JP2001121374A - ツールホルダ保持装置 - Google Patents

ツールホルダ保持装置

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JP2001121374A
JP2001121374A JP30465499A JP30465499A JP2001121374A JP 2001121374 A JP2001121374 A JP 2001121374A JP 30465499 A JP30465499 A JP 30465499A JP 30465499 A JP30465499 A JP 30465499A JP 2001121374 A JP2001121374 A JP 2001121374A
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Japan
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tool
ball
center shaft
holding device
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JP30465499A
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English (en)
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Sadao Yamada
貞雄 山田
Shinji Muraki
晋二 村木
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Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保持用孔のないツールホルダをも保持する。 【解決手段】 ツールホルダ2を保持する機構を、ツー
ルホルダ2の内周面2aに設けたホルダ拡開用のカム部
4と、該カム部4に当接してツールホルダ2を拡開させ
るための複数のボール5,…,5と、ツールポット3内
に設けられ複数のボール5,…,5をそれぞれ保持する
ための複数の孔7,…,7を有するスリーブ6と、複数
のボール5,…,5を移動させるためのボール移動用の
カム部9,…,9を外周面8aに有しばね10により軸
方向に移動可能なセンター軸8とから構成する。センタ
ー軸8を移動させることでツールホルダ2の内面側にボ
ール5,…,5を押し当てて軸方向に引き込み、ツール
ホルダ2を位置決めした状態で確実に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ツールホルダ保持
装置に関する。さらに詳述すると、本発明はマシニング
センタにおいてツールホルダを保持するための保持機構
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マシニングセンタとして、図3に
示すようにスピンドル101、ツールマガジン102、
ATC(オート・ツール・チェンジャ)103を備え、
ツール104を保持するツールホルダ105を自動交換
できるようにしたものが使用されている。この場合、ツ
ールマガジン102は、複数のツールホルダ105,
…,105を保持できるよう複数のツールポット10
6,…,106を備えている。
【0003】このツールポット106は、ツールホルダ
105の形状や保持形態に応じて種々の構成を取り得る
が、例えばDIN(ドイツ工業規格)によるショートテ
ーパ2面拘束型のツールホルダ105に対しては以下の
ようなツールホルダ保持装置を備えたものがある。すな
わち、テーパ面に2箇所対向して孔107,107が設
けられたツールホルダ105に対し、径方向内側へ突出
するボールプランジャ108,108を対向配置し、ボ
ールで各孔107,107を押さえることでツールホル
ダ105を保持するようにしたツールホルダ保持装置を
備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなツールホルダ保持装置によると、ボールプランジャ
108が径方向に配置されることからツールポット10
6の径方向の外径が大きくなってしまう問題がある。こ
の場合、ツールポット106をツールマガジン102に
多く配置することが困難となるため、1台のツールマガ
ジン102が保有し得るツール104の本数が少なくな
ってしまう。
【0005】また、上述のツールホルダ105は、外周
に2箇所の孔107,107が設けられているためホル
ダ剛性が大幅に劣化してしまうという問題がある。しか
も、このツールホルダ105をスピンドル101へセッ
トする場合はコレット109により引き込んで保持して
いるように、2箇所の孔107,107はツールポット
106で保持する以外には用途のないものとなってい
る。
【0006】そこで、本発明は、保持用孔のないツール
ホルダであっても確実に保持することができるツールホ
ルダ保持装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、ツールホルダをツールポッ
トに差し込み、該ツールポットに設けた保持機構により
ツールホルダをツールポットに保持するようにしたツー
ルホルダ保持装置において、保持機構を、ツールホルダ
の内周面に設けたホルダ拡開用のカム部と、該カム部に
当接してツールホルダを拡開させるための複数のボール
と、ツールポット内に設けられ複数のボールをそれぞれ
保持するための複数の孔を有するスリーブと、複数のボ
ールを移動させるためのボール移動用のカム部を外周面
に有しばねにより軸方向に移動可能なセンター軸とから
構成し、センター軸の位置によってツールホルダをツー
ルポットに保持させるようにしたものである。
【0008】各ボールは、このボール高さよりも厚みの
薄いスリーブに放射状に設けた孔の中を径方向に移動す
ることができる。また、スリーブの内側に挿入されたセ
ンター軸はスリーブの内周面に案内され軸方向に移動可
能である。そして、このセンター軸の外周面に設けた凹
部からなるボール移動用カム部が、センター軸の移動に
伴い凹部斜面でボールを孔から押し出すか、あるいは孔
とカム部との合計行程分の移動を許容する。
【0009】一方、ツールホルダのツールポットへの装
着部はスリーブの外側に嵌まり合う筒状開口端部であ
り、この筒状部分の内周面に設けたホルダ拡開用カム部
は突出したボールが引っ掛かる傾斜面である。したがっ
て、ツールホルダをスリーブ外側に嵌め合わせた後にセ
ンター軸を移動させると、ボール移動用カム部がボール
を孔から径方向外側に押し出してスリーブ外周面から突
出させる。このボールはホルダ拡開用カム部の傾斜面を
押圧することで、ツールホルダをさらに引き込む軸方向
の分力およびツールホルダを外側へ拡開する径方向の分
力を作用させる。よって、ツールホルダは拡開してツー
ルポットの内周面に押圧される。
【0010】このように、このツールホルダ保持装置に
よれば、保持対象となるツールホルダがたとえ外周面に
孔を備えていなくても、ツールホルダの内面側からボー
ルを押し当てて軸方向に引き込み、位置決めした状態で
確実に保持することができる。しかも、機構をツールポ
ットの内側に備えていることから保持装置の径は小さく
て済む。このため、ツールマガジンに占めるツールホル
ダ保持装置の占有面積が小さくなり、ツール収納本数を
増加させることが可能となる。
【0011】また、請求項2記載の発明のように、ホル
ダ拡開用のカム部はツールホルダの内周面全周に設けた
凹溝部であり、ボール移動用のカム部はセンター軸の外
周面全周に設けた凹溝部であることが好ましい。この場
合、ボールの対応位置にのみ凹溝部を製作する場合に比
べて製作しやすくなる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載のツールホルダ保持装置において、センター軸はば
ねによって一方向に付勢するとともに、解除部材によっ
て逆方向に移動可能に構成しているものである。さら
に、請求項4記載の発明では、ばねはツールホルダを拡
開させる方向に付勢し、解除部材はボールをセンター軸
の外周面に設けたボール移動用のカム部内に収納してツ
ールホルダの拡開を解除させるように構成するようにし
ている。このため、センター軸はボールを外側に押し出
す方向へ付勢されて常にツールホルダを拡開させるよう
に作用し、解除部材はセンター軸を逆方向に移動させ、
ツールホルダを拡開させる作用を中断させる。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1から4の
いずれかに記載のツールホルダ保持装置において、スリ
ーブの孔に当該孔からボールが脱落するのを防止する脱
落防止用突起を設けたものである。したがって、ツール
ホルダ保持装置からツールホルダを抜き出したときにボ
ールが孔から脱落することがない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0015】図1および図2に、本発明の一実施形態を
示す。このツールホルダ保持装置1は、ツールホルダ2
をツールポット3に差し込み、該ツールポット3内に設
けた保持機構によりツールホルダ2をツールポット3に
保持するように構成したものである。そして本実施形態
では、この保持機構を、ホルダ拡開用のカム部4と、円
周上、等間隔の位置に配設された複数のボール5,…,
5と、該ボール5,…,5の位置決めを行う複数の孔
7,…,7を有するスリーブ6と、ボール移動用のカム
部9を外周面8aに有するセンター軸8とから構成し、
センター軸8の位置によってツールホルダ2をツールポ
ット3に保持させるようにしている。
【0016】本実施形態のツールホルダ2はその先端側
でツール18を保持する部材であり、ATCアームによ
りツールマガジンとスピンドルとの間で着脱および移動
が行われる(図示省略)。ツールホルダ2の外周にはA
TCアームで把持するための円周溝2eが形成されてい
る。また、この円周溝2eより先端側に設けたツール取
付部に所定のツール18を取り付けることができる。
【0017】このツールホルダ2のうちツール18と反
対側となる基端部2bは、ツールポット3に差し込んで
確実に保持され得るボス形状の中空状突出部としてい
る。図1に示すように、この基端部2bの中空状突出部
の外周面2cは、軸方向への突出量の割には高い剛性の
得られるショートテーパ状に形成し、ツールポット3の
先端側ボス部3aの内側に嵌まって係合し合うようにし
ている。また、このテーパ状外周面2cの最大径部の周
囲には環状面からなる当接部2dを形成し、ツールポッ
ト3の先端の当接部3bに突き合わせることでツールホ
ルダ2を位置決めできるようにしている。
【0018】また、ツールホルダ2の中空状内側部分に
は、基端側に向けて突出する中心突起2fを設ける。こ
の中心突起2fは、センター軸8の先端の中心孔8bに
差し込まれてツールホルダ2の軸をツールポット3の中
心軸に一致させる。本実施形態では、図1に示すように
ツールホルダ2の内側中心に別部材の突起を設けて中心
突起2fとしている。
【0019】さらに、ツールホルダ2の中空状基端部2
bの内周面2aには、ホルダ拡開用のカム部4を形成し
ている。このカム部4はボール5が当接する斜面を備え
た凹溝部からなる。本実施形態では、図1に示すよう
に、ボール5が孔7から外周側に突出した場合にのみこ
のボール5と接触するよう、中心軸に対し傾斜した面か
らなる段部によってこのカム部4を形成している。この
カム部4は、例えばボール5の配置と対応する部位にの
み内周面2aに凹部を設けて構成しても構わないが、本
実施形態では、ツールホルダ2の内周面2aの全周に設
けた凹溝部によって構成することで凹部の加工を製作し
やすいものとしている。
【0020】一方、ツールホルダ2が差し入れられるツ
ールポット3は、図1に示すようにツールホルダ2の基
端部2bが組み込まれる凹部を備えている。本実施形態
では、このツールポット3にスリーブ6やセンター軸8
を収納し得る軸方向の透孔を形成するとともに、ツール
ホルダ2の基端部2bの周囲を覆う大径のボス部3aを
形成している。このボス部3aの内周面3bは、ツール
ホルダ2の外周面2cと面接触し得る同じ傾斜のテーパ
面によって形成し、これによってツールホルダ2を中心
位置に導くようにしている。
【0021】また、このツールポット3の先端は環状面
からなる当接部3cとしている。この当接部3cは、当
接部2dと当接してツールホルダ2を軸方向に位置決め
する。なお、ツールホルダ2の当接部2d、ツールポッ
ト3の当接部3cの接触面の形態が特に限定されること
はないが、本実施形態では両当接部とも軸方向と垂直な
面で形成し、互いを面接触させるようにしている。
【0022】このツールポット3に組み込まれるスリー
ブ6は、少なくとも1つのボルト13によってツールポ
ット3内の凹部に組み付けられてセンター軸8を軸方向
へ摺動(移動)可能に保持し、さらに、凹部内に突出し
た先端側部分でツールホルダ2を内周側から保持する。
また、このスリーブ6の内周面には内側に突出するリム
部6bを設けている。リム部6bは、軸方向先端側の面
をセンター軸8の大径部に当接させることでこのセンタ
ー軸8の摺動幅を規制し、かつ基端側面でばね10の端
部を保持している。なお、図1に示すその他のボルト
は、符号16がツールマガジン上でツールポット3を案
内する案内ボルト、符号17が押さえボルトである。
【0023】また、このスリーブ6には、複数のボール
5,…,5をそれぞれ保持するための複数の孔7,…,
7を設けている。孔7は、ボール5が径方向に移動する
のを許容する透孔であり、ホルダ拡開用のカム部4とボ
ール移動用カム部9との間に介在する位置に設けられて
いる。複数のボール5,…,5および孔7,…,7は、
例えば3個ずつを周方向へ均等配置することで押圧力の
平均化を図ることが好適である。
【0024】さらに、この孔7は、ボール5がこの孔7
から脱落するのを防止する機能を備えていることが好ま
しい。本実施形態では、図2に示すように、カム部4側
の縁部に、孔7の中心側へ向かって突出する脱落防止用
突起12を設けている。この脱落防止用突起12は、ボ
ール5の最大径部近傍とだけ当接する程度に突出させた
ものであるため、孔7内を移動するボール5の機能すな
わちツールホルダ2の基端部2bを拡開させる機能の妨
げとはならない。
【0025】孔7に設けられるボール5は、ツールホル
ダ2側のカム部4に当接してツールホルダ2を拡開させ
るよう設けるものである。このボール5は、センター軸
8が軸方向へ摺動するのに伴い孔7内で径方向に移動し
て位置を変える。すなわち、センター軸8が基端側へ摺
動すると、図1および図2に示すようにボール5はボー
ル移動用カム部9によって押圧されて径方向外側へ移動
し、その一部を孔7の外側へ突出させる。また、センタ
ー軸8が逆に先端側へと摺動すると、カム部9が想像線
で示す位置まで移動するため、図2に想像線で示すよう
にボール5はこのカム部9の凹溝深さ分だけ移動可能と
なる。したがってボール5は、ツールホルダ2をツール
ポット3に着脱する際、ツールホルダ2のカム部4ある
いは内周面2aによって押し込められ孔7の内周側へ移
動する。
【0026】センター軸8は大径部と小径部とからなる
丸軸で、スリーブ6の内周に沿って軸方向に摺動可能に
設けたものである。センター軸8の先端部には中心孔8
bを設け、ツールホルダ2の中心突起2fを中心に導く
ようにしている。また、センター軸8の基端側に設けた
環状溝にはワッシャ14を嵌め込み、ばね10の基端側
を保持させているため、センター軸8はこのばね10に
よって一方向に付勢される。また、解除部材11によっ
て逆方向に移動可能とされている。さらに、このセンタ
ー軸8は特に図示していないがその内部に軸方向に沿っ
て先端まで通じる供給孔を有している。この供給孔は、
基端側から導通したクーラントや切削油などの流体をツ
ールホルダ2に保持されているツール18に供給するパ
イプ構造を有している。
【0027】また、センター軸8の外周には複数のボー
ル5,…,5を移動させるためのボール移動用のカム部
9を設けている。このカム部9は、センター軸8の摺動
に伴いボール5を径方向外周側へ押圧し、あるいは径方
向内周側へ移動するのを許容するため設けるもので、セ
ンター軸8の大径部に形成した凹部の傾斜面によって構
成している。この凹部は、ボール5が少なくともスリー
ブ6の外周面から退避し得る深さを有している。なお、
カム部9は各ボール5,…,5の位置に応じて配置した
凹部によって構成してもよいが、本実施形態ではセンタ
ー軸8の外周面8aの全周に設けた環状の凹溝部によっ
てカム部9を構成し、凹部を製作しやすいものとしてい
る。
【0028】ばね10は、センター軸8を一方向に付勢
するよう設けたものである。この場合、一方向とは、セ
ンター軸8が移動することによってボール5を介してツ
ールホルダ2を拡開させるように機能する方向のこと
で、本実施形態では基端側方向となる。
【0029】解除部材11は、ボール5を上述のカム部
9内に収納してツールホルダ2の拡開を解除させるよう
に構成したものである。この場合の収納とは、上述した
ように、ボール5が少なくともスリーブ6の外周面から
退避し得る程度にカム部9側に移動することである(図
2中の想像線)。この解除部材11はツールマガジンの
内部に設けた摺動可能な棒状部材で、ツールホルダ2の
着脱時など必要時にセンター軸8の後端面を先端側へ押
圧する。なお、特に図示していないが、解除部材11の
駆動手段としてはエア油圧シリンダ、カム、リンク機構
などの手段を用いることができる。
【0030】環状の押さえ部材15は、基端側からツー
ルポット3の凹部に組み込まれ、スリーブ6のフランジ
部6aとともにボルト13で固着されている。この押さ
え部材15は、センター軸8の小径部が摺接する内周面
によってこのセンター軸8を軸方向に案内している。ま
た、先端側縁部には段部15aを備え、ツールホルダ2
が装着されていないときのセンター軸8の最大摺動幅を
規制し得るようにしている。
【0031】以上のように構成した本実施形態のツール
ホルダ保持装置1は、ツール交換時などにおいて以下の
ように作用する。
【0032】まず、図1のように保持されているツール
ホルダ2をツールポット3から抜き出す場合から説明す
る。ツールホルダ2を抜き出す場合、ツールホルダ2の
保持状態の解除と、ATCアームによる抜き出しとをほ
ぼ同時に行う。尚、保持状態の解除をわずかに早く行う
ようにすることでツールホルダ2の抜き出しをより円滑
にすることが好ましい。
【0033】保持状態の解除は、解除部材11を押し出
すことにより行う。これによりセンター軸8がばね10
の付勢力に抗して先端側へ摺動し、ボール移動用カム部
9が図中に想像線で示したようにボール5の移動を許容
する位置まで移動する。このとき、カム部9がボール5
を介してツールホルダ2に付与していた拡開力がなくな
り、保持状態が解除される。
【0034】この保持状態の解除動作とほぼ並行してツ
ールホルダ2を抜き出すと、ツールホルダ2のホルダ拡
開用カム部4が移動しながらボール5を内側へ押し戻
す。ボール5は、径方向内方へ移動してカム部9内に収
納され、ツールホルダ2の基端部2bの移動軌跡から退
避する。したがって、保持状態を解除した後はボール5
の存在にかかわらずツールホルダ2をツールホルダ保持
装置1から容易に抜き出すことができる。
【0035】このように抜き出した後は、解除部材11
によってセンター軸8を押し出し続けてもよいし、ある
いは押し出しを解除してもよい。解除した場合、センタ
ー軸8の大径部がスリーブ6のリム部6bに当接し、あ
るいはワッシャ14が押さえ部材15の段部15aに当
接することによってセンター軸8の摺動幅が規制され
る。また、ツールポット3からツールホルダ2を抜き出
しても、脱落防止用突起12がボール5が孔7から脱落
するのを防止する。
【0036】次に、ツールホルダ2を再びツールポット
3に装着する場合について説明する。ツールホルダ2を
装着するときは解除部材11でセンター軸8を押し出
し、ボール5がボール移動用カム部9に収納される位置
まで移動できるようにしておく。この状態でツールホル
ダ2を差し入れると、ボール5はその基端部2bに押し
込まれて内側に移動しカム部9に収納されるため、ツー
ルホルダ2の装着の妨げとならない。ツールホルダ2
は、テーパ形状の外周面2cがツールポット3の内周面
3bに沿って案内されるので径方向に位置決めされる。
また、当接部2dがツールポット3側の当接部3cに当
接することによって軸方向にも位置決めされる。
【0037】ここで、解除部材11によるセンター軸8
の押し出しを解除すると、センター軸8がばね10の付
勢力によって基端側へ摺動し、図1に示すようになる。
これに伴い同じく基端側に移動するボール移動用カム部
9がボール5を外側に押し出すので、ボール5は孔7内
を外側に移動し、ツールホルダ2のホルダ拡開用カム部
4を斜め方向へと押圧する。このとき、カム部4は斜面
となっているため軸方向および径方向への分力が生じ
る。軸方向への分力はツールホルダ2を軸方向基端側へ
とさらに押圧し、径方向への分力はツールホルダ2の基
端部2bが拡開するように押圧する。このため、ツール
ホルダ2がさらにツールポット3へ密着して位置決め精
度が向上し、またホルダ拡開用カム部4にボール5が係
合することによってツールホルダ2を位置決めしたまま
確実に保持することができる。
【0038】ここまで説明したように、本実施形態のツ
ールホルダ保持装置1によれば、ネック部分に横穴を備
えているか否かにかかわらず、ツールホルダ2を位置決
めしつつ確実に保持することができる。このため、ツー
ルホルダ2に横穴を設けなくて済むから剛性を確保しや
すい。また、このツールホルダ保持装置1は従来のよう
なボールプランジャを備える必要がないため小型化が容
易である。したがって、ツールマガジンにおいて各ツー
ルポット3,…,3が占有する領域を小さくし、ツール
マガジン1台あたりの設置可能なツールポット数を増や
し、保有ツール数を増加させることができる。
【0039】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。
【0040】また、本実施形態においてはツールホルダ
2を拡開させるという表現を用いて説明したが、構造、
材料強度、押圧力などによって拡開の度合いは変わる
し、ほとんど拡開しない場合もあり得る。しかしなが
ら、本発明は比較的簡単な構成によってツールホルダ2
を保持できるようにし、かつカム部4において生じさせ
た分力によって径方向外側に押圧することで保持状態を
安定させるものである。したがって、押圧力を加えたと
きにツールホルダ2が厳密に拡開しない場合であって
も、上述の作用や効果を得るのに問題はない。
【0041】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載のツールホルダ保持装置によると、センター軸の
軸方向位置によってツールホルダを内周側から保持する
ようにしたため、保持用孔のないツールホルダを位置決
め状態で確実に保持することができる。したがってツー
ルホルダの側部に孔を設ける必要がなくなり、剛性を確
保しやすくなる。また、孔を設ける工程を省略してコス
トを削減することもできる。
【0042】しかも、保持機構をツールポットの内側に
形成したことから、ツールホルダ保持装置の径が小さ
い。このため、ツールマガジンに占めるツールホルダ保
持装置の占有面積が小さくなり、ツールマガジンのツー
ル収納本数を増加させることが可能となる。
【0043】請求項2記載のツールホルダ保持装置によ
ると、ホルダ拡開用のカム部はツールホルダの内周面全
周に設けた凹溝部とし、ボール移動用のカム部はセンタ
ー軸の外周面全周に設けた凹溝部としているため、ボー
ルの対応位置にのみ製作する場合に比べて凹溝部を製作
しやすい。
【0044】また、請求項3記載のツールホルダ保持装
置によると、センター軸に一方向への付勢力を与えると
ともに、解除部材によって逆方向に移動させることがで
きる。
【0045】さらに、請求項4記載のツールホルダ保持
装置では、ツールホルダを拡開させる方向にセンター軸
を付勢している。このため、センター軸によって常にツ
ールホルダを拡開させ、解除部材によってこの拡開させ
る作用を中断させることができる。
【0046】また請求項5記載のツールホルダ保持装置
によると、スリーブの孔に設けた脱落防止用突起によ
り、ツールホルダを抜き出したときに孔からボールが脱
落するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すツールホルダ保持装
置の縦断面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】従来のツールホルダ保持装置を示すためのマシ
ニングセンタの主要部の図である。
【符号の説明】
1 ツールホルダ保持装置 2 ツールホルダ 2a 内周面 3 ツールポット 4 (ホルダ拡開用の)カム部 5 ボール 6 スリーブ 7 孔 8 センター軸 8a 外周面 9 (ボール移動用の)カム部 10 ばね 11 解除部材 12 脱落防止用突起

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ツールホルダをツールポットに差し込
    み、該ツールポットに設けた保持機構により上記ツール
    ホルダを上記ツールポットに保持するようにしたツール
    ホルダ保持装置において、上記保持機構を、上記ツール
    ホルダの内周面に設けたホルダ拡開用のカム部と、該カ
    ム部に当接して上記ツールホルダを拡開させるための複
    数のボールと、上記ツールポット内に設けられ上記複数
    のボールをそれぞれ保持するための複数の孔を有するス
    リーブと、上記複数のボールを移動させるためのボール
    移動用のカム部を外周面に有しばねにより軸方向に移動
    可能なセンター軸とから構成し、上記センター軸の位置
    によって上記ツールホルダを上記ツールポットに保持さ
    せるようにしたことを特徴とするツールホルダ保持装
    置。
  2. 【請求項2】 上記ホルダ拡開用のカム部は上記ツール
    ホルダの内周面全周に設けた凹溝部であり、上記ボール
    移動用のカム部は上記センター軸の外周面全周に設けた
    凹溝部であることを特徴とする請求項1記載のツールホ
    ルダ保持装置。
  3. 【請求項3】 上記センター軸は上記ばねによって一方
    向に付勢されるとともに、解除部材によって逆方向に移
    動可能に構成されてなることを特徴とする請求項1また
    は2記載のツールホルダ保持装置。
  4. 【請求項4】 上記ばねは上記ツールホルダを拡開させ
    る方向に付勢され、上記解除部材は上記ボールを上記セ
    ンター軸の外周面に設けた上記ボール移動用のカム部内
    に収納して上記ツールホルダの拡開を解除させるように
    構成したことを特徴とする請求項3記載のツールホルダ
    保持装置。
  5. 【請求項5】 上記スリーブの孔に当該孔から上記ボー
    ルが脱落するのを防止する脱落防止用突起を設けたこと
    を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のツール
    ホルダ保持装置。
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