JP2001121763A - プリンタおよびその用紙切断方法 - Google Patents

プリンタおよびその用紙切断方法

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JP2001121763A JP30461499A JP30461499A JP2001121763A JP 2001121763 A JP2001121763 A JP 2001121763A JP 30461499 A JP30461499 A JP 30461499A JP 30461499 A JP30461499 A JP 30461499A JP 2001121763 A JP2001121763 A JP 2001121763A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙搬送を停止することなく、四隅切断部の
直角性および色ズレ防止を確保する。 【解決手段】 テンションローラ23a〜23dにより
張力を付与した用紙3を搬送しながら所定の色で印画
し、該印画した用紙3を排紙ローラ6により排紙した後
に切断するプリンタ16の用紙切断方法であって、前記
用紙搬送を継続しつつ排紙ローラ6による用紙3の排紙
を停止させて用紙3を切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばサーマルヘ
ッドを用いて、画像を印画するプリンタおよびその用紙
切断方法に関し、特に、用紙切断面の直角性を確保する
とともに、色ズレやが少なくなるようにしたプリンタお
よびその用紙切断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、カラープリンタとして
は、熱転写式プリンタが多く用いられている。この熱転
写式プリンタは、インクリボンを記録用紙に重ね、イン
クリボンの背後からサーマルヘッドを押し当てて加熱
し、インクリボンのインクを記録用紙に転写するもので
ある。上記熱転写式カラープリンタにおいては、近年、
プリントに要する時間の短縮化のためにプリント処理の
高速化が強く望まれている。
【0003】そこで、プリント処理の高速化のためにサ
ーマルヘッドを複数、例えば3本直列に搭載したカラー
プリンタが提供されている。このカラープリンタには、
単色のインクリボン、具体的にはイエローリボン、マゼ
ンダリボン、シアンリボンが配置され、記録用の用紙に
は、ロール紙(あるいは長尺のカット紙)が用いられ
る。そして、フィードローラによって引き出された用紙
は、各サーマルヘッドによりイエロー、マゼンダ、シア
ンの各色を順次印画された後、オーバーコート部でオー
バーコートされる。オーバーコートされた用紙は、排紙
ローラでカッターへ送られて所定の長さに切断される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のプリンタおよびその用紙切断方法には、
以下のような問題が存在する。プリント処理の高速化の
ために用紙搬送と用紙切断とを並行して行った場合、切
断に伴いカッターから用紙に伝わる力により、プリント
部において色ズレが発生するという問題があった。ま
た、用紙搬送中に切断することで、切断位置も安定しな
いため用紙四隅が直角にならず、用紙が長方形ではなく
平行四辺形になってしまうという問題もあった。
【0005】そのため、用紙切断は、用紙搬送を停止し
た状態で行わざるを得ず、プリント処理に要するトータ
ル時間が長くなるという問題があった。
【0006】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、用紙搬送を停止することなく、四隅切断部
の直角性および色ズレ防止を確保できるをプリンタおよ
びその用紙切断方法提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下の構成を採用している。請求項1記
載のプリンタの用紙切断方法は、テンションローラによ
り張力を付与した用紙を搬送しながら印画し、該印画し
た用紙を排紙ローラにより排紙した後に切断するプリン
タの用紙切断方法であって、前記用紙搬送を継続しつつ
前記排紙ローラによる前記用紙の排紙を停止させて前記
用紙を切断することを特徴とするものである。
【0008】従って、本発明のプリンタの用紙切断方法
では、用紙搬送を継続しながら用紙を切断するため、用
紙切断に要する時間を短縮することができる。用紙切断
の際には、排紙ローラによる用紙の排紙を停止している
ので、テンションローラと排紙ローラとの間の用紙が撓
み、切断に伴いカッターから用紙に伝わる力はこの撓み
で吸収される。そのため、記録部で用紙に色ズレが発生
することを防止できるとともに、切断位置も安定して四
隅切断部の直角性を確保できる。
【0009】請求項2記載のプリンタの用紙切断方法
は、請求項1記載のプリンタの用紙切断方法において、
前記テンションローラおよび前記排紙ローラにおける前
記用紙の挟持圧力を所定値以上にそれぞれ設定すること
を特徴とするものである。
【0010】従って、本発明のプリンタの用紙切断方法
では、用紙切断に伴いカッターから用紙に伝わる力が記
録部へ到ることを遮断できる。そのため、用紙剛性によ
り、記録部で用紙に色ズレが発生することを抑制でき
る。
【0011】請求項3記載のプリンタの用紙切断方法
は、請求項1または2記載のプリンタの用紙切断方法に
おいて、前記テンションローラと前記排紙ローラとの間
の前記用紙に対して、所定値以上の挟持圧力で挟持する
とともに、前記テンションローラが付与する張力よりも
小さい張力を付与することを特徴とするものである。
【0012】従って、本発明のプリンタの用紙切断方法
では、用紙切断に伴いカッターから用紙に伝わる力を、
テンションローラと排紙ローラとの間で遮断することが
できる。また、テンションローラと排紙ローラとの間に
伝わった力がテンションローラに到達したとしても、テ
ンションローラにおける張力の方が大きいため、テンシ
ョンローラへ与える影響を微小なものにできる。
【0013】請求項4記載のプリンタの用紙切断方法
は、請求項1または2記載のプリンタの用紙切断方法に
おいて、前記テンションローラと前記排紙ローラとの間
の前記用紙を一方向に向けて進退自在に押圧することを
特徴とするものである。
【0014】従って、本発明のプリンタの用紙切断方法
では、用紙を進退自在に押圧することで、排紙ローラが
停止したときに起こる用紙変形を吸収することができ
る。そのため、用紙剛性により、記録部で用紙に色ズレ
が発生することを抑止できる。
【0015】請求項5記載のプリンタは、テンションロ
ーラにより張力を付与されて搬送される用紙を印画する
記録部と、該記録部で印画された前記用紙を排紙する排
紙ローラと、該排紙ローラで排紙された前記用紙を切断
する切断部とを備えたプリンタであって、前記用紙搬送
を継続しつつ前記排紙ローラによる前記用紙の排紙を停
止させて前記用紙を切断するように、前記記録部、前記
排紙ローラおよび前記切断部の作動タイミングを制御す
る制御装置を備えることを特徴とするものである。
【0016】従って、本発明のプリンタでは、用紙搬送
を継続しながら用紙を切断するため、用紙切断に要する
時間を短縮することができる。用紙切断の際には、排紙
ローラによる用紙の排紙を停止しているので、テンショ
ンローラと排紙ローラとの間の用紙が撓み、切断に伴い
カッターから用紙に伝わる力はこの撓みで吸収される。
そのため、記録部で用紙に色ズレが発生することを防止
できるとともに、切断位置も安定して四隅切断部の直角
性を確保できる。
【0017】請求項6記載のプリンタは、請求項5記載
のプリンタにおいて、前記テンションローラおよび前記
排紙ローラにおける前記用紙の挟持圧力を所定値以上に
それぞれ設定することを特徴とするものである。
【0018】従って、本発明のプリンタでは、用紙切断
に伴いカッターから用紙に伝わる力が記録部へ到ること
を遮断できる。そのため、用紙剛性により、記録部で用
紙に色ズレが発生することを抑制できる。
【0019】請求項7記載のプリンタは、請求項5また
は6記載のプリンタにおいて、前記テンションローラと
前記排紙ローラとの間の前記用紙に対して、所定値以上
の挟持圧力で、前記テンションローラが付与する張力よ
りも小さい張力を付与する遮断ローラが設けられること
を特徴とするものである。
【0020】従って、本発明のプリンタでは、用紙切断
に伴いカッターから用紙に伝わる力を、テンションロー
ラと排紙ローラとの間で遮断することができる。また、
テンションローラと排紙ローラとの間に伝わった力がテ
ンションローラに到達したとしても、テンションローラ
における張力の方が大きいため、テンションローラへ与
える影響を微小なものにできる。
【0021】請求項8記載のプリンタは、請求項5また
は6記載のプリンタにおいて、前記テンションローラと
前記排紙ローラとの間の前記用紙を一方向に向けて進退
自在に押圧する用紙押さえ機構を有することを特徴とす
るものである。
【0022】従って、本発明のプリンタでは、排紙ロー
ラが停止したときに起こる用紙変形を用紙押さえ機構が
進退して吸収することができる。そのため、用紙剛性に
より、記録部で用紙に色ズレが発生することを抑止でき
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプリンタおよびそ
の用紙切断方法の実施の形態を、図1を参照して説明す
る。ここでは、例えば、記録部が用紙3に対してイエロ
ーY、マゼンダM、シアンCの三色を個別に印画するカ
ラープリンタを用いる場合の例を用いて説明する。図1
は、本発明の実施の形態に係るカラープリンタ(プリン
タ)16の概略構成図である。
【0024】カラープリンタ16は、上流側から下流側
に向かって用紙ロール2と、用紙ガイドローラ17,1
8と、用紙3を搬送するフィードローラ19と、記録用
の用紙3の通過域に沿って配置され、該用紙3に対して
イエローY、マゼンダM、シアンCの各色をそれぞれ個
別に印画(記録)するプリント部(記録部)1a、1
b、1cと、後処理であるオーバーコートを行うオーバ
ーコート部(記録部)1dと、用紙3を排紙するための
排紙ローラ6と、用紙を所定長さに切断するカッター
(切断部)8と、プリント済み用紙を保持するホルダ2
2とが順次配設されている。
【0025】そして、フィードローラ19には、用紙3
を挟んでピンチローラ20が対向配置されており、また
排紙ローラ6には、用紙3を挟んでピンチローラ7が対
向配置されている。フィードローラ19は、表面に微小
突起を有しており、パルスモータ21によって回転駆動
する構成になっている。なお、以下の説明においては、
対を成すフィードローラ19とピンチローラ20、およ
び排紙ローラ6とピンチローラ7を適宜フィードローラ
対19、20および排紙ローラ対6、7と称する。
【0026】各プリント部1a、1b、1cには、サー
マルヘッド(熱記録ヘッド)9a〜9cと、該サーマル
ヘッド9a〜9cに対向配置されたプラテンローラ10
a〜10cと、各色のインクリボン(単色インクリボ
ン)11a〜11cをサーマルヘッド9a〜9cに供給
するインクリボン供給ロール12a〜12cと、各イン
クリボン11a〜11cを巻き取るインクリボン巻取り
ロール13a〜13cとがそれぞれ配設されている。イ
ンクリボン11aはY色を、インクリボン11bはM色
を、インクリボン11cはC色をそれぞれ有している。
【0027】プリント部1aの下流側には、該プリント
部1aに搬送された用紙3に張力を付与するテンション
ローラ23aと、該テンションローラ23aに対向配置
されたピンチローラ24aが設けられている。同様に、
プリント部1b、1cの下流側には、各プリント部1
b、1cに搬送された用紙3に張力を付与するテンショ
ンローラ23b、23cと、各テンションローラ23
b、23cに対向配置されたピンチローラ24b、24
cとが設けられている。
【0028】これらテンションローラ23a〜23c
は、図示しないDCモータの電圧制御により所定の張力
を有した状態で回転駆動するとともに、任意のタイミン
グでこの張力をそれぞれ切り替えられる構成になってい
る。
【0029】一方、プリント部1a、1b、1cと同様
に、オーバーコート部1dには、サーマルヘッド9d、
プラテンローラ10d、オーバーコートリボン11d、
オーバーコートリボン11dをサーマルヘッド9dに供
給するオーバーコートリボン供給ロール12dおよびオ
ーバーコートリボン11dを巻き取るオーバーコートリ
ボン巻取りロール13dが配設されている。
【0030】そして、オーバーコート部1dの下流側に
は、該オーバーコート部1dに搬送された用紙3に張力
を付与するテンションローラ23dと、該テンションロ
ーラ23dに対向配置されたピンチローラ24dとが設
けられている。このテンションローラ23dも、図示し
ないDCモータの電圧制御により所定の張力を有した状
態で回転駆動するとともに、任意のタイミングでこの張
力をそれぞれ切り替えられる構成になっている。なお、
以下の説明においては、対を成すテンションローラ23
a〜23dとピンチローラ24a〜24dとを適宜テン
ションローラ対と称する。
【0031】ここで、テンションローラ対23d、24
dおよび排紙ローラ対6、7は、用紙3の大きさに応じ
てピンチ押圧力(挟持力)が十分大きく設定されてい
る。例えば、用紙3がA6サイズのときは2.94N
(0.3kg)以上、A5サイズのときは3.92N
(0.4kg)以上、A4サイズのときは4.90N
(0.5kg)以上の圧力に設定される。また、押圧力
が大きくなると各ローラの撓み量も大きくなるため、ロ
ーラの剛性を高めるために各ローラ軸径も用紙3の大き
さに応じて下限値を設定する。例えば、用紙3がA6サ
イズのときは4.0mm、A5サイズのときは4.5m
m、A4サイズのときは5.5mm以上にローラの軸径
を設定する。また、排紙ローラ対6、7は、テンション
ローラ対23a〜23d、24a〜24dに比較して、
回転トルクがより小さく、回転速度がより大きく設定さ
れている。
【0032】また、上記パルスモータ21、プリント部
1a〜1c、オーバーコート部1d、フィードローラ対
19、20、テンションローラ対23a〜23d、24
a〜24d、排紙ローラ対6、7、カッター8等の作動
および作動タイミングは、図示しない制御装置により制
御される。
【0033】上記の構成を有するカラープリンタを用い
て用紙3に印画する工程を以下に説明する。まず、用紙
ロール2から引き出された用紙3の先端は、図示しない
搬送機構によって、用紙ガイドローラ17,18を経由
してフィードローラ19とピンチローラ20との間に搬
送される。ここで、用紙3は、フィードローラ19とピ
ンチローラ20との間で挟持されるとともに、パルスモ
ータ21の作動により所定の搬送量で回転駆動するフィ
ードローラ19によって、プリント部1aのサーマルヘ
ッド9aとプラテンローラ10aとの間を経て、テンシ
ョンローラ23aとピンチローラ24aとの間まで搬送
される。
【0034】ここで、サーマルヘッド9aが用紙3を挟
んでプラテンローラ10aに圧接されるとともに、ピン
チローラ24aが用紙3を挟んでテンションローラ23
aに圧接される。そして、テンションローラ23aがD
Cモータの作動により、用紙3に一定の張力を付与する
ように駆動されるとともに、Y色インクリボン11aが
プリント速度に同期して用紙3と一体に下流側へ送ら
れ、サーマルヘッド9aにより用紙3にY色画像がプリ
ントされる。送られたインクリボン11aは、インクリ
ボン巻取りロール13aで巻き取られる。
【0035】Y色画像のプリントが終了すると、用紙3
の先端は、プリント部1bのサーマルヘッド9bとプラ
テンローラ10bとの間を経て、テンションローラ23
bとピンチローラ23bとの間に搬送される。ここで、
サーマルヘッド9bが用紙3を挟んでプラテンローラ1
0bに圧接されるとともに、ピンチローラ24bが用紙
3を挟んでテンションローラ23bに圧接される。
【0036】そして、DCモータの作動により、テンシ
ョンローラ23bが用紙3に一定の張力を付与するよう
に駆動されるとともに、M色インクリボン11bがプリ
ント速度に同期して用紙3と一体に下流側へ送られ、サ
ーマルヘッド9bにより用紙3にM色画像がプリントさ
れる。送られたインクリボン11bは、インクリボン巻
取りロール13bで巻き取られる。また、サーマルヘッ
ド9bにおけるM色画像プリントと同時に、サーマルヘ
ッド9aでは二枚目のY色画像が用紙3の二枚目にプリ
ントされる。
【0037】M色画像のプリントが終了すると、用紙3
の先端は、プリント部1cのサーマルヘッド9cとプラ
テンローラ10cとの間を経て、テンションローラ23
cとピンチローラ23cとの間に搬送される。ここで、
サーマルヘッド9cが用紙3を挟んでプラテンローラ1
0cに圧接されるとともに、ピンチローラ24cが用紙
3を挟んでテンションローラ23cに圧接される。
【0038】そして、DCモータの作動により、テンシ
ョンローラ23cが用紙3に一定の張力を付与するよう
に駆動されるとともに、C色インクリボン11cがプリ
ント速度に同期して用紙3と一体に下流側へ送られ、サ
ーマルヘッド9cにより用紙3にC色画像がプリントさ
れる。送られたインクリボン11cは、インクリボン巻
取りロール13cで巻き取られる。また、サーマルヘッ
ド9cにおけるC色画像プリントと同時に、サーマルヘ
ッド9bでは二枚目のM色画像が用紙3の二枚目にプリ
ントされ、サーマルヘッド9aでは三枚目のY色画像が
用紙3の三枚目にプリントされる。
【0039】C色画像のプリントが終了すると、用紙3
の先端は、オーバーコート部1dのサーマルヘッド9d
とプラテンローラ10dとの間を経て、テンションロー
ラ23dとピンチローラ23dとの間に搬送される。こ
こで、サーマルヘッド9dが用紙3を挟んでプラテンロ
ーラ10dに圧接されるとともに、ピンチローラ24d
が用紙3を挟んでテンションローラ23dに圧接され
る。
【0040】そして、DCモータの作動により、テンシ
ョンローラ23dが用紙3に一定の張力を付与するよう
に駆動されるとともに、オーバーコートリボン11dが
プリント速度に同期して用紙3と一体に下流側へ送ら
れ、Y、M、C色画像が重ね合わされた用紙3にサーマ
ルヘッド9dによりオーバーコートプリントが施され
る。送られたオーバーコートリボン11dは、オーバー
コートリボン巻取りロール13dで巻き取られる。ま
た、サーマルヘッド9dにおけるオーバーコートプリン
トと同時に、サーマルヘッド9cでは二枚目のC色画像
が用紙3の二枚目にプリントされ、サーマルヘッド9b
では三枚目のM色画像が用紙3の三枚目にプリントさ
れ、サーマルヘッド9aでは四枚目のY色画像が用紙3
の四枚目にプリントされる。
【0041】オーバーコートプリントが終了すると、用
紙3の先端は余白部分の長さ分だけ早送りされ、排紙ロ
ーラ対6、7によってカッター8に排紙される。そし
て、図1に示すように、用紙3が切断位置まで到達する
と、排紙ローラ対6、7は回転を停止し、テンションロ
ーラ対23a〜23d、24a〜24dは余白分の用紙
搬送に応じた回転速度からプリント時の回転速度に減速
し、同時にプリント動作が始まる。
【0042】用紙3の搬送が継続され、プリント部1a
〜1cにおける印画およびオーバーコート部1dにおけ
るオーバーコートが開始されても排紙ローラ対6、7に
よる排紙が停止しており、また停止時の回転トルクを回
転時の回転トルクよりも大きく設定することで、図1中
二点鎖線で示すように、テンションローラ対23d、2
4dと排紙ローラ対6、7との間の用紙3が下方に膨出
するように次第に撓み出すため、このタイミングでカッ
ター8で用紙3を切断する。切断されたプリント済みの
用紙3は、ホルダー22に溜められる。
【0043】用紙切断が終了すると、排紙ローラ対6、
7を再度回転させる。排紙ローラ対6、7は、回転トル
クが小さいものの回転速度がテンションローラ対23
d、24dより大きいため、用紙3は撓みが次第に解消
して平坦化する。かくして、用紙3に対する印画が完了
する。
【0044】本実施の形態のプリンタおよびその用紙切
断方法では、用紙切断時にも用紙3の搬送を継続して印
画するため、プリント処理を高速・短時間で実行できる
とともに、静止して安定状態の用紙3を切断するため、
用紙四隅の直角を維持することができる。また、本実施
の形態では、用紙切断の際にテンションローラ対23
d、24dと排紙ローラ対6、7との間で用紙3が撓ん
でいるので、切断時にカッター8から用紙3に伝わる力
が吸収されるため、プリント部1a〜1cのヘッド部9
a〜9cにおける色ズレやオーバーコート部1dのヘッ
ド部9dにおけるコートズレを防止することが可能にな
る。
【0045】また、本実施の形態のプリンタおよびその
用紙切断方法では、用紙3の大きさに応じてテンション
ローラ対23d、24dおよび排紙ローラ対6、7のピ
ンチ押圧力を十分大きくすることで、上記切断時に発生
する力がプリント部1a〜1c、オーバーコート部1d
に伝達されることを防止できることに加えて、各ローラ
の軸径も用紙3の大きさに応じて設定されているため、
ピンチ押圧力により大きな撓みが発生することも防止し
ている。
【0046】図2は、本発明のプリンタおよびその用紙
切断方法の第2の実施の形態を示す図である。この図に
おいて、図1に示す第1の実施の形態の構成要素と同一
の要素については同一符号を付し、その説明を省略す
る。第2の実施の形態と上記の第1の実施の形態とが異
なる点は、遮断ローラ対およびトルクリミッタを設けた
ことである。
【0047】すなわち、図2に示すように、テンション
ローラ対23d、24dと排紙ローラ対6、7との間に
は、ゴムローラセットの遮断ローラ対25、26が配設
されている。これら遮断ローラ対25、26は、テンシ
ョンローラ対23d、24dよりも若干速い送り速度で
回転し、且つ図示しないトルクリミッタによりテンショ
ンローラ対23d、24dの張力に比べて十分小さい一
定の張力に設定されている。また、遮断ローラ対25、
26の用紙3への押圧力は、上記第1の実施の形態と同
様に、用紙3の大きさに応じて十分大きく(所定値以上
に)設定されている。他の構成は、上記第1の実施の形
態と同様である。
【0048】本実施の形態のプリンタおよびその用紙切
断方法では、遮断ローラ対25、26がテンションロー
ラ対23d、24dと同様の動作で回転することで、上
記第1の実施の形態と同様の作用・効果が得られること
に加えて、排紙ローラ6、7の停止に伴って発生する用
紙変形の影響を遮断ローラ25、26により実質的に遮
断できるため、プリント部1a〜1cのヘッド部9a〜
9cにおける色ズレやオーバーコート部1dのヘッド部
9dにおけるコートズレをより確実に防止することがで
きる。
【0049】図3および図4は、本発明のプリンタおよ
びその用紙切断方法の第3の実施の形態を示す図であ
る。これらの図において、図1に示す第1の実施の形態
の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、そ
の説明を省略する。第3の実施の形態と上記の第1の実
施の形態とが異なる点は、用紙押さえ機構を設けたこと
である。
【0050】すなわち、図3に示すように、テンション
ローラ対23d、24dと排紙ローラ対6、7との間に
は、用紙3を下方(一方向)に向けて進退自在に押圧す
る用紙押さえ機構27が配設されている。図4に示すよ
うに、用紙押さえ機構27は、先端が半球状の用紙押さ
えヘッド28と、スプリングホルダ29に保持されて用
紙押さえヘッド28を下方に付勢する押さえスプリング
30と、スプリングホルダ29を吊り上げる吊り上げス
プリング31と、回転軸32に対して偏心配置されたカ
ム33とから構成されている。押さえスプリング30の
付勢力(バネ定数)は、テンションローラ対23d、2
4dおよび排紙ローラ対6、7において用紙3が滑らな
い程度に十分小さくされている。
【0051】上記の構成のカラープリンタ16では、印
画処理およびオーバーコート処理が終了して用紙3がカ
ッター8へ早送りで排紙されると、排紙ローラ6、7は
回転を停止し、テンションローラ対23a〜23d、2
4a〜24dはプリント時の回転速度に減速する。そし
て、用紙3が切断位置まで到達すると同時に用紙押さえ
機構27では、カム33が回転を開始する。また、プリ
ント部1a〜1c、オーバーコート部1dでは、それぞ
れプリント処理が開始される。
【0052】カム33の回転に伴い、回転軸32に対す
るカム33の最長外周部が最下点に近づくにつれて、ス
プリングホルダ29を介して用紙押さえヘッド28が用
紙3に向けて進出することで、押さえスプリング30の
付勢力で用紙3を押さえつける(押圧する)。排紙ロー
ラ対6、7の回転は停止しているので、プリント処理が
進行すると、用紙3が用紙押さえヘッド28に押されて
テンションローラ対23d、24dと排紙ローラ対6、
7との間で次第に下方に撓む。
【0053】そして、用紙3が撓みだした直後にカッタ
ー8で用紙3を切断する。ここで、用紙切断に伴う力が
用紙3に伝わっても、用紙押さえヘッド28が用紙3か
ら退避して、押さえスプリング30によりこの力を吸収
する。用紙切断が終了すると、排紙ローラ対6、7を回
転させることで用紙3の撓みが解消する。この後、計算
上用紙3の撓みが解消されるタイミングでカム33を動
作させ、カム33の最短外周部を最下点に位置させるこ
とで吊り上げスプリング31の吊り上げ力により用紙押
さえヘッド28を退避させて用紙3から離間させる。
【0054】本実施の形態のプリンタおよびその用紙切
断方法では、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果
が得られることに加えて、用紙3の変形を成り行きに任
せるのではなく、用紙押さえヘッド28により制御する
ので、用紙切断時の用紙剛性に起因して、プリント部1
a〜1cのヘッド部9a〜9cにおける色ズレやオーバ
ーコート部1dのヘッド部9dにおけるコートズレの発
生を確実に防止することができる。
【0055】なお、上記実施の形態において、プリンタ
としてカラープリンタを用いる構成としたが、これに限
られるものではなく、例えばモノクロのプリンタにも適
用可能である。また、プリント部1a〜1cの下流側に
オーバーコート部1dを設ける構成としたが、必ずしも
設ける必要はなく、さらに、プリント部1a〜1cで用
紙3に3色の画像を重ね合わせる構成としたが、これに
限定されるものではなく、3色以下や3色以上の画像を
重ね合わせる構成であってもよい。
【0056】また、以上は、インクリボンを用いたサー
マルプリンタについて説明したが、インクリボンを用い
ない自己発色(TA)方式の感熱プリント方式の用紙切
断方法でも上記と同じ効果を得ることができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るプ
リンタの用紙切断方法は、用紙搬送を継続しつつ、排紙
ローラによる用紙の排紙を停止させて用紙を切断する手
順となっている。これにより、このプリンタの用紙切断
方法では、プリント処理を短時間で行いながら、用紙四
隅の直角を維持した長方形の用紙が得られるとともに、
色ズレの発生も防止できるという効果が得られる。
【0058】請求項2に係るプリンタの用紙切断方法
は、テンションローラおよび排紙ローラにおける用紙の
挟持圧力をそれぞれ所定値以上に設定する構成となって
いる。これにより、このプリンタの用紙切断方法では、
切断時に発生する力がプリントに悪影響を及ぼすことを
防止できるという効果が得られる。
【0059】請求項3に係るプリンタの用紙切断方法
は、テンションローラと排紙ローラとの間の用紙を所定
値以上の圧力で挟持するとともに、テンションローラが
付与する張力よりも小さい張力を付与する構成となって
いる。これにより、このプリンタの用紙切断方法では、
排紙ローラの停止に伴って発生する用紙変形の影響を実
質的に遮断できるため、印画時の色ズレやオーバーコー
ト時のコートズレをより確実に防止できるという効果が
得られる。
【0060】請求項4に係るプリンタの用紙切断方法
は、テンションローラと排紙ローラとの間の用紙を一方
向に向けて押圧する構成となっている。これにより、こ
のプリンタの用紙切断方法では、用紙変形を制御するこ
とで、用紙切断時の用紙剛性に起因して、色ズレやコー
トズレの発生を確実に防止できるという効果が得られ
る。
【0061】請求項5に係るプリンタは、用紙搬送を継
続しつつ、排紙ローラによる用紙の排紙を停止させて用
紙を切断するように、制御装置が記録部、排紙ローラお
よび切断部の作動タイミングを制御する構成となってい
る。これにより、このプリンタでは、プリント処理を短
時間で行いながら、用紙四隅の直角を維持した長方形の
用紙が得られるとともに、色ズレの発生も防止できると
いう効果が得られる。
【0062】請求項6に係るプリンタは、テンションロ
ーラおよび排紙ローラにおける用紙の挟持圧力をそれぞ
れ所定値以上に設定する構成となっている。これによ
り、このプリンタでは、切断時に発生する力がプリント
に悪影響を及ぼすことを防止できるという効果が得られ
る。
【0063】請求項7に係るプリンタは、遮断ローラが
テンションローラと排紙ローラとの間の用紙に対して、
所定値以上の圧力で挟持するとともに、テンションロー
ラが付与する張力よりも小さい張力を付与する構成とな
っている。これにより、このプリンタでは、排紙ローラ
の停止に伴って発生する用紙変形の影響を実質的に遮断
できるため、印画時の色ズレやオーバーコート時のコー
トズレをより確実に防止できるという効果が得られる。
【0064】請求項8に係るプリンタは、用紙押さえ機
構がテンションローラと排紙ローラとの間の用紙を一方
向に向けて押圧する構成となっている。これにより、こ
のプリンタでは、用紙変形を制御することで、用紙切断
時の用紙剛性に起因して、色ズレやコートズレの発生を
確実に防止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す図であっ
て、プリント部、テンションローラ、排紙ローラを有す
るカラープリンタの概略構成図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態を示す図であっ
て、遮断ローラを有するカラープリンタの概略構成図で
ある。
【図3】 本発明の第3の実施の形態を示す図であっ
て、用紙押さえ機構を有するカラープリンタの概略構成
図である。
【図4】 本発明のカラープリンタを構成する用紙押
さえ機構の詳細図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c プリント部(記録部) 1d オーバーコート部(記録部) 3 用紙 6 排紙ローラ 8 カッター(切断部) 16 カラープリンタ(プリンタ) 23a〜23d テンションローラ 25、26 遮断ローラ 27 用紙押さえ機構

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テンションローラにより張力を付与し
    た用紙を搬送しなが印画し、該印画した用紙を排紙ロー
    ラにより排紙した後に切断するプリンタの用紙切断方法
    であって、 前記用紙搬送を継続しつつ前記排紙ローラによる前記用
    紙の排紙を停止させて前記用紙を切断することを特徴と
    するプリンタの用紙切断方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプリンタの用紙切断方
    法において、 前記テンションローラおよび前記排紙ローラにおける前
    記用紙の挟持圧力を所定値以上にそれぞれ設定すること
    を特徴とするプリンタの用紙切断方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のプリンタの用
    紙切断方法において、 前記テンションローラと前記排紙ローラとの間の前記用
    紙に対して、所定値以上の挟持圧力で挟持するととも
    に、前記テンションローラが付与する張力よりも小さい
    張力を付与することを特徴とするプリンタの用紙切断方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のプリンタの用
    紙切断方法において、 前記テンションローラと前記排紙ローラとの間の前記用
    紙を一方向に向けて進退自在に押圧することを特徴とす
    るプリンタの用紙切断方法。
  5. 【請求項5】 テンションローラにより張力を付与さ
    れて搬送される用紙を印画する記録部と、該記録部で印
    画された前記用紙を排紙する排紙ローラと、該排紙ロー
    ラで排紙された前記用紙を切断する切断部とを備えたプ
    リンタであって、 前記用紙搬送を継続しつつ前記排紙ローラによる前記用
    紙の排紙を停止させて前記用紙を切断するように、前記
    記録部、前記排紙ローラおよび前記切断部の作動タイミ
    ングを制御する制御装置を備えることを特徴とするプリ
    ンタ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のプリンタにおいて、 前記テンションローラおよび前記排紙ローラにおける前
    記用紙の挟持圧力を所定値以上にそれぞれ設定すること
    を特徴とするプリンタ。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載のプリンタにお
    いて、 前記テンションローラと前記排紙ローラとの間の前記用
    紙に対して、所定値以上の挟持圧力で、前記テンション
    ローラが付与する張力よりも小さい張力を付与する遮断
    ローラが設けられることを特徴とするプリンタ。
  8. 【請求項8】 請求項5または6記載のプリンタにお
    いて、 前記テンションローラと前記排紙ローラとの間の前記用
    紙を一方向に向けて進退自在に押圧する用紙押さえ機構
    を有することを特徴とするプリンタ。
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