JP2001113895A - 装飾部材及びその製造方法 - Google Patents

装飾部材及びその製造方法

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JP2001113895A
JP2001113895A JP29549899A JP29549899A JP2001113895A JP 2001113895 A JP2001113895 A JP 2001113895A JP 29549899 A JP29549899 A JP 29549899A JP 29549899 A JP29549899 A JP 29549899A JP 2001113895 A JP2001113895 A JP 2001113895A
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恭之 鈴木
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Naoki Yagi
直樹 八木
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好次 稲葉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、模様シートを基材上に強固かつ均
等に結合させるとともに、質感に深みを持たせることを
目的とするものである。 【解決手段】 塗装層12の表面を粗面化し、塗装層1
2の熱可塑性樹脂層13に対する接着性を向上させた。
また、光を乱反射する反射片を透明樹脂に混合してなる
乱反射層51を、インク受容層15の下地に用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばエレベー
タの乗場の戸、かごの戸及びかご室壁等に使用される金
属装飾パネルなど、無機材料製の基材上に着色模様を形
成する装飾部材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばエレベータの乗場の戸、か
ごの戸及びかご室壁等の金属装飾パネルを製造する場
合、表面に下地塗装が施された金属製の基材上に、接着
剤により模様シートを貼り付ける方法がある。また、こ
の方法に用いられる模様シートは、透明なポリエステル
フィルム上にインク受容層を形成し、このインク受容層
に顔料インクによる着色模様を印刷することにより製作
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の金
属装飾パネルの製造方法においては、模様シートと下地
塗装層とを接着剤により接着しているが、単に接着する
だけでは十分な接着力が得られず、また大面積の模様シ
ートを全体に均等に接着するのは難しく、模様シートと
下地塗装層とをより強固かつ均等に接着する必要があっ
た。また、薄い模様シートを貼るだけでは、着色模様に
深みがなく、質感が制限されてしまう。
【0004】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、模様シートを
基材上に強固かつ均等に結合させることができ、また質
感に変化を持たせ、深みのある着色模様を表現すること
ができる装飾部材及びその製造方法を得ることを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る装
飾部材の製造方法は、光を乱反射する乱反射層を熱可塑
性樹脂シート上に形成する工程、乱反射層上に接着剤層
を介してインク受容層を接着し、かつインク受容層に着
色模様を印刷することにより、模様シートを製作する工
程、無機材料製の基材上に樹脂塗料により塗装層を形成
する工程、塗装層の表面を粗面化する工程、熱可塑性樹
脂シートが塗装層に接合されるように模様シートを基材
に重ねる工程、及び模様シートを加熱することにより熱
可塑性樹脂シートを塗装層に溶着させる工程を含むもの
である。
【0006】請求項2の発明に係る装飾部材の製造方法
は、光を乱反射する乱反射層を熱可塑性樹脂シート上に
形成する工程、乱反射層上に接着剤層を介してインク受
容層を接着し、かつインク受容層に着色模様を印刷する
ことにより、模様シートを製作する工程、無機材料から
なる基材の表面を粗面化する工程、オルガノシランを含
むコーティング層を基材上に形成する工程、熱可塑性樹
脂シートがコーティング層に接合されるように模様シー
トを基材に重ねる工程、及び模様シートを加熱すること
により熱可塑性樹脂シートをコーティング層に溶着させ
る工程を含むものである。
【0007】請求項3の発明に係る装飾部材の製造方法
は、多数の微小な凹凸を有するセパレータの表面にイン
ク受容層を塗布する工程、光を乱反射する乱反射層を熱
可塑性樹脂シート上に形成する工程、乱反射層上に接着
剤を介してインク受容層を接着する工程、セパレータを
剥離することによりインク受容層の表面に多数の微小な
凹凸を形成するとともに、露出されたインク受容層の表
面に着色模様を印刷して模様シートとする工程、無機材
料製の基材上に樹脂塗料により塗装層を形成する工程、
熱可塑性樹脂シートが塗装層に接合されるように模様シ
ートを基材に重ねる工程、及び模様シートを加熱するこ
とにより熱可塑性樹脂シートを塗装層に溶着させる工程
を含むものである。
【0008】請求項4の発明に係る装飾部材の製造方法
は、透明樹脂と、この透明樹脂に混合され、光を乱反射
する多数の反射片とを有する乱反射層を用いたものであ
る。
【0009】請求項5の発明に係る装飾部材の製造方法
は、熱可塑性樹脂シート上に金属を蒸着することにより
乱反射層を形成するものである。
【0010】請求項6の発明に係る装飾部材の製造方法
は、模様シートが重ねられた基材を、排気通路を有する
真空排気台上に載置するとともに、通気性を有するシー
ト状の弾性体を介して模様シート上にシート状のカバー
を被せる工程、及び排気通路を介して真空排気台とカバ
ーとの間を排気することにより、弾性体及びカバーを介
して模様シートを基材に押し付け、熱可塑性樹脂シート
を基材側に密着させる工程を、模様シートを加熱する工
程の前に含むものである。
【0011】請求項7の発明に係る装飾部材の製造方法
は、模様シート上にカバーを被せる工程で、長繊維によ
り構成され通気性を有する長繊維シートを、模様シート
とカバーとの間に介在させるものである。
【0012】請求項8の発明に係る装飾部材の製造方法
は、長繊維により構成された弾性体を用いたものであ
る。
【0013】請求項9の発明に係る装飾部材は、無機材
料からなる基材、この基材上に形成され、表面が粗面化
されている塗装層、この塗装層上に溶着されている熱可
塑性樹脂層、この熱可塑性樹脂層上に形成され、光を乱
反射する乱反射層、この乱反射層上に接着剤層を介して
接着され、着色材による着色模様が形成されているイン
ク受容層、及びこのインク受容層上に形成されている透
明な保護膜層を備えたものである。
【0014】請求項10の発明に係る装飾部材は、無機
材料からなり、表面が粗面化されている基材、この基材
の表面上に形成され、オルガノシランを含むコーティン
グ層、このコーティング層上に溶着されている熱可塑性
樹脂層、この熱可塑性樹脂層上に形成され、光を乱反射
する乱反射層、この乱反射層上に接着剤層を介して接着
され、着色材による着色模様が形成されているインク受
容層、及びこのインク受容層上に形成されている透明な
保護膜層を備えたものである。
【0015】請求項11の発明に係る装飾部材は、透明
樹脂と、この透明樹脂に混合され、光を乱反射する多数
の反射片とを有する乱反射層を用いたものである。
【0016】請求項12の発明に係る装飾部材は、樹脂
の小片に金属をコーティングした反射片を用いたもので
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による製
造方法により製造された装飾部材の断面図であり、ここ
ではエレベータ用の装飾パネルの例を示している。図に
おいて、パネル形状に折曲加工された基材11の表面に
は、塗装層12が形成されている。基材11は、例えば
鋼板又はアルミニウム合金等の金属からなっている。ま
た、塗装層12は、例えばメラミン、アクリル、ウレタ
ン又はエポキシ樹脂塗料からなっている。また、塗装層
12の表面は、多数の微小な凹凸が形成されて粗面化さ
れている。
【0018】塗装層12上には、不透明な熱可塑性樹脂
層13が形成されている。熱可塑性樹脂層13上には、
乱反射層51が形成されている。この乱反射層51は、
光を乱反射する多数の反射片が透明樹脂に混合されて構
成されている。透明樹脂としては、例えばポリウレタン
系樹脂、アクリル系樹脂、スチロール系樹脂、ABS系
樹脂、AS系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹
脂、又はポリエチレン系樹脂などの塗料や樹脂が使用さ
れる。
【0019】また、反射片としては、アルミニウムやス
テンレス鋼等の金属、又はパールマイカ片が使用され
る。さらにパールマイカ片としては、雲母、鱗片、又は
樹脂や硝子の小片に金属膜を蒸着したものなどが使用さ
れる。例えば、樹脂や硝子の小片に、ニッケル、酸化チ
タン、又は酸化インジウム錫などの金属を蒸着すること
により、パールマイカ片が得られる。
【0020】乱反射層51上には、接着剤層14を介し
て透明なインク受容層15が接着されている。インク受
容層15には、着色材としての顔料インクによる着色模
様16が形成されている。インク受容層15上には、透
明な保護膜層17が形成されている。
【0021】保護膜層17は、例えばポリウレタン系樹
脂、アクリル系樹脂、スチロール系樹脂、ABS系樹
脂、AS系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹
脂、又はポリエチレン系樹脂などの塗料や樹脂からなっ
ている。
【0022】次に、図2は図1の装飾部材を製造するた
めに使用される模様シート18の要部断面図である。図
において、熱可塑性樹脂シート13A上には、乱反射層
51が形成されている。乱反射層51上には、接着剤層
14を介してインク受容層15が接着されている。イン
ク受容層15には、着色模様16が印刷されている。
【0023】次に、図2の模様シート18の製造方法に
ついて説明する。まず、図3に示すように、セパレータ
としてのポリエステルフィルム19の表面にインク受容
層15の材料となる樹脂が塗布される。この樹脂を乾燥
させることにより、インク受容層15が形成される。ま
た、ここで使用されるポリエステルフィルム19の表面
は、図4に示すように、微小な凹凸が一面に形成されて
いる状態、いわゆるマット(mat)な状態になってい
る。
【0024】一方、熱可塑性樹脂シート13Aの一方の
面上には、印刷、吹き付け、ロールコート、又はブレー
ドコートなどの手法により乱反射層51が形成される。
乱反射層51を形成する場合、透明樹脂と反射片とを予
め混合したものを塗布しても、また透明樹脂をコートし
た後に反射片を上から振り掛けたりしてもよい。
【0025】この後、図5に示すように、インク受容層
15上に接着剤層14が塗布され、さらにその上に、図
6に示すように、熱可塑性樹脂シート13Aが接合され
る。即ち、熱可塑性樹脂シート13A上に形成された乱
反射層51が接着剤層14を介してインク受容層15に
接着される。この接着後、乾燥工程を経てシート積層体
20が巻き取られる。
【0026】この後、図7に示すように、巻き取られた
シート積層体20からポリエステルフィルム19が剥離
されるとともに、露出された硬化前のインク受容層15
上に着色模様16が印刷され、図2に示した模様シート
18が製造される。このとき、着色模様16の印刷は、
コンピュータ21に接続されたインクジェットプリンタ
22により行われる。また、ポリエステルフィルム19
の剥離により露出されたインク受容層15の表面には、
図8に示すように、ポリエステルフィルム19のマット
な表面状態が写し取られている。
【0027】次に、模様シート18を用いた装飾部材の
製造方法について説明する。まず、基材11上に塗装層
12が形成される。次に、塗装層12の表面が粗面化さ
れる。この粗面化工程は、ショットブラストノズル(図
示せず)から塗装層12上に多数のガラスビーズ(図示
せず)を吹き付ける方法、即ちショットブラスト加工に
より行われる。
【0028】また、塗装層12の粗面化工程は、外周面
に微小な凹凸が形成されたローレット(図示せず)を塗
装層12に押し当てながら転動させるローレット加工に
よって行ってもよい。さらに、塗装層12の粗面化工程
は、ヘアライン加工、無方向なサンディング加工、縦横
だけのサンディング加工、又はこれらを組み合わせた加
工などによって行ってもよい。
【0029】塗装層12の表面が所定の面粗度に粗面化
された後、塗装層12上の所定の位置に模様シート18
が重ねられる。このとき、模様シート18の熱可塑性樹
脂シート13Aが塗装層12に接合される。そして、熱
可塑性樹脂シート13Aと塗装層12との間が真空圧着
され、さらに熱可塑性樹脂シート13Aが加熱溶融され
る。
【0030】溶融された熱可塑性樹脂シート13Aは、
再び常温に戻されることにより硬化して熱可塑性樹脂層
13となり、アンカー効果で塗装層12に溶着される。
これにより、着色模様16が形成されたインク受容層1
5も、接着剤層14、乱反射層51及び熱可塑性樹脂層
13を介して塗装層12の表面に強固に固着される。ま
た、インク受容層15は加熱硬化され、これにより着色
模様が定着される。
【0031】次に、熱硬化性のクリヤ塗料がインク受容
層15上に塗布され、加熱硬化されることにより、保護
膜層17が形成される。この保護膜層17のクリヤ塗料
は、その加熱硬化温度が熱可塑性樹脂層13の溶融温度
よりも低くなるように選択されている。最後に、保護膜
層17の表面が研磨されて平面度が高められ、図1に示
した断面を有する装飾部材が完成される。
【0032】次に、模様シート18を基材11に真空圧
着する工程について具体的に説明する。まず、図9は図
1の装飾部材を製造するために使用される真空排気台を
示す斜視図である。図において、平板状の真空排気台3
1は、基材11が載置される平面部31a、この平面部
31aに設けられている複数の凹部31b、これらの凹
部31b内を排気するための複数の排気通路31cとを
有している。平面部31aの周縁部には、平面部31a
の気密を保つためのパッキン32が全周に渡って連続し
て設けられている。
【0033】図10は図9の真空排気台31を有する装
飾部材の製造装置、即ち真空圧着装置の要部を示す分解
斜視図である。真空排気台31の側面部には、排気通路
31cを排気ポンプ(図示せず)に接続するための複数
本の排気パイプ33が接続されている。平面部31a上
には、基材11に模様シート18を重ねてなるパネル体
34が載置される。このパネル体34においては、所定
の面粗度に粗面化された塗装層12に、模様シート18
の熱可塑性樹脂シート13Aが接合されている。
【0034】パネル体34上には、通気性を有するシー
ト状の弾性体35が被せられる。この弾性体35の材料
としては、例えばシリコンゴムスポンジ、テフロンスポ
ンジ、ポリアミドスポンジ、シリコン繊維シート、テフ
ロン繊維シート、ポリアミド繊維シート、硝子繊維シー
ト、硝子繊維綿、ステンレススチールウール、チタンウ
ール、又はアルミウールなど、樹脂、硝子、金属等の耐
熱性と柔軟性とを備えたものが使用される。
【0035】弾性体35上には、全周に渡ってパッキン
32に接し平面部31aとの間を気密に保つシート状の
カバー36が被せられる。このカバー36としては、例
えばゴムシート、ポリエチレンシート、又はシリコンシ
ートなどが使用される。カバー36の周縁部は、押さえ
枠37とパッキン32との間に挟持される。押さえ枠3
7の材料としては、例えば金属、FRP、ポリアミド樹
脂、又はセメントなど、十分な剛性、耐熱性を有するも
のが使用される。
【0036】図11は図10の真空圧着装置の組立状態
を示す斜視図である。真空排気台31及び押さえ枠37
の組立体の側部には、押さえ枠37をパッキン32に押
し付ける複数の押さえ金38が装着される。各押さえ金
38には、ばね等の加圧調整機構39が設けられてい
る。
【0037】なお、例えば図12に示すように、押さえ
枠37の一辺と真空排気台31の一辺とをヒンジ機構に
より接続してもよく、真空排気台31に対する押さえ枠
37の位置合わせが容易となり、作業性が向上する。ま
た、押さえ枠37と真空排気台31とをパンタグラフ機
構(図示せず)等により接続してもよい。
【0038】次に、図13は図10の真空圧着装置の組
立状態を示す断面図であり、この状態ではまだ真空引き
は開始されていない。この状態から、排気ポンプが駆動
され、排気通路31cを通して凹部31b内が真空引き
される。これにより、カバー36と真空排気台31との
間の空気が排出され、図14に示すように、カバー36
が大気圧でパネル体34に押し付けられ、弾性体35が
圧縮される。また、模様シート18と塗装層12との間
も脱気され、密着性が向上する。
【0039】この後、真空引きしたままの状態で真空圧
着装置が乾燥炉(図示せず)に入れられ、パネル体34
が真空圧着装置とともに加熱される。このような加熱に
より、カバー36の柔軟性は増し、より微細な部分まで
カバー36が大気圧でパネル体34に押し付けられる。
これにより、模様シート18は、弾性体35を介して基
材11の表面に均等な圧力で押し付けられる。従って、
模様シート18が十分かつ均等な強度で基材11上に圧
着される。
【0040】このような装飾部材の製造方法によれば、
塗装層12上に模様シート18を接合する前に、塗装層
12の表面を粗面化するようにしたので、塗装層12の
熱可塑性樹脂層13に対する接着性が向上し、これによ
り模様シート18を基材に強固に結合することができ
る。さらに、平面のみならず、2次曲面、3次元形状に
も容易に適用させることができる。
【0041】さらに、真空排気台31上にパネル体34
を載置し、その上から弾性体35及びカバー36を被せ
てカバー36内を真空排気するようにしたので、模様シ
ート18を基材11に均等に圧着することができ、作業
性及び品質を向上させることができる。
【0042】また、インク受容層15の下地に乱反射層
51が設けられているが、乱反射層51に含まれる反射
片は、そのサイズや表面状態に応じて、入射する光線を
乱反射するため、薄い模様シート18を使用しているに
も拘わらず、外観に深みが生じる。
【0043】さらに、反射片のサイズ、表面状態、密度
などの選択により、質感に変化を持たせることができ
る。さらにまた、樹脂の小片に金属を蒸着した反射片を
用いる場合、乱反射の度合いを容易に調整することがで
きる。また、1枚のパネルの中で、部分的に密度を変化
させたり、反射体の配分により模様を描いたりすること
もできる。
【0044】また、実施の形態1では、模様シート18
の表面に位置するインク受容層15の表面がマットな状
態であるため、摩擦係数が高く、弾性体35及びカバー
36の横滑りが防止され、真空引きによる加圧力が模様
シート18に良好に伝えられ、模様シート18の伸びや
皺の発生を抑えて、模様シート18を基材11に均等に
押し付けることができる。
【0045】さらに、インク受容層15の表面をマット
にしたので、インク受容層15の表面積が大きくなり、
顔料などの着色成分を除いた水分などの溶剤が、従来よ
りも数倍早く吸収、分散、乾燥される。これにより、記
録密度を高くすることができ、繊細でメリハリのある美
しい画像を提供することができる。
【0046】さらにまた、ポリエステルフィルム19の
マットな表面状態をインク受容層15に写し取るように
したので、インク受容層15の表面をマットな状態にす
るのが容易である。
【0047】実施の形態2.次に、図15はこの発明の
実施の形態2による装飾部材の製造方法を示す断面図で
ある。この例では、基材11上に模様シート18を真空
圧着する際、弾性体35と模様シート18のインク受容
層15との間に通気性のある長繊維シート41が介在さ
れる。この長繊維シート41は、長繊維により構成され
たシートである。他の製造方法は、実施の形態1と同様
である。
【0048】このような長繊維シート41を介在させる
ことにより、真空圧着時に弾性体35がインク受容層1
5に付着するのが防止される。また、このような付着を
防止する場合、一般的にはインク受容層15上に剥離効
果のある薬剤を塗布する方法が用いられるが、インク受
容層15上には後工程で保護膜層17が塗布されるた
め、剥離効果のある薬剤を塗布する方法では、保護膜層
17の密着性に悪影響が出る。これに対して、長繊維シ
ート41を用いる方法によれば、保護膜層17の密着性
への影響もない。
【0049】なお、実施の形態2では長繊維シート41
を弾性体35とは別に設けたが、弾性体35を長繊維に
より構成してもよい。また、弾性体35の一方の面には
長繊維シート41が接合され一体化されたシートを用い
てもよい。
【0050】実施の形態3.図16はこの発明の実施の
形態3による装飾部材の断面図であり、ここではエレベ
ータ用の装飾パネルの例を示している。図において、パ
ネル形状に折曲加工された基材11の表面には、オルガ
ノシランを含む透明なコーティング層42が形成されて
いる。基材11は、例えばステンレス鋼又はアルミニウ
ム合金等の金属からなっている。
【0051】また、基材11の表面は、多数の微小な凹
凸を形成することにより粗面化されている。さらに、コ
ーティング層42の膜厚は、基材11の表面の凹凸に対
して十分に薄いものである。
【0052】コーティング層42の材料となるオルガノ
シランとしては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエ
トキシ)シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、又はγ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン等が使用される。
【0053】コーティング層42上には、不透明な熱可
塑性樹脂層13が形成されている。他の構成は、実施の
形態1と同様である。従って、熱可塑性樹脂層13と接
着剤層14との間には、光を乱反射する多数の反射片が
透明樹脂に混合されてなる乱反射層51が形成されてい
る。
【0054】次に、実施の形態3による装飾部材の製造
方法について説明する。まず、例えばサンドショット加
工、ヘアライン加工、無方向なサンディング加工、縦横
だけのサンディング加工、又はこれらを組み合わせた加
工により、基材11の表面が粗面化される。
【0055】この後、基材11は、室温から沸点程度の
温度に設定され液槽に入れられたアセトン、界面活性
剤、又はアルコールなどの液中に、数分から数十分程度
浸漬されて脱脂される。続いて、基材11は、スプレー
噴射や浸漬などの方法を用いて、室温程度の水道水によ
り洗浄され、さらに純水により同様に洗浄され、数分か
ら数十分程度乾燥される。
【0056】次に、基材11上にコーティング層42が
形成される。具体的には、アルコールやエーテルなどの
低沸点溶剤によりオルガノシランを1〜10%程度まで
希釈したオルガノシラン溶液が用いられる。即ち、オル
ガノシラン溶液がスプレーにより基材11の表面に噴射
されるか、又はオルガノシラン溶液中に基材11が浸漬
され、いずれかの作業の後、乾燥室内で50〜100℃
の温度で数分から数十分程度乾燥される。これにより、
オルガノシランが基材11と反応して、コーティング層
42が基材11に結合される。
【0057】コーティング層42が形成された後、コー
ティング層42上の所定の位置に、実施の形態1と同様
の模様シート18が重ねられる。このとき、模様シート
18の熱可塑性樹脂シート13Aがコーティング層42
に接合される。そして、熱可塑性樹脂シート13Aとコ
ーティング層42との間が真空圧着され、さらに熱可塑
性樹脂シート13Aが加熱溶融される。真空圧着の方法
は、実施の形態1又は2と同様である。
【0058】溶融された熱可塑性樹脂シート13Aが再
び常温に戻されて硬化することにより、熱可塑性樹脂層
13が形成される。この熱可塑性樹脂層13は、アンカ
ー効果でコーティング層42に溶着される。これによ
り、着色模様16が形成されたインク受容層15も、接
着剤層14、乱反射層51、及び熱可塑性樹脂層13を
介して基材11上に結合される。また、インク受容層1
5は加熱硬化され、これにより着色模様が定着される。
【0059】次に、熱硬化性のクリヤ塗料がインク受容
層15上に塗布され、加熱硬化されることにより、保護
膜層17が形成される。この保護膜層17のクリヤ塗料
は、その加熱硬化温度が熱可塑性樹脂層13の溶融温度
よりも低くなるように選択されている。最後に、保護膜
層17の表面が研磨されて平面度が高められ、図16に
示した断面を有する装飾部材が完成される。
【0060】ここで、図17は図16のコーティング層
42に含まれるオルガノシランの作用を説明するための
説明図である。オルガノシランは、無機系シリル基と有
機系官能基とを持つ構造となっている。有機系官能基
は、例えばアミノ基、エポキシ基、メタクリロキシ基、
又はビニル基などである。
【0061】また、基材11として例えば鋼板を用いた
場合、基材11側の分子配列は、FeとOとが交互に並
び(酸化鉄)、表面に水酸基が結合した状態となってい
る。さらに、熱可塑性樹脂層13側の端面には、例えば
カルボキシル基、又はエステルカルボニル基などが存在
している。
【0062】図18は図17の基材11、コーティング
層42及び熱可塑性樹脂層13が結合された状態を示す
説明図である。オルガノシランの有機系官能基は、熱可
塑性樹脂層13のカルボキシル基又はエステルカルボニ
ル基等と反応し、アルコールや水を排出して、例えばア
ミドを生成する形で化学結合を形成する。また、無機系
シリル基は、基材11の表面にある水酸基と反応し、ア
ルコールを排出して、例えば酸素共有する形で化学結合
を形成する。
【0063】これらの化学結合により、無機系の基材1
1上に有機系の熱可塑性樹脂層13がコーティング層4
2を介して強固に結合される。また、オルガノシラン
は、一般の接着剤や塗膜等とは異なり、一分子層が基材
11の表面を覆う程度で有効に作用するため、基材11
の表面の物理的形状に実質的な影響を及ぼしにくくなっ
ている。
【0064】但し、例えばビニルトリクロルシランな
ど、塩素を持つオルガノシランは、反応時にアルコール
ではなく塩酸を排出するため、基材11の種類によって
は使用しないことが望ましい。
【0065】このような装飾部材の製造方法では、オル
ガノシランを含むコーティング層42を用いたので、無
機質の基材11上に模様シート18を強固かつ均等に結
合させることができる。また、基材11の表面を粗面化
したので、基材11の表面積を大きくして、模様シート
18をより強固に結合させることができる。
【0066】また、インク受容層15の下地に乱反射層
51が設けられているが、乱反射層51に含まれる反射
片は、そのサイズや表面状態に応じて、入射する光線を
乱反射するため、薄い模様シート18を使用しているに
も拘わらず、外観に深みが生じる。
【0067】さらに、反射片のサイズ、表面状態、密度
などの選択により、質感に変化を持たせることができ
る。さらにまた、樹脂の小片に金属を蒸着した反射片を
用いる場合、乱反射の度合いを容易に調整することがで
きる。また、1枚のパネルの中で、部分的に密度を変化
させたり、反射体の配分により模様を描いたりすること
もできる。
【0068】なお、実施の形態3による装飾部材の製造
方法においても、基材11上に模様シート18を真空圧
着する際、実施の形態2と同様に、弾性体35と模様シ
ート18のインク受容層15との間に、通気性のある長
繊維シート41を介在してもよい。また、弾性体35を
長繊維により構成してもよく、弾性体35の一方の面に
長繊維シート41が接合され一体化されたシートを用い
てもよい。
【0069】また、実施の形態1〜3ではパネル状の装
飾部材を示したが、装飾部材の形状はこれに限定される
ものではない。さらにまた、基材の材料は、銅、チタニ
ウムなどの他の金属や、硝子等の金属以外の無機材料で
あってもよい。
【0070】また、実施の形態1〜3では、透明樹脂に
反射片を混合した乱反射層51を示したが、熱可塑性樹
脂シート13Aの表面に、ニッケル、酸化チタン、酸化
インジウム錫などの金属を直接蒸着することにより乱反
射層を形成することも可能である。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
装飾部材の製造方法は、塗装層の表面を粗面化するよう
にしたので、塗装層の熱可塑性樹脂シートに対する接着
性が向上し、これにより模様シートを基材に強固に結合
することができる。さらに、インク受容層の下地に乱反
射層を設けたので、質感に変化を持たせ、深みのある着
色模様を表現することができる。
【0072】請求項2の発明の装飾部材の製造方法は、
オルガノシランを含むコーティング層を介して、無機材
料製の基材上に模様シートを結合するようにしたので、
模様シートを基材上に強固かつ均等に結合させることが
できる。また、基材の表面を粗面化したので、基材の表
面積を大きくして、模様シートをより強固に結合させる
ことができる。さらに、インク受容層の下地に乱反射層
を設けたので、質感に変化を持たせ、深みのある着色模
様を表現することができる。
【0073】請求項3の発明に係る装飾部材の製造方法
は、セパレータの表面にインク受容層を塗布し、この後
セパレータを剥離することによりインク受容層の表面に
多数の微小な凹凸を形成するようにしたので、インク受
容層の表面に微小な凹凸を形成するのが容易である。さ
らに、インク受容層の下地に乱反射層を設けたので、質
感に変化を持たせ、深みのある着色模様を表現すること
ができる。
【0074】請求項4の発明の装飾部材の製造方法は、
透明樹脂に反射片を混合した乱反射層を用いたので、反
射片のサイズ、表面状態、密度などの選択により、質感
に容易に変化を持たせることができる。
【0075】請求項5の発明の装飾部材の製造方法は、
熱可塑性樹脂シート上に金属を蒸着することにより乱反
射層を形成するので、蒸着材料や蒸着条件を変化させる
ことにより、質感に容易に変化を持たせることができ
る。
【0076】請求項6の発明の装飾部材の製造方法は、
模様シートが重ねられた基材を、排気通路を有する真空
排気台上に載置するとともに、通気性を有するシート状
の弾性体を介して模様シート上にシート状のカバーを被
せ、この後、排気通路を介して真空排気台とカバーとの
間を排気するようにしたので、模様シートを基材に強固
かつ均等に圧着し溶着することができ、作業性及び品質
を向上させることができる。
【0077】請求項7の発明の装飾部材の製造方法は、
模様シート上にカバーを被せる工程において、長繊維に
より構成され通気性を有する長繊維シートを、模様シー
トとカバーとの間に介在させるようにしたので、真空圧
着時に弾性体がインク受容層に付着するのが防止され
る。
【0078】請求項8の発明の装飾部材の製造方法は、
弾性体を長繊維により構成したので、真空圧着時に弾性
体がインク受容層に付着するのが防止される。
【0079】請求項9の発明の装飾部材は、塗装層の表
面を粗面化するようにしたので、塗装層の熱可塑性樹脂
シートに対する接着性が向上し、これにより模様シート
を基材に強固に結合することができる。さらに、インク
受容層の下地に乱反射層を設けたので、質感に変化を持
たせ、深みのある着色模様を表現することができる。
【0080】請求項10の発明の装飾部材は、オルガノ
シランを含むコーティング層を介して、無機材料製の基
材上に模様シートを結合するようにしたので、模様シー
トを基材上に強固かつ均等に結合させることができる。
また、基材の表面を粗面化したので、基材の表面積を大
きくして、模様シートをより強固に結合させることがで
きる。さらに、インク受容層の下地に乱反射層を設けた
ので、質感に変化を持たせ、深みのある着色模様を表現
することができる。
【0081】請求項11の発明の装飾部材は、透明樹脂
に反射片を混合した乱反射層を用いたので、反射片のサ
イズ、表面状態、密度などの選択により、質感に容易に
変化を持たせることができる。
【0082】請求項12の発明の装飾部材は、樹脂の小
片に金属を蒸着した反射片を用いたので、乱反射の度合
いを容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による製造方法によ
り製造された装飾部材の断面図である。
【図2】 図1の装飾部材を製造するために使用される
模様シートの要部断面図である。
【図3】 図2の模様シートの製造途中の状態を示す斜
視図である。
【図4】 図3のポリエステルフィルム及びインク受容
層の断面図である。
【図5】 図3のインク受容層上に接着剤層を塗布する
工程を示す斜視図である。
【図6】 図5の接着剤層上に熱可塑性樹脂シートを接
着する工程を示す斜視図である。
【図7】 図6の工程の後にインク受容層に着色模様を
印刷する工程を示す斜視図である。
【図8】 図7のシート積層体からポリエステルフィル
ムを剥離する様子を拡大して示す断面図である。
【図9】 図1の装飾部材を製造するために使用される
真空排気台を示す斜視図である。
【図10】 図9の真空排気台を有する真空圧着装置の
要部を示す分解斜視図である。
【図11】 図10の真空圧着装置の組立状態を示す斜
視図である。
【図12】 図10の真空圧着装置の組立状態の他の例
を示す斜視図である。
【図13】 図10の真空圧着装置の組立状態を示す断
面図である。
【図14】 図13の真空圧着装置を真空引きした状態
を示す断面図である。
【図15】 この発明の実施の形態2による装飾部材の
製造方法を示す断面図である。
【図16】 この発明の実施の形態3による装飾部材の
断面図である。
【図17】 図16のコーティング層に含まれるオルガ
ノシランの作用を説明するための説明図である。
【図18】 図17の基材、コーティング層及び熱可塑
性樹脂層が結合された状態を示す説明図である。
【符号の説明】
11 基材、12 塗装層、13 熱可塑性樹脂層、1
3A 熱可塑性樹脂シート、14 接着剤層、15 イ
ンク受容層、16 着色模様、18 模様シート、19
ポリエステルフィルム(セパレータ)、42 コーテ
ィング層、51乱反射層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B66B 11/02 B66B 11/02 G (72)発明者 八木 直樹 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 稲葉 好次 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 山田 初雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3F306 AA00 CA02 CA11 4D075 BB04X BB29Z BB56Y CA13 CB04 DA04 DB02 DB07 DB31 DC10 DC16 EA35 EB42 4F100 AB01D AB31D AH06D AK01A AK01B AR00C AT00A AT00D BA05 BA07 BA10C BA10D BA10E CC00E DE00B EC03 EJ34D EJ67D GB08 GB51 HB00C HB31C JB16A JK14 JL06 JN01B JN01E JN06B

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を乱反射する乱反射層を熱可塑性樹脂
    シート上に形成する工程、 上記乱反射層上に接着剤層を介してインク受容層を接着
    し、かつ上記インク受容層に着色模様を印刷することに
    より、模様シートを製作する工程、 無機材料製の基材上に樹脂塗料により塗装層を形成する
    工程、 上記塗装層の表面を粗面化する工程、 上記熱可塑性樹脂シートが上記塗装層に接合されるよう
    に上記模様シートを上記基材に重ねる工程、及び上記模
    様シートを加熱することにより上記熱可塑性樹脂シート
    を上記塗装層に溶着させる工程を含むことを特徴とする
    装飾部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 光を乱反射する乱反射層を熱可塑性樹脂
    シート上に形成する工程、 上記乱反射層上に接着剤層を介してインク受容層を接着
    し、かつ上記インク受容層に着色模様を印刷することに
    より、模様シートを製作する工程、 無機材料からなる基材の表面を粗面化する工程、 オルガノシランを含むコーティング層を上記基材上に形
    成する工程、 上記熱可塑性樹脂シートが上記コーティング層に接合さ
    れるように上記模様シートを上記基材に重ねる工程、及
    び上記模様シートを加熱することにより上記熱可塑性樹
    脂シートを上記コーティング層に溶着させる工程を含む
    ことを特徴とする装飾部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 多数の微小な凹凸を有するセパレータの
    表面にインク受容層を塗布する工程、 光を乱反射する乱反射層を熱可塑性樹脂シート上に形成
    する工程、 上記乱反射層上に接着剤を介して上記インク受容層を接
    着する工程、 上記セパレータを剥離することにより上記インク受容層
    の表面に多数の微小な凹凸を形成するとともに、露出さ
    れた上記インク受容層の表面に着色模様を印刷して模様
    シートとする工程、 無機材料製の基材上に樹脂塗料により塗装層を形成する
    工程、 上記熱可塑性樹脂シートが上記塗装層に接合されるよう
    に上記模様シートを上記基材に重ねる工程、及び上記模
    様シートを加熱することにより上記熱可塑性樹脂シート
    を上記塗装層に溶着させる工程を含むことを特徴とする
    装飾部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 乱反射層は、透明樹脂と、この透明樹脂
    に混合され、光を乱反射する多数の反射片とを有してい
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
    に記載の装飾部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 乱反射層は、熱可塑性樹脂シート上に金
    属を蒸着することにより形成されることを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれかに記載の装飾部材の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 模様シートが重ねられた基材を、排気通
    路を有する真空排気台上に載置するとともに、通気性を
    有するシート状の弾性体を介して上記模様シート上にシ
    ート状のカバーを被せる工程、及び上記排気通路を介し
    て上記真空排気台と上記カバーとの間を排気することに
    より、上記弾性体及び上記カバーを介して上記模様シー
    トを上記基材に押し付け、上記熱可塑性樹脂シートを上
    記基材側に密着させる工程を、上記模様シートを加熱す
    る工程の前に含むことを特徴とする請求項1ないし請求
    項5のいずれかに記載の装飾部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 模様シート上にカバーを被せる工程で
    は、長繊維により構成され通気性を有する長繊維シート
    を、上記模様シートと上記カバーとの間に介在させるこ
    とを特徴とする請求項6記載の装飾部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 弾性体は長繊維により構成されているこ
    とを特徴とする請求項6記載の装飾部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 無機材料からなる基材、 この基材上に形成され、表面が粗面化されている塗装
    層、 この塗装層上に溶着されている熱可塑性樹脂層、 この熱可塑性樹脂層上に形成され、光を乱反射する乱反
    射層、 この乱反射層上に接着剤層を介して接着され、着色材に
    よる着色模様が形成されているインク受容層、及びこの
    インク受容層上に形成されている透明な保護膜層を備え
    ていることを特徴とする装飾部材。
  10. 【請求項10】 無機材料からなり、表面が粗面化され
    ている基材、 この基材の表面上に形成され、オルガノシランを含むコ
    ーティング層、 このコーティング層上に溶着されている熱可塑性樹脂
    層、 この熱可塑性樹脂層上に形成され、光を乱反射する乱反
    射層、 この乱反射層上に接着剤層を介して接着され、着色材に
    よる着色模様が形成されているインク受容層、及びこの
    インク受容層上に形成されている透明な保護膜層を備え
    ていることを特徴とする装飾部材。
  11. 【請求項11】 乱反射層は、透明樹脂と、この透明樹
    脂に混合され、光を乱反射する多数の反射片とを有して
    いることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の
    装飾部材。
  12. 【請求項12】 反射片は、樹脂の小片に金属をコーテ
    ィングして構成されていることを特徴とする請求項11
    記載の装飾部材。
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