、及び空気あるいは不活
    性ガスを含む原料が供給される少なくとも一つの反応装
    置と、該反応装置に結合された一つ又はそれ以上の分離
    装置と、いずれか一つ以上の分離装置からの排出流を供
    給流の一部として反応装置に戻すリサイクルループとを
    備えた気相酸化反応システムの制御方法であって、 第1の制御として、反応装置入口の合計流量あるいは該
    反応装置からの排出流量と、上記一つ又はそれ以上の分
    離装置の各段のいずれか一つ以上からの排出流量との一
    方あるいは双方を、気相酸化反応システムへ供給する空
    気又は不活性ガスの流量を変更することにより所望値に
    制御し、 さらに第2の制御として、反応装置からの排出流と、上
    記一つ又はそれ以上の分離装置の各段のいずれかからの
    排出流との一方あるいは双方における酸素濃度を、気相
    酸化反応システムへ供給する炭化水素及び酸素の流量比
    に基づき、気相酸化反応システムへ供給する炭化水素の
    流量又は酸素の流量を変更することにより所望値に制御
    する、ことを特徴とする気相酸化反応システムの制御方
    法。
  3. 【請求項3】 炭化水素、酸素、及び空気あるいは不活
    性ガスを含む原料が供給される少なくとも一つの反応装
    置と、該反応装置に結合された一つ又はそれ以上の分離
    装置と、いずれか一つ以上の分離装置からの排出流を供
    給流の一部として反応装置に戻すリサイクルループとを
    備えた気相酸化反応システムの制御装置であって、 反応装置入口の合計流量あるいは該反応装置からの排出
    流量と、上記一つ又はそれ以上の分離装置の各段のいず
    れか一つ以上からの排出流量との一方あるいは双方を、
    気相酸化反応システムへ供給する空気又は不活性ガスの
    流量を変更することにより所望値に制御する第1の制御
    手段と、 反応装置からの排出流と、上記一つ又はそれ以上の分離
    装置の各段のいずれかからの排出流との一方あるいは双
    方における酸素濃度を、気相酸化反応システムへ供給す
    る炭化水素及び酸素の流量比に基づき、気相酸化反応シ
    ステムへ供給する炭化水素の流量又は酸素の流量を変更
    することにより所望値に制御する第2の制御手段と、を
    有することを特徴とする気相酸化反応システムの制御装
    置。
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