JP2001118276A - コンパクトディスクプレーヤ用レンズクリーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＣＤプレーヤのピックアップレンズを清掃す
るためのレンズクリーナであって、清掃の確実性と作業
性とを向上させることである。 【解決手段】 本発明に係るコンパクトディスクプレー
ヤ用レンズクリーナは、ディスク面のリードインエリア
内にクリーニング部材を植設状態で設けたレンズクリー
ナであって、前記クリーニング部材の基端部側に剛性と
弾性とを付与する加工を施した構成としたものである。
そして、基端部側が剛性と弾性とを有しているため、ど
のような状況下にあってもクリーニング部材に変形また
は傾倒現象が生じないので、レンズクリーナを使用した
ときには、確実にピックアップレンズ面に接触して清掃
が遂行できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、コンパク
トディスクプレーヤ（以下ＣＤプレーヤという）（記録
・再生）に装備してあるピックアップレンズの表面を清
掃するためのレンズクリーナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般にこの種のＣＤプレーヤには、装填
したコンパクトディスクの盤面にスポット光を照射する
ピックアップレンズが内蔵されており、コンパクトディ
スクを回転させながらピックアップレンズでスポット光
の反射光を受光することによって、該コンパクトディス
クに記録されている情報が光信号として読み取れるよう
になっている。ところが、このピックアップレンズの表
面に塵埃等の異物が付着すると、光信号の読み取りにエ
ラーが生じて再生特性が劣化する。そこで、ピックアッ
プレンズの表面に付着した異物を除去するためのレンズ
クリーナが種々提案されている。例えば、特公平６−
１０３５４１号公報、特開平１０−２７５４４０号公
報、及び実開平５−５５３１７号公報の各公知文献に
開示された構成のレンズクリーナが公知になっている。

【０００３】前記の公知文献に開示されたレンズクリ
ーナは、クリーニング部材がピックアップレンズに接触
したときに動作不良を起こさないようにすること、ピッ
クアップレンズの傷付を防止してクリーニング性能を確
保することを目的として、クリーニング部材をピックア
ップレンズの焦点合わせ動作や、ディスクの回転動作を
阻害しない程度に細分化し、細分化した単位のクリーニ
ング部材のいくつかをディスク盤面の周方向及び径方向
に位置ずれ状態で分散配置した具体的構成を有するもの
であり、クリーニング部材が細分化単位のブラシ毛束で
あることから、払拭位置を少しづつずらして植設し、デ
ィスクの回転によってピックアップレンズと接触するブ
ラシ毛束を常に１個にして、ピックアップレンズが受け
る動作抵抗及び摩擦抵抗を十分に小さくでき、ディスク
の回転トルクが極端に小さい場合でも確実にクリーニン
グできるというものである。

【０００４】また、前記の公知文献に開示されたレン
ズクリーナは、光ディスクに対しブラシ毛束の基部を傾
斜させて植設することで傾斜方向に幅広い取付溝を必要
としていた公知の技術に対して、幅広い取付溝に対する
ブラシ毛束の植設作業の複雑さと、幅広い取付溝による
光ピックアップの読み取りエラーを解消させることを目
的として、光ディスクの盤面から突出して装着される払
拭部の基部を光ディスクに対して垂直に植設されると共
に、基部より上方部分を一定方向に傾斜させて形成した
具体的構成を有するものであり、払拭部の基部を垂直に
植設することで植設作業が簡略化し、払拭部の上方部分
を傾斜させているのでクリーニング作業を確実且つ円滑
に行うことができるというものである。

【０００５】更に、前記の公知文献に開示されたレン
ズクリーナは、ブラシ毛などの払拭体のリードインエリ
ア内への倒れ込みを原因とするクリーニングの中断を解
消することにより、常に確実にクリーニングを行えるよ
うにすることを目的として、少なくとも１単位のＴＯＣ
情報が記録されている防護帯をリードインエリアの範囲
内に設定していること、前記防護帯の外周端から少なく
とも払拭体の突出寸法分だけ径方向外側に離れた盤面領
域に払拭体を配設したこと、具体的には、所定のリード
インエリアに連続して、ＴＯＣ情報が繰り返し記録され
ている拡張リードインエリアを設け、この拡張リードイ
ンエリアに払拭体を配設したものであって、払拭体が倒
れ込んでもその先端が前記所定のリードインエリアに達
しないようにして、欠落信号を含まないＴＯＣ情報を読
み込めるというものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例に係るレンズクリーナは、クリーニング部材が繊維
だけで形成されているため、比較的柔らかい繊維が選択
されると、ディスクの回転によって倒れ込みが生じて、
レンズ面に接触しない現象が生じ清掃ができないという
問題点を有し、逆に剛性のある硬い繊維が選択される
と、ピックアップレンズのフォーカスサーボやトラッキ
ングサーボを阻害すると共に、レンズ表面に形成されて
いるシリコン系樹脂などからなるコーティング層を傷付
けるという問題点が発生する。

【０００７】特に、前記いずれの従来例においても、例
えば、レンズクリーナを正規のケースに入れずにクリー
ニング部材側を下にして保存した場合に、クリーニング
部材がディスクの重さで根元側から変形または傾倒し、
レンズクリーナを清掃のために実際に使用したときに、
クリーニング部材の変形または傾倒によって、ピックア
ップレンズ面に届かない現象が生じ、清掃ができないと
いう問題点を有する。

【０００８】更に、ＣＤ−ＲＯＭプレーヤなど高速化が
進んだ機材に用いた場合には、ディスクが高速回転する
ことによって、クリーニング部材が強い風圧を受けてデ
ィスク面に張り付くように傾倒してピックアップレンズ
面に接触しないようになり、清掃ができないという問題
点を有している。

【０００９】従って、従来例に係るコンパクトディスク
プレーヤ用レンズクリーナにおいては、どのような状況
下であっても、確実に且つ短時間で清掃ができるように
することに解決しなければならない課題を有している。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記従来例の課題を解決
する具体的手段として本発明は、ディスク面のリードイ
ンエリア内にクリーニング部材を植設状態で設けたレン
ズクリーナであって、前記クリーニング部材の基端部側
に剛性と弾性とを付与する加工を施してあることを特徴
とするコンパクトディスクプレーヤ用レンズクリーナを
提供するものである。

【００１１】また、本発明においては、クリーニング部
材が、繊維で形成されたブラシであること；剛性と弾性
とを付与する加工が、樹脂材を含浸させて固めたもので
あること；クリーニング部材は、繊維を所定径の束状に
形成し、その基端部側をディスク面に設けた小孔に挿着
し接着手段で固定してあること；及び、ディスク面のリ
ードインエリアの外周に隣接するプログラムエリアの最
内周側に、クリーニングが終了したことを知らせるメッ
セージが記録されていること、を更に付加的要件として
含むものである。

【００１２】本発明に係るコンパクトディスクプレーヤ
用レンズクリーナにおいては、繊維で束状に形成された
クリーニング部材の基端部側に剛性と弾性とを付与する
加工を施すことにより、先端部に繊維のソフトな部分を
残してあり、基端部側が剛性と弾性とを有しているた
め、どのような状況であってもクリーニング部材に変形
または傾倒現象が生じないので、レンズクリーナを使用
したときには、確実にピックアップレンズ面に接触して
清掃が遂行できるのである。

【００１３】

【発明の実施の形態】次に本発明を図示の実施の形態に
より更に詳しく説明する。まず、図１〜２に示した一実
施の形態において、レンズクリーナ１は、コンパクトデ
ィスクと実質的に同形状のディスク２と、該ディスク２
における盤面の所定位置に植設されたクリーニング部材
３とから構成されている。

【００１４】ディスク２には、図１に示したように、リ
ードインエリア２ａとプログラムエリア２ｂとが存在
し、そのリードインエリア２ａ内にクリーニング部材３
が植設状態で少なくとも１個所、好ましくは複数個所に
配設される。この場合の配設位置は、ディスク２の回転
中心０から半径ｒａで描かれる円弧上に所定間隔をもっ
て、且つ回転中心０を通る任意の放射線上に複数個設け
られるものである。

【００１５】また、プログラムエリア２ｂの最内周側、
即ち、リードインエリア２ａのすぐ外側に、ピックアッ
プレンズの清掃が終了したことを知らせるメッセージが
記録されている。この音声メッセージの内容は、例えば
「レンズのクリーニングが終了しました。ディスクイジ
ェクトボタンを押して下さい。」等であって、レンズク
リーナ１をＣＤプレーヤから排出するようにユーザに促
すものである。なお、この音声メッセージは日本語のみ
ならず、数ヶ国語のメッセージを連続して記録させてお
くこともできる。

【００１６】クリーニング部材３は、図２に示したよう
に、例えば、適宜の繊維からなるブラシであって、二段
構造になっている。即ち、クリーニング部材３の先端部
３ａを所定長さ残してソフト部分とし、基端部（根元部
分）３ｂ側に樹脂材を含浸させて弾性と剛性とを高めた
剛直部分とした二段構造になっているのである。この場
合の含浸させる樹脂材としてはシリコン系の樹脂が好ま
しい。

【００１７】そして、このクリーニング部材３のディス
ク２に対する取付構造は、ディスク２に設けた小孔２ｃ
に対して基端部３ｂを挿着し、小孔２ｃの底部に設けた
接着剤４によりその挿着した基端部３ｂの端面が接着固
定され、クリーニング部材３の安定した取り付けが容易
になされるのである。

【００１８】この場合に、クリーニング部材３は、予め
所要数の繊維を纏めて所定大きさの束にし、基端部３ｂ
に樹脂材を含浸させて束状のブラシを形成しておき、そ
の束状のブラシの基端部３ｂの端面部分に接着剤４を塗
布して小孔２ｃに挿着することで簡単に取り付けられ、
レンズクリーナ１の製造が容易に行えるのである。

【００１９】このように取り付けられたクリーニング部
材３は、ディスク２面からの突出長さを約２ｍｍに設定
してあると共に、ブラシとしての束の直径は、ピックア
ップレンズ５における有効レンズ面の径Ｌに略相当する
ものである。なお、クリーニング部材３として使用され
る材料は、例えば、ポリエステルなどの樹脂系繊維であ
り、更に、不織布なども使用可能であって、この場合に
は、弾性または剛性を高める材料として、例えばエラス
トマーやゴムなどを含浸させたり、塗布することもでき
る。要するに、繊維製のクリーニング部材を束状に形成
し、その基端部側に弾性と剛性とを付与する加工が施し
て、実質的にクリーニング部材が「剛」と「柔」の二段
構造になっていれば良いのである。

【００２０】前述した構成のレンズクリーナ１を用いて
ＣＤプレーヤ（図示せず）に装備してあるピックアップ
レンズ５の表面を清掃する状況について説明すると、レ
ンズクリーナ１を所定のＣＤプレーヤに装填して回転駆
動させると、ホームポジションに待機していたピックア
ップレンズ５は、最初にディスク２のリードインエリア
２ａと正対するが、そこではまず、ピックアップレンズ
５がディスク２の記録面に対して近接・離反しながら焦
点合わせを行うフォーカスサーボが開始され、ついで、
ピックアップレンズ５がディスク２のトラックを正しく
トレースするように補正するトラッキングサーボが開始
される。

【００２１】そして、このようにフォーカスサーボやト
ラッキングサーボが開始されるリードインエリア２ａと
の正対時には、プログラムエリア２ｂとの正対時に比べ
て、ディスク２の記録面に対するピックアップレンズ５
の近接・離反動作が大きいので、リードインエリア２ａ
に配設されているクリーニング部材３は、ディスク２の
面からの突出長さが約２ｍｍと小さくても、ピックアッ
プレンズ５の表面に確実に接触する。

【００２２】この接触において、クリーニング部材３
は、その基端部３ｂが弾性と剛性とを有する剛直部分と
して形成されているので直立状態を維持し、ソフト部分
の先端部３ａ側は、ピックアップレンズ５の面に接触し
て簡単に変形し、有効レンズ面Ｌ以上に広がって摺接す
るようになる。

【００２３】従って、クリーニング部材３の根元側に剛
直部分が存在しても、先端部３ａにソフト部分が形成さ
れているので、クリーニング部材３がピックアップレン
ズ５に接触したときに、ピックアップレンズ５が強く押
されてフォーカスサーボが外れてしまうような不具合は
生じないのである。

【００２４】ディスク２の回転に伴い、クリーニング部
材３は植設状態を維持し一定の軌跡をもって回転するよ
うになり、その先端部３ａがピックアップレンズ５に接
触したときに、ピックアップレンズ５の有効レンズ面Ｌ
以上に広がって接触し、その接触した範囲において、ピ
ックアップレンズ５の面に付着している異物などの汚れ
を払拭するのである。

【００２５】ピックアップレンズ５は、ホームポジショ
ンからリードインエリア２ａを横切ってプログラムエリ
ア２ｂに至る間に、クリーニング部材３により複数回に
亘って払拭されることでレンズ面の清掃がなされ、リー
ドインエリア２ａを過ぎてプログラムエリア２ｂに入る
と、例えば「レンズのクリーニングが終了しました。デ
ィスクイジェクトボタンを押して下さい。」等の音声メ
ッセージが報知され、ユーザーがイジェクトボタンを押
してＣＤプレーヤからディスク２を排出することで短時
間で清掃が終了する。

【００２６】いづれにしても、レンズクリーナは、ディ
スクに植設状態で設けた繊維束のクリーニング部材が、
その先端部にソフト部分を残して大半を弾性または剛性
を付与する加工を施してあるので、どのような状況であ
っても、クリーニング部材の全体が変形したり傾倒した
りすることなく、常に適正な起立状態を維持してピック
アップレンズ面に接触し、清掃を遂行するのである。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係るコンパ
クトディスクプレーヤ用レンズクリーナは、ディスク面
のリードインエリア内にクリーニング部材を植設状態で
設けたレンズクリーナであって、前記クリーニング部材
の基端部側に剛性と弾性とを付与する加工を施した構成
とすることにより、先端部に繊維のソフトな部分を残し
てあり、基端部側が剛性と弾性とを有しているため、ど
のような状況であってもクリーニング部材に変形または
傾倒現象が生じないので、レンズクリーナを使用したと
きには、確実にピックアップレンズ面に接触して清掃が
遂行できるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るレンズクリーナを示す略示的平面
図である。

【図２】同レンズクリーナの要部を拡大して示した断面
図である。

【符号の説明】

１ レンズクリーナ； ２ ディスク； ２ａ リード
インエリア；２ｂ プログラムエリア； ２ｃ 小孔；
３ クリーニング部材；３ａ 先端部； ３ｂ 基端
部； ４ 接着剤； ５ ピックアップレンズ；

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスク面のリードインエリア内にクリ
   ーニング部材を植設状態で設けたレンズクリーナであっ
   て、 前記クリーニング部材の基端部側に剛性と弾性とを付与
   する加工を施してあることを特徴とするコンパクトディ
   スクプレーヤ用レンズクリーナ。
2. 【請求項２】 クリーニング部材が、 繊維で形成されたブラシである請求項１に記載のコンパ
   クトディスクプレーヤ用レンズクリーナ。
3. 【請求項３】 剛性と弾性とを付与する加工が、 樹脂材を含浸させて固めたものである請求項１に記載の
   コンパクトディスクプレーヤ用レンズクリーナ。
4. 【請求項４】 クリーニング部材は、 繊維を所定径の束状に形成し、その基端部側をディスク
   面に設けた小孔に挿着し接着手段で固定してある請求項
   １に記載のコンパクトディスクプレーヤ用レンズクリー
   ナ。
5. 【請求項５】 ディスク面のリードインエリアの外周に
   隣接するプログラムエリアの最内周側に、クリーニング
   が終了したことを知らせるメッセージが記録されている
   請求項１に記載のコンパクトディスクプレーヤ用レンズ
   クリーナ。