JP2001121140A - 吸着剤及び水処理方法 - Google Patents

吸着剤及び水処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 ハンドリングが容易で、保存性にも優れ
た吸着剤を提供する。 【解決手段】 吸着剤は、ヒドロオキシ硫酸鉄を有効成
分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸着剤、水処理剤
及び水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明の解決しようとする課題】工業排
水等の有機性物質などの種々の汚染物質により汚染され
た汚染水を、浄化する汚染水の処理方法は、種々提案さ
れている。
【0003】例えば、特開昭55−39281号公報に
は、有機性排水の生物学的処理水に水酸化第2鉄を添加
して有機物を吸着させた後、得られた処理水に鉄塩触媒
を添加して有機物を酸化分解し、さらにアルカリを添加
して鉄塩触媒を水酸化第2鉄スラッジとして析出分離さ
せる有機性排水の処理方法が提案されている。
【0004】しかし、このような従来提案されている処
理方法で汚染物質の吸着に用いられる吸着剤は、ハンド
リング性が悪く、また、保存安定性も悪いという問題が
あった。
【0005】一方、排水中には、リン、砒素、フミン酸
等が含まれている場合も多い。そして、リンは湖沼、海
等で富栄養化の原因になるので除外することが望まれ
る。また、排水から除外されたリン、砒素等はリサイク
ルして再利用することが可能である。フミン酸は水中の
色度成分であり、フミン酸に吸着された重金属等もリサ
イクル可能である。
【0006】従って、本発明の目的は、ハンドリングが
容易で、保存性にも優れた吸着剤を提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、各種の汚染物質により
汚染された汚染水から簡易に且つ良好に汚染物質を除去
できる水処理剤及び水処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の一側面では、ヒ
ドロオキシ硫酸鉄を有効成分とする吸着剤が提供され
る。
【0008】本発明において、2価の鉄イオンと硫酸イ
オンとを含む水溶液に過酸化物を添加して得られた沈澱
物であって非結晶質ヒドロキシ硫酸鉄を主な成分とする
ものを有効成分とすることが好ましい。
【0009】本発明の他の側面では、上記吸着剤を主成
分とする水処理剤が提供される。本発明の他の側面で
は、前記吸着剤及び/または前記水処理剤と、水と、を
接触させる吸着工程と;前記吸着剤を含む水に、凝集剤
を添加する凝集工程と;を有する水処理方法が提供され
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい一実施形
態について説明する。本発明の吸着剤は、ヒドロオキシ
硫酸鉄を有効成分とすることを特徴とする。ヒドロオキ
シ硫酸鉄には、3価鉄のヒドロオキシ硫酸塩が含まれ
る。ヒドロオキシ硫酸鉄には、例えば、2Fe2O3・5SO3
Fe2O3・2SO3、Fe2O3・2SO3、3Fe2O3・4SO3、Fe2O3・S
O3、2Fe2O3・SO3が含まれる。これらについては、下記
に述べる。ヒドロオキシ硫酸鉄については、更に、7Fe2
O3・18SO3・nH2O,7Fe2O3・15SO3,3Fe2O・SO3,7Fe2O3
・SO3・10.5H2O,10Fe2O3・SO3・H2O なども報告されて
いる。
【0011】2Fe2O3・5SO3について述べる。十七水化物
は、Fe2O3-SO3-H2O 系で約90°以下で存在する。十八水
化物は、Fe2O3-SO3-H2O 系で25°で存在する。あるい
は、SO 3:Fe2O3 の比が2.5よりも大きい濃硫酸鉄(II
I)溶液を煮沸して、得られる。
【0012】Fe2O3・2SO3について述べる。無水物は、
硫酸鉄(II)を乾燥空気気流中で約300°に加熱して
得られる。十五水化物は、工業用鉄媒染液を長時間放置
すると析出する。無水物は、茶褐色の粉末であり、潮解
性がある。一水化物は、Fe2O 3-SO3-H2O系で約80℃以
上で安定である。七水化物は天然にアマランタイトとし
て産する。八水化物は天然にキャスタナイトとして産す
る。九〜十一水化物は、天然にfibroferriteとして産す
る。十五水化物は風解性があり、加熱すると結晶水中に
溶ける。
【0013】2Fe2O3・3SO3について述べる。無水物は、
硫酸鉄(III)を強熱して得られる。七水化物は、天
然にraimonditeとして産する。八水化物は、硫酸鉄(I
I)溶液が空気中で酸化されて得られる。なお、硫酸鉄
(II)溶液に酸化水銀(II)を長時間作用させると
含水量不明の水化物が得られる。3Fe2O3・4SO3について
述べる。九水化物は天然にワラテッ鉱およびborgstromi
tとして産する。約20%の硫酸鉄(III)溶液を封管
中で150°に加熱して得られる。
【0014】Fe2O3・SO3について述べる。4/3〜二水化
物は天然にユターアイトとして産する。三水化物は硫酸
鉄(III)溶液に炭酸カリウムを加えて得られる。十
五水化物は天然にplanoferriteとして産する。
【0015】2Fe2O3・SO3について述べる。六水化物は
天然にグロッカーライトとして産する。硫酸鉄(II)
溶液を空気中で酸化して得られる。七水化物は、Fe2O3
・2SO3・15H2Oを冷水で処理して得られる。八水化物は
天然にhydroglockeriteとして産する。硫酸鉄(II)
溶液に過酸化水素を加えて得られる。なお,硫酸鉄(I
II)溶液を加熱するか,希釈するか,あるいは炭酸ナ
トリウムを加えると含水量不明の水化物を得る。
【0016】本発明の吸着剤には、50重量%以上のヒ
ドロオキシ硫酸鉄が含まれていることが好ましく、70
重量%以上のヒドロオキシ硫酸鉄が含まれていることが
更に好ましく、80重量%以上のヒドロオキシ硫酸鉄が
含まれていることが更になお好ましく、90重量%以上
のヒドロオキシ硫酸鉄が含まれていることが特に好まし
い。
【0017】ヒドロオキシ硫酸鉄は、例えば、2価の鉄
イオンを含む鉄化合物と硫酸イオンを含む硫酸化合物と
を含む水溶液、例えば、硫酸鉄(II)を含む水溶液
に、過酸化水素等の過酸化物を加えて反応させて、沈殿
物として得られる。この非結晶質のヒドロキシ硫酸鉄
は、吸着能力が高く、且つ沈降分離性等の取り扱い性も
良好であるので、特に好ましい。
【0018】この合成方法では、鉄と硫酸イオンとの配
合割合(モル比)は、鉄:硫酸イオン=2:1〜1:2
とするのが好ましい。また、前記水溶液における鉄の含
有量は、10〜50モル/リットルとするのが好まし
い。
【0019】さらに、過酸化水素溶液は、過酸化水素の
含有量が、好ましくは1〜5重量%であり、その使用量
は、2価の鉄イオン1モルに対して、0.5〜2モルと
するのが好ましい。
【0020】また、反応条件は、15〜60℃で、2〜
5時間とするのが好ましい。また、本発明の吸着剤は、
前記ヒドロオキシ硫酸鉄を有効成分として含有すれば他
の成分は特に制限されず、通常この種の吸着剤に用いら
れるものを特に制限なく添加しても良い。あるいは、本
発明においては、前記ヒドロオキシ硫酸鉄を単独で吸着
剤としてもよい。
【0021】本発明の吸着剤は、各種汚染物質により汚
染された工業排水等の浄化に用いることができる。特
に、リン、砒素等を含有する工業排水等の処理に適し、
洗剤中のリンを含有する生活排水の処理にも用いること
ができる。
【0022】また、本発明の吸着剤は、1)スラリー
状、2)粉末等の粒状物、3)担体に吸着させた形態の
何れの使用形態で使用することができる。例えば、ヒド
ロオキシ硫酸鉄を調製する際にスポンジや粒状活性アル
ミナなどの担体を共存させて、ヒドロオキシ硫酸鉄を担
体に吸着させてもよい。
【0023】そして、本発明の吸着剤は、予め調製して
得られた前記ヒドロオキシ硫酸鉄を有効成分とするの
で、汚染物質の除去効果が高く、しかもハンドリングが
容易で、保存安定性も高いものである。
【0024】次に、本発明の水処理剤について説明す
る。本発明の水処理剤は、前記の本発明の吸着剤を主成
分とすることを特徴とする。
【0025】本発明においては、前記吸着剤のみで水処
理剤を構成しても良い。あるいは、水処理剤には、前記
の吸着剤以外の成分として、更に、活性炭、活性アルミ
ナ等の他の吸着物質が含まれていても良い。これらの添
加成分とヒドロキシ硫酸鉄とは相互の作用を阻害しな
い。
【0026】前記吸着剤は、前述した使用形態のいずれ
の形態で用いてもよい。そして、本発明の水処理剤又は
吸着剤は、リン、砒素、重金属イオン等の成分を除去す
ることができる。被処理水及び本発明の水処理剤と反応
槽に投入して反応させた後、反応溶液を凝集剤と共に凝
集槽に投入して凝集させ、次いで、沈殿槽にて凝集物を
沈殿させて、沈殿物と処理水とに分離してもよい。ある
いは、被処理物及び本発明の水処理剤が封入された吸着
塔に投入して、吸着塔を通過した後の被処理物を濾過槽
に投入して濾過してもよい。
【0027】砒素の場合には、前処理として、砒素を酸
化し、次いで、本発明の処理剤を用いることが好まし
い。重金属イオンの場合には、エチレンジアミン四酢酸
(EDTA)、フミン酸などの重金属イオンと配位結合
を起こすキレート剤等を添加する前処理を行い、次い
で、本発明の処理剤を用いることが好ましい。
【0028】図1は、反応槽と、凝集槽と、沈殿槽とを
具備する処理装置を示す。なお、各槽は、それぞれ、公
知のものを特に制限なく用いることができ、好ましく
は、各槽は、それぞれ公知の連結管を介して連結されて
いる。
【0029】まず、本発明の水処理剤が投入されている
反応槽に被処理物を投入して、リン等を吸着させる。水
処理剤の使用量は、被処理物の汚染状況により任意であ
るが、通常は、被処理成分に対して20倍〜200倍と
するのが好ましい。
【0030】また、反応条件は、水溶液の常温域で行わ
れることが好ましい。常温域とは、特に限定がない限
り、10〜35℃であり、好ましくは15〜25℃であ
る。次いで、反応終了後、反応溶液を凝集剤と共に凝集
槽に投入して凝集させる。
【0031】この際用いることができる凝集剤として
は、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸ベンド塩化鉄
(III)、アニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分
子凝集剤、両性高分子凝集剤等が挙げられる。高分子
は、天然高分子でもよいし、合成高分子でもよい。次い
で、公知の手法により、沈殿槽にて凝集物を沈殿させ
て、沈殿物としての汚泥と処理水とに分離する。
【0032】なお、本方式により処理をする場合には、
当該吸着剤が核となることにより極めて沈降性のよい凝
集フロックが得られる。通常の凝集沈殿装置にて、当該
吸着剤を用いた場合には、数倍の沈降分離速度が得ら
れ、設備の小型化又は既存の設備では処理水量の増大化
が図れる。あるいは、凝集フロックを沈降分離する方法
として造粒沈殿装置を利用した場合などでは、通常の沈
降分離速度(200mm/min.)よりも速い沈降分
離速度(300mm/min.〜400mm/min.
程度)での設計が可能になる。なお、造粒沈殿装置と
は、凝集剤を添加しつつ攪拌して、ペレット状ないし団
粒状の凝集汚泥を形成する装置をいう。
【0033】図2は、吸着塔と濾過槽とを具備する処理
装置を示す。なお、吸着塔及び濾過槽としては、それぞ
れ、公知のものを特に制限なく用いることができ、好ま
しくは、各槽は、それぞれ公知の連結管を介して連結さ
れている。
【0034】まず、被処理物を本発明の水処理剤が充填
された吸着塔に投入して、被処理物中のリンを吸着させ
る。充填塔で用いられる吸着剤は、粒状物であることが
好ましい。粒状物は、球形、楕円形、多角形、リング形
状、ラシヒリング等であってもよい。
【0035】また、吸着塔に被処理物を投入する際の条
件は、被処理物により異なるが、好ましくは下記の通り
である。温度としては、水溶液の常温域、例えば、10
〜35℃で行われるのが好ましく、15〜25℃で行わ
れることが更に好ましい。
【0036】次いで、吸着塔を通過した後の被処理物を
微多孔質(microporous)膜(MF膜)、限外ろ過(ultraf
ine)膜(UF膜)等の膜濾過や砂等の充てん濾過その他公
知の手法により濾過槽に投入して濾過して処理水を得
る。
【0037】図3は反応槽と濾過槽とを具備する処理装
置を示す。なお、各槽は、それぞれ、公知のものを特に
制限なく用いることが出来、好ましくは、各槽は、それ
ぞれ公知の連結管を介して連結されている。
【0038】まず、本発明の水処理剤が投入されている
反応槽に被処理物を投入して、リン等を吸着させる。水
処理剤の使用量は、被処理物の汚染状況により任意であ
るが、通常は、被処理成分に対して20倍〜200倍量とす
るのが好ましい。
【0039】また、反応は、水溶液の常温域で行われる
のが好ましく、反応時間は0.5〜2時間とするのが好まし
い。次いで、反応終了後、公知の手法により、ろ過槽に
て反応液を濾過し、水処理剤を中心とした汚泥と濾過液
(処理水)とに分離する。ろ過槽としては、図2で説明
したろ過槽を用いることができる。
【0040】図4は、溶解槽と第1反応槽と第1沈殿槽
と第2反応槽と第2沈殿槽と、第1沈殿槽で得られる沈
殿物を乾燥する第1乾燥器と、第2沈殿槽で得られる沈
殿物を乾燥する第2乾燥器とを有する再生装置を示す。
汚泥又は使用後の吸着剤を、塩酸等の強酸と共に溶解槽
に投入して溶解する。次いで、溶解された溶液を第1反
応槽に投入してpH3〜5等の酸性条件下で反応させ
る。得られた反応溶液を沈殿槽に移送して沈殿させてF
eOOH等を主とする第1沈殿物と処理水とに分離す
る。さらに、処理水を水酸化カルシウム等の強塩基と共
に第2反応槽に投入してpH8〜9等の塩基性条件下で
反応させる。次いで、反応溶液を沈殿槽に移送して沈殿
させてヒドロキシアパタイト等を主とする第2沈殿物と
処理水とに分離する。こうして得られた第1沈殿物及び
第2沈殿物をそれぞれ第1乾燥器及び第2乾燥器に移送
して、乾燥し、再利用に供する。
【0041】強酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無
機酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸が用いられる。後処
理等を考慮すると、無機酸が好ましい。強塩基として
は、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等の無機塩基が好ましく用いられ
る。
【0042】第2反応槽における水酸化カルシウム等の
強塩基の使用量は、溶液中に含有されているリン濃度1
重量%に対して20〜500重量%とするのが好まし
く、50〜200重量%とすることが好ましく、80〜
150重量%とすることが更に好ましい。
【0043】図5は、砒素を含む水を処理する装置を示
す。即ち、砒素酸化槽と、反応槽と、凝集槽と、沈殿槽
とを具備する処理装置を示す。なお、各槽は、それぞ
れ、公知のものを特に制限なく用いることができ、好ま
しくは、各槽は、それぞれ公知の連結管を介して連結さ
れている。
【0044】そして、まず、被処理物を酸化剤と共に砒
素酸化槽に投入して砒素を酸化させる。酸化剤として
は、塩素等が用いられる。この際の酸化剤の使用量は、
被処理物の汚染状況により任意であるが、被処理成分1
00重量部に対して、200〜500重量部とするのが
好ましい。
【0045】次いで、砒素が酸化された被処理物を本発
明の水処理剤が投入されている反応槽に投入して反応さ
せる。吸着剤は、通常は、被処理成分の10倍〜200
倍とするのが好ましく、20〜100倍とすることが更
に好ましい。また、反応条件は、水溶液の常温域で0.
5〜2時間とするのが好ましい。
【0046】次いで、反応終了後の反応溶液を凝集剤と
共に凝集槽に投入して凝集させる。この際に用いること
ができる凝集剤としては、前記の凝集剤が挙げられる。
次いで、公知の手法により、沈殿槽にて凝集物を沈殿さ
せて、沈殿物としての汚泥と処理水とに分離する。
【0047】図6は、砒素酸化槽と吸着塔と濾過槽とを
具備する処理装置を示す。なお、砒素酸化槽、吸着塔及
び濾過槽としては、それぞれ、公知のものを特に制限な
く用いることができ、好ましくは、各槽は、それぞれ公
知の連結管を介して連結されている。
【0048】まず、図5の処理方法と同様に砒素を酸化
した後、被処理物を本発明の水処理剤が封入された吸着
塔に投入して、被処理物中の砒素を吸着させる。吸着
塔、吸着剤、吸着塔に被処理物を投入する際の条件につ
いては上述した通りである。次いで、図2の処理法方と
同様に、ろ過を行う。
【0049】図7は、重金属配位化合物生成槽と、反応
槽と、凝集槽と、沈殿槽とを具備する処理装置を示す。
なお、各槽は、それぞれ、公知のものを特に制限なく用
いることができ、好ましくは、各槽は、それぞれ公知の
連結管を介して連結されている。
【0050】まず、被処理物に、前記重金属処理剤を添
加して、重金属イオンが配位結合されるように反応させ
る。前記重金属処理剤としては、エチレンジアミン四酢
酸(EDTA)等のキレート化剤、フミン酸等が挙げら
れる。
【0051】この際の重金属処理剤の使用量は、被処理
物の汚染状況により任意であるが、被処理物100重量
部に対して、1000〜5000重量部とするのが好ま
しい。反応条件は、水溶液の常温域で0.5〜2時間と
するのが好ましい。
【0052】次いで、重金属配位化合物を含有する被処
理物を本発明の水処理剤が投入されている反応槽に投入
して反応させる。吸着剤、凝集剤については、前述の通
りである。
【0053】次いで、公知の手法により、沈殿槽にて凝
集物を沈殿させて、沈殿物としての汚泥と処理水とに分
離する。図8は、重金属配位化合物生成槽と吸着塔と濾
過槽とを具備する処理装置を示す。なお、重金属配位化
合物生成槽、吸着塔及び濾過槽としては、それぞれ、公
知のものを特に制限なく用いることができ、好ましく
は、各槽は、それぞれ公知の連結管を介して連結されて
いる。
【0054】まず、図7の処理方法と同様に重金属配位
化合物を生成させる。次いで、被処理物を本発明の水処
理剤が封入された吸着塔に投入して、被処理物中の重金
属配位化合物を吸着させる。
【0055】吸着塔、吸着剤、吸着塔に被処理物を投入
する際の条件については上述した通りである。次いで、
吸着塔を通過した後の被処理物を濾過槽に投入して濾過
して処理水を得る。ろ過の条件は、上述の通りである。
【0056】
【発明の効果】本発明の吸着剤は、ハンドリングが容易
で、保存性にも優れたものである。また、本発明の水処
理剤及び水処理方法によれば、各種の汚染物質により汚
染された汚染水から簡易に且つ良好に汚染物質を除去で
きる。
【0057】特にリンを含む被処理物を処理する場合に
は、使用後の吸着剤から、容易に、リン含有濃度の高い
回収溶液を得ることもできる。また、処理後の吸着剤か
ら鉄分を容易に分離・回収することも可能で、回収した
鉄分を再利用して吸着剤を調整することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、リンを含む被処理物の処理装置及び処
理方法の概要を示す概略図である。
【図2】図2は、リンを含む被処理物の処理装置及び処
理方法の概要を示す概略図である。
【図3】図3は、リン吸着工程の概要を示す概略図であ
る。
【図4】図4は、リンを処理した後の水処理剤における
吸着剤の再生処理装置及び再生処理方法の概要を示す概
略図である。
【図5】図5は、砒素を含む被処理物の処理装置及び処
理方法の概要を示す概略図である。
【図6】図6は、砒素を含む被処理物の処理装置及び処
理方法の概要を示す概略図である。
【図7】図7は、重金属イオンを含む被処理物の処理装
置及び処理方法の概要を示す概略図である。
【図8】図8は、重金属イオンを含む被処理物の処理装
置及び処理方法の概要を示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D017 AA01 BA11 BA13 CA03 CA04 CA05 CA06 CB01 EA01 EA03 4D024 AA04 AB12 AB14 AB16 BA02 BA13 BA14 BB01 BB08 DB23 4D062 BA04 BB05 CA17 CA18 DA04 DA12 DB01 DB31 EA02 FA22 4G066 AA05B AA20B AA39B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロオキシ硫酸鉄を有効成分とする吸
    着剤。
  2. 【請求項2】 2価の鉄イオンと硫酸イオンとを含む水
    溶液に過酸化物を添加して得られた沈澱物であって非結
    晶質ヒドロキシ硫酸鉄を主な成分とするものを有効成分
    とする、請求項1記載の吸着剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の吸着剤を主成分
    とする水処理剤。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の吸着剤及び/ま
    たは請求項3に記載の水処理剤と、水と、を接触させる
    吸着工程と;前記吸着剤を含む水に、凝集剤を添加する
    凝集工程と;を有する水処理方法。
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