JP2001116752A - 磁性粒子の磁気分離方法および化学分析装置 - Google Patents

磁性粒子の磁気分離方法および化学分析装置

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JP2001116752A
JP2001116752A JP29687899A JP29687899A JP2001116752A JP 2001116752 A JP2001116752 A JP 2001116752A JP 29687899 A JP29687899 A JP 29687899A JP 29687899 A JP29687899 A JP 29687899A JP 2001116752 A JP2001116752 A JP 2001116752A
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suspension
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separation container
magnetic
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Isao Yamazaki
功夫 山崎
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性粒子を磁気分離する際に、磁性粒子の損
失が無く且つ短時間で分離精製を行う。 【解決手段】 分離容器10には磁性粒子21を含む懸
濁液20が入れられている。この分離容器10を容器ホ
ルダ11の挿入口11Aにセットして、磁石12により
磁場を作用させると、懸濁液20中の磁性粒子21は分
離容器10壁面に捕捉粒子集合22として集められる。
このとき本発明では、撹拌吸引ノズル13から液体また
は気体を懸濁液20内に吐出する。これにより、分離容
器10底部に存在していた磁性粒子21を吹き上げ、磁
石12の磁場の作用で分離容器10壁面に吸着すること
ができる。磁性粒子21吸着後は、撹拌吸引ノズル13
で懸濁液20の液成分を吸引し、さらに、再懸濁液ノズ
ル15で再懸濁液を分離容器10内に注入して磁性粒子
21を分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁性粒子の分離精製
に係り、特に生物学的分析を行うのに好適な磁性粒子の
磁気分離方法および化学分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁性粒子を用いて液体から特定の
生体分子を分離精製する方法が着目されている。この分
離精製方法は、不純物が多い液体中に目的の分子がある
ときに、磁性粒子に特異的もしくは非特異的に目的分子
を吸着させ、さらに、外部から磁界を与えて磁性粒子を
容器の壁面に集め、上澄みを除去した後に、新たな懸濁
用の液を加え、同時に前記磁界を取り除いて、目的の磁
性粒子を再分散させるものである。
【0003】このような磁気粒子の分離精製に関する技
術としては、例えば特開平6−198214号公報に開
示されたものがある。この公報に記載の方法では、磁性
粒子を含む懸濁液が入れられた容器の底部近くに磁石を
配置して、磁性粒子を容器の底部に吸着させるととも
に、ピペッタを容器に挿入して懸濁液の上澄みを吸引す
るようにしている。この方法では、上澄み液をほぼ完全
に吸引できるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では、磁界を容器の底部に作用させるので、磁
性粒子のペレットが容器底部に形成され、ピペッタを容
器底部まで挿入して吸引すると、磁性粒子まで一緒に吸
引され、磁性粒子が失われてしまうという問題がある。
ピペッタを底部まで挿入しないで吸引すると、上澄み液
を完全には吸引できず、効率良く分離精製ができない。
【0005】磁界を容器底部からよりも高い位置に与え
れば良い訳であるが、この場合は、容器底部の存在する
磁性粒子に対して磁界が作用しないので、一定時間の間
には磁性粒子が壁面に集まらない。その状態でピペッタ
を底部に挿入して吸引すると、上澄み液と一緒に磁性粒
子も吸引されて、上記と同様に磁性粒子が失われてしま
う。
【0006】また、周囲の温度の変動により容器と懸濁
液との間に温度差が生じると、懸濁液中に対流が生じ
て、捕捉される磁性粒子の割合が一定にならないという
問題もある。
【0007】本発明の目的は、磁性粒子の損失が無く且
つ短時間で磁性粒子の分離精製が可能な磁性粒子の磁気
分離方法、および化学分析装置を提供することにある。
【0008】また、本発明の他の目的は、捕捉される磁
性粒子の割合を一定にすることができる磁性粒子の磁気
分離方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、磁性粒子を含む懸濁液が入れられた分離
容器に磁場を作用させて、前記磁性粒子を前記分離容器
の壁面に集めるとともに、前記懸濁液の液成分を吸引
し、その後、別の液成分を前記分離容器内に注入して前
記磁性粒子を分散させる過程を含む磁性粒子の磁気分離
方法において、前記磁場の作用を開始してから前記液成
分の吸引を行うまでの間に、前記分離容器内の懸濁液に
流動を生じさせることを特徴としている。
【0010】上記構成によれば、分離容器内の懸濁液に
流動を生じさせることにより、分離容器底部に存在して
いる磁性粒子は舞い上げられ、その磁性粒子は磁場の作
用で分離容器の壁面に吸着する。そのため、磁性粒子は
分離容器底部には存在しなくなり、懸濁液の液成分を吸
引したときに磁性粒子が一緒に吸引されてしまうのを防
ぐことができる。
【0011】上記磁性粒子の磁気分離方法を採用するに
際しては、以下の要素を付加することができる。 (1)前記分離容器の底部付近までノズルを挿入し、該
ノズルから液体または気体を吐出することにより、前記
分離容器内の懸濁液に流動を生じさせる。 (2)前記分離容器内の懸濁液の上部と下部に温度差を
生じさせることにより、該懸濁液に流動を生じさせる。 (3)磁場を作用させたままで前記分離容器に振動また
は超音波を与えることにより、前記分離容器内の懸濁液
に流動を生じさせる。
【0012】また、本発明は、磁性粒子を含む懸濁液が
入れられた分離容器に磁場を作用させて、前記磁性粒子
を前記分離容器の壁面に集めるとともに、前記懸濁液の
液成分を吸引し、その後、別の液成分を前記分離容器内
に注入して前記磁性粒子を分散させる過程を含む磁性粒
子の磁気分離方法において、前記磁場の作用を開始して
から前記液成分の吸引を行うまでの間に、前記分離容器
内の懸濁液の温度に対して該分離容器の温度を制御する
ことにより、前記懸濁液に対流を発生させたり、対流の
発生を抑制したりすることを特徴としている。
【0013】上記構成によれば、外気温との温度差が一
定の範囲になるよう、つまり懸濁液に対流を発生させた
り、対流の発生を抑えたりするよう懸濁液の温度を制御
することができ、磁場に捕捉される磁性粒子の割合を一
定とすることが可能となる。
【0014】さらに、本発明は、磁性粒子を含む懸濁液
が入れられた分離容器と、前記分離容器に磁場を作用さ
せて前記磁性粒子を該分離容器の壁面に集める磁石と、
前記懸濁液の液成分を吸引し、その後、別の液成分を前
記分離容器内に注入する液成分吸引注入手段と、前記別
の液成分注入後、前記分離容器内で分散した前記磁性粒
子の分析を光学的または電気的な検出法を用いて行う分
析手段と、を備えた化学分析装置において、前記磁場を
作用させているときに前記分離容器内の懸濁液に流動を
発生させる流動発生手段を設けたことを特徴としてい
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は実施の形態1を示しており、本
発明に係る磁性粒子の磁気分離方法が適用可能な装置の
構成図である。図1において、分離容器10は円筒形で
底部が丸く、上部には開口部10Aが設けられている。
この分離容器10は、容器ホルダ11の上面に明けられ
た挿入口11Aに挿入されている。挿入口11Aの底部
は、分離容器10の底部と同様に丸く形成されている。
容器ホルダ11には、その上部に挿入口11Aを挟んで
磁石12が埋め込まれている。磁石12は永久磁石また
は電磁石である。
【0016】容器ホルダ11の上方には、攪拌吸引ノズ
ル13を保持する攪拌吸引ノズル移動機構14と、再懸
濁液ノズル15を保持する再懸濁液ノズル移動機構16
とが設置されており、各ノズル13,15は分離容器1
0の開口部10Aに挿入可能である。攪拌吸引ノズル1
3はディスポーザブルであり、攪拌吸引ノズル移動機構
14に自動的に脱着される。攪拌吸引ノズル13がディ
スポーザブルであれば、前の測定でノズルに付着した物
質で汚されることがなく、複数の種類の分離精製を連続
して汚れなく行うことが可能である。
【0017】次に、実施の形態1における動作を図2を
用いて説明する。まず、分離容器10にサンプル液を分
注する。サンプル液は、非検査試料の血清と、特異結合
物質、標識物質、磁性粒子を反応させたものである。特
異結合物質は抗原、抗体、DNA等が利用可能である。
血清中の特定生体分子の存在により、磁性粒子に特異結
合物質、標識物質が結合する。結合した特異結合物質
と、結合せずに浮遊した特異結合物質の比率は血清中の
特定生体分子の濃度に依存する。なお、分注したサンプ
ル液は分離容器10内では懸濁液20を形成する。
【0018】そして懸濁液20を形成後、分離容器10
を容器ホルダ11の挿入口11Aに挿入して、磁石12
によって分離容器10内に磁界を作用させると、懸濁液
20中の磁性粒子21は分離容器10の壁面に吸引さ
れ、捕捉粒子集合22を形成する。このとき、磁石12
は容器ホルダ11の上部に配置されているので、捕捉粒
子集合22は分離容器10の底部よりも上方位置に形成
される。また、分離容器10の下部には磁場があまり作
用しないので、懸濁液20の下部には吸引されていない
磁性粒子21が存在している。
【0019】次に、攪拌吸引ノズル移動機構14によっ
て攪拌吸引ノズル13を分離容器10の開口部10Aか
ら挿入し、吸引した液体を分離容器10の底部で攪拌吸
引ノズル13から吐出する。これにより、磁石12に吸
引されないで懸濁液20の下部に存在していた磁性粒子
21が吹き上げられ、その吹き上げられた磁性粒子21
は磁石12の磁場によって吸引され分離容器10の壁面
に付着する。なお、攪拌吸引ノズル13からの液体の吐
出速度は、分離容器10底部の磁性粒子21を吹き上げ
るに十分な速度であり、捕捉粒子集合22を乱すほどに
は速くないように調整されている。また、攪拌吸引ノズ
ル13からは気体を吐出するようにしてもよい。
【0020】次に、攪拌吸引ノズル13を懸濁液20の
液面位置まで上昇させる。そして、懸濁液20中の液成
分を吸引しながら、液面の下降速度に合わせて攪拌吸引
ノズル13を下降させる。すると、分離容器10の壁面
には捕捉粒子集合22が残されたままとなる。
【0021】次に、分離容器10内の開口部10Aに再
懸濁液ノズル15を挿入し、不要物質を含まない再懸濁
液23を吐出する。吐出終了後、容器ホルダ11の挿入
口10Aから分離容器10を取り出して攪拌し再懸濁す
る。
【0022】図3は、分離容器10内での磁石12によ
る磁力の強度の計算結果である。分離容器10の断面内
で磁性粒子が受ける磁力の大きさを等高線で表わしてお
り、値の大きい部分が磁力が大きいことを示す。これか
らみて解るように磁石12の近傍では磁力は強いが、磁
石12から離れた分離容器10底部では磁力が非常に弱
い。このため、懸濁液20中で分離容器10底部に存在
する磁性粒子は、短時間のうちには磁石12に吸い寄せ
られることなく浮遊したままか、または重力で底に沈ん
でしまう。
【0023】そこで、上記のように攪拌吸引ノズル13
を分離容器10の底部まで挿入して液体を吐出し、分離
容器10底部に浮遊した粒子や沈んだ粒子を舞い上げ、
磁石12の磁力で吸引して分離容器10の壁面に捕捉す
る。これによって、懸濁液20の液成分を吸引する際
に、分離容器10底部に残された磁性粒子21を一緒に
吸引してしまうことが回避され、磁性粒子21の損失が
ない分離精製が可能となる。また、分離容器10底部ま
で液成分を完全に吸引することができるので、不純物を
含んだ懸濁液が完全に除去され、効率のよい分離精製が
可能となる。さらに、磁力の弱い分離容器10底部付近
の磁性粒子21が自然に捕捉されるのに比べて、短時間
で効率良く捕捉することができる。
【0024】また、本実施の形態では、攪拌吸引ノズル
13からの液体の吐出速度が、捕捉粒子集合13を移動
させるほどには速くないように調整されるため、捕捉さ
れている磁性粒子21が液体の吐出によって再攪拌され
るのを防ぐことができる。
【0025】また、本実施の形態では、磁石12として
は、分離容器10内全体に磁力を及ぼす必要は無く、狭
い領域に強い磁力を発生すればよいので、小形で安価な
磁石が使用可能である。
【0026】図4は、図1の装置を、化学分析装置の一
つである免疫分析装置に搭載した例である。この免疫分
析装置には、円周状に試料容器30が入る試料ディスク
31と、円周状に試薬容器32が入る試薬ディスク33
とが設けられている。試薬容器32は3つの試薬が1組
になっている。試薬ディスク33の横方には上面に複数
の孔が形成された反応ベース34が配置され、この反応
ベース34の各穴に分離容器10が入る。また、試料デ
ィスク31、試薬ディスク33および反応ベース34の
上部を移動可能なピペッタ35が設置されている。
【0027】反応ベース34の傍には分離容器ホルダ3
6が配置され、この分離容器ホルダ36にディスポーザ
ブルな分離容器10が複数個載置されている。また、分
離容器ホルダ15および反応ベース42の上部を移動可
能な第1アーム37が設置され、この第1アーム37は
分離容器ホルダ36から分離容器10を掴み取って反応
ベース34に搬送する。
【0028】反応ベース34の横方には、図1に示した
容器ホルダ11、撹拌吸引ノズル移動機構14および再
懸濁液ノズル移動機構16が配置されている。攪拌吸引
ノズルホルダ14には複数のディスポーザブルな攪拌吸
引ノズル13が装着される。また、容器ホルダ11の傍
には、ノズル廃棄口38、分離容器廃棄口39および撹
拌機構40が設けられている。そして、反応ベース3
4、容器ホルダ11、分離容器廃棄口39および撹拌機
構40の上部を移動可能な第2アーム41が設置されて
いる。
【0029】また、攪拌吸引ノズル移動機構14の傍に
は攪拌吸引ノズルホルダ42が設けられ、この攪拌吸引
ノズルホルダ42に攪拌吸引ノズル13が複数個載置さ
れている。攪拌吸引ノズル移動機構14は、容器ホルダ
11、ノズル廃棄口38および攪拌吸引ノズルホルダ4
2が配置された範囲で回動し、攪拌吸引ノズル13を移
動させる。また、検出器43が設けられ、この検出器4
3は攪拌機構40に置かれた分離容器10から懸濁液を
吸引して分析を行う。
【0030】次に、上記免疫分析装置を用いて試料の分
析を行う手順について説明する。まず、複数の分析対象
の試料を試料ディスク31上の試料容器30にセットす
る。また、第1アーム37が動いて分離容器ホルダ36
から1個の分離容器10を掴み、その分離容器10を反
応ベース34の穴の1つに挿入する。同時にピペッタ3
5が動いて試料ディスク31上の1つの試料容器30か
ら試料を所定量吸引し、反応ベース34上の分離容器1
0に吐出する。引き続いて、ピペッタ35は試薬ディス
ク33上の1組の試薬容器32の第1の試薬を吸引し、
反応ベース34上の分離容器10に吐出し、さらに、ピ
ペッタ41は試薬容器32の第2の試薬を吸引し、反応
ベース34上の分離容器10に吐出する。第1の試薬に
は、化学発光物質を標識した抗体が含まれ、第2の試薬
には磁性粒子と結合する物質と結びついた抗体が含まれ
ている。分離容器10の内部では試料中に含まれる抗原
と、第1試薬、第2試薬に含まれる抗体が結合する。一
定時間静置後、ピペッタ35は試薬容器32の第3試薬
を吸引し、分離容器10に吐出する。第3試薬には磁性
粒子が含まれている。そして、分離容器10の内部で磁
性粒子表面に第2試薬の抗体が結合する。
【0031】一定時間後に分離容器10内には磁性粒子
に結合した抗体(B)と、結合せずに浮遊した抗体
(F)とが存在する。結合する量は、試料に含まれた抗
原の濃度に依存する。次に第2アーム41が反応ベース
34上の分離容器10を掴み、容器ホルダ11に搬送し
セットする。そこで容器ホルダ11に内蔵された磁石1
2の磁力により磁性粒子が捕捉される。一定時間後、攪
拌吸引ノズル移動機構14は攪拌吸引ノズルホルダ42
上の攪拌吸引ノズル13を1つ装着し、容器ホルダ11
上の分離容器10に液体を吐出する。それにより、分離
容器10の底部に存在していた磁性粒子21が吹き上げ
られ、磁力で捕捉される。次に攪拌吸引ノズル移動機構
14に装着された攪拌吸引ノズル13で分離容器10内
の液成分を吸引する。それにより、液中に浮遊していた
抗体(F)は分離容器10から除去される。その後、攪
拌吸引ノズル移動機構14は、ノズル廃棄口38に攪拌
吸引ノズル13を廃棄する。
【0032】次に、再懸濁液ノズル移動機構16の装着
された再懸濁液ノズル15から一定量の再懸濁液23が
分離容器10内に吐出される。そして、第2アーム41
が分離容器10を攪拌機構40に搬送し、ここで分離容
器10内の液は攪拌され、さらに検出器43に吸引され
て光学的に分析される。その後、第2アーム41は分離
容器10を分離容器廃棄口39に廃棄する。
【0033】本実施の形態の免疫分析装置によれば、撹
拌吸引ノズルホルダ42上に複数の攪拌吸引ノズル13
が用意されて、自動的に取り替えて磁性粒子21の吹き
上げおよび液成分の吸引が行えるため、複数の試料に対
する複数の種類の免疫分析を自動化して連続的に行うこ
とが可能である。
【0034】なお、攪拌吸引ノズル13を分離容器10
の底部に挿入して液体を吐出する代わりに空気を吐出す
るよう構成することもできる。このようにすれば、吐出
した空気により分離容器10内の懸濁液20中に気泡が
生じ、この気泡により上昇流が生じて、分離容器10底
部の磁性粒子21が舞い上がり磁石12で捕捉される。
この場合は、攪拌吸引ノズル13から液体を吐出しない
ために、ノズル内壁に付着した成分を吐出してしまうこ
とがなく、汚染のない分離精製が可能である。また、ノ
ズル内壁に付着した成分による汚染がないため、攪拌吸
引ノズル13をディスポーザブルとする必要がなく、ま
た攪拌吸引ノズル13に液体を吸引する機構も不要とな
る。その結果、装置構成が単純化され、信頼性の高い免
疫分析装置を実現できる。
【0035】(実施の形態2)図5は本発明の実施の形
態2を示している。本実施の形態では、容器ホルダ11
に断熱部51とヒータ52が設けられている。断熱部5
1は磁石12の下方で且つ挿入口11Aの底部よりも上
方に配置されている。また、ヒータ52は挿入口11A
底部の下方に埋め込まれている。
【0036】上記構成において、磁石12によって分離
容器10内に磁界を作用させているときに、ヒータ52
で分離容器10の底部を加熱すると、分離容器10の底
部付近の懸濁液の温度は上昇するが、断熱部51よりも
上方にある懸濁液の温度はあまり上昇せず、懸濁液20
に温度勾配が生じる。これにより、懸濁液20中に対流
が発生し、分離容器10底部の磁性粒子21を吹き上げ
ることができる。
【0037】本実施の形態によれば、攪拌吸引ノズル1
3から液を吐出することがないので、攪拌吸引ノズル1
3の外周や内壁に付着した成分で懸濁液20が汚染され
ることが少ない。このため、攪拌吸引ノズル13はディ
スポーザブルである必要はなく、簡単な洗浄で連続して
分離精製を繰り返すことができる。また本実施の形態の
容器ホルダ11を図4の免疫分析装置に搭載すれば、単
純で信頼性の高い免疫分析装置を実現することができ
る。
【0038】また、本実施の形態によれば、断熱部51
が設けられているために、容器ホルダ11の下部の温度
が上部に伝わることがなく、一連の分離精製を終えた後
でも、容器ホルダ11の上部の温度は上昇していない。
そのため、次の分離精製を連続して行うことができる。
【0039】(実施の形態3)図6は本発明の実施の形
態3を示している。本実施の形態では、容器ホルダ11
に圧電素子53と音響レンズ54が埋め込まれている。
圧電素子53は挿入口11A底部下方に該底部から所定
距離を明けて設けられ、その圧電素子53と挿入口11
A底部との間に音響レンズ54が設けられている。
【0040】上記構成において、磁石12によって分離
容器10内に磁界を作用させているときに、圧電素子5
3から超音波を発生させ、その超音波を音響レンズ54
で収束させて分離容器10の底部に照射する。これによ
り、分離容器10内の懸濁液20に音響流動が発生し、
分離容器10底部の磁性粒子21を吹き上げることがで
きる。
【0041】本実施の形態によれば、実施の形態2の場
合と同様、攪拌吸引ノズル13から液を吐出することが
ないので、攪拌吸引ノズル13の外周や内壁に付着した
成分で懸濁液が汚染されることが少ない。また、攪拌吸
引ノズル13がディスポーザブルである必要はなく、簡
単な洗浄で連続して分離精製を繰り返すことができる。
さらに、本実施の形態の容器ホルダ11を図4の免疫分
析装置に搭載すれば、単純で信頼性の高い免疫分析装置
を実現することができる。
【0042】(実施の形態4)図7は本発明の実施の形
態4を示している。本実施の形態では、容器ホルダ11
の周囲には断熱部55が設けられ、下部にはピエゾ素子
56が設けられている。また、ピエゾ素子56の下側に
は放熱器57が設けられている。
【0043】上記構成において、ピエゾ素子56を制御
することにより、容器ホルダ11の温度が分離容器10
内の懸濁液20の温度に対して設定した一定の差となる
ように調整することができる。すなわち、容器ホルダ1
1の温度を懸濁液20に対流を発生させる温度に設定し
た場合は、分離容器10の底部の磁性粒子21が対流に
より舞い上がって捕捉される。対流を発生しない温度に
設定した場合は、分離容器10の底部の磁性粒子21は
対流で舞い上がることがない。このようにどちらか一方
に設定することにより、必ず同じ条件で磁性粒子21が
捕捉され、周囲の温度環境によって、捕捉される磁性粒
子の割合が左右されることがない。そのため、常に同じ
条件で再現性の高い磁性粒子の分離精製が可能である。
【0044】なお、分離容器10内に流動を生じさせる
には、上記各実施の形態以外に、分離容器10内の撹拌
手段を挿入して懸濁液10を直接撹拌したり、もしくは
分離容器10を左右に傾けたりしても同様な作用効果を
得ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、分離容器内の懸濁液に流動を生じさせることによ
り、分離容器底部にある磁性粒子を舞い上がらせて磁場
で捕捉することができるので、磁性粒子の損失が無く且
つ短時間で磁性粒子の分離精製が可能となる。
【0046】また、分離容器内の懸濁液に対流を発生さ
せたり、対流の発生を抑えたりするよう懸濁液の温度を
制御することができるので、磁場に捕捉される磁性粒子
の割合を一定とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による磁性粒子の磁気分
離方法を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態1による磁性粒子の磁気分
離方法の手順を示した図である。
【図3】分離容器内での磁石による磁力の強度を示した
図である。
【図4】本発明に係る免疫分析装置の上面図である。
【図5】本発明の実施の形態2による磁性粒子の磁気分
離方法を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態3による磁性粒子の磁気分
離方法を説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態4による磁性粒子の磁気分
離方法を説明するための図である。
【符号の説明】
10 分離容器 10A 開口部 11 容器ホルダ 11A 挿入口 12 磁石 13 攪拌吸引ノズル 14 攪拌吸引ノズル移動機構 15 再懸濁液ノズル 16 再懸濁液ノズル移動機構 20 懸濁液 21 磁性粒子 22 捕捉粒子集合 23 再懸濁液 30 試料容器 31 試料ディスク 32 試薬容器 33 試薬ディスク 34 反応ベース 35 ピペッタ 36 分離容器ホルダ 37 第1アーム 40 攪拌機構 41 第2アーム 42 攪拌吸引ノズルホルダ 43 検出器 51 断熱部 52 ヒータ 53 圧電素子 54 音響レンズ 55 断熱部 56 ピエゾ素子 57 放熱器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粒子を含む懸濁液が入れられた分離
    容器に磁場を作用させて、前記磁性粒子を前記分離容器
    の壁面に集めるとともに、前記懸濁液の液成分を吸引
    し、その後、別の液成分を前記分離容器内に注入して前
    記磁性粒子を分散させる過程を含む磁性粒子の磁気分離
    方法において、前記磁場の作用を開始してから前記液成
    分の吸引を行うまでの間に、前記分離容器内の懸濁液に
    流動を生じさせることを特徴とする磁性粒子の磁気分離
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気分離方法において、
    前記分離容器の底部付近までノズルを挿入し、該ノズル
    から液体または気体を吐出することにより、前記分離容
    器内の懸濁液に流動を生じさせることを特徴とする磁性
    粒子の磁気分離方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁気分離方法において、
    前記分離容器内の懸濁液の上部と下部に温度差を生じさ
    せることにより、該懸濁液に流動を生じさせることを特
    徴とする磁性粒子の磁気分離方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の磁気分離方法において、
    磁場を作用させたままで前記分離容器に振動または超音
    波を与えることにより、前記分離容器内の懸濁液に流動
    を生じさせることを特徴とする磁性粒子の磁気分離方
    法。
  5. 【請求項5】 磁性粒子を含む懸濁液が入れられた分離
    容器に磁場を作用させて、前記磁性粒子を前記分離容器
    の壁面に集めるとともに、前記懸濁液の液成分を吸引
    し、その後、別の液成分を前記分離容器内に注入して前
    記磁性粒子を分散させる過程を含む磁性粒子の磁気分離
    方法において、前記磁場の作用を開始してから前記液成
    分の吸引を行うまでの間に、前記分離容器内の懸濁液の
    温度に対して該分離容器の温度を制御することにより、
    前記懸濁液に対流を発生させたり、対流の発生を抑制し
    たりすることを特徴とする磁性粒子の磁気分離方法。
  6. 【請求項6】 磁性粒子を含む懸濁液が入れられた分離
    容器と、前記分離容器に磁場を作用させて前記磁性粒子
    を該分離容器の壁面に集める磁石と、前記懸濁液の液成
    分を吸引し、その後、別の液成分を前記分離容器内に注
    入する液成分吸引注入手段と、前記別の液成分注入後、
    前記分離容器内で分散した前記磁性粒子の分析を光学的
    または電気的な検出法を用いて行う分析手段と、を備え
    た化学分析装置において、前記磁場を作用させていると
    きに前記分離容器内の懸濁液に流動を発生させる流動発
    生手段を設けたことを特徴とする化学分析装置。
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