JP2001119806A - 非接触給電システムおよびそのシステムにおいて使用される受電装置 - Google Patents

非接触給電システムおよびそのシステムにおいて使用される受電装置

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JP2001119806A
JP2001119806A JP29052999A JP29052999A JP2001119806A JP 2001119806 A JP2001119806 A JP 2001119806A JP 29052999 A JP29052999 A JP 29052999A JP 29052999 A JP29052999 A JP 29052999A JP 2001119806 A JP2001119806 A JP 2001119806A
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power supply
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auxiliary
supply area
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JP29052999A
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English (en)
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Kazuhiro Suzuki
和宏 鈴木
Isao Watanabe
勲 渡辺
Katsuyuki Morita
勝幸 森田
Masami Takasabu
正己 高三
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動体にエネルギーを供給するための給電線
を敷設することにより生じる不便さが抑えられた非接触
給電システムを提供する。 【解決手段】 移動体10の走行経路には、通常給電エ
リアおよび補助給電エリアが設けられている。通常給電
エリアでは、所定の位置に給電線3a、3bが設けられ
ている。補助給電エリアでは、通常給電エリアに設けら
れている給電線3a、3bの延長線上でない位置に給電
線3cが設けられている。移動体10は、受電ユニット
11および13を備える。移動体10が通常給電エリア
に位置するときは、受電ユニット11が給電線3aまた
は3bからエネルギーを受け取り、移動体10が補助給
電エリアに位置するときは、受電ユニット13が給電線
3cからエネルギーを受け取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体が給電線か
ら非接触で得るエネルギーを使用して走行するシステム
に係わる。
【0002】
【従来の技術】レールに沿って敷設された給電線から移
動体に非接触で電力を供給することにより、その移動体
をそのレールに沿って走行させるシステム(以下、「非
接触給電システム」と呼ぶ)は、従来からよく知られて
いる。非接触給電システムは、たとえば、工場内で部品
や製造物を搬送するために利用されている。
【0003】給電線には、通常、高周波の交流が与えら
れている。そして、非接触給電システムで使用される移
動体は、通常、その給電線からエネルギー(電力)を得
て負荷に供給するための電源回路を備える。電源回路
は、たとえば、図13(a) に示すようなE型形状のコア
101を備える。
【0004】給電線102aおよび102bは、図13
(b) に示すように、支持部材103により給電線敷設部
材104に取り付けられている。また、給電線102a
および102bには、互いに反対方向に電流が流れてお
り、それぞれコア101の窪み部に収容される。なお、
給電線102aおよび102bは、不図示の交流電源に
接続された1本の給電線102の往路部および復路部で
ある。
【0005】給電線102aおよび102bに電流が流
れると、それぞれその周辺に磁束が発生する。従って、
給電線102aおよび102bに交流を与えると、コイ
ル105を通過する磁束がその交流の周波数に従って変
化する。このとき、コイル105には、通過する磁束の
変化に伴って起電力が発生する。そして、このコイル1
05からの出力電圧は、整流された後に負荷106に供
給される。ここで、負荷106は、移動体を走行させる
ためのモータ、およびそのモータを制御するための制御
回路を含む。なお、安定的に電圧を生成するための一手
法として、移動体に上記コア101を複数設ける構成が
知られている。
【0006】このように、非接触給電システムでは、移
動体が、非接触で給電線からエネルギーを受け取り、そ
のエネルギーを使用して走行する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のような非接触給
電システムにおいては、一般に、給電線が床から所定の
高さの位置に設けられる。このため、非接触給電システ
ムを導入すると、人や手押し台車などは、移動体が走行
する経路を横断することができなかった(あるいは、困
難であった)。この結果、作業者などは不便さを感じて
いた。
【0008】本発明の課題は、給電線が敷設されること
により生じる不便さが抑えられた非接触給電システムを
提供することである。また、本発明の他の課題は、上記
システムにおいて安定的にエネルギーを受け取ることが
できる受電装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の非接触給電シス
テムは、給電線から非接触で受け取るエネルギーを使用
して、移動体が予め定められた経路を走行する構成を前
提とする。このシステムでは、上記経路中に通常給電エ
リアおよび補助給電エリアが設けられる。上記通常給電
エリアには、その所定位置に給電線が設けられ、一方、
上記補助給電エリアには、上記通常給電エリアの給電線
設置位置とは異なる位置に給電線が設けられる。そし
て、上記移動体には、上記通常給電エリアおよび補助給
電エリアにそれぞれ設けられている給電線からエネルギ
ーを受け取る受電装置が設けられている。
【0010】上記構成において、通常給電エリアおよび
補助給電エリアでは、互いに異なる位置に給電線が設け
られている。このため、人などは、通常給電エリアに設
けられている給電線と補助給電エリアに設けられている
給電線との間を通行できる。すなわち、人などは、移動
体が走行する経路を横切ることができる。また、補助給
電エリアにも給電線が設けられているので、移動体は、
少なくとも通常給電エリアに設けられている給電線また
は補助給電エリアに設けられている給電線の一方からエ
ネルギーを受け取ることができる。したがって、通常給
電エリアおよび補助給電エリアにおいて互いに異なる位
置に給電線が設けらていても、移動体へのエネルギー供
給が停止することはない。
【0011】上記システムにおいて、移動体に設けられ
る受電装置が、通常給電エリアに設けられている給電線
からエネルギーを受け取る第1の受電ユニットと、補助
給電エリアに設けられている給電線からエネルギーを受
け取る第2の受電ユニットを備えるようにしてもよい。
この場合、移動体は、通常給電エリアと補助給電エリア
との境界付近においても、少なくとも一方の給電線から
確実にエネルギーを受け取ることができる。
【0012】また、上記システムにおいて、受電装置
が、上記給電線からエネルギーを受け取る受電ユニット
と、その受電ユニットが通常給電エリアに設けられてい
る給電線または補助給電エリアに設けられている給電線
からエネルギーを受け取れるようにその受電ユニットを
動かす可動メカニズムを備えるようにしてもよい。この
場合、受電ユニットの数が少なくなるので、移動体の重
量が軽くなることが期待される。
【0013】
【発明の実施の形態】本実施形態の非接触給電システム
は、予め決められた経路に沿って走行する移動体(例え
ば、工場内で部品や製造物を搬送する台車)、およびそ
の経路に沿って敷設された給電線を含む。移動体は、そ
の給電線から非接触でエネルギーを受け取りながら走行
する。移動体が走行する経路中には、通常給電エリアお
よび補助給電エリアが存在する。
【0014】通常給電エリアには、その所定位置に給電
線が設けられ、一方、補助給電エリアには、通常給電エ
リアの給電線設置位置とは異なる位置に給電線が設けら
れている。通常給電エリアに設けられている給電線と補
助給電エリアに設けられている給電線との間隔(ギャッ
プ)は、例えば、人や手押し台車が通過できる程度であ
る。第1の実施形態 図1は、第1の実施形態の非接触給電システムの構成を
示す図である。
【0015】給電線敷設部材1は、基本的に、移動体1
0が走行する経路に沿って設けられている。この給電線
敷設部材1は、その一部が分断されており、給電線敷設
部材1aおよび給電線敷設部材1bから構成されてい
る。給電線敷設部材1aと給電線敷設部材1bとの間の
スペース(ギャップ)は、例えば、そのスペースを人や
手押し台車が余裕を持って通過できる程度とする。一
方、給電線敷設部材2は、給電線敷設部材1が分断され
ている位置に対応する位置に、給電線敷設部材1と平行
に設けられている。図1に示す例では、移動体10の側
部(移動体10から見て給電線敷設部材1と反対側)に
位置するように給電線敷設部材2が設けられている。
【0016】給電線3は、不図示の交流電源に接続され
ており、給電線敷設部材1および給電線敷設部材2に敷
設される。ここで、給電線3は、図13(b) を参照しな
がら説明したように、その往路部と復路部が互いに平行
になるように、支持部材により給電線敷設部材1、2に
固定される。これにより、給電線3の往路部および復路
部には、常に互いに逆方向の電流が流れることになる。
なお、給電線敷設部材1aおよび1bに取り付けられて
いる給電線をそれぞれ給電線3aおよび3bと呼び、給
電線敷設部材2の取り付けられている給電線を給電線3
cと呼ぶことにする。また、給電線3aと給電線3cと
の間の給電線および給電線3cと給電線3bとの間の給
電線(図1において、破線で描かれている)は、例え
ば、床下に埋設されるか、或いは人の身長よりも高い位
置に吊される。
【0017】図1に示す例では、1本の給電線が給電線
敷設部材1および給電線敷設部材2に沿って敷設される
ように引き回されているが、この構成に限定されるもの
ではない。すなわち、例えば、給電線敷設部材1および
給電線敷設部材2に沿ってそれぞれ異なる給電線を敷設
してもよい。この場合、各給電線に対してそれぞれ交流
電源が設けられる。
【0018】図1において、給電線敷設部材1に沿って
給電線3a、3bが敷設されている領域を「通常給電エ
リア」と呼ぶことにし、また、給電線敷設部材2に沿っ
て給電線3cが敷設されている領域を「補助給電エリ
ア」と呼ぶことにする。
【0019】移動体10は、受電ユニット11および1
3を備える。受電ユニット11は、給電線3aまたは3
bからエネルギーを受け取り、受電ユニット13は、給
電線3cからエネルギーを受け取る。受電ユニット11
は、コア12aおよび12bを備え、受電ユニット13
は、コア14aおよび14bを備える。各コアは、図1
3に示したように、E型形状であり、それぞれ、給電線
3の周囲に発生する磁束をピックアップするためのコイ
ル(例えば、図13(b) に示すコイル105)を備え
る。
【0020】上記システムにおいて、移動体10が通常
給電エリアに位置するときは、受電ユニット11が給電
線敷設部材1に敷設されている給電線3(給電線3aま
たは3b)からエネルギーを受け取る。一方、移動体1
0が補助給電エリアに位置するときは、受電ユニット1
3が給電線敷設部材2に敷設されている給電線3(給電
線3c)からエネルギーを受け取る。すなわち、移動体
10は、常に、給電線3からエネルギーを受け取ること
ができる。また、このシステムでは、通常給電エリアと
補助給電エリアとで給電線3が異なる位置に設けられて
いるので、人や手押し台車などが移動体10の走行経路
を横切ることができる。
【0021】なお、図1に示す例では、補助給電エリア
において、給電線3(すなわち、給電線3c)は、移動
体10の側部に位置するように設けられているが、この
構成に限定されるものではない。他の例を図2および図
3に示す。
【0022】図2に示す例では、補助給電エリアにおい
て、給電線3は、移動体10の上部に位置するように設
けられる。図2において、この給電線を給電線3dと呼
ぶ。また、移動体10は、その上部に受電ユニット15
を備える。この受電ユニット15は、移動体10が補助
給電エリアに位置しているときに、給電線3dからエネ
ルギーを受け取る。
【0023】図3に示す例では、補助給電エリアにおい
て、給電線3は、移動体10の下部(あるいは、床に埋
め込まれる)に位置するように設けらる。図3におい
て、この給電線を給電線3eと呼ぶ。また、移動体10
は、その下部に受電ユニット16を備える。この受電ユ
ニット16は、移動体10が補助給電エリアに位置して
いるときに、給電線3eからエネルギーを受け取る。
【0024】このように、補助給電エリアでは、給電線
は、通常給電エリアに設けられている給電線の延長線上
でない位置に設けられている。具体的には、この給電線
は、例えば、移動体10が補助給電エリアに位置してい
るときにその給電線が移動体10の側部、上部、または
下部に位置するように設けられる。一方、移動体10に
は、給電線敷設部材1に敷設されている給電線からエネ
ルギーを受け取るための受電ユニット(受電ユニット1
1)とは別に、補助給電エリアに設けられている給電線
からエネルギーを受け取るための受電ユニット(受電ユ
ニット13、15、16)を備える。
【0025】上述した実施例ように、移動体10が2つ
の受電ユニットを有する構成においては、図4に示すよ
うに、通常給電エリアに敷設される給電線(給電線3a
および3b)と補助給電エリアに設けられる給電線(給
電線3c)とが、移動体10の走行方向において互いに
オーバラップしていることが望ましい。この場合、オー
バラップ長Lは、移動体10の走行方向における各コア
の長さよりも長いことが望ましい。この構成を導入すれ
ば、移動体10が通常給電エリアから補助給電エリアに
進入する際、または移動体10が補助給電エリアから通
常給電エリアに戻る際に、移動体10が給電線3から受
け取るエネルギーの低下が最小限に抑えられる。第2の実施形態 第1の実施形態のシステムで使用される移動体は、上述
のように、通常給電エリアに敷設された給電線からエネ
ルギーを受け取るための受電ユニットの他に、補助給電
エリアに設けられている給電線からエネルギーを受け取
るための受電ユニットを備えるが、第2の実施形態のシ
ステムで使用される移動体は、受電ユニット(コア)を
動かすメカニズムを有し、1つの受電ユニットが、通常
給電エリアに設けられている給電線または補助給電エリ
アに設けられている給電線の何れからでもエネルギーを
受け取ることができる。このため、給電線からエネルギ
ーを取り出すためのコア(およびコイル)の数が少なく
なるので、移動体の総重量が軽くなり、また、コストも
低下することが期待される。
【0026】図5は、第2の実施形態の非接触給電シス
テムの構成を示す図である。給電線敷設部材および給電
線は、基本的に、第1の実施形態のシステムと同じなの
で、図5においては給電線敷設部材を省略している。た
だし、給電線の配置は少し異なっている。即ち、第2の
実施形態では、通常給電エリアに設けられる給電線(給
電線3aおよび3b)と補助給電エリアに設けられる給
電線(給電線3c)とが、移動体10の走行方向におい
て互いにオーバラップしないように配置し、無給電線区
間Mを設ける。なお、第2の実施形態においても、1本
の給電線から給電線3a〜3cを構成してもよいし、給
電線3a〜3cが互いに独立した異なる給電線であって
もよい。
【0027】移動体20は、受電ユニットとして、2つ
のコア21a、21bを有する。これらのコアは、例え
ば、図13に示したものと同じであり、給電線3の周囲
に発生する磁束をピックアップするためのコイルを備え
る。
【0028】可動メカニズム22a、22bは、それぞ
れ、必要に応じてコア21a、21bを動かす。具体的
には、可動メカニズム22aおよび22bは、各コアが
通常給電エリアに設けられている給電線(給電線3a、
3b)または補助給電エリアに設けられている給電線
(給電線3c)からエネルギーを受け取ることができる
位置にコア21aおよび21bを適切に動かす。この場
合、可動メカニズムは、図5に示すように、移動体20
の側部を旋回するように各コアを移動させてもよいし、
或いは、移動体20の上部を旋回するように各コアを移
動させてもよい。なお、可動メカニズム22a、22b
は、互いに独立にコア21a、21bを動かすことがで
きる。
【0029】なお、給電線を敷設するに際して無給電線
区間Mを設けた理由は、コア21aまたは21bを動か
したときに、それらのコアが給電線(または、給電線が
敷設されている給電線敷設部材)に接触することを回避
するためである。このため、無給電線区間Mの長さは、
各コアの形状や各コアの旋回半径などに基づいて決めら
れる。
【0030】図6は、コアを動かすタイミングを説明す
る図である。ここでは、通常給電エリアを走行している
移動体20が、補助給電エリアに進入する際の動作を説
明する。
【0031】移動体20が通常給電エリアを走行してい
る期間は、図6(a) に示すように、コア21aおよび2
1bは、共に、通常給電エリアに設けられている給電線
3aからエネルギーを受け取るように配置されている。
この場合、2つのコアによりエネルギーが得られる。
【0032】移動体20が補助給電エリアに進入し、図
6(b) に示すように、コア21bが無給電線区間Mに位
置すると、可動メカニズム22bは、移動体20がさら
に走行を続けたときに給電線3cがコア21bに収容さ
れるであろう位置にコア21bを動かす。この結果、コ
ア21bは、図6(c) に示す位置に移る。なお、この期
間は、コア21bはエネルギーを受け取ることは出来な
いが、コア21aは給電線3aからエネルギーを受け取
っている。
【0033】続いて、移動体20がさらに走行してゆ
き、図6(d) に示すように、コア21aが無給電線区間
Mに位置すると、可動メカニズム22aは、移動体20
がさらに走行を続けたときに給電線3cがコア21aに
収容されるであろう位置にコア21aを動かす。この結
果、コア21aは、図6(e) に示す位置に移る。なお、
この期間は、コア21aはエネルギーを受け取ることは
出来ないが、コア21bは給電線3cからエネルギーを
受け取っている。
【0034】この後、移動体20が図6(f) に示す位置
にまで移動すると、コア21aおよび21bは、それぞ
れ給電線3cからエネルギーを受け取るようになる。な
お、移動体20は、自分の位置を検出する機能を備え
る。具体的には、コア21aまたはコア21bが無給電
線区間Mに位置しているか否かを検出する機能を備え
る。移動体が自分の位置を検出する方法は、特に限定さ
れず、既存の技術を利用できる。そして、可動メカニズ
ム22aおよび22bは、上記機能による検出結果に基
づいて対応するコアを動かす。
【0035】図6に示す例では、移動体20が通常給電
エリアから補助給電エリアに進入する場合の動作を示し
たが、移動体20が補助給電エリアから通常給電エリア
に戻る際の動作も基本的に同じである。
【0036】このように、本実施形態のシステムでは、
移動体20が補助給電エリアを通過するときであって
も、少なくとも1つのコアが何れかの給電線からエネル
ギーを受け取る。このため、移動体20の動作に支障を
来すことはない。
【0037】図7(a) は、図5に示す非接触給電システ
ムの変形例である。図5に示すシステムでは、コア21
a、21bを旋回するスペースを確保するために無給電
線区間Mが設けられていた。このため、移動体20が通
常給電エリアと補助給電エリアとの境界付近に位置する
ときは、図6(b) 〜図6(e) に示したように、一方のコ
アは給電線からエネルギーを受け取ることができない。
図7(a) に示すシステムでは、この問題が解決されてい
る。
【0038】図7(a) に示すシステムでは、図5に示す
システムにおける示す無給電線区間Mに給電線3fが設
けられる。ただし、コア21aまたはコア21bを旋回
するためのスペースを確保するために、給電線3fは、
移動体20から見て、給電線3a〜3cよりも遠い位置
に設けられる。このため、コア21aまたは21bが給
電線3fに対向したときに、給電線3fは、図7(b) に
示すように、コア21aまたは21bに収容しない。
【0039】この場合、コイルを通過する磁束は、図1
3(b) に示す場合と比べれば少なくなるが、コイルには
一定の起電力が生じる。したがって、図7(a) に示す構
成では、移動体20が補助給電エリアの端部に位置する
ときは、図5に示した構成と比べて、より多くのエネル
ギーが得られる。
【0040】次に、各コア(または、受電ユニット)に
より得られたエネルギーから移動体が使用するための電
圧を生成する電源回路について説明する。図8(a) は、
電源回路の基本構成を示す図である。なお、図8(a) 、
および後に示す図8(b) 、図9(a) 、図9(b) において
は、図5に示した移動体20に搭載される電源回路を想
定する。
【0041】基本構成においては、2つのコア(実際に
は、コアのコイル)が直列に接続されている。コア21
aおよび21bは、それぞれ、給電線に流れる交流電流
に同期した交流電圧を生成する。
【0042】複数のダイオードを含む整流回路は、直列
に接続されているコアの出力を整流する。そして、整流
回路の出力は、平滑コンデンサにより平滑化される。こ
れにより、DC電圧が生成される。このDC電圧は、必
要に応じてDC/DCコンバータにより所定の電圧に変
換された後に、負荷(移動体20の走行用モータを含
む)に供給される。
【0043】この構成は、コア21aおよび21bが同
一の給電線に対向している場合は有効であるが、一方の
コアが給電線に対向しない状態では、出力電圧が1/2
になってしまう。
【0044】図8(b) は、個別整流直列接続構成の電源
回路を示す図である。この構成においては、各コア毎に
整流回路が設けられ、各整流回路が互いに直列に接続さ
れている。そして、直列に接続された整流回路の出力が
平滑コンデンサにより平滑化される。この構成は、コア
21aおよび21bが互いに異なる給電線に対向してい
る場合であっても有効であるが、一方のコアが給電線に
対向しない状態では、出力電圧が1/2になってしま
う。
【0045】図9(a) は、個別整流並列接続構成の電源
回路を示す図である。この構成においては、各コア毎に
整流回路が設けられ、各整流回路が互いに並列に接続さ
れている。この構成では、コア21aおよび21bのう
ちの一方が給電線に対向していない状態であっても、そ
れら2つのコアが共に給電線に対向しているときと同じ
出力電圧が得られる。
【0046】図9(b) は、倍電圧構成の電源回路を示す
図である。この構成では、直列に接続された2つの平滑
コンデンサC1 およびC2 が設けられている。そして、
これらの平滑コンデンサC1 およびC2 は、各コア21
aおよび21bから出力される交流電圧により交互に充
電される。たとえば、コア21aに注目した場合、ノー
ドaの電位がノードbの電位よりも高いときは、平滑コ
ンデンサC1 が充電され、ノードbの電位がノードaの
電位よりも高いときには、平滑コンデンサC2が充電さ
れる。この動作は、コア21bについても同じである。
したがって、この構成では、図9(a) に示した個別整流
並列接続構成と同様に、コア21aおよび21bのうち
の一方が給電線に対向していない状態であっても、それ
ら2つのコアが共に給電線に対向しているときと同じ出
力電圧が得られる。
【0047】移動体20に搭載すべき電源回路は、特に
限定されるものではない。ただし、コア21aおよび2
1bのうちの一方が給電線に対向しない状態となった場
合においても出力電圧が低下しないようにするために
は、図9(a) または図9(b) に示す構成が望ましい。す
なわち、図9(a) または図9(b) に示す電源回路を使用
する場合には、たとえば、図6(b) 〜図6(e) に示す状
態においても、通常時と同じ電圧が得られる。
【0048】なお、図9(a) または図9(b) に示す構成
のように、複数のコアが並列に接続されるときは、それ
らのコアの容量を予めアンバランス(非対象)に設計し
ておくことが望ましい場合がある。これは、以下の理由
による。すなわち、各コアの容量を設計通りに正確に実
現することは困難である。このため、並列に接続される
複数のコアの容量を互いに同じにしようとしても、実際
には、それらの容量は互いに異なったものになってしま
う。ここで、コアの容量が異なると、それに伴って発熱
量などが変化するので、一般に、コアおよびその周辺の
回路は、電気的および熱的にマージンを持った設計がさ
れる。したがって、複数のコアの容量を互いに同じにし
ようとすると、各コア毎に同等のマージンを確保しなけ
ればならず、構成が冗長になってしまう。
【0049】複数のコアの容量を予めアンバランスにし
ておけば、一部のコアに対してはより大きなマージンを
持たせる必要があるが、他のコアに対してはマージンを
少なくできる。このため、構成が冗長ではなくなる。な
お、コアの容量は、例えば、コイルの巻き数などにより
調整する。
【0050】図10および図11は、それぞれ、4個の
コアを備える移動体に設けられる電源回路を示す図であ
り、図10は並列構成での電源回路あり、図11は倍電
圧方式の電源回路である。これらの電源回路は、例え
ば、図1に示した移動体10に搭載される。なお、これ
らの電源回路の動作は、基本的に、図9(a) および図9
(b) に示した電源回路の動作と同じである。
【0051】図1などに示した移動体10は、2つの受
電ユニット11、13を備え、それら各受電ユニットが
それぞれ2つのコアを含む構成であるが、本発明は、各
受電ユニットがそれぞれ1つのコアを備える構成も含
む。この場合、電源回路は、図9(a) または図9(b) に
示した構成を採用する。
【0052】なお、上記実施例では、給電線は、給電線
敷設部材に敷設されているが、本発明は、この構成に限
定されるものではない。すなわち、例えば、移動体を案
内するための案内レールに給電線を敷設してもよいし、
或いは、レールを設けることなく、所定間隔ことに給電
線を床から所定の高さに保持するような構成であっても
よい。
【0053】また、上記実施例では、ある1本の経路上
に補助給電エリアを設けるシステムを示したが、本発明
は、その構成に限定されるものではない。すなわち、た
とえば、図12に示すように、移動体の経路の切替えポ
イントにおいて本発明のコンセプトを導入することもで
きる。
【0054】図12において、移動体30は、コア31
a〜31dを備え、レール32aまたは32bに沿って
走行する。コア31a〜31dは、基本的に、図1に示
したコア12a、12b、14a、14bと同じであ
る。給電線33a〜33dは、それぞれ交流が与えられ
ている。
【0055】移動体30は、エリアAにおいては、コア
31aおよび31bを利用して給電線33aからエネル
ギーを受け取る。また、移動体30がエリアAからエリ
アBへ移動する場合には、移動体30は、それらのエリ
アの境界付近では、コア31cおよび31dを利用して
給電線33dからエネルギーを受け取り、その後、エリ
アBにおいて、コア31aおよび31bを利用して給電
線33bからエネルギーを受け取る。一方、移動体30
がエリアAからエリアDへ移動する場合には、移動体3
0は、それらのエリアの境界付近では、コア31bを利
用して給電線33aからエネルギーを受け取ると共に、
コア31cを利用して給電線33bからエネルギーを受
け取る。その後、移動体30は、エリアBにおいて、コ
ア31cおよび31dを利用して給電線33bからエネ
ルギーを受け取る。
【0056】
【発明の効果】移動体が走行する経路中に補助給電エリ
アを設け、その補助給電エリアでは通常給電エリアにお
いて給電線が設けられている位置と異なる位置に給電線
が設けられるので、移動体が給電線からエネルギーの供
給を受けられなくなる状況を回避しながら、人などがそ
の移動体の移動経路を横切ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の非接触給電システムの構成を
示す図である。
【図2】図1に示す非接触給電システムの変形例(その
1)である。
【図3】図1に示す非接触給電システムの変形例(その
2)である。
【図4】給電線の配置を説明する図である。
【図5】第2の実施形態の非接触給電システムの構成を
示す図である。
【図6】コアを動かすタイミングを説明する図である。
【図7】図5に示す非接触給電システムの変形例であ
る。
【図8】(a) は、電源回路の基本構成を示す図、(b)
は、個別整流直列接続構成の電源回路を示す図である。
【図9】(a) は、個別整流並列接続構成の電源回路を示
す図、(b) は、倍電圧構成の電源回路を示す図である。
【図10】4個のコアを備える移動体に設けられる電源
回路(並列構成)を示す図である。
【図11】4個のコアを備える移動体に設けられる電源
回路(倍電圧方式)を示す図である。
【図12】本発明の他の態様のシステムを示す図であ
る。
【図13】(a) は、非接触給電システムにおける受電回
路のコアを示す図、(b) は、給電線に流れる電流から電
圧を生成する方法を説明する図である。
【符号の説明】
1(1a、1b) 給電線敷設部材 2 給電線敷設部材 3(3a〜3c) 給電線 10 移動体 11 受電ユニット 12a、12b コア 13 受電ユニット 14a、14b コア 20 移動体 21a、21b コア 22a、22b 可動メカニズム 105 コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 勝幸 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 高三 正己 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 5H105 BA02 BB07 CC02 CC19 DD10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給電線から非接触で受け取るエネルギー
    を使用して、移動体が予め定められた経路を走行する非
    接触給電システムであって、 上記経路中には、通常給電エリアと補助給電エリアとが
    設けられ、 上記補助給電エリアには、上記通常給電エリアの給電線
    設置位置とは異なる位置に給電線が設けられ、 上記移動体には、上記通常給電エリアおよび補助給電エ
    リアにそれぞれ設けられている給電線からエネルギーを
    受け取る受電装置が設けられている非接触給電システ
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の非接触給電システムで
    あって、 上記受電装置が、 上記通常給電エリアに設けられている給電線からエネル
    ギーを受け取る第1の受電ユニットと、 上記補助給電エリアに設けられている給電線からエネル
    ギーを受け取る第2の受電ユニットとを備える。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の非接触給電システムで
    あって、 上記通常給電エリアに設けられている給電線および上記
    補助給電エリアに設けられている給電線が、上記移動体
    の走行方向において互いにオーバラップする。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の非接触給電システムで
    あって、 上記第1および第2の受電ユニットが、それぞれ、上記
    給電線の周囲に発生する磁束をピックアップするコイル
    を複数含み、 それらのコイルは、並列に接続されるか、あるいは倍電
    圧生成回路を構成するように接続される。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の非接触給電システムで
    あって、 上記受電装置が、 上記給電線からエネルギーを受け取る受電ユニットと、 その受電ユニットが上記通常給電エリアに設けられてい
    る給電線または上記補助給電エリアに設けられている給
    電線からエネルギーを受け取れるように、その受電ユニ
    ットを動かす可動メカニズムとを備える。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の非接触給電システムで
    あって、 上記通常給電エリアの設けられている給電線および上記
    補助給電エリアに設けられている給電線が、上記移動体
    の走行方向において互いにオーバラップしない。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の非接触給電システムで
    あって、 上記通常給電エリアの設けられている給電線および上記
    補助給電エリアに設けられている給電線が共に存在しな
    いエリアにおいて、上記受電ユニットに接触しない位置
    に給電線を設ける。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の非接触給電システムで
    あって、 上記受電ユニットが、上記給電線の周囲に発生する磁束
    をピックアップするコイルを複数含み、 それらのコイルは、並列に接続されるか、あるいは倍電
    圧生成回路を構成するように接続される。
  9. 【請求項9】 給電線から非接触で受け取るエネルギー
    を使用して、移動体が予め定められた経路を走行する非
    接触給電システムであって、 上記経路中には、所定の位置に給電線が設けられた第1
    のエリア、およびその第1のエリアに設けられている給
    電線とは異なる位置に給電線が設けられた第2のエリア
    が存在し、 上記移動体には、上記第1のエリアおよび第2のエリア
    にそれぞれ設けられている給電線からエネルギーを受け
    取る受電装置が設けられている非接触給電システム。
  10. 【請求項10】 移動体が走行する経路中に通常給電エ
    リアおよび補助給電エリアが設けられ、その補助給電エ
    リアには上記通常給電エリアの給電線設置位置とは異な
    る位置に給電線が設けられ、それらの給電線から非接触
    で受け取るエネルギーを使用して移動体が走行するシス
    テムにおいて、その移動体に設けられる受電装置であっ
    て、 常に、上記通常給電エリアまたは補助給電エリアに設け
    られている給電線の少なくとも一方からエネルギーを受
    け取る受電装置。
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