JP2001120989A - カリウムイオン交換NaA型ゼオライト及び酸素窒素分離方法 - Google Patents
カリウムイオン交換NaA型ゼオライト及び酸素窒素分離方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 窒素・酸素の吸着による分離比が高く、分離
効率の良いゼオライトを得るとともに、それを使用して
酸素・窒素を分離する方法の提供。 【解決手段】 NaA型ゼオライトの1〜15%のナト
リウムイオンをカリウムイオンで交換して、出発原料N
aA型ゼオライトより優れた[窒素/酸素]分離比Sと
有効窒素吸着量を有するカリウムイオン交換NaA型ゼ
オライトを得、そしてこれを使用してPSA法により酸
素、窒素を含む気体よりこれらを分離する方法。
効率の良いゼオライトを得るとともに、それを使用して
酸素・窒素を分離する方法の提供。 【解決手段】 NaA型ゼオライトの1〜15%のナト
リウムイオンをカリウムイオンで交換して、出発原料N
aA型ゼオライトより優れた[窒素/酸素]分離比Sと
有効窒素吸着量を有するカリウムイオン交換NaA型ゼ
オライトを得、そしてこれを使用してPSA法により酸
素、窒素を含む気体よりこれらを分離する方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気の如き酸素、
窒素を含有する気体から酸素と窒素を分離する方法とそ
れに使用する吸着剤に関する。
窒素を含有する気体から酸素と窒素を分離する方法とそ
れに使用する吸着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空気中の酸素と窒素を吸着分離す
るために、ゼオライトや分子ふるい炭素が使用されてい
る。このうちゼオライトは、窒素の吸着量が酸素の吸着
量よりも多い特性を有している。又、ゼオライトを吸着
剤として空気から酸素と窒素を分離する方法は、いわゆ
るPSA法[プレッシャー・スイング・アドソープショ
ン(圧力変動吸着法)、以下「PSA法」という。]と
して広く用いられている。そして、このPSA法では、
ゼオライトを充填した1又は1以上の吸着塔に加圧空気
または常圧空気を交互に供給し、ゼオライトに選択的に
窒素を吸着させ、難吸着成分である酸素を製品として取
り出し、一定時間後に吸着塔を圧力降下せしめたり、減
圧にしたりして、ゼオライトに吸着されている窒素を脱
着せしめて排出して、ゼオライトを再生する。そして、
以後この操作を交互に繰り返して運転して、継続的に分
離運転するものである。
るために、ゼオライトや分子ふるい炭素が使用されてい
る。このうちゼオライトは、窒素の吸着量が酸素の吸着
量よりも多い特性を有している。又、ゼオライトを吸着
剤として空気から酸素と窒素を分離する方法は、いわゆ
るPSA法[プレッシャー・スイング・アドソープショ
ン(圧力変動吸着法)、以下「PSA法」という。]と
して広く用いられている。そして、このPSA法では、
ゼオライトを充填した1又は1以上の吸着塔に加圧空気
または常圧空気を交互に供給し、ゼオライトに選択的に
窒素を吸着させ、難吸着成分である酸素を製品として取
り出し、一定時間後に吸着塔を圧力降下せしめたり、減
圧にしたりして、ゼオライトに吸着されている窒素を脱
着せしめて排出して、ゼオライトを再生する。そして、
以後この操作を交互に繰り返して運転して、継続的に分
離運転するものである。
【0003】従来、この目的に使用されるゼオライト
は、その有効窒素吸着量、あるいは[窒素/酸素]分離
比が比較的良好であり、一応必要な性能は具えているも
のの、必ずしも十分満足できるものではなく、安価でよ
り一層高い分離効率を示すゼオライトが絶えず求められ
ている。
は、その有効窒素吸着量、あるいは[窒素/酸素]分離
比が比較的良好であり、一応必要な性能は具えているも
のの、必ずしも十分満足できるものではなく、安価でよ
り一層高い分離効率を示すゼオライトが絶えず求められ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような事情に鑑み
本発明はなされたものであり、本発明の課題は、分離効
率の良いゼオライトを得ることにあるとともに、これを
使用して、より効率良く酸素・窒素を分離する方法を得
ることにある。
本発明はなされたものであり、本発明の課題は、分離効
率の良いゼオライトを得ることにあるとともに、これを
使用して、より効率良く酸素・窒素を分離する方法を得
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、請求項1に係わる発明は、NaA型ゼオライトの
1〜15%のナトリウムをカリウムイオンで交換してな
ることを特徴とするカリウムイオン交換NaA型ゼオラ
イトとしたものである。又、請求項2に係わる発明は、
上記したカリウムイオン交換NaA型ゼオライトを使用
して、圧力変動吸着法(PSA法)によって、窒素、酸
素を含む気体より窒素と酸素を分離することを特徴とす
る酸素窒素分離方法としたものである。
ため、請求項1に係わる発明は、NaA型ゼオライトの
1〜15%のナトリウムをカリウムイオンで交換してな
ることを特徴とするカリウムイオン交換NaA型ゼオラ
イトとしたものである。又、請求項2に係わる発明は、
上記したカリウムイオン交換NaA型ゼオライトを使用
して、圧力変動吸着法(PSA法)によって、窒素、酸
素を含む気体より窒素と酸素を分離することを特徴とす
る酸素窒素分離方法としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】[ゼオライトの構造]本発明の対
象であるA型ゼオライトは、下記に示す組成式からなる
結晶性アルミノケイ酸塩であり、結晶内部の電荷のアン
バランスを補うためにナトリウムイオン、カルシウムイ
オン、その他のカチオンが存在する。それらカチオン
は、その他のカチオンと可逆的にイオン交換することが
できる。交換可能な全量を理論交換容量という。理論交
換容量に対して、実際に交換された容量の比を交換率と
いう。
象であるA型ゼオライトは、下記に示す組成式からなる
結晶性アルミノケイ酸塩であり、結晶内部の電荷のアン
バランスを補うためにナトリウムイオン、カルシウムイ
オン、その他のカチオンが存在する。それらカチオン
は、その他のカチオンと可逆的にイオン交換することが
できる。交換可能な全量を理論交換容量という。理論交
換容量に対して、実際に交換された容量の比を交換率と
いう。
【0007】[NaA型ゼオライトの組成式] Na12(SiO2)12(AlO2)12 ゼオライトは、それぞれの構造の型に応じてチャンネル
(通路)とケージ(空洞)からなる特有の細孔構造をも
ち、特有の窒素、酸素吸着性能を発現する。ナトリウム
がカリウムで交換されると、チャンネルやケージが変化
し、窒素や酸素の吸着特性も変化する。
(通路)とケージ(空洞)からなる特有の細孔構造をも
ち、特有の窒素、酸素吸着性能を発現する。ナトリウム
がカリウムで交換されると、チャンネルやケージが変化
し、窒素や酸素の吸着特性も変化する。
【0008】[カリウムイオン交換法]NaA型ゼオラ
イトを出発原料とする場合には、これを、塩化カリウム
の水溶液、またはそれに塩化ナトリウムや塩化カルシウ
ム水溶液を加えた溶液に漬すことにより、カリウムイオ
ン交換することができる。カリウムイオン濃度とNaAゼ
オライトの量、処理温度や時間などを調節して、所望す
る目的のカリウムイオン交換率にすることができる。水
溶液中のカリウムイオン濃度は10〜3000meq/l、
温度は室温付近、時間は1〜72時間程度の範囲の適宜
な時間で行うことにより、適宜なイオン交換率に調整す
ることができる。
イトを出発原料とする場合には、これを、塩化カリウム
の水溶液、またはそれに塩化ナトリウムや塩化カルシウ
ム水溶液を加えた溶液に漬すことにより、カリウムイオ
ン交換することができる。カリウムイオン濃度とNaAゼ
オライトの量、処理温度や時間などを調節して、所望す
る目的のカリウムイオン交換率にすることができる。水
溶液中のカリウムイオン濃度は10〜3000meq/l、
温度は室温付近、時間は1〜72時間程度の範囲の適宜
な時間で行うことにより、適宜なイオン交換率に調整す
ることができる。
【0009】[分離性能]このようなゼオライトを吸着
剤として使用したPSA操作には、種々の態様がある
が、典型的には高い圧力状態下での吸着と、低い圧力状
態下にしての再生である。故に、吸着工程における窒素
吸着量q(N2、A)と再生減圧工程における窒素吸着
量q(N2、D)との差が窒素の有効吸着量となり、又
吸着工程における酸素吸着量q(O2、A)と減圧再生
工程における酸素吸着量q(O2、D)との差が酸素の
有効吸着量となる。そして、これらの有効吸着量の比S
は、 S=[q(N2、A)ーq(N2、D)]/[q(O2、A)ーq(O2、D)]---(1 ) となり、PSA操作における[窒素/酸素]の分離比S
として、吸着の分離特性を表す指標である。なお、上記
式(1)において、符号Aは吸着工程の組成分の圧力状
態を示し、符号Dは減圧再生工程の組成分の圧力状態を
示すものである。
剤として使用したPSA操作には、種々の態様がある
が、典型的には高い圧力状態下での吸着と、低い圧力状
態下にしての再生である。故に、吸着工程における窒素
吸着量q(N2、A)と再生減圧工程における窒素吸着
量q(N2、D)との差が窒素の有効吸着量となり、又
吸着工程における酸素吸着量q(O2、A)と減圧再生
工程における酸素吸着量q(O2、D)との差が酸素の
有効吸着量となる。そして、これらの有効吸着量の比S
は、 S=[q(N2、A)ーq(N2、D)]/[q(O2、A)ーq(O2、D)]---(1 ) となり、PSA操作における[窒素/酸素]の分離比S
として、吸着の分離特性を表す指標である。なお、上記
式(1)において、符号Aは吸着工程の組成分の圧力状
態を示し、符号Dは減圧再生工程の組成分の圧力状態を
示すものである。
【0010】代表的な例としては、吸着を800Torr
で、減圧再生を230Torrで行う。吸着工程、減圧再
生工程ともに、吸着塔の空間部分の成分を空気成分であ
ると仮定すると、吸着工程における吸着塔の空間部分の
窒素分圧は、800×0.8=640Torr=85.3kP
a、酸素分圧は、800×0.2=160Torr=21.3
kPaである。同様にして、減圧再生工程における吸着塔
の空間部分の窒素分圧は24.5kPa、酸素分圧は6.1
kPaである。従って、上記式(1)を用いて求められる
分離比Sは、 S=[q(N2、85.3kPa)−q(N2、24.5kPa)]/[q(O2、21.3kP a)−Oq(O2、6.1kPa)] ------ (2) となる。
で、減圧再生を230Torrで行う。吸着工程、減圧再
生工程ともに、吸着塔の空間部分の成分を空気成分であ
ると仮定すると、吸着工程における吸着塔の空間部分の
窒素分圧は、800×0.8=640Torr=85.3kP
a、酸素分圧は、800×0.2=160Torr=21.3
kPaである。同様にして、減圧再生工程における吸着塔
の空間部分の窒素分圧は24.5kPa、酸素分圧は6.1
kPaである。従って、上記式(1)を用いて求められる
分離比Sは、 S=[q(N2、85.3kPa)−q(N2、24.5kPa)]/[q(O2、21.3kP a)−Oq(O2、6.1kPa)] ------ (2) となる。
【0011】[カリウムイオン交換NaAゼオライトの
吸着特性]本発明のカリウムイオン交換NaA型ゼオラ
イトは、ナトリウムイオンの1〜15%をカリウムイオ
ンで交換したことを特徴とし、好ましいカリウムイオン
交換率は、1〜13%である。カリウムイオン交換率が
15%を越えると、分離性能が低下する。カリウムイオ
ン交換率が1%未満であるものの分離性能は、事実上、
カリウムイオンを交換しない元の出発原料のNaAゼオ
ライトと同じである。このカリウムイオン交換NaAゼ
オライトは、窒素と酸素の分離性能が向上する特徴を有
し、後記する分離比Sは約8.8以上である。カリウム
イオン交換率が1〜13%のNaAゼオライトは分離比
が高い上に、有効窒素吸着量も、カリウムイオンを交換
しない元のNaAゼオライトよりも大きくなる特徴を有
する。
吸着特性]本発明のカリウムイオン交換NaA型ゼオラ
イトは、ナトリウムイオンの1〜15%をカリウムイオ
ンで交換したことを特徴とし、好ましいカリウムイオン
交換率は、1〜13%である。カリウムイオン交換率が
15%を越えると、分離性能が低下する。カリウムイオ
ン交換率が1%未満であるものの分離性能は、事実上、
カリウムイオンを交換しない元の出発原料のNaAゼオ
ライトと同じである。このカリウムイオン交換NaAゼ
オライトは、窒素と酸素の分離性能が向上する特徴を有
し、後記する分離比Sは約8.8以上である。カリウム
イオン交換率が1〜13%のNaAゼオライトは分離比
が高い上に、有効窒素吸着量も、カリウムイオンを交換
しない元のNaAゼオライトよりも大きくなる特徴を有
する。
【0012】
【実施例】●カリウムイオン交換NaAゼオライトの合
成 出発原料ゼオライトの試料は、市販のNaA型ゼオライ
トを用いた。カリウムイオン交換は、試料5gを、塩化
カリウムを濃度32.5、150、300、750なら
びに1875meq/lに調整した水溶液400mlに浸漬
し、25℃でバッチ法により48時間反応させた。これ
らの反応により種々のイオン交換率の試料を合成した。
成 出発原料ゼオライトの試料は、市販のNaA型ゼオライ
トを用いた。カリウムイオン交換は、試料5gを、塩化
カリウムを濃度32.5、150、300、750なら
びに1875meq/lに調整した水溶液400mlに浸漬
し、25℃でバッチ法により48時間反応させた。これ
らの反応により種々のイオン交換率の試料を合成した。
【0013】反応後の溶液中のイオンと固体試料の組成
分析を行った。カリウムイオン交換したNaAゼオライ
トをテフロン容器に50mg精秤し、濃フッ化水素酸
0.5mlと濃塩酸1.0mlを加えた。室温で一夜放置
し、4%ホウ酸水溶液12mlでマスキングしたのち全
量を100mlとした。試料溶液中のCa2+、Al3+、
及びSi4+についてはICP高周波誘導結合プラズマ発
光分析法により定量した。Na+については原子吸光分
析法により定量した。それらのデータから、カリウムイ
オン交換率を求めた。
分析を行った。カリウムイオン交換したNaAゼオライ
トをテフロン容器に50mg精秤し、濃フッ化水素酸
0.5mlと濃塩酸1.0mlを加えた。室温で一夜放置
し、4%ホウ酸水溶液12mlでマスキングしたのち全
量を100mlとした。試料溶液中のCa2+、Al3+、
及びSi4+についてはICP高周波誘導結合プラズマ発
光分析法により定量した。Na+については原子吸光分
析法により定量した。それらのデータから、カリウムイ
オン交換率を求めた。
【0014】●カリウムイオン交換NaAゼオライトの
吸着特性の測定 上記した合成により得られた各試料を、673Kで10
時間真空加熱処理した後、298Kにおいて容量法によ
り、ある圧力(kPa)における窒素の吸着量qN2(m
l(STP)/g)と、酸素の吸着量qO2(ml(STP)/
g)を測定し、吸着等温線を作成した。測定は、出発原
料NaAゼオライト(カリウムイオン交換率0%)及び
そのナトリウムイオンをカリウムイオンで交換した、交
換率11%、19%、31%のゼオライトの試料で行
い、各試料の窒素の吸着等温線を図1に、又酸素の吸着
等温線を図2に示す。なお、図1及び図2中、○、△、
□、▽の各印は以下の通りのNaAゼオライトを示す。 ○印:カリウムイオン交換率0%で出発原料NaAゼオ
ライト、 △印:カリウムイオン交換率11%のNaAゼオライ
ト、 □印:カリウムイオン交換率19%のNaAゼオライ
ト、 ▽印:カリウムイオン交換率31%のNaAゼオライ
ト、である。
吸着特性の測定 上記した合成により得られた各試料を、673Kで10
時間真空加熱処理した後、298Kにおいて容量法によ
り、ある圧力(kPa)における窒素の吸着量qN2(m
l(STP)/g)と、酸素の吸着量qO2(ml(STP)/
g)を測定し、吸着等温線を作成した。測定は、出発原
料NaAゼオライト(カリウムイオン交換率0%)及び
そのナトリウムイオンをカリウムイオンで交換した、交
換率11%、19%、31%のゼオライトの試料で行
い、各試料の窒素の吸着等温線を図1に、又酸素の吸着
等温線を図2に示す。なお、図1及び図2中、○、△、
□、▽の各印は以下の通りのNaAゼオライトを示す。 ○印:カリウムイオン交換率0%で出発原料NaAゼオ
ライト、 △印:カリウムイオン交換率11%のNaAゼオライ
ト、 □印:カリウムイオン交換率19%のNaAゼオライ
ト、 ▽印:カリウムイオン交換率31%のNaAゼオライ
ト、である。
【0015】上記した出発原料であるNaAゼオライト
と各カリウムイオン交換率のNaAゼオライトの、6.1
kPa、21.3kPa、24.5kPa、及び85.3kPaに
おける窒素と酸素の吸着量を求めた。この吸着圧力は、
前記した空気を分離対象気体とした場合の吸着工程時の
圧力800Torrの窒素分圧(640Torr=85.3kP
a)と酸素分圧(160Torr=21.3kPa)、及び減
圧再生工程の圧力230Torrの窒素分圧(184Torr
=24.5kPa)と酸素分圧(46Torr=6.1kPa)
にそれぞれ相当する圧力である。
と各カリウムイオン交換率のNaAゼオライトの、6.1
kPa、21.3kPa、24.5kPa、及び85.3kPaに
おける窒素と酸素の吸着量を求めた。この吸着圧力は、
前記した空気を分離対象気体とした場合の吸着工程時の
圧力800Torrの窒素分圧(640Torr=85.3kP
a)と酸素分圧(160Torr=21.3kPa)、及び減
圧再生工程の圧力230Torrの窒素分圧(184Torr
=24.5kPa)と酸素分圧(46Torr=6.1kPa)
にそれぞれ相当する圧力である。
【0016】これらの圧力における吸着量、即ち吸着工
程の窒素吸着量q(N2、85.3kPa)、酸素の吸着量q
(O2、21.3kPa)、及び減圧再生工程の窒素吸着量q
(N2、24.5kPa)と酸素吸着量q(O2、6.1kPa)を
図1及び図2より採取して、得られた値を基にして、以
下の如き窒素の有効吸着量と酸素の有効吸着量を求め
た。 ・窒素の有効吸着量=q(N2、85.3kPa)ーq(N2、24.5kPa) ---( 3) ・酸素の有効吸着量=q(O2、21.3kPa)ーq(O2、6.1kPa) 更に、[窒素/酸素]の分離比Sを前記式(2)により
求め、これらを表1及び図3に示した。なお、上記した
式(3)は吸着工程と減圧再生工程における窒素吸着量
の差、即ち、有効窒素吸着量を表す指標であり、大きい
値の方が望ましい。この値をも表1及び図3に示した。
程の窒素吸着量q(N2、85.3kPa)、酸素の吸着量q
(O2、21.3kPa)、及び減圧再生工程の窒素吸着量q
(N2、24.5kPa)と酸素吸着量q(O2、6.1kPa)を
図1及び図2より採取して、得られた値を基にして、以
下の如き窒素の有効吸着量と酸素の有効吸着量を求め
た。 ・窒素の有効吸着量=q(N2、85.3kPa)ーq(N2、24.5kPa) ---( 3) ・酸素の有効吸着量=q(O2、21.3kPa)ーq(O2、6.1kPa) 更に、[窒素/酸素]の分離比Sを前記式(2)により
求め、これらを表1及び図3に示した。なお、上記した
式(3)は吸着工程と減圧再生工程における窒素吸着量
の差、即ち、有効窒素吸着量を表す指標であり、大きい
値の方が望ましい。この値をも表1及び図3に示した。
【0017】
【表1】
【0018】これらの結果から、カリウムイオン交換N
aAゼオライトには以下の特徴をもつことが認められ
る。出発原料NaAゼオライト(カリウムイオン交換率
0%)の窒素と酸素の分離比は8.71であった。それ
に対して、カリウムイオン交換率が11%のカリウムイ
オン交換NaAゼオライトの分離比は13.93であるか
ら、約1.6倍であった。カリウムイオン交換率19%
では分離比は5.08に低下した。カリウムイオン交換
率が31%では酸素吸着量が非常に小さくて誤差が大き
いので、正確な分離比は求めることができなかった。カ
リウムイオン交換率11%と19%の点を内挿すると、
カリウムイオン交換率が15%のときに出発原料NaA
ゼオライト(カリウムイオン交換率0%)の分離比と同
じになった。
aAゼオライトには以下の特徴をもつことが認められ
る。出発原料NaAゼオライト(カリウムイオン交換率
0%)の窒素と酸素の分離比は8.71であった。それ
に対して、カリウムイオン交換率が11%のカリウムイ
オン交換NaAゼオライトの分離比は13.93であるか
ら、約1.6倍であった。カリウムイオン交換率19%
では分離比は5.08に低下した。カリウムイオン交換
率が31%では酸素吸着量が非常に小さくて誤差が大き
いので、正確な分離比は求めることができなかった。カ
リウムイオン交換率11%と19%の点を内挿すると、
カリウムイオン交換率が15%のときに出発原料NaA
ゼオライト(カリウムイオン交換率0%)の分離比と同
じになった。
【0019】出発原料NaAゼオライト(カリウムイオ
ン交換率0%)の有効窒素吸着量は、2.96(ml(S
TP)/g)であった。それに対して、カリウムイオン交
換率が11%のときの有効窒素吸着量は、3.76(m
l(STP)/g)であり、約1.3倍であった。カリウム
イオン交換率が19%になると有効窒素吸着量は低下し
た。カリウムイオン交換率11%と19%の点を内挿す
ると、カリウムイオン交換率が13%のときに有効窒素
吸着量は、出発原料NaAゼオライト(カリウムイオン
交換率0%)と同じになった。すなわち、カリウムイオ
ン交換率が13%以下では、分離比、有効窒素吸着量と
もに、出発原料NaAゼオライト(カリウムイオン交換
率0%)よりも大きくなるので、きわめて好ましい。
ン交換率0%)の有効窒素吸着量は、2.96(ml(S
TP)/g)であった。それに対して、カリウムイオン交
換率が11%のときの有効窒素吸着量は、3.76(m
l(STP)/g)であり、約1.3倍であった。カリウム
イオン交換率が19%になると有効窒素吸着量は低下し
た。カリウムイオン交換率11%と19%の点を内挿す
ると、カリウムイオン交換率が13%のときに有効窒素
吸着量は、出発原料NaAゼオライト(カリウムイオン
交換率0%)と同じになった。すなわち、カリウムイオ
ン交換率が13%以下では、分離比、有効窒素吸着量と
もに、出発原料NaAゼオライト(カリウムイオン交換
率0%)よりも大きくなるので、きわめて好ましい。
【0020】以上説明した本発明のカリウムイオン交換
NaAゼオライトを使用すれば、カリウムイオン交換し
ていない元のNaAゼオライトを使用する場合に比べ
て、PSA操作により、空気から酸素と窒素を効率良く
分離することができる。
NaAゼオライトを使用すれば、カリウムイオン交換し
ていない元のNaAゼオライトを使用する場合に比べ
て、PSA操作により、空気から酸素と窒素を効率良く
分離することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明のカリウムイオン交換NaA型ゼ
オライトは、カリウムイオン交換していないNaA型ゼ
オライトに比べて、酸素と窒素の分離比が大きい。ま
た、それに加えて有効窒素吸着量も大きい範囲となる。
このカリウムイオン交換NaAゼオライトを使用すれば
PSA法により空気から酸素と窒素を効率良く分離する
ことができる。
オライトは、カリウムイオン交換していないNaA型ゼ
オライトに比べて、酸素と窒素の分離比が大きい。ま
た、それに加えて有効窒素吸着量も大きい範囲となる。
このカリウムイオン交換NaAゼオライトを使用すれば
PSA法により空気から酸素と窒素を効率良く分離する
ことができる。
【図1】 窒素の吸着等温線である。
【図2】 酸素の吸着等温線である。
【図3】 カリウムイオン交換率と[窒素/酸素]分離
比S及び有効窒素吸着量との関係である。
比S及び有効窒素吸着量との関係である。
Claims (2)
- 【請求項1】 NaA型ゼオライトの1〜15%のナト
リウムイオンをカリウムイオンで交換してなることを特
徴とするカリウムイオン交換NaA型ゼオライト。 - 【請求項2】 請求項1記載のカリウムイオン交換Na
A型ゼオライトを使用して、圧力変動吸着法(PSA
法)によって酸素、窒素を含む気体より酸素・窒素を分
離することを特徴とする酸素窒素分離方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30309399A JP2001120989A (ja) | 1999-10-25 | 1999-10-25 | カリウムイオン交換NaA型ゼオライト及び酸素窒素分離方法 |
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JP30309399A JP2001120989A (ja) | 1999-10-25 | 1999-10-25 | カリウムイオン交換NaA型ゼオライト及び酸素窒素分離方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP30309399A Withdrawn JP2001120989A (ja) | 1999-10-25 | 1999-10-25 | カリウムイオン交換NaA型ゼオライト及び酸素窒素分離方法 |
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JP (1) | JP2001120989A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8449654B2 (en) | 2011-08-22 | 2013-05-28 | Air Products And Chemicals, Inc. | Method and apparatus for the supply of dry gases |
-
1999
- 1999-10-25 JP JP30309399A patent/JP2001120989A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8449654B2 (en) | 2011-08-22 | 2013-05-28 | Air Products And Chemicals, Inc. | Method and apparatus for the supply of dry gases |
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