JP2001114874A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
ポリエステルの製造方法Info
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- JP2001114874A JP2001114874A JP29219399A JP29219399A JP2001114874A JP 2001114874 A JP2001114874 A JP 2001114874A JP 29219399 A JP29219399 A JP 29219399A JP 29219399 A JP29219399 A JP 29219399A JP 2001114874 A JP2001114874 A JP 2001114874A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ポリエチレンイソフタレートのような難重合
性ポリエステルをも、副反応なしに比較的短時間で重縮
合を行わせ所望の重合度を有するポリエステルを製造し
得る方法を提供する。 【解決手段】 ポリエステルの溶融重合において、ビス
(2−ヒドロキシアルキル)カルボキシレート及び/又
はそのオリゴマーを加熱重縮合してポリ(アルキレンカ
ルボキシレート)とする際に、下記式(1)で表わされ
る蓚酸ビス−2−ヒドロキシアルキルをポリエステルを
構成するジカルボン酸構造単位に対して所定量添加する
ことにより重縮合反応を促進させることを特徴とするポ
リエステルの製造方法。 HO-R-O-C(O)-C(O)-O-R-OH ‥‥(1) (ここで、Rは、重合するポリアルキレンカルボキシレ
ートのアルキレン鎖骨格と同一の炭素骨格を示す)
性ポリエステルをも、副反応なしに比較的短時間で重縮
合を行わせ所望の重合度を有するポリエステルを製造し
得る方法を提供する。 【解決手段】 ポリエステルの溶融重合において、ビス
(2−ヒドロキシアルキル)カルボキシレート及び/又
はそのオリゴマーを加熱重縮合してポリ(アルキレンカ
ルボキシレート)とする際に、下記式(1)で表わされ
る蓚酸ビス−2−ヒドロキシアルキルをポリエステルを
構成するジカルボン酸構造単位に対して所定量添加する
ことにより重縮合反応を促進させることを特徴とするポ
リエステルの製造方法。 HO-R-O-C(O)-C(O)-O-R-OH ‥‥(1) (ここで、Rは、重合するポリアルキレンカルボキシレ
ートのアルキレン鎖骨格と同一の炭素骨格を示す)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルの製
造方法に関するものである。更に詳しくは、ポリエチレ
ンイソフタレートのような難重合性のポリエステルを製
造するに際し、重合促進により、安価かつ高品質の高重
合度ポリエステルを簡便なプロセスで短時間に安定して
製造する方法に関するものである。
造方法に関するものである。更に詳しくは、ポリエチレ
ンイソフタレートのような難重合性のポリエステルを製
造するに際し、重合促進により、安価かつ高品質の高重
合度ポリエステルを簡便なプロセスで短時間に安定して
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ジカルボン酸を全部又は一部のカ
ルボン酸成分として含有する熱可塑性ポリエステルは、
溶融重合が可能なこと、そして、その組成の選択により
任意の物性の重合体を目的に応じ比較的容易に製造する
ことが可能であること、等により、民生用、産業資材用
として幅広い分野で多種多様な銘柄が製造・使用されて
いる。
ルボン酸成分として含有する熱可塑性ポリエステルは、
溶融重合が可能なこと、そして、その組成の選択により
任意の物性の重合体を目的に応じ比較的容易に製造する
ことが可能であること、等により、民生用、産業資材用
として幅広い分野で多種多様な銘柄が製造・使用されて
いる。
【0003】これらの熱可塑性ポリエステルは、前述の
ように溶融重合によって製造できるため、組成や条件等
の違いはあれ、基本的に同一設備を用いて重合できると
いう利点を有する。しかしながら、これら溶融重合によ
るポリエステル製造においては、重縮合反応を高温で行
わせるため、原料モノマーによっては副反応等により実
用に値する十分な物性を示す重合度のポリマーを製造で
きないことがある。特に、モノマーの構造により高温下
で重合と競合するオリゴマー副生が先行する系では、重
合度、純度共に満足するポリマーを得ることができない
場合が多い。
ように溶融重合によって製造できるため、組成や条件等
の違いはあれ、基本的に同一設備を用いて重合できると
いう利点を有する。しかしながら、これら溶融重合によ
るポリエステル製造においては、重縮合反応を高温で行
わせるため、原料モノマーによっては副反応等により実
用に値する十分な物性を示す重合度のポリマーを製造で
きないことがある。特に、モノマーの構造により高温下
で重合と競合するオリゴマー副生が先行する系では、重
合度、純度共に満足するポリマーを得ることができない
場合が多い。
【0004】このような溶融重合で高重合度のポリエス
テルを製造するのが難しい難重合性ポリエステルの中に
は、ポリマーとしては優れた性能や特殊な物性を示すも
のがあり、これらの重合を促進することができれば有用
な素材を低コストで安定して供給できるようになると期
待される。そして、そのような難重合性ポリエステルの
代表的なものとして、ポリエチレンイソフタレート(以
後、PEIと略称することがある)を挙げることができ
る。
テルを製造するのが難しい難重合性ポリエステルの中に
は、ポリマーとしては優れた性能や特殊な物性を示すも
のがあり、これらの重合を促進することができれば有用
な素材を低コストで安定して供給できるようになると期
待される。そして、そのような難重合性ポリエステルの
代表的なものとして、ポリエチレンイソフタレート(以
後、PEIと略称することがある)を挙げることができ
る。
【0005】PEIは低結晶性で、かつポリエチレンテ
レフタレート(PET)と構造異性体の関係にあること
より、PETとのブレンド性が良好で、種々のブレンド
比の改質ポリエステルを調製することができる。更に、
近年、PEIの有するガスバリア性、低延伸性、耐湿熱
性、低結晶性等を応用したPETとの相溶ブレンド及び
/又は共重合体が、不織布、枕や寝装用の詰め物等を構
成する繊維を接着するためのホットメルト型バインダー
繊維、抗ピリング性繊維として、また、ガスバリア性フ
ィルム、各種容器用の有用な素材としてクローズアップ
されるようになった。
レフタレート(PET)と構造異性体の関係にあること
より、PETとのブレンド性が良好で、種々のブレンド
比の改質ポリエステルを調製することができる。更に、
近年、PEIの有するガスバリア性、低延伸性、耐湿熱
性、低結晶性等を応用したPETとの相溶ブレンド及び
/又は共重合体が、不織布、枕や寝装用の詰め物等を構
成する繊維を接着するためのホットメルト型バインダー
繊維、抗ピリング性繊維として、また、ガスバリア性フ
ィルム、各種容器用の有用な素材としてクローズアップ
されるようになった。
【0006】このPEIは、その異性体であり民生用、
産業資材として幅広く使用されるPETとほぼ同様の方
法、すなわち、イソフタル酸とエチレングリコールのエ
ステル化反応又はイソフタル酸ジメチルとエチレングリ
コールとのエステル交換反応で得られたビス(2−ヒド
ロキシエチル)イソフタレート及び/又はそのオリゴマ
ーを高真空下に加熱、溶融状態で重縮合することで重
合、製造されている。
産業資材として幅広く使用されるPETとほぼ同様の方
法、すなわち、イソフタル酸とエチレングリコールのエ
ステル化反応又はイソフタル酸ジメチルとエチレングリ
コールとのエステル交換反応で得られたビス(2−ヒド
ロキシエチル)イソフタレート及び/又はそのオリゴマ
ーを高真空下に加熱、溶融状態で重縮合することで重
合、製造されている。
【0007】これはポリエステルであるPEIの重合法
として最も簡便かつ一般的な方法であるが、イソフタル
酸を使用することによる副反応が避けられない。すなわ
ち、1,3−ベンゼンジカルボン酸であるイソフタル酸
は、テレフタル酸と異なり分子構造が非対称であるた
め、重縮合反応の初期に環状二量体(エチレンイソフタ
レート・サイクリックダイマー)を形成しやすく、これ
が昇華して反応釜内に付着し減圧系を閉塞させて減圧不
良にしたり、払い出し時に製品中に混入して異物の原因
になるという問題がある。また、二量体形成は重合反応
との競争であり、事実上、重合速度及び生成ポリマーの
重合度を低下させ、オリゴマーを増加する大きな要因と
なる。更に、ポリマー中に残存する二量体やオリゴマー
は生成ポリマーの品質を劣化し、特にこれが成型品の表
面にブリードアウトすると白濁した斑点を生じ、製品と
しての外観上の価値を著しく低下させる。
として最も簡便かつ一般的な方法であるが、イソフタル
酸を使用することによる副反応が避けられない。すなわ
ち、1,3−ベンゼンジカルボン酸であるイソフタル酸
は、テレフタル酸と異なり分子構造が非対称であるた
め、重縮合反応の初期に環状二量体(エチレンイソフタ
レート・サイクリックダイマー)を形成しやすく、これ
が昇華して反応釜内に付着し減圧系を閉塞させて減圧不
良にしたり、払い出し時に製品中に混入して異物の原因
になるという問題がある。また、二量体形成は重合反応
との競争であり、事実上、重合速度及び生成ポリマーの
重合度を低下させ、オリゴマーを増加する大きな要因と
なる。更に、ポリマー中に残存する二量体やオリゴマー
は生成ポリマーの品質を劣化し、特にこれが成型品の表
面にブリードアウトすると白濁した斑点を生じ、製品と
しての外観上の価値を著しく低下させる。
【0008】従来、これらの問題を解決すべく、例え
ば、特開昭59−64625号、特開昭59−6463
1号には、プロトン酸触媒としてPkaが2.5以下の
アルキル又はアリールカルボン酸や鉱酸を、また、固有
粘度変性剤として多価ジオールを使用することで生成ポ
リマーの環状ダイマー含有率を5重量%以下に低減でき
ることが開示されている。しかしながら、このような方
法で得られるポリマーの固有粘度は高々0.7程度であ
り、しかも重合に5〜8時間もの長時間を必要とするた
め、重合促進法としては優れたものとは言えない。更
に、この方法では、触媒として使用するカルボン酸や固
有粘度変性剤である多価ジオールを添加することによる
ポリマー品質の変化も避けられない。
ば、特開昭59−64625号、特開昭59−6463
1号には、プロトン酸触媒としてPkaが2.5以下の
アルキル又はアリールカルボン酸や鉱酸を、また、固有
粘度変性剤として多価ジオールを使用することで生成ポ
リマーの環状ダイマー含有率を5重量%以下に低減でき
ることが開示されている。しかしながら、このような方
法で得られるポリマーの固有粘度は高々0.7程度であ
り、しかも重合に5〜8時間もの長時間を必要とするた
め、重合促進法としては優れたものとは言えない。更
に、この方法では、触媒として使用するカルボン酸や固
有粘度変性剤である多価ジオールを添加することによる
ポリマー品質の変化も避けられない。
【0009】また、特開平6−271658号には、モ
ノマーに脂肪族ジオールを添加し共重合することでも二
量体やオリゴマー形成を低減できることが開示されてい
るが、これも重合時間や重合度の点で大きな改善はな
く、脂肪族ジオール共重合によるPEIの品質変化もあ
り、好ましいものではない。
ノマーに脂肪族ジオールを添加し共重合することでも二
量体やオリゴマー形成を低減できることが開示されてい
るが、これも重合時間や重合度の点で大きな改善はな
く、脂肪族ジオール共重合によるPEIの品質変化もあ
り、好ましいものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
ら難重合性ポリエステルの製造における未解決の問題を
解消し、従来公知の工業的なポリエステル製造プロセス
により、コスト、生産性の面で実用的で、かつオリゴマ
ー副生を抑えた高品質のポリエステル(特にポリエチレ
ンイソフタレート)を製造する方法を提供することにあ
る。
ら難重合性ポリエステルの製造における未解決の問題を
解消し、従来公知の工業的なポリエステル製造プロセス
により、コスト、生産性の面で実用的で、かつオリゴマ
ー副生を抑えた高品質のポリエステル(特にポリエチレ
ンイソフタレート)を製造する方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、難重合性ポリエステルの重合機構
を考慮し、重合時に適当な重合促進剤を添加することに
より上記問題を解決する方法について検討した。そし
て、そのような重合促進剤としては、それ自体高い重合
活性を有し、成長中のポリマーと共重合する形でポリマ
ーの重合を促進し、かつ一旦ポリマー骨格に組み込まれ
た後に、その構造単位が熱的に不安定で速やかにガス
化、脱離して重合系から除去され、最終的にポリエステ
ル構造のみがポリマー骨格に残るような化合物が有用で
あるとの観点から、鋭意研究を重ねた結果、重合促進剤
として、ポリエステル構造単位のジオール成分と同等の
ジオールを用いて調製した蓚酸ビス−2−ヒドロキシア
ルキルを重合系に特定量添加した場合は、意外にも、環
状オリゴマーの生成が抑制され、しかも短時間で高重合
度、高品質のポリマーの重合が可能であることを見出
し、本発明を完成するに至った。
題を解決するために、難重合性ポリエステルの重合機構
を考慮し、重合時に適当な重合促進剤を添加することに
より上記問題を解決する方法について検討した。そし
て、そのような重合促進剤としては、それ自体高い重合
活性を有し、成長中のポリマーと共重合する形でポリマ
ーの重合を促進し、かつ一旦ポリマー骨格に組み込まれ
た後に、その構造単位が熱的に不安定で速やかにガス
化、脱離して重合系から除去され、最終的にポリエステ
ル構造のみがポリマー骨格に残るような化合物が有用で
あるとの観点から、鋭意研究を重ねた結果、重合促進剤
として、ポリエステル構造単位のジオール成分と同等の
ジオールを用いて調製した蓚酸ビス−2−ヒドロキシア
ルキルを重合系に特定量添加した場合は、意外にも、環
状オリゴマーの生成が抑制され、しかも短時間で高重合
度、高品質のポリマーの重合が可能であることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、ポリエステルの溶融
重合において、ビス(2−ヒドロキシアルキル)カルボ
キシレート及び/又はそのオリゴマーを加熱重縮合する
ことによりポリ(アルキレンカルボキシレート)を製造
する際に、下記式(1)で表わされる蓚酸ビス−2−ヒ
ドロキシアルキルを原料のジカルボン酸構造単位に対し
て1〜50モル%の割合で添加することにより重合縮合
反応を促進させることを特徴とするポリエステルの製造
方法である。
重合において、ビス(2−ヒドロキシアルキル)カルボ
キシレート及び/又はそのオリゴマーを加熱重縮合する
ことによりポリ(アルキレンカルボキシレート)を製造
する際に、下記式(1)で表わされる蓚酸ビス−2−ヒ
ドロキシアルキルを原料のジカルボン酸構造単位に対し
て1〜50モル%の割合で添加することにより重合縮合
反応を促進させることを特徴とするポリエステルの製造
方法である。
【0013】
【化3】 HO-R-O-C(O)-C(O)-O-R-OH ‥‥(1) (ここで、Rは、重合するポリアルキレンカルボキシレ
ートのアルキレン鎖骨格と同一の炭素骨格を示す)
ートのアルキレン鎖骨格と同一の炭素骨格を示す)
【0014】そして、本発明は、更に、上記の方法にお
いて、ポリエステルがポリエチレンイソフタレートであ
り、ビス(2−ヒドロキシアルキル)カルボキシレート
が、、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレートで
あることを特徴とするポリエステルの製造方法、並び
に、上記方法において、蓚酸ビス−2−ヒドロキシアル
キルが、下記式(2)で表わされる蓚酸ビス−2−ヒド
ロキシエチルであり、これをイソフタル酸構造単位に対
して1〜50モル%、好ましくは3〜30モル%、更に
好ましくは5〜25モル%、の割合で添加することを特
徴とするポリエステルの製造方法である。
いて、ポリエステルがポリエチレンイソフタレートであ
り、ビス(2−ヒドロキシアルキル)カルボキシレート
が、、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレートで
あることを特徴とするポリエステルの製造方法、並び
に、上記方法において、蓚酸ビス−2−ヒドロキシアル
キルが、下記式(2)で表わされる蓚酸ビス−2−ヒド
ロキシエチルであり、これをイソフタル酸構造単位に対
して1〜50モル%、好ましくは3〜30モル%、更に
好ましくは5〜25モル%、の割合で添加することを特
徴とするポリエステルの製造方法である。
【0015】
【化4】 HO-CH2CH2-O-C(O)-C(O)-O-CH2CH2-OH ‥‥(2)
【0016】つまり、本発明によりポリエチレンイソフ
タレートを製造する場合は、原料として、ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソフタレート及び/又はそのオリゴ
マーを用い、これを加熱重縮合することによりポリエチ
レンイソフタレートを重合する際に、上記式(2)で表
わされる蓚酸ビス−2−ヒドロキシエチルをイソフタル
酸構造単位に対して1〜50モル%の割合で添加するこ
とにより重縮合反応を促進させるをことを特徴とする方
法である。
タレートを製造する場合は、原料として、ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソフタレート及び/又はそのオリゴ
マーを用い、これを加熱重縮合することによりポリエチ
レンイソフタレートを重合する際に、上記式(2)で表
わされる蓚酸ビス−2−ヒドロキシエチルをイソフタル
酸構造単位に対して1〜50モル%の割合で添加するこ
とにより重縮合反応を促進させるをことを特徴とする方
法である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法について、対
象のポリエステル、重縮合反応、重合促進剤等につい
て、詳細に説明する。
象のポリエステル、重縮合反応、重合促進剤等につい
て、詳細に説明する。
【0018】本発明の方法が適用されるポリエステル
は、芳香族、脂肪族又は脂環族ジカルボン酸又はそれら
のエステルとアルキレンジオールから製造される実質的
に線状の熱可塑性ポリエステルであればその種類を問わ
ないが、特に難重合性のジカルボン酸又はそのエステル
からのポリエステルに対して有効である。
は、芳香族、脂肪族又は脂環族ジカルボン酸又はそれら
のエステルとアルキレンジオールから製造される実質的
に線状の熱可塑性ポリエステルであればその種類を問わ
ないが、特に難重合性のジカルボン酸又はそのエステル
からのポリエステルに対して有効である。
【0019】ここで難重合性のカルボン酸としては、イ
ソフタル酸、フタル酸、1,5−又は2,7−ナフタレ
ンジカルボン酸、及びそれらの芳香核置換ジカルボン
酸、並びに、炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸、脂
環族ジカルボン酸等を挙げることができるが、特にイソ
フタル酸、フタル酸のような非パラ型(非対称構造)の
芳香族ジカルボン酸が代表的なものとして挙げられる。
これらはアルキルエステル又はアリールエステルとして
使用してもよい。
ソフタル酸、フタル酸、1,5−又は2,7−ナフタレ
ンジカルボン酸、及びそれらの芳香核置換ジカルボン
酸、並びに、炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸、脂
環族ジカルボン酸等を挙げることができるが、特にイソ
フタル酸、フタル酸のような非パラ型(非対称構造)の
芳香族ジカルボン酸が代表的なものとして挙げられる。
これらはアルキルエステル又はアリールエステルとして
使用してもよい。
【0020】主たるジカルボン酸成分として上記の難重
合性ジカルボン酸を含むならば、これらとテレフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸のような他のジ
カルボン酸と併用して共重合したコポリエステルもまた
本発明方法を適用するに適した難重合性ポリエステルの
例として挙げることができる。
合性ジカルボン酸を含むならば、これらとテレフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸のような他のジ
カルボン酸と併用して共重合したコポリエステルもまた
本発明方法を適用するに適した難重合性ポリエステルの
例として挙げることができる。
【0021】もう一方のポリエステル構成成分であるア
ルキレンジオールとしては、炭素数2〜12(好ましく
は炭素数2〜8)の直鎖状、分枝状、環状の脂肪族ジオ
ールを挙げることができ、具体的にはエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
1,2−テトラメチレングリコール、1,3−テトラメ
チレングリコール、1,4−テトラメチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジ
オール、1,12−ドデカンジオール、3−メチルペン
タンジオール、ネオペンチレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール等を挙げることができるが、好ま
しいものとしては、エチレングリコール、トリメチレン
グリコール、1,4−テトラメチレングリコール、1,
6−ヘキサンジオール、テトラエチレングリコールを挙
げることができ、より好ましいものとしてエチレングリ
コールを挙げることができる。
ルキレンジオールとしては、炭素数2〜12(好ましく
は炭素数2〜8)の直鎖状、分枝状、環状の脂肪族ジオ
ールを挙げることができ、具体的にはエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
1,2−テトラメチレングリコール、1,3−テトラメ
チレングリコール、1,4−テトラメチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジ
オール、1,12−ドデカンジオール、3−メチルペン
タンジオール、ネオペンチレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール等を挙げることができるが、好ま
しいものとしては、エチレングリコール、トリメチレン
グリコール、1,4−テトラメチレングリコール、1,
6−ヘキサンジオール、テトラエチレングリコールを挙
げることができ、より好ましいものとしてエチレングリ
コールを挙げることができる。
【0022】本発明の方法では、上記のようなジカルボ
ン酸とアルキレンジオールとを、ビス(2−ヒドロキシ
アルキル)カルボキシレート及び/又はそのオリゴマー
(低重合体)の形で重縮合させる。このビス(2−ヒド
ロキシアルキル)カルボキシレートやそのオリゴマー
は、常法によって得ることができるが、具体的には、例
えば次のような方法で製造することができる。
ン酸とアルキレンジオールとを、ビス(2−ヒドロキシ
アルキル)カルボキシレート及び/又はそのオリゴマー
(低重合体)の形で重縮合させる。このビス(2−ヒド
ロキシアルキル)カルボキシレートやそのオリゴマー
は、常法によって得ることができるが、具体的には、例
えば次のような方法で製造することができる。
【0023】(1)充填塔を備えた反応釜にジカルボン
酸とアルキレンジオールとをモル比1.5〜3.5のス
ラリー状として、仕込み常圧下に内温200〜250
℃、塔頂温度120〜150℃で副生する水を系外に除
去しながら所定の反応率になるまでエステル化反応を行
う方法。
酸とアルキレンジオールとをモル比1.5〜3.5のス
ラリー状として、仕込み常圧下に内温200〜250
℃、塔頂温度120〜150℃で副生する水を系外に除
去しながら所定の反応率になるまでエステル化反応を行
う方法。
【0024】(2)充填塔を備えた反応釜にジカルボン
酸ジアルキルとアルキレンジオールとをモル比1.5〜
3.5で仕込み、エステル交換触媒としてマンガン、
錫、亜鉛、チタン等の金属化合物を添加し、常圧下に内
温を150℃〜200℃に昇温しつつ70〜100℃の
充填塔で副生するメタノールを系外に除去しながら所定
の反応率になるまでエステル交換反応を行う方法。
酸ジアルキルとアルキレンジオールとをモル比1.5〜
3.5で仕込み、エステル交換触媒としてマンガン、
錫、亜鉛、チタン等の金属化合物を添加し、常圧下に内
温を150℃〜200℃に昇温しつつ70〜100℃の
充填塔で副生するメタノールを系外に除去しながら所定
の反応率になるまでエステル交換反応を行う方法。
【0025】本発明の方法によるポリエステル(すなわ
ちポリアルキレンカルボキシレート)の製造では、この
ようにして得られたビス(2−ヒドロキシアルキル)カ
ルボキシレート及び/又はそのオリゴマーに対し、重合
促進剤として蓚酸ビス−2−ヒドロキシアルキルを所定
量添加した後、この系を昇温、減圧し、アルキレンジオ
ールの沸点以上の温度で約133KPa(1mmHg)
以下の減圧下で所定の極限粘度のポリマーとなるまで、
通常3〜4時間、重縮合反応を行う。
ちポリアルキレンカルボキシレート)の製造では、この
ようにして得られたビス(2−ヒドロキシアルキル)カ
ルボキシレート及び/又はそのオリゴマーに対し、重合
促進剤として蓚酸ビス−2−ヒドロキシアルキルを所定
量添加した後、この系を昇温、減圧し、アルキレンジオ
ールの沸点以上の温度で約133KPa(1mmHg)
以下の減圧下で所定の極限粘度のポリマーとなるまで、
通常3〜4時間、重縮合反応を行う。
【0026】本発明で添加する重合促進剤の蓚酸ビス−
2−ヒドロキシアルキルは、重合するポリエステルを構
成するジオール成分と同一のアルキレンジオールの蓚酸
エステルであり、例えば、ポリエチレンイソフタレート
の重合では蓚酸ビス−2−ヒドロキシエチルを重合促進
剤として用いる。
2−ヒドロキシアルキルは、重合するポリエステルを構
成するジオール成分と同一のアルキレンジオールの蓚酸
エステルであり、例えば、ポリエチレンイソフタレート
の重合では蓚酸ビス−2−ヒドロキシエチルを重合促進
剤として用いる。
【0027】この重合促進剤は、蓚酸ジメチル等の蓚酸
ジエステルを、適当なエステル交換触媒存在下に、所定
量のアルキレンジオール(ポリエステルのジオール成分
と同一のもの)と120〜150℃に加熱してエステル
交換することにより得ることができる。ここで蓚酸エス
テルとしては、炭素数1〜12のアルコール又はフェノ
ールのジエステルを使用することができる。具体的な化
合物としては、蓚酸ジメチル、蓚酸ジエチル、蓚酸ジ−
n−プロピル、蓚酸ジイソプロピル、蓚酸ジブチル、蓚
酸ジペンチル、蓚酸ジヘキシル、蓚酸ジヘプチル、蓚酸
ジオクチル、蓚酸ジノニル、蓚酸ジデシル、蓚酸ジウン
デシル、蓚酸ジドデシル、蓚酸ジフェニル、蓚酸ジナフ
チル等を挙げることができ、なかでも、蓚酸ジメチル、
蓚酸ジエチル、蓚酸ジフェニル等を好ましく用いること
ができる。
ジエステルを、適当なエステル交換触媒存在下に、所定
量のアルキレンジオール(ポリエステルのジオール成分
と同一のもの)と120〜150℃に加熱してエステル
交換することにより得ることができる。ここで蓚酸エス
テルとしては、炭素数1〜12のアルコール又はフェノ
ールのジエステルを使用することができる。具体的な化
合物としては、蓚酸ジメチル、蓚酸ジエチル、蓚酸ジ−
n−プロピル、蓚酸ジイソプロピル、蓚酸ジブチル、蓚
酸ジペンチル、蓚酸ジヘキシル、蓚酸ジヘプチル、蓚酸
ジオクチル、蓚酸ジノニル、蓚酸ジデシル、蓚酸ジウン
デシル、蓚酸ジドデシル、蓚酸ジフェニル、蓚酸ジナフ
チル等を挙げることができ、なかでも、蓚酸ジメチル、
蓚酸ジエチル、蓚酸ジフェニル等を好ましく用いること
ができる。
【0028】また、重合促進剤である蓚酸ビス−2−ヒ
ドロキシアルキルの添加量は、ポリエステル中のジルボ
ン酸構造単位を基準にして1〜50モル%とする必要が
あり、3〜30モル%、特に5〜25モル%とすること
が好適である。ここで、ポリエステル中のジカルボン酸
構造単位とは、最終ポリマーであるポリアルキレンカル
ボキシレートの骨格に組み込まれるジカルボン酸単位の
ことである。すなわち、重合に供するビス(2−ヒドロ
キシアルキル)カルボキシレート及び/又はビス(2−
ヒドロキシアルキル)カルボキシレートオリゴマー中の
全ジカルボン酸単位の合計モル数を意味する。換言すれ
ば、モノマー原料としてジカルボン酸自身を用いるとき
はそのモル数に対してのモル百分率であり、ジカルボン
酸エステルを用いるときはそのエステルのモル数に対し
てのモル百分率となる。
ドロキシアルキルの添加量は、ポリエステル中のジルボ
ン酸構造単位を基準にして1〜50モル%とする必要が
あり、3〜30モル%、特に5〜25モル%とすること
が好適である。ここで、ポリエステル中のジカルボン酸
構造単位とは、最終ポリマーであるポリアルキレンカル
ボキシレートの骨格に組み込まれるジカルボン酸単位の
ことである。すなわち、重合に供するビス(2−ヒドロ
キシアルキル)カルボキシレート及び/又はビス(2−
ヒドロキシアルキル)カルボキシレートオリゴマー中の
全ジカルボン酸単位の合計モル数を意味する。換言すれ
ば、モノマー原料としてジカルボン酸自身を用いるとき
はそのモル数に対してのモル百分率であり、ジカルボン
酸エステルを用いるときはそのエステルのモル数に対し
てのモル百分率となる。
【0029】この蓚酸ビス−2−ヒドロキシアルキルの
添加量が、ジカルボン酸構造単位の1モル%未満である
と環状体等のオリゴマーの形成が十分に抑制されず、望
む重合促進効果を得ることができない。また、添加量が
50モル%より多くなると重合促進剤の除去のために、
かえって重合に長時間を要するのみならず、促進剤の除
去自体が困難となり、ポリマー中に蓚酸骨格が残存し易
くなる。
添加量が、ジカルボン酸構造単位の1モル%未満である
と環状体等のオリゴマーの形成が十分に抑制されず、望
む重合促進効果を得ることができない。また、添加量が
50モル%より多くなると重合促進剤の除去のために、
かえって重合に長時間を要するのみならず、促進剤の除
去自体が困難となり、ポリマー中に蓚酸骨格が残存し易
くなる。
【0030】上記の重合促進剤の添加時期は、重縮合反
応の途中でもよいが、重縮合反応前に添加するのが本発
明方法の効果が顕著となるので好ましい。なお、ジカル
ボン酸又はそのエステルとアルキレンジオールとから連
続してポリエステルを製造する場合は、系中にビス−2
−ヒドロキシアルキルが生成した段階で添加するのが好
適である。
応の途中でもよいが、重縮合反応前に添加するのが本発
明方法の効果が顕著となるので好ましい。なお、ジカル
ボン酸又はそのエステルとアルキレンジオールとから連
続してポリエステルを製造する場合は、系中にビス−2
−ヒドロキシアルキルが生成した段階で添加するのが好
適である。
【0031】本発明においてポリエステルの重縮合反応
は、通常、触媒の存在下で行なわれる。重縮合反応触媒
としては、アンチモン、ゲルマニウム、錫、チタン、亜
鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリ
ウム、カリウム、マンガン、コバルト、ニッケル等の金
属化合物の他、スルホサリチル酸、オルソ−スルホ安息
香酸無水物等の有機スルホン酸化合物が好ましく用いら
れる。触媒添加量は、ジカルボン酸酸成分1モルに対し
て1×10-5〜1×10-2モル、好ましくは5×10-5
〜5×10-3モルが適当である。
は、通常、触媒の存在下で行なわれる。重縮合反応触媒
としては、アンチモン、ゲルマニウム、錫、チタン、亜
鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリ
ウム、カリウム、マンガン、コバルト、ニッケル等の金
属化合物の他、スルホサリチル酸、オルソ−スルホ安息
香酸無水物等の有機スルホン酸化合物が好ましく用いら
れる。触媒添加量は、ジカルボン酸酸成分1モルに対し
て1×10-5〜1×10-2モル、好ましくは5×10-5
〜5×10-3モルが適当である。
【0032】反応に際して、その簡便化、プロセス改良
等のために添加剤を加えることができる。かかる添加剤
の例として、金属又はその塩、包接化合物、キレート
剤、有機金属化合物等をあげることができる。また、ポ
リマーの品質向上のための抗酸化剤、安定剤として、例
えばヒンダードフェノール化合物のようなラジカル捕捉
剤、あるいは蛍光剤、染料のような色調改良剤、二酸化
チタンのような顔料等の添加物をポリマーに含有しても
よい。
等のために添加剤を加えることができる。かかる添加剤
の例として、金属又はその塩、包接化合物、キレート
剤、有機金属化合物等をあげることができる。また、ポ
リマーの品質向上のための抗酸化剤、安定剤として、例
えばヒンダードフェノール化合物のようなラジカル捕捉
剤、あるいは蛍光剤、染料のような色調改良剤、二酸化
チタンのような顔料等の添加物をポリマーに含有しても
よい。
【0033】また、上記ポリエステルは、該ポリマー
の、物性操作のために、その特性が本質的に損なわれな
い範囲(例えばポリマー全繰り返し単位の30モル%以
下、好ましくは15モル%以下)で他の成分を共重合成
分として含有させてもよい。共重合させる他の成分とし
ては、例えば、エチレンイソフタレート単位を主たる繰
返し単位とするポリエステル(PEI等)の場合、エチ
レンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単
位、エチレン−2,6−ナフタレート単位、エチレンフ
タレート単位等を共重合成分として導入してもよい。
の、物性操作のために、その特性が本質的に損なわれな
い範囲(例えばポリマー全繰り返し単位の30モル%以
下、好ましくは15モル%以下)で他の成分を共重合成
分として含有させてもよい。共重合させる他の成分とし
ては、例えば、エチレンイソフタレート単位を主たる繰
返し単位とするポリエステル(PEI等)の場合、エチ
レンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単
位、エチレン−2,6−ナフタレート単位、エチレンフ
タレート単位等を共重合成分として導入してもよい。
【0034】また、ジフェニルスルホンを主たる繰り返
し単位として含有するポリエーテルスルホン、ジフェニ
ルスルホンとビスフェノールAの縮合物を主たる繰り返
し単位として含有するポリスルホン、ビスフェノールA
の炭酸エステルを主たる繰り返し単位として含有するポ
リカーボネート等と共重合してもよい。
し単位として含有するポリエーテルスルホン、ジフェニ
ルスルホンとビスフェノールAの縮合物を主たる繰り返
し単位として含有するポリスルホン、ビスフェノールA
の炭酸エステルを主たる繰り返し単位として含有するポ
リカーボネート等と共重合してもよい。
【0035】なお、本発明方法を実施する場合、予めビ
ス(2−ヒドロキシアルキル)カルボキシレート及び/
又はそのオリゴマーを製造し、これを別の重合釜又は連
続重合装置に供給した後、重合促進剤を添加し加熱重縮
合を行ってもよく、原料のジカルボン酸又はそのエステ
ルとアルキレンジオールとを反応させ、反応系中にビス
(2−ヒドロキシアルキル)カルボキシレート及び/又
はそのオリゴマーが生成した段階で重合促進剤を添加
し、そのまま重縮合を行ってもよい。
ス(2−ヒドロキシアルキル)カルボキシレート及び/
又はそのオリゴマーを製造し、これを別の重合釜又は連
続重合装置に供給した後、重合促進剤を添加し加熱重縮
合を行ってもよく、原料のジカルボン酸又はそのエステ
ルとアルキレンジオールとを反応させ、反応系中にビス
(2−ヒドロキシアルキル)カルボキシレート及び/又
はそのオリゴマーが生成した段階で重合促進剤を添加
し、そのまま重縮合を行ってもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法によれば、例えばポリエチ
レンイソフタレート(PEI)のような難重合性ポリエ
ステルの重縮合においても、環状体の形成が有効に抑制
され、しかも重合促進が可能となるため、副生物の含有
量が少ないポリマーを良好な生産性にて製造することが
可能となる。しかも、ポリマー中に蓚酸が実質的に残存
しないため、ポリマー品質上の問題も無い。
レンイソフタレート(PEI)のような難重合性ポリエ
ステルの重縮合においても、環状体の形成が有効に抑制
され、しかも重合促進が可能となるため、副生物の含有
量が少ないポリマーを良好な生産性にて製造することが
可能となる。しかも、ポリマー中に蓚酸が実質的に残存
しないため、ポリマー品質上の問題も無い。
【0037】その理由については、以下のように考察さ
れる。すなわち、本発明の方法で重合促進剤として使用
する上記の蓚酸ビス−2−ヒドロキシアルキルは、反応
活性が非常に高く、触媒の存在下では他のカルボン酸エ
ステルと容易にエステル交換を起こす。従って、PEI
等の難重合性ポリエステルの重合においても、通常では
環状エステル形成により重合進行が阻害され更に熱分解
も加わることでポリマー鎖のCOOH末端が増えるため
重合が遅延されるところを、反応速度の大きな蓚酸ビス
−2−ヒドロキシアルキルの添加により、これが優先的
に原料モノマーと反応することで、モノマー同士の反応
による環状エステル化を阻害し、ポリマー鎖の成長を促
進すると共に熱分解でCOOH末端となった成長ポリマ
ーとも非常に速く反応するため、再度これをアルキレン
ジオール末端のエステルに戻すことでポリマー成長を加
速し重合度の向上を促進する。また、溶融重縮合の進行
につれ、ポリマー骨格に共重合された蓚酸は、等モルの
アルキレンジオールを伴って熱により容易に分解・ガス
化しポリマー骨格から除去され、蓚酸が脱離した部分は
本来のポリエステル連鎖が形成される。
れる。すなわち、本発明の方法で重合促進剤として使用
する上記の蓚酸ビス−2−ヒドロキシアルキルは、反応
活性が非常に高く、触媒の存在下では他のカルボン酸エ
ステルと容易にエステル交換を起こす。従って、PEI
等の難重合性ポリエステルの重合においても、通常では
環状エステル形成により重合進行が阻害され更に熱分解
も加わることでポリマー鎖のCOOH末端が増えるため
重合が遅延されるところを、反応速度の大きな蓚酸ビス
−2−ヒドロキシアルキルの添加により、これが優先的
に原料モノマーと反応することで、モノマー同士の反応
による環状エステル化を阻害し、ポリマー鎖の成長を促
進すると共に熱分解でCOOH末端となった成長ポリマ
ーとも非常に速く反応するため、再度これをアルキレン
ジオール末端のエステルに戻すことでポリマー成長を加
速し重合度の向上を促進する。また、溶融重縮合の進行
につれ、ポリマー骨格に共重合された蓚酸は、等モルの
アルキレンジオールを伴って熱により容易に分解・ガス
化しポリマー骨格から除去され、蓚酸が脱離した部分は
本来のポリエステル連鎖が形成される。
【0038】以上のことから、蓚酸ビス−2−ヒドロキ
シアルキルを重合促進剤に用いることによって、環状オ
リゴマーの生成が抑制され、しかも短時間で高重合度、
高品質の難重合性ポリエステルの重合が可能となる。
シアルキルを重合促進剤に用いることによって、環状オ
リゴマーの生成が抑制され、しかも短時間で高重合度、
高品質の難重合性ポリエステルの重合が可能となる。
【0039】
【実施例】以下、参考例及び実施例によって本発明を更
に詳しく説明する。ただし、以下の実施例は本発明を限
定するものではない。なお、例中の「部」は、特にこと
わらない限り「重量部」を表す。また、参考例及び表1
中の( )内に示す数値は分子量である。
に詳しく説明する。ただし、以下の実施例は本発明を限
定するものではない。なお、例中の「部」は、特にこと
わらない限り「重量部」を表す。また、参考例及び表1
中の( )内に示す数値は分子量である。
【0040】[参考例1] <蓚酸ビス−2−ヒドロキシエチル(重合促進剤)の合
成>500mlのナスフラスコ中に蓚酸ジメチル(DM
I)(118.17)118.17部(1モル)、エチ
レングリコール(EG)(61.08)66部(1.1
モル)、及びテトラブトキシチタン(TBT)の1重量
%トルエン溶液0.25ml(イソフタル酸に対して約
0.03モル%)を加え、窒素雰囲気下で140℃に加
熱、攪拌を開始した。エステル交換反応の進行につれ、
副生するメタノールが留出し始めるので、反応の様子を
見ながら加熱、攪拌を継続した。交換反応が充分に進め
ばほぼ理論量のエチレングリコールが留出するので、そ
こで操作を終了し、内容物を採取することで目的物であ
る蓚酸ビス−2−ヒドロキシエチル(BHEOx)を得
た。
成>500mlのナスフラスコ中に蓚酸ジメチル(DM
I)(118.17)118.17部(1モル)、エチ
レングリコール(EG)(61.08)66部(1.1
モル)、及びテトラブトキシチタン(TBT)の1重量
%トルエン溶液0.25ml(イソフタル酸に対して約
0.03モル%)を加え、窒素雰囲気下で140℃に加
熱、攪拌を開始した。エステル交換反応の進行につれ、
副生するメタノールが留出し始めるので、反応の様子を
見ながら加熱、攪拌を継続した。交換反応が充分に進め
ばほぼ理論量のエチレングリコールが留出するので、そ
こで操作を終了し、内容物を採取することで目的物であ
る蓚酸ビス−2−ヒドロキシエチル(BHEOx)を得
た。
【0041】[実施例1]100mlの三つ口フラスコ
中にイソフタル酸ジメチル(DMI)18.45部
(0.095モル)、エチレングリコール(EG)1
4.90部(0.24モル)及びテトラブトキシチタン
(TBT)の1重量%トルエン溶液0.25ml(ポリ
マーに対して約0.03モル%)を加え、窒素雰囲気下
で190℃に加熱、攪拌を開始した。エステル交換反応
の進行につれ、副生するメタノールが留出し始め、約1
時間でほぼ理論量のメタノールが留出し、ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソフタレートが形成された。
中にイソフタル酸ジメチル(DMI)18.45部
(0.095モル)、エチレングリコール(EG)1
4.90部(0.24モル)及びテトラブトキシチタン
(TBT)の1重量%トルエン溶液0.25ml(ポリ
マーに対して約0.03モル%)を加え、窒素雰囲気下
で190℃に加熱、攪拌を開始した。エステル交換反応
の進行につれ、副生するメタノールが留出し始め、約1
時間でほぼ理論量のメタノールが留出し、ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソフタレートが形成された。
【0042】ついで、これに参考例で合成した蓚酸ビス
−2−ヒドロキシエチル(BHEOx)0.9部(0.
005モル)を添加し、反応の様子を見ながら30分か
けて最終的に220℃に加熱した。そして、系を水流ア
スピレータにて減圧し、240℃でV1反応を30分行
った。最終的に真空ポンプにて13.3kPa(0.1
mmHg)まで減圧してV2反応に入り、250℃で更
に2時間重縮合を行った。重縮合が充分に進みほぼ理論
量のエチレングリコールが留出したが、環状体による昇
華物はごく僅かであったので、反応を終了し、内容物が
温かいうちにサンプリング、ペレット化することでPE
Iを得た。
−2−ヒドロキシエチル(BHEOx)0.9部(0.
005モル)を添加し、反応の様子を見ながら30分か
けて最終的に220℃に加熱した。そして、系を水流ア
スピレータにて減圧し、240℃でV1反応を30分行
った。最終的に真空ポンプにて13.3kPa(0.1
mmHg)まで減圧してV2反応に入り、250℃で更
に2時間重縮合を行った。重縮合が充分に進みほぼ理論
量のエチレングリコールが留出したが、環状体による昇
華物はごく僅かであったので、反応を終了し、内容物が
温かいうちにサンプリング、ペレット化することでPE
Iを得た。
【0043】このポリマー120mgをフェノール/
1,1,2,2−テトラクロルエタン混合溶媒(重量比
6/4)10mlに溶解させ、この溶液を用い35℃で
ポリマーの溶液粘度を測定することにより固有粘度
[η]を算出し、更にNMR測定(TFA/CDCl
3)によるポリマー組成定量を行った。その結果を後掲
の表1の実施例1欄に示す。
1,1,2,2−テトラクロルエタン混合溶媒(重量比
6/4)10mlに溶解させ、この溶液を用い35℃で
ポリマーの溶液粘度を測定することにより固有粘度
[η]を算出し、更にNMR測定(TFA/CDCl
3)によるポリマー組成定量を行った。その結果を後掲
の表1の実施例1欄に示す。
【0044】[実施例2〜3]実施例1と同様のポリエ
チレンイソフタレート(PEI)の重合において、原料
のDMI、EG及び蓚酸ビス−2−ヒドロキシエチル
(BHEOx)の量を表1の実施例2,3欄に示す量に
変更し、重合時間を表1に示すように調整する以外は、
実施例1と同様に重合を行いPEIを得た。これらのポ
リマーの特性を後掲の表1に実施例2,3としてに併記
する。
チレンイソフタレート(PEI)の重合において、原料
のDMI、EG及び蓚酸ビス−2−ヒドロキシエチル
(BHEOx)の量を表1の実施例2,3欄に示す量に
変更し、重合時間を表1に示すように調整する以外は、
実施例1と同様に重合を行いPEIを得た。これらのポ
リマーの特性を後掲の表1に実施例2,3としてに併記
する。
【0045】[比較例1〜2]実施例1と同様のポリエ
チレンイソフタレート(PEI)の重合において、蓚酸
ビス−2−ヒドロキシエチル(BHEOx)を使用せ
ず、原料のDMI、EAの量を表1に示す量に変更し、
重合時間を表1のに示すように調整する以外は、実施例
1と同様に重合を行った。これらの条件及びポリマーの
特性を後掲の表1に比較例1,2として併記する。
チレンイソフタレート(PEI)の重合において、蓚酸
ビス−2−ヒドロキシエチル(BHEOx)を使用せ
ず、原料のDMI、EAの量を表1に示す量に変更し、
重合時間を表1のに示すように調整する以外は、実施例
1と同様に重合を行った。これらの条件及びポリマーの
特性を後掲の表1に比較例1,2として併記する。
【0046】
【表1】
【0047】以上の実施例及び比較例に示すPEIを対
象にした難重合性ポリエステルの重合結果より、重合促
進剤として蓚酸ビス−2−ヒドロキシエチルを添加する
ことで環状オリゴマーの生成が抑制され、重合促進が可
能であること、そして、製品ポリマー中には重合促進剤
である蓚酸エステルが殆ど残存せず、短時間で高重合
度、高品質のPEIの重合が可能であることが明らかと
なった。
象にした難重合性ポリエステルの重合結果より、重合促
進剤として蓚酸ビス−2−ヒドロキシエチルを添加する
ことで環状オリゴマーの生成が抑制され、重合促進が可
能であること、そして、製品ポリマー中には重合促進剤
である蓚酸エステルが殆ど残存せず、短時間で高重合
度、高品質のPEIの重合が可能であることが明らかと
なった。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA03 AB05 AC01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA09 BA10 BF08 BF09 BF10 BF17 BF18 CB04A CB05A CC05A HD01 HD02 JB183 JC361 JD05 JF031 JF041 JF131 JF141 JF181 JF221 JF321 JF361 JF371 JF471 JF541 JF551 JF561 JF571 KB04 KB17 KE03 KE05
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリエステルの溶融重合において、ビス
(2−ヒドロキシアルキル)カルボキシレート及び/又
はそのオリゴマーを加熱重縮合してポリ(アルキレンカ
ルボキシレート)とする際に、下記式(1)で表わされ
る蓚酸ビス−2−ヒドロキシアルキルを、該ポリエステ
ルを構成するジカルボン酸構造単位に対して1〜50モ
ル%の割合で添加することにより重縮合反応を促進させ
ることを特徴とするポリエステルの製造方法。 【化1】 HO-R-O-C(O)-C(O)-O-R-OH ‥‥(1) (ここで、Rは、重合するポリアルキレンカルボキシレ
ートのアルキレン鎖骨格と同一の炭素骨格を示す) - 【請求項2】 ポリエステルがポリエチレンイソフタレ
ートであり、かつ、ビス(2−ヒドロキシアルキル)カ
ルボキシレートがビス(2−ヒドロキシエチル)イソフ
タレートであることを特徴とする請求項1に記載のポリ
エステルの製造方法。 - 【請求項3】 蓚酸ビス−2−ヒドロキシアルキルが、
下記式(2)で表わされる蓚酸ビス−2−ヒドロキシエ
チルであり、これをイソフタル酸構造単位に対して1〜
50モル%の割合で添加することを特徴とする請求項2
に記載のポリエステルの製造方法。 【化2】 HO-CH2CH2-O-C(O)-C(O)-O-CH2CH2-OH ‥‥(2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29219399A JP2001114874A (ja) | 1999-10-14 | 1999-10-14 | ポリエステルの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29219399A JP2001114874A (ja) | 1999-10-14 | 1999-10-14 | ポリエステルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001114874A true JP2001114874A (ja) | 2001-04-24 |
Family
ID=17778756
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29219399A Pending JP2001114874A (ja) | 1999-10-14 | 1999-10-14 | ポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001114874A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001122953A (ja) * | 1999-10-26 | 2001-05-08 | Teijin Ltd | イソフタレート系ポリエステルの製造方法 |
JP2001131273A (ja) * | 1999-11-05 | 2001-05-15 | Teijin Ltd | 高分子量ポリエチレンイソフタレートの製造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS497355B1 (ja) * | 1970-01-12 | 1974-02-20 | ||
JPS5088199A (ja) * | 1974-12-16 | 1975-07-15 | ||
JPH0859809A (ja) * | 1994-08-18 | 1996-03-05 | Mitsubishi Chem Corp | 高重合度ポリエステルの製造方法 |
JPH0873580A (ja) * | 1994-09-09 | 1996-03-19 | Mitsubishi Chem Corp | ポリエステル |
-
1999
- 1999-10-14 JP JP29219399A patent/JP2001114874A/ja active Pending
Patent Citations (4)
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