JP2001122695A - 単結晶製造方法 - Google Patents

単結晶製造方法

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JP2001122695A
JP2001122695A JP30276799A JP30276799A JP2001122695A JP 2001122695 A JP2001122695 A JP 2001122695A JP 30276799 A JP30276799 A JP 30276799A JP 30276799 A JP30276799 A JP 30276799A JP 2001122695 A JP2001122695 A JP 2001122695A
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JP30276799A
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Takeshi Nomachi
健 野町
Masataka Horai
正隆 宝来
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶径方向で二次欠陥のない無欠陥部を、効
率よく安定的に育成する。 【解決手段】 結晶中心部にOSFが生じはじめる結晶
引上げ速度をV0 として、V0 を超える定常速度で結晶
育成を行う。定常育成中に、結晶引上げ速度を0又はV
0 未満の極低速として育成を疑似停止する。空孔が優勢
となるVリッチ領域と格子間原子が優勢となるIリッチ
領域が結晶軸方向に形成され、両者の境界部で空孔と格
子間原子の対消滅により無欠陥部が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CZ法によるシリ
コン単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体デバイスの高集積化が急速
に進行しており、その素材であるシリコンウエーハに要
求される特性はますます厳しくなっている。高集積デバ
イスにおいては、デバイスが形成される所謂デバイス活
性領域に結晶欠陥等のないことが要求される。デバイス
活性領域に結晶欠陥、或いはドーパント以外の金属不純
物が含まれていると、リーク電流の増大や絶縁酸化膜耐
圧特性の劣化といったデバイス特性の劣化が生じる。
【0003】シリコンウエーハの素材であるシリコン単
結晶の製造にはCZ法が多用されているが、従来のCZ
法により製造されたシリコン単結晶中には、原子空孔に
起因する八面体状ボイド欠陥や酸化誘起積層欠陥(OS
F)などの結晶欠陥が含まれていた。
【0004】シリコン単結晶中の結晶欠陥については、
図6に示すように、結晶引上げ速度と密接な関係のある
ことが知られており、結晶引上げ速度が十分に大きいと
きは、結晶中に空孔が増え、空孔に起因する八面体状ボ
イド欠陥が結晶径方向の全域に発生する。結晶引上げ速
度を小さくすると、八面体状ボイド欠陥の発生領域が狭
くなり、結晶外周部に空孔に起因するOSFがリング状
に生じる。結晶引上げ速度を更に小さくすると、八面体
状ボイド欠陥及びOSFが発生する領域が結晶中心部に
向かって小さくなるが、その一方では、OSFの外側で
シリコンの格子間原子が増え、この格子間原子に起因す
る転位クラスタなどが発生する。結晶引上げ速度を更に
小さくすると、OSF及び八面体状ボイド欠陥が結晶中
心部で消滅し、代わって結晶径方向の全域で転位クラス
タが発生する。
【0005】このような傾向を踏まえ、低速で結晶を育
成することによって八面体状ボイド欠陥やOSFの少な
い単結晶を製造する方法が、例えば特開平2−2671
95号公報及び特開平6−271388号公報により提
示されている。また、OSFの外側に僅かにいずれの欠
陥も生じない無欠陥領域が存在することに着目して、結
晶引上げ速度と結晶軸方向の温度勾配との比であるV/
G値を結晶半径方向で制御することにより、径方向全域
で無欠陥の単結晶を製造する方法が特開平8−3303
16号公報により提示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の単結晶製造方法には以下の問題がある。
【0007】低速で結晶を育成する特開平2−2671
95号では、生産性が悪い上に、格子間原子に起因する
転位クラスタなどの二次欠陥が結晶径方向の全域に発生
する。
【0008】特開平6−271388号では、低速育成
が基本とされるが、低速育成中に引上げ速度を上げても
直ぐには空孔に起因するOSFなどが発生しないという
ヒステリシスの利用により、低速育成中に引上げ速度を
一時的に上げ、新たなボイド欠陥の発生前にその速度を
元に戻すという操作が繰り返され、これにより、空孔に
起因する二次欠陥の発生が防止される。
【0009】特開平2−267195号に比べると生産
性は改善されるが、基本は低速育成にあり、空孔に起因
するボイド欠陥の発生防止にあるため、程度の差はあれ
格子間原子に起因する二次欠陥が結晶半径方向の全域に
発生する。
【0010】これらに対し、特開平8−330316号
では、空孔に起因する二次欠陥も格子間原子に起因する
二次欠陥も結晶半径方向で排除され、生産性も比較的良
好である。しかし、この方法を実操業で実施するために
は、特定のホットゾーンを構成し、且つ、引上げ速度を
非常に狭い範囲内に管理する必要があり、その速度が少
しでも外れるとOSFや転位クラスタが発生する。この
ため、実操業での安定性・再現性に問題がある。
【0011】本発明の目的は、引上げ速度の微小な変動
に影響されることなく、結晶半径方向の全域で安定的に
両方の欠陥を排除でき、しかも生産性に比較的優れた単
結晶製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の単結晶製造方法は、CZ法によるシリコン
単結晶の製造方法において、単結晶中に空孔が優勢とな
るVリッチ領域を形成する第1の操作と、当該単結晶中
に格子間シリコン原子が優勢となるIリッチ領域を形成
する第2の操作とを交互に行うものである。
【0013】空孔及び格子間原子に各起因する二次欠陥
を結晶径方向全域で排除するために、これまでは特開平
8−330316号のように結晶径方向の欠陥分布が注
目され、且つ、二次欠陥の原因である空孔及び格子間原
子の発生量の低減に主眼が置かれていた。しかし、結晶
化直後の高温度域で生じた空孔及び格子間原子は、その
後の冷却、換言すれば引上げ軸方向の時間的経過を経て
二次欠陥を形成する。この二次欠陥形成温度は1200
〜1100℃である。
【0014】即ち、結晶引上げ速度を比較的大きくし、
結晶内に空孔を多く発生させた場合、その空孔は、結晶
温度が1200〜1100℃程度に低下するまでの高温
域、固液界面からの距離で20〜30mmの領域を経て
二次欠陥を生じる。格子間原子に起因する二次欠陥につ
いても、固液界面直上の高温域を経て発生する。この固
液界面直上の高温域では、空孔も格子間原子も共に拡散
が活発であり、両者が共存した場合、相互拡散により両
者が対消滅し、これらの濃度が顕著に低下することを期
待できる。
【0015】本発明者らはこの点に着目し、種々の実験
を繰り返した結果、空孔が多く生じる比較的高速の育成
にあっても、その育成途中に引上げ速度を0近くまで下
げて育成を実質的に停止するならば、その停止中に格子
間原子が多く生じ、その結果、速度変更点の近傍では、
先の高速育成で多く生じた結晶中の空孔が、後の育成停
止中に多く生じる格子間原子で対消滅し、両者が二次欠
陥が発生しないような低濃度に低減されることを知見し
た。
【0016】本発明の単結晶製造方法は、この知見に基
づいて開発されたものであり、単結晶中に空孔が優勢と
なるVリッチ領域を形成する第1の操作と、当該単結晶
中に格子間シリコン原子が優勢となるIリッチ領域を形
成する第2の操作とを交互に行うことにより、結晶径方
向全域で二次欠陥のない無欠陥部を引上げ軸方向で連続
的或いは間欠的に育成するものである。
【0017】即ち、本発明の単結晶製造方法によると、
育成結晶の引上げ軸方向に、空孔が優勢となるVリッチ
領域と、格子間原子が優勢となるIリッチ領域とが交互
に形成される。Vリッチ領域とIリッチ領域が隣接する
部分では、二次欠陥形成温度に冷却されるまでの間、空
孔と格子間原子の相互拡散が進み、両者の濃度が二次欠
陥が発生しないような低濃度に低減される。このため、
二次欠陥のない無欠陥部が引上げ軸方向で連続的或いは
間欠的に育成される。
【0018】また、空孔と格子間原子の消滅を利用する
ため、これらの点欠陥が量的に多少バラツキついても、
無欠陥部の育成が不可能になることはない。このため、
引上げ速度の微小な変動に影響されることなく、安定な
育成が可能になる。
【0019】二次欠陥形成温度に冷却されるまでの高温
域にVリッチ領域とIリッチ領域を共存させるために、
原料融液から引上げられる単結晶が1100℃、好まし
くは1200℃に冷却されるまでの間に両操作を少なく
とも1回繰り返すことが望ましい。
【0020】両操作の繰り返しを頻繁に行い、先に形成
された領域の全体が、二次欠陥形成温度に冷却されるま
での高温域に存在する間に、次の領域を形成するなら
ば、引上げ軸方向の全体で無欠陥部を育成できる。
【0021】結晶中心部にOSF(酸化誘起積層欠陥)
が生じ始める結晶引上げ速度を臨界速度V0 としたと
き、Vリッチ領域を形成する第1の操作として、結晶引
上げ速度が臨界速度V0 を超える定常育成を行い、Iリ
ッチ領域を形成する第2の操作として、結晶引上げ速度
が0又は臨界速度V0 未満の極低速である育成停止又は
疑似停止を行うのが、実際の操作としては容易で望まし
い。
【0022】育成停止又は疑似停止を挟んで定常育成を
繰り返すことにより、二次欠陥のない無欠陥結晶を引上
げ軸方向で連続的或いは間欠的に簡単に育成できる。
【0023】本発明の単結晶製造方法での好ましい結晶
育成条件は以下の通りである。
【0024】定常育成での結晶引上げ速度VはV0 ×
1.1≦V≦V0 ×1.5の範囲が好ましい。V0 ×
1.1>Vの場合は生産性に悪影響を与えるだけでな
く、定常育成速度と育成停止又は疑似停止時の育成速度
との速度変化が小さくなることから、無欠陥結晶の育成
が困難となり、これを回避するためには頻繁に育成停止
又は疑似停止を行わなければならず、安定な引上げ速度
制御が難しくなる。V>V0×1.5の場合は生産性は
良好であるが、引上げ速度が速いために、単結晶外径を
真円に保つことが難しくなる。
【0025】定常育成での結晶育成長は30〜100m
mが好ましい。30mm未満の場合は引上げ速度変化を
頻繁に行う必要があるため、高精度な引上げ速度制御が
要求され、その安定制御が難しくなる。100mm超の
場合はVリッチ領域とIリッチ領域との間隔が長くなり
すぎて、空孔と格子間原子の相互拡散が進まず、点欠陥
濃度が十分に下がらなくなり、ボイド欠陥や転位クラス
タが局所的に発生する可能性がある。
【0026】育成停止又は疑似停止での引上げ速度はV
0 ×0.2≦V≦V0 ×0.8の範囲が好ましい。即
ち、育成の完全停止より疑似停止が好ましく、その速度
はV0×0.2≦V≦V0 ×0.8が好ましい。V0 ×
0.2>Vの場合は引上げ時間が長くなり、生産性に悪
影響を与えるだけでなく、単結晶に有転位化が生じる可
能性が高くなる。V>V0 ×0.8の場合は生産性は良
好であるが、引上げ速度変化を頻繁に行う必要があるた
め、高精度な引上げ速度制御が要求され、その安定制御
が難しくなる。
【0027】育成停止又は疑似停止での停止時間は5〜
100分が好ましい。5分未満の場合は生産性は良好で
あるが、育成停止又は疑似停止を頻繁に繰り返すことが
必要になり、引上げ制御が難しくなる。100分を超え
る場合は生産性に悪影響を与えるだけでなく、Vリッチ
領域が増大し、無欠陥結晶部が抑制される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の単結晶製造方法の実
施に適した単結晶育成装置の概略構成図、図2は二次欠
陥消滅の原理を説明するための概念図、図3(a)
(b)〜図5(a)(b)は引上げ速度変化と二次欠陥
分布との関係を示し、(a)は引上げ速度パターン図、
(b)は結晶断面の欠陥分布図である。
【0029】単結晶育成装置は、図1に示すように、炉
体としてメインチャンバ1と、その上に重ねられた小径
のプルチャンバ2とを備えている。メインチャンバ1内
には、シリコンの原料融液9を収容するルツボ3が配置
されている。ルツボ3は内側の石英ルツボと外側の黒鉛
ルツボとを組み合わせた二重構造であり、ペディスタル
と呼ばれる支持軸4の上に設置されている。支持軸4は
ルツボ3の回転及び昇降を行うために周方向及び軸方向
に駆動される。ルツボ3の外側には、原料融液10の形
成及びその温度制御を行うために、環状のヒータ5が配
置され、その更に外側には、図示されない断熱材がメイ
ンチャンバの内面に沿って配置されている。
【0030】一方、プルチャンバ2の上部には引上げ機
構6が設けられている。引上げ機構6は、プルチャンバ
2内を通ってメインチャンバ1内に垂らした引上げ軸と
してのワイヤ7を所定の速度で回転させながら引上げ
る。ワイヤ7は種結晶が装着されるシードチャック8を
下端部に保持している。
【0031】結晶育成操作では、まず炉体内を所定の雰
囲気に保持してルツボ3内にシリコンの原料融液9を形
成する。次いで、シードチャック8に装着された種結晶
を原料融液9に漬ける。その後、ルツボ3及びワイヤ7
を同方向又は逆方向に回転させながらワイヤ7を所定の
パターンで上昇させ、種結晶の下方にシリコンの単結晶
10を肩部11、ボディ部12の順に育成する。
【0032】ボディ部12の育成では、まず定常の引上
げ速度で定常育成を行う。ここにおける引上げ速度V
は、結晶中心部にOSF(酸化誘起積層欠陥)が生じ始
める結晶引上げ速度を臨界速度V0 として、V0 を超え
る速度に設定される。これにより、原料融液10から
は、図2(a)のように、空孔が優勢となるVリッチ領
域の結晶が引上げられる。Vリッチ領域は、二次欠陥形
成温度である1100℃より低温に冷却されると、OS
Fや八面体状ボイドを生じる。
【0033】従って、このまま定常育成を続けると、育
成結晶は空孔に起因するOSFを中心部に生じ、引上げ
速度Vによってはリング状のOSFの内側に八面体状ボ
イドを生じる。
【0034】そこで、本発明の単結晶製造方法では、定
常育成途中に育成の疑似停止を行う。疑似停止での引上
げ速度はV0 未満の極低速に設定される。
【0035】疑似停止が始まると、図2(b)のよう
に、結晶中に格子間原子が多く発生し、Iリッチ領域が
形成される。格子間原子の発生量は、疑似停止での引上
げ速度Vが遅いほど、また停止時間が長いほど多くな
る。
【0036】疑似停止を続けると、図2(c)のよう
に、二次欠陥発生温度である1100℃、好ましくは1
200℃より高温の結晶中では、先に生じた空孔と今生
じている格子間原子が相互拡散し、対消滅することによ
り、これらの点欠陥濃度は二次欠陥を生じない低濃度に
なる。
【0037】疑似停止によって結晶中に十分な量の格子
間原子を発生させた後、定常育成を再開する。これによ
り、再度、空孔が増えるが、図2(d)のように、二次
欠陥発生温度である1100℃、好ましくは1200℃
より高温の結晶中では、先に生じた格子間原子と今生じ
ている空孔が相互拡散し、対消滅することにより、これ
らは二次欠陥を生じない低濃度になる。このため、Iリ
ッチ領域の上下に二次欠陥を生じない低濃度領域が形成
される。
【0038】このまま定常育成を続けると、図2(e)
のように、Iリッチ領域は二次欠陥形成温度である11
00℃より低温に冷却され、転位クラスタを生じる。そ
の結果、育成結晶の引上げ軸方向の一部に、転位クラス
タを挟んで2つの無欠陥部が形成される。無欠陥部で
は、言うまでもなく結晶径方向の全域でOSF・八面体
状ボイド及び転位クラスタは存在しない。
【0039】ここで、定常育成再開後に再び疑似停止を
行い、これを繰り返すならば、育成結晶の引上げ軸方向
で、転位クラスタとOSF・八面体状ボイドとを交互に
挟んで3箇所以上の無欠陥部を形成することができる。
【0040】疑似停止時間及び疑似停止間隔(定常育成
長)を更に短くするならば、引上げ軸方向に連続した無
欠陥部を形成することができる。
【0041】図2では、Iリッチ領域を形成するために
疑似停止を行ったが、引上げ速度が0の育成停止を行う
ことも可能である。
【0042】図3は、育成結晶の引上げ軸方向の一部
に、転位クラスタを挟んで2箇所の無欠陥部を形成した
操業例を示している。
【0043】ここでは、定常育成の途中に引上げ速度が
0の育成停止を1回実施した。定常育成での引上げ速度
VはV0 ×1.3、育成停止時間は60分とした。ちな
みに、臨界速度V0 は約0.35mm/分である。育成
停止位置に転位クラスタが発生したが、その上下にはO
SF・八面体状ボイドも転位クラスタもない無欠陥部が
形成された。
【0044】図4は、育成結晶の引上げ軸方向に3箇所
以上の無欠陥部を形成した操業例を示している。
【0045】ここでは、定常育成の途中に疑似停止を育
成結晶長100mm毎に1回ずつ実施した。定常育成で
の引上げ速度VはV0 ×1.3、疑似停止での引上げ速
度は0.2mm/分、疑似停止時間は約80分とした。
ちなみに、臨界速度V0 は約0.35mm/分である。
OSF・八面体状ボイドと転位クラスタが交互に形成さ
れたが、その間にOSF・八面体状ボイドも転位クラス
タもない無欠陥部が形成された。各無欠陥部の長さは約
30mmであった。
【0046】図5は、引上げ軸方向に連続した無欠陥部
を形成した操業例を示している。
【0047】ここでは、定常育成の途中に疑似停止を育
成結晶長60mm毎に1回ずつ実施した。定常育成での
引上げ速度VはV0 ×1.3、疑似停止での引上げ速度
は0.2mm/分、疑似停止時間は50分とした。ちな
みに、臨界速度V0 は約0.35mm/分である。ボデ
ィのトップ部を除き、OSF・八面体状ボイドも転位ク
ラスタもない無欠陥部が連続して形成された。
【0048】いずれの操業例でも、通常の引上げ操業に
不可避な±5%程度の速度変動が生じたが、この速度変
動は無欠陥部の形成に決定的な影響を与えるものではな
かった。
【0049】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明の単結晶製
造方法は、単結晶中に空孔が優勢となるVリッチ領域を
形成する第1の操作と、当該単結晶中に格子間シリコン
原子が優勢となるIリッチ領域を形成する第2の操作と
を交互に行うことにより、結晶径方向全域で二次欠陥の
ない無欠陥部を引上げ軸方向で連続的或いは間欠的に育
成することができる。また、その育成を、引上げ速度の
微小な変動に影響されることなく安定的に行うことがで
きる。更に、比較的高速の定常育成を基本にできるの
で、生産性の悪化を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単結晶製造方法の実施に適した単結晶
育成装置の構成図である。
【図2】二次欠陥消滅の原理を説明するための概念図で
ある。
【図3】引上げ速度変化と二次欠陥分布との関係を示
し、(a)は引上げ速度パターン図、(b)は結晶断面
の欠陥分布図である。
【図4】引上げ速度変化と二次欠陥分布との関係を示
し、(a)は引上げ速度パターン図、(b)は結晶断面
の欠陥分布図である。
【図5】引上げ速度変化と二次欠陥分布との関係を示
し、(a)は引上げ速度パターン図、(b)は結晶断面
の欠陥分布図である。
【図6】引上げ速度と結晶欠陥分布の関係を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 メインチャンバ 2 プルチャンバ 3 ルツボ 4 支持軸 5 ヒータ 6 引上げ機構 7 ワイヤ 8 シードチャック 9 原料融液 10 単結晶 11 肩部 12 ボディ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA02 BA04 CF10 EH09 5F053 AA12 AA13 BB04 BB08 BB13 BB15 DD01 FF04 GG01 RR03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CZ法によるシリコン単結晶の製造方法
    において、単結晶中に空孔が優勢となるVリッチ領域を
    形成する第1の操作と、当該単結晶中に格子間シリコン
    原子が優勢となるIリッチ領域を形成する第2の操作と
    を交互に行うことを特徴とする単結晶製造方法。
  2. 【請求項2】 原料融液から引上げられる単結晶が11
    00℃に冷却されるまでの間に、両方の操作を少なくと
    も1回繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の単結
    晶製造方法。
  3. 【請求項3】 結晶中心部に酸化誘起積層欠陥が生じ始
    める結晶引上げ速度を臨界速度V0 とし、Vリッチ領域
    を形成する第1の操作として、結晶引上げ速度が臨界速
    度V0 を超える定常育成を行い、Iリッチ領域を形成す
    る第2の操作として、結晶引上げ速度が0又は臨界速度
    0 未満の極低速である育成停止又は疑似停止を行うこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の単結晶製造方
    法。
  4. 【請求項4】 育成停止又は疑似停止を挟んで定常育成
    を繰り返すことを特徴とする請求項3に記載の単結晶製
    造方法。
  5. 【請求項5】 定常育成での結晶育成長を30〜100
    mmとし、育成停止又は疑似停止での停止時間を5〜1
    00分とすることを特徴とする請求項3又は4に記載の
    単結晶製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005097049A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 Toshiba Corp シリコン単結晶の製造方法
WO2009104532A1 (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 株式会社Sumco シリコン単結晶成長方法

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