JP2001120588A - 温熱貼付剤 - Google Patents

温熱貼付剤

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JP2001120588A
JP2001120588A JP30554099A JP30554099A JP2001120588A JP 2001120588 A JP2001120588 A JP 2001120588A JP 30554099 A JP30554099 A JP 30554099A JP 30554099 A JP30554099 A JP 30554099A JP 2001120588 A JP2001120588 A JP 2001120588A
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fibers
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JP30554099A
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English (en)
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Noriyasu Mizushima
紀恭 水島
Tomihisa Sasaki
富久 佐々木
Naomichi Momoi
直陸 桃井
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SANPO KAGAKU KK
SASAKI KAGAKU KOGYO KK
Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
Original Assignee
SANPO KAGAKU KK
SASAKI KAGAKU KOGYO KK
Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 肌に貼付したときに、その貼付部位の汗等の
分泌物を吸収することができる温熱貼付剤を提供する。 【解決手段】 温熱貼付剤11は高吸水繊維等の親水性
繊維を主体とする親水層12aと、疎水性繊維を主体と
する疎水層12bとを積層して形成した支持体12を備
えている。支持体12の親水層12a側の表面には発熱
剤15よりなる発熱体13が設けられ、支持体12の疎
水層12b側の表面には粘着剤による粘着層16が間欠
的に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、肩こり、腰痛等
を温めて治療するために、あるいは防寒のために肌に貼
付して使用される温熱貼付剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の温熱貼付剤としては、発
熱作用を有する発熱体の外面に粘着層を設けることによ
り肌に貼付して使用できるように構成したものが知られ
ている(実公昭56−34735号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この温熱貼
付剤を肌に貼付して使用した場合、温熱貼付剤と肌との
間に汗等の分泌物(以下単に汗と表記する)がたまり、
これが不快感やかぶれの原因となっていた。また、この
汗は粘着層の粘着力を低下させる原因ともなり、貼付が
安定して持続できないという問題があった。
【0004】上記の問題点を解消する手段として、吸水
高分子を含んだ粘着剤によって粘着層を構成することが
提案されている(特開平1−297059号公報)が、
これは実現性が乏しく、いまだ良い解決法がないという
のが現状であった。
【0005】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、肌に貼付したときに、その貼付部位の汗
等の分泌物を吸収することができる温熱貼付剤を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の温熱貼付剤は、親水性繊
維を主体とする親水層と、疎水性繊維を主体とする疎水
層とを積層して構成した支持体の疎水層側又は親水層側
に、粘着剤による粘着層を間欠的に設けるとともに、そ
の粘着層の反対側に位置する支持体の親水層側又は疎水
層側に、発熱剤よりなる発熱体を備えたことを要旨とす
る。
【0007】請求項2に記載の発明の温熱貼付剤は、請
求項1に記載の発明において、前記粘着層は支持体の疎
水層側に設けられ、発熱体は支持体の親水層側に設けら
れていることを要旨とする。
【0008】請求項3に記載の発明の温熱貼付剤は、請
求項1又は請求項2に記載の発明において、前記親水層
は親水性繊維として高吸水繊維を含むものであることを
要旨とする。
【0009】請求項4に記載の発明の温熱貼付剤は、請
求項3に記載の発明において、前記高吸水繊維は、繊維
単位吸水量が300重量%以上、8000重量%以下の
ものであることを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に従って説明する。図1に示すように、温熱貼付剤11
はシート状の支持体12を備えている。支持体12は不
織布よりなり、親水性繊維を主体とする親水層12a
と、疎水性繊維を主体とする疎水層12bとを積層して
形成した二層構造となっている。そして、親水層12a
は汗腺21から分泌される汗22等の分泌物を吸収して
保持できるようになっている(図2参照)。
【0011】親水層12aを構成する親水性繊維として
は、木綿、羊毛、絹、麻、木材パルプ等の天然繊維、レ
ーヨン、キュプラ等のセルロース繊維、ポリビニルアル
コール繊維、セルロースアセテート繊維、高吸水繊維等
が挙げられ、これらの中から選ばれた少なくとも一種が
使用される。
【0012】高吸水繊維としては、好ましくは繊維単位
吸水量が300重量%以上、8000重量%以下のもの
が用いられる。繊維単位吸水量が300重量%未満では
保水量が小さく、十分に吸水することができず、800
0重量%を超えると、繊維としての形態維持と強度の点
で支障が生じるため好ましくない。なお、「繊維単位吸
水量」とは、20℃、60%RH雰囲気下で一昼夜放置
した繊維を水に浸漬して吸水させ、菱形状に載置して1
0分以上放置して水切りした後の重量とその繊維の元の
重量との差をその繊維の元の重量で除したときの値をい
う。
【0013】上記の特性を備えた高吸水繊維としては、
例えば架橋アクリル酸塩系繊維、アクリル繊維を後加工
によりその表面を加水分解させて得られた繊維、ポリエ
ステル等の繊維にアクリル酸やメタクリル酸をグラフト
重合した繊維等が挙げられ、これらの中から選ばれた少
なくとも一種が用いられる。これらの中でも、特に、架
橋アクリル酸塩系繊維が、非常に高吸水性を有している
ため、好適である。
【0014】上記架橋アクリル酸塩系繊維は、アクリル
酸モノマーと、これらと架橋結合を形成しうる官能基を
有するモノマーとを反応させて得られるポリマーを架橋
処理したものである。アクリル酸系モノマーとしては、
アクリル酸(AA)、メタクリル酸、マレイン酸、ある
いはこれらのアルカリ金属塩等が挙げられる。また、こ
れらを反応させるモノマーとしては、ヒドロキシエチル
メタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シプロピルアクリレート、グリセリルモノメタクリレー
ト、グリセリルモノアクリレート等のアミノ系モノマー
等が挙げられる。
【0015】これらのモノマーは、単独で用いても複数
種類を組み合わせて用いてもよいが、アクリル酸系モノ
マーと官能基モノマーとは、アクリル酸に対し官能基が
当量以下に設定することが好適である。そして、これら
を反応させる際には、可塑性を付与するために、他のビ
ニルモノマー、例えば酢酸ビニル(VA)、アクリロニ
トリル等を配合することができる。ただし、可塑化のた
めのモノマーの配合量は全体に対し30%以下にするこ
とが望ましい。
【0016】このような高吸水繊維の好適な市販品とし
ては、カネボウ合繊(株)製のベルオアシスや、東洋紡
績(株)製のランシール等を挙げることができる。例え
ば、上記ベルオアシスの場合、自重の80倍(単位吸水
量が8000重量%)まで水分を吸収することができる
という優れた吸水性能を示す。
【0017】一方、疎水層12bを構成する疎水性繊維
としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル等よりな
る繊維が挙げられ、これらの中から選ばれた少なくとも
一種が使用される。
【0018】また、支持体12の親水層12a側の表面
には発熱体13が設けられている。発熱体13は、偏平
状の袋体14の内部に発熱剤15を充填することにより
構成されている。袋体14は、二枚のシート材14a,
14bを重ね合わせてその周縁部同士を環状にヒートシ
ールして形成されている。
【0019】二枚のシート材14a,14bは、ポリエ
チレン、ナイロン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビ
ニルコポリマー(EVA)、ポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリウレタン等からなる単層のフィルムで、ある
いはこれらを積層したフィルムで構成されている。その
中でも、シート材14aは、ポリエチレンフィルムとエ
チレン−酢酸ビニルコポリマーフィルムとの積層体、低
融点ポリエチレンフィルムの単層体、又は低融点ポリエ
チレンと他のフィルムとの積層体が、ヒートシール性の
点から好ましい。もう一方のシート材14bは、細孔を
有し発熱体13の内外を流通する空気の量を調整するこ
とができるとともに、シート材14aとのヒートシール
性が良好な点から単層ポリエチレンフィルムが好まし
い。
【0020】図示しないが、発熱体13の外側表面に
は、温熱貼付剤11の外観の向上を図ることを目的に被
覆層が設けられている。発熱剤15の発熱に酸素が必要
な場合等、発熱体13の内外を空気が流通する必要があ
るときには、前記被覆層は空気の流通を阻止しないよう
に細孔を有する不織布等により形成される。
【0021】袋体14に充填される発熱剤15として
は、鉄等の金属粉に反応補助剤を混合した組成物等、熱
を放散可能な公知のものが広く使用される。支持体12
の疎水層12b側の表面には粘着層16が設けられてい
る。そして、この粘着層16により、温熱貼付剤11は
肌23に貼付して使用できるようになっている(図2参
照)。粘着層16は、支持体12の疎水層12b側の表
面全体に設けられるのでなく、間欠的に設けられてい
る。即ち、支持体12の疎水層12b側の表面には、粘
着層16が設けられた部位と粘着層16が設けられず疎
水層12bが露出した部位とがある。そして、粘着層1
6は、支持体12の疎水層12b側の表面に、例えばス
トライプ状、ドット状、格子状、千鳥状等に設けられて
いる。
【0022】粘着層16は、支持体12の疎水層12b
側の表面に粘着剤を塗工することによって形成されてい
る。この粘着層16を構成する粘着剤としては、ゴム系
粘着剤、アクリル系粘着剤等が挙げられる。ゴム系粘着
剤としては、ジエン系高分子化合物、具体的には天然ゴ
ム、合成ゴム、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
また、合成ゴムとしては、スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体ゴム、スチレン−イソブチレン−スチレン
ブロック共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポ
リイソプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム等が挙
げられる。アクリル系粘着剤としては、従来から使用さ
れている(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アク
リル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)
アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシルの
ような(メタ)アクリル酸エステル1種類以上と、当該
エステルと共重合可能な(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、ア
クリル酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、ジメチ
ルアクリルアミド、メタクリル酸アミノエチル、(メ
タ)アクリル酸メトキシエチルのような官能性モノマー
又はアクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等のビニルモノマーとのコポリマー等が挙げられる。
【0023】また、粘着剤の性状については、エマルジ
ョン、溶剤溶液、水溶液、ホットメルト型等、支持体1
2の疎水層12b側の表面に容易に塗工することができ
るものであれば、特に限定されない。
【0024】さらに、支持体12の疎水層12b側の表
面には、離型フィルム17が粘着層16を介して剥離可
能に貼着され、粘着層16及び疎水層12bの表面を保
護している。離型フィルム17は、ポリエステル、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、アルキルベンゼンスルホン
酸、ポリ塩化ビニル、金属等からなる単層のフィルム
で、あるいはこれらを積層したフィルムで構成されてい
る。その中でもポリエステルフィルムの単層体、又はポ
リエステルフィルムと他のフィルムとの積層体が耐熱性
の点から好ましい。
【0025】次に、前記のように構成された温熱貼付剤
11の作用を説明する。この温熱貼付剤11を使用する
場合には、離型フィルム17を剥がして、粘着層16で
温熱貼付剤11を背中や腰等、所定部位の肌23に貼付
する。すると、その貼付部位が、発熱剤15から放散さ
れる熱で温められる。
【0026】図2(a)に示すように、温熱貼付剤11
を貼付した部位では、発熱剤15から放散される熱に対
する生理反応として、又は他の原因で汗22等の分泌物
(以下単に汗22と表記する)が分泌されている。しか
し、この汗22は疎水層12bの表面から毛細管現象に
より支持体12内に吸い上げられ、疎水層12bを通過
して親水層12aに保持される。図2(b)に示すよう
に、汗腺21から大量の汗22が分泌されているような
場合でも、同様に汗22は支持体12内に吸い上げられ
て親水層12aに保持される。
【0027】以上のように、この実施形態によれば次の
ような効果が発揮される。 ・ 温熱貼付剤11を肌23に貼付したとき、その貼付
部位の汗22を支持体12によって吸収することができ
る。従って、汗22に起因する不快感やかぶれ、発赤、
疼痛などを抑えることができるとともに、粘着層16と
肌23との間に汗22がたまって温熱貼付剤11が剥が
れ易くなるのを防ぐことができる。また、支持体12に
よる汗22の吸収は支持体12が汗22で飽和になるま
で持続されるため、持続的に上記の効果を発揮すること
ができる。
【0028】・ 粘着層16は支持体12の疎水層12
b側の表面に間欠的に設けられている。このため、温熱
貼付剤11を肌23に貼付して使用しているとき、その
貼付部位の肌23は疎水層12bに触れるおそれがある
が、たとえ触れたとしても疎水層12bであるため、べ
とつき感がなく肌触りもよい。
【0029】・ 粘着層16が支持体12の疎水層12
b側の表面に設けられているため、温熱貼付剤11を肌
23に貼付して使用しているとき、その貼付部位の肌2
3は親水層12aに触れるおそれがない。従って、汗2
2を保持した状態の親水層12aに肌23が触れて不快
感を感じるおそれがない。
【0030】・ 親水層12aを構成する親水性繊維と
して高吸水繊維を使用することにより、親水層12aの
量を増すことなく、親水層12aが保持できる汗22の
量、即ち親水層12aの保水能力を向上させることがで
きる。また、親水層12aに含まれる高吸水繊維として
繊維単位吸水量が300重量%以上、8000重量%以
下のものを用いることにより、親水層12aの保水能力
をより向上させることができ、より多量の汗22を吸収
することができる。
【0031】・ 親水層12aの目付けや厚さ、及び親
水層12aを構成する成分(特に高吸水繊維)の配合を
調節することにより、親水層12aの保水能力を任意に
設定することができる。
【0032】・ 粘着層16を支持体12の疎水層12
b側の表面にストライプ状、ドット状、格子状、千鳥状
等に設けることにより、粘着層16が設けられた部位と
疎水層12bが露出した部位を支持体12の疎水層12
b側の表面にほぼ均等に散在させることができる。従っ
て、温熱貼付剤11を肌23に貼付したとき、その貼付
部位に粘着層16の粘着力をほぼ均等に働かせることが
できるとともに、貼付部位全体から汗22をほぼ均等に
吸収することができる。
【0033】
【実施例】以下、前記実施形態を具体化した実施例につ
いて説明する。 (実施例1)実施例1の温熱貼付剤11(長さ13cm
×幅9.5cm)では、レーヨンを主体としカネボウ合
繊(株)製の商品名「ベルオアシス」を20%含有する
親水層12a(50g/m2)と、ポリエステルよりな
る繊維を主体とする疎水層12b(10g/m2)とを
積層して支持体12(60g/m2)を構成した。な
お、「ベルオアシス」はポリアクリル酸ナトリウムを主
成分とする高吸水性ポリマーを紡糸して繊維形状化した
高吸水繊維である。
【0034】また、袋体14を構成する二枚のシート材
14a,14bのうち、シート材14aをポリエチレン
フィルムとエチレン−酢酸ビニルコポリマーフィルムの
積層体により構成し、シート材14bを単層の有孔ポリ
エチレンフィルムにより構成した。発熱剤15としては
鉄粉系の組成物を使用した。
【0035】さらに、粘着層16を構成する粘着剤とし
て、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
ゴム系のホットメルト型の粘着剤を用いた。そして、幅
13mmの塗工部位と、幅5mmの非塗工部位が交互に
並んだストライプ状に粘着層16を形成した。また、離
型フィルム17はPET樹脂で形成した。
【0036】(実施例2)実施例1において、レーヨン
100%よりなる親水層12a(50g/m2)と、ポ
リエステルよりなる繊維を主体とする疎水層12b(1
0g/m2)とを積層して支持体12(60g/m2)を
構成するように変更した。その他は実施例1の温熱貼付
剤11と同様である。
【0037】(比較例1)実施例1において、レーヨン
100%により支持体12(60g/m2)を構成する
ように変更した。即ち、この比較例1では、支持体12
が親水性繊維であるレーヨンの単層体となっている。そ
の他は実施例1の温熱貼付剤11と同様である。
【0038】そして、実施例1,2及び比較例1の温熱
貼付剤11を用いて、次に示す比較試験A〜Cを行っ
た。 (比較試験A)温熱貼付剤11の離型フィルム17を剥
がし、生理活性水としての0.9%濃度の食塩水に対し
て、粘着層16を下にした状態で支持体12まで浸漬し
た。一時間後に引き上げて、そのまま10分間吊り下げ
てドリップ水を除いた(水切りした)後、温熱貼付剤1
1に吸収された水の量(飽和吸水量)を測定した。その
結果を表1に示す。なお、表中の吸水量の数値は3回の
平均値である。
【0039】(比較試験B)傾斜10度のルームランナ
ーを使って時速約3.5kmで12分間歩行した後、背
中に温熱貼付剤11を貼付し、その状態で歩行を再開し
た。そして、汗22によって温熱貼付剤11が自然剥離
するまでの時間と、そのときの温熱貼付剤11に吸収さ
れている汗の量(吸汗量)を測定した。また、温熱貼付
剤11が背中から剥がれ落ちそうな感覚(剥離感)が発
生した時間についても測定した。なお、この試験は気温
20℃、湿度45%のもとで行われた。その結果を表1
に示す。
【0040】(比較試験C)比較試験Bと同様に、傾斜
10度のルームランナーを使って時速約3.5kmで1
2分間歩行した後、背中に温熱貼付剤11を貼付し、そ
の状態で歩行を再開した。そして、歩行を再開してから
10分後に背中の温熱貼付剤11を強制的に剥離して、
貼付部位の肌23の状態を観察して評価した。その結果
を表1に示す。なお、評価は次の基準で行った。
【0041】 ○:汗をかいていない状態に近く、濡れそぼった状態と
は明らかに異なる。 ×:汗で全体が湿った状態で、部分的には汗がたまって
いるのが認められる。
【0042】
【表1】 表1の結果より、親水層12aに高吸水繊維を含んだ実
施例1は、高吸水繊維を含まない実施例2及び比較例1
に比べて飽和吸水量及び吸汗量が著しく多いことが示さ
れた。これは、親水層12aに高吸水繊維を含ませるこ
とによってその保水能力が飛躍的に向上したためと考え
られる。従って、親水層12aの組成を変更することに
よって、支持体12の飽和吸水量を少なくとも自重の約
4倍から約17倍の範囲で任意に調節可能である。同じ
く飽和吸水量及び吸汗量について実施例2と比較例1を
比較すると、比較例1の方がやや多いが、これは親水層
12aを構成する親水性繊維(レーヨン)の量が比較例
1の方が多いためと考えられる。
【0043】また、温熱貼付剤11が自然剥離するまで
の時間及び剥がれ落ちそうな感覚が発生するまでの時間
についても、実施例1は実施例2及び比較例1に比べて
著しく長い。従って、汗22による剥離を防ぐ効果を持
続的に発揮させるには高吸水繊維が非常に有効であるこ
とがわかる。また、このことから、親水層12aの組成
を変更することによって、少なくとも支持体12の自重
の約11倍の汗22を吸収するまで肌に貼付した状態を
維持できることが示された。一方、実施例2と比較例1
を比較すると、吸汗量に劣るために実施例2の方が自然
剥離するのが早いが、剥がれ落ちそうな感覚の発生につ
いては実施例2の方が遅い。これは、疎水層12bの存
在により、汗22が効率的に支持体12に吸収され、貼
付部位の肌23の乾燥状態が維持されるためと考えられ
る。
【0044】さらに、比較試験Cの結果より、疎水層1
2bを有する実施例1,2は貼付部位の肌23を汗22
の少ない良好な状態に維持できるのに対し、疎水層12
bのない比較例1はその点では劣ることが示された。
【0045】なお、前記実施形態を次のように変更して
構成することもできる。 ・ 実施形態では支持体12の親水層12a側の表面に
発熱体13を設け、疎水層12b側の表面に粘着層16
を設けたが、この位置関係を逆にしてもよい。即ち、支
持体12の親水層12a側の表面に粘着層16を設け、
疎水層12b側の表面に発熱体13を設けてもよい。こ
のように構成した場合でも、実施形態とほぼ同様の効果
を奏することができる。
【0046】・ 疎水層12bに親水性繊維を配合して
もよい。このように構成した場合、貼付部位の肌23か
ら疎水層12bへ汗22を移行しやすくすることができ
るとともに、疎水層12bから親水層12aへも汗22
を移行しやすくすることができる。
【0047】・ 実施形態の支持体12は親水層12a
と疎水層12bを二層に積層して形成されているが、三
層以上に積層して支持体12を形成してもよい。次に、
前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に
記載する。
【0048】・ 前記粘着層を支持体の疎水層側又は親
水層側にほぼ均等に散在するように設けた請求項1から
請求項4のいずれか一項に記載の温熱貼付剤。このよう
に構成した場合、温熱貼付剤を肌に貼付したとき、その
貼付部位に粘着層の粘着力をほぼ均等に働かせることが
できるとともに、貼付部位全体から汗をほぼ均等に吸収
することができる。
【0049】・ 前記支持体は不織布である請求項1か
ら請求項4のいずれか一項に記載の温熱貼付剤。このよ
うに構成した場合、温熱貼付剤の形態安定性を向上させ
ることができる。
【0050】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明の温熱貼付剤によれば、肌に貼付したときに、その貼
付部位の汗等の分泌物を吸収することができる。
【0051】請求項2に記載の発明の温熱貼付剤によれ
ば、請求項1に記載の発明の効果に加え、貼付部位の肌
に対する肌触りを向上させることができる。請求項3に
記載の発明の温熱貼付剤によれば、請求項1又は請求項
2に記載の発明の効果に加え、より多量の汗等の分泌物
を吸収することができる。
【0052】請求項4に記載の発明の温熱貼付剤によれ
ば、請求項3に記載の発明の効果に加え、さらに多量の
汗等の分泌物を吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の温熱貼付剤を示す断面図。
【図2】 (a)及び(b)は実施形態の温熱貼付剤の
使用状態を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
11…温熱貼付剤、12…支持体、12a…親水層、1
2b…疎水層、13…発熱体、15…発熱剤、16…粘
着層。
フロントページの続き (71)出願人 596154239 カネボウ合繊株式会社 大阪府大阪市北区梅田一丁目2番2号 (72)発明者 水島 紀恭 神奈川県中郡二宮町二宮1415番地 (72)発明者 佐々木 富久 東京都品川区西五反田4丁目24番1号 (72)発明者 桃井 直陸 福井県福井市下馬2丁目708番地 Fターム(参考) 4C099 AA01 CA19 EA08 GA02 JA04 LA01 NA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性繊維を主体とする親水層と、疎水
    性繊維を主体とする疎水層とを積層して構成した支持体
    の疎水層側又は親水層側に、粘着剤による粘着層を間欠
    的に設けるとともに、その粘着層の反対側に位置する支
    持体の親水層側又は疎水層側に、発熱剤よりなる発熱体
    を備えた温熱貼付剤。
  2. 【請求項2】 前記粘着層は支持体の疎水層側に設けら
    れ、発熱体は支持体の親水層側に設けられている請求項
    1に記載の温熱貼付剤。
  3. 【請求項3】 前記親水層は親水性繊維として高吸水繊
    維を含むものである請求項1又は請求項2に記載の温熱
    貼付剤。
  4. 【請求項4】 前記高吸水繊維は、繊維単位吸水量が3
    00重量%以上、8000重量%以下のものである請求
    項3に記載の温熱貼付剤。
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