JP2001116342A - 防火ダンパー装置 - Google Patents

防火ダンパー装置

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政弘 古谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間取付型の防火ダンパー装置の
保守点検性の向上を図る。 【解決手段】 給気や排気のためのダクト1の途
中に連通状態に接続される風洞2内に、熱により溶断す
る温度ヒューズ10によって通常はその風洞2を開放し
ており、温度ヒューズ10の溶断で風洞2を閉止する回
動ダンパーを組込んだ防火ダンパー装置について、その
回動ダンパーを風洞2を横断する支持軸7に二枚のダン
パー板8をバネ9で閉止方向に付勢した状態に蝶着し、
温度ヒューズ10でダンパー板8を二枚重ねの開放状態
に保持させた構成とし、風洞2の開放状態のダンパー板
8の合せ部分に対向する外周部に開閉可能の蓋11を備
えた点検口12を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給気や排気のため
の通風路の途中に防火のために接続される防火ダンパー
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】給気や排気のための通風路は、多くがダ
クトにより構成され火災時等の延焼の防止や空気補給を
断つための防火ダンパー装置が設けられる。防火ダンパ
ー装置は、種々開発されており、実開昭62―1895
44号公報に示されているような温度ヒューズが溶断す
るとウエイトによりダンパーが閉じるものの他に、バネ
の付勢力でダンパーが閉じるものがある。ウエイトで閉
じるものは、ダンパーの復帰操作が容易であるが取付け
姿勢に自由性がなく適用し難いことがある。バネ力で閉
じるものは閉止動作も速やかで、取付け姿勢に自由性も
あることから広く適用されているがバネ力に抗してダン
パーを支えていないと元の状態に復帰させることができ
ず、復帰操作がややし辛い。
【0003】ダンパーの復帰操作についてはこの種の防
火ダンパー装置が、例えば図9に示すように通風路の屋
外側開口端に装着するものが大半であり、図示のものの
場合、ガラリ20を外しフード21の開口部から操作す
ることによって閉じた二枚のダンパー板を元の状態に戻
し、新規な温度ヒューズ22に付替えることにより復帰
させることができる。この他にも実開昭62―1897
55号公報に示されているような通風路の途中に設けら
れる中間取付型の防火ダンパー装置もある。中間取付型
では温度ヒューズの交換や閉止したダンパーの復帰のた
めの点検口が必要であり、実開昭62―189755号
公報のものでは温度ヒューズが臨む風洞の一部に蓋付き
の点検口が開設されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の中間取
付型のダンパー装置においては、一枚のダンパーをバネ
力と温度ヒューズによって釣り合い状態にしてダンパー
を開放状態にしているため、温度ヒューズ側に臨む点検
口から閉止動したダンパーを元の位置に戻す復帰操作が
とても面倒であるばかりでなく、ダンパーを閉止動作さ
せるバネについてはダンパーの陰になって点検すること
が困難であるといった問題点がある。
【0005】本発明は、係る従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、その課題とするところは、
中間取付型の防火ダンパー装置の保守点検性の向上を図
ることであり、その防火ダンパーのコストの低減や取付
性の向上を推進することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に請求項1の発明は、給気や排気のための通風路の途中
に連通状態に接続される風洞内に、熱により溶断する温
度ヒューズによって通常はその風洞を開放しており、温
度ヒューズの溶断で同風洞を閉止する回動ダンパーを組
込んだ防火ダンパー装置について、その回動ダンパーを
風洞を横断する支持軸に二枚のダンパー板をバネで閉止
方向に付勢した状態に蝶着し、温度ヒューズでダンパー
板を二枚重ねの開放状態に保持させた構成となし、風洞
の開放状態のダンパー板の合せ部分に対向する外周部に
開閉可能の蓋を備えた点検口を設ける手段を採用する。
【0007】前記課題を達成するために請求項2の発明
は、請求項1に係る前記手段における点検口を開設する
際にできる抜取り材で点検口の蓋を構成する手段を採用
する。
【0008】前記課題を達成するために請求項3の発明
は、請求項1又は請求項2のいずれかに係る前記手段に
おける風洞に中心線方向と周方向とに可動でかつ、風洞
に対して位置決めできる取付フランジを設ける手段を採
用する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1〜図8によって示す本実施の
形態は、給気や排気のためのダクト1で構成される通風
路の途中に連通状態に接続される防火ダンパー装置に関
するものである。この防火ダンパー装置は、図1〜図3
に示すように両端の開放した直管状の風洞2内に、風洞
2を開閉する回動ダンパーを組込んだ構成である。風洞
2は、規格上1.5mm以上の厚さの鋼材により構成さ
れ、両端にダクト1が嵌合接続され、通風路の一部を構
成する。風洞2の外周には、スリーブ3を有する取付フ
ランジ4が取付けられている。取付フランジ4の中央に
設けられたスリーブ3には、風洞2が中心線方向と周方
向とに可動に挿通され、外周部からのネジ5による締め
付けにより風洞2に対して位置決めされる。
【0010】回動ダンパーは、図3に示すように風洞2
に圧入する保持リング6を横断する支持軸7に二枚の略
半円形の鋼板製のダンパー板8をバネ9で閉止方向に付
勢した状態に蝶着した構成で、熱により溶断する温度ヒ
ューズ10によって通常は風洞2を開放していて、温度
ヒューズ10の溶断によって風洞2を横断状態にバネ力
によって閉止する。温度ヒューズ10は、ダンパー板8
二枚の反蝶着側の端を重ねた状態に図2に示すように保
持している。風洞2の開放状態のダンパー板8の合せ部
分に対向する外周部には開閉可能の蓋11を備えた点検
口12が開設されている。点検口12は温度ヒューズ1
0の目視し脱着の可能な位置で、しかも二枚のダンパー
板8を片手で二枚合せの状態に保持することのできる位
置に設けられている。二枚のダンパー板8を付勢するバ
ネ9もダンパー板8が閉止状態であれば点検口12から
目視することができる。
【0011】蓋11は点検口12を打抜いてできる残材
の片面に点検口12より少し大きな薄鋼板13を固着し
て構成され、点検口12を被覆する状態に風洞2にネジ
により取付けられている。蓋11については、図4や図
5に示すように残材側か点検口12の口縁内側に取付金
具15を対向状に延出させ、取付金具15によりネジ締
めして取付ける構成を採ることもできる。また、点検口
12の開口部が内側に狭まる切断面が得られるように精
度良く打抜けば、残材側は点検口12に密接状態に収ま
ることになり、簡単な回動式の離脱防止構造等を風洞2
側に設ければ、点検口12の蓋として機能させることが
できる。これによって、蓋11を蓋として別に1.5m
m以上の板厚の鋼板から作らなくてもよく、風洞2と同
等の厚みを持つ蓋11が残材を利用して得られることに
なり、コストの低減が推進できる。
【0012】この防火ダンパー装置は、天井裏空間等に
配管される通風路となるダクト1の途中に接続され、通
風路の一部を構成する。取付フランジ4は、風洞2に対
して中心線方向へ移動させ、図6,7に示すように天井
裏等の室内側の壁面16にネジ付けにして固定し、スリ
ーブ3のネジ5を締めて位置決めする。図6,7に示す
ように天井面に設ける点検窓17に対して、風洞2の点
検口12の位置が合致する方が保守点検がし易いが、建
物の側やダクト1の配管の都合等で点検窓17が横方向
に少しずれても、取付フランジ4のスリーブ3に対して
風洞2を回転させて点検口12が点検窓17の方に向く
ようにして位置決めすることができる(図8参照)。即
ち、風洞2に位置調節可能な取付フランジ4を設けるこ
とにより、点検口12を必要に応じ周方向のいずれの向
きにも設定することができ、施工上の自由性を高くする
ことができる。
【0013】この防火ダンパー装置の防火機能について
はこれまでのものと変わらない。即ち、温度ヒューズ1
0が熱により溶断すると、温度ヒューズ10の二枚のダ
ンパー板8に対する保持機能が失われ、二枚のダンパー
板8はバネ9の付勢力により互いに反対方向へ回動して
風洞2を横断する状態で風洞2を閉止する。これにより
通風路による延焼が防止され、通風路による空気の補給
も断たれ防火機能を果たす。一旦動作した回動ダンパー
は新規な温度ヒューズ10を使って元の状態に戻す復帰
操作が必要である。復帰操作は正常に防火ダンパー装置
が機能するか確認した後にも必要であり、その復帰操作
の手順は次のとおりである。まず、点検窓17を開けて
防火ダンパー装置の蓋11を開け点検口12を開放す
る。
【0014】開放した点検口12から手を入れ閉じた二
枚のダンパー板8をバネ9の付勢に抗して開放側へ回動
させ、二枚重ねの状態に保持しておいて、新規の温度ヒ
ューズ10を装着し、ダンパー板8を開放状態に維持さ
せてから蓋11を閉めればよい。点検口12の回動ダン
パーに対する位置関係と回動ダンパーの構成との兼合い
により、復帰操作においてバネ9で付勢されている二枚
のダンパー板8を二枚重ねの状態に片手で保持している
ことは容易であり、もう一方の手を使ってダンパー板8
に温度ヒューズ10を装着することができる。このよう
に、風洞2の点検口12の回動ダンパーに対する位置関
係と回動ダンパーの構成との組合せに関する工夫により
中間取付型の防火ダンパー装置の保守点検性を向上させ
ることができる。
【0015】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、保守点検がし
易い中間取付型の防火ダンパー装置が得られる。
【0016】請求項2の発明によれば、請求項1に係る
前記効果とともにコストの低減を推進できる。
【0017】請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2のいずれかに係る前記効果とともに取付性、施工
性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態の防火ダンパー装置を示す斜視図
である。
【図2】 実施の形態の防火ダンパー装置を一部を破断
して示す斜視図である。
【図3】 実施の形態の防火ダンパー装置を示す分解斜
視図である。
【図4】 実施の形態の防火ダンパー装置の蓋の構成を
示す斜視図である。
【図5】 実施の形態の防火ダンパー装置の点検口の他
の構成を示す斜視図である。
【図6】 実施の形態の防火ダンパー装置を取付状態で
示す側面図である。
【図7】 図6におけるA矢視図である。
【図8】 実施の形態の防火ダンパー装置を取付状態で
示す側面図である。
【図9】 従来の防火ダンパー装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ダクト、 2 風洞、 4 取付フランジ、 5
ネジ、 7 支持軸、8 ダンパー板、 9 バネ、
10 温度ヒューズ、 11 蓋、 12点検口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市岡 博喜 岐阜県中津川市駒場町1番3号 株式会社 メルユエアテック内 Fターム(参考) 3L081 AA04 AB02 FA01 HA03 HA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給気や排気のための通風路の途中に連通
    状態に接続される風洞内に、熱により溶断する温度ヒュ
    ーズによって通常はその風洞を開放しており、温度ヒュ
    ーズの溶断で同風洞を閉止する回動ダンパーを組込んだ
    防火ダンパー装置であって、前記回動ダンパーを前記風
    洞を横断する支持軸に二枚のダンパー板をバネで閉止方
    向に付勢した状態に蝶着し、前記温度ヒューズで同ダン
    パー板を二枚重ねの開放状態に保持させた構成となすと
    ともに、前記風洞の開放状態の前記ダンパー板の合せ部
    分に対向する外周部に開閉可能の蓋を備えた点検口を設
    けた防火ダンパー装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の防火ダンパー装置であ
    って、点検口を開設する際にできる抜取り材で同点検口
    の蓋を構成した防火ダンパー装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載
    の防火ダンパー装置であって、風洞に中心線方向と周方
    向とに可動でかつ、同風洞に対して位置決めできる取付
    フランジを設けた防火ダンパー装置。
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